平成17年2月定例会 請願・陳情
(採択されたものは、内容をご覧いただけます)
〔今期受理分〕 〔継続審査分〕


◎今期受理分

総務委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
45 平成17年3月1日 地域経済の活性化等を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付
46 平成17年3月1日 定率減税の廃止・縮小を中止することを求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付
47 平成17年3月1日 社会保障制度の抜本改革を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付


環境福祉委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
44 平成17年2月28日 介護保険制度改革の見直しについて請願 採択 送付
51 平成17年3月9日 学童保育(放課後児童クラブ)の施策拡充と予算の増額を国に求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付
52 平成17年3月9日 岩手県における出産と地域医療の充実を求める請願 継続審査
53 平成17年3月11日 変異型ヤコブ病発生と米国牛輸入再開に向けたBSE安全検査の徹底を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付
56 平成17年3月11日 負担増とサービス利用の制限を図る介護保険の見直しに反対し改善を求める請願 別記のとおり 送付
別記
【採択】
2 特養ホームなど、介護施設の部屋代・食費代や通所サービス利用者の食費の全額自己負担化をやめること。
3 要支援、要介護1の方のヘルパー利用など、従来の介護サービス利用を十分補償すること。
5 ヘルパーなど介護労働者の労働条件を国の責任で改善すること。


商工文教委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
48 平成17年3月1日 ILO第175号条約及びILO第111号条約の早期批准を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付
49 平成17年3月2日 増田知事の私学振興公約の早期実施を要望する請願 別記のとおり 送付
50 平成17年3月9日 教育現場における紫外線対策の実施に関する請願 採択 送付
別記
【採択】
1 私立学校(幼稚園、小・中学校、高校、専修・養護学校)に対する運営費補助を大幅に増額すること。
2 私立高校に対する運営費補助は、公立高校教育費の2分の1を目標に年次計画をつくり計画的に増額すること。
4 私立高校40人以下学級への補助を大幅に増額すること。
5 生徒数急減対策を確立し、私立高校に対して教育条件改善のための特別助成制度を実現すること。
6 学費補助制度(授業料減免補助)を下記のように改善すること。
 (1) 補助金額(現行月額9,600円)を各私立高校の授業料に見合うように増額すること。
 (2) 補助対象基準を日本学生支援機構奨学金貸与基準並みに緩和すること。
 (3) 入学金に対する補助制度を実現すること。
7 私立高校に対する過疎特別助成を今後も継続し、大幅に増額すること。
8 経営困難校に対する傾斜配分を引き続き行うこと。
9 国に対して、高校以下に対する国庫補助の継続・増額及び過疎特別助成の継続など、国の私学助成制度をより充実するよう意見書を提出すること。

 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択


農林水産委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
54 平成17年3月11日 変異型ヤコブ病発生と米国牛輸入再開に向けたBSE安全検査の徹底を求める請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付


県土整備委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
55 平成17年3月18日 公契約法制定など公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保について請願 意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択 送付




◎継続審査分


環境福祉委員会
受理番号 受理年月日 請願陳情の件名 議決結果 採択請願の処置
32 平成16年9月29日 イヌワシの保護の強化並びに繁殖率の向上について請願 別記1のとおり 送付
42 平成16年12月8日 不幸な犬猫を救うための制度改善を求める請願 別記2のとおり 送付
別記1
【採択】
1 イヌワシ営巣地の鳥獣保護区化の拡大
3 繁殖期高度利用域の低疎林化の拡大
4 営巣地周辺への餌となる放鳥等の実施
8 巣の補修及び巣周辺の繁茂樹木等の伐採について
9 鉛使用弾の禁止の徹底

別記2
【採択】
1 施設の改善
 近い将来、助けることを目的とした公立の愛護センター(保護された犬猫の健康管理をし、社会に順応できるようなしつけを行う。)を設立していただきたい。
 当面は、現在の老朽化した建物を、せめて適切な飼育管理のできる衛生的な施設に改善していただきたい。
2 犬猫に生きる機会を
 現在、岩手県では、迷子として保護された動物は短いところで3日、長くても5日で処分されており、あと一日早ければと飼い主の泣き崩れる姿がたびたびある。せめて収容期間を延長し、子犬、子猫、成犬、成猫の譲渡の窓口をより積極的に広げていただきたい。
 また、安易に殺処分にならないよう、持込みの際は厳格な事情聴取を行い、納得のいかない理由の場合は、引き取らないなど、飼い主に終生飼養するよう強く指導していただきたい。
 その旨を市町村に指導していただきたい。


受理番号:45
受理年月日:平成17年3月1日
地域経済の活性化等を求める請願
 地域経済は依然として疲弊し、地域間格差がますます拡大しようとしている。いま必要なのは、雇用の維持・創出、失業者支援の抜本強化などの政策を進め、地域経済を活性化することである。
 しかし、政府は、財政再建を最優先した歳出削減を目指して、財政負担の地方への転嫁や企業や国民に負担増となる社会保障制度の見直しを行い、地方における公務員賃金も一方的に引き下げようとしている。こうした政策は、地域格差を一層拡大するものにほかならない。
 仮に、地域における公務員賃金の一方的な引下げが行われるなら、公共サービスの低下を招き、地域の民間企業や団体組織で働く労働者に悪影響を与え、地域経済を疲弊させることが必至である。勤労者家計の消費低迷により、地域経済はスパイラル的な停滞と格差の拡大を被ることになりかねない。
 ついては、貴議会として、次の請願事項について政府に対し意見書を提出されるよう、地方自治法第124条の規定により請願する。
1 労働基本権を制約されている公務員賃金の見直しについては、十分な労使協議を行うこと。
2 雇用の安定と格差解消のための積極的施策を講じ、地域経済の活性化を図ること。

