地域資源活用による観光振興等調査特別委員会会議記録

地域資源活用による観光振興等調査特別委員長  岩崎 友一 

1 日時 平成24年1月12日(木曜日)
  午前10時5分開会、午後12時散会
2 場所
  第4委員会室
3 出席委員
  岩崎友一委員長、佐々木努副委員長、佐々木順一委員、工藤大輔委員、喜多正敏委員、
  佐々木朋和委員、E下正信委員、神ア浩之委員、小泉光男委員
4 欠席委員
  名須川晋委員、工藤勝博委員
5 事務局職員
  本多担当書記、関口担当書記
6 説明のために出席した者
  岩手県立大学宮古短期大学部 教授 宮井久男氏
7 一般傍聴者
  なし
8 会議に付した事件
(1) 平泉世界遺産を中心とした県北・沿岸地域の観光振興について
(2) 次回の委員会運営について
9 議事の内容
○岩崎友一委員長 おはようございます。ただいまから地域資源活用による観光振興等調査特別委員会を開会いたします。なお、名須川晋委員、工藤勝博委員は欠席ですので、御了承願います。
 これより本日の会議を開きます。本日は、お手元に配付しております日程のとおり、平泉世界遺産を中心とした県北・沿岸地域の観光振興について調査を行いたいと思います。
 本日は、講師として岩手県立大学宮古短期大学部教授の宮井久男氏をお招きしておりますので、御紹介いたします。
○宮井久男講師 宮井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。県の観光協会を含めて、ずっと観光について携わっておりまして、沿岸の観光地、大分傷んでいるところもあるわけですけれども、平泉の世界遺産登録と併せて、何とか復興と新しい方向性を見出していくべきではないかなと、きょうはそのあたりを委員方と少しお話しできたらなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○岩崎友一委員長 宮井先生の御略歴につきましては、お手元に配付している資料のとおりでございます。
 本日は、「平泉世界遺産を中心とした県北・沿岸地域の観光振興について」と題しまして、平泉世界文化遺産の登録やデスティネーションキャンペーンを契機とした観光客の増加を県北・沿岸地域への観光客の誘致につなげる方策等について貴重なお話しをいただくこととなっております。宮井先生には御多忙のところ御講演をお引き受けいただきまして、改めて感謝申し上げます。
 それでは、これから講師からのお話をいただくことといたしますが、後ほど宮井先生を交えての質疑、意見交換の時間を設けておりますので、御了承願いたいと思います。
 それでは、宮井先生よろしくお願いします。
○宮井久男講師 いただいた時間が大体1時間ちょっと、70分ぐらいということなので、冗談めいて全部で15回ぐらいいただけないのかという話しをしました。学校でも15回授業をやっているものですから、それぞれの論点について話していきますと、なかなか言い切れないところがございます。余り盛りだくさんにすると、話が中途半端になる可能性があるので、きょうは焦点をある程度絞ったところで話をさせていただきます。
個々のデータとかいろいろ参考資料を含めますと、膨大なスライドになるものですから、参考資料ということで関連するところは別の資料にしまして、それで説明をさせていただいて、1時間ちょっとで話をやめた後、委員方とお話を少しやりとりしたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
 まず、観光について皆さん方どういうふうにお考えかわかりませんけれども、少し確認をしておきたいと思います。困ったときの観光頼みで、何もすることがないときにすぐ観光というのは出てくるわけですけれども、そう生易しいものではないかなと、やはり基本は客商売ですので。
 まず確認しておきたいのは、観光、観光と言いますけれども、国内の観光客を見ましても近年は増加はしていないわけですね。ちょっとデータは古いのですけれども、参考資料のほうにも挙げてございますが、基本的には変わりません。横ばいか若干減少しているぐらいのところでして、参考資料の1枚目裏を見ていただいても、県のほうも下がってきております。また、国内観光客の回数だとか、我々が期待している団塊の世代というと60歳代ですが、ここでも減少してきているのです。これらを踏まえて、ではどういうふうに岩手県の観光客を増加させていくのかと、そういう視点にまず立つ必要がある。とにかく観光、観光と言うけれども、国内全体の観光客はそう伸びていませんよと、ここからまず出発する必要がある。そして、もう一つはそういう観光をする場合に、我々がいろいろ地域の人と話すと、それで何人来ますかねと、100人、200人という団体を常にイメージされるのですけれども、今はもう団体で来ていただく時代ではなくなっているというところですね。これも一つ押さえていただきたい。
資料の5ページに、熱海の写真を入れておきました。この写真の上に資料がありますが、現在は個人だとか小グループの旅行は72%で、団体については一般団体では20%となっており、ほぼ個人、小グループ化しているという、そのことを押さえていただきたい。これは朝日新聞に載った写真ですけれども、700人、場合によっては1,500人ぐらい来たとかいう話もあります。昔は熱海で学会をやったこともあるのですけれども、熱海の旅館の大きなホテルの社長あたりは親から引き継いだときは、何もせんでいいと親から言われたと。土日になるととにかく大挙押し寄せるので、その人たちをきちっとまとめていくからこれでいいのだということを言われて、まさしくこの写真は700人ですけれども、紡績会社の社員が会社の旅行としてやってきていたと。どうしても私どもも観光と考えるときについついそういうふうなイメージを持ってしまう、ここのところは少し考え直すべきであるというところからまず出発していくべきではないかなと思っております。
個人、小グループが主流になってきますと老若男女、それから障がいを持っている人、外国人も含めて、いろんな人たちが観光に入り込んできている。観光の大衆化という形で70年代以降ずっと進んでくるわけですけれども、小グループ、個人化してきますとそれぞれのニーズが非常に多様化しているということですね。ですから、団体で来た人を塊で処理するような、そういうような観光ではなくなってきているということです。逆に言いますとそのニーズに即して地域が持っている観光資源を提供していけば、それは一つのマーケットができ上がるということにもなるわけですけれども、そういう意味で観光が非常に多様化してきているということですね。これもまず確認をしておく必要があるだろうと。
それから、観光は観光産業だけでやるものではない。これは大分行き渡ってまいりました。場合によってはカバンを買う、服を新調するなど、いろんなところまで含めた、観光が非常にすそ野の広い産業であると。第6次産業というのは最近また言われておりますけれども、足しても掛けても6であると、1、2、3の足して、掛けてというですね。ですから、観光産業は単に個々の観光事業者だけではなくて、後で出てきますけれども、環境の問題だとか、あるいは福島の人たちだとか、当然教育がかかわってまいりますし、場合によっては医療関係のものもかかわってくるような、そういうものも含めて産業が6次産業化であると同時に、非常に広範な人たちがかかわるような産業として観光産業を考えていくと。そういう意味では、総合産業というのは6次産業という問題と同様にいろんな専門家が寄り集まって構築していくものであるというところをまず確認をしていただきたいと思っています。
先ほど来言いましたけれども、観光が増加していない。なぜ観光は増加していないのか、これもまず押さえておく必要があるのです。観光の具体的な形態を決める、あるいは条件と言ってもいいかもわかりませんが、ここに挙げているものがございます。一つ、まず前提になるのはすばらしい観光資源があるというのが当然でありますけれども、それは存在しているのを当然として、もう一つの前提は自由と平和というのがなければ観光は成り立たないということ。江戸時代のような関所がいっぱいあれば自由に動き回れない、あるいは北朝鮮の人が自由に観光できないとか、あるいは平和の問題で言えば紛争地帯、イラクに行くのかどうかとか、あるいは病気が蔓延しているところ、そういったところに行くのかどうかという、こういうことも含めて、いわゆる観光産業というのは自由産業であり、平和な産業であると、こういう言い方をしているわけです。ですから世界の観光客がどれぐらいの人数出ているのか、これは言ってみれば世界の国々がどの程度自由であり、平和な段階に来ているのかということです。今中国が日本においても観光に来てもらえる非常に大きなマーケットになるわけですけれども、あれも中国の平和とある程度の経済発展の中で外貨の問題を含めて自由に行っていいよというふうになっているからふえてきたわけでありまして、そういう意味で自由と平和を前提とした上で、さらにこのMTFCがどうであるか、これが観光客の具体的な形態を決めていくと、こういうことが言えるわけであります。
まず、Mであります。お金の問題ですけれども、この間10年ぐらい、あるいはもうちょっと前からかもしれませんが、可処分所得といいましょうか、そういう所得がなかなか上がらない、非常に厳しい状況なのです。さらに、雇用関係からいえば非正規社員が非常に多くなって、そういうゆとりを持って旅行する人たちが段々少なくなってきている。若者はインターネットをやって、あえて行かなくてもインターネットでわかるからと言いますが、これは間違いだろうと思います。やっぱり余裕があれば、どんどん観光に行きたいというのはアンケートなんかに出てくるわけですね。そういう意味では、経済的な側面で今相当厳しくなってきていると、これもやはり踏まえておく必要がある。そのときに、では観光をどう具体化するのか、つまりは行きたいという人は潜在的にはいるけれども、行けない状況にあるという、そういうところをどうするのかというと、なるべく低価格の観光、1人でどんとお金を使ってもらうよりは多くの人で使ってもらって、トータルで経済効果があらわれるような、そういう観光をどうやってつくっていくか、それは国民が、あるいは県民がそういう観光も享受できるという意味で、そういうのをどうつくっていくのかというのが課題にもなってくるわけです。観光のそのときの形態を決めるものというのは、まずお金であります。これは、皆さん当たり前のこととして御理解いただけると思います。
もう一つは時間ですね。私も団塊の世代でありますが、60年代からずっと働け、働けで、お金は豊かになったけれども、なかなか時間がなかったということで、外国との関係で時短、時短と言われまして、仕事の時間は大分減ってはきているわけですけれども、参考資料の後ろのほうについておりますが、それでも日本の有給休暇の取得率というのは30人以上の雇用の企業で50%弱と、必ずしも有給休暇をきちっととっていない。フランスだとか、向こうのほうではほぼ100%に近いような形で有給休暇をとっている。また、中小の企業で有給休暇をきちっと与えられていないといいましょうか、十分に生かされていないところではなかなか観光のために、特に長期休暇としてとれない状況にある。そういうことも前提にした上で我々は考えていく必要があると、こういうことだろうと思うのです。
