平成21年2月定例会議員提出議案一覧
(可決された意見書等については、内容をご覧いただけます。)

【 3月4日提出3月6日提出3月25日提出 】


 (3月4日提出)


番号 件名 議決結果
発議案第1号 みちのく岩手観光立県基本条例 平成21年3月25日
原案可決

発議案第1号 みちのく岩手観光立県基本条例の内容(PDF)

3月6日提出

番号 件名 議決結果
発議案第2号 国庫補助金の返還に係る県民負担の見直し等に関する決議 平成21年3月7日
原案可決


3月25日提出

番号 件名 議決結果
発議案第3号 第71回国民体育大会の開閉会式及び陸上競技の開催地選定に関する決議 平成21年3月25日
原案可決
発議案第4号 放課後児童健全育成事業の充実を求める意見書 平成21年3月25日
原案可決
発議案第5号 私学助成制度の充実を求める意見書 平成21年3月25日
原案可決
発議案第6号 地方の実情に合わせた内需拡大型の総合的な経済対策を求める意見書 平成21年3月25日
原案可決
発議案第7号 農山漁村の再生に向けた六次産業化を求める意見書 平成21年3月25日
原案可決
発議案第8号 障害者自立支援法の見直しを求める意見書 平成21年3月25日
原案可決
発議案第9号 WTO農業交渉、日豪経済連携協定(EPA)交渉に関する意見書 平成21年3月25日
原案可決
発議案第10号 「嫡出推定」に関する民法改正と救済対象の拡大を求める意見書 平成21年3月25日
原案可決
発議案第11号 朝鮮民主主義人民共和国の飛翔体の打ち上げに関する意見書 平成21年3月25日
原案可決






平成21年3月6日(発議案第2号)
国庫補助金の返還に係る県民負担の見直し等に関する決議

 今般の会計検査院の指摘により公費の不正な事務処理が明らかとなった結果、国庫補助金を返還せざるを得ない事態に至ったことは、県政に対する県民の信頼を著しく失墜させるものであり、誠に遺憾である。
県においては、今回の国庫補助金返還に当たり一般財源を充当しているが、そもそもこれは県の不正な事務処理により生じたものであり、県民負担に当っては、それを最小限に抑えるべきものである。
 補助金の返還が遅滞することにより加算金や延滞金が増加することや、他の補助事業の執行にも影響が及ぶ懸念があることから、本補正予算により補助金を一旦国に返還することはやむを得ないと思料されるが、少なくとも、正規の物品調達と比較して割高に納入された嵩高分や、不正な処理によって生じた県民の実質的な負担分などに対しては、既に示された職員負担の考え方に加え、さらに十分な検討を講じることを求めるものである。
不正な事務処理による補助金返還は、それを処理した職員の事務費の適正な会計処理に関する認識が不十分であったことや内部牽制によるチェック機能が不十分であったことが挙げられ、いずれの態様についても、警察本部を含む県庁組織にその責が求められるべきものである。
 県行政の最高責任者である知事をはじめ、その任にあたっている関係幹部職員の管理監督責任を明確にして、関係職員はその責務を厳に自覚するとともに、かかる事態の根絶を図るため、職員の法令遵守を改めて徹底し、職員の意識改革と公務員倫理の確立を図り、県民の信頼回復に努められたい。
以上のとおり決議する。




