平成28年2月定例会 請願・陳情
(採択されたものは、内容をご覧いただけます。)

〔今期受理分〕


◎今期受理分
総務委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
14 平成28年3月16日 TPP協定を国会で批准しないことを求める請願 継続審査



環境福祉委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
平成28年3月2日 安全・安心の医療・介護実現のための夜勤改善・大幅増員を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付
12 平成28年3月15日 介護福祉士等の修学資金貸付制度の拡充・強化及び離職者訓練(委託訓練)制度の継続実施等を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付

受理番号:9
受理年月日:平成28年3月2日

安全・安心の医療・介護実現のための夜勤改善・大幅増員を求める請願

(請願趣旨)
 長寿世界一を誇る日本の医療は、今日まで医師、看護師をはじめとする多くの医療従事者の懸命な努力で支えられてきた。しかし、現在の医療・介護現場では長時間過密労働に加え、医療技術の進歩や医療安全への期待の高まり、介護を必要とする高齢者の増加などで、医療・介護従事者の労働環境は悪化し離職者も後を絶たず、深刻な人手不足になっている。
 看護師など夜勤・交替制労働者の労働条件を抜本的に改善し、人手を大幅に増やして、安全安心の医療・介護を実現することが必要である。
 東日本大震災では、医療崩壊や介護崩壊の実情が改めて明らかになり、その中で医師、看護師、介護職員など医療・福祉労働者の人手不足も浮き彫りになった。
 安全安心の医療・介護は、県民の切実な願いであると同時に、医療・介護に従事する者の願いでもある。
 以上の趣旨から、安全安心の医療・介護実現のための看護師等の夜勤改善、大幅増員を図るため、次の事項について、地方自治法第99条の規定に基づき、国に対し意見書を提出するよう請願する。

(請願事項)
1 看護師など夜勤交替制労働者の労働時間を1日8時間、週32時間以内、勤務間隔12時間以上とし、労働環境を改善すること。
2 医師、看護師、介護職員等を大幅に増やすこと。
3 国民(患者、利用者)の自己負担を減らし、安全安心の医療・介護を実現すること。


受理番号:12
受理年月日:平成28年3月15日

介護福祉士等の修学資金貸付制度の拡充・強化及び離職者訓練(委託訓練)制度の継続実施等を求める請願

(請願趣旨)
 急速な高齢化の進展等に伴い、国民の福祉・介護ニーズはますます拡大し、介護関係業務に係る労働力の需要が増大する一方、生産年齢人口の減少や他分野への人材流出等の中で質の高い介護サービスを安定的に提供していくためには、介護人材の安定的確保・資質の向上が不可欠となっている。
 公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会(以下「協会」という。)及び協会会員介護福祉士養成施設(以下「養成施設」という。)は、介護人材の中核的役割を果たすべく高い専門性と優れた資質を有する介護福祉士を継続的・安定的に社会に送り出すため、国の施策に合わせ教育内容の充実を図るなど最大限の努力をしてきている。また、国の雇用対策の一環としての介護福祉士養成に係る離職者訓練を受け入れ、養成教育を行い、質の高い介護福祉士を社会に送り出すことにより高い評価を得ている。
 一方、岩手県内の養成施設への入学者の減少傾向に歯止めがかからず、平成27年度の養成施設の定員に対する充足率は39.7%(離職者訓練による受入者を除くと32.9%)と東北の中でも低い数値となっており、全国においても最下位グループに属している。このまま推移すれば、教育課程の廃止や入学生の募集停止を検討せざるを得ない養成施設も少なくない。協会としては、中高校生を対象とした介護に関する啓発活動や高等学校訪問、介護の日のイベントなどによるイメージアップのための努力をしているが、このままでは、国の施策や社会の要請に応えていくことは困難になることが予想される。
 平成27年2月25日に社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会から報告された「2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環に向けて~」(以下「報告書」という。)による施策の方向等に対応していくため、教育機関としての使命感を持って国民の要請に応えるべく、高い専門性を持った優れた介護人材の養成に努めており、前記報告書において示された介護ニーズの高度化、地域包括ケアシステム、地域連携等の施策に対応した質の高い介護福祉士を養成し社会に供給してまいる所存である。
 ついては、養成施設においては、今後とも国民の要請、政策課題に応え、専門性をより一層高め、質の高い介護福祉士を養成して、社会に安定的な供給を図り、これにより国民の安心・安全、介護に要する費用の節減等社会貢献を図っていくことが必要であることから、介護人材養成と確保のための大きな魅力となっている介護福祉士等修学資金貸付制度の拡充、入校生の学習意欲も高く修了生の就職先での評価も得ている雇用対策としての介護福祉士養成に係る離職者訓練(委託訓練)制度の恒久化をはじめとする次の事項の実現のため、意見書を国に提出するよう請願する。