施設についてもニーズに本当に対応しているのかということがチェックされなければいけないし、バブル、リゾート開発のときはだれが使うかということを前提としないような施設が先行的につくられて、バブルがはじけてその施設が不良債権のもとになるような形になったわけですけれども、このFの中には二次交通あるいは一次交通もそうですけれども、交通機関も含めて、交通機関と観光施設、こういったものがFに入るのだろうと思っております。
それから、Cというのは「CONSCIOUSNESS」で意識ですね。今からすぐに何か新たな観光をやれと言われてもなかなかできないですね。日本人にリゾート開発やって、リゾートに行ってのんびりしなさいよと言われたときに、突然そこに行って一日じゅう本を読んでいたりというのは、まず難しいのです。公務員の方もサラリーマンもそうですけれども、退職してすぐに、今まで働いてきたのだから、大いに自由な観光をしようといっても、なかなかそうはいかないですね。ですから、今どういう観光が求められているかというと、エシカルツーリズムといいましょうか、そういう倫理的な、道徳的なとか、社会とのつながりで観光したいというか、一種の社会性余暇という言葉もありますけれども、日本人がこれまで働き詰めで来たものが、ただばか騒ぎのようなもので満足するかというとなかなかそうはいかない。いずれにしろ意識がどの程度のものであるか、どういう意識を持って観光するのか、こういうものをよく理解しないと観光を我々が進めていくときに把握できないというところなのです。ですから、その地域の観光資源をどういうふうに観光にきちっとマッチさせていくかというときに、組み合わせを十分考えていく必要がある。我々が来てもらいたいのはどういう経済的な所得階層の人たち、そしてどれぐらいの時間を持っている人たちか、そのためにはどういう施設を提供するのか、この組み合わせがどうであるのかということを十分考えていく必要があると、こういうことだと思うのです。
これは私、どこでもいつも言っているのですけれども、(M)宮古(T)短大(F)ファン(C)クラブというようなことで、これはだれかに、ファンではなくて不安ですかと言われましたけれども、確かに短大の役割がだんだん怪しくなってまいりまして、若干不安のほうがいいかなというふうに思ったりもしていますけれども、MTFCをやはり常に念頭に置いて考えていくことが必要なのかなと。先ほど言いましたようにMとTに今非常に問題があります。要するに、経済的に相当厳しい状況の中で、だけども県民、国民は観光したい、余暇活動をしたいという、アンケートをとれば必ず出てくるわけですね。そういうものを満たしながらどういう観光を新たに生み出していくか、ここがみそになってくるわけですね。それから、Tの問題、有給休暇もなかなかとれない。ただゴールデンウイークだとか、休みが集中しているところにわっと行くものですから、ただでさえお金がかかるところにさらにお金がかかってしまう。集中しますから、そこでどさっと稼がなければいけませんから、あとはオフシーズンに入ってしまうので、ホテルだとか旅館もそのときは高くするわけですね。そうすると、時間的にもきつくて、全員が集まってきますから値段が高くなってしまう。ですから、国ではゴールデンウイークをずらそうだとか、新たに休みをふやすよりずらしてやろうかということも議論していたわけですね。ただ、震災の後、少し議論がとまっておりますけれども、そういうような小手先的なことではなかなかふえてこない。もっと大胆に長期休暇制度、有給休暇は全員100%とるように事前にいつとるかとか、そういうことを企業がきちっと決めるだとか、ある程度大胆な有給休暇制度の実施、あるいは余暇活動に対する社会的な認知といいましょうか、認定といいましょうか、そういうことがない限りは今すぐ解決というのはなかなか難しいですね。ですから、現状の中でどういうふうに観光を進めていくかという、それを踏まえた上で考えていく必要がある。結論的に言いますと、最終的に言いますけれども、オフシーズン対策としてはやはり県民自身、県内観光客をやはりそこにきちっと位置づけるべきだと。要するに、安比にしても冬場だけで、夏場はゴルフだとか、いろいろ夏場用にはしますけれども、限界があるわけです。それから、週の間というのも限界があります。そういう意味では、県外から来てもらってお金を県内に落としてもらうというのが基本的には観光の視点でありますけれども、もう一つはやはり県民がどういう観光をしているかという視点ですね。これも実は重要なのではなかろうかと思っております。
今のそういう状況の中で、どうすればいいのかというふうになりますと、言ってみればパイのとり合いということになって、だから平泉が登録されたということは、どこかで観光客が減るわけです。国内の今まで行っていたところの世界遺産のどこかの観光客が減って平泉に来るわけです。それはそれでこちらのほうはありがたいわけですけれども、ただそういうものは長続きはしないだろうということになるわけです。平泉を見物している人たちがまた違うところに行ってしまうと、それでいいのかという問題があるわけです。ですから、パイのとり合いには限界がある。だから、国内としては海外からどんどん来てもらうのだということになるわけですけれども、今2,000万人までというような計画もちょっとダウンで見直しをしようということで報道でも出ているところであります。長期的に見れば中国の人たちが来てくれるということに期待する分には特に問題ないわけですけれども、それだけに頼っていいのかなというところもございます。
それから、これを解決していく上で、先ほど言ったような多様なニーズに対して、岩手の観光資源、要はマッチングをどう図っていくかというのは、一つの解決策の方向性ではないかなと、大きな伸びはありませんけれども、そういうマッチングを何とか図っていきたいということであります。
そして、もう一つは、先ほど来言っているような、価格的に問題があるならば低価格で、そして利便性があって、ホスピタリティーのきいている、これが観光地として、観光する側からすれば一番いいわけですけれども、こういうものをつくり上げていく、そういう体制をつくっていく、これが一つ重要な点ではないかと。
その中で、県の計画だとかにも出てくるのがこの地域の連携のプラットフォームですね。これは参考資料の一番後ろのほうにもちょっと挙げておきました。これは県の復興計画ですね、こういうふうに復興の動きと連動した観光地域づくりのプラットフォームを構築すると書いてあります。プラットフォームとは何かといいますと、我々の観光地とすればそこにいろんな観光業者もいますし、漁業関係者もいますし、宿泊関係者もいます。観光協会がそれらをある程度まとめておりますけれども、いろんな人たちが観光にかかわる。第6次産業ということですけれども、いろいろな観光にかかわる人たちがいる。その人たちが観光客なり、旅行者なり、今は割と個別的に対応している。県の観光協会も東京で誘致のための話し合いをしますと、必ずグリーンツーリズムはどうなっていますかと聞かれて、そのときにきちっと答えられなくて、帰ってきて、またグリーンツーリズムについて相談したりしているというのは結構多いのです。そういう意味でのばらばらの対応しているものを地域一つをまとめてプラットフォームをつくろうというのがこの観光地域づくりプラットフォームという内容です。
私などは、プラットフォームというと舟木一夫の修学旅行の歌の中にも出てくるプラットフォームをイメージしますけれども、ここでのプラットフォームというのはそういうことではなくて、さまざまな地域に存在しているものを一つの組織としてまとめた上で観光客なりに情報発信等をしていこうと、これがプラットフォームになるわけですね。
なりわいの再生の中にきちっとそれが入っているわけです。観光にかかわる幅広い産業の連携、NPO、官民が一体となった観光地プラットフォームづくり。資料のコメントは、私が書いたわけでありまして、これでは遅いのではないかと。つまり、中期的な課題に入っているわけですが、リーダーを育成してから、中期的に物をつくってやっていきましょうとなっていますけれども、あるとき突然つくり始めるものではなくて、これはプラットフォームの準備段階として、今からどんどんと並行的に進めていって形が整っていくというのが筋ではなかろうかなと。なぜそういうことが必要なのかということを含めてちょっとお話をしていきたいと思っております。
こちらのほうでも農林水産、地場産業等々の連携をしながら観光地域づくりプラットフォームを構築していくと。これが言ってみれば観光の分野での主たる方策といいましょうか、政策といいましょうか、こういう形で提起されているわけですね。ただ、何をするためにプラットフォームが必要なのかというと、必ずしもきちっと説明されておりません。いろいろ寄せ集めてやればいいのかというと、なかなかどう進めていくかということも決まっておりませんし、何のためにやるかというのもなかなか示されていないところであります。先ほどの図は観光庁がこういうプラットフォームをつくったらいいよということで示しているものであります。それがぽっと入っているだけで、ではなぜつくるのか、そしてどのようにつくっていくのか。実はどのようにつくっていくのかが一番肝心なところなわけです。結論的に言いますと、私はやはりこれがないとこれからの岩手の観光の伸びはまずないというふうに思っているわけでございます。そのあたりを少し説明をしていきたいと思います。
そういう意味でプラットフォームの創設をするということがさまざまなこれからの岩手の観光を考えるという上で大前提になるというふうに思っております。資料の一番下に先ほどちょっと言ったことが書いてあります。県民の観光活動づくり、この視点がずっと観光分野では欠けております。国の観光立国の推進の政策の中に国民の観光をどう考えていくのかということが当然書いてあるのです。ところが、県の条例には書いてありません。県の条例の住民の役割は、やってきた人にどう対応していくか。つまり、自分たちがどう観光にかかわるかではなくて、やってきた人たちにどういうふうに対応しているのかとか、これもどこかにコピーして入れてあると思いますけれども、要するに県民は観光を考えるときに、やってきた観光客にどう対応していくのかだけを考えればいいようなことで、やはり条例作成のときの県の観光課を中心にした会議でも、このことを私ちらっと言ったのですけれども、余り理解は得られませんでした。県民が実際どういう観光を楽しんでいるのか、現在、年何回のどういう観光を県民が享受しているのか、こういう視点もそろそろ必要なのではないでしょうかという話をしました。なかなかちょっとすぐにはぴんと来ない、要するに業者の方々が大体集まっていますから、宿泊施設だとか、交通機関だとかですね。ですから、商売の視点から話し合っていますからなかなかそうはいかない。
例えば、新聞に出ていますけれども、山形で今回の震災の影響が出て、風評被害も出たときに、子供たちの体験型学習といいますか、活動をするときに補助金を出すということで、これは結構県内の観光業者に息をつかせるような、そういう効果があったというのがありました。それは経済効果から言っているかもしれません。そういう意味もありますし、もう一つは県民自身の観光余暇活動の実態をきちっと我々が把握して、そして県民自身の観光のレベルというものの意識なり、そういうものを進めていく視点、これがどうしてもどの観光の文書を読んでも出てこないです。先ほど言いましたようにオフシーズン対策、余りそれを言い過ぎるとそのためかよと言われてしまうのでちょっと余り言いたくはないのですが、あわせて考えていくということで、オフシーズン対策も含めて県民が県民自身として観光を楽しんでいく視点、それを県が支えていくと、とりわけ後にも出てきますが、グリーンツーリズムだとか、そういうものに対しては、山形でもそうですけれども、やはりそういう視点がどうしても必要なのです。ドイツでもそうですけれども、国がグリーンツーリズムをするときには補助金を出したりしてしっかりサポートしている。そうしないと、実際問題グリーンツーリズムだと言って農家の人たちがやっても、商売としてやっていけないですね。ですから、オフシーズン対策を含めて地元の人たちがそれできちっと楽しんでいけるような体制、これも考えていくべきではないかなと思っております。