平成21年3月25日(発議案第3号)
第71回国民体育大会の開閉会式及び陸上競技の開催地選定に関する決議

 平成28年度に本県で開催が予定されている第71回国民体育大会(以下「国体」という。)は、県、市町村、さらには競技団体をはじめとする各種民間団体との強力な連携の下、県民総参加の体制づくりが求められるとともに、将来の岩手のスポーツ振興のあるべき姿を視野に入れながら、施設整備にも取組む必要がある。
 ところで、国体の開閉会式会場については、第71回国民体育大会岩手準備委員会常任委員会(以下「常任委員会」という。)において慎重に検討した上、本年5月下旬に決定することとされているが、県はこの決定に先立ち平成21年度当初予算に、国体選手強化施設整備事業費として、盛岡市みたけの岩手県営運動公園(以下「運動公園」という。)に多目的屋内練習施設に関する調査費と運動公園陸上競技場を第二種公認とするための改修費を計上した。
 このことは、国体の陸上競技は第一種公認の陸上競技場での開催しか認められていないことから、運動公園で陸上競技を開催しない意向を明らかにすると同時に、一般的に国体の開閉会式が陸上競技場で開催されることから、常任委員会での国体の開閉会式の決定にも大きな影響を及ぼすものである。
 県は運動公園に第一種陸上競技場を整備しない理由として財政難と第一種陸上競技場を条件とする大会開催の実績が少ないことを挙げているが、改修に応分の財政負担をする意思を表明している盛岡市等との協議が未だなされていないほか、Jリーグのサッカー場やワールドカップのラグビー場としても使用できる複合施設として整備することに対する県民の期待や利用頻度の向上も検討されていない。
 また、運動公園に多目的屋内練習施設を建設すると、建ぺい率の制限から将来にわたって第一種陸上競技場を整備できなくなることから、この是非も大きな検討課題である。
 このように開催地選定にあたっては、なお検討すべき事項があることから、次の事項につき十分配慮し慎重に対応されることを強く望むものである。

 1 常任委員会で国体の開閉会式及び陸上競技の開催地が決定されるまで、国体選手強化施設整備事業費の執行を凍結すること。
 2 国体の開閉会式及び陸上競技の開催地選定にあたっては、希望する当該市町村との間で、その協力体制や財政的負担等について、早急かつ十分な協議を行うこと。       
 3 常任委員会や総務企画専門委員会での協議にあたっては、県民総参加の趣旨から可能な限り公開とし、市町村の要望を内包した説明資料の提出やプレゼンテーションの実施などにより、県民にその選定過程が明らかになるよう努めること。
 以上のとおり決議する。




平成21年3月25日(発議案第4号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣
放課後児童健全育成事業の充実を求める意見書

 子育てと仕事の両立を支援し、児童の健全育成を図るため、放課後児童健全育成事業を充実されたい。

 理由
 少子化が進行するとともに雇用の不安が増大している今日、児童の健全育成や子育てと仕事の両立支援を推進するなど、子育てにやさしい環境づくりに社会全体で積極的に取り組むことが極めて重要な課題となっている。
 本県では、次世代育成支援対策推進法に基づく岩手県行動計画(いわて子どもプラン)において、就労等により昼間保護者が不在となる児童の健全な育成を図るため、児童館や余裕教室等を活用した放課後児童クラブの設置促進とその運営充実を図るとともに、研修の充実等により、放課後児童指導員等の資質の向上を図ることとしている。また、就学児童数が減少する中にあっても、放課後児童クラブを利用する子供は増加していることから、各クラブは地域で待機児童を出さないため、様々な努力をしている。
 しかし、放課後児童クラブの中には、運営経費の不足などから障がい児を受け入れるための放課後児童指導員の確保に苦慮しているクラブもある。
 放課後児童健全育成事業は、児童の健全育成はもとより、子育てと仕事の両立を支援する上で重要な施策であることから、適正に放課後児童クラブの設置・運営が行われるとともに、必要とするすべての児童が利用できる体制の整備、土曜日等における放課後児童クラブ開設や障がい児受け入れの促進など、更なる事業の普及・拡大を図っていく必要がある。
 よって、国においては、子育てと仕事の両立を支援し、児童の健全育成を図るため、放課後児童健全育成事業の国庫補助基準額を大幅に増額するとともに、障がい児を受け入れるクラブに対しては、適切な指導員数の確保が可能となるような加配措置を講じる等、同事業を充実されるよう、強く要望する。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年3月25日(発議案第5号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣
私学助成制度の充実を求める意見書