(請願事項)
1 介護福祉士等修学資金貸付制度の拡充・強化について
報告書において示された「学生に対し介護福祉士修学資金貸付による支援を行い、学生の確保を進める」ために次の事項を強力に推進すること。
 (1) 介護人材の養成は国家的事業として推進する必要があることから、全額国庫負担で実施すること。
 (2) 貸付金返還免除の条件について、介護福祉士養成教育を国家的事業と位置付けるとともに、養成施設卒業後の「介護業務の従事期間の制約」を緩和すること。
 (理由)  この貸付制度は、入学者の経済的負担の軽減を図るものとして、養成施設への入学を志す者にとっての魅力として期待されており、優秀な人材確保による介護サービスの質の向上のために大きな要因となっている。一方、急速な高齢社会に伴う介護ニーズへの対応のため「地域包括ケアシステム」の構築が図られているが、これには体系的な教育のもとで知識・技術を修得し他職種と連携できる介護福祉士が求められていること。
2 介護福祉士養成に係る離職者訓練(委託訓練)制度の継続実施及び恒久化を図ること。
 (理由)
 (1) この訓練(委託訓練)制度で学ぶ者は高学歴者が多く、介護の専門性を理解し、学習意欲も極めて強く、社会人経験も豊かであることから、卒業(修了)者のほとんどが取得した資格を生かし介護福祉士として就労しており、体系的な教育に基づき修得した知識・技術に培われた職業能力は就労先職場でも高い評価を得ていること。また、就労後の経験・研鑽を積むことでより優れた介護福祉士としての活躍が期待できること。
 (2) 少子化、若者の介護離れ等により、高等学校等から養成施設への入学者が減少傾向にある中にあって、離職者訓練制度による入学者は、養成施設への全入学者の17.2%を占めており、質の高い介護福祉士を確実に養成し継続的に供給することは今後の超高齢社会に対応した施策運営及び雇用施策の上でも欠かせないこと。
 (3) 高等学校卒業直後に養成施設に入学した者にとって、社会人としての経験も豊かで、かつ、介護の専門性を理解する者とともに学ぶことが教育の質の向上に繋っていること。
 (4) この制度を生かして卒業(修了)した多くの者が教育効果の反映として今後も制度の継続及び恒久化を強く希望していること。

3 教員の資質向上のための再教育に対する財政的支援等措置を講じること。
 (理由)  養成施設においては、厚生労働省の介護福祉士養成教育内容の改正に合わせ、平成21年以降新カリキュラムによる教育を開始し、これに合わせた教員養成教育を実施している。しかしながら、平成21年以前に教員講習を受講し、専任教員資格を取得した教員は当該教育を受けていない状況にある。一方、質の高い介護福祉士を養成していくためには、その養成に携わる教員について、施策の動向や社会の要請、介護を取り巻く環境に合った最新の知識・技術を修得させる必要があることから、財政的支援などの政策的対応が必要であること。
4 養成施設に対する経常費及び施設設備拡充のための財政的支援を講じること。
 (理由)  国が指定している養成施設は、制度発足以降平成26年度までの間に約325,000名の卒業生を介護福祉士として社会に送り出し、これらの者は高等教育課程において専門的な知識・技術を体系的に学んだ者として社会貢献を果たしてきた。一方、介護ニーズの複雑・高度化、地域包括ケアシステムの構築に対応した質の高い介護福祉士の養成が急務となっていることから、各種助成措置の対象とされていない養成施設に対し財政的支援が必要であること。

※ 項目2は商工文教委員会に付託



商工文教委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
10 平成28年3月2日 2016年度最低賃金引き上げに関する請願 別記のとおり 送付
11 平成28年3月8日 平成28年度岩手地方最低賃金改正等についての請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付
13 平成28年3月15日 介護福祉士等の修学資金貸付制度の拡充・強化及び離職者訓練(委託訓練)制度の継続実施等を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付