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受理番号:46
受理年月日:平成17年3月1日
定率減税の廃止・縮小を中止することを求める請願
 政府は、第162通常国会において、所得税及び住民税の定率減税の縮小・廃止を決定しようとしている。
 現在の我が国経済情勢は、景気回復の基調にあると言われているが、その回復度合いは、産業間、地域間において大きな較差があるのが実態である。
 また、医療費自己負担割合の引上げや、税制における諸控除の縮小・廃止により、家計負担は年々増大している。
 定率減税が縮小・廃止になれば、所得税、住民税の納税者は皆増税となる。特に、今払っている税金に対する増税額の割合が一番多くなるのは、子育て中の世帯や働き盛りの中堅層である。これらの層を中心に更なる負担増を強いることにより、消費が減退し、景気を腰折れさせることになる。
 国民や企業の間には、定率減税の廃止に疑問や不安が広がっている。各報道機関が1月に実施した世論調査では、定率減税の縮小・廃止に対する否定的な意見が軒並み過半数に達している。また、複数の民間研究機関が、経済に与える悪影響から、現在は定率減税の縮小・廃止を行うべきではないと警鐘を鳴らしている。
 また、政府において税制と社会保障の一体的な改革に向けた議論が行われている最中である。深刻な財政構造の改善、国と地方の税財源配分の見直しは喫緊の課題であるが、現段階で税制のみを一方的に改定することによって、将来に齟齬を来しかねないことにも十分留意すべきである。
 このまま、定率減税の廃止が行われれば、消費の冷え込みを招来し、景気回復にも重大な支障を来すものである。
 よって、定率減税廃止の検討を中止することを求めるものである。
 ついては、貴議会として、次の請願事項について政府、関係機関に対し意見書を提出されるよう、地方自治法第124条の規定により請願する。 
1 定率減税廃止の検討を中止すること。

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受理番号:47
受理年月日:平成17年3月1日
社会保障制度の抜本改革を求める請願
 公的年金制度は、国民の高齢期の生活を支える重要な社会保障制度であり、年金制度の改革は、今日、国民の最大の関心事となっている。
 政府は、公的年金制度改革を行うため、昨年、年金改革関連法案を提出し、参議院において6月5日に可決、成立した。
 しかしながら、職業によって加入する年金制度が分かれ、負担と給付が異なっていることや、年金制度に対する不信感により、国民年金の未加入・未納が発生するなどの問題も残されている。
 現在の我が国の年金制度が抱える問題点や、介護・障害者サービスの決定、医療制度の改革など社会保障全体の抜本的改革を行うことが必要である。
 よって、国において、国民が生涯を通じて安心して暮らせる社会保障制度を創設するため、次の事項について早急に実施するよう強く求めるものである。
 ついては、貴議会として、次の請願事項について政府、関係機関に対し意見書を提出されるよう、地方自治法第124条の規定により請願する。
1 基礎年金制度の改革をはじめ各種年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しを行い、早急に実施すること。
2 特に、子育て支援の充実、雇用政策、住宅政策などとの連携を十分に図ること。
3 国民年金の未加入者及び未納者に対する通知、督促を適正に行うための措置を講じること。

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受理番号:44
受理年月日:平成17年2月28日
介護保険制度改革の見直しについて請願
 介護保険制度改革に関し介護老人保健施設における居住費用・食費の利用者負担導入の見直しについて請願する。

 (理由)
 貴議会におかれては、県民の生活向上と県勢の発展のために御尽力を賜り、厚く御礼申し上げる。
 また、明るく、活力ある高齢化社会を実現するため、保健・医療・福祉の各施策に全力を挙げて取り組んでいる姿勢に対して深く感謝申し上げる。
 老人保健施設から17年、介護保険制度になって5年の実績と経験を踏まえ、介護保険制度が安定的に持続し、これからも県民の信頼を得て発展していくことは、介護老人保健施設の現場で日々利用者と接している者として最大の願いであり、そのため、厳しい福祉情勢の中で、地域と一体となり、地域ケアの拠点施設として、鋭意努力しているところである。
 そのような中で、平成17年政府予算(案)が示され、厚生労働省の老人保健福祉関係予算の概要の中で「持続可能な介護保険の構築」として、介護保険制度改革の全体像が示されてきたところである。
 改革の中で、居住費用や食費の見直しが示されており、その内容としては、介護保険と年金給付の重複の是正、在宅と施設の利用者負担の公平性の観点から、介護保険3施設の居住費用や食費について保険給付の対象外とする。ただし、低所得者については、負担軽減を図る観点から、新たな補足的給付を創設するとしており、これら介護保険制度改革のため、平成17年度通常国会に関連法案が提出されているところである。
 御承知のとおり、県内の施設利用者の年金収入は国民年金の受給者が多く、しかも、老齢基礎年金の満額を受給している利用者は少なく、老齢福祉年金の受給者が多い中で、国が示している介護老人保健施設の入所者における介護給付費の1割負担、居住費用、食費の合算額は、年金額と比較すると利用者だけの年金収入では容易でなく、家族等からの援助、支援が必要である。
 施設と在宅での利用者負担のアンバランスは理解できるが、国が示している利用者負担が実施されると、利用者・家族の負担が増大し、施設運営にも大きな支障が生じてくる。
 ついては、居住費用や食費の利用者負担の導入については、利用者が受給している年金額の中から負担できるよう、国会や国に対して見直しを申し入れしていただきたくお願いする。

