岩手県林業技術センター


 

平成14年度林業技術センター外部評価会議の実施結果について

1 目的

 成果を重視した効果的・効率的な試験研究の推進を図るため、試験研究課題の選定から試験研究終了後の成果の普及に至るプロセスに関して、県の組織に属さない外部有識者等を評価者とする外部評価を受ける。

2 評価会議の開催日時及び場所

 (1)開催日時   平成14年7月17日水曜日午後1時30分〜4時30分
 (2)開催場所   岩手県林業技術センター大講義室

3 評価会議委員

 次の委員を所長が委嘱し、その任期は2年とする。

所属等
氏名
岩手大学
副学長
猪内 正雄氏
森林総合研究所東北支所
支所長
浅沼 晟吾氏
学識経験者 三上  進氏
岩手県林業協会
常任理事
秋山 英男氏
岩手県木材青壮年協議会
会  長
鈴木 光宏氏
岩手県林業研究グループ連絡協議会
会  長
紺野 正文氏

 

4 評価対象課題

 平成14年度における外部評価の対象は、14年度から実施している新規研究課題及び15年度から実施を予定している研究課題とし、次の6課題とする。
評価対象課題一覧表(PDF形式)
 (1)「松くい虫被害発生メカニズムの解明と被害木早期診断技術の解明」(平成14〜)
 (2)「長期育成循環施業に対応した高性能機械化等作業システムの開発」(平成14〜)
 (3)「岩手県の森林の炭素固定機能の評価技術の確立」(平成14〜)
 (4)「新建築基準法に対応する防火処理木材の開発」(平成14〜)
 (5)「新基準に対応した性能保証の住宅部材の開発」(平成15〜予定)
 (6)「多様な森林づくりのための育種技術の開発」(平成15〜予定)


5 評価方法等

 事前に外部評価委員に試験研究推進計画書等課題内容説明資料を送付させていただいた上で、評価会議当日、各課題について林業技術センター研究員が研究推進計画書により説明し、質疑等を行った後、「試験研究評価シート」により評価を実施する。
 評価結果は、林業技術センターでとりまとめ、研究推進、予算要求等に活用する。

6 各課題に対する総括評価結果

課題名
総括的
評価※
総括的評価に関するコメント
「松くい虫被害発生メカニズムの解明と被害木早期診断技術の解明」
(平成14〜)
A:6名
潜在的感染の把握の適切な処理は極めて重要である。
緊急性を要し、積極的な取り組みが必要である。
「長期育成循環施業に対応した高性能機械化等作業システムの開発」
(平成14〜)
A:2名
B:3名
C:1名
実証データの積み上げが必要である。
試験調査項目を絞り込む必要がある。
普及は(実証の)次の段階でよいのでは。
「岩手県の森林の炭素固定機能の評価技術の確立」
(平成14〜)
A:2名
B:3名
地域のデータ整理として現状で取り組む必要がある。
炭素固定量推定の精度向上のため必要である。
「新建築基準法に対応する防火処理木材の開発」
(平成14〜)
A:5名
B:1名
県産材需要拡大のためにつながる必要な課題なので成果を早く出して欲しい。
内装材なので健康への影響を考える必要がある。
「新基準に対応した性能保証の住宅部材の開発」
(平成15〜予定)
A:5名
B:1名
製造者側の出荷には不可欠である。
強度の最低基準を示すことが必要。
集成材に県産材をさらに使うことが課題。
「多様な森林整備のための育種技術の開発」
(平成15〜予定)
A:3名
B:3名
広葉樹の育種技術開発、育種材料確保は、今後の林木育種事業展開上重要課題である。
期間的に8年間では短いので、期間内で出せる成果と長期を要するものを整理して確実に成果を出すことを期待する。

※ 総括的評価は、次の5段階による評価
 A:重要課題で優先的に取り組む必要あり
 B:重要な課題で早期に取り組む必要あり
 C:取り組む必要はあるが解決すべき問題点等あり
 D:内容を見直す必要あり
 E: 取り組む必要がない

7 センターの取組み全体に関する評価結果

  • 限られた人員・予算の中での努力がうかがわれる。
  • 1人で担当している課題が多いと見受けれるので、長期にわたる研究が多いことら、研究の継続性、発展性の上から、複数の研究員が各課題に共同で当たる体制が望ましい。