商 工 文 教 委 員 会 会 議 記 録


                       商工文教委員長   橋 博 之

1 日時
  平成22年1月19日(火曜日)
  午前10時1分開会、午後4時15分散会
(うち休憩 午前11時58分〜午後1時16分、午後3時13分〜午後3時28分)
2 場所
  第3委員会室及び岩手大学地域連携推進センター
3 出席委員
  橋博之委員長、橋元副委員長、佐々木一榮委員、中平均委員、郷右近浩委員、
  高橋雪文委員、小野寺有一委員、小西和子委員、斉藤信委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  石木田担当書記、栗澤担当書記、小野寺併任書記、高橋併任書記
6 説明のために出席した者
 商工労働観光部
   廣田商工労働観光部長、齋藤副部長兼商工企画室長、伊藤雇用対策・労働室長、
戸舘商工企画室企画担当課長、阿部経営支援課総括課長、
黒澤科学・ものづくり振興課総括課長、
保企業立地推進課総括課長、津軽石雇用対策・労働室雇用対策課長、
川村雇用対策・労働室労働課長
教育委員会
   法貴教育長、遠藤教育次長兼教育企画室長、佐々木教育次長兼学校教育室長、
 佐藤教育企画室企画課長、宮学校教育室学校企画課長、
上田学校教育室高校改革課長
7 一般傍聴者
  3人
8 会議に付した事件
 継続調査(商工労働観光部関係)
 (1) 岩手大学地域連携推進センターの活動状況について(現地調査)
 (2) 雇用対策の状況について

○橋博之委員長 それでは、ただいまから商工文教委員会を開会いたします。本日はお手元に配付いたしております日程のとおり、継続調査2件の調査を行います。
 まず1件目、岩手大学地域連携推進センターの活動状況についてにつきましては、現地に出向いて調査を行います。調査終了後、議事堂に戻った時点で昼食休憩とした後、おおむね午後1時になると思われますが、当委員会室において委員会を再開し、2件目の雇用対策の状況について調査することといたしたいと思います。
○斉藤信委員 付託された案件はそのとおりなのですが、年末に県の教育委員会から今後の高等学校教育の基本的方向という案が我々にも郵送されました。既に各ブロックごとの説明会も開かれていますが、この案というのは高校教育の基本方針というべき極めて重要なもので、本来これは県議会に事前に説明されるべきものではないのかと思います。県教委に聞いたら、そういう説明する予定はあしたの県政調査会でもないということです。本来なら教育委員会から説明したいと言ってくるのが当然だと思うけれども、こういう常任委員会があるわけですから説明を受けるべきではないのかと思います。ぜひ委員長に諮っていただきたい。
○橋博之委員長 暫時休憩いたします。
 (休憩)
 (再開)
○橋博之委員長 再開します。
 それでは、バスで移動しますので、玄関前まで御移動願います。
 (休憩)
 (再開)
○橋博之委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより雇用対策の状況について調査を行います。調査の進め方についてでありますが、執行部からの説明を受けた後、質疑、意見交換を行いたいと思います。
 なお、本件につきましては、昨年9月以降、毎回取り上げているものでありますので、執行部にも委員の皆様にも、それを踏まえて迅速な委員会の運営に御協力をお願いいたします。それでは、当局から説明を求めます。
○伊藤雇用対策・労働室長 では、私のほうから、皆様のほうにもお手元に配付してございます資料により、雇用対策の状況につきまして御説明申し上げます。
 まず、資料の1ページ目、左上でございます。経済・雇用情勢の主な指標として、鉱工業生産指数と有効求人倍率ということで動きを追ってございます。このうち鉱工業生産指数、この表は季節調整済み指数でございます。これによりますと、本県の場合は3月から上昇基調にあるということであります。8月に若干落ちましたけれども、前月水準を上回っているというふうな形で進んでいます。
 また、有効求人倍率につきましては、4月以降横ばい状態が続いているというふうなことでございます。後ほど雇用の動きにつきましては、詳細を御説明申し上げます。
 また、各圏域の経済・雇用情勢でございます。これにつきましては、9月以降、緊急雇用対策本部会議を経済・雇用対策本部会議ということで改組いたしまして、各広域振興局から現地の経済、雇用情勢について報告をいただいたものをここにまとめてございます。それによりますと、県央、盛岡地域でございますが、製造業は受注が回復しない中で、協力工場の見直しやベテランパートを解雇する動きが見られるということ。
 県南地域では、自動車産業は増産に伴い回復の動き、半導体製造装置関連は回復基調、機械関連は横ばいや低調な動き、それからいわて求職者総合支援センターの利用者は、生活困難等の問題を抱えた相談者の方が増加しているということでございます。
 沿岸につきましては、製造業は回復傾向、一部は7割程度まで、最近の円高が輸出関連企業に大きな不安となっているというような報告でございます。
 県北では、製造業では新たな事業展開を模索する動きも見られるが、全体的には先行き不透明な状況という報告を受けてございます。
 こういったような状況を前にして既に取り組みをしているわけですが、次ページ、2ページでございます。雇用の状況でございます。まず、1番の有効求人倍率につきましては、先ほど申し上げましたとおり4月は0.34というようなことで、7月に0.31を記録いたしまして、ほぼ低い水準で推移しているという状況でございます。
 企業の雇用調整の状況でございますけれども、事業主都合による離職者数は、11月が2,401人ということで、これは平成20年11月の1,617人に対しまして148.48%ということで、高い水準にあるということでございます。なお、4月の5,227人から比べますと減ってきてはいるという状況です。
 それから、企業整備届の受理状況でございますが、平成21年1月をピークといたしまして、最近は落ち着いてきているということでございます。
 それから、雇用調整助成金等に係る休業等実施計画届受理状況につきましてですが、11月は合計で事業者数で485事業所、人数で1万2,102人というふうなことになってございます。これも5月のピーク時、事業所数で623、人員にいたしますと3万1,351人という数字から、次第に減ってきてはいるものの、ここ10月、11月はほぼ同じような数字で推移しているということでございます。
 次に、求人・求職者等の状況でございます。有効求職者数、有効求人数の推移でございます。有効求人数につきましては、4月の4万3,088人をピークといたしまして徐々に減少しているというような状況でございます。他方、求人の状況でございますが、これにつきましては5月が1万1,299人というふうなことで底でございましたが、徐々に回復してきてはおります。ただし、11月は若干下がってございます。
 それから、2の新規求職者数、新規求人数及び就職件数でございます。新規求職者数につきましては、11月が8,068人ということで、前年の同期に対しまして114.16%というふうなことになります。それから、新規求人数につきましては5,876人ということで、若干これが例年に比べますと落ち込んでいるということ。また、ここの最近の状況から見ますと落ち込んでいるというふうなことでございます。就職件数につきましては、3,240件ということで、前年に比べて120.90%。これは全体として、ことしの6月以降100%を超える状況で、前年比増加してきているというふうな状況です。
 安定所別の有効求人倍率、過去3カ月の動きでございますが、この中で顕著なものといたしまして、花巻で11月0.31、それから水沢で0.27、北上で0.35ということで、落ち込みが見られます。これらにつきましては、自動車関連産業を含めた求人が充足したということから、求人倍率が下がったというふうに伺っております。
