(平成28年11月10日掲載)

林業技術センター研究員の学位取得について

 

""博士号を取得した成松眞樹
(ナリマツマキ)上席専門研究員

  ""博士号の学位記近影

 林林業技術センターでは、アカマツ林を活用した林家の所得向上を目指し、寒冷地域におけるマツタケの生態解明に向けた研究を、成松上席専門研究員が中心となり取り組んで参りましたが、このたび、その一連の研究が認められ、岩手大学より博士(農学)の学位が授与されたので、お知らせします。
 なお、県の林業関係職員の学位取得は今回で4人目となります。

1 所属・職氏名
 岩手県林業技術センター研究部 上席専門研究員 成松眞樹(ナリマツ マキ)

2 学位取得日
 平成28年9月26日

3 学位論文名
 寒冷地域におけるマツタケの生態と栽培

4 内 容
 マツタケはアカマツなどの樹木と菌根で共生するため、その施設栽培技術は確立されていない。寒冷地域におけるマツタケの栽培技術の確立を最終的な目標として、マツタケの生態と培養技術の研究に取り組んだ。
 生態に関し、栽培に関する基礎的な知見を得ることを目的に岩手県内陸部のアカマツ林で調査を行った。その結果、マツタケのシロは、胞子が定着しやすい環境(地表攪乱や若いアカマツ林)に近隣のコロニーから胞子が到来して形成されることを明らかにした。また、形成されたマツタケのシロの直径は、1年間に約17cm広がることを明らかにした。さらに、シロの広がる速度や子実体発生量には、降水量よりも温度が大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
 培養に関し、岩手県産マツタケ菌糸の伸長適温が、温暖地域産菌糸と同程度の20℃付近であることを明らかにした。また、マツタケの菌糸を培養した不織布と県内産の土壌を用いて、アカマツ実生への菌根形成に成功した。

 
""写真1 子実体発生調査   ""写真2 菌根形成試験
 
""写真3 アカマツ実生への菌根形成 

""写真4 形成された菌根

岩手県林業技術センター