岩手にはどんな淡水魚が生息しているのでしょうか


 岩手の自然環境を調査した文献などを調べて情報収集をした結果、県内に生息が明らかとなっている動植物をまとめたのが「岩手県野生生物目録」です。
 この中で、淡水魚について主な生息種を表にまとめました。

種名

種(集団)数

ヤツメウナギ科

スナヤツメ、カワヤツメなど

ウナギ科

ウナギ

コイ科

キンブナ、ゼニタナゴ、ウグイ、シナイモツゴ、コイ、フナ、アブラハヤなど

29

ドジョウ科

ドジョウ、シマドジョウ

ギギ科

ギバチ

マナズ科

ナマズ

アカザ科

アカザ

キュウリウオ科

ワカサギ

アユ科

アユ

サケ科

サケ、ベニザケ、ヤマメ、ニッコウイワナなど

10

メダカ科

メダカ南日本集団

トゲウオ科

イトヨ太平洋グループ遡河回遊型、イトヨ太平洋グループ淡水型

カジカ科

カジカ、ハナカジカ、カンキョウカジカ、ウツセミカジカ

サンフィッシュ科

オオクチバス、コクチバス、ブルーギル

ハゼ科

ウキゴリ、トウヨシノボリ、ヌマチチブ、ジュズカケハゼ、ビリンゴ、シロウオなど

14

タイワンドジョウ科

カムルチー


 以上のようにたくさんの種類の淡水魚が川や池に生息しているのです。また、サケのように海に出て長距離を旅する間に成長して、元の川に戻ってくる魚種もあります。このような淡水魚を回遊魚といいます。

魚の形態について

 魚の体形はご存知のとおり紡錘形、ふぐ形、側扁形、縦扁形、うなぎ形やこれらの中間的な形のほかに、タツノオトシゴのように独特の形のものなど様々ですが、淡水魚は主に紡錘形、側扁形、うなぎ形です。 
 体色も様々で、銀色や黒色の光沢のあるウロコで覆われているものや、体側に黒色の
縦帯のあるもの、体側やヒレに斑紋のあるもの、体に模様のあるもの、繁殖期のオスでは鮮やかな婚姻色の出るものがあります。
 ヒレは背ビレ、胸ビレ、腹ビレ、シリビレ、尾ヒレがあり、形や位置、軟条数、斑紋
の有無などは形態分類上の手がかりになります。 
 ひげについてはドジョウ科、ナマズ目、コイ、ニゴイ、特定のタナゴ類で確され、
1対から5対まで種類によって様々です。

















淡水魚の分布と回遊について
 淡水魚の分布は基本的には地史的要素、すなわち陸地や山、河川湖沼の形成の歴史や、生物的要素、つまり水温、塩濃度、餌の種類や分布などで決まるといわれています。実際には釣りや漁のほか生息調査によりある程度わかりますが、農業用水路の整備や水産業としてサケ、アユ、イワナ、ヤマメ、ウナギなど放流しているように、人為的活動により分布域が拡大している場合もあれば、工事やため池の埋立てなどにより分布が減少あるいは消失する場合もあります。
 また、淡水魚のなかである時期を海で過ごすものを回遊魚といいますが、この場合は淡水域を探しても見つかりません。ウナギは産卵のため海へ行きますし、アユの子どもは沿岸で冬を越し春に川を上ってきて成魚になります。また、サケ・マス類の回遊型は秋になると産卵のために川に上ってきます。


繁殖のしかた

 淡水魚のメスは卵を石の裏や水草、あるいは川底などに産み付けます。そこにオスが精子を振り掛けて受精させるので、体外受精ということになります。
 カジカ類ではオスが石の下に巣穴を作り、メスに求愛行動をしてペアになります。産卵した後はオスが卵を守りますので、体が大きいオスほど有利に繁殖できるのです。
 オスから見ると繁殖を成功させるには雌にアピールすることが重要となるでしょう。また、メスから見ると繁殖を成功させるポイントは資源獲得に依存すると言われています。これはたくさん卵をつくるのに多くのエネルギーが必要だからです。このようなことからペアを形成する努力はオスがすることとなり、繁殖時期に婚姻色がオスに現れるのが一般的です。メスがオスを選んでいるのです。


何を食べているのか

 淡水魚のエサはプランクトンや底生動物(ベントスとも言われイトミミズ、マキガイ、蚊の幼虫など水底で生活している動物)、昆虫、水草などです。外来種のブラックバスは魚食性が強く、小さい魚を食べてしまいますが、そのほかにカエルやザリガニ、昆虫なども食べてしまいます。池のギャングですね。


寿命ってどのくらい

 通常ですと魚の寿命は1年から数十年ほどまで魚種によって様々のようです。年魚のアユは1年で死んでしまいますし、日本最大級の淡水魚といわれるイトウでは15年ほどいきるものもあるといわれています。コイでは20年以上といわれているようです。