 ここで1ページに戻っていただきたいと思います。このような経済、雇用情勢を踏まえまして、これまで1といたしまして雇用の創出、産業振興施策による雇用創出、雇用対策基金を活用した雇用創出、農林水産業及び関連産業への就業促進、アクションプランの推進によって雇用の創出に取り組んでまいりました。
 また、2番目の柱といたしまして、就業の支援ということで、体制の整備、職業訓練の拡充、生活の支援、新規高卒者の支援ということで取り組みを進めてまいりました。特にも新規高卒者の支援につきましては、後ほど雇用の動きでもう一度改めて御説明いたしますが、非常に厳しい状況になってきたということから、10月26日からキャンペーンに取り組んできたところでございます。
 それから、3番目といたしまして、経済の活性化ということで、中小企業向け融資、公共事業の前倒し実施、早期発注ということで取り組み、その他の経済対策も取り組んでまいったところであります。
 そこで、新規高卒者の支援の関係で、3ページでございます。3ページでは、平成22年3月新規高等学校卒業予定者の職業紹介状況ということで数字をまとめてございます。11月末現在でございますけれども、求職者全体で3,455人、うち県内希望者が1,937人ということになってございます。これに対しまして、就職内定者数ということでございます。全体では2,441人、うち県内希望者の内定数は1,167人ということで、内定率では全体では70.7%、県内が60.2%となってございます。こういった厳しい状況があったということで、これまで経済、雇用対策の中で新規高卒者の就職支援を大きな柱の中に入れてはございませんでしたが、10月26日以降、キャンペーンということで取り組んでまいったところでございます。
 こういった中で、(2)の卒業年度別の就職内定率の推移というものをごらんいただきたいと思います。一番下の表のところにございますけれども、平成22年3月卒、9月の段階では39.6%、10月で58.5%、11月で70.7%でございます。これが過去の就職内定率の推移の中でどういう位置づけになっているかと申しますと、下のグラフでございます。9月段階では、4番目ないしは5番目あたりのところでございましたが、キャンペーン等を通じまして若干でございますけれども、4番目あたりまで上がってきているというふうなことで考えてございます。なお、特にも就職氷河期と言われた平成14年、15年、16年卒の当時と比べますと、数字的にはまだ若干上回っているというふうなことでございます。
 ということで、各種取り組みをしてまいりまして、4ページでございます。12月31日現在で、これまでの取り組みにつきまして取りまとめをしたものでございます。まず、1の雇用の創出関係でございますが、産業振興施策による雇用創出として、平成21年の雇用創出目標を掲げてございますが、これに対して実績として4月から9月について取りまとめたものでございますが、新規、常用雇用として1,529人、うち正規雇用として1,254人というふうになってございます。
 それから、雇用対策基金を活用した雇用創出として、緊急雇用創出基金事業とふるさと雇用再生特別交付金がございます。緊急雇用創出基金事業につきましては、目標に対しまして実績として2,904人、達成率87.6%。この括弧は、実は本部会議でも使用している資料でございますが、3カ月間で205人の増になったというふうな括弧書きでございます。ふるさと雇用再生特別交付金につきましては、実績といたしまして546人、目標に対してはおおむね達成したということでございます。
 それから、農林水産業関係では実績として3,482人、うち新規参入分が243人、新規雇用分として3,239人ということで、全体としての達成率が177.7%というふうになってございます。
 次に、就業の支援でございますけれども、支援体制の整備として昨年の3月末から5月にいわて地域共同就職支援センター、それからいわて求職者総合支援センターを設置いたしまして、就業支援を充実してきたところでございます。この数字は、このセンターがかかわりまして就職に結びついた人数でございます。共同支援センターが402人、求職者総合支援センターが489人となってございます。
 それから、職業訓練の関係でございますが、計画訓練生に対しまして実績として62コース、996人。定員は1,047人でございますが、996人というふうになってございます。このほか緊急の基盤整備として、多様な訓練ニーズに対応するための整備ということで、9月予算で補助金を創設いたしまして、これのほうの整備を進めてございます。
 それから、生活の支援といたしましては、住宅支援、生活費支援、教育費支援に努めてきたところでございます。それぞれの数字は、ここに記載のとおりでございます。
 次に、新規高卒者支援、これは先ほど申し上げましたが、10月26日から新規高卒者求人確保キャンペーンを実施いたしました。およそ2カ月間にわたりまして実施したわけでございますが、その結果ということで、企業訪問や新たな面接会の実施等によりまして創出した求人数は66件で、人数といたしまして151人ということになっております。
 次に、経済の活性化関係では、中小企業向け融資の拡充ということで、9月補正段階で600億円ということで措置いたしまして、現段階では266億円の実績となってございます。
 また、雇用の創出、維持というようなことで、公共事業の前倒し実施あるいは早期発注ということで、この表の建設工事発注状況を見ていただきたいと思いますけれども、当初予算に対しまして99.9%、6月補正に対しまして89.3%、9月補正に対しましては86.1%ということで、全体としておおむね順調に前倒しし、早期発注になっているものというふうに考えています。
 その他経済対策として、それぞれ当初予算、6月補正、9月補正でいろんな産業振興にかかわる施策を展開してきているところでございます。
 以上のような取り組みでこれまで進んでまいりまして、また1ページにお戻りいただきたいと思います。こういった取り組みを通じまして、私どもといたしまして現状をさらに分析いたしました結果、今後の重点事項、取り組むべき部分といたしまして、一つは地域経済の活性化と安定的な雇用の維持、創出を図るために、今般国の2次補正予算ということで原案が出てきておりますけれども、そういったものを踏まえつつ、農林水産分野も含めた新たな産業の振興や人材の育成などに取り組む必要があるというふうに考えてございます。
 また、企業に対しましては、雇用調整助成金のさらなる要件緩和や事業拡大等に係る情報提供を適切に行いまして雇用の維持、拡大に努めるとともに、緊急雇用創出事業の前倒し実施などにより、雇用機会のさらなる創出を図ること。
 それから、失業されている方々というということで、長期にわたって求職活動を余儀なくされている者、あるいは事業所等の閉鎖、再編等による離職者など、それぞれの実情に応じて関係機関との連携のもと、きめ細やかな生活支援、職業訓練、就業支援に努めるということが必要と考えております。
 また、先ほど申し上げましたとおり、新規高卒者の就職支援につきましては、年度内は関係機関と連携して個別に高卒予定者と企業とのマッチングの強化に努めるということであります。それから、未内定のまま卒業を迎える生徒に対しましては、継続的な支援の仕組みを構築するということで、平成22年度当初予算等でこういった仕組みについて検討してまいりたいというふうに考えています。
 以上で説明を終わります。
○橋博之委員長 ありがとうございました。ただいまの説明に対し、質疑、意見等はありませんか。
○斉藤信委員 年末年始、岩手県、あと市町村も含めて、特別の相談体制をしかれたということで、私も激励に駆けつけました。これは一昨年は派遣村というのが問題になって、今度は公設派遣村と、いわば国や特に自治体が責任を持ってそういう失業者や求職者に対応するというので、私はこの1年間、そういう点でいけば顕著な前進があったのではないか思いますが、一つは、その相談の中身を示していただきたい。