確認しておきますと、もう一つは先ほど言いましたように個人、小グループというのは、もう今主流になってきているわけです。そして観光のニーズが多様化してきている中で、これは非常にコスト的にはきついことなのです。宿泊施設を考えてみますと団体が来るところは大量生産方式ですから楽でいいですね、従来から1泊して帰ってもらうのであれば毎日同じものをつくって出していればいいわけですし、仲居さんが1人いて、どうぞこちらへということで大広間に入れて、個々に分かれたとしても、班長さん、順番におふろに入っていただいてと、こんな楽な商売はないですね。だから、先ほどの写真のような熱海の商売、これは非常に楽でいいわけです。ただ、今そういう商売の発想をしてはいけないということです。
宮古のホテル沢田屋の社長ともこの間も「いや、どこかにそれが抜けきらないんだよね」なんていうお話しをしていまして、やっぱり過去のそういう団体を相手にしてやってきていたころがどうしても抜け切らないのです。ですから、それを払拭しながら個人、小グループにどう対応していくかという視点はやはりしっかり考えていかないとこれからの観光はやっていけないのではないかと思っています。
私自身は、では岩手の観光はどうやったら伸びていくのかというと、今ターニングポイントにあると、転換点にあると、こういうふうに思っているわけであります。一つは、やはりニーズの多様化の中で岩手の観光資源はかなり豊富にあるのです。前に三陸地域総合研究センターという、今はさんりく基金にかわりましたけれども、前身のときに県から派遣されてきている人と一緒にずっと三陸の宝というのを分厚い資料にまとめました。宝を発見するというのはもう大体わかっているわけです。地域にどういう宝があるか、わかっております。問題は、その宝を観光にどう乗せるかというシステムですね、これがなかなかできていない。いまもって地域の再発見と言いますが、そんな再発見しなくてももう発見しています、大体皆さんわかっているわけです。ただ、それをどう提供していくかというシステムですね。岩手にはそういう意味ではグリーンツーリズムもできる、そういう食の安全、健康、温泉、自然に関連するような豊かさ、こういうものがしっかりあります。いつも授業でも言うのですが、グリーンツーリズムと言うけれども、埼玉県だとか東京近辺の大都市の周りで本当にグリーンツーリズムできるのかと。少なくとも日本の農家というか、農村というのは、非常に都市化しているわけですよね。その都市化している日本において、さらに都市の周りのそこでグリーンツーリズムが成り立つのかと。やはり昔ながらのものをまだ残している、そういう自然の中でやる、どこだと。それはもう岩手しかないだろうと私は常に言っています。グリーンツーリズムのメッカといいましょうか、長野の飯田のほうはかなり熱心にやっています。あそこも一つのメッカになるかもしれませんけれども、それよりも本格的にやっていけば岩手のグリーンツーリズムというのは、やはり日本の中で唯一本来的なグリーンツーリズムのある場所だろうと思っております。ですから、今後、残された本物がいっぱいあると、それから人々のそういう生活、あるいは心といいましょうか、日本人の原風景といいましょうか、それらが残されているところは非常に大きな財産なのです。この財産があるというのは、これから大いに生きてまいります。個人、小グループの多様なニーズの中でそういうものがきちっとマッチングしていくような、そういうものが残されている、そういう時代性ですね、これが一つの転換点の理由であります。
それから、もう一つ、やはり大きなのはその文化的なものとの関連も含めて、平泉の世界遺産登録というのは岩手の観光の大きく飛躍する重要なポイントだろうと思うのです。このことをやはり二つ目に挙げます。最初にこれを挙げるべきかもしれませんけれども、やはり岩手のこういう残された宝というものをまず1番目に挙げて、そして時期的な面でいえば世界遺産の登録、やはり集客力は少なくとも5年ぐらいは大きいものがあると思います。それをどういうふうに使っていくかというところが重要なポイントだろうと思うのです。平泉だけにとどめないということになります。
それから、もう一つが大震災からの復興、飛躍ということですね。やはり全国の目が被災地に向いております。年賀状がいろいろ来ましたけれども、何もできないのでせっせと被災地の品物を買っています、物産を買っていますと、とにかく多いですね。機会があれば行ってみたいと。ただ、行ってみたいときにばか騒ぎの観光で行くと、やっぱり気持ちが済まないわけです。ですから、行き方もそれなりにそういう支援というものがどこかついてなければいけないし、来た人に聞いても何かしたいと、したかったという、そういう意見が物すごく多いです。これをやはり観光につなげていく、何もばか騒ぎの観光ではなくて、先ほど来言っているような観光につなげていく、この三つを考えたときに岩手の観光を今後どうしていくかという、今非常に重要なポイントにある、大きな転換点にある。この5年ぐらいの時期、あるいは3年かもしれませんけれども、そこのときにきちっと準備をして、ある程度のシステムができ上がってないと恐らく岩手の観光は伸びないだろうと思います。また、県民自身も観光に深くかかわりながら、いわゆる観光まちづくりというのはなかなかできないだろうと思うのです。先ほどのプラットフォームというのは、言ってみれば観光まちづくりを別の表現にしたようなものです。観光、その地域にあるいろんな人たち、住民も含めてまちづくりの中に観光を据えてやっていく、そのための組織としてプラットフォームも考えられるわけです。それが今、これから3年あるいは5年の間にできないとなかなか難しいです。中期計画として、中期段階でぽこっと出てくるものではないという、そういうことになります。
これからのデスティネーションキャンペーン、ことしの4月から6月に岩手県でデスティネーションキャンペーンが催される。その後、さらに続くのです。来年の4月から6月に仙台・宮城のデスティネーションキャンペーンがあります。その後、また10月から12月に秋田のデスティネーションキャンペーンがあります。準備を進めながら、ここに来る観光客をこっちで引き取ってしまうというような視点で考えていく。それから、観光博だとかいろんな企画があります、六魂祭とか、そういう企画があります。そういうものも含めてイベントをイベントとして終わらせないような、そういう構えをとらないと、3年たった後にはまたもとの状態になる、あるいは沿岸の観光資源が傷んだままで、逆に言うと減少していくという、宝の持ちぐされみたいな形になる可能性もあるということになるのではないかなと心配をしているわけであります。
期間中に800万人を目指すとか、いろいろとデスティネーションキャンペーンに出ておりますけれども、確かにそれは非常に重要でありますが、ただそのイベントという形だけでいいのだろうかというのが問題なわけです。この平泉の効果というものをどうやって全県波及させていくか、ここでの議論もそこにあるわけです。平泉が世界遺産になったと、地図でいえばここにあるわけですけれども、これをいかにして花巻を経由して盛岡まで持ってくるか。そして、県北と沿岸にどうやって持ってくるか、この課題をどういうふうに実現していくか、これがあるわけですね。資料のマークは私がつけたのですけれども、今平泉は伊達な広域観光圏で宮城県の沿岸、松島、気仙沼とも結びついている。同じような被災地でもありますし、岩手県の沿岸を結ぶよりは距離的にも、それから気仙沼あるいは石巻も含めてプラットフォームの形成からいうと向こうのほうが先行しているようなところがございます。そういう意味で、それらがあえてどうして岩手県に来るのか、ここが問題なのです。岩手県に来なくても気仙沼と宮城県の沿岸で十分経験できるし、支援もできる。事実として、震災後の被災地研修についても旅行会社、日本旅行含めて結構宮城県のほうで地元がプラットフォームを形成して人を呼び込んだといいましょうか、来ていただいたということがあると思うのです。
県北・沿岸地域の観光振興をどう進めていったらいいのかということであります。先ほど来言っていますので、結論のほうはもうここに書いてあるわけです。結論的にいえば従来の観光資源、これは非常に大きな宝でありますから、これはこれとして重要な観光資源なのです。それに対して、今国民の熱い視線と応援がある、そういうものを含めた被災地研修ですね、これもやはりあと5年ぐらいは続くだろうと思うのです、あるいは3年かもしれません。それを平泉とどうつないでいくか、それからロングトレイルの整備。ロングトレイルというのは、長い歩道ですね。ロングトレイルという言い方をしますが、トレッキングトレイルという言い方もしますし、トレッキングとトレイルを別にする場合もありますけれども、歩いて地域を見るようにするのですね。後でもう少し詳しくお話しします。
それから、先ほど来言っているようなグリーンツーリズム、これをどうつないでいくか、そのための多様な観光の人材育成をどういうふうにやっていくのか、これらをやるためにも中期的な課題ではなくて、これらを進めていく過程からプラットフォームが徐々に、徐々に形成されていく。今すぐにでも始めなければいけない。私は、3年前ぐらいからそう言っているのですけれども、なかなか理解されなくて、観光研究所という名前もよくなかったかもしれません。どこか資料の最後のほうに観光研究所というのが書いてありますけれども、県立大学でも県立大学で観光研究所つくりたいといったときに、「先生、それやったら今の観光客が3倍ぐらいになりますか」と言うから、何考えているのだろうな、この人はと。団体旅行をイメージしていたかもしれません。「いや、そうじゃないんだよ」と。それで、次に何を言ったかというと、市町村と一緒になって計画をつくったり、そういうことをやってくれと言われました。今はそういう段階ではないのです。NPOだとか、6次産業を担っていく、あるいは地域でいろいろと活躍している人たちをどうまとめながら新しい商品造成を進めていくか、そのための情報収集機関であり、話し合いの中で商品造成を考えていく、そういうイメージの観光研究所を設けたらいいのですけれども、どうもこれはあかんなと思いまして、商工会議所連合会の方も応援してくれて、観光協会で研究所つくって、そういうことをやろうかなと思ったら、金がないからねということで、なかなか実現しませんでした。幾つかのところでそういう話は出しているのですけれども、観光研究所という名前がよくなかったかもしれませんが、プラットフォームというような言葉、そのときはまだ出てきてなかったものですから、内容的にもうちょっと詳しく説明すればよかったかもしれませんけれども、今やはりそういうものがないと恐らく何も進まないだろうと。一定程度進みますと、それぞれがつながりを持ってやっていく上では進むけれども、大きな変化は望めない。宮古で商工会議所の理事長と話して、「じゃ、先生それやりましょうよ」、「じゃ、花巻のほうの、あるいは向こうのほうの、商工会議所商工会と宮古と一緒になって、そういう組織つくって」と、「いや、それともちょっと違うんだよ」と、要するに、商工会議所商工会はそれだけでつながるとか、あれでやればこれだけつながるとか、そういうイメージでは今はだめなのです。地域にあるいろんな機関が協力してやっていくと。ただ、むやみやたらに集めて、それで成り立つわけではありません。一定程度の目標なり、道具が必要になってきます。ですから、先取りして言いますと、会津でやっていたぐるっとカード、あれは交通機関を中心に、基盤に置いてやったのです。JRを中心に、その他の民間の鉄道を含めて。そして、それに宿泊施設だとか、観光施設が協力する形で2,600円で2日間乗りおり自由で観光施設の割引がきく。ですから、そういうぐるっとカードというものを一つの道具にして、それにみんな集まってやっていくと。だから、その範囲では、言ってみればぐるっとカードをやっていく協議会は一種のプラットフォームを形成したわけです。オンパクもそうですね、オンパクもそういう意味では地域にあるいろんな資源をそれぞれ商品化して回る形にしてまとめながら一つの売りにしていくといいましょうか、地域の観光まちづくりをしていく。
