岩手県工業技術センター技術情報1997.12(No.12)


目  次

  1. 天皇、皇后両陛下センター御視察
  2. 寄稿 北上川産業集積活性化計画と工業技術センターの役割
  3. 産業集積特集
    1. 地域産業集積活性化対策事業
    2. 高硬度難加工金属材料の高精度加工技術の開発
    3. メカニカルアロイング法を用いた金属系新素材の開発
  4. 知的所有権センターのご紹介
  5. 環境特集
    1. ISO9000/14000シリーズ
    2. 産業廃棄物の再利用技術
    3. 畜産未利用資源からの有用成分の抽出
  6. 国際交流
    1. 北国デザインワークショップ
    2. 韓国全羅北道との漆に関する技術交流
  7. センターニュース
  8. 岩手県工業技術センター研究員専門分野一覧
  9. 寄稿 マート・レディントン博士


    利き酒ロボットの説明を受けられる両陛下


    ホームスパンの乾燥仕上げ

    県民の歓迎に応えられる両陛下

    天皇、皇后両陛下工業技術センター御視察


    「第17回全国豊かな海づくり大会」に御出席のため来県された天皇、皇后両陛下は、10月3日県工業技術センターを視察されました。両陛下は利き酒ロボット、漆液の精製装置、軟質木材のための新しい塗料、電磁調理器対応南部鉄器、三次元CT画像のインターネット電送、盛岡冷麺の製造工程、ホームスパンの実演などを御覧になりました。

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    寄稿

    北上川産業集積活性化計画と工業技術センターの役割


    商工労働観光部技監兼
    工業振興課長

    本田敏秋
      本年3月31日に公布された「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基づき、9月5日に「北上川流域基盤的技術産業集積活性化に関する計画」が承認されました。 計画では、電気機械、精密機械や輸送機械を中心とする「ものづくり」を支える基盤を確立するため、地域企業群の持つ基盤的技術の高度化や外部からの導入を図りながら、北上川流域地域の基盤的技術産業の質的量的拡大を図ることとしております。 この計画の中で、工業技術センターは基盤的技術産業集積活性化のための支援を行う中核的施設として位置づけられており、次の4分野を中心として企業の技術開発力の支援を行うこととしております。 中小企業単独では困難な新製品・新技術に係る研究開発を推進するため、金属、プラスチック関連の研究設備を導入して、金属材料の高度化やプラスチック等の有機物質の研究機能を強化します。 製品や部品の超小型高精密化、高品質化が要求されていることから、超精密加工、表面処理加工技術関連の設備を導入して関連企業の技術者・技能者に対する指導力を強化します。 新材料や複合材料等の多種類の材料分析に対応するため、電子機械、金属化学の分野の評価試験設備を導入して企業に開放するとともに、依頼試験や依頼分析の強化を図ります。 工業所有権の有効活用を図るため、最先端技術とアイデアの宝庫である特許情報をデータベース化して情報提供するとともに、去る10月に日本テクノマートから派遣された特許流通アドバイザーの阿部新喜司さんを中心にして休眠特許の企業への移転・流通、大学・研究機関の研究成果の企業への移転を促進します。 今後とも、企業の皆様の要望を踏まえながら、工業技術センターの試験研究機能の強化や指導力の強化、設備の充実に努めて参りたいと考えておりますので、皆様の御理解、御協力をお願い申し上げます。

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    産業集積特集


    地域産業集積活性化対策事業

    −北上川流域基盤的技術産業集積活性化計画−


    1事業の背景

    近年の経済環境の急激な変化により、我が国の産業の空洞化の懸念が高まっています。 これは、「ものづくり」を支えてきた部品、金型、試作品等の基盤的技術産業や「産地」などの中小企業の地域における集積の崩壊として顕在化しつつあります。地域産業の自律的発展を図るためには、これらの産業集積が技術の高度化や新分野進出を行うことにより活性化されることが不可欠です。 このため、「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」を支柱として予算、税制、金融上の総合的な支援措置を講ずることにより、特定産業集積の活性化を促進しようとするものです。

    2事業の概要

    北上川流域の花巻、北上、水沢、江刺、金ヶ崎の4市1町は9月5日、国の「産業集積活性化対策事業」展開地域の正式指定を受けました。当面の事業計画期間は、本年度から5年間です。 これにより、本年度から技術開発のための研究施設の整備・拡充や研究開発、人材育成に取りかかることになりました。 県の計画では、今後、県工業技術センター(盛岡市)の研究開発力や加工技術の指導力、開放設備機能をさらに充実・強化し、県南技術研究センター(一関市)や、水沢市に11年度から2か年計画で整備する鋳物技術交流センター(仮称)とのネットワーク化を進め、大学や企業と一体になって研究・開発機能などを強化します。 花巻市起業化支援センターの増設と北上基盤技術支援センターの整備も本年度から着手します。 花巻第1工業団地に市が7年度に整備した起業化支援センターは、現在100u2棟、165u3棟の貸し工場や貸し研究室を新規創業者などに開放していますが、今年から2か年計画で拡充します。約3億6千万円の事業費で新たに100u3棟、165u4棟、330u3棟の貸し工場を増設する予定です。 また、ソフト部門の研究・開発のための貸し研究室機能を持つセンターハウスも拡充する予定です。 北上基盤技術支援センターは、北上市相去に整備中の産業業務団地「オフィスアルカディア北上」内に今年から2か年計画で建設する予定です。精密測定のための検査機器や技術開発機器を備えた精密測定室や環境試験室などを設置し、地域産業や技術高度化支援の拠点として整備します。 税制面では、条件によって、技術革新設備投資費や試験研究費に特別償却や税額控除が認められる支援措置が講じられ、中小企業の技術革新や基盤の強化が期待されます。 県工業技術センターにおいては「地域産業集積活性化対策事業」に関連して次の2頁のような研究が進められています。
    (企画情報部)