 それと、私は今の雇用情勢でまず第一に対応しなくてはならないのは、この資料にもあるように有効求人倍率が去年の2月から0.3台なのです。12月もおそらく0.3台だろうと言われています。これはおそらく戦後初めてぐらいの深刻な状況なのですね。だから、そういう点でいけば、失業した後再就職できない。やっぱり失業者が長期に職を確保できないという深刻な状況の中で、私は失業者の実態を把握して、その失業者の具体的な要求にこたえるきめ細かな対策が今必要ではないかと思いますが、この状況についてどういうふうに把握されているのかをまずお聞きしたい。
○津軽石雇用対策課長 2点ございました。まず、第1点の年末の生活就労相談の相談内容でございますけれども、県におきましては昨年の12月29日、30日と、県庁の県民室と、それから奥州市のいわて求職総合支援センターで総合相談をやってございます。その相談件数は延べ90件ございました。内容的には、職業相談がそのうち32件、それから生活福祉資金が25件、それから労働相談18件、生活保護8件というような形で、一番多いのは職業相談の関係でございますが、次いで多いのが当面の生活福祉資金の資金手当の関係が多かったというような状況でございましたし、一人で複数の項目を相談なさるという方も多く見られました。そういった点では、ワンストップサービスのメリットというのがあったのではないかというふうに認識しております。
 それから、失業されている方が長期にわたっていて、その実態はどうかというようなことでございます。例えば盛岡のマリオスのいわて地域共同就職支援センターと奥州市のいわて求職者総合支援センターの相談状況を見ますと、地域共同就職支援センターの場合はこれまで4月から延べ2万5,305件の各種相談がされておりまして、そのうち生活就労相談が594件、2.3%でございます。それに対しまして奥州市のいわて求職者総合支援センターの場合は、5月は1日しかやっておりませんが、主に6月から12月の7カ月間で2万5,448件の相談が寄せられております。そのうち生活就労相談につきましては1,063件ということで、全体の4.3%ということで、こういったことからいたしますと、県南部のほうが生活就労相談の件数の割合が多いというところでございます。
 それで、いわて求職者総合支援センターのほうの分析結果を見ますと、一人で再来される方が比較的多いという傾向にございます。例えば12月の件数約200件ございます。正確には12月で220件の相談がございますが、新規が53件、再来が167件ということで、失業の長期化に伴って再来されるという方が多いということで、長くそういった相談、悩み事をお持ちになるというような方が多いのではないかというように認識しております。
○斉藤信委員 実は、私ども昨年末に奥州市と八幡平市で市民アンケートをやりました。奥州市では500世帯から回答がありまし。現在御家族に失業中または求職中の方がいらっしゃいますかという質問をしました。いわば失業者がいますかと聞いたら、奥州市の場合は28.5%でした。これは、大変すさまじい規模です。だから、有効求人倍率以上に失業者の数というのが多いのではないかと思われます。農村部の八幡平市で見ますと11.8%です。だから、農村部でも1割以上、奥州の場合は約3割の失業者がいると。それで、全く生活費を賄えないというのが奥州市の場合55.4%でした。
 そういう意味では、大変これは深刻な事態で、今これだけ長期に厳しい雇用情勢が続いているということは、おそらく有効求人倍率を見て求職をもうあきらめている方も結構出ているのではないかと私は思います。もう40件、50件応募しても採用されないとなると、あきらめてしまうのですよね。だから、その点では私はデータ以上に実態は大変深刻ではないかと思います。だから、県、各地域の出先でも、こういう失業者の方が具体的に何を求めているのか、そこをよく把握して、きめ細かな対策をとる必要があるのではないか。だから、もう待ちの態勢ではなくて、困っている実態というのはある程度わかるわけですから、そういう方々に対して一人たりとも路頭に迷わせない、生活を支える、就労の条件を切り開いていくということが必要です。やっぱり地方自治体というのは、県民の命と暮らしを守ることが最大の仕事ですから、相談に来たら対応しますというのではなくて、これだけ深刻な状況のときには、みずから実態と要求をつかんで、そして対応することが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○津軽石雇用対策課長 相談への対応ということでございますけれども、先ほどの奥州市のいわて求職者総合支援センターにおきましても、こういった状況を踏まえて一人一人の相談をきめ細かく、場合によっては長期にやっていくというような仕組みをやっておりまして、主にキャリアカウンセリングという手法を用いまして、専門のそういった就職に向かってのいろんな心構えでありますとか、あるいはいろんな面接のための準備ですとか、そういった長期に失業されている方というのはいろんな心の部分も含めてお悩みをお持ちだということでございますので、こちらのほうでも最後まで就職できるように一人一人フォローしていこうというふうな体制で現在業務を進めているというようなことでございます。
○斉藤信委員 もう一つちょっと実態を紹介しますと、これは水沢のハローワーク前で労働組合や民主団体が求職者にアンケートをとったというものですけれども、57.8%が前は正規社員だったという結果になっています。だから、派遣切り、期間工切りから始まって、今やっぱり正規社員の人減らしに変わってきているなと、私はそういう点でも大変深刻なものになっているなというふうに思っていますので、本当に前に踏み込んだ対策をとっていただきたい。
 それで、生活の支援という点でいけば、最後のセーフティーネットは生活保護なのですね。年末の相談にも8件あったようですが、さっきの資料の中で生活保護の保護開始件数は1,280件というのがありましたが、この数はいわゆる失業とか減収、そういうものを理由にした保護開始件数が1,280件と受けとめていいのでしょうか。
○津軽石雇用対策課長 先ほどの1,280件というのは、平成21年4月から12月までの累計でございますけれども、そのうち収入減に伴うのが351件というような形になってございます。
○斉藤信委員 そうであれば、きちんと書かないとだめですよ。通常の生活保護というのもあるし、雇用対策上で今こういうふうに把握しているわけだから、それはそのように把握しているのであれば、きちんと書いたほうがいいと思います。
 それと、今失業者の中で雇用保険を受給しているのが岩手労働局の資料ですと9,300件ですよね。そして、一方で今岩手県内の失業率、失業者は、5.3%で3万8,000人となっているのです。そうすると、3万8,000人の失業者、私はこれは小さく見積もった数だと思いますけれども、しかしそのうち9,300人しか雇用保険をもらっていないとすれば、まさに収入の手だてのない人が約7割占めているということになって、私はこういう点でも業者の実態は大変深刻だという、これは指摘だけにとどめておきます。
 次に、二つ目にお聞きしたいのは、私はこの中でも誘致企業のリストラ、人員削減というのが岩手県の場合には極めて重大だったと思うのです。特にソニーEMCS千厩テックが12月までで工場閉鎖をして、残務整理の20人だけがとどまっていると。富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場も10月、12月、3月と1,130名の人員削減、再配置が進められているわけですが、県内の主立った誘致企業の人員削減の計画と状況はどうなっているでしょうか。