別記
1 次の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、雇用戦略対話における最低賃金引上げに関する合意に基づく「できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指す」を達成すること。
  イ 地域間格差をなくすため、全国一律最低賃金制度を確立すること。
 (3) 以下の制度改正を行うこと。
  ウ 中小企業に対する代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を改正すること。
  エ 最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。中小企業の負担を軽減するための直接支援として、中小企業とそこで働く労働者の社会保険料負担や税の減免制度を実現すること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策を拡充すること。
意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
1 次の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ウ 審議会や専門部会の公開性を高めること。また、非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
 (2) 中央最低賃金審議会及び岩手地方最低賃金審議会の労働者側委員は、特定系統の団体のみから選任され続けていることから、偏向任命をやめ、各労働団体からバランスよく選出すること。また、専門部会の委員選出についても公正な任命を行うこと。
 (3) 以下の制度改正を行うこと。
  ア 最低賃金の日額及び月額設定を復活させること。
  イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
 (4) 最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を大幅に増員し、監督行政の強化を図ること。
不採択


受理番号:10
受理年月日:平成28年3月2日

2016年度最低賃金引き上げに関する請願

(請願趣旨)
 アベノミクスによる異次元の金融緩和によって、大企業の内部留保は増えたが、労働者の実質賃金は下落し、消費支出も減少し続けている。雇用の流動化が推し進められ、非正規労働者が全労働者の4割に達し、労働者の4人に1人が懸命に働いても年収200万円以下というワーキング・プアに陥っている。低賃金で不安定な仕事にしか就けず、自立も出産もできない人が増え、少子高齢化がますます進行し、親の貧困が子供たちの成長、発達を阻害するという貧困の連鎖も社会問題化している。
 現在の最低賃金は、最も高い東京都で時給907円、岩手県は695円、最も低い地方は693円である。毎日フルタイムで働いても月10万円から13万円の手取りにしかならず、これでは憲法が保障する健康で文化的な最低限の生活はできない。東京と岩手の地域間格差は時間額で212円にまで広がり、労働力の地方からの流出を招き、地方の高齢化と地域経済を疲弊させる要因となっている。地域経済を再生させる上で、地域間格差の是正と最低賃金の大幅な引上げが必要である。
 安倍首相は、昨年11月の経済財政諮問会議で、最低賃金を毎年3%程度引上げて、加重平均で1,000円を目指すと述べ、GDPにふさわしい最低賃金にするとして、現在の最低賃金の水準の低さを認めた。しかし、年3%では、できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指すとした雇用戦略対話での政労使合意を先延ばしすることになる。
 中小企業への助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策を拡充すると同時に、最低賃金を改善することは、景気刺激策として有効である。さらに公正取引の確立の面からみても、最低賃金を生活保障水準に引上げ、企業間取引の力関係の中で単価削減、賃下げが押し付けられないようにし、適正利潤を含んだ単価を実現させることが大切である。
 最低賃金法第9条には、最低賃金の原則として、労働者の生計費と賃金に海外でもあまり例のない支払能力が併記されている。大企業の経済活動に大きく左右される、雇用者1人当たりの雇用者報酬、1就業者当たり年間販売額、1就業者当たり年間事業収入額などが地域ランクの判断要素とされ、政府や使用者側は、これらを理由に劣悪な労働条件の多い小零細企業の労働者との賃金で比較しており、それらによる生計費原則を無視した地場賃金の抑制、地域間の賃金格差の固定、拡大に伴う地域経済の疲弊の進行を黙認している。
 憲法では、すべて国民は、法の下に平等、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとされ、労働基準法第1条では、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなければならないとしている。そして、最低賃金法第9条では、最低賃金は生活保護を下回ってはならないとしている。最低賃金の地域格差をなくして大幅に引上げ、中小企業支援策の拡充を実現するため、2016年の最低賃金改定に当たり、次の事項について請願する。

(請願項目)
1 次の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、雇用戦略対話における最低賃金引上げに関する合意に基づく「できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指す」を達成すること。
  イ 地域間格差をなくすため、全国一律最低賃金制度を確立すること。
  ウ 審議会や専門部会の公開性を高めること。また、非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
 (2) 中央最低賃金審議会及び岩手地方最低賃金審議会の労働者側委員は、特定系統の団体のみから選任され続けていることから、偏向任命をやめ、各労働団体からバランスよく選出すること。また、専門部会の委員選出についても公正な任命を行うこと。
 (3) 以下の制度改正を行うこと。
  ア 最低賃金の日額及び月額設定を復活させること。
  イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
  ウ 中小企業に対する代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を改正すること。
  エ 最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。中小企業の負担を軽減するための直接支援として、中小企業とそこで働く労働者の社会保険料負担や税の減免制度を実現すること。
 (4) 最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を大幅に増員し、監督行政の強化を図ること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策を拡充すること。