    特定産業集積活性化対策の体系図
    *特定産業集積の活性化 ●指針の策定
    ●活性化計画の承認
    ●高度化等計画・高度化等円滑化計画・進出計画・進出円滑化計画の承認
    支援措置 補助金 ●地域産業集積創造基盤施設整備事業
    ●地域産業集積活性化調査事業
    ●地域産業集積活性化計画策定事業
    ●地域産業集積活性化計画指導等事業
    ●創造技術研究開発費補助金(地域産業集積活性化枠)
    ●地域産業集積活性化計画支援事業
    ●関連機関支援強化事業
    ●地域産業創業機会創出事業
    税制 ●基盤的技術高度化促進税制
    ●中小企業等基盤強化税制
    ●試験研究税制等
    ●地方税の減免
    融資 ●地域産業集積活性化資金
    ●地域中小企業特別支援貸付
    ●地域産業集積特別貸付
    ●高度化融資
    信用補完 ●中小企業信用保険法の特例
    投資育成 ●中小企業投資育成株式会社法の特例
    *特定産業集積の活性化に関する臨時措置法

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    高硬度難加工金属材料の高精度加工技術の開発

    1 研究の目的

    金型などに使用される焼き入れ鋼の加工には、放電加工や研削加工が用いられるのが一般的です。しかし、これらの加工法は、切削加工に比べ能率が悪く、加工時間がかかり生産コストが割高となります。このため、焼き入れ鋼を切削により早く、高精度に加工する技術を確立することを目的とするものです。

    2 研究の内容

    研究は、以下の3つの内容で取り組んでいます。
    1. 高硬度難加工材の旋削加工
      旋削加工を対象に、加工時の切り込み幅、切り込み回数を変化させることにより仕上げ面の残留応力を制御する方法について検討しています。さらに、刃物材種による仕上げ面の相違や、摩耗量の相違などを調べ、より良い条件を探し出すための研究を行っています。
    2. 高硬度難加工材のエンドミル加工
      マシニングセンタを使用したエンドミル加工において、設定した条件の効果の度合いをSN比で表して評価する品質工学の手法を用いて実験を行い、最適な加工条件を求めるための研究を行っています。
    3. 計測評価システム及び加工条件のデータベース構築
      CCDカメラやレーザー変位計を用いて、加工により生じた工具摩耗量を調べるための研究を行っています。
    (電子機械部)

    工具摩耗量の測定結果

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    メカニカルアロイング法を用いた金属系新素材の開発

    1 研究の背景

    金属間化合物には形状記憶や磁気特性など優れた特性のものが多い反面、全般的にもろくて加工が難しいため、これらの構造材料への適用は見送られてきました。しかし、近年、組成や組織を調整して延性を改善したり、精密鋳造法、恒温鍛造法あるいは粉末冶金法で最終形状に近いものを成形し仕上加工の負荷を低減するなどの技術が構築されつつあることから、いくつかの金属間化合物が次世代の構造材料あるいは機能材料として注目されています。中でも、TiAlは1000℃程の高温下においてNi基超合金と同等の比強度があり、組織の複合化などで耐熱性がさらに向上する可能性もあるため、自動車や航空機の耐熱エンジン部材さらには原子炉部材などへの応用が期待されています。当センターでも平成7年度より東北工業技術研究所を核とする共同研究に参加し、次期軽量耐熱素材として有望と考えられるセラミックス分散TiAl基複合材料の製造技術、つまりメカニカルアロイング(MA)法と粉末冶金法の組合せ技術について検討しています。

    2 研究の内容

    MA法は異種粉末を振動ミルやアトライターといった高エネルギーのボールミルなどで処理し超微細混合あるいは化合させる技術です。図1にMAの原理を簡単に示します。2種類の金属粉末はボールの衝撃により圧接、破砕を繰り返しながら各層がナノサイズにまで混合され、最終的に超微細組織の合金粉末となります。また、ミリングの条件により過飽和固溶や非晶質といった非平衡状態の特殊な粉末も常温で合成でき、さらに、これら粉末を焼結することにより非常に微細で均質な組織の金属材料が得られます。このため、MA法は金属間化合物や各種複合材料など微細均質組織を必要とする材料の粉末製造技術として盛んに活用されています。 本研究では、これまでに、Ti、Al及びセラミックス粉末から複合材料を試作し各種評価を行ってきました。試作材の製造工程は図2の通りです。まず、適量のTi(99.9%、-45m)、Al(99.9%、-100m)そしてセラミックス粉末(TiC、SiC、Al2O3など)をステンレスボールとともにミル容器に充填し、振動ボールミル装置により180〜720ks処理し非晶質合金粉末を作ります。次に容器から回収した粉末を分級し予備成形の後、熱間等方圧加圧法により温度1073〜1273Kで焼結固化し、最後に熱処理を行います。このようにして作製したミリング粉末や焼結体については、組成、組織、各種機械的特性(常温、高温)などを調査し、その結果よりミリング条件及び焼結条件を適正化していきます。
    (化学部)