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受理番号:51
受理年月日:平成17年3月9日
学童保育(放課後児童クラブ)の施策拡充と予算の増額を国に求める請願
 21世紀は、情報の錯綜する変化の大きな世相と少子高齢化社会の急進な到来を迎え、まさに人類にとって正念場の世紀である。
 この世紀を担い、支える青少年を自立とたくましい心身を保持した担い手として育成する責務を考えるとき、私たち大人は何をなすべきか、あまりにも多くの課題がある。
 21世紀の最重要課題とされている男女共同参画社会実現もその一環である。そのためには、女性が就業を継続できる環境づくり、働くことと子育てを両立できる環境づくりが、最も大事な課題といえる。
 しかし、現状は厳しいものがある。ここ数年の景気低迷と経済環境の大きな変化により、雇用の様相が、業務請負業、人材派遣業の登録社員化となり、労働環境が大きく変化し、無給の状況で労働要請に待機している人々も多く見られる。
 学童保育(放課後児童クラブ)は、これらの人々の児童も引き受け、保育科の期間免除や減額の処置対応をして維持しているが、国の放課後児童健全育成事業の補助単価が、三位一体改革の中でも、単価引下げのおそれがある。ここ2年補助単価引下げがあり難渋しており、障害児を受け入れているクラブは、障害児何人でも指導員一人の加配分であり、指導員の雇用も難しい状況にある。
 県、市町村の次世代育成支援行動計画の策定に当たり、これらの課題を含めての施策事項を盛り込むことが求められる。
 開設場所(施設)は、学校の余裕教室、児童館・児童センター、公共施設、法人等の施設等のほか、民家、アパートの借上げと種々ある。運営形態も、市町村による公営、社会福祉協議会委託、父母会運営と様々である。
 特に、父母会運営の学童保育は、施設面、指導員の雇用問題と多くの課題を抱えながら、運営に努力しているが、運営費の保障が不十分なため父母負担が多く苦労している。
 学童保育を必要とする子どもたちを受け入れるため、母子家庭や兄弟姉妹の複数入所による経済負担の軽減のため、保育料の減額等の措置を苦しい運営の中行っている。
 障害児の受入れのための指導員の増員等に対しても、大変な思いをしている現状である。
 三位一体の改革での児童福祉や子育て支援関係の補助金の扱いがどうなるのかも気掛かりな問題である。廃止して一般財源での扱いとするのか、これからの時代を担う子どもたちのため児童福祉や子育て支援関係施策は重要な部分である。明確な指針を次世代育成支援計画に盛り込むことが求められる。
 以上のことから、必要とする子どもたちがすべて入れるように、学童保育の施策拡充と充実のための助成施策を国に対して求めていただくことを請願する。
1 放課後児童健全育成事業(学童保育)の補助基準額の大幅な増額を図ること。
2 特に、障害児を受け入れるクラブに対しては、指導員を増員することが可能となるよう、加算額の大幅な増額を図ること。

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受理番号:53
受理年月日:平成17年3月11日
変異型ヤコブ病発生と米国牛輸入再開に向けたBSE安全検査の徹底を求める請願
 2月11日、日本で初めてBSEを原因とする変異型ヤコブ病患者の死亡が明らかにされ、衝撃が走った。
 私たちは、また、国産牛肉への信頼が崩れるのではないかと生産県の消費者として心配し、罹患したら悲惨な状態で死に至る変異型ヤコブ病は絶対避けたいと、とても心が痛んだ。
 その後、その患者の方は、BSE最盛期のイギリスに1ヶ月滞在したことが発表され、そのときの罹患が有力になってひとまずほっとした。  
 滞在期間が短期間であることや、感染経路に謎が多く、国内感染も否定できないことも報道された。このときほど、日本の万全な全頭検査を信頼し、誇らしく思ったことはない。
 しかし、内閣府食品安全委員会は、20ヶ月以下牛を検査対象から外すとする全頭検査緩和の方向性を発表した。それに伴って、全国でリスクコミュニケーションを開催したところ、全頭検査継続の要望が多かったことと、県レベルの検査継続表明が相次いだため、3年間は各自治体の独自検査に助成することを決めた。
 これには、県民の願いにいち早く応え、県独自の検査継続を決めた生産県岩手の表明も大きな力になった。
 実質的には、国内の全頭検査の継続は担保されたが、国の責任としての継続ではなく、自治体の追認になっている上、3年の期限付きである。
 変異型ヤコブ病の潜伏期間は長く、今回のヤコブ病の患者も1989年にイギリスに1ヶ月滞在し、2004年にヤコブ病と診断され、2005年死亡後BSEを由来とする変異型ヤコブ病と診断されるまで15年かかった。イギリスでは潜伏期間が最大で30年の例も報告されている。
 非常に稀ではあっても、BSEは人に感染し変異型ヤコブ病を引き起こすだけではなく、その患者からの輸血、外科手術、内視鏡などを介して、人から人への伝播リスクもかかえていること、日本人の93%は変異型ヤコブ病にかかりやすい遺伝子を持っているとの厚労省の研究発表もあることなども考えると、BSE対策は他の食品の安全リスクとは違った側面を持っている。また、危険部位除去をしても数%のリスクも発表されており、国民の安全と健康のためには、現在の全頭検査と危険部位除去の二重安全対策は続けるべきと考え、今審議中の内閣府食品安全委員会に全頭検査継続の意見書の提出を請願する。
 また、今回の全頭検査緩和の表明は、大半が20ヶ月以下のアメリカからの牛肉輸入再開の布石と見られた。
 昨年末、アメリカでもBSEの牛が見つかったが、検査体制が大きく違い、私たちは不安になった。アメリカは群れ管理が多く、牛一頭一頭の産地や月齢の証明は難しい上、検査頭数も少なく、よろけている牛が検査から漏れる事例も報告されている。
 しかし、国は、日本で変異型ヤコブ病の患者の死が発表されたこの時期に、米国式格付けによる成熟度判別を追認し、肉質による判別で21ヶ月齢以上がわかると発表した。専門家からは、骨や肉質で正確な月齢は判定できないと反論も出ている。この方法を認めたアメリカ牛の輸入再開は心配である。
 さらにおかしいのは、BSEの国内対策の変更について、食品安全委員会で審議中であるのに、変更を前提として、日米交渉が進められていることである。
 今回発表された安全検査では、アメリカからの牛肉の輸入再開は、消費者として納得することができない。
 私たちは、これまで安全で安心して食べられる食料を求めて活動し、事業も行ってきた。食料は地域でとれたものを食べる地産地消が安心であり、安全への近道と運動を続けている。また、食の安全を求める県の政策もこれからが本番である。
 私たちは、これまでの運動に基づき、消費者として安心できる牛肉を求めて、岩手県議会に次のことを請願する。
1 私たちは、安心して食べられる牛肉を望んでいる。BSEは、そのメカニズムがまだよく解明されていない上、由来の変異型ヤコブ病の心配も出てきた今、全頭検査を継続し、危険部位除去との二重安全対策による安全・安心の確保を望む。
 今審議中の国の食品安全委員会に対し、国の責任で全頭検査が継続されるよう意見書を提出されたい。