○保企業立地推進課総括課長 今資料を出しますので、少々お待ちください。私どものほうで、一昨年のリーマンショック以来、昨年の11月末までに誘致企業のということで、そういう認識の中で雇いどめ等による人員削減等を行ったものということで、承知している範囲内ではございますけれども、合計3,100人程度となってございます。
○斉藤信委員 何社で3,100名か、それから多いところも教えてください。
○保企業立地推進課総括課長 今の3,100人という数字は、18社でございます。
 多いところということでございましたけれども、私どもの把握しているところでは富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場の再配置の計画で1,130人、あるいはソニーEMCS千厩テックの閉鎖ということになりますが、派遣社員等も含めまして870人でございます。多いのはそのようなところでございますけれども、あと幾つか100人を超えるくらいの人員削減というようなこともございます。
○斉藤信委員 特に富士通、ソニーということですが、富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場の場合は私が前回聞いたら、このうち700人が退職だと。ソニーEMCS千厩テックの場合は、これは新聞報道で424人が退職だということで、私は富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場はもっと退職者がふえるのではないかと思います。700人ということになると、四百数十人が再配置に応じるということなのですよ。私は、そこまで再配置に応じられる職員はいないのではないかと思いますが、この一番新しいデータを把握しているのでしょうか。
 それと、退職者の今の動向、退職者に対する企業の側の対応がどうなっているか、県はそこにどういう働きかけをしているか示していただきたい。
○保企業立地推進課総括課長 富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場の関係でございますけれども、私どもで数字を把握しているかということでございますが、今のところ私どもで持っておる数字は、今委員から御指摘のありました700名程度が退職をする見込みであるということでございまして、それ以上の数字は今のところ持ち合わせてございません。
 なお、この会社に対するさまざまな県としての動きということでございますけれども、富士通の再編の発表があったのが昨年の1月の末ということでございましたけれども、その後さまざまな動きをしてまいりました。当初におきましては、計画そのものの再編というようなことも含めて、知事、副知事以下、たびたび、さまざまな機会を通じて要請をしておりましたけれども、なかなか難しいという状況にだんだんなってまいりまして、直近のところではやむを得ず退職せざるを得ない従業員に対して会社としてしっかりフォローをするようにというようなこと、あるいは地元にできるだけ雇用を残すような努力をお願いしたいということ、そしてさらには将来ぜひ岩手のこの今の工場で新たな事業を展開していただけないかといったようなところに重点を移して、さまざまな要請を行っているところでございます。今後ともそういった形で引き続き会社側に対しては、しっかり要請をしていきたいと思っております。
○斉藤信委員 私は、誘致企業の今回の工場閉鎖とか再配置という首切り、人減らしは、全く合理性がなかったと思います。ソニーについて言いますと、これは昨年3月期末決算の内部留保というのが労働総研というシンクタンクで出ていますけれども、ソニーは3兆5,479億円で127億円内部留保をふやしたのですよ。内部留保をふやし、株主には配当をふやしながら工場を閉鎖して労働者は首を切る。これは、ヨーロッパだったら、絶対許されないやり方ですよ。
 もう一つは、富士通は内部留保を減らしたのだけれども、6,658億円の巨額の内部留保をいまだに持っているわけですね。こういう点でも1,130人の人減らし、700人の退職というのは、もう県内でも最大規模だと。今までアルプス電気、アイワ電気は約500人でしたね。だから、それを上回る規模、それも今度はソニーもということですから、私は本当に岩手経済を支えてきたこういう巨額の内部留保もあって体力もある誘致企業が、こんな強引なことをするべきではなかったと思うが、しかしやむなく退職された方、追い込まれた方については、今まで岩手県が求めてきたように最後の一人まで企業に再就職の責任を持たせると、これをぜひやっていただきたい。
 しかし、聞くところによると、富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場は12月末に退職した方々に対するハローワークの説明会で、自分の工場も貸さなかった、だから北上と金ケ崎の2会場で説明会をやったわけですよ。こんなことは許されないですよ。そういう意味でいくと、こういう大企業の横暴というのを私は許さないと。雇用を守る、地域経済を守るというのは大企業の社会的責任、これはヨーロッパでは当たり前のことです。そういうことを岩手県がしっかり強く求めていくべきではないですか。アイワ、アルプス電気のときには、曲がりなりにもそれを貫いたと私は聞いていますが、そういう取り組みをきっちりすべきだと思いますが、部長、いかがでしょうか。
○廣田商工労働観光部長 雇用を守るということについては、企業の社会的責任ということで、御指摘のとおりだと思っておりますし、私どももそういう観点で何回となく企業のトップのほうに、知事、副知事、私からも、ぜひ最後の最後の一人まで確実に就職を世話してもらうようにお願いをしておるところであります。
○斉藤信委員 今までの岩手県の成果を崩さないように、ひとつ部長、知事を先頭に今後頑張っていただきたい。日本経済の最大の問題は、大企業だけが一人勝ちして、私は前の議会でも紹介したのだけれども、企業の内部留保はこの10年間で200兆円から400兆円に2倍にふえたのです。雇用者報酬は280兆円から253兆円に27兆円、約1割減ったのです。OECDの先進国の中で、雇用者報酬が減った国はないのですよ。だから、巨額な利益を上げながら、労働者の賃金には結びつかなかった。中小企業の下請単価はぎりぎりと絞り込まれた。その結果、日本の内需が冷え込んで、アメリカ発の経済危機によって先進国の中で一番大きな影響を受けたのが日本経済だったと。私は、そういう点でも大企業一人もうければいいというような、こういうことが国政でも地方政治の場でも許されないということを、新しい政治がかわった中で、しっかり確実にしていくことが必要だというふうに思います。
 関東自動車岩手工場のことについて一言。関東自動車岩手工場は景気がよくなった、先ほどの説明でも新しい2車種の生産、出荷も始まりました。しかし、関東自動車岩手工場は新たに250人の採用に当たって、また再び使い捨て労働の6カ月の期間工なのです。こういうやり方というのはやっぱり私は正しくないと思うのです。あの一昨年の秋、派遣切り、期間工切りがされたと、非正規だったために真っ先に首を切られた、今までにない事態なのですよ。景気が少しよくなったら、また6カ月の期間工の採用と、これもいかがなものかと。もちろん3年4年、期間工で働いている方々もいますから、長く働いている期間工は早く正社員にすべきだし、やっぱり正社員として採用をふやしていくべきではないですか。今岩手県のいわばトップ企業です、リーディングカンパニーですよ。見本を示す必要があるのではないかと思いますが、関東自動車岩手工場の現状はどうなって、そこにはそういう要請をしっかりしているでしょうか。