    図1 メカニカルアロイングの原理



    図2 TiAl基複合材料の製造工程

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    知的所有権センターのご紹介

    平成8年11月22日、岩手県工業技術センターと社団法人発明協会岩手県支部の複合体として、「岩手県知的所有権センター」が特許庁から認定され、設置されました。

    ●CD−ROM公報閲覧整備事業

    平成8年度においては、「CD−ROM公報編集機器」を導入し、特許庁から無償交付されるCD−ROM公報を地域の産業特性や地域ニーズに応じて編集加工し、岩手県固有の技術分野ライブラリ(食品加工、鋳物、超電導)を作成し、一般公開しています。 平成9年度においては次の事業を実施します。

    ●特許情報有効活用モデル事業

    特許情報の全技術分野の中から、岩手県の産業特性に合致した特定技術分野を選定し特許情報データベースを作成します。その特許情報を県内各地に設置された端末機から自由に検索・閲覧できるシステムを作り、県内企業の特許の先行技術調査や権利調査などに役立てようとするものです。 これにより、平成5年以降の特定技術分野について平成10年4月から見ることができるようになります。 端末機設置予定場所は次のとおりですので、みなさんのお近くの端末機をどうぞご利用ください。 なお、端末機設置場所での操作説明会を開催する予定ですが、詳細については後日案内します。

    (岩手県知的所有権センター端末機設置予定場所)
    設置箇所 所在地 電話番号 FAX番号
    岩手県知的所有権センター 〒020-0852
    盛岡市飯岡新田3−35−2
    岩手県工業技術センター2F
    019-635-8182
    019-634-0684
    019-631-1010
    (財)岩手県高度技術振興協会 〒020-0045
    盛岡市盛岡駅西通2−9−1
    地域交流センタービル「マリオス」7F
    019-621-5070 019-621-5071
    花巻市起業化支援センター 〒025-0312
    花巻市二枚橋5−75
    0198-26-5430 0198-26-1033
    北上市技術交流センター 〒024-0002
    北上市北工業団地1−6
    0197-66-3000 0197-66-3006
    (財)岩手県南技術研究センター 〒021-0902
    一関市萩荘字高梨南方114−1
    0191-24-4688 0191-24-4689
    (財)釜石・大槌地域産業育成センター 〒026-0001
    釜石市大字平田3−75−1
    0193-26-7555 0193-26-7557
    岩手県商工労働観光部工業振興課 〒020-0023
    盛岡市内丸10−1
    019-651-3111 019-625-2680

    ●知的所有権アドバイザー事業

     知的所有権制度、特許文献等に精通している方に知的所有権アドバイザーになっていただき、先行技術調査等に関する相談・指導や文献調査の指導等を行います。
     岩手県では弁理士の丸岡裕作さんに委嘱しました。 知的所有権アドバイザ−

    弁理士 丸岡 祐作

    ●特許取引支援事業

     我が国企業が保有する膨大な休眠特許等を産業界、特に地域中小、ベンチャー企業に円滑に移転、流通させ、実用化を推進することにより、県内中小企業やベンチャー企業の技術力の向上や新規事業の創出を図ろうとするものです。
    (1) 相談・指導
     (財)日本テクノマートから派遣された特許流通アドバイザーが、企業間の特許流通支援や産学特許移転支援を行うため、相談・指導を行います。
    (2) 情報提供・紹介・斡旋
     知的所有権センターの職員が次の業務を行います
    ・ 地域での特許調査及び特許情報の提供
    ・ PATOLISによる特許情報検索指導
    ・ 保有特許のデータベース化支援
    ・ ベンチャーキャピタル、金融機関等との事業連携による開発資金調達支援
    特許流通
    アドバイザ−
    阿部 新喜司
    ●産学特許移転支援事業
     公設試験研究機関や大学等から生まれる研究成果(特許シーズ)を地域企業に移転し実用化を支援します。
     そのため、特許流通アドバイザーが次の業務を行います。
     ・ 特許情報の地域企業への提供
     ・ 大学・研究機関保有特許のデータベース化支援
     ・ 実用化希望企業の募集
     ・ 資金・融資等の支援
    (企画情報部)
    岩手県知的所有権センターの利用案内

    ●開館時間  午前9:00〜午後5:00
    ●休館日 土・日曜日、祝祭日、年末年始(12月28日〜1月4日)
    ●利用料 閲覧、指導、相談は無料
         特許情報のコピーは有料(1枚52円)
     相談・指導を希望する方は、予め知的所有権センターに連絡のうえご利用下さい。
    ●所在地 盛岡市飯岡新田3−35−2
         岩手県工業技術センター2階
    ●電話  019(635)8182
         019(634)0684
    ●FAX 019(631)1010