                        
受理番号:11
受理年月日:平成28年3月8日

平成28年度岩手地方最低賃金改正等についての請願

 平成28年度の岩手県最低賃金の改正に関して、岩手労働局、岩手地方最低賃金審議会及び政府に対して意見書を提出するよう請願する。
(請願趣旨)
 労働基準法第2条は、労働条件は、労働者と使用者が、対等な立場において決定すべきものであると定めている。しかし、地域別最低賃金の影響を受ける多くの非正規労働者やパートタイム労働者は、労働条件決定にほとんど関与することができない。
 こうした中、最低賃金の引上げについては、2008年の成長力底上げ戦略推進円卓会議により合意され、また、2010年の雇用戦略対話においては、できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、2020年までに全国平均1,000円を目指すと合意された。こうした観点から、岩手県最低賃金は、ここ9年間で85円引き上げられたが、審議会においては、引上げ額のみが議論され、あるべき水準への引上げができていない現状にある。
 また、昨年の2015春季生活闘争において、デフレから脱却し経済の好循環をつくりだすためには、経済成長と所得向上を同時に推し進めることとして、基本給の引上げ、いわゆるベースアップを確認し、妥結している。このことは、企業内最低賃金の引上げにも結び付いていることから、岩手県最低賃金の引上げを図らなければ、賃金格差が広がり、県内勤労者の人材確保が厳しくなる。
 賃金のナショナルミニマムを担う現在の最低賃金695円は、岩手県の高卒初任給146,300円を所定内実労働時間168時間(高卒初任給及び所定内実労働時間は「平成27年賃金構造基本統計調査」を参照)で時間額換算した871円と比較して、差額が176円となり、一般的な賃金の実態を十分に反映できておらず、県内勤労者の有効なセーフティーネットとして十分に機能しているとは言えない。最低賃金を有効に機能させるためには、大幅な水準の引上げが極めて重要な課題となっている。
 さらには、被災地の雇用におけるミスマッチの解消や安定した経営、雇用が図られるためには、岩手県最低賃金の引上げに合わせ、中小企業への支援の充実が対応策の一つである。
 以上の観点から、次の事項について、岩手労働局、岩手地方最低賃金審議会及び政府に意見書を提出するよう請願する。

(請願項目)
1 岩手労働局及び岩手地方最低賃金審議会への要請事項
 (1) 平成28年度の岩手県最低賃金の改正に当たっては、雇用戦略対話合意に基づき早期に800円を確保し、景気状況に配慮しつつ全国平均1,000円に到達することができる審議会運営を図るとともに、各種経済諸指標との整合性を図り、中央水準との格差是正等を踏まえた上積みを図ること。
 (2) 県内で最低賃金以下の労働者をなくすために、事業所に対する指導監督を強化し、最低賃金制度の履行確保を図ること。
2 政府への要請事項
 最低賃金引上げと同時に、中小企業に対する支援の充実とその周知を図り、安定した経営を可能とする対策を行うこと。


受理番号:13
受理年月日:平成28年3月15日

介護福祉士等の修学資金貸付制度の拡充・強化及び離職者訓練(委託訓練)制度の継続実施等を求める請願

(請願趣旨)
 急速な高齢化の進展等に伴い、国民の福祉・介護ニーズはますます拡大し、介護関係業務に係る労働力の需要が増大する一方、生産年齢人口の減少や他分野への人材流出等の中で質の高い介護サービスを安定的に提供していくためには、介護人材の安定的確保・資質の向上が不可欠となっている。
 公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会(以下「協会」という。)及び協会会員介護福祉士養成施設(以下「養成施設」という。)は、介護人材の中核的役割を果たすべく高い専門性と優れた資質を有する介護福祉士を継続的・安定的に社会に送り出すため、国の施策に合わせ教育内容の充実を図るなど最大限の努力をしてきている。また、国の雇用対策の一環としての介護福祉士養成に係る離職者訓練を受け入れ、養成教育を行い、質の高い介護福祉士を社会に送り出すことにより高い評価を得ている。
 一方、岩手県内の養成施設への入学者の減少傾向に歯止めがかからず、平成27年度の養成施設の定員に対する充足率は39.7%(離職者訓練による受入者を除くと32.9%)と東北の中でも低い数値となっており、全国においても最下位グループに属している。このまま推移すれば、教育課程の廃止や入学生の募集停止を検討せざるを得ない養成施設も少なくない。協会としては、中高校生を対象とした介護に関する啓発活動や高等学校訪問、介護の日のイベントなどによるイメージアップのための努力をしているが、このままでは、国の施策や社会の要請に応えていくことは困難になることが予想される。
 平成27年2月25日に社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会から報告された「2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環に向けて~」(以下「報告書」という。)による施策の方向等に対応していくため、教育機関としての使命感を持って国民の要請に応えるべく、高い専門性を持った優れた介護人材の養成に努めており、前記報告書において示された介護ニーズの高度化、地域包括ケアシステム、地域連携等の施策に対応した質の高い介護福祉士を養成し社会に供給してまいる所存である。
 ついては、養成施設においては、今後とも国民の要請、政策課題に応え、専門性をより一層高め、質の高い介護福祉士を養成して、社会に安定的な供給を図り、これにより国民の安心・安全、介護に要する費用の節減等社会貢献を図っていくことが必要であることから、介護人材養成と確保のための大きな魅力となっている介護福祉士等修学資金貸付制度の拡充、入校生の学習意欲も高く修了生の就職先での評価も得ている雇用対策としての介護福祉士養成に係る離職者訓練(委託訓練)制度の恒久化をはじめとする次の事項の実現のため、意見書を国に提出するよう請願する。

