(平成19年6月14日掲載)

谷内主任専門研究員が
第4回木材保存学術奨励賞を受賞しました!

当センター林産利用部 谷内博規主任専門研究員が(社)日本木材保存協会の第4回木材保存学術奨励賞を受賞しました。
 この賞は、木材の保存に関する研究分野において、木材劣化、木材保存処理に関する基礎学と木材保存処理技術にあって、特定課題要件に該当する研究において優れた学術研究業績をあげた45歳以下の研究者に贈られるものです。
 なお、同研究員は「岩手県産アカマツ材の建築用内装材としての利用技術」に関する論文で、平成19年3月19日に秋田県立大学から学位(理学博士)を授与されています。
青変対策薬剤散布試験写真
"" アカマツ青変防止のための薬剤散布試験
""業績課題

 「アカマツ青変の菌伝播機構の解析及び薬剤を用いた青変防止技術の開発につながる研究」

 

""業績内容
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アカマツ材の利用で問題となる青変被害の防止に取り組み、青変菌の生育条件と変色進展要因解析に関する研究を行い、菌糸伸長と青変速度が著しく減少する条件を明らかにした。
A
次に青変被害の形態と防止方法を研究し、青変は木口への菌の付着によるものと樹皮下キクイムシの穿孔により材面に菌が持ち込まれるものに大別され、特に後者の被害が主要因であることを究明した。また、青変被害が春から夏にかけて発生するのは、樹皮下キクイムシの産卵時期と重なっていることを明らかにした。
B
上記の研究成果に基づき、防虫剤、防カビ剤を用いて青変被害を防止する方法を開発し、アカマツ材の出荷体制に必要な青変被害対策の構築に貢献した。
""関連する資料
 センター研究成果速報
219
アカマツ青変被害の防止技術の開発(5)−アカマツ樹皮下へのキクイムシ類の穿孔を被覆材により阻害した際の青変防止効果− (平成18年8月発表)
173
 アカマツ青変被害の防止技術の開発(4)−有効成分の異なる12種類の防虫剤、防カビ剤を用いた薬剤処理試験− (平成17年9月発表)
160
 アカマツ青変被害の防止技術の開発(3)−伐採時期が青変拡大へ与える影響と薬剤を用いた際の青変防止効果−  (平成17年3月発表)
130
 アカマツ青変被害の防止技術の開発(2)−青変防止方法の開発−  (平成16年1月発表)
129
 アカマツ青変被害の防止技術の開発(1)−青変メカニズムの解明−  (平成16年1月発表)
 センター研究報告
第15号
岩手県内のアカマツから分離された青変菌 (平成19年3月発表)
第13号
アカマツ材での青変拡大に及ぼす温度、水分、酸素の影響 (平成17年3月発表)
 専門誌等投稿

木材学会誌 Vol.49, No.6, p.446-451「Leptographium wingfieldiiがアカマツ材を青変する際の温度,水分,酸素濃度の影響」共著、平成15年11月掲載

木材保存 Vol.32, No.4, p.151-158「林地におけるアカマツ丸太の青変に対する防虫剤と防黴剤の効果」共著、平成18年7月掲載

岩手県林業技術センター