平成20年12月定例会議員提出議案一覧
(可決された意見書等については、内容をご覧いただけます。)

【 12月5日提出12月10日提出 】


 (12月5日提出)


番号 件名 議決結果
発議案第1号 いわての水を守り育てる条例 平成20年12月10日
原案可決

発議案第1号(いわての水を守り育てる条例)の内容(PDF)

(12月10日提出)
番号 件名 議決結果
発議案第2号 岩手県議会基本条例 平成20年12月10日
原案可決
発議案第3号 自主的な共済制度を新保険業法の適用除外とすることを求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第4号 農地取得の規制緩和に反対し、優良農地の確保と有効利用を求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第5号 障害者自立支援法の抜本的な改正を求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第6号 岩手県議会会議規則の一部を改正する規則 平成20年12月10日
原案可決
発議案第7号 米国の金融危機を発端とする世界的な経済危機に対応する総合的経済対策の早急な実施を求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第8号 長時間労働や日雇派遣などの労働環境の整備を求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第9号 安心の介護サービスの確保を求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第10号 「食の安全確保」への取組み強化と省庁横断的な消費者行政の推進を求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第11号 地域医療の中核を担う公立病院の存続支援を求める意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第12号 新たな過疎対策法の制定に関する意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第13号 雇用・能力開発機構のあり方に関する意見書 平成20年12月10日
原案可決
発議案第14号 事務処理の適正執行を求める決議 平成20年12月10日
原案可決
発議案第15号 知事の発言に関する決議 平成20年12月10日
原案可決

発議案第2号(岩手県議会基本条例)の内容(PDF)


平成20年12月10日(発議案第3号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、金融担当大臣
自主的な共済制度を新保険業法の適用除外とすることを求める意見書

 団体が構成員のために自主的かつ健全に運営している共済制度は、直ちに新保険業法の適用除外とするよう特段の措置を講じられたい。

理由
 平成18年4月から施行された改正後の保険業法(以下「新保険業法」という。)により、各団体が、その組織の目的のひとつとして構成員のために自主的に運営している共済制度が存続の危機に追い込まれ、その加入者たちは将来に向かっての保障を断念させられるなど、生活不安を招く事態が生じている。
 保険業法の改正の趣旨は、共済を名乗り不特定多数の消費者に保険類似商品の販売や勧誘を行い被害をもたらしたいわゆるニセ共済の規制であった。しかし、新保険業法の下では、自主的に共済を運営する団体が、保険会社もしくは少額短期保険業者のいずれかを選択しなければならないとされ、金融庁の定めた少額短期保険業者の基準を満たすことができない多くの団体が共済制度を廃止せざるを得ない状況を招いている。加入者の生活と健康、いのちを守ってきた自主共済を保険会社などと同列に規制し、自主共済の運営の継続を断っている現状は、加入者に被害をもたらしており、法改正の趣旨や目的にも反するものである。
 よって、これまで長年にわたり健全に運営してきた自主共済の存続を図るため、団体が構成員のために自主的かつ健全に運営している共済制度は、直ちに新保険業法の適用除外とすることを強く要望する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第4号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、農林水産大臣