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    環境特集

    ISO(International Organization Standard)9000/14000シリ−ズ

     従来の公害防止活動は、それなりに効果を上げ、多くの技術を生み出してきましたが、地球の温暖化、酸性雨の影響、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、砂漠化、海洋・湖沼の汚染、野性動物の激減、有害廃棄物の越境移動など、環境問題は、局地的・地域的な問題から、国境を越えて地球規模で深刻化しています。
     また、産業発展の裏での過去の土壌汚染の処理問題さらには現在の産業廃棄物・生活ごみ処理の困難さは深刻な問題であり、新しい手法による環境対策が求められるようになりました。
     ISO(国際標準化機構)は、こうした地球環境問題への国際的関心の高まりを受け、1980年にISO9000(品質管理と品質保証)の専門委員会を、また、1993年にはISO14000(環境マネジメントシステム)に関する技術委員会を設置し、国際規格の作成を進めてきました。
     ISOシリーズの概要は、次のとおりです。

    〔ISO9000シリーズ〕(品質管理と品質保証)
    1 品質方針
     供給側の経営者は、品質方針を定め、文書にすること。品質方針には、品質に関する目標及び品質についての責務を含むこと。品質方針は供給者の組織の到達目標及び顧客の期待・ニーズに対応するものであること。供給者はこの方針が組織のすべての階層によって理解され、実行され、維持されることを確実にすること。

    2 品質計画
     供給者は、品質要求事項をどのように満たすのかを定め、文書化すること。品質計画は、供給者の品質システムの他のすべての要求事と整合し、供給者の運営の方法に合った書式で文書化すること。
     Z9904-1994(ISO 9004-1:1994)
    図1 品質に影響する主な活動
    3 実施及び運用
     実施及び運用の段階では、責任及び権限を明確にし、教育・訓練、文書・データ管理、品質システムの手順、契約内容の確認、製品の設計管理、購買品、工程管理及び包装等について文書に定め、維持すること。

    4 検査・試験
     供給者は、製品に対する規定要求事項が満たされていることを検証するために、検査・試験業務の手順を文書に定め、維持すること。必要な検査・試験及び作成すべき記録は、品質計画書又は手順書に規定すること。

    5 マネジメント・レビュー(経営者による見直し)
     執行責任をもつ経営者は、この規格の要求事項及び供給者が定めた品質方針及び品質目標を満足するために、品質システムが引 き続き適切、かつ、効果的に運営されることを確実にするのに十分な、あらかじめ定められた間隔で品質システムの見直しを行い、記録を保管すること。

    〔ISO14000シリーズ〕(環境マネジメントシステム)
    1 環境方針
     環境方針は、組織の最高経営層が定め、システムの継続的改善と汚染の予防、関連する法規制の遵守を約し、環境目的及び目標を設定し見直すための枠組みを与えるもので、従業員に周知し、一般の人が入手可能にすること。

    2 計画

     計画段階では、組織の活動、製品又はサービスを分析して、著しい環境影響を及ぼす要因としての環境側面を明らかにし、法的及びその他の要求事項を遵守することを前提に、環境マネジメントにおける目的と具体的な目標を設定し、各部門及び階層の責任と目的・目標を達成するための手段と日程を明示する環境マネジメントプログラムを策定する。

    3 実施及び運用
     実施及び運用の段階では、体制及び責任を明らかにし、必要な訓練、自覚及び能力について規定し、内部・外部コミュニケーションの手順、維持、文書化などを定め、環境マネジメント文書としてシステムの要素の記述や関連する文書の所在を示すこと、文書管理、運用管理、緊急事態への準備及び対応が求められる。


    14001,04,10,11,12:1996
    (ISO 14001,04,10,11,12:1996)解説


    解説図2 この規格の環境マネジメントシステムモデル
    4 点検及び是正
     監視及び測定、不適合並びに是正及び予防処置、記録、そして環境マネジメント監査について規定すること。

    5 経営層による見直し
     最後に、経営層による見直しとして、監査の結果、変化している周囲の状況、継続的改善への約束に照らして、方針、目的、及び環境マネジメントシステムのその他の要素の変更の必要性を検討し、文書に残すこと。

    (企画情報部)

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    産業廃棄物の再利用技術

    1 研究の背景
     企業から出るゴミは産業廃棄物と呼ばれ、都道府県から許可を受けた専門業者に処理を委託する必要があります。この中でも無機汚泥と呼ばれる産業廃棄物は再利用が困難で、最終処分場に埋立処分されているものがほとんどです。今後埋立処分場の不足・法律の  改正でその処理費用が高騰すると推測されており、無機汚泥を再利用する技術開発が必要です。
    2 研究の概要
     現在は県内企業から排出される産業廃棄物として鋳物工場、生コン工場、レンズ工場の廃棄物(現在企業ではこれらの処理に5,000〜20,000円/tを支払っている)を対象としています。これらの成分分析や有害性の評価を行うとともに、乾燥後、粉砕し粒度の調整を行い、様々な割合で混合した後、バインダーを加え100o角のタイル状に成形しました。その後電気炉で焼成してタイルを試作しました。試作したタイルは変形量や強度等をJIS規格と比較するとともに、粉砕し成分の溶出量を分析し最適な作成条件を把握しました。
     その結果最適な混合比は生コンスラッジ:鋳物廃砂:ガラス研磨粉=2:5:3で、この混合比で作成したタイル状成形体が、変形量が少なく吸水率も低いことが分かりました。焼成温度を変えてタイルを作成したところ、950℃で最大曲げ強度が得られましたが、あまり高温で焼成すると強度は低下しました。これは、廃棄物の溶融と発泡が原因であることが電子顕微鏡の分析で分かっています。
    3今後の研究
     今後も様々な廃棄物の再利用方法を検討していきますが、無機汚泥を舗装材料として利用することも検討しています。また、廃プラスチックの再利用方法も研究する予定です。
    (化学部)