2 私たちは、食の安全が政治の道具にされ、きちんとした安全の検証がないままのアメリカ牛の輸入再開には反対である。個別管理のないアメリカで肉質による識別には無理があると思う。安易な政治的決着をしないよう、牛肉の生産県の議会として、米国式格付けによる輸入再開を進めないよう国に意見書を提出されたい。

(注) 2は、農林水産委員会付託

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受理番号:56
受理年月日:平成17年3月18日
負担増とサービス利用の制限を図る介護保険の見直しに反対し改善を求める請願
 介護保険の見直し時期を迎え、政府は、第162通常国会に見直し法案を提出した。5年前にスタートした介護保険は、今でも、高すぎて必要なサービスが利用できない利用料、生活を圧迫する重い保険料、30万人を超える特養ホーム待機者、劣悪な労働条件で働く介護労働者など、改善すべき問題が山積みしている。
 政府の見直し法案は、国の負担を減らし、介護サービスの利用を制限するもので、部屋代・食費代の利用者負担を大幅に増やす、保険料を引き上げるなど、高齢者・家族の不安をかきたてるものである。
 私たちは、国の責任で高齢者が安心して介護が受けられるよう、国庫負担を増額して介護保険制度の改善を強く求めるものである。
 ついては、貴議会において、下記事項について、地方自治法第99条に基づき、国に対する意見書を採択されるよう請願するものである。
1 保険料と利用料の減免制度を確立し、低所得者の利用料を3%とすること。
2 特養ホームなど、介護施設の部屋代・食費代や通所サービス利用者の食費の全額自己負担化をやめること。
3 要支援、要介護1の方のヘルパー利用など、従来の介護サービス利用を十分保障すること。
4 介護予防や老人検診など介護保険化する計画をやめ、高齢者保健福祉施策として拡充すること。
5 ヘルパーなど介護労働者の労働条件を国の責任で改善すること。
6 施設や居宅サービスの基盤整備を国と自治体の責任で進め、待機者が生じた場合、介護する人に手当を支給すること。

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受理番号:48
受理年月日:平成17年3月1日
ILO第175号条約及びILO第111号条約の早期批准を求める請願
 我が国のパート労働者は、この10年間に360万人も増加して、2003年の統計では1,260万人と、全雇用労働者の約4分の1を占めるまでになった。正社員とパート労働者等の正社員以外の労働者の数を比較すると、女性は正社員の方が少なく正社員以外が56%、男性も正社員以外は20%と増えている。
 一方、賃金格差は依然として大きく、一般の労働者と比べ半分以下で、男性パートは49.9%、女性パートは44.4%でしかない。また、パート労働者等の約40%は自ら望まない雇用が不安定な有期契約を強いられている。
 ILOは、1994年総会でILO第175号パート労働条約を採択した。ILO第175号条約は、すべての短時間労働者に対して、パートタイム労働は労働者が自由に選択すべきもの、労働者の権利と労働条件は比較し得るフルタイム労働者と均等とすべきである、との原則を確認している。
 また、ILO第111号条約は、雇用及び職業の面で、どのような差別待遇も行われてはならないことを規定したのもので、条約批准国は、差別待遇廃止のための政策をとることを義務付けている。
 ついては、貴議会として、次の請願事項について国に対し意見書を提出されるよう、地方自治法第124条の規定により請願する。
1 ILO第175号条約の早期批准を速やかに行うこと。
2 ILO第111号条約の早期批准を速やかに行うこと。