○保企業立地推進課総括課長 関東自動車岩手工場の最近の状況でございます。これは、1月15日の状況ということで会社側から聞いている数字でございますけれども、今のところ工場全体の社員数は2,470名でございます。そのうち正規の社員が1,670名ということで、この社員の数字は時々厳しい時期等もございますけれども、一貫してふえている状況でございまして、私どもも常々あらゆる機会をとらえまして、何とか正社員の拡大ということに関しては要請しているところでございまして、そういった形での要請を会社としてもある程度受け入れていただいているものというふうに考えております。今後とも引き続きそういったことは進めてまいりたいと存じております。
○斉藤信委員 関東自動車もトヨタもそういうことをやっているのだけれども、ちょっと景気がよくなったら期間工、非正規なのですよ。やっぱりそれが労働者派遣法の抜本改正で今問われているわけだから、私はそういうことできちんと県としても強く求めていただきたい。自動車産業は、トヨタを見習うのですよ。岩手の場合は、関東自動車を見習うのです。あの関東自動車がやっているなら、では我々も非正規を使おう、非正規を切ってしまおうと、こうなってしまう。そういうふうにならないようにひとつしていただきたい。
 三つ目の問題は、職業訓練の問題です。二つお聞きしたい。一つは、職業訓練施設の廃止というのが、驚くことに12月末に提案をされて、岩手県が関係市と一緒に民主党県連に要請をしたと。民主党県連に要請すれば解決するのかなと思うけれども、職業訓練というのは今雇用危機を打開する上では、最も重要な課題です。ところが、今雇用対策に取り組んでいるときに国がそれを廃止するということ自体、逆行現象ではないのか、本当に許されることではない、だから、このような問題は民主党県連どころか、厚生労働大臣に直訴しなければだめなのではないかと思うのです。どういう理由でこういう廃止が出されているのか。北上の場合には、目標以上に利用が多かったということも聞いています。そういう職業訓練施設、センターの実績を一つは紹介していただきたい。これにどう対応するのか。民主党県連に行くだけでは、私は岩手県の決意は伝わらないと思いますよ。少なくとも厚生労働大臣クラスに達増知事がかけ合うぐらいのことをやらないとだめなのではないかと思います。
 あともう一つは、その職業訓練の中で、訓練・生活支援給付金ですね。これが一番有効性があるのですよ。いわばもう失業保険もなくなった、収入の手だてがなくなったときに、単身の場合には10万円、世帯があれば13万円給付されながら訓練を受けられる。ところが、全国で36万人ぐらいの予算規模、私はこれは決して多くないと思うけれども、年末でたしかこれは9,000件ぐらいにとどまっていたと私は聞いていましたが、岩手県内ではどれだけの利用実績状況になっているのか。私はこういう職業訓練こそ条件改善をして抜本的に拡充をする必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○川村労働課長 情報処理技能者養成施設及び地域センターの廃止決定に向けた国への要望の関係です。なぜ国は廃止することになったのかというふうなことでございますが、その理由は、独立行政法人を取り巻く環境が厳しさを増しており、その業務について一層のスリム化が必要であるということで、さらなる予算の縮小が厳しく求められている中で、施設の運営についても平成22年度末をもって廃止することとなったということで、突然の廃止という形になったものです。
 そして、これら施設の利用状況でございますが、北上市にありますコンピューターアカデミーにつきましては、平成21年度は12月末現在で96%というふうに伺っております。また、それ以外の地域センターにつきましても、盛岡がおおむね75%、二戸が53%、両磐地域が66%、胆江が平成20年度は48%でございましたが、平成21年度におきましては、それぞれ盛岡85%、二戸56%、両磐87%、胆江62%と利用率が上がっている状況にあります。
 次に、訓練・生活支援給付の関係でございますが、岩手労働局によりますと1月8日現在の訓練・生活支援給付金につきましては、相談件数が1,478件、申請件数が268件という状況になっております。
○斉藤信委員 ちょっと足りないのではないか、もっと大事なことを聞いているのだ。
○伊藤雇用対策・労働室長 今回の施設の廃止に対する対応の問題でございますけれども、県といたしましては先ほど斉藤委員からもございましたとおり、再就職に当たっての職業訓練というのは極めて重要であるということ、それからこれらの施設が例えば北上のコンピューターアカデミーでございますと北上地域の情報処理関連産業の人材育成に極めて重要な役割を果たしてきたということ、その他の職業訓練センターにつきましてもその地域の中核的な職業訓練所、特にも本県におきましては民間の職業訓練施設が少のうございまして、こういった地域センターがその地域の離職者等の再就職に向けた訓練に極めて重要な役割を果たしているというふうなことから、県としてはこの存続は非常に重要なものだというふうに考えております。これまでのルール等いろいろございますけれども、まずは民主党県連を通じまして国のほうに強く要望しているということでございます。
 また、こういった動き、今後いろいろ出てくるかと思いますけれども、そういった動きを踏まえまして、さらなる動きといったこともまた今後考えてまいりたいというふうに考えてございます。
○斉藤信委員 職業訓練センターについては、私が言ったように、これから通常国会でまさに雇用問題が最大のテーマの一つですよ。そういうときに、こういう国の施設を廃止するなんていうのは逆行現象で、今の国会審議の中でこそ解決してもらわなくてはならない。ぜひ、こういうときにやっぱり知事が先頭に立って、強力な人脈をつくって全国を引っ張るような役割を果たすべきだと思います。私は、これは強く求めておきます。民主党県連に行った程度でお茶を濁しては絶対だめです。民主党も頑張るかもしれないけれども、でもやっぱり県内でとどめたらだめだと思うのです。
 それと、今訓練・生活支援給付金の申請がたった268件だったと。これは余りにも少な過ぎますよ。全国で少なくとも36万人は対象だと言われているときに、100分の1岩手でやるとしたら3,600人ですよ。それが268件の申請では問題があるのだと思うのです。何でこんな少ないことになっているのか、障害が何なのか。本当にこういう訓練・生活支援給付を求めている失業者は、私は多いと思いますよ。だから、その障害になっている問題は何なのですか。それを改善すべきだと思うけれども、そこのことを示していただきたい。
○川村労働課長 岩手労働局によりますと、申請件数が少ない理由につきまして、相談者のうち年収要件が主たる生計者ではないというふうなことで対象外となるケースが多いというふうに聞いております。今回のこの給付金の支給対象となる方は、ハローワークで訓練のあっせんを受けて、基金訓練または公共職業訓練を受講する方で、雇用保険等を受給できない方となっておりますけれども、世帯の主たる生計者であると、そして申請時点で年収見込みが200万円以下かつ世帯全体の年収見込みが300万円以下であるということがあります。また、世帯全体で保有する金融資産が800万円以下ということ、そして現在住んでいるところ以外に土地、建物を所有していない方というふうなことが支給対象となっております。
○橋博之委員長 斉藤委員に申し上げます。御発言が長時間に及んでおりますので、まとめて簡潔にお願いいたします。
○斉藤信委員 わかりました。国でさえ不十分ながら36万人の予算を計上していて、岩手県ではたった268件にとどまっている。私は、やっぱり条件が厳し過ぎるのだと思うのです。必要な雇用対策の少ない予算も執行されないとしたら、その制度が悪いのです。条件が厳し過ぎるのですよ。だから、私はその改善をやはり求めていくべきだと思います。