 我が国の学校教育における私学教育の重要性や私学を取り巻く厳しい状況にかんがみ、私立学校に対する助成制度の一層の充実を図られたい。

 理由
 私立学校は、各々特色ある教育を展開し、国公立学校とともに、我が国の将来を担う子どもの教育において大きな役割を果たしているが、長期にわたる景気の低迷に伴い、私立学校への就学に係る保護者の経済的な負担が増大している。
 わが国における教育の発展を図るためには、公私相まっての教育体制の維持が不可欠であり、公立学校に比べはるかに財政基盤の弱い私立学校の教育条件の維持向上と経営の健全化を図ることが極めて重要である。
 よって、国においては、このような実情を深く認識され、我が国の学校教育における私学教育の重要性や私学を取り巻く厳しい状況にかんがみ、私立高校以下に対する経常費助成の増額及び過疎特別助成の継続など、国の私学助成制度の一層の充実を図られるよう強く要望する。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年3月25日(発議案第6号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣、経済財政政策担当大臣
地方の実情に合わせた内需拡大型の総合的な経済対策を求める意見書

 長期的かつ地域優先の視点に立ち、総合的な経済対策を実現するよう強く要望する。

 理由
 昨年10月から12月期の実質国内総生産(GDP)は、第一次石油危機以来、戦後2番目のマイナス成長であり、年率換算で12.7%と大幅な減となっている。さらに今年の1〜3月期も大幅に減少する可能性が大きく、このままでいくと、平成20年度は戦後最悪のマイナス成長が見込まれる事態に陥っている。今回の結果は、1月の貿易赤字が9,569億円の赤字と過去最悪になったように海外経済の悪化による輸出の落ち込みに加え、設備投資、個人消費も減少し、負の連鎖が国内に及んできたことが如実に示され、アメリカの6.2%、ユーロ圏の5.8%減と比べてはるかに大きな落ち込み幅になっていることから、過度の輸出依存型経済体質にその原因があったことが、はっきりと証明されたものとなっている。
 このような大変厳しい状況下にあって、国の経済対策を進めるに当たっては、いたずらに財政出動を膨らませ、結果として国と地方の財政環境を大きく悪化させてしまった過去の反省の上に立ち、輸出に過度に依存している日本の経済体質の構造改革を図るという観点が必要である。
 また、世界規模での成長分野である環境・新エネルギーといった分野への集中投資を行いつつ、地方が主役となる内需拡大型経済体質に転換していくことが強く求められ、このことが国民の安心・安全の基本である雇用を地域のより近い所で創出することにも繋がり、ひいては個人消費の拡大と地域経済の活性化に資するものである。
 ついては、国においては、長期的かつ地域優先の視点に立った次の総合的な経済対策を実現するよう強く要望する。

 1 環境、国民の安心・安全な生活に係る分野における総合的かつ集中的な対策を進めること。
 2 太陽光発電の導入量に関しては、その目標を確実に実現するため、一般住宅における太陽光発電の拡大に向けて、一層の助成拡大、税制の優遇策を進めるとともに、公共施設等への設置拡大を集中的に実行すること。
 3 一般住宅等における太陽光発電のより一層の普及を促進するため、太陽光発電による電力の購入に当たって、固定価格買取制度の導入を図ること。
 4 学校の耐震化について、耐震診断により危険性が高いと判断された全国で1万棟余の公立小中学校を最優先に行うとともに、高校・病院等への耐震化促進に向けた診断・補修に対する財政支援拡充等の検討をすること。
 5 経済・雇用対策の実施に向けて、地方の実情と自主性を充分に尊重して実施するとともに、地方の裁量度の高い交付金制度の充実を図ること。
 6 国直轄事業の実施に当たっては、地方負担金の廃止を含めた負担の大幅削減を検討すること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年3月25日(発議案第7号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、環境大臣、金融担当大臣、経済財政政策担当大臣
農山漁村の再生に向けた六次産業化を求める意見書

