岩手県立博物館

岩手山を望める丘のミュージアム

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いわての今[生物分野]
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イヌワシ

イヌワシの山

 イヌワシは、営巣中心域(巣が3、4個ある所)を中心に6000~20000ヘクタールの行動圏(なわばり)を持ちます。1カ所のなわばりには1組のカップルが暮らします。イヌワシの夫婦関係は一生続きますが、片方が死ぬとフリー(1羽者)のイヌワシがやって来て新カップルの誕生となるのです。そのため、イヌワシの数はなわばりの数×2羽 となります。
 岩手には、30カ所確認されていますので60羽が生息していることになります。岩手にあるなわばりは、おもに北上高地の東側にありますが、奥羽山脈や盛岡でも、巣が確認されています。

イヌワシのなわばり



みさちゃんとイヌワシ

(イヌワシと岩手の小学生みさちゃんの会話)

(イヌワシから岩手のみなさんへ)

 こんにちは!「イヌワシの山」へ、ようこそ!ここが、わたしたちのおうちです。見晴らしがよくて、いいところでしょ。下の谷からは、約100メートルの高さがあって北上高地(きたかみこうち)が一望できます。家は、急な岩山の割れ目や岩だなの上、または大きな木( アカマツなど)の上に作ります。
 実は、わたしたちは、この家のほかに3、4カ所に別荘をもっています。そして、毎年引っ越しをするの。ちょっと、ぜいたくかしら?

 ふだん、わたしたちは恥ずかしがりやで、人が頻繁(ひんぱん)にくると、子育てをやめたり、すぐに引っ越してしまいます。デリケートなのよ。だから、ここでわたしたちの家をよく見て行ってね。そして、本当の森の家は、そっとしておいてくださいね!

 わたしたちの仲間が盛岡に住んでいます。都道府県の県庁所在地で、イヌワシが生息しているのは、とてもまれなことです。「盛岡市」では、わたしの友達夫婦が安心して暮らせるように、約90ヘクタール(野球のグランド90個分) の森を守ってくれているの。おかげで、平成9年には、ここの巣から1羽の幼鳥が巣立っていきました。 ありがとう‥‥

(岩手の小学生・みさちゃんからの返事)

 こちらこそ!イヌワシの山を守ることは、水や空気を守ること、昆虫やほかの動物のため、そして私たち人間のためにも大切なことなのです。


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