だから、このプラットフォームというのはいろんな段階があります。遠野では、このプラットフォームのモデル地区になって、遠野という地域の中でそれぞれの関係者を集めてプラットフォームを形成して、震災になって後方支援ということで、そのグループがすとんと入って、そして今の後方支援の重要な中心になっているわけですね。そういう意味で段階が幾つかあります。そこをどう工夫していくか、具体化していくときにどういうものが必要なのか、こういうことが言えるだろうと思うのです。割とやりやすいのは、そういう意味では遠野のようなグリーンツーリズムでまとまりましょうかと。グリーンツーリズムをやっている機関が、NPOが集まって一つのプラットフォームつくるとか、長野の飯田のグリーンツーリズムもいろいろ別々にやっていたグリーンツーリズムの人たちだとか、農業をやっている人たちだとか、いろんなものが集まって協議会みたいなものをつくって成功させているのです。ですから、割と一つの分野であればある程度はやりやすい、あるいは狭い地域だとやりやすい。そういう特徴がありますね。あるいは観光のルートでもそういうのがありますね。私は富山出身ですけれども、立山黒部アルペンルートというのはずっと交通機関で立山から長野の大町から富山まで行けるわけですね。ですから、その一つの交通機関を使って、いろんな交通機関があるわけですけれども、バスから、ロータリーだとか、ルートとしてつながってやっていこうというのでいろんな業種の人がつながる場合があります。
岩手の場合に、ではこのプラットフォームをどういう形で形成していくのか、こういうことになりますね。そういうことを少し見ていきたいのですが、なぜプラットフォームが必要なのかということであります。つまり、今ある宝、沿岸にもありますし、内陸にもある、そういう宝をつないで差別化していく。先ほど言ったように平泉に来た人たちが伊達な広域観光圏で南のほうに行ってしまわないで、やはり岩手の県北、沿岸に行きたいというときのその魅力というのは、やっぱりほかにはない宝をつなぎながら、言ってみれば商品造成をきちんとして提供していく、その基盤になるのは、やっぱりプラットフォームなのです。従来の観光とグリーンツーリズム、これだけでも今は県の観光協会、必ずしも十分やり切れていません。行政はどうかといえば農林水産の関係がグリーンツーリズムをやっていて、そして観光は商工労働がやっているわけです。私は観光協会で何度言ったかわかりません。長野でも観光部をつくりました。国も観光庁つくったわけです。岩手県も早く観光部にしなさいよと。商工労働がついていたら悪いわけではありませんけれども、観光にかかわるものは全部集めた観光部をつくりなさいよと、横に商工労働観光部の部長がおいでになったときにわざわざ横を見ながら、県の観光協会にそういうふうに私言いましたけれども、今各県の中でも大分ふえてきましたね。ぽつぽつと観光部になってきているところがあります。だから、後でも出てくるのですけれども、グリーンツーリズムで言えばいわて子どもの森ですか、指定管理者でやっていますが、どこが指定管理者でやっているか御存じだと思いますけれども、岩手県の社会福祉事業団ですね、児童福祉の関係です。もったいないと思うのです。観光にも使えるわけです。子供たちのこどもプロジェクトも進んでいますけれども、社会福祉事業団が悪いわけではありませんが、そこが観光のプラットフォームの中で位置づけられていけばもっと活用のぐあいが変わってくるというような、そういう気がしております。
ですから、そういう意味では、グリーンツーリズムあるいは着地型で今ニューツーリズムでいろいろなものが考えられています。こういうものを従来の観光に結びつけていく、平泉に結びつけていく、さらに被災地研修ツアー、これも今進んでおりますけれども、これも結びつけていくとか、あるいは学びの旅、これも参考資料の一番最後のほうに示してありますけれども、JTBだとか、近畿日本ツーリストが学びの旅を企画しました。今大体ちょっと実験的なものが終わって、あとは撤退したところがありますけれども、岩手大学は撤退した後も継続しますというのでシニアカレッジを、JTBはシニアサマーカレッジと言っていましたけれども、今はシニアカレッジとしてやっています。とじてある一番最後のところに私が企画したやつも載せてあります。三陸をめぐるということで、アイーナで研修をちょっとやって、宮古短大でやって、三陸鉄道を使って久慈まで行って帰ってもらうというものですね。さんりく基金に援助を頼んでいたのですけれども、あまり援助でやるのはまずいと。県の観光課は商売になるような形でやりたいと、それはいいことだねと言ったら、最後に商売でやるのにさんりく基金から支援は出せないと。結局援助を得られなくて13万8,000円だかの高い料金になってしまって、東京だとかにいろいろ募集したのですが、結局応募してきたのは1人しかいなかったです。広島の高齢者の方でした。1人でも応募があったのはよかったかなと思いますけれども、そのときに県立大学の先生が、大学も全面的に協力してくれて後援してくれたのです。だから、学びの旅というのを一つ企画はしましたけれども、そういうような学びの旅も含めて従来の観光とそれぞれをどう結びつけて、それぞれの個々にあるニーズに対応させていくか。それから、地域限定で翻訳の通訳案内士も初年度からかかわってちょっとやりましたが、通訳案内士も資格を取っても、働く場は余りないのです。特にJTBだとかから依頼して頼まれない限りは、もう宝の持ちぐされです。
ですから、いろいろなガイドもそうです。釜石の観光ボランティアで1回講演させていただいたことがあるのですが、「皆さん、これまでどれぐらい出動されていますか」と、全員「一回もありません」と。「きょうはたくさん集まっていただいて」と、「来いと言われました」と。もったいないのです。今回、宮古でNPOが立ち上がりました、立ち上がれ宮古何とかというのですね、語り部を田老で立ち上げます。ただ、その人たちは窓口がなかなか持てない。ですから、宮古の観光協会が窓口になって、必要なときに対応してくれないかと。三陸鉄道もそれだったら、我々がやっているものとも結びついてとなりました。つまり個々にはそれぞれ宝がいっぱいあるのです。それを結びつけて、一つの商品造成をしていく、なかなかこれができてないわけです。これをどうするかという問題ですね。ですから、平泉、県北・沿岸という地域間、あるいは業種の違い、交通機関も含めて、先ほど言ったように総合産業ですから、いろんな産業をどう結びつけていくか。それから、異行政という言葉があるかどうかわかりませんが、農林水産、観光、それから福祉も関係してくるのです。私はずっとユニバーサルデザインの観光というのをやってきました、バリアフリー観光というのですね。参加してくる人が多様になってきますと、家族向けというとすべり台をつくれば家族向けよなんていう、そういう錯覚をするわけですけれども、家族というのは一番少数単位の老若男女が固まっているところなのです。さらにいえば、障がい者もいるわけです。私なんかももう60歳を過ぎましてから、今はちょっと障がいを持ってきましたけれども、そういう人たちも含めた単位が家族なわけです。ですから、家族向けと本当に考えた場合は、そういう人たちにどういう観光の資源を提供していくかということになるわけです。そのときに単に観光だけではなくてグリーンツーリズム、医療関係も含めて、あるいは環境、福祉、こういうものが全部観光というところで集まって考えなければいけない。ばらばらに今やっているわけです。そういうことではなかなかうまくいかない。ボランティアあるいはガイド等々についてもきちっと登録しておいてもらって、ニーズに即してそれらにきちっと派遣していくようなですね。
それから、グリーンツーリズムで農家民宿だ何だ、漁業民宿をやるという場合にもなかなか今すぐには連絡とったりできないですね。これは、三陸鉄道が今やっている中でもそういう必要性があるよということを言っております。こういうことを含めてプラットフォームがぜひとも必要だ、どうやってつくるかという、そういう問題であります。
ただ、そのプラットフォームですけれども、この必要性、方向性がちょっと出てきておりますね。それは何かというと、まず資料をちょっと見てください。11月に財団法人の日本交通公社がまとめた6カ月間のまとめですね。いち早く7月ぐらいから岩手ではサッパ船が再開されたり、震災の地域で語り部ガイドなんかの育成が始まったりしているということが紹介されておりますし、三陸鉄道では5月2日より被災地フロントライン研修を始めているとか、本当は研修のところはツアーに最初はしていたのですけれども、地元の人から、この状況の中でツアーとは何事だと、やはりそういう感情がありますから、研修に直したというふうに聞いておりましたけれども、こういうものが始まったりしております。田老では、ホテルが保存の対象になって、これからも受け継いでいくものとしてやっていこうと、こういうふうになっていますし、宿泊施設も8月段階のころから使えるようになってきた。大船渡プラザホテルは12月5日から再開ということで、宿泊施設も使えるようになってきた。ただ、工事関係者だとか、いろいろ長期的に押さえている部分もあって、キャパシティとしてはやはり今はまだきついところがあります。沢田屋さんも言っていましたけれども、今度の国の3次補正ですか、グループ型補助金とか、そういうので何とか二重債務の問題も解決してやっていきたいという話もしておりましたけれども、いずれにしろある程度立ち上がりが出てきていますということになりました。