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受理番号:49
受理年月日:平成17年3月2日
増田知事の私学振興公約の早期実施を要望する請願
 日ごろの私学振興に対する御支援と御努力に対し、敬意を表する。特に、昨年の3月、県議会に私たちが提出した請願を採択されたことに対し厚く御礼申し上げる。
 御承知のとおり、県内の私学を取り巻く環境は、過疎の進行と出生率の低下などによる生徒数の急激な減少、父母負担の限界を超えている高学費など、ますます厳しくなってきている。
 長引く不況と私学の高学費などのために学費滞納者や経済的理由による退学者が増加しており、深刻な事態となっている。
 こうした中で、増田知事は、1995年3月の実行委員会のアンケートに対し「私学と公立学校の間で教育に差があってはならず、公立学校と同じように、教育条件の改善に努力いたします。」と答えている。
 また、2002年10月に増田知事は、FM岩手番組の中で県民の質問に対して「私学助成に対する姿勢は公約時と変わっておらず、私立学校運営費補助金を中心としてその充実に努めているところであり、今後とも県の財政状況や国の動向等を考慮しながら、可能な範囲で助成措置を講じていきたい。」と答え、県内私学の諸困難を解決する方向を明確に示し、私学の父母・教職員を励ましている。
 私たちは、以上のような趣旨から1995年3月に知事が公約した内容を具現化した下記事項を早期に実現するよう請願する。
1 私立学校(幼稚園、小・中学校、高校、専修・養護学校)に対する運営費補助を大幅に増額すること。
2 私立高校に対する運営費補助は、公立高校教育費の2分の1を目標に年次計画をつくり計画的に増額すること。
3 県内私立大学・短期大学に対する運営費補助制度を実現すること。
4 私立高校40人以下学級への補助を大幅に増額すること。
5 生徒数急減対策を確立し、私立高校に対して教育条件改善のための特別助成制度を実現すること。
6 学費補助制度(授業料減免補助)を下記のように改善すること。
 (1) 補助金額(現行月額9,600円)を各私立高校の授業料に見合うように増額すること。
 (2) 補助対象基準を日本学生支援機構奨学金貸与基準並みに緩和すること。
 (3) 入学金に対する補助制度を実現すること。
7 私立高校に対する過疎特別助成を今後も継続し、大幅に増額すること。
8 経営困難校に対する傾斜配分を引き続き行うこと。
9 国に対して、高校以下に対する国庫補助の継続・増額及び過疎特別助成の継続など、国の私学助成制度をより充実するよう意見書を提出すること。

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受理番号:50
受理年月日:平成17年3月9日
教育現場における紫外線対策の実施に関する請願
 次世代を担う子供たちを有害な紫外線(UV―B)から守るため、教育現場において次に掲げる紫外線対策を講じるよう請願する。
1 紫外線に関する情報を、教師や保護者、子供たちに広く伝えること。
2 炎天下で長時間行動する場合は、日よけ対策を周知徹底させること。
3 耳や首筋も覆える帽子の着用を進めること。
4 フロンによるオゾン層の破壊と紫外線との関連について周知させること。

(請願の理由) 
 今まで地球を守る大切な防護服のような役割を果たしてきたオゾン層が、フロンなどのオゾン破壊物質の放出により減少し、これまでになかった有害な紫外線(UV―B)が地上に降り注ぐようになった。日本上空でもオゾン層が破壊され、UV―B対策への関心が各地で高まっている。
 2002年7月23日にWHО(世界保健機関)は、日光浴の紫外線は皮膚がんや白内障の原因になるばかりでなく、免疫機能の低下にもつながるとして日光浴自粛を呼びかける報告書を発表した。WHОのプロジェクトチーム「インターサン」がまとめた報告書では、70年代以降のライフスタイルの変化による日光浴のブームとオゾン層破壊進行の相乗効果で、白人を中心に皮膚がんの患者が世界的に急増していると指摘し、太陽光の強い日中は外出を避け、出かける場合は衣服で皮膚を覆ったり、サングラスを着用するよう呼びかけている。
 日本では、母子手帳で1998年に日光浴から外気浴に変わり、環境省からは2003年に紫外線保健指導マニュアルが発行された。
 岩手県においても江刺市の聖愛ベビーホームでは、プールの上にネットを張り、散歩は紫外線の強い時間帯(10時〜14時)を避けて実施し、園児や職員全員、耳や首筋を覆えるUVカットの帽子を着用している。また、保護者へも紫外線の情報を提供している。
 紫外線対策の進んでいるオーストラリアでは、子供が外に出るときは日焼け止めクリームを塗り、大きな帽子をかぶって紫外線から身を守ることが習慣になっている。
 「スリップ・・・長袖のシャツを着よう」、「スロップ・・・日焼け止めクリームを塗ろう」、「スラップ・・・帽子をかぶろう」を合い言葉に、学校の先生は「ノーハット・ノープレイ、外で遊ぶときは必ず帽子をかぶりましょう。かぶらなければ外で遊んではいけません。」と子供たちに教えている。
 オゾン層は今後も破壊され続ける。外で運動したり、遊ぶことの大好きな子供たちの体を守っていくことは大人の責任である。だからこそ、体育や教育、スポーツなどに携わる先生や保護者が紫外線についての正しい知識を持ち、子供たちの将来が健やかであるために、岩手県においても早急に対策を講じていただくよう請願する。