 農山漁村の再生に向け、特段の対策を講ずるよう強く要望する。

 理由
 農林漁業は、食料や天然繊維、建築資材となる木材などを国民に供給するなど、国民生活上、必須の衣・食・住、全てを賄っている唯一の産業である。また、農林漁業はその営みを通じて、国土や自然環境の保全、水源の涵養、災害の防止といった多面的な機能を発揮し、国民の生命、身体、財産の維持保全に貢献するとともに、日本の大切な文化・伝統等を育むことにも大きな役割を担っている。
 しかしながら、このように重要な役割を果たしている農林漁業、農山漁村を取り巻く環境を見ると、集落の急激な高齢化や後継者不足、原油、飼料穀物及び資材等の価格高騰による収益性の著しい低下などにより、集落の衰退が懸念されるとともに、農山漁村の様々な機能の維持も極めて厳しい状態となっている。
 一方、下がり続ける食料自給率への危機感、食品偽装表示や中国産冷凍餃子等への農薬混入問題等から端を発した、消費者の食の安全・安心、地球温暖化など環境問題への国民的関心の高まりなどから、国産農林水産物及び農山漁村に対する期待も確実に大きなものとなっている。
 このような大きな環境変化の中にあっては、農林漁業の生産形態を消費者からの理解を得られる環境保全型へと質的転換を図るとともに、育ちつつある農商工の連携を一層押し進め、生産(一次産業)から加工(二次産業)販売(三次産業)まで一体的に取り組むとともに、農林漁業者による、いわば六次産業化を強力に進めていくことが必要である。これらの取組みは農林漁業者が単に農林水産物を生産するだけでなく、自ら加工し様々な付加価値をつけて販売することで産業として自立性を高めていくとともに、新たな起業にも繋がっていくものである。
 また、二次・三次業者の農林漁業への参入、農林漁業と二次・三次産業との融合による新たな業態の展開や雇用の創出などに大きな可能性が期待される。さらに、これらの取組みを集落単位で進めることにより、集落地域の活性化、農山漁村の再生を実現することにも繋がっていくものである。
 ついては、国においては、農山漁村の再生に向け次の事項について特段の対策を講ずるよう強く要望する。

 1 六次産業化に意欲的に取り組む農林漁業者に対し、起業やビジネス化にむけた取り組みを進めるため、税制、金融上の優遇措置を講ずること。
 2 農山漁村地域のバイオマス資源を用いた新たな産業を振興するとともに、生産されたバイオマス製品を積極的に利活用することによるゼロエミッション社会を実現するため、資源作物の生産、集荷、加工製造、流通段階における様々な支援措置を実施すること。
 3 農山漁村における安らぎ、癒しの機能や、農林水産業の作業体験を通じた教育効果、健康の維持増進等の検証を行いながら、農山漁村を教育・保健・医療・介護の場として活用出来るよう、具体の制度の構築へ検討をすすめること。
 4 定住人口・交流人口の増大に向け、産地直販所、観光農園、グリーンツーリズムなどに係る施設整備や、都市部への情報発信に対する、一層の支援の充実を図ること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年3月25日(発議案第8号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣
障害者自立支援法の見直しを求める意見書

 障害者自立支援法施行に伴い、今日まで障害者団体などから寄せられた利用者負担などに係る厳しい声などを十分に踏まえ、適切な見直しを行われるよう強く要望する。

 理由
 平成18年に施行された障害者自立支援法については、同法の円滑な運用のための特別対策や、平成19年12月にまとめられた与党・障害者自立支援に関するプロジェクトチーム報告書に基づく利用者負担の見直しなど緊急措置も取られてきたところである。
 その上で、現在、政府・与党において、法施行3年後の抜本的見直しに向けて検討が進められており、その中では、見直しの全体像や、介護保険制度との関連、利用者負担の在り方などが議論されている。
 ついては、障害者自立支援法施行に伴い、今日まで障害者団体などから寄せられた利用者負担などに係る厳しい声などを十分に踏まえ、次の事項について、適切な見直しを行われるよう強く要望する。