 これはハローワーク所長のあっせんを受けて基金訓練または公共職業訓練を受講する方で、その他の者は対象になっていない。そういう点で例えばその他の訓練も含めて対象にするとか、あと例えば今共稼ぎでも2人合わせたって本当に所得が少ない方あるわけだから、主たる生計者でなくても大変なのですよ。奥さんがその場合だったりすれば外れるわけでしょう。そういう意味でいけば、夫婦で失業しているケースもあるだろうし、私はその辺の使われていないという実態を見て、課題を行政としてしっかりつかんで、使われて当たり前というふうに改善を求めていただきたい。
 最後です。先ほども報告があった新規高卒者の就職問題というのは、私は特別に重大な問題だと思います。最初に社会に出るときに、仕事がなかった、最初から失業と、私は本当にこれはあってはならないことだというふうに思うのです。その点で努力して、以前の氷河期よりは今その上をいってきたと、それはもう皆さんがこの間150人求人をふやしたとか、私はその努力を多とするものです。しかし、今の雇用情勢からいくと、なかなかこれから100%就職を決めるというのは、もう至難のわざだと思うのですが、至難のわざというふうにしないで、一人たりとも新しく社会に出るときに路頭に迷わせないという、この対策にある程度手だてを考えながら取り組んでいただきたい。
 奥州の求職者総合支援センターのセンター長の金野さんは、いずれ県内希望者も県内だけに絞らないで、失業しないように県外も含めて就職の可能性を広げてほしいと、こういうアドバイスもしていますよね。私は、その人のいろんな要求や置かれた状況があると思うのですが、やっぱり本当に一人たりとも路頭に迷わせない、就職に結びつけるという取り組みを特段の努力と対策でやっていただきたいと思うけれども、今年度ももうあと2カ月というふうになりますけれども、どういう手だてを考えているのか、取り組まれているのか示していただきたい。
○津軽石雇用対策課長 新規高卒者への対応でございますけれども、まず第1といたしましては、今年度中はとにかく就職指導を強化いたしまして、地方振興局に配置されております就職支援員あるいはハローワークのジョブサポーター等とも連携しながら、なるべく一人でも多くの方が就職できるような取り組みをしていきたいと思っております。2月の初めにも、最終的にまだ決まっていない方への――これはジョブカフェとも連携しながら、午前中は例えばいろいろな面接対策でありますとか、あるいは就職支援のいろんな仕組みですとか、そういったセミナーをやっていただいて、その後、午後にはハローワークを中心にした就職面接会を開催する予定でございまして、ここで最終的に何とか結びつけたいと思っております。もし不幸にしてそれでなかなか決まらなかったという方につきましては、ハローワークあるいはジョブカフェ等への誘導を、これは教育委員会と今連携しながら話し合いを進めているところでございますが、卒業式前に残っている方については、何とか登録のほうに誘導して、4月以降の卒業後も個別の生徒さんが就職活動に困らないように支援していきたいと思っております。
○斉藤信委員 これで本当の最後です。この経済、雇用対策で、岩手県も100人臨時職員として採用するということです。奥州市も2人とか、釜石市も何人とか、今市町村も厳しい財政状況の中でも独自に雇用を確保するという方向を今示されております。岩手県の場合は2月から前倒しという話もありますが、市町村も含めてそういう自治体みずから雇用するという状況はどうなっているのか、岩手県はどういう形でこれを進めようとしているのかを最後にお聞きして終わります。
○津軽石雇用対策課長 この件につきましては、昨年10月に国のほうから緊急雇用対策が示されておりまして、その中でも緊急雇用創出事業の前倒し実施というのを強く求められているところでございます。これを受けまして、9月補正の予算の中でも総額77億円の基金を、当初3年間で使うというものを2年間で使うというようなことで措置しているところでございますし、あわせてその際市町村に対しても担当者会議を開催いたしまして事業の前倒し実施と、場合によってはそういった市町村による直接雇用をなるべく何とかやってほしいというような要請をしているところでございます。
 それから、県の臨時職員につきましては、現在調整中でございますけれども、100人採用予定のところに、現在各部局から120名の要望が来てございます。そのうち23名が前倒し実施の要望が出ておりまして、何とかそのような方向で措置できるように現在調整中でございます。
○斉藤信委員 市町村の動向はわかりますか。
○津軽石雇用対策課長 市町村の動向につきましては、ちょっと細かな数字については聞いておりませんが、新聞報道等ではいろんな市町村で取り組みが進められているというように認識しております。
○高橋雪文委員 簡単にやりたいと思います。雇用対策基金を活用した事業については、非常にうまく達成をしているなというふうに思いますし、このお金の使い方については非常に柔軟に運用していただいているのではないかというふうに思うわけでございますけれども、考えていかなければならないのは、これまで岩手県を支えてきた中小企業、地元の企業の基盤が非常に崩れているということをやっぱり注視していただきたいわけでございます。この中には中小企業向け融資の拡充ということで増資をしていただいたわけでございますけれども、これの実績が11月末現在で約266億円ですが、見込みとして今後3月ぐらいまでどういうふうな形で使われていくものなのかお聞きしたいのが1点目です。
 あと、昨年度モラトリアム法案が一応出て、これをいろいろどうですかということで中小企業の方にも紹介しているのですが、どうも規定要件に合わない企業が多いようで、本来の趣旨と比べてみてもハードルがちょっと高いような気がしないでもありません。そういう金融関係の考え方もあるのでしょうけれども、窓口になっている人たちと我々県が求めているもの、これがちょっと考え方が離れているような感じもするなというふうに私自身は感じているのですが、それについてどのようにお考えなのかお知らせいただきたいと思います。
 あと、これからの議論だと思うのですけれども、建設業界の中で特に新規の住宅の着工件数がもう月を追ってどんどん減少しています。建設関連業者は非常にすそ野が広いということで、岩手県の基幹産業ということですけれども、公共事業の前倒しをして努力はしていただいていますが、やはりそういう一般の住宅着工というのも伸びていかなければならなりません。国のほうでも、いろいろと政策を打っているわけでございますけれども、例えば岩手県で県産材を利用する者に対して厚く支援をするとか、やはり独自のメニューをしっかりと掲げながら取り組んでいく必要もあるのではないかというふうに思います。
 また、太陽光発電とかの需要がぐっと伸びて、新規産業ということでビジネスチャンスをとらえて、新規でビジネスを展開していらっしゃる企業も多いように聞いているのですけれども、こういう機会をやはり岩手県としても後押しするような政策が必要であって、そういう取り組みについて部局のほうではどのようにお考えなのか、少しお聞かせいただきたいなというふうに思います。
○阿部経営支援課総括課長 まず、融資予算、金融の今後の見込みということでございます。特に緊急保証の資金について申し上げますけれども、12月31日現在の緊急保証の保証実績でございますけれども、6,665件、981億円余となっております。この数字は、引き続き伸びております。
 それから、この中で中小企業経営安定資金の実績でございますけれども、これは11月30日現在の数字になりますが、1,561件、265億9,000万円余となっております。この数字は、今年度の補正後の融資枠600億円に対しまして44.3%を消化しているという状況でございまして、前年同月比で243.7%という数字になってございまして、前年度に比べてほぼ2.5倍というふうな状況でございます。一時期に比べまして中小企業の資金需要が今一たん休んでいるような状況ではございますけれども、今後年度末に向けての資金需要等も考慮いたしまして、現状では600億円に対する残りの50%の枠、300億以上ございますけれども、これでほぼ充足するのではないかなというふうな見込みを持っているところでございます。