    試作したタイル

    鋳物砂を主成分とする骨材

    舗装材料への利用

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    畜産未利用資源からの有用成分の抽出


    1 事業の背景
     私たちがふだん食べている正肉(ヒレ、モモ、バラなどと呼ばれる一般的可食部)は、一頭の個体から切り出された物ですが、その過程において当然、正肉以外の部分も分別されてきます。それらのうち一部の内臓(レバー、ハツ、ホルモンなど)は食用となりますが、食用 とならない部分(血液、肺、腎臓など)は産業廃棄物となり回収業者にお金を払って引き取ってもらっています。

    2 事業の概要
     この事業は上で述べたような廃棄物扱いされ十分に活用されていない畜産未利用資源の有効利用法を開発しようとするものです。具体的には未利用資源を酵素で分解して調味液を調整すること、未利用資源そのものやその酵素分解物から何か体に良い物質を探すことを目標としています。畜産物を原料とした調味液は、スープをとる他に塩酸で分解してアミノ酸液にする方法が主流でしたが、最近では食品の安全性に対する認識の高まりから塩酸などの化学物質を使用しない方法へ移行しつつあります。また、体に良い物質としては、オリゴ糖、ベータカロチンなどが最近の話題となりましたが、この事業でも同様の物質を探していきたいと考えています。

    3 事業の経過
     この事業は、滑竡闥{産流通センターを共同研究者として、平成8年度から開始されました。平成8年度は様々な市販酵素の中から畜肉の分解に最も適した酵素を選びました。さらに選んだ酵素の分解力を最も引き出すための、温度、酵素量などの分解条件を検討しました。
     その結果、畜肉をほぼ限界まで分解できることがわかり、ハツ、レバー、タンなどを分解して調味液を作成し、それを使ったソーセージも試作してみました。現在はさらに様々な調味液とそれを使った製品の開発を行うと同時に、有効成分の抽出を進めています。
    (応用生物部)

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    国際交流


    北国デザインワークショップ

    1 開催の趣旨
     県立産業デザインセンターでは、県産品の革新を目的に、フィンランド、デンマークより講師を招聘し、6月5〜6日の2日間にわたり「北国デザインワークショップ」を開催しました。
     フィンランドやデンマークが位置する北欧は本県と良く似た気候・風土を有していますが、普遍性の高いデザインや環境や福祉に配慮した高品質な製品で、世界でも高い評価を得ています。
     北国デザインワークショップは、この北欧デザインの理念や技術を本県に導入するための糸口として開催したものです。講師はフィンランドで多年にわたりデザイン振興に携わってきた、世界的に著名なデザイン評論家であるタピオ・ペリアイネン氏と、世界最高峰といわれる優れた家具を造り続けているデンマーク、PPモブラー社のアイナー・ピーターセン氏です。

    2 記念講演会
     今回は初日に講演会を盛岡パルソビルで開催し、2日目には県産品に対するデザインアドバイスを工業技術センターで行いました。講演会でペリアイネン氏は「フィンランドデザインの現在と将来性」と題して講演し、自然を生かしたシンプルでベーシックなデザインについ触れ、普遍性の高いデザインと日本の文化を生かしたものづくりを行うことの重要性を語りました。ピーターセン氏は「デンマークの家具デザインの現状と職人の役割」と題して話を進め、椅子の製作工程を事例に製造の理念を語りました。
     また、同社では職人全員に同じ賃金を支払い、利益の15%を全員で分配している話をし、参加者からの質問に対して「真剣に作る事に対する報酬は当然。工房の職人は特徴を持った人ばかりだ。デンマークでは、学校出の資格のない人よりも職人の方が社会的地位 が高い。若い人を養成できる工房が少なく、10年ぐらい待ってもこの道を選ぶ人が多い」と話しました。講演会では約180名の方が聴講に来ました。