ここで6カ月間の中で今後の観光復興に向けてあらわれてきたことをちょっと示していますよということでまとめております。一つは、先ほど言いましたように出身者等々含めて、とにかく応援したいという気持ちが大きいのだと、こういうことですね。そして、被災地研修、この場合には何が起こるかわからないということで、団体で行くより個人客がやはり中心になっていく。団体で行くと何が起きるか責任問題もあります。ですから、70%が個人客、小グループになっているのがさらに加速して被災地を含めて今後個人客にどう対応していくかというところに来ているのです。ここに書いてあるように、2次交通の確保、宿泊プラン、被災地の案内だとか、受け入れの仕組み云々、こういったものの組み合わせをどうしていくかということが重要になってきています。だから、個人からかかってきたときに何日から何日までどうしたいのですよというときに面倒くさいですね。面倒くさいのです。団体で100人来たいといったら一生懸命やるのですけれども、20人なのですけれどもというと、ちょっとこれはね。そういうのがばらばら来てしまっては大変です。その大変なものをこれからの観光はやっていかなければいけない。そのための組織づくりが今どうしても必要だということです。
先ほども言いましたけれども、エシカル層が増加していると。つまり、倫理的にも、道徳的にもそういうものを持った人が観光にやってくる。だから、東北の物産を買ってくれるだとか、そういう意味では地元にとっては非常にありがたい層が今存在しているということです。これはしばらくは続くだろうと。それはやっぱりきちっと踏まえなければいけないだろうと、こういうことです。一番重要なのは丸をつけてありますけれども、津波被災地等でいち早く観光復興に向けて動きを加速させた地域は震災以前から地域内での観光事業者や他の産業との連携体制がとれている、住民と一緒に観光まちづくりに力を入れてきた地域であったということです。石巻のほうで日本旅行といち早く被災地ツアーをつくりまして、東京の品川のほうからバスで1泊してやってきて、被災地を見て、それから鳴子温泉に泊まってもらう。そして物産品をいっぱい買って帰ってもらう。こういうのをやりました。ですから、そういう意味では宿泊施設だ、被災地を案内する人だ、バスだ、何だというのでいち早く日本旅行と一緒になってですね、岩手でもそういう震災の後、すぐにJTBから会いたいとか言ってきているとか、だれか紹介してくれとか結構ありました。
そういう中で、三陸鉄道は一生懸命自分たちで工夫して取り組んでおります。先ほど来言っているように、三陸鉄道は、三陸・被災地フロントライン研修というのをつくりまして、5月2日から取り組みを始めてまいりました。一つには、鉄道があの状態になってしまったものですから、一部運転士さんなどは今4人ですか、IGRのほうへ行っていらっしゃいます。残った人たちがこういう企画をマイクロバスで取り組むとかしております。このときにやはり一番苦労しているのは宿泊施設なのです。小グループで30人、40人、20人というのが来たときにすぐに日程に応じてどこの宿泊施設をとるか。どうしてもとれないときは花巻温泉に泊まってもらうとか、そういうことで対応せざるを得ない。一番便利だったのは、やはり沢田屋さんですね。個人の1人部屋ではなくて数人入れるような場所で確保していただくというような形です。そういうふうに取り組んでまいりました。
どれくらい来たかといいますと、5月2日から12月までの間に115団体、1,700人来ております。あとは三沢高校が400人ぐらいで、それを含めますと2,000人になりますけれども、1,500から1,700人余りですが、これは20人とか30人とか10人とか、そういったものの集まりです。4人から45人の間でということです。つまり、面倒くさい小グループに取り組んで宿泊施設に電話して、そしてガイドだとか、いろいろやっているわけです。いろんな話を聞いてみますと、やっぱり来た人たちはあそこも見たいね、ここも行けないのといろいろ要望が出てくるのです。そのときに一々だれに頼んだらいいのか、どうしたらいいのか、ああしたらいいのか、大変苦労しているのです。ですから、先ほど授業などの話もしましたけれども、震災以前からそういう組織ができているところはある程度連絡体制がありますから、では何日にこういうガイドをひとつお願いするよとか、体制ができていたというのがあるのです。非常に重要な役割を果たしたわけです。ただ、来ている中身を見ますと、自治体議会の視察だとか、学会だとか、教育関係、土木建築、これはこれから商売になるからというので、見に来ているのかもしれません。こういう団体ではなくて、個人として来た人は割と少ないのですけれども、ただ取り組み方としてこういう取り組みは今後の小グループをどう取り扱っていくか、非常にいい経験だろうと思ったりしております。
そして、今ここに書いてありました田老で、元宮古市の職員ですけれども、立ち上がるぞ!宮古市田老というので、被災地ガイドや語り部をというNPOを立ち上げたのです。宮古観光協会のほうに、先ほど言いましたように申し込みが来たときに、なかなか対応し切れないので窓口になってくれないかというような話があり、少し宮古の地域の観光協会も幅を広げてプラットフォームのような機能を少しずつ果たしていこうとしています。そのときに観光協会の方から長年こういうことでやってきたと、そのときに宿泊施設、これからもっと民宿が必要になってくる、宿泊施設をどう確保するかとか、あるいはガイドの人たちをどう登録しておいてすぐ使えるかとか、あそこに行きたい、ここに行きたいという人が出てきて、そういう意味では宮古観光協会がこういうNPOとの関係だけではなくて、もう少し地域全体でやれないのかなという話も出ていました。つまり、中期計画ではないのです。今すぐそういうプラットフォームをどういうふうにつくっていくか、全県波及のための、とりあえず平泉と沿岸を結ぶような、そういうものをどういうふうにつくっていくかというのは今すぐの課題であるということなのです。被災地研修も含めてどういうふうに取り組んでいくかというのが今の課題だということです。これは、私も所属している日本国際観光学会というのがありまして、私は参加できなかったのですけれども、その観光学会で来たフロントライン観光の行程表で、これは一関から一たん陸前高田、大船渡に行って、そして戻って遠野から花巻で宿泊せざるを得ないと。そして、花巻で宿泊した後、宮古市田老地区、浄土ヶ浜を見て帰ったということです。だから、相当きついスケジュールですけれども、私自身が属している学会もこういうことをやりました。ですから、これからこういうものを、それぞれについて必要なガイドなり何なりが結びついていく、そして花巻と同時に沿岸でもきちっと宿泊できるような、そのときに必ずしもホテルでなければというのではなく、民宿のどこかを活用するだとか、そういう資源を組み合わせていくようなプラットフォームがぜひ必要だと。沿岸の商品造成として、従来の観光地プラスそういう被災地研修だとか、グリーンツーリズム、トレイルだとか、鎮魂の森だとか、こういうものをどういうふうに今後つくっていくか。県北であれば先ほど言った、いわて子どもの森も含めて、こういうものをどうつくっていくかというのが重要な課題ではないかなと、こんなふうに考えております。そのときに、後につながるような形で、例えば植林をしてもらうだとか、あるいはボランティアでもいいですけれども、ちょこっとやってもらうとか。私は震災の後にすぐに言ったのは何かといいますと、石巻だとかでやったのと似ているのですけれども、すぐに被災地を見てもらったほうがいいのではないかと。そして、ちょっとお手伝いしてもらう。余りやってもらうと、けがをされると困るので、ちょっとやってもらう。やってもらったときに、ちっちゃいのでいいから感謝状です。紙だからそんなに高くない感謝状です。その感謝状を見せてもらえば、帰りに、あるいは宿泊施設が割引がきくとか、一種の地域通貨的な役割を果たせば、内陸でもいいから泊まっていただいて、宿が安くなって、物産品を安く買って帰れる。そうすると、本人たちは物産も買えるけれども、やっぱりやったという感謝状は非常にありがたいのです。物見遊山で来たのではないという、どこかにそれがやっぱりひっかかるものがあるわけですから。そしてそうであればその感謝状をもとに後々ずっと引き続く支援をしてくれるような可能性がある。ですから、それをまたもう一回来てもらうためには植林か何かしてもらって、それが枯れても別なものを移して、あなたの植林したものがこれだけ伸びましたとか、グリーンツーリズムでは、稲の場合はよくやるわけですね。田植えをしてもらって、成長過程をお知らせして、刈り取りに来ませんかとか、そういったことをやるわけです。ですから、一回の支援にとどまらない形で継続してやれないだろうかと、それらをきちっと商品造成の中に組み込んでいく。そのときに単独の従来の浄土ヶ浜の観光をやっている人たちがそれを全部やれるかというとできないわけですよね。ですから、異なる業種の人たち、これが結びついてやっていくということが重要だろうと思うのです。
これからの沿岸の問題でいえば、やはり三陸復興国立公園が非常に重要だろうと思います。最近のニュースでは、浄土ヶ浜から歩道を整備していくわけです。あるいはこれではなく、割と短い、浄土ヶ浜の中の問題もあります。沢田屋さんとも話していて、「予算が1.5倍、2倍になっても、とにかくユニバーサルデザインでつくってくれというふうに環境省に言っていますよ」と。当たり前のことですけれども、そういう整備をこれからしていくわけです。ここで一番目玉になっているのは、長距離歩道です。三陸海岸トレイル、そしてこれに結びつけたエコツーリズムあるいはグリーンツーリズム。長距離歩道をやりながら、シーニックバイウェーといいましょうか、立ち寄り型でそれぞれ楽しんでもらう。年寄りが三陸沿岸をわっと行くには大変ですから、そういう意味ではこうした鉄道も利用してもらう、道路も利用してもらう、その沿線のものと結びつけながらこの長距離歩道というものを活用していく。この赤い字は、環境省の資料を活用させていただいて全部私が書いたのですけれども、ずっと沿岸を歩いて行くような、こういう長距離歩道というものをロングトレイルと呼んでいるわけですから、これはアメリカのほうでも大分進んでいるわけです。アメリカではロングトレイルのユニバーサルデザイン、バリアフリーというので山を歩いていくときに車いすでも行けるような整備までしておりますね。そういうロングトレイル、これをどうしていくか。ちょっとここに書いてありますけれども、要は歩きながら地域の自然、文化を楽しみながらやっていくという、アメリカ、ニュージーランド、ネパール等々で有名なのですよと。これを日本でも各地で取り組み出しております。
なぜ今ロングトレイルなのかというと、定年退職を目前にした団塊の世代を中心にして健康志向と自然志向、ライフスタイル云々で、被災地も含めて支援の視点で来たときに平泉を見て、被災地も見て、ロングトレイルで5日間ぐらい使って帰ってもらう、この組み合わせを自分でセットするのではなくて、要望を聞きながらプラットフォームがその商品の中でセットして、関係者にガイドを含めて連絡をして、きちっとサポートする。このシステムをつくらない限りはなかなか差別化はできないだろうというふうな気がしております。信越トレイルというのが非常に有名なものであります。斑尾の山でありますけれども、実は12月に第7回のエコツーリズム大賞をこのNPOの信越トレイルクラブが受賞いたしました。1月に授賞式があるので、注目していただきたいのはこれなのです。優秀賞四つぐらいありましたか、その中に「二戸市宝を生かした事業実行委員会」ここが優秀賞をとったのです。さらにいえば特別賞は、小岩井農牧株式会社です。宝がいっぱいあるのです。個々に宝はあるのだけれども、それがきちっとシステムとして役立っていないといいましょうか、生きていない。これを生かすシステムを早くつくるべきです。平泉に来た人は、こういうものが本当にわかっていて自分である程度利便性を持って体験できるのであれば沿岸にも来るだろうと思うのです。先ほど来言っているようにグリーンツーリズムだってこういうものを経験する場としては、やはり岩手以外に全国に見当たらないですよ。新幹線があって、これから道路がきちっとしていく。車で来ても、何で来てもいいですよね。そこに来て歩いて自然を観察する、そして途中で疲れたというので、また鉄道も使うだとか、そのための宿泊施設ガイドも育成していく、こういうことが出てくるわけです。