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受理番号:54
受理年月日:平成17年3月11日
変異型ヤコブ病発生と米国牛輸入再開に向けたBSE安全検査の徹底を求める請願
 2月11日、日本で初めてBSEを原因とする変異型ヤコブ病患者の死亡が明らかにされ、衝撃が走った。
 私たちは、また、国産牛肉への信頼が崩れるのではないかと生産県の消費者として心配し、罹患したら悲惨な状態で死に至る変異型ヤコブ病は絶対避けたいと、とても心が痛んだ。
 その後、その患者の方は、BSE最盛期のイギリスに1ヶ月滞在したことが発表され、そのときの罹患が有力になってひとまずほっとした。
 滞在期間が短期間であることや、感染経路に謎が多く、国内感染も否定できないことも報道された。このときほど、日本の万全な全頭検査を信頼し、誇らしく思ったことはない。
 しかし、内閣府食品安全委員会は、20ヶ月以下牛を検査対象から外すとする全頭検査緩和の方向性を発表した。それに伴って、全国でリスクコミュニケーションを開催したところ、全頭検査継続の要望が多かったことと、県レベルの検査継続表明が相次いだため、3年間は各自治体の独自検査に助成することを決めた。
 これには、県民の願いにいち早く応え、県独自の検査継続を決めた生産県岩手の表明も大きな力になった。
 実質的には、国内の全頭検査の継続は担保されたが、国の責任としての継続ではなく、自治体の追認になっている上、3年の期限付きである。
 変異型ヤコブ病の潜伏期間は長く、今回のヤコブ病の患者も1989年にイギリスに1ヶ月滞在し、2004年にヤコブ病と診断され、2005年死亡後BSEを由来とする変異型ヤコブ病と診断されるまで15年かかった。イギリスでは潜伏期間が最大で30年の例も報告されている。
 非常に稀ではあっても、BSEは人に感染し変異型ヤコブ病を引き起こすだけではなく、その患者からの輸血、外科手術、内視鏡などを介して、人から人への伝播リスクもかかえていること、日本人の93%は変異型ヤコブ病にかかりやすい遺伝子を持っているとの厚労省の研究発表もあることなども考えると、BSE対策は他の食品の安全リスクとは違った側面を持っている。また、危険部位除去をしても数%のリスクも発表されており、国民の安全と健康のためには、現在の全頭検査と危険部位除去の二重安全対策は続けるべきと考え、今審議中の内閣府食品安全委員会に全頭検査継続の意見書の提出を請願する。
 また、今回の全頭検査緩和の表明は、大半が20ヶ月以下のアメリカからの牛肉輸入再開の布石と見られた。
 昨年末、アメリカでもBSEの牛が見つかったが、検査体制が大きく違い、私たちは不安になった。アメリカは群れ管理が多く、牛一頭一頭の産地や月齢の証明は難しい上、検査頭数も少なく、よろけている牛が検査から漏れる事例も報告されている。
 しかし、国は、日本で変異型ヤコブ病の患者の死が発表されたこの時期に、米国式格付けによる成熟度判別を追認し、肉質による判別で21ヶ月齢以上がわかると発表した。専門家からは、骨や肉質で正確な月齢は判定できないと反論も出ている。この方法を認めたアメリカ牛の輸入再開は心配である。
 さらにおかしいのは、BSEの国内対策の変更について、食品安全委員会で審議中であるのに、変更を前提として、日米交渉が進められていることである。
 今回発表された安全検査では、アメリカからの牛肉の輸入再開は、消費者として納得することができない。
 私たちは、これまで安全で安心して食べられる食料を求めて活動し、事業も行ってきた。食料は地域でとれたものを食べる地産地消が安心であり、安全への近道と運動を続けている。また、食の安全を求める県の政策もこれからが本番である。
 私たちは、これまでの運動に基づき、消費者として安心できる牛肉を求めて、岩手県議会に次のことを請願する。
2 私たちは、食の安全が政治の道具にされ、きちんとした安全の検証がないままのアメリカ牛の輸入再開には反対である。個別管理のないアメリカで肉質による識別には無理があると思う。安易な政治的決着をしないよう、牛肉の生産県の議会として、米国式格付けによる輸入再開を進めないよう国に意見書を提出されたい。

1 私たちは、安心して食べられる牛肉を望んでいる。BSEは、そのメカニズムがまだよく解明されていない上、由来の変異型ヤコブ病の心配も出てきた今、全頭検査を継続し、危険部位除去との二重安全対策による安全・安心の確保を望む。
 今審議中の国の食品安全委員会に対し、国の責任で全頭検査が継続されるよう意見書を提出されたい。

(注) 1は、環境福祉委員会付託

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受理番号:55
受理年月日:平成17年3月18日
公契約法制定など公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保について請願
 岩手県建設労働組合連合会は、大工、左官を始め、建設業に従事するあらゆる職種の労働者・職人・一人親方、零細事業主を組織対象とし、岩手県で約6,600人の組合員で構成されている。
 地域住宅産業の担い手である大工・工務店・各専門工事業の育成、社会保障の拡充と生活の向上、建設労働者・職人の雇用の安定、技術・技能の向上、後継者の育成、建設業の民主化を目的に、上部団体である全国建設労働組合総連合(全建総連、組織人員約70万人)とともに、諸活動に取り組んでいる。
 我が国の建設業においては、元請と下請という重層的な関係の中で、他産業では常識とされる明確な賃金体系が現在も確立されず、仕事量の変動が直接、施工単価や労務費の引下げとして建設労働者の生活を不安定なものとしている。
 このような状態に対して、国では平成13年4月、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)を施行して施工体制の適正化などに努めるとともに、衆参両院で厳しい付帯決議が付されたところである。
 付帯決議にある建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われることは私たちの長年の悲願である。
 諸外国においては、1949年6月にILO(国際労働機関)で採択された第94号条約「公契約における労働条件に関する条約」が批准され、公契約に係る賃金を確保する法律、いわゆる公契約法の制定が進んでいる。
 基幹産業である建設業を健全に発展させ、工事における安全や品質の確保とともに、雇用の安定や技能労働者の育成を図るためには、公共工事における新たなルールづくりが必要である。
 よって、政府の責任において、建設労働者の適正な労働条件を確保するために、政府が以下の施策を早急に実行するよう、国に意見書を提出していただきたく請願する。
1 公共工事において建設労働者の適正な賃金が確保されるよう公契約法の制定を検討すること。
2 入契法成立に当たり、衆議院建設委員会、参議院国土・環境委員会で決議された付帯決議事項の早期実現を図ること。