    3 ワークショップ
     ワークショップには、家具、木工、漆器、鉄器の4業種から11企業が参加しました。両氏の講評には厳しい意見もありましたが、全体的に高い評価をいただきました。ワークショップには、一般の方々も聴講し、60名ほどが両氏の意見に熱心に耳を傾けていました。司会者の荻野氏は「ペリアイネン氏の理論とピーターセン氏の実践のコンビネーションが良かった。岩手の様々な素材と技術による工芸品を生活に密着させる方策を考える必要がある。生活道具はシンプルでなければいけない。シンプルなデザインを身につければ、国際的になれることを具体的に示していただいたのは素晴らしい」と感想を話しました。また、受講した岩泉純木家具の工藤宏太氏は「ペリアイネン氏はデザインの指導者として、広い見識を持っておられる。ピーターセン社長からは作り手の立場で指導していただいた。二人の取り合わせを嬉しく思っている。今後のつながりを大切にしたい」と感謝の気持ちを語っておりました。最後に、ペリアイネン氏は「自分も新しいことを学んだ。今後も交流していきたい」と述べると、ピーターセン氏は「自分の技術を伝えるチャンスを与えてもらったことに喜びを感じている」と感想を話していました。
    (木工特産部)

    初日記念講演会で講演を行っているタピオ・ペリアイネン氏

    デザインセンターで行われたワークショップでの製品に対するアドバイス

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    韓国全羅北道との漆に関する技術交流


    1 背景
     昨年度末に韓国全羅北道より本県に対して、漆をテーマにした共同研究を行いたい旨の申し入れがあり、これを機会に本年度、2回にわたり韓国全羅北道との漆をテーマにした技術交流が行われました。
     ご承知のように岩手県は日本最大の漆液の産地で、国産漆液の約70%が岩手県浄法寺町を中心とする地域で生産されています。
     一方、韓国では漆は生産量は少ないものの、漆器等への塗料としての使用の他に伝統的に漢方薬として使われており、漆に対する強い関心を持っています。今回の共同研究の提案はそのような背景を持ってなされたもので、まず双方の交流を行うことになりました。

    2 概要
     技術交流はこれまで2回行われました。1回目は4月21日に韓国全羅北道から10名の調査団が来県し、浄法寺町の植林地、安代町漆器センター、川井村薬師塗り工芸館等の視察を行ったほか、工業技術センターで漆に関する研究について討議を行いました。
     全羅北道から来県された調査団は、工芸品製造に携わっている方をはじめ、林業、遺伝子工学、医学と幅広い分野の専門家で構成され、将来的な漆の研究についても、いわゆる漆塗りに関するもの以外に、紫外線・電磁波吸収用塗料等新しい塗料の可能性や医薬品としての可能性等、これまでに無い分野への活用について活発な意見が交換されました。中には義歯を漆で造りたいという研究者もいて、未来材料としての漆に対する強い関心が目を引きました。
     2回目の交流は7月15日に韓国全羅北道全州市の国立全北大学を会場に漆に関するシンポジウムとして実施されました。岩手県からは、川井村在住の漆工芸家全龍福氏、日本漆掻き技術保存会会長岩舘正二氏、安代町漆器センター職員冨士原文隆氏、岩手県商工会連合会指導員高橋勇介氏、県地域政策課長邨野善義氏、県情報科学課長高島竜祐氏、同主任主査橋本良隆氏、県林業技術センター首席専門研究員作山健氏、県工業技術センター上席専門研究員町田俊一の9名が参加し、双方の地域振興政策や研究の現状、将来の方向性等について討議を行いました。
     今回の技術交流を機会に、今後も韓国との漆をテーマにした技術交流が継続していくと思われますが、従来の工芸品の材料から新しい機能を持った素材としての漆の見直しと活用のための研究が促進されれば、新しい産業興しに発展していく可能性もあり、大きな糸口になることが期待されています。
    (木工特産部)

    シンポジウムでの研究発表(韓国全北大学)

    漆器製造業界の視察(韓国南原木工団地)

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    センターニュース

    1 斉藤上席専門研究員日本醸造協会「伊藤保平賞」受賞
     当センター企画情報部の斉藤博之上席専門研究員の「酒造好適米の判別ならびに酒造米育種における酒造適性推定に関する研究」が、財団法人日本醸造協会の「伊藤保平賞」を受賞しました。この賞は、昭和42年から清酒製造業の進歩発展に大きな貢献があったと認められた研究に与えられるもので、本年で31回目になります。昭和46年に岩手県酒造組合が同賞を受賞しましたが、地方公設試がこの賞を受賞したのは初めてのことです。
     9月4日に東京都のJAホールで開催された日本醸造学会の席上で同賞の受賞式と受賞講演が行われ、斉藤上席専門研究員が出席しました。

    2 センターゼミ開講
     研究員等の資質の向上と将来の研究方向を探るため、今年度からセンターゼミを開講しました。内容は、「福祉機器開発関連」(講師: いわてリハビリテーションセンター高橋明副センター長、千田峰子主任作業療法士)、「ネットワーク関連(全3回)」(講師:潟Cンタークラフト夏目俊氏、高橋和司氏)、「科学技術論文の書き方(全6回)」(講師:岩手大学農学部西澤直行教授)の3つです。センター以外の県の機関からも受講があり好評を博しました。

    3 工業技術センター情報提供・検索システムの公開について
     平成8年度技術情報提供事業(国庫補助)の成果により、当センターホームページに下記の機能が追加されました。どうぞご利用ください。