(請願事項)
1 介護福祉士等修学資金貸付制度の拡充・強化について
報告書において示された「学生に対し介護福祉士修学資金貸付による支援を行い、学生の確保を進める」ために次の事項を強力に推進すること。
 (1) 介護人材の養成は国家的事業として推進する必要があることから、全額国庫負担で実施すること。
 (2) 貸付金返還免除の条件について、介護福祉士養成教育を国家的事業と位置付けるとともに、養成施設卒業後の「介護業務の従事期間の制約」を緩和すること。
 (理由)  この貸付制度は、入学者の経済的負担の軽減を図るものとして、養成施設への入学を志す者にとっての魅力として期待されており、優秀な人材確保による介護サービスの質の向上のために大きな要因となっている。一方、急速な高齢社会に伴う介護ニーズへの対応のため「地域包括ケアシステム」の構築が図られているが、これには体系的な教育のもとで知識・技術を修得し他職種と連携できる介護福祉士が求められていること。

2 介護福祉士養成に係る離職者訓練(委託訓練)制度の継続実施及び恒久化を図ること。
 (理由)
 (1) この訓練(委託訓練)制度で学ぶ者は高学歴者が多く、介護の専門性を理解し、学習意欲も極めて強く、社会人経験も豊かであることから、卒業(修了)者のほとんどが取得した資格を生かし介護福祉士として就労しており、体系的な教育に基づき修得した知識・技術に培われた職業能力は就労先職場でも高い評価を得ていること。また、就労後の経験・研鑽を積むことでより優れた介護福祉士としての活躍が期待できること。
 (2) 少子化、若者の介護離れ等により、高等学校等から養成施設への入学者が減少傾向にある中にあって、離職者訓練制度による入学者は、養成施設への全入学者の17.2%を占めており、質の高い介護福祉士を確実に養成し継続的に供給することは今後の超高齢社会に対応した施策運営及び雇用施策の上でも欠かせないこと。
 (3) 高等学校卒業直後に養成施設に入学した者にとって、社会人としての経験も豊かで、かつ、介護の専門性を理解する者とともに学ぶことが教育の質の向上に繋っていること。
 (4) この制度を生かして卒業(修了)した多くの者が教育効果の反映として今後も制度の継続及び恒久化を強く希望していること。
3 教員の資質向上のための再教育に対する財政的支援等措置を講じること。
 (理由)  養成施設においては、厚生労働省の介護福祉士養成教育内容の改正に合わせ、平成21年以降新カリキュラムによる教育を開始し、これに合わせた教員養成教育を実施している。しかしながら、平成21年以前に教員講習を受講し、専任教員資格を取得した教員は当該教育を受けていない状況にある。一方、質の高い介護福祉士を養成していくためには、その養成に携わる教員について、施策の動向や社会の要請、介護を取り巻く環境に合った最新の知識・技術を修得させる必要があることから、財政的支援などの政策的対応が必要であること。
4 養成施設に対する経常費及び施設設備拡充のための財政的支援を講じること。
 (理由)  国が指定している養成施設は、制度発足以降平成26年度までの間に約325,000名の卒業生を介護福祉士として社会に送り出し、これらの者は高等教育課程において専門的な知識・技術を体系的に学んだ者として社会貢献を果たしてきた。一方、介護ニーズの複雑・高度化、地域包括ケアシステムの構築に対応した質の高い介護福祉士の養成が急務となっていることから、各種助成措置の対象とされていない養成施設に対し財政的支援が必要であること。


※ 項目1、3及び4は環境福祉委員会に付託



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