南房総が三陸のトレイルの一つ参考になるのかなと思っています。詳しくは調べていませんが、完全にはまだできていないようですけれども、こういうものを計画しています。ですから、沿岸をどういうふうにやっていくのか、途中に宿泊施設も必要でしょうし、それから休憩所も必要でしょうし、ずっと歩きだけではちょっと大変ですから、そういうシーニックバイウェーみたいに立ち寄り型の観光に生かしていくとか、こういうものが必要なのではないかと。これらを進めていくときに、大体NPOが機能しているわけです。行政だとか、そういうところはバックアップはしますけれども、NPOが全体をやっていく形になります。そこにいろんな人たちがかかわりながら進めていくということですね。
そういう動きの中で、昨年日本ロングトレイル協議会というのがつくられました。昨年が国連の国連国際森林年ということがあったのでしょうけれども、日本の中でのロングトレイルが進んでいく中で、こういう協議会もできております。環境省が突然三陸復興国立公園なんて言って長距離歩道を考えているようで、三陸のあんなところをどうやって歩くのだと、そういう感じもしないでもないですけれども、これは盛岡を含めて県北のほうに歩く内陸型の長距離歩道も可能なわけですね、ロングトレイル。だから、ロングトレイルを基盤にしながらグリーンツーリズムと被災地研修をどう結びつけていくか、これが今後の課題ではないかなという気がしていたわけです。信越トレイルが中心になってまいりますけれども、協議会に加盟しているのはこれだけでありまして、先ほどの房総のものだとか、これから準備段階で始めていくと加盟していないところがいっぱいあるわけです。
信越トレイルの場合はアメリカに視察に行って、アメリカのトレイルはどんなふうにやっているのかとか、そういうのを調査しながらやっています。せっかく調査してくれたのですから、早速三陸の人たちは信越トレイルへ視察に行ったらいいと思うのです。向こうでどういう苦労をしてやってきたのか、NPOとしてどういう機能をしているのかとか、そういうようなことを今後進めていくべきではないかなというふうに思っております。そのように、宮古観光協会のほうに話しました。皆さん御存じでしょうから言いますと、陸中に非常にこだわりがあると。これは前からですね、陸中海岸国立公園にするときもほかのところは余り協力的ではなかったと。本当かどうか知りません。そんな言い方もしていましたし、陸中でいいのだと、三陸はとんでもないという意見がまだありまして、宮古観光協会も環境省との話し合いのときにちょこっと最後のほうにこんな長いところを全体やれますかみたいな言い方をしたそうですけれども、私はアドバイスしました。もったいないじゃないですか、名前にこだわらないで、今ロングトレイルをやるときにどこがモデルになりますかと。宮古は宮古地域で、姉ヶ崎も含めて歩道がある程度もう存在しているわけですね。田野畑ではトレッキングというので、私も一回北山崎の下まで歩きましたけれども、相当きついのです。高齢者の人も1人いたものだから、途中で何かばててしまって大変でした。そこをどう工夫していくかということですね。環境省はやると言ったからには金は出してくれるはずでありまして、そういうものを考えていくと。バリアフリーを考えたロングトレイルにしたいとか、新しいロングトレイルをここでつくっていくということです。そんなこと言わないで、もうすぐに飛びついて、まず宮古をモデル地区にしてやってくださいと、そう言いました。そういう話をしたら、宮井先生と話し合ったのは、今度の歩道の整備だとおっしゃいました。あの歩道の整備は直接は関係ないのです。浄土ヶ浜は浄土ヶ浜としてつくることを、そこから三陸をということで始まったわけです。それだけではなくて、ロングトレイルも、これからも課題は出てきますから、そのときに、どうしても環境省は自分たちで設計して、上からやっていくのだよねと。我々からちょっと出さなければいけないねと。そのときに下支えしながら、そういうプラットフォームだとか、そういうものをきちっとサポートして、一緒になって下からのそういう意見も含めてやっていく必要があるのではないかと。下から支えながら、設計段階から、ちょっと間を置きますとなかなかそういかないのではないかなと、今ならそういう意味では本当に転換点だろうというような気がしております。そのときにどういうようなところが窓口になるかというようなことですね。
今、そういう意味ではこういうこともこれまではできていたのです。日本風景街道ですね。北海道でシーニックバイウェーを各地域でやっていますけれども、それと似たような形でちょっと私もかかわっていましたけれども、いわてNPOセンターあたりが協力しながら街道を歩くみたいな形でやっていました。これは釜石の鉄の道でありますけれども、あと県北のほうに奥州街道とか、宮古のほうに行く宮古街道、閉伊街道だとか、そこもそういうシーニックバイウェーの視点からやってました。もともとこの日本風景街道の議論が出たのは、花巻と遠野を間において釜石へ、あの道路をつくっていく過程で、私に話があって、遠野の人たち花巻の人たちも含めて会議をやって、あの道路をどう観光に結びつけていくかという、そのときにこの風景街道だとか、そういうものの話が出てきて、それが各地域でこういう取り組みの中で今できているわけです。だから、こういうものが既にあるわけですし、これを生かしながらロングトレイルにどうつなげていくかということが重要です。
ちょっと時間がなくなったので、皆さん御存じなのでぱっぱっといきますけれども、今子ども農村漁村交流プロジェクトが進んでおります。これが12年までですから、今年度でモデル地域が終わるわけです。岩手県では8カ所がモデル地区になっています。葛巻でも一生懸命やっておりますし、久慈だとか、いろいろなところでやっています。それから、先ほど言いましたように学びの旅としてはシニアカレッジということで岩手大学がやっておりますし、これら例に挙がっているのですけれども、催行人員に達せず断念という、私は商売人ではないのですけれども、商品造成しましたが、なかなか実現しませんでした。どういう内容でやろうとしたかというのは参考資料の最後のところについておりますから見ていただければいいのですけれども、そういったところで、ちょっとプラットフォームとは何かというのはなかなか言う時間なくなりましたが、プラットフォームというのは外に対しては観光客誘致で、地域の情報をまとめて発信するだとか、内部的にはそういうコーディネートの機能として内部のいろんな地域の皆さんと連携してやっていくということにになるわけです。これが観光庁で出しているプラットフォームです。具体的に補助金を出してやろうというので、広域観光圏の中でつくりなさいよと。補助金とるためには、われわれはちょっとつくれないわけです。ところが、遠野はどういうわけかプラットフォームのモデル地域になって、ちょっと始めたのですけれども、震災で結局その人たちがどさっと後方支援のほうに入っていったと、こういうことになっております。
10月24日。産経新聞からとったのですが、本来は観光圏ごとにやるのですけれども、被災3県の団体に限り新規申請を受け付けるということです。本当は岩手県もそういうプラットフォームをつくろうかなといったら、いわゆる補助金、助成金をとってやれるのです。観光立県の推進会議のときにもちらっと言いましたけれども、だれも話が返ってこなくてそのままになっていました。ですから、そういうものを進めていく。これを皆さん方、いわての県民計画の中に書いてあるわけです。これを書きかえればこうなるでしょう、いろんなものをまとめてプラットフォーム化していく。教育機関では失敗しましたよ。やはりNPO、とりわけコミュニティービジネスあるいはソーシャルビジネスとして育成していくことが必要なのではないかな。
何をやっていくかというとこれです。プラットフォームの重要な役割は、そういうロングトレイルをやる、そういう調査も含めて、観光マーケティングに関する調査研究、それから商品造成のソフト開発、それから地域に存在している観光関連の業者、いろんな人たちの情報交換、相互理解。すぐには商品造成できないですから、お互いが情報交換しながら個別的につながりながら、できれば大きな商品造成に向けていくと、こういうことになります。
あと一つは、観光アカデミーです。岩手県で2年間観光人材育成というので中堅の観光の仕事をしている人たちでやりました。今年度は日本観光振興協会から金をもらって、先ほどのオンパクなんかに来ていただいてやっていますけれども、これは、どうしても県がやりますと、継続性の問題もありますし、どういう人たちに何を教育したいかという形がなかなかとれないです。ですから、プラットフォームがそういうものを引き受けて、きちっと継続的にやっていく。山形では、山形交通あたりがお金を出す形で、民間で観光アカデミーをやっております。仙台でも今そういう動きが出てきているわけです。ですから、観光人材育成も含めて、プラットフォームを形成していくべきではないかな。これはちょっと最初のところで言いましたように、県民の活動をどう保障していくか、県民の活動をどう観光の視点からも考えていくかということもオフシーズン対策としても考えていく必要があるのではないかなということであります。
○岩崎友一委員長 貴重なお話ありがとうございました。
これより質疑、意見交換を行います。ただいまお話しいただきましたことに関し、質疑、御意見等がありましたらお願いいたします。
○神ア浩之委員 先生、どうもありがとうございました。私は、一関から来ております。平泉からいっぱい票もいただいておりました。平泉にちょっと関連することでお話しをお聞きしたいなと思っていました。
 冒頭から言われましたニーズと本当に合っているかということに対しては、平泉も全くそのとおりでありますし、今回の震災へのいろんな全国からのボランティアの希望に対して交通の面だとか、宿泊の面だとか、ニーズに合ってなかったですよね。そんなことも今回の震災から学んだと思っておりました。
ちょっと質問が4点あるのですが、一つは今「平泉」ナンバーを推進しているのです。ということで、我々も何だかわからないけれどもまず「平泉」ナンバーと言っているのですけれども、この御当地ナンバーというか、「平泉」ナンバーというのはどういう効果になっていくのか、それを学んで私も「平泉」ナンバーの推進に努力していきたいなと思っております。その「平泉」ナンバーの件であります。
それから、二つ目は平泉の売り方ということで、金色堂だけ見るということでなくて浄土思想をということなので、これがまた理解がなかなか難しくて、リピーターを呼ぶにはお寺を見たとか、金色堂を見たということで帰られない、そういう信仰だとか、何かのときにはまたあそこに行ってお参りしなければならないとか、そういうような平泉の売り方について御教授いただきたいなと思っております。