    (1)岩手オリジナル技術の動画発信
     当センターと関わりの深い伝統技術と先端技術の製造工程の動画・静止画紹介です。

     URL http://www1.kiri.pref.iwate.jp/ORGmenu.html

    (2)所内データベース検索
     当センターの研究報告書、専門図書、外部定期刊行物、試験機器が検索可能です。

      URL http://www1.kiri.pref.iwate.jp/DBmenu.html

     ※当センターホームページ(http://www.kiri.pref.iwate.jp/kiri/)からもたどれます。

    4 新採用職員紹介
    食品開発部
    専門研究員
    伊藤 良仁
     9月1日に辞令を受け、食品開発部の一員となりました。センターでは、自分の役割を良く理解し、大学で得た知識と企業での経験を生かして全力を尽くしたいと考えております。どうか宜しくお願いいたします。
    ●経 歴:茨城大学大学院農学研究科修士課程(S62〜H1)
         株式会社桃屋リサーチセンター(H1〜H5)
         岩手大学大学院連合農学研究科博士課程(H6〜H9)
    ●趣 味:旅行、将棋 ●スポーツ:テニス、スキー ●その他:大型自動車免許、剣道2段

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    岩手県工業技術センター研究員専門分野一覧

     工業技術センターの研究員の専門分野は、次のとおりです。当センターでは、県内企業との共同研究や、依頼試験、設備・機械器具貸付を行っていますので、お気軽にご相談ください。

    所長及び副所長
    所長

     甲田壽男

    心地よい機械
    副所長(工業)

     河野隆年

    ・分析化学
    ・材料(金属粉末射出成形)
    副所長(食品)

     小林晴己

    生物工学一般
    ・微生物応用技術
    ・酵素利用技術
    ・生物化学工学
    企画情報部
    部長

     南幅留男

    電子技術一般
    ・電子回路
    ・電子計測
    ・画像処理
    ・X線CT
    上席専門研究員

     斉藤博之

    醸造一般
    ・清酒製造技術
    ・酒造原料米
    ・統計解析・味センサー
    専門研究員

     桑嶋孝幸

    金属材料
    ・溶射による表面改質
    ・セラミックス−金属接合
    ・EPMAによる分析
    電子機械部
    首席専門研究員兼部長

     多田三郎

    機械一般
    ・機械加工・精密測定
    ・自動化、省略化
    主任専門研究員

     若槻正明

    機械一般
    ・生産システム
    ・自動化、省略化
    ・機械加工・精密測定
    主任専門研究員

     藤澤 充

    情報通信技術
    ・OS(UNIX,DOS)
    ・コンピュータネットワーク
    専門研究員

     熊谷隆美

    電子技術一般
    ・EMC・電子計測
    ・電子回路 (アナログ、デジタル)
    専門研究員

     大坊真洋

    電子技術一般
    ・電子デバイス
    ・微細加工プロセス
    ・半導体回路設計
    ・電子計測
    専門研究員

     和合 健

    機械一般
    ・精密測定・機械計測
    ・品質工学・機械加工
    専門研究員

     長谷川辰雄

    情報処理技術
    ・ソフトウエア・エンジニアリング
    ・OS(UNIX,DOS)
    ・C言語プログラム
    ・JAVAプログラム
    専門研究員

