岩手県林業技術センター


 

平成15年度林業技術センター外部評価会議の実施結果について

1 目的

 成果を重視した効果的・効率的な試験研究の推進を図るため、試験研究課題の選定から試験研究終了後の成果の普及に至るプロセスに関して、県の組織に属さない外部有識者等を評価者とする外部評価を受ける。

2 評価会議の開催日時及び場所

 (1)開催日時   平成15年7月28日月曜日午後1時〜4時30分
 (2)開催場所   岩手県林業技術センター大講義室

3 評価会議委員

 次の委員を所長が委嘱し、その任期は2年とする。

所属等
氏名
岩手大学
副学長
猪内 正雄氏
森林総合研究所東北支所
支所長
浅沼 晟吾氏
元・森林総合研究所支所長三上  進氏
岩手県林業協会
常任理事
秋山 英男氏
岩手県木材青壮年協議会
前会長
鈴木 光宏氏
岩手県林業研究グループ連絡協議会
会  長
紺野 正文氏

 

4 評価対象課題

 平成15年度における外部評価の対象は、16年度から新たに実施を予定している研究課題及び木質バイオマスエネルギー利用関連の研究課題とし、次の6課題とする。
 (1)「人工林伐採跡地の更新技術の確立」(平成16年〜予定)
 (2)「アカマツ材の青変防止技術の開発」(平成16年〜予定)
 (3)「木酢液の製造技術の開発」(平成16年〜予定)
 (4)「マツタケ等菌根性きのこの栽培技術の開発」(平成16年〜予定)
 (5)「間伐材等木質資源エネルギー利用システムの開発」(平成13年〜17年)
 (6)「木質バイオマス利用のためのチップ燃料低コスト供給システム開発」(平成15年〜17年)


5 評価方法等

 事前に外部評価委員に試験研究推進計画書等課題内容説明資料を送付させていただいた上で、評価会議当日、各課題について林業技術センター研究員が研究推進計画書により説明し、質疑等を行った後、「試験研究評価シート」により評価を実施する。
 評価結果は、林業技術センターでとりまとめ、研究推進、予算要求等に活用する。

6 各課題に対する総括評価結果

課題名
総括的
評価※
総括的評価に関するコメント
「人工林伐採跡地の更新技術の確立」
(平成16年〜予定)
A:2名
B:3名
C:1名
森林資源の保続、林地保全上重要な課題である。
目標をスギ林に、また非皆伐か更新放棄地に絞る等、短期間で森林経営者の参考となる成果を出すように計画、内容の再検討が必要。
「アカマツ材の青変被害防止技術の開発」
(平成16年〜予定)
A:4名
B:2名
特に本県において重要かつ緊急性の高い研究。これまでの基礎的研究成果を活かし、早期実用化を期待。
最小薬剤使用量の検討と薬剤を林地で施用する場合の残留量の検証が必要。
「木酢液の製造技術の開発」
(平成16年〜予定)
A:3名
B:3名
良質木炭生産の条件内で研究すべき。
農薬とするのか無農薬用とするのか要検討。
品質管理は、木炭生産現場では困難であり特定条件での木酢液で品質保証できることが重要。
一般生産者からの木酢液を原液とし、これらからの安定した品質の木酢液生産も検討が必要。
「マツタケ等菌根性きのこの栽培技術の開発」
(平成16年〜予定)
A:4名
B:2名
これまで着実な成果を上げており、栽培技術が確立されれば農山村地域の活性化に大きく貢献できることから成果を期待。
「間伐材等木質資源エネルギー利用システムの開発」
(平成13年〜17年)
A:3名
B:3名
岩手型システムの特性を十分発揮できる方向での成果を期待。
研究目標、目的をさらに明確にする必要がある。
普及するためには、導入コストとランニングコストのバランスが重要。
「木質バイオマス利用のためのチップ燃料低コスト供給システムの開発」
(平成15年〜17年)
A:3名
B:3名
地域林業活性化、環境面でも非常に重要な課題。
利用システム の開発の課題をサポートする意味でも重要であり、最適なチップ供給システムの開発を期待。
導入コストとランニングコストのバランスが重要。

※ 総括的評価は、次の5段階による評価
 A:重要課題で優先的に取り組む必要あり
 B:重要な課題で早期に取り組む必要あり
 C:取り組む必要はあるが解決すべき問題点等あり