農地取得の規制緩和に反対し、優良農地の確保と有効利用を求める意見書

 国の責任による農地の確保と耕作者の権利擁護の強化、さらには多面的意義を発揮する農村再生ビジョンの構築に向けて、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 農地は「国民の共有財産」であり、食料自給率の向上や食料の安定供給に欠かせない国家資源であり、地域の環境資源、農家の経営基盤として大きな役割を果たしている。
 国はこれまで、農業生産法人の要件緩和や特定法人貸付事業による「リース事業」の全国展開などの規制緩和を進め、株式会社の農業参入の道を拡大してきたが、昨年、「農地政策の展開方向について」を決定し、農地法改正の準備を進めている。
 耕作放棄地の解消や優良農地の確保は喫緊の課題ではあるものの、所有から利用への転換は、そもそもの目的を逸脱した方向へ導くものとして、危惧される政策である。
 これまでの規制緩和ですら、都道府県段階での違反転用や仮登記による事実上の第三者転売、更には産業廃棄物の不法投棄など環境破壊の実例が明らかになっているにもかかわらず、農地法の規制を緩め、土地利用が自由化されれば、「農地は耕作者が所有する」という理念は骨抜きとなり、農村自体の質的変容を助長し、生態系など環境資源としての農地の存在もまた危機にさらされ、さらに家族農業を中心とする地域社会の激変も懸念される。日本農業の構造的変質をもたらすものとして、極めて危険な政策方向である。経済界が要求し続けてきた所有と使用の分離論は、単なる政策的選択ではなく、農業政策の本質論にほかならない。
 よって、国においては、国の責任による農地の確保と耕作者の権利擁護の観点から、さらには多面的意義を発揮する農村再生ビジョンの構築が不可欠であり、安易な農地政策を選択することのないよう、次の措置を講ずるよう強く要望する。 

 1 株式会社による農地の取得、長期貸借制度に関する規制緩和は認めず、生産法人による農業参入要件については厳しく監視し、これを維持するとともに、耕作放棄地解消のため、農地の集落利用・市町村管理システムを確立すること。
 2 耕作目的外の農地の権利取得を排除するため、権利移動規制を引き続き堅持するとともに、農地転用許可制度や農業地域振興制度を厳格化し、転用許可事務について国の関与を高め是正指導や罰則強化などの措置を講じること。
 3 農地の確保に関し、所有者・使用者の責務、国や地方自治体の役割・機能を明確に規定し、耕作放棄地の解消及び減反農地の有効利用に向けた総合的かつ具体的な支援策を提示するとともに、市民やNPO等の関与や農地の保全管理に関する支援策と予算措置を拡充すること。
 4 農業委員会による農地の監視や利用調整活動など、その機能を堅持し、態勢強化のための措置を講じること。
 5 中山間地域直接支払制度は恒久化して予算拡大し、農地・水・環境保全向上政策を拡充し、将来的には「環境支払い」としての制度創設を行うこと。
 6 農地の相続税納税猶予制度は、自作地だけでなく、農地利用が続いている貸付地にも認めること。                                
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第5号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣

障害者自立支援法の抜本的な改正を求める意見書

 真に障がい者に対する差別を撤廃し、障がい者の自立と社会参加を求める立場から、障害者自立支援法の抜本的な改正を行い、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 平成18年4月から施行された障害者自立支援法により、障がい者福祉の現場はいまだに混乱が収まらない状況にある。特に、障がい者施設や居宅支援の利用にかかる応益負担(定率1割)の導入は、障がい者の生活を直撃し、施設からの退所、サービス利用の制限などの形で、生活水準の低下を引き起こしている。また、サービス事業所も、報酬単価の引き下げや日払い化によって経営難に陥り、職員の賃下げや非常勤化、離職、事業所閉鎖など、福祉サービスの低下や縮小が深刻化している。
 国は、これに対し、平成20年度までの特別対策として利用者負担の軽減措置や事業者への激変緩和措置を行っているが、是正策としては一定の評価はするものの、本質的な解決策とはいえず、緊急避難的な処置にすぎない。
 そもそも、法施行から1年も経ずに特別対策が必要となり、更に2年も経ずにその特別対策が継続され上乗せが必要となる事態は、法そのものの制度設計に無理があり、抜本的改正が必要であることを自ら認めるものと言わなければならない。
 平成18年12月、国連総会で「障害者の権利条約」が全会一致で採択され、平成19年9月わが国は同条約に署名したところである。
 よって、国においては、世界の潮流に鑑み、真に障がい者に対する差別を撤廃し、障がい者の自立と社会参加を求める立場から、障害者自立支援法の抜本的な改正を行い、次の措置を講ずるよう強く要望する。  