     堀田昌宏

    機械一般
    ・機械加工
    ・精密測定
    専門研究員

     飯村 崇

    機械一般
    ・機械加工
    ・精密測定
    ・自動化、省略化
    木工特産部
    首席専門研究員兼部長

     大内康弘

    金属の材料及び加工一般
    上席専門研究員

     大和 進

    繊維工学
    ・縫製技術
    ・ニット技術
    上席専門研究員

     高橋民雄

    木材一般
    ・木材加工
    上席専門研究員

     佐々木 陽

    繊維化学
    染色加工
    上席専門研究員

     町田俊一

    工業デザイン
    漆工
    主任専門研究員

     浪崎安治

    木材加工技術一般
    ・接着技術
    ・材料加工技術
    主任専門研究員

     有賀康弘

    木材加工
    工芸工業デザイン
    専門研究員

     小林正信

    工業デザイン
    漆工
    金属材料部
    首席専門研究員兼部長

     川原正弘

    金属材料一般
    ・接合技術
    ・金型鋳造技術
    上席専門研究員

     高橋幾久雄

    ・溶接
    ・溶射
    ・非破壊試験
    上席専門研究員

     米倉勇雄

    鋳造加工
    ・鋳型
    ・溶解
    上席専門研究員

     勝負澤善行

    金属材料一般
    ・鋳造加工
    主任専門研究員

     瀬川晃児

    無機材料一般
    ・セラミックス材料プロセス
    ・機器分析
    主任専門研究員

     鎌田公一

    ・粉末冶金技術
    ・熱処理技術
    ・機器分析技術
    主任専門研究員

     茨島 明

    金属材料一般
    ・振動解析
    ・材料物性
    ・材料力学
    専門研究員

     齋藤 貴

    金属材料一般
    ・磁気特性測定
    専門研究員

     池 浩之

    金属材料一般
    ・非鉄金属鋳造材料
    ・オーステナイト系非磁性材料
    ・硬質粉末冶金材料
    技師

     高川貫仁

    ・材料試験
    ・鋳鉄材料
    化学部
    部長

     橘 秀一

    分析技術一般
    表面処理一般
    窯業技術一般
    県産資源による窯業原料の開発
    上席専門研究員

     根守 章

    分析技術一般
    高精度化学分析技術の開発
    上席専門研究員

     小向隆志

    表面処理技術一般
    分析技術一般
    公害防止技術
    トリアジンチオールの利用
    分野開発
    主任専門研究員

     佐々木英幸

    プラスチック技術一般
    金属とプラスチックとの一体
    成形技術の開発
    主任専門研究員

     穴沢 靖

    塗装技術一般
    軟質木材の高度利用開発の研究
    主任専門研究員

     佐々木秀幸

    環境保全技術一般
    産業廃棄物の再利用技術開発
    専門研究員

     鈴木一孝

    表面技術一般
    有機超薄膜による金属の防食
    技術
    専門研究員

     吉田敏裕

    金属材料技術一般
    表面分析技術
    金属系新素材の開発研究
    専門研究員

     酒井晃二

    分析技術一般
    高分子技術一般
    生分解性ポリマーの合成と評価
    県産資源による窯業原料の開発
    応用生物部
    部長

     大澤純也

    発酵食品全般
    果汁飲料製造
    上席専門研究員

     山本 忠

    微生物利用
    主任専門研究員

     小浜恵子

    生物工学全般
    ・食品機能性
    ・微生物育種
    専門研究員

     米倉裕一

    食品製造技術
    味噌、醤油、パン関係酵母
    専門研究員

     岸 敦

    遺伝子操作
    動物細胞
    醸造技術部
    部長

     桜井 廣

    醸造一般
    ・清酒、果実酒、地ビール、
    焼酎の製造技術
    ・官能評価
    ・味噌醤油の製造技術
    主任専門研究員

     中山繁喜

    醸造一般
    ・清酒、果実酒、地ビール、焼酎の製造技術
    ・官能評価・味センサー
    ・バイオリアクター
    専門研究員

     畑山 誠

    醸造一般
    ・味噌、醤油の製造技術
    ・酵母の育種・選抜
    専門研究員

     高橋 亨

    醸造一般
    ・清酒、果実酒、地ビール、
    焼酎の製造技術
    ・官能評価・酒造米
    ・生理活性物質
    食品開発部
    首席専門研究員兼部長

     荒川善行

    食品加工一般
    ・菓子
    ・漬物
    ・食品衛生
    上席専門研究員

     遠山 良

    食品加工一般
    ・麺類
    ・食品包装
    主任専門研究員

     関村照吉

    食品加工一般
    ・麺類
    ・野菜、果物加工
    専門研究員

     武山進一

    食品加工一般
    ・食肉加工
    ・成分分析
    専門研究員

     伊藤良仁

    食品一般
    ・成分分析・乳酸発酵
    ・酵素利用食品加工
    ・漬物

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    寄稿

    岩手県工業技術センターにおけるSTAフェローシップ


    アイルランドリマリック大学
    工学博士 マート・レディントン
     私は、アイルランド国立リマリック大学工学部の講師で、木材の科学と技術の分野を専門としています。現在、リマリック大学木材技術センターと岩手県工業技術センターは共同研究プロジェクトに取り組んでいます。
     リマリック大学はアイルランドの西部にあります。アイルランドの西部地域は、農業、林業、漁業などの第一次産業が中心で、岩手県ととてもよく似ています。ヨーロッパの中のアイルランド、日本の中の岩手県、それぞれの関係もよく似ています。都市化や産業の振興、伝統的価値観の保護、そして若者たちの将来は、両方の地域が直面している同様の問題です。岩手の人々の優しさと、友情、未来に対する取り組み方に接してアイルランドと全く変わりのないものであることも発見しました。
     共同研究プロジェクトは、それぞれの地域固有の軟質木材の利用方法に関するものです。日本では昭和30年代の拡大造林以降、現在では多量の杉や松が優良間伐の時期になっています。同様に、アイルランドでも1960年代の植林計画によって多量のシトカスプルースが伐期を迎えています。このような状況下で、これらの木材を効果的に利用することが重要な課題となっています。杉やスプルースは特に軟らかい木材です。共同プロジェクトは、これらの軟質木材がより良質の木材に匹敵する材料となるように、材表面の硬さや材料の強さを改良しようとする研究です。その方法は表面処理技術によるものや、積層技術によるものです。積層技術による方法では、軟質木材に加えて小中径硬質木材も利用します。適切な表面処理を行うことや、ある程度の硬さを持つ硬質木材の表面特性を利用する軟質木材との複合は材質の向上に寄与します。この研究で重視する点は、木材の効率的な利用、木材の自然の美しさを損なわないこと、そして適切な生産方法(例えば、表面処理、接着剤、機械加工)です。さらにデザイン面からのアプローチも軟質木材を最大限に生かすために展開されています。
     岩手県工業技術センターで行った3ヶ月間のSTAフェローシップでは、軟質木材の研究に関する基本的な部分をテーマとしました。その内容は、二層均衡型木材複合材料の疲労特性の研究です。その他、楢の埋れ木の解析、ADI(オーステンパー球状黒鉛鋳鉄)の軟質木材加工用刃物への利用研究、さらに日本の林業及び木材工業の実情と特徴について詳細な考察も行ってみました。
    (訳:木工特産部)

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