 それから、モラトリアム法案の関係でございます。各銀行での取り扱いにつきましての情報でございますけれども、実は、国のほうでもまだその結果について発表してございませんので、まだ私どものほうでも正確な状況というものはまだ入手してございませんが、個別にお聞きしますと窓口を設けて積極的に中小企業の皆様からの対応に応じているというふうな話は聞いてございます。今後もこの状況について把握に努めて、金融機関に対しては中小企業の実情に応じた対応がなされるように引き続き私どものほうからも要請してまいりたいというふうに考えております。
○齋藤副部長兼商工企画室長 建設業振興のお話で、住宅の関係になっております。まず、私たち直接的な補助事業というのはないですが、政府のほうで住宅版エコポイントを考えるというような話もあります。ですから、一つ大きな誘因になるのではないかと思われます。
 それから、御提案のありました県産材の利用というのは、農林水産部のほうで県産材利用住宅については利子の一部を補給するという制度がたしかあったと記憶しておりまして、県産材利用促進、これは農林水産部でやっておりますが、それが使えるかと思います。
 それから、もう一つの太陽光利用ですけれども、これもNEDOというところが住宅の太陽光について直接補助金を出していますが、残念ながら県のほうはとっておりません。ですが、県の住宅関係のほうではこういった情報を提供できるように、私たちもこの議論を担当部局にも伝えまして、いずれ住宅の新設着工に多く結ぶような形にお話をつないでいきたいと思います。
○高橋雪文委員 あとは、意見でございます。まず、経営安定化資金ということで枠を持っているのですが、やっぱりこの枠を市中にきちっと回していくということが必要であって、回収も当然前提にはなるのでしょうけれども、そこのハードルについては金融機関ともう少し積極的に話し合いながら、その本旨を遂げていただきたいなというふうに思っておりました。
 二つ目についてでございますけれども、国も努力されてやるというのはそのとおりですし、そういうふうに向かってもらいたいと思うのですが、やはり地域事情もあるわけでございますので、その地域事情を見ながら、なおかつ雇用と経済というそこの部分にダイレクトに当てていかなければならないということで、その趣旨がやっぱり違うのだと思うのです。そこの経済の部分に焦点をしっかりと当てられるのは、皆さん方の部局だと思いますので、そういった視点で制度を再構築していただく、もしくは少し厚くしていただくとかして、経済の流れを円滑にしていただくということが必要なのではないかというふうに思います。本当にこれだけ冷え込んでいると、今は余り倒産が見えないわけでございますけれども、雇用を放出して企業をまず維持するという、そういう企業として当たり前の方向になって、結局雇用も改善していかないということでございますので、やはり長くその企業にいて働ける体制をつくるということが一番の雇用対策だと私自身は思います。新規に雇用を創出する以上に既存の企業の雇用を守っていくという、そういう体制の視点もぜひとも取り入れながら頑張っていただきたいなというふうに思います。
○橋博之委員長 ほかに質疑、御意見等ありませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○橋博之委員長 ほかになければ、これをもって雇用対策の状況についての調査を終了いたします。
 次に、この際、何かありませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○橋博之委員長 なければ、これをもって本日の調査を終了いたします。商工労働観光部の皆様、御苦労さまでした。
 次に、今後の高等学校の教育の基本的方向について教育委員会から報告がありますので、発言を許します。
○上田高校改革課長 それでは、今後の高等学校教育の基本的方向(案)について御説明を申し上げます。
 お手元には、この案の本編と、それから概要をまとめました概要版、二つ資料を配付させていただいております。これからの説明でございますが、便宜お手元の概要版に従いまして説明を進めさせていただきたいと思います。
 12月24日でございますが、今後の高等学校教育の基本的方向(案)、これを公表させていただいたところでございます。概要版の表紙をごらんいただきたいと思います。この案の構成でございますが、3章構成とさせていただいております。第1章高校教育の目指す姿、これが総論部分でございます。策定の趣旨、あるいは高校教育の現状、これを明らかにいたしまして、岩手の今後の高校教育の方向性等をお示ししたものでございます。
 それから、第2章今後の高校教育の充実でございます。これは各論の一つ目でございまして、高校の教育内容、あるいは授業の充実に向けたそういった方向性をお示ししております。
 それから、第3章学びの環境整備でございます。これは各論の二つ目でございまして、現行計画での取り組み、あるいは今後の教育環境の整備の考え方、各高校、学科の種別ごとにその方向性等をお示ししたものでございます。
 さらに、巻末にございますが、資料編としてこの案の取りまとめに当たりまして用いました基礎データ等を掲載させていただいているところでございます。
 それでは1ページをお開きいただきたいと存じます。第1章高校教育の目指す姿、1策定の趣旨でございます。昨年の9月に第二次県立高等学校長期構想検討委員会から報告をちょうだいいたしまして、その趣旨を踏まえ、おおむね十数年先を展望して、岩手の未来を担う人財の育成に向けまして、今後の高校教育における基本的な考え方、方向性をお示しするということをうたっております。
 次に、2番岩手の教育の状況でございます。五つ挙げさせていただいております。一つは、高校を取り巻く環境の変化でございます。近年グローバル化、あるいは少子高齢化の進行など急速に社会変化が進行しておりまして、我が国の教育を取り巻く環境が大きく変わっております。こうした環境の変化が子どもたちに夢や目標を持ちにくくさせ、人間関係を取り結ぶ能力の低下、あるいは規範意識の希薄化、学力、学習意欲の低下など、その心身に変容をもたらしているとの指摘がございます。一方で、この岩手におきましては、確かに子どもたちの変容は進んではおりますものの、地域や家庭、学校の努力によりまして実直で勤勉な県民性、これを受け継ぎまして、素直でまじめな資質が培われているというふうにとらえております。
 二つ目でございますが、少子化の進行でございます。本県の中学校卒業者数でございます。平成元年2万2,833人でございました。これを境に減少に転じまして、平成21年3月には1万3,678人、これは元年に比べますと9,155人の減となっております。この減少傾向は今後とも継続する、これが確実だと見込まれております。平成30年の3月には1万1,541人となり、平成21年に比べますと2,137人の減、さらに平成35年には恐らく1万350人程度、これは平成21年に比較しますと3,300人の減まで減少することが見込まれているものでございます。
 恐縮でございます、本編のほうをお開きいただきまして、巻末に資料編がございます。資料編の1ページをお開きいただきたいと思います。これは全県、あるいはブロックごとの中学校卒業予定者数の見込み、これを一覧にしたものでございます。中でも気仙、あるいは久慈、二戸地区、平成35年卒業予定者数を見ますと400人台まで減少してまいります。
 同じく資料編の恐縮でございますが、8、9ページ、見開きになっておりますが、ごらんいただきたいと思います。これは、公立高等学校全日制募集学級数の見込みの推計でございます。これは中学校の卒業予定者数、それから高校への進学率、あるいは学区、地域間での学区外への入学がございますので、その行き来、あるいは私立、高専等への進学率、こういったものを勘案いたしまして試算したものでございます。来年度、平成22年の募集学級数と5年後、平成27年、それから10年後、平成32年の学級数を対比しております。それぞれのブロックで学級の減が見込まれるものでございます。これはもちろん生徒数の減に伴うものでございますが、ごらんいただきましたとおり地区によってはかなり急激に子どもが減って、それで学級数にそれがはね返ってくるといったところもあるだろうというふうに見込んでおります。
