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収量・食味だけじゃない、育種はいろんな視点から 〜 いもち病真性抵抗性判定試験
技術部作物研究室
 今回は、作物研究室水稲育種チームが行っている特性検定試験の中から、いもち病真性抵抗性判定試験について、ご紹介します。いもち病は知っているけど、「真性抵抗性」って何?という方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明します。
 
 水稲の持ついもち病抵抗性には、大きく分けて「真性抵抗性」と「ほ場抵抗性」の2種類があります。ほ場抵抗性は、様々な種類のいもち病菌に万遍なく抵抗性を発揮するのに対し、真性抵抗性は、特定のいもち病菌に抵抗性を発揮します。これだけでは、ほ場抵抗性の方が有効に聞こえますが、真性抵抗性は、特定の種類のいもち病菌に対しては全く罹病しないという点で、非常に強力な抵抗性です。
                     
 いもち病菌には様々な種類(レース)があり、それに対応するように、真性抵抗性にもいくつかの種類があります。そのため、育成中の系統について真性抵抗性の種類を判定する試験を行っています。

 実際の抵抗性判定試験は、様々なレースの菌を別々の苗に接種し、高温・高湿度(梅雨どきをイメージ)に調整した人工気象室内で1週間ほど養成します。その後、病班の有無や出方によって感染の有無を調査し、それぞれの真性抵抗性の種類を判定します。

 真性抵抗性は、強力な抵抗性ですが、菌側が感染能を持ってしまうと全く抵抗出来なくなるため、抵抗性としては、もろい一面があります。これは抵抗性の崩壊と言われ、過去には外国稲から導入した真性抵抗性が崩壊し、被害が生じた事例があります。そのため、育種の際には、複数の真性抵抗性やほ場抵抗性の導入を行っています。また、同一品種で真性抵抗性だけを変えた複数の系統(コシヒカリBLなど)がすでに利用されています。
 

(専門研究員 藤岡 智明)
 

写真1  いもち病に感染した稲の葉
(左 感染葉、右 健全葉)

写真2  試験中の育成の様子
(湿度を保つためビニールをかけています)
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この記事に関する連絡先
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