 1 利用者負担は応益(定率)負担ではなく、応能負担とすること。また、利用料算定にあたっては、本人収入のみに着目した対応とすること。
 2 指定障害福祉サービス事業者等に対する報酬を月額制に戻し、障害者自立支援法施行以前の収入を確保すること。
 3 障がい者が地域で人間らしく生きていけるように、社会基盤整備について立法措置を含めた拡充策を講じるとともに、自治体が支給決定したサービスや地域生活支援事業について、財源保障を行うこと。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第7号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、金融担当大臣、経済財政政策担当大臣
米国の金融危機を発端とする世界的な経済危機に対応する総合的経済対策の早急な実施を求める意見書

 現下の経済状況に鑑み、必要な総合的経済対策を可及的速やかに講じるよう要望する。

理由
  米国の金融不安に端を発した経済危機は米国内にとどまることなく世界的に拡大し、わが国の実体経済や国民生活にも深刻な影響を及ぼし、景気の後退も鮮明となっている。
 今年9月末で国内の金融機関が証券化商品で被った累計損失額は3兆2,730億円、うち売却などによる損失処理額は1兆7,620億円、含み損も1兆5,110億円に達しているなど、財務体質の弱体化が企業への貸し渋りや貸しはがしを増長させる懸念が大きくなっており、地域の企業においては年末、年度末の資金需要に不安を抱く状況となっている。
 また、製造業、とりわけ自動車産業を中心とした国内メーカーの減産体制の強化が下請け企業の経営に重大な影響をもたらしているだけでなく、これに伴う勤務時間の短縮が現金給与の減少につながっている。
 また、派遣社員などの契約打ち切りも始まっており、厚生労働省のまとめによると、今年10月から来年3月までの間に失業又は失業する見通しの非正規労働者は3万人に上り、採用内定を取り消された来春の学卒者も331人に達している。さらにOECDの2010年予測では失業者は日米欧あわせて4200万人に達し、日本でも現在より20万人増え雇用環境の一段の悪化が予測されている。
 ついては、国においては、現下の経済雇用情勢に鑑み、次の総合的経済対策を可及的速やかに講じることを強く要望する。

 1 制度融資の拡充と資格要件の緩和などにより、企業の運転資金の充分な確保に努めること。
 2 いわゆる貸し渋りや貸しはがしなどが行なわれないよう金融機関に対し指導を徹底すること。
 3 採用内定取り消しなどのないよう企業に対し雇用の確保を強く要請すること。
 4 雇用不安に対応した各種施策を講ずること。 
 5 現下経済状況に対応し年度末の資金対策にも十分対応できるよう総合的な経済対策を速やかに国会に提出すること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第8号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣

長時間労働や日雇派遣などの労働環境の整備を求める意見書

 誰もが将来への希望を持って働くことができる社会の実現をめざし、雇用確保とより良い労働環境の整備が図られるよう、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 バブル経済崩壊以降、わが国の雇用形態は大きく変化し、国際競争力維持のために雇用に係る法的規制を緩和した結果、多様な働き方ができる社会になった半面、正規雇用と一時的な雇用の間で、賃金、労働条件など待遇の格差が広がったことが課題となっている。
 特に長時間労働の抑制は喫緊の課題の一つであり、厚労省の集計によると、子育て期にあたる30代男性の約4人に1人が週60時間以上の長時間労働(月80時間を超える超過勤務)をしている。また、男性が家事や育児にかける時間は他の先進国と比較して最低レベルであり、こうしたことが、「結婚できない」「子どもを産めない」「女性の子育てへの負担感が大きい」ことに結びついているとの指摘もあり、少子化を助長する一因ともなっている。
 また、日雇派遣については労働者の保護、雇用の安定、職業能力の向上の観点から見て問題が多い。
 よって、国においては、雇用確保とより良い労働環境の整備が図られるよう、当面、次の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。

 1 法定割増賃金率の引き上げやサービス残業の取締強化を図ること。
 2 日雇派遣の原則禁止、登録型派遣労働者の常用化のための措置を行い、派遣労働者の保護を図ること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第9号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