 1 障害者自立支援法の見直しに当たっては、介護保険制度との統合を前提とせず、あくまでも障害者施策としての在るべき仕組みを検討すること。
 2 最大の問題となっている利用者負担については、これまでの特別対策や緊急措置によって改善されている現行の負担水準の継続は当然として、これまでの経緯を十分に踏まえ、新たな利用者負担の考え方に基づき、法の規定を見直すこと。
 3 新体系への移行が円滑に進まない状況を踏まえ、施設利用要件の抜本的な見直しを行うこと。
 4 障害者の範囲について、発達障害や高次脳機能障害が障害者自立支援法の対象となることを明確化し、障害程度区分についても、身体、精神、知的、発達障害などの障害特性を反映するものとなるよう見直しを行うこと。
 5 地域生活支援事業について、障害者が地域で暮らすために不可欠な事業は、自立支援給付とし、移動支援やコミュニケーション支援の充実を図ること。
 6 福祉的就労分野での利用者の負担解消について、関連施策との関係を含め議論を深めること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年3月25日(発議案第9号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣
WTO農業交渉、日豪経済連携協定(EPA)交渉に関する意見書

 日本の食料と地域の農業・農村・暮らしを守り、食料輸入国や途上国における食料主権、多面的機能、多様な農業の共存を維持するため特段の配慮を強く要望する。
 
 理由
 米国が主導するWTO農業交渉(ドーハ・ラウンド)は、市場原理による食のグローバル化をめざし、鉱工業製品と同様に農産物の保護削減の基準を決め、自由貿易を進めるものである。
 2008年7月の交渉では、食料輸出国と輸入国の対立から土壇場で交渉が決裂し、また、2008年11月15日には、主要20カ国・地域(G20)の緊急首脳会合(金融サミット)が年内合意を求める宣言を出したことを契機に、12月6日にはモダリティー第4次改定案が提示されたところであり、2008年内の閣僚会議の開催は農業と非農業分野での対立により見送られたが、交渉の再開・早期の妥結が危惧されている。
 国は、関税の大幅削減の対象から除外できるコメなど、重要品目の数を10%以上確保する姿勢から、モダリティー案の「原則4%、条件・代償付きでプラス2%」を受け入れるかのような姿勢を見せており、当時の若林農水大臣は談話で食料輸入国の立場で交渉の成功に貢献する決意を示し、また、昨年の金融サミットでは自由貿易体制の重要性を強調し、ドーハ・ラウンドを2008年中に大枠合意に持ち込むこととされたこと等から、農産物の関税削減などに対する国民や農業者の不安が高まっている。
 一方、日豪経済連携協定(EPA)交渉は、2008年の10月までに7回開催されているが、豪州の主な輪出農産物は、日本の重要品目である牛肉、小麦、砂糖及び乳製品と競合しており、農業生産の規模・効率性がケタ違いな両国の間で自由競争は成り立たない。仮にこれらの関税が撤廃されると、豪州から大量に農産物が輸入され、日本の重要品目の農業生産額は減少し、日本農業は壊滅状況になることが想定され、さらには、米国やカナダ、EUなどとのFTA交渉につながるおそれもある。
 世界的な食料危機が迫る中、2008年6月の食料サミットでも、食料安全保障は恒久的な国家の政策であるとし、食料生産の強化、農業投資の拡大が宣言されており、日本でも食料自給率の向上、食料生産体制の強化が重要な課題となっている。
 よって、国においては、日本の食料と地域の農業・農村・暮らしを守り、食料輸入国や途上国における食料主権、多面的機能、多様な農業の共存を維持するため次の事項を強く要望する。

 1 日豪EPA交渉に当たり、我が国の農業及び関連産業の持続的発展と食料の安全保障を確保するため、国民の基礎的食料である牛肉などの重要品目は関税撤廃の除外とし、国内農業を守るよう全力を挙げて交渉すること。なお、重要品目の柔軟性について十分な配慮が得られないときは、交渉の継続について中断も含め、強い姿勢で望むこと。
 2 ドーハ・ラウンドでは、コメなど重要品目の十分な数を断固確保すること、食料輸出国による関税の上限設定を絶対に阻止し、低関税輸入枠の拡大は認めないこと、先進国で最低水準の食料自給率の向上や担い手確保に向けて国内生産の柔軟性を確保すること及び輸入の増加による国内農産物価格下落の対抗手段である特別セーフガード(緊急輸入制限措置)を維持・拡大することを講ずること。
 3 行き過ぎた貿易市場主義、農産物の関税削減、国境措置、輪出国と輸入国の不均衡などを根本から見直し、自由貿易が輸入国や途上国の食料安全保障や一次産業を衰退させ、ひいては貧困化、高い環境負荷を招いていることなどを考慮し、食料増産や各国の農業基盤の強化、環境保全、食の安全など、農業の価値を高める公正かつ新たな貿易ルールの確立を追求すること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年3月25日(発議案第10号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣
「嫡出推定」に関する民法改正と救済対象の拡大を求める意見書

