りんご幼果に発生した炭そ病の発生特徴

 平成12年、県南部の複数の園地において、りんご幼果に赤色斑点を生ずる病害が発生した。本症状は、落花期〜幼果期にかけてリンゴ樹上(果台等)で増殖した炭そ病菌Colletotrichum acutatum)が幼果期に感染し発生したものである。本症状は新たな炭そ病の病徴である。なお、罹病果は収穫期頃に腐敗し二次伝染源となる可能性があるため、見つけ次第摘み取り、土中に埋没する。

発生時期、病徴及び病原菌
発生時期  6月中旬〜7月上旬、気温が高い場合
病 徴  幼果の陽光面に直径1mm以下の赤色斑点が多数形成される(右図a)。
 腐敗することもある(右図b)。
病原菌  炭そ病菌 Colletotrichum acutatum(コレトトリカム・アキテータム)である。
 本種は、ベフラン液剤およびトップジンM水和剤に対する感受性が低い。
罹病幼果は収穫期頃に赤道面より下部が腐敗する
発生時期  8月中旬〜収穫期
病 徴  幼果の赤色斑点は,果実の肥大に伴って消失するが、収穫期が近づくと果実腐敗に至る。
発病部位  陽光面での発病が多く、赤道面より下部に高頻度に認められる。
 さらに、無病徴の幼果でも赤道下部に腐敗が認められる(右図)。
腐敗果数  収穫期に近づくほど腐敗果数は増加する。
→ 幼果期に感染した場合の特徴的な病徴である

罹病幼果は収穫期頃に赤道面より下部が腐敗する
 発生圃場のリンゴ樹上(果台、果梗)では、落花期〜幼果期にかけて本病菌の胞子(分生子)が多量に形成されている。
 この時期は幼果発病の発生時期と一致することから、これが伝染源として考えられる。

リンゴ樹(果台)における炭疽病菌の
分生子形成量と幼果発病の発生時期
果梗残さに形成された炭そ病菌の分生子塊

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 病害虫部 病理昆虫研究室
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