安心の介護サービスの確保を求める意見書

 介護保険制度の根幹を維持しながら介護サービスの更なる拡充を図るため、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 介護保険サービスを円滑に提供するため、3年ごとに介護保険事業計画や介護報酬の見直しが行なわれている。平成12年4月にスタートした介護保険事業計画も来年4月からいよいよ第4期目を迎え、現在、各自治体で策定作業が進められ、社会保障審議会介護給付費分科会では介護報酬の改定に向けた本格的な議論が行われている。
 現在、介護業界では収益の悪化や、低賃金による人材不足が深刻な問題となっている。特に、介護従事者の離職率は2割以上に上り、介護報酬の引き上げなどによる待遇改善が強く求められている。報酬の引き上げは介護従事者の待遇改善につながる一方で、介護保険料の引き上げにつながることから、慎重な議論が必要である。
 よって、国においては、介護保険制度の根幹を維持しながら介護サービスの更なる拡充を図るため、次の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。

 1 地域における介護サービスが的確に実施できるよう、介護報酬の改定に当たっては、介護事業の経営実態調査に基づき、サービスごとの人の配置や処遇などに十分留意の上、適切な引き上げを図ること。
 2 介護報酬の引き上げが第1号被保険者の保険料の引き上げにつながらないよう、国において特段の措置を講ずること。また、介護保険料の設定について、所得比例方式への見直しや、市町村ごとの柔軟な決定ができるよう配慮すること。
 3 必要な療養病床を確保するとともに、認知症対策を拡充し、地域ケア体制の整備・充実を図ること。
 4 介護従事者の人材確保及び定着のため、待遇改善や緊急支援事業の実施に取り組むこと。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成20年12月10日(発議案第10号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、食品安全担当大臣、消費者行政推進担当大臣

「食の安全確保」への取組み強化と省庁横断的な消費者行政の推進を求める意見書

 「食の安全確保」への取組みを強化するとともに省庁横断的な消費者行政を推進するための組織を早期に創設し、特段の施策を講ずるよう強く要望する。

理由
 近年、食品表示に関する悪質な偽装や、有害物質の混入、事故米問題など「食の安全」を根底からゆるがす事件や事故が多発している。
 特に事故米問題では、農林水産大臣と同事務次官が辞任する極めて異例の事態に発展した。食品製造業者等の消費者軽視の行為は厳しく処罰されるべきであるが、それ以上に、国民の生命と生活を預かるはずの農林水産省が、その役割を果たさなかっただけでなく被害を拡大させた責任は重大であり、国民の不信、怒りは極めて大きい。
 現在、農林水産省では「農林水産省改革チーム」を設置し、業務、組織の見直しを行うための取組みを進めているところであるが、今後、同様の事態を二度と起こさないためにも、猛省と改革を強く促すものである。
 また、食の安全に関する問題だけでなく、近年相次いでいる消費者の不安と不信を招いた事件はどれも深刻な様相を呈しているが、政府の消費者行政推進会議の報告書(6月13日)によれば、これまでの事件は、やはり縦割り行政の欠陥が大きな要因とされている。
 ついては、国においては、「食の安全確保」への取組みを強化するとともに省庁横断的な消費者行政を推進するための組織を早期に創設し、次の施策を講じるよう強く要望する。  

 1 偽装表示を一掃するため、JAS法等食品表示関係法を改正し、直罰規定を設けるなど罰則を強化すること。
 2 農業生産の工程管理や農場から食卓に至る衛生管理の普及・徹底により食品の安全性を高めるとともに、トレーサビリティーシステムの導入を促進し食品の流通を一層明確にすること。
 3 輸入食品の安全性に関する情報提供を迅速かつ適切に行うとともに、監視、検査体制の強化・拡充を図ること。
 4 強力な権限を有し、政策全般にわたる消費者保護のための組織を設置する法令等を整備すること。
 5 消費者保護のための法整備を行い、商品等が消費安全性を欠くことにより重大事故等が発生し急迫した危険がある場合の当該商品等の譲渡等の禁止や違反して譲渡等を行った場合の回収命令、これらに違反した場合の罰則強化などを図ること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第11号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣

地域医療の中核を担う公立病院の存続支援を求める意見書

 地域医療の現場が待ったなしの状況に追い込まれていることを鑑み、スピード感のある政策決定をするとともに、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 少子高齢化や過疎化が進む地方においては、医療資源が乏しい中、不採算であるにもかかわらず、永年にわたって公立の病院・診療所が地域の中核的医療機関としてその役割を果たし、住民の生命と健康を守ってきた。
 しかし、平成16年の新医師臨床研修制度の導入によって、それまで頼りとしてきた大学病院の医師派遣機能が低下し、極端な医師不足となって地方の公立病院経営を直撃し、縮小・廃止へと追い込まれる例が後を絶たなくなっている。
 そうした中、総務省においては、平成19年12月に「公立病院改革ガイドライン」を策定し、すべての公立病院に平成20年度内の改革プラン策定を求めている。しかし、経営の効率化・合理化を主眼とする「改革」は、対症療法的対策に過ぎず、真に必要とされる「安心・安全の医療」を安定的に確保していくことは、難しいと言わざるを得ない。絶対的に不足している地方の医師をはじめ、看護師や薬剤師等医療従事者の十分なマンパワーとその質を確保すると共に、その全国的な偏在の現状を打開する抜本的な国策の実行と、公立病院の存続に懸命な努力を続ける地方自治体への財政的支援が強く求められている。
 政府は7月に、「5つの安心プラン」をとりまとめ、社会保障の機能強化に緊急的に取り組むとし、医師養成数を過去最大程度まで増員させ、特にも救急・産科・小児科医療を確保するための医師への直接的財政支援の検討や医師養成のあり方の検討など、新たな方向性も打ち出している。
 よって、国においては、地域医療の現場が待ったなしの状況に追い込まれていることを鑑み、スピード感のある政策決定をするとともに、次の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。

 1 臨床研修医の大都市集中を早急に是正し、地方の実情に則した臨床研修制度の抜本的な再構築を行うこと。
 2 公立病院の役割・機能を最大限発揮するための地方財政措置の強化を図り、診療報酬のプラス改定による安定経営に向けた支援措置を行うこと。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第12号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、農林水産大臣

新たな過疎対策法の制定に関する意見書

 総合的な過疎地域の対策を引き続き充実強化するため、新たな過疎対策法を制定するよう強く要望する。
理由
 過疎対策については、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」が制定されて以来、3次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業振興など一定の成果を上げてきた。
 しかしながら、人口減少と高齢化は特にも過疎地域に於いて顕著に進行拡大し、路線バスなどの公共交通機関の廃止や縮小、医師及び看護師の不足やそれに伴う公立病院の経営危機、耕作放棄地の増大、森林の荒廃化など、生活・生産基盤の弱体化が進む中で、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域は極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、わが国の豊かな自然や歴史・文化を有する「原風景」としての地域であり、また、都市に対する食料の供給、水資源の提供、自然景観や癒しの空間としての提供などをはじめ、森林による炭素吸収源としての貢献など、多面的・公共的機能を発揮し続けている。
 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は平成22年3月末をもって失効するが、過疎地域が果たしている公的役割・公共的機能は、今後も維持されなければならず、そこに暮らす人々の生活と産業を支える制度的支援措置は、国家責務であり、自治権の保障と合わせ喫緊の政策課題である。
 よって、国においては、総合的な過疎地域の対策を引き続き充実強化するため、新たな過疎対策法を制定するよう強く要望する。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第13号)
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣

雇用・能力開発機構のあり方に関する意見書

 職業能力開発及び訓練機会の持続的・全国的展開や、住宅施策の一翼を担っている雇用促進住宅事業など、地域経済に大きな影響を及ぼす機構の事業について、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 昨年末に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」に基づく有識者会議は、9月17日に「雇用・能力開発機構」の業務について、廃止、又は地方・民間・他法人への移管を進め、同法人を解体する方向を示す一方、この有識者会議とは別個に機構のあり方を検討してきた厚生労働省の検討会は、同機構が果たしてきた雇用のセーフティネットとしての役割を評価することを表明している。
 非正規労働者が年々増加し、いまや全就業者の3分の1を超えるまでになった雇用の現状にあって、雇用対策法の理念でもある若者の雇用促進や、女性・高齢者への就業機会の拡大、職業能力の開発支援に対する国の責務は益々重要になっている。景気後退局面の現在、派遣の打ち切り、期間工の雇い止め、中小企業の体力低下など雇用情勢の悪化は、明らかに日本経済の先行きに暗い影を落とす主要な原因となりつつある中にあって、機構のあり方に関する議論は、わが国の雇用政策・経済対策の両面から検討しなくてはならない。
 よって、国においては、職業能力開発及び訓練機会の持続的・全国的展開や、住宅施策の一翼を担っている雇用促進住宅事業など、地域経済に大きな影響を及ぼす機構の事業について、よく議論して丁寧な対応を行うよう、次の事項を強く要望する。

 1 正規雇用と派遣・期間工との待遇格差の縮小、正規雇用の増大に向けて、職業訓練機会の提供とその拡充を図り、雇用情勢に則した国の責務を全うすること。
 2 雇用・能力開発機構の見直しにあっては、民間では困難な職業訓練機能の拡充に配慮し、都道府県間の格差などを生むことなく、全国的な一定水準での継続的事業展開が可能な対策を行うこと。
 3 機構の個別事業については、業務実績を詳細に検証・評価し、よく議論して見直しに取り組むこと。
 4 雇用促進住宅の廃止・売却については、地域の住宅事情や自治体との協議等も踏まえ、現に入居している方々への誠意ある説明と対応を行い、十分な配慮のもとでの転住策を講じ、強制的退去措置をとらないよう務めること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成20年12月10日(発議案第14号)
事務処理の適正執行を求める決議

 今般、会計検査院の指摘により、平成14年度から平成18年度までの賃金、旅費及び需用費の不適正な事務処理が明らかとなり、また、全庁調査の結果、平成19年度においても、同様の不適正な事務処理が判明したところである。かかる事態が、県政に対する県民の信頼を著しく失墜させる結果となったことは、極めて遺憾である。
 県議会としても、県行政の監視機関として、こうした事態を招いたことについての責任を重大に受け止めている。
 需用費等の不適正な事務処理は、職員の法令順守及び公費に対する基本的な認識の欠如並びに諸制度の運用上の不備等に起因するものであるが、同時に県行政の最高責任者である知事をはじめ、その任に当たっている関係幹部職員の管理・監督の怠慢は厳しく問われなければならないものであり、ここに、猛省と自戒を強く求めるものである。
 今後、かかる事態の根絶を図るため、その全容を究明するとともに、職員の法令順守を改めて徹底し、職員の意識改革と公務員倫理の確立を図るほか、会計事務に関する諸制度の改善・見直し等による再発防止策の実施や国の補助金制度の改善要請に努めることなどにより、適切な事務処理の執行を図り、知事を先頭として全職員が一体となって、県政に対する県民の信頼回復に全力を挙げるよう強く求めるものである。
 上記のとおり決議する。



平成20年12月10日(発議案第15号)
知事の発言に関する決議

 達増知事は去る12月5日の本会議において高橋雪文議員の一般質問に対する答弁で「これは聞き捨てなりません」「ぜひ、議員には草の根の中に積極的に入っていって県民の声に耳を傾けていただきたいと思います。将来ある若い政治家である議員であるからこそ、申し上げさせていただきたいと思います」などと答弁した。これらの発言は、県議会における知事の答弁としては不適当であると言わざるを得ず、二元代表制のもとで県民の負託を受けた県議会議員の議会における発言に対する知事答弁としても不適当である。
 達増知事におかれては、岩手県議会の品位と格式を保持されるよう発言に際しては十分に留意されたい。
 よって、本県議会は先に示した知事の答弁について削除・撤回するよう誠意をもって対応することを求めるものである。
 上記のとおり決議する。


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