それから、三つ目なのですが、大きな意味でのプラットフォーム、岩手県として、平泉をということでいくわけなのですけれども、なかなか商品開発というか、アクセスの面だとか、平泉から沿岸のほうに行くというふうなことも大変だと思うのです。そういう商品もいいでしょうし、そんなこともあって逆に個人の小さい小旅行みたいなものも多いようなお話しもされておりましたので、沿岸の商品を逆に平泉の近くのほうに持ってきて、ちょっと平泉に来た方に対して、わざわざ沿岸にまで行かなくても、来たついでにその近くで沿岸の商品を購入していただいて帰ってくるみたいなこともあわせて整備していかなければならないのではないかなと思っているのです。平泉から沿岸のほうにというふうな、そういうやり方も一つであるでしょうし、当座とりあえず早く沿岸の商品みたいなものを一関あたりに持ってきて物産館みたいなものをつくって来ていただく、買っていただくというふうなこともまた必要ではないかなと思っているのですが、その点についてであります。
最後は、放射能にかかわる観光客のことについてなのですけれども、去年、おととしは結構中国の方とか平泉に来ていたのです。秋のオフシーズンなんかにも来ていたのですが、今は海外、外国の方というのは、放射能の関係で日本だとか、それからこの岩手とか、平泉とかに対して来ているのかどうか、どういうふうに外国観光客の方はこの放射能に関して思っていらっしゃるのかというようなことをちょっと教えていただきたいなと思います。
○宮井久男講師 余り難しい話でわかりませんけれども、「平泉」ナンバーというのは、県内ではなくて、県外に行くと大きな宣伝効果があると思うのです。全国的にアンケートをとってもまだ平泉の世界遺産について興味と言っても、ちょっとまだ上がっていない部分があります。そういう意味では、常にそれが町を走っているわけですから、そういう効果は恐らくあるのではないかというふうには思います。それ以上のことはちょっと私もよくわかりませんけれども。
 あと平泉の売り方なのですけれども、浄土というわかりにくいものを、逆に言うとわかる形にしたのが平泉だというわけですから、そういう建物なり、金鶏山がなぜああいう形になっているのか。最近よくテレビでかなりおもしろい説明なんかしていますよね。ですから、そういうものを来た人に対してきちっと一つ一つわかるようなガイドさんというのがかなり重要なのかなと思うのです。ですから、ガイド育成、そういう意味では高校の先生をやめた人が押しつけがましいガイドをするのではなくて、そういうようなことが重要なのかなと。やっぱり県民の人がまず本当に平泉というものを理解しているか、余り言うとしかられてしまいますけれども、黄金に輝く、前のときにそれが一緒にポスターになったりしていましたけれども、それだけではなくて、やはり今はNHKなんかでも、松たか子がしゃべったりして、新しい日本の何とかとよく特集やっていますよね。そういう空気が日本全体にあると思うのです。そして、グリーンツーリズムの根底にもそれがあるのです。失われた日本の中に、よさがいろいろあったのではないかとか、グリーンツーリズムはわらじを編んだり、炭焼きをして、それでグリーンツーリズムではないのです。リゾートというのは憧憬のリゾート、あこがれのリゾートの立派なホテルがあって、ゴルフ場があってというのが一つのリゾートですけれども、もう一つ回帰のリゾートというのがグリーンツーリズムに相当するわけです。何かというと、本来は戦後のエネルギーも含めて、私らも小さいとき裸電球で、水道もなくて、トトロの世界だったのです。それから急速に変化し過ぎた。ですから、いろんなものを考えていく場合でも水道がなかった、道路は舗装されてなかったとか、遊びもそうだし、車もない状況で、家の前で遊んでいたわけなのですけれども、そういう中でさまざまな意味で変化してきているわけですね。人と人とのつながりも希薄になっているとか、いろんな今の問題点が存在していると。その中で、失われた日本的なもの、あるいは失われたコミュニティーの中で存在していたもの、実はそういうものも平泉を題材にしながら日本のよさなり、そういうものがどう考えられたのか、人の気持ちがそういう浄土の世界にどういうふうにあらわれていたのかとか、そういう意味では観光教育というのですか、子供たちを含めた県内の観光教育、ですから観光読本という平仮名を振った子供向けのものも早くつくるべきだとか、私は前々から言っているのです。山形とかではいろいろつくっていますけれども、そういうことも含めて仏教に帰依しなさいというわけではないですけれども、県内の人がある程度、浄土思想や平泉を理解する上で、なぜあそこにそういうものが存在していたのかとか、浄土というのはどういうことを考えて、そこに、そういう町なり寺院ができたのかとか、そういう理解が進む中で、当然ガイドもふえてくるでしょうし、そこからじわじわと来るような形にすべきではないかなと。やっぱり一過性のものは一過性で終わるわけでありまして、住民も含めて、去年卒業した学生に平泉の学生がいたものですから、平泉を卒論で書いて、町がバリアフリーになったというのも写真撮っていろいろやっていましたけれども、そういう地道な、まず県内の人たちと、NHKも結構取り上げてくれたりしていますから、そういう放送で宣伝しながら、建物だけではない、そういう平泉のよさとか、あるいは考え方、これを出していくべきではないかと思っております。
 3番目の交通機関含めたそういう小旅行だとか、そういうものは、これは一つのネックではあるのですけれども、先ほど言ったようなシーニックバイウェーの考え方の中で、どう解決していくか、まさしくそういういろいろな困難があるものを、それをよさに変えていくような、「ピンチをチャンス」と大分使っていますけれども、それこそまさしく持っている資源をどう組み合わせて、よさにしていくかというのをプラットフォームで考えていくべきなのだろうなと。先ほどソフトというような言い方しましたけれども、まさしくそういうことを考えるのがソフトであると。
途中にどこかプリントしてあると思うのですけれども、低価格と利便性とホスピタリティと。低価格というのは、やはり今最低限必要な魅力なのです。それと利便性というのが乗りおり自由だとか、無駄な時間がない。本来会津のぐるっとカードだとか、仙台のカードだとか、そういうものはそういう視点からつくられたものなのです。一時期三陸カードを構想しまして、東北運輸局と一緒になって会議も開いたのです。ところが、どうしても運輸局の関係で交通機関を中心につくるものですから、そういう予算の補助金だったわけですけれども、JRがこれは苦情が来るから積極的にやれないと。なぜかというと乗りおり自由はいいけれども、列車が走ってないのにと。山田線の一日走る本数が限られているのに乗りおり自由と言ったって、乗るのが走ってないではないかという話で、どうしてもできませんでした。だから、そのときも三鉄のバスだとか、そういうところが協力して三陸カードということで資料もありますけれども、ただそれは交通機関であって、本来の趣旨はエリア共通カードという形で、これは外国にも結構あるわけです、ロンドンカードとか、シティカードですね。遠野なんかでも遠野のいろんなものを結びつけて、一つ一ついくと何千円かかる、1カ所ずつ600円とか800円をまとめるとえらい金だけれども、カードを買えば安くなります。これはそういう博物館とかそういうものだけでありますけれども、シティカードというのはそういうものにプラス観光の割引がきくとか、交通機関だけではない形でそういう商品化をしていくわけです。ですから、プラットフォーム、プラットフォームと先ほどから言っていますけれども、単純に集まってプラットフォームで商品造成はなかなか難しいです。ですから、地域通貨的なものをやるのか、あるいは目的としてロングトレイルというものを目玉にしながらやるのか、そういうエリア、共通カードを考えるのか、JRも割とフリーパス結構出していますから、そういうものを活用しながら、それに加えて何かやっていくとか、そういうようなことを交通機関等でも考えていく必要があるのかなと。
 放射能の問題は、ちょっと私は余り詳しくないので答えられませんけれども、徐々に日本との関係でも安全であるとかという見方があるし、ただ場所場所によってはちょっときついところもあるので、平泉も含めて低いわけではないので、今後どうなるか。逆に言うとそういうふうにかなり高い数値が出ている場合には、やむを得ないところもあるのだろうなという気もしております。海水浴のときに新聞社から、海開きやりそうだけれども、放射能のチェックもしないでやっていいのかという意見を求められたのですけれども、これからだよという話をして、結局全部海開きしませんでしたけれども。ですから、そういう意味ではチェックをしながら具体的な情報をいかに提供していくかというのがやはり信頼のもとでしょうし、その体制をつくっていくというのが地道な外国人観光客増加の基礎になるかなという気がしております。回答にはなっていませんけれども、済みません。
○小泉光男委員 私は、神ア委員とは逆で県北の一戸、二戸選挙区でございます。平泉の世界遺産登録をしてから、逆にストロー効果で県北のお客様もどうも平泉から南のほうに行って、県北が閑古鳥が鳴いているかなと。一戸にとりましても、先ほど先生のヒントにあったようなロングトレイルですね。特に一戸町は奥州街道でも一里塚が残っていて、毎週日曜日に結構盛岡あたりからもリュックサック持って来ていただいているようですし、グリーンツーリズムについても葛巻であるとか、あるいは浄法寺町稲庭岳があるのです。そういったことで、点としての観光資源、拠点というのは事欠かないと思っていますけれども、先生のタイムとマネーという話がありましたが、あれは特に女性だと思うのです。そういった面で、女性というと観光に食べ物はつきものですけれども、そういった意味では二戸地区は雑穀だとか、余りぱっとしない、観光客受けするような部分がちょっと欠けているかなという感じがしますので、県北にもお客様を呼ぶためのもう一つのヒントみたいな、スパイスを加えるとすればどんなことがあるかなと思いまして、御教示願いたいと思います。
○宮井久男講師 女性もそうですけれども、団塊の世代を含めたシニア層と、あと子供も含めた教育旅行ですね。そこのあたりを重点に置いておくべきではないかなと思います。特にグリーンツーリズムの場合にシニア層の、つまり休暇にとらわれないで来てくれる可能性のあるところですね。そのあたりがそういう意味ではグリーンツーリズムをやる立場からしてもいいのだろうなという気がするのです。夏休みなり、休暇のあるとき以外は学校でのこどもプロジェクト以外はなかなかグリーンツーリズムだ何だで行くことは難しいのだろうと思うのです。また、女性の場合の就業状況、雇用状況もそう楽ではないですね。非正規社員の女性が増えていっている部分もある中で、どこまで岩手の地のそこに来てくれるかというのがもう一つちょっとつかみ切れないようなところがあるなと。そういう意味では、奥州街道もいわてNPOセンターが結構熱心に、あの辺もちょっと加わっていたのですけれども、結構いいところが多いのです。IGRも協力していたはずなのです。IGRにもちょっとかかわっているものですから、そういう意味では探せば温泉もいいのかと思いますし、ですからあとこれは縄文遺跡も果たしてどの程度進むのかわかりませんけれども、その辺を組み合わせる中で、恐らくシニア層を中心に歩いていくものの魅力というのは出てくるのかなと。