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受理番号:32
受理年月日:平成16年9月29日
イヌワシの保護の強化並びに繁殖率の向上について請願
 全国で営巣地が確認されているイヌワシ約200ペア(環境省調査)のうち全国一の高密度生息地と言われる当県には、成鳥32ペア(16%)とペアを組めない若鳥(成鳥の約20%)を合わせて80羽程度が棲息していると推測されている。
 しかし、1991年以降の県内の巣立ち数は、多くて6〜7羽程度で、直近は一昨年が4羽、昨年が3羽、今年は3〜6羽(県推定)程度と低繁殖の傾向が著しい。
 学識者等が唱える巣立った若鳥の1年後の生存率が四分の一程度という点を考慮すると、自然に恵まれた当県でさえ実質1〜2羽程度しか育っていないことになる。
 イヌワシの寿命が約20年程度と見られていることから、世代交替数に見合う4〜5羽(巣立ち数で16〜20羽)どころか現状はその約四分の一の水準で、イヌワシ自体の高齢化とともに事実上絶滅が進行していると考えられる。
 したがって、生態系の頂点に君臨し食物連鎖の最終段階に位置するため、自然界の健全性の先行指標と言われるイヌワシ等猛禽類の生息域の自然の保護を強化し、生態系の崩壊を阻止することが、取りも直さず将来の県民の健康的な生活を守ることにつながると考えられ、その具体策を急ぐ必要がある。
 上記の認識に立ち、次の事項の早急な対策実施を請願する。
1 イヌワシ営巣地の鳥獣保護区化の拡大
 県の広第1137号(平成15年12月15日付)によれば、イヌワシ営巣地の保護状況は次のとおりとなっており、国の天然記念物、絶滅危惧種に対する県の保護区化が極めて遅れており、実質半数に達していない。
・鳥獣保護区12箇所
・猟銃禁止区 3箇所
・休猟区 6箇所
(銃猟禁止区は丙種(わな猟)が行え、休猟区は2〜3年周期で乱場(一般の可猟区域)になるため、実質保護区とは言えない。)
 したがって、イヌワシ営巣地32箇所中、20箇所(約63%)が事実上鳥獣保護区域に入っておらず、可猟区となっており、即この保護区化が繁殖率の向上につながるとは断言できないが、絶滅危惧種保護の基礎的条件として現状を早急に改善していただきたい。
2 公共機関による私有地のイヌワシ営巣地域の買上げ実施
 イヌワシの営巣地が私有地にある箇所(繁殖期の高度利用域)を、すべて公共機関で買い上げ、自然の改変を抑制し、学識者を加えて生息環境の回復策を実行化していただきたい。
3 繁殖期高度利用域の低疎林化の拡大
 低繁殖の要因のひとつとして、従前から深刻な餌不足が指摘されている。
 これは、林業市場の構造的な変化、松杉等針葉樹に偏った国策的な植林、林業就業者の高齢化、後継者不足等により山林の間伐や下草刈りなどの手入れが行われず、放置に近い状態となっている。このため大型猛禽類の採餌が困難化していることが低繁殖に大きく影響していると考えられ、繁殖期の高度利用域を重点的に低疎林化の実施を急いでいただきたい。
4 営巣地周辺への餌となる放鳥等の実施
 海外の草原面積の広い国(中央アジア:モンゴル等)では、一繁殖期に2羽の巣立ち(我が国の場合は平均3〜4年に一度の繁殖で1羽が普通)がごく自然に見られるが、我が国の場合は地勢的に温帯域に位置するため、森林の成長による影響があり、特に当県の場合は従来木材、薪炭の生産、牛馬の放牧等により人為的に低疎林化が維持されてきた。
 現在、これらの低疎林化が放棄状態に近いため採餌に大きく影響し、繁殖どころか親鳥自体の生命維持が精一杯で低繁殖化が進行していると考えられる。
 したがって、あくまで抜本的な対策以前の応急策として、繁殖期の高度利用域を主に、餌としての養殖キジや同ヤマドリの放鳥の実施をしていただきたい。
5 調査・研究体制の強化について
 イヌワシ等猛禽類の繁殖成否は生態系のバロメーターと言われながら、これらに関する情報提供は長期間民間のNPOに頼ってきた。
 県直接の本格的な調査、研究は、平成13年の環境保健研究センター発足からと言って過言でない。
 また、イヌワシ等猛禽類専門研究員(鳥類博士号所持者)の配置はわずか1名で、県内の山中32箇所に散在(平均約60kuに1ペアが営巣)しているイヌワシの繁殖状況の調査、研究に当たることは体力的並びに精度的にも問題が生じかねない。さらに、真冬の整備条件の極めて悪い積雪した林道を1人で走行することは危険性が大きく、飛翔範囲の広いイヌワシの追跡調査自体にも困難性が伴い、欧米諸国に比較し、この面における体制上の遅れが大きい。
 加えて、国の天然記念物で絶滅危惧種のイヌワシ等猛禽類専門研究員が5年間の期間雇用であること自体が、長期間を要する調査、研究業務に対する県の無理解さを露呈したものと言わざるを得ない。
 したがって、イヌワシの低繁殖が現実化し絶滅が危惧されている現在、専門研究員3〜4名程度の増員と本採用は当然のこととして実行していただきたい。
6 イヌワシ繁殖成否の公表について
 県は、従前毎期の繁殖成否はNPOの情報提供によるものであるため公表はできないとしてきた。しかし、現在はこれらの調査を県公債(県税)によって環境保健研究センターが実施している。したがって、当然毎年の繁殖成否を公表することは、自然の動向を県民に周知する意味でも自然保護業務の一環としての義務でもあると考えられる。
 したがって、平成13年の環境保健研究センター発足以降のイヌワシ繁殖成否のデータは、市町村ごとに公表(平成8年〜10年、前例がある)することを当然としていただきたい。
7 自然保護担当部門の管理職の任期改善について
 現在、課長級の任期期間はほぼ2年程度の周期的異動が繰り返されている。業務全体を掌握し実効的な業務に取り組むべき時期に転任する傾向が強い。
 自然指向が強まる中、「佐渡のトキ」寸前の低繁殖が県民の関心を引いているイヌワシ等のような研究的要素の必要な分野は、応分の専門的学歴と経歴を考慮した配置と、任期期間をより長期的な配慮したものにしていただきたい。高まる一方の自然保護の施策需要に対しても、県として欠かせない配慮と考えられる。
8 巣の補修及び巣周辺の繁茂樹木等の伐採について
 (1) 巣を安定させる岩棚の広さや傾斜が足りず、風で吹き飛ばされる巣がしばしば見られる。このような営巣地には非営巣期に人工的に補強、補修を実施し、繁殖に支障がないようにしていただきたい。
 (2) イヌワシの営巣地は、自然界で外敵から雛を確実に守れる箇所はそう多くない。したがって、一般的に急峻な岩場が多く、中には経験的に安全性の確保ができる一箇所を長年使用するペアも多い。そうした場合、年々、巣周辺の樹木の繁茂により巣への出入りが困難となり、営巣を放棄する例が生じる。このような傾向が観察された場合、非繁殖期に不必要な樹木や蔦類の取り除きを実施していただきたい。
9 鉛使用弾の禁止の徹底
 一般的に狩猟では、撃った獲物がすべて回収されるとは限らない。手負いとなったものが数日後に絶命することも多い。これらの死骸をイヌワシや獣類他の猛禽類も冬季の乏しい餌として命をつないでいる。
 しかし、これらの銃弾にはまだ鉛が使用されており、捕食した猛禽類の鉛中毒死が最近多数(北海道の実例など)報告されている。
 鹿猟が盛んな県南地区でもまだ実例はないようであるが、イヌワシ自体の寿命につながる一要因としての懸念は払拭できない。これら狩猟による動物の鉛中毒に関しては、かなり以前から問題視されながらごく一部しか進展がない。
 したがって、国(環境省)との連携を強め完全な対策を早急に実施していただきたい。
10 水源及び森林保全等に関する新税の創設について
 既にこれらの検討が実施されているとの報道に触れているが、本件請願事項にも当然費用が不可欠である。
 ぜひ、この新税導入による森林の保全とともに猛禽類の棲息及び採餌条件の改善を急ぎ、自然界健全性の先行指標として、生態系の崩壊を示唆し絶滅が現実化しつつある天然記念物イヌワシの保護とその繁殖率の向上を確実なものにしていただきたい。