 子どもの人権と福祉を最優先に、民法第772条の嫡出推定に関して戸籍が事実と異なる記載とならないよう特段の対策を講ずることを強く要望する。

 理由
 「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」という嫡出推定を規定した民法第772条第2項は、明治31年当時、父親の子への責任放棄をさせないため「早期の身分保障」「子の福祉」の観点から設けられたものである。しかしながら、施行より110年余りが経過し、規定の趣旨とその実態との間に乖離が生じ、出生の届出が行われず無戸籍となり、不利益を被っている子どもの存在が明らかになっている。
 これに対して、法務省は、平成19年5月、無戸籍児の救済のため、離婚後の妊娠が医師の証明書で確認できれば「現父の子」としての出生届を認める通達を出したが、家庭内暴力のため離婚手続きが遅れるなど離婚前の妊娠でも社会通念上やむを得ないと考えられるケースが存在し、通達による救済の対象となるのは、法務省の推定では1割に留まるといわれている。
 家族関係についての意識も変化し、離婚・再婚の増加など明治時代には予想もしなかった社会状況が生じ、また、親子関係が科学的に立証可能である今日においては、離婚前の妊娠を一律に「前夫を父親」とする法規定は、今や不合理なものとなっている。
 また、平成6年に日本が批准承認している「児童の権利に関する条約」の第7条では、「児童は出生後直ちに登録され、氏名を有し、国籍を持つ権利を保障される」としているが、これと異なる扱いとなっている。
 よって、国においては、子どもの人権と福祉を最優先に、民法第772条の嫡出推定に関して戸籍が事実と異なる記載とならないよう次の対策を講ずることを強く要望する。

 1 民法第772条の嫡出推定に関する見直し、戸籍法や婚姻に関する法律など関係法律との整合性を図ること等も含め、現実に即した法改正を行うこと。
 2 民法改正までの間、通達による救済の範囲を広げること。また、親子(父子)関係不存在・嫡出否認等の家事調停・審判の手続の簡略化等運用面のさらなる見直しを行うこと。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年3月25日(発議案第11号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣
朝鮮民主主義人民共和国の飛翔体の打ち上げに関する意見書

 朝鮮民主主義人民共和国に対して、飛翔体の打ち上げ中止を求め厳重に抗議するとともに、国民の安全確保のため必要かつ適切な措置を講ずるよう強く要望する。
 理由
 国際海事機関及び国際民間航空機関によると、朝鮮民主主義人民共和国から、平成21年4月4日から8日までの間に「試験通信衛星」を打ち上げるとの事前通報があり、その飛行ルートは秋田県及び岩手県の上空を通過し、秋田県日本海沖及び本県太平洋沖の一部が危険区域に設定されている。
 これが、たとえ「試験通信衛星」であっても、発射が行われた場合、朝鮮民主主義人民共和国の弾道ミサイル計画に関連する全ての活動の停止を求めている国連安保理決議に反するものであり、容認できるものではない。
 また、朝鮮半島の緊張緩和のための6カ国協議が行われている中、本打ち上げを強行することは、東アジア地域の安定及び平和を損なうものでもある。
 こうした暴挙は、飛行ルートとなっている岩手県民はもとより、日本国民全体の安全と生活を著しく脅かす行為であり、大惨事につながりかねないきわめて危険な行為である。
 よって、国においては、国際社会と連携しながら以下の措置を講ずるよう強く要望する。

 1 国連及び関係諸外国との連携を強め、朝鮮民主主義人民共和国に対して直ちにあらゆるレベルでの打ち上げ中止を求め、厳重に抗議すること。
 2 国民の安全確保のため必要かつ適切な措置を講ずること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




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