あと一つは、先ほどのいわて子どもの森もせっかくの財産ですから、何かもうちょっと活用の仕方があるのかなというような、ですからそういう意味ではグリーンツーリズム、あとエコツーリズムですね、それをロングトレイルの中に組み合わせながらやっていくと結構おもしろいものができるのではないかなという気がするのですけれどもね。確かに今のままでいくと本当に伊達な広域圏で、南下政策で1日目平泉に来て、ちょっと見て、深く内容もわからないで帰る。確認の旅と言っていますけれども、「あっ、絵はがきと同じだ」と、「インターネットで見たのと同じだ」と。いつも言うのですよね、姫路城に行ったら、「あっ、同じだ」と、同じで当たり前なのですけれども、それで終わる観光というのは、そういう意味では先ほどの意識の問題にかかわりますけれども、今それでは物足りないというのが出てきていますから、その物足りない層を岩手の場合にはきちっときめ細かにガイドも充実させながら少しずつつかんでちょっとつなげていくような、つなげていくというのは離さないような工夫を何とかできないだろうかなと。そういうときに一つのグループで商工会なら商工会だけだとか、観光協会なら観光協会だけでやっていますとやっぱり限界があるのです。そこをお互いの魅力を出し合って、出し合う中で平日も使いながら、民泊なんかも協力をいただきながら、最初はもうからないですね。NPOなんかのお話しを聞いていただいていると思いますけれども、ずっと赤字でNPOも大変な状況だったのです。でも、そういう中で地域の細々したものをメニューにしながら、自分たちで旅行の企画なりをつくるような形に持っていったり、今はそれをNPOつくってやる前でも環境省等が恐らくバックアップするはずなのです。国民の支援のバックアップ体制があるわけですから、それを利用しない手はないのですからそういうものを活用してやっていけば何かおもしろいものができるのではないかなと。
シニア層を含めた層に恐らく魅力があるものを提供してきているのではないかなと思っていますけれども。女性を無視するわけではありませんけれども。あと子供を含めた家族、あるいは子供がかかわりながら、山形みたいな、少し補助金を出して体験する子供、何歳以上の方に補助金出して、自然に触れていくような、そういうものもやっていく中で整備されていくのかなと。グリーンツーリズムと言ったって、すぐには商売にならないですよね。いろいろやったって年がら年中来てくれるわけではありませんし、やっぱりそれを保障してくれる、日常的に来てくれる体制なり可能性を示していかないと難しいのではないかなと思います。
○佐々木朋和委員 先生、きょうはありがとうございました。実は、私は前職が観光施設の営業マンをやっておりまして、平成22年の岩手観光マネジメント人材育成セミナーに出させていただきました。お世話になりました。よろしくお願いいたします。
そのころから先生のお話を聞いていく中で、やはり観光プラットフォームの必要性というのは私も感じておりまして、きのうJTBの新年懇話会があったのですが、やはりそういうところでもグリーンツーリズム関係の方はみんな出てこないし、地域で観光のほうの集まりがあってもなかなかグリーンツーリズムのほうがないと。また、岩手のほうでは、先ほども話しましたように団体でバスでだっと来てというのから個人客になっているという中では、この広い岩手県、二次交通と言っても限界があって、そんな中ではレンタカーとか、そういう業者さんもまざっていただきたいという思いがありながら、なかなかそういう観光のほうにはまざってきていただけないというのがあります。これからはそういう中で新しい時代に合ったプラットフォームづくりというのがやはり必要なのだなというのは改めて実感をした次第でございます。そんな中で、グリーンツーリズムについて、私も一関なのですが、ある程度商品をつくったり、またグリーンツーリズム協議会などもできて商品造成はして、また賞をもらったりして、実際に賞品を世の中に出すまではいっているのですが、なかなかほかの事例を見ても、また県の農政部のほうで補助を出してやっている旅行商品についてもなかなかお客さんが来てくれないと。成功できずに終わっているというのも多いように思うのですけれども、その中で不特定多数への報告というのがなかなかお金もかかるものですから、今グリーンツーリズムはなかなか大手の旅行会社さんは手を出さないで小さいところがやっているところもあって、せっかく企画してもなかなかそういうような形で、先ほども話がありましたが、商品ベースに乗っていかないという現状があると思うのですが、そこら辺の集客、または宣伝というところで何か工夫できないのかというところをお伺いしたいと思います。
○宮井久男講師 地域、地元客をもう一度きちっと見るべきではないかなという気がするのです。私もそうですけれども、私なんかは観光を余り最近やっていないのです。やっているとすれば、兼ねる観光ですね、学会に行って、それでちょっと周りを見てみるとか、一ついい学会に入っていまして、温泉学会というのがありまして、私は温泉学会の理事もやっているのですけれども、あれは必ず温泉地でやるものですから、割とひなびた温泉地でやりますので、それに関連して楽しんでこれる。先生方の場合は視察ということもあるかもしれませんけれども。
県の観光をやっている人に、「あんた、最近どんな観光したの」と言っても余り出てこないですね。どうですか、最近どんな観光されましたか。余り思い当たらないですよね。それから、うちの家庭にどういう観光したとか聞いてみても、家族で車でちょっとドライブやったとか、その程度ですよ。恐らくは、全国そうなのです。だから、ふえていかないわけです。我々自身は、そういう意味では地域に存在する県なら県民がどういう観光を楽しんでいるのか、県民生活の視点からもその観光が本当にそれでいいのかという視点で、そして財産なり、宝がいっぱいあるわけですから、ではそれを県民自身が楽しむ、そういうシステムをつくったらいいのではないだろうか。そうすれば受け入れ側は県外から来ようと、県内であろうと、ホテルに泊まってもらうには変わりはないわけです。ただ、県内全体からいうと金が内部で循環するだけですから、外から入ってこないわけですけれども、しかしそういう中で個々の人たちに対する対応だとか、ニーズがどういうものになっているのかとか、そういうものに鍛えられながら新しい商品づくりなり、協力関係なりが生まれていくのだろうなと。まとまったゴールデンウイークだとか、土日だけだとかというところで商売していくためには、やっぱり相当金も覚悟しないと商売になりませんし、そうするとなかなか定着しないですよね。ですから、オフシーズン対策も含めて地元客がどの程度そこを利用しながら、そして県内、県外にも訴えかけていくといいましょうか、県内の人が楽しんで、いい施設らしいよというのはやはり客を呼びますよ。それが日ごろ全然やっていなくて客が来るゴールデンウイークだけ開業して、余りなれない中で、あそこへ行きたいのだけれども、ちょっとそこはよくわからなくてとかになると、二度と来ないですし、リピーターにもならないですね。ですから、地元客を中心にといいましょうか、やはり観光地形成をもう一回考えるべきではないかなと。ですから、条例をつくる場合も、あの中に県民の観光をどう考えていくかとか一言でも入っていればよかったなと思っているのですが、何も入ってないです。それぞれの分野の人が県外から来た人にどう対応するか、どういう支援をしていくか、それしか入ってないですね。国の推進、方向の中にもきちっと国民の観光をどう進めていくか、促進するかとちゃんと入っているわけですけれども、県の条例は外の人だけを考えていますね。それでいいのかなとちょっと私は思っております。ですから、県内のいろんな取り組んでいる、グリーンツーリズムや観光も含めて伸ばしていくためにも県内客をもう一度観光活動していけるような体制をつくっていくと。子供を含めたところに助成金をきちっと出してグリーンツーリズムに参加していくような形、そうすればある程度グリーンツーリズムをやっている人たちも、生きがいを持てるような話になってくるのではないかということですね。
○佐々木朋和委員 ありがとうございました。最後に少しお話も出たのですが、その中で補助金の使い方というのが、今どうしても予算をとって丸投げになって、丸投げと言ったらあれですけれども、受けたところがほぼそういう広告代に使ってしまって終わりというのがあるのですけれども、もう少し定着させるためのいい補助金の使い方という例があれば教えていただきたいなと思います。
○宮井久男講師 先ほど言いました山形では、今度は子供の体験学習なり、体験旅行するときに、何歳以上でしたか、ちょっと詳しくは忘れましたが、補助金をつけて、それが今林業被害だ何だで苦労していたところに、ちょっと肩がわり的な形をしたというところがあります。宮古では、宿泊5,000円以上に1,000円つけるとか、クーポンでやっていますけれども、どれくらいの効果があるのか。以前はカニを出してとか、物でやっていたという時期もあるわけです。ですから、私はちょっと今材料を持ってきていないので、山形の例しか言えませんけれども、ドイツのグリーンツーリズムもやはりこれは国が補助金を出す形です。ですから、外のそういう事例を含めて、先ほどのロングトレイルなんかもガイドの人たちを補助金でただでつけますとか、いろんな工夫があり得ると思うのです。ですから、そういうものを含めたソフト、先ほど言ったのはそういう面がありまして、そういうものを準備段階のプラットフォームでは工夫していくということが必要なのかなと。
先ほど言いましたように、何もなしにプラットフォームをすぐというのはなかなか難しいですね。ですから、例えば先ほど言ったようなオンパクなんかのような地域でやることが一番やりやすいのです。ただ、地域でやると狭い範囲の中でのプラットフォームになってしまう。だから、どの段階の、どことどこを結びつけたプラットフォームにしていくか、これによってもまた変わっていくと思いますし、エリア共通カードのぐるっとカードのような、そういう交通機関を中心にプラットフォームを考えていくというような工夫があり得ると思うのです。あるいはロングトレイルを推進していけるNPOを中心にちょっと関係してくるものを集めてプラットフォームをつくっていくとか、今ので言えば平泉と沿岸・県北をつなぐ観光。そういう意味で、風景街道を含めた今やっている人たちを結びつける形でやってきたと思うのです。やっぱり何か受け皿になるようなものをつくりながらやっていく必要があるのかなというふうに思います。余り参考になりませんが、今後もそういうどういう助成金が機能しているかというのを調べていきたいと思っています。
○岩崎友一委員長 まだまだ質疑等あるかと思うのですが、時間となってしまいましたので、本日の調査はこれをもって終了いたします。
 宮井先生、本日はお忙しいところまことにありがとうございました。
 委員の皆様には次回の委員会運営等について御相談がありますので、しばしお残り願います。
 次に、4月に予定されております次回の当委員会の調査事項についてでありますが、御意見等ありますか。
○工藤大輔委員 正副委員長一任です。
○岩崎友一委員長 委員長一任という話ありましたので、また御異議もないようですので、なしと認め、さよう決定いたしました。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。


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