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受理番号:42
受理年月日:平成16年12月8日
不幸な犬猫を救うための制度改善を求める請願
 近年のペットブームにより犬猫を飼う人も増え、人間の良き友としての働きも社会的に高く評価されるようになってきた。しかし反面、人間の身勝手により、捨てられ、虐待され、飼い主の依頼によって保健所で殺処分される犬猫も後を絶たない。岩手県でも、平成15年度に約6,000頭の犬猫の処分が行われた。 
 一方、動物愛護の精神も全国的に高まり、大きな流れになっているのも事実である。私たちも1頭でも多くの不幸な犬猫を救うため、地道な努力を続けているが、やはり行政と手をつなぎ協力していくことが大きな成果を生むことであると考え、いくつかのお願いをすることとなった。
 緑豊かな岩手の地に心優しい子どもたちが育つためにも、行政として私たちの提案に着手してくださるようお願いする。
1 施設の改善
 近い将来、助けることを目的とした公立の愛護センター(保護された犬猫の健康管理をし、社会に順応できるようなしつけを行う。)を設立していただきたい。
 当面は、現在の老朽化した建物を、せめて適切な飼育管理のできる衛生的な施設に改善していただきたい。
2 犬猫に生きる機会を
 現在、岩手県では、迷子として保護された動物は短いところで3日、長くても5日で処分されており、あと一日早ければと飼い主の泣き崩れる姿がたびたびある。せめて収容期間を延長し、子犬、子猫、成犬、成猫の譲渡の窓口をより積極的に広げていただきたい。
 また、安易に殺処分にならないよう、持込みの際は厳格な事情聴取を行い、納得のいかない理由の場合は、引き取らないなど、飼い主に終生飼養するよう強く指導していただきたい。その旨を市町村に指導していただきたい。
3 避妊・去勢手術補助金制度の制定
 避妊手術を受けないまま外に飼育されているため子どもが生まれ、その多くがそのまま処分場へ持ち込まれるケースが非常に多く、避妊手術を推進しても金銭的な理由からなかなか定着しないのが現実である。避妊手術代の一部を補助金として、希望する飼い主へ支給し、さらに明らかに飼い主がいない犬猫については愛護団体などに全額補助されるよう市町村に働きかけること。
 不幸な犬猫を減らすことは、子どもたちに命の尊さを教えるためにも必要なことであり、また、社会的なコストの削減にもつながるものである。
 岩手県が人間のみならず犬や猫にとっても優しい場所になることを願い、以上請願する。

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