 それでは、恐縮でございます、また概要版のほうにお戻りいただきたいと存じます。状況の三つ目でございますが、生徒の状況でございます。これは、平成17年に行った調査でございます。見ますと、授業がよくわかる、大体わかると回答した生徒は、約4割にとどまっております。生徒にやはり基礎的な知識、技能を確実に定着させまして、これらの知識、技能を活用して探求する能力などを育成することが求められています、というふうにとらえております。また、生活行動の変化がございまして、これを背景といたしまして体力の低下、あるいは食生活の乱れ、さらに明確な進路意識を持たないままの生徒の増加が見られるといったような課題がございます。また、県内高校生の中途退学者数を見ますと、年間500人前後、さらに不登校でございますが、その生徒数も年間500人前後ございます。さらに、障がい等によりまして特別な支援を必要とする生徒、これが全生徒数の1.6%程度在籍してございます。このような多様な生徒への適切な指導あるいは支援体制、この充実が求められるというふうにとらえております。
 四つ目でございます。高校卒業後の進路でございます。県内高校生の卒業後の進路でございますが、平成21年3月の卒業生で見ますと、短大あるいは大学、いわゆる大学等への進学率が40.6%、就職率が30.8%となっております。これ以外の生徒につきましては、多くは専門学校への進学になっています。就職率が30.8%と申し上げましたが、このうち県外への就職率、これが43.3%になっておりまして、ここ5年間を見ますと年々その割合が増加してまいっております。さらに、高校卒業後の就職者のおおむね5割が3年以内に離職するといったような実態もございます。今後とも生徒の進路実現に向けた対応が求められるというふうにとらえております。
 五つ目でございます。中学生の志望動向と公立高校の定員割合でございます。これは、平成20年度に実施した調査でございます。中学3年生の進学希望学科、それからまた現在の定員等の関係でございます。普通科、総合学科につきましては、定員に比べまして進学希望が少ないという結果となっております。これに対しまして、普通科系の専門学科、これは理数科あるいは体育科等でございます。それから、職業に関する専門学科につきましては、定員に比べて進学希望が多いという結果となっております。生徒の志望動向でございますが、一定のものではないとはとらえておりますけれども、傾向としては一定の傾向を示すものではないかというふうに考えております。今後とも中学生の志望動向、あるいは高校生の進路実態、これを見据えながら、今後の望ましい学校、学科の配置等を検討する必要がございます。
 次、大きな3番、岩手の高校教育が目指すものでございます。(1)高校教育の目的と人財育成の視点でございます。高校教育の目的でございますが、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成、言いかえますと、自立した社会人としての資質を有する人財の育成としております。このため、社会の変化に柔軟に対応し、さまざまな局面、難局を打開する力、これを育てることが重要でございます。また、本県の人づくりの土壌、これがございまして、その中ではぐくまれてきた資質、これをさらに伸ばしまして、目標に向かって堅実に努力する姿勢あるいは態度を身につけさせることが大事だというふうにとらえております。
 次に、(2)高校教育の質と機会の保証でございます。生徒の目標達成に向けまして教育内容の充実を図り、教育の質を向上することが必要としております。また、将来社会のために活躍したいという生徒の意欲に応じまして、その能力に応じた教育を受ける機会を保証することが必要だというふうにさせていただいております。
 (3)今後の高校教育の方向性でございますが、七つ挙げさせていただきました。まず、第1でございます。すべての高校生に生活面あるいは学習面においての基礎、基本を定着させ、さらにそれを活用する力などを育成する取り組みを推進してまいります。第2でございます。さまざまな分野におきますリーダーあるいは担い手、これを育成するという視点を重視いたします。そして、高校生の進路実現に向けた取り組みを推進してまいります。第3でございます。高校入学後の早い時期から生徒の進路に対する意識を高め、自立した社会人としての資質を有する人財、これを体系的に育成していく、このように取り組んでまいります。第4でございます。県全体の生徒数の減少、これが確実に見込まれますことから、その中で適切な教育環境の整備を進めてまいります。第5でございます。これは普通科でございますが、進学に的確に対応できる指導体制の充実に取り組む。また、就職者の割合が比較的高い普通高校もございますので、そのあり方については検討してまいりたいとしております。第6でございます。専門学科でございます。専門教育の充実を図るとともに、その専門性を生かした高等教育機関への進学の仕組みづくりに取り組むとしております。最後、7番でございます。総合学科についてでございます。生徒が希望する進路、これが達成できるように、そのような系列あるいは教育課程等の充実に努めてまいります。このような取り組みを県民あるいは教育関係者が一体となって取り組んでいく必要があるとしています。
 それでは、2ページをお開き願います。第2章今後の高校教育の充実でございます。まず1番、義務教育から高校教育への円滑な接続、(1)義務教育の充実と高校との連携でございます。まず、小中高の連携を図りまして教員間の相互理解を深めてまいります。また、生徒一人一人の能力、適性あるいは関心、意欲に応じた進路指導の充実に取り組んでまいります。次に、(2)入学者選抜制度のあり方でございます。今後中学校、高校双方の視点から、よりよい入試制度の実現に向けて検討を行ってまいります。
 次に、2番、高校教育の充実でございます。(1)教育内容の充実として、五つ挙げさせていただいております。一つは、基礎基本の定着と活用する力の育成でございます。二つ目、教育課程の改善と学校間連携等の推進でございます。三つ目は、豊かな人間性や社会性の育成でございます。四つ目は、健やかな体の育成でございます。五つ目は、キャリア教育の推進でございます。なお、キャリア教育でございますが、児童生徒がみずからの生き方、あり方を考え、主体的に進路を選択して社会人、職業人として自立するための能力を学校教育活動全体で計画的、組織的にはぐくんでいく、こういったものでございます。
 (2)教員の資質、能力の向上でございます。教員みずからが授業力の向上に取り組みますとともに、教員研修の充実を図ってまいります。また、学校訪問を通じた支援を充実させ、すぐれた実践事例の普及、教材、学習プログラムの開発等を進めてまいります。
 (3)学校経営等の充実でございます。まず、目標達成型の学校経営の推進でございます。各学校におきましては、生徒や保護者さん、あるいは地域の住民の方々に協力をいただきまして、学校経営計画を策定しております。また、その実現に向けまして、校長初め教職員一丸となって取り組んでおるところでございます。このような取り組みにさらにPDCAサイクル、仕組みについては米印でお示しさせていただいています。これに基づく仕組みを定着させていくことによりまして、取り組みをより実効性のあるものといたしまして、また学校の裁量権の拡大など学校経営の取り組みを支援してまいります。
 次に、生徒の支援体制の充実でございます。中途退学者、不登校生徒、あるいは特別な支援を必要とする生徒への対応、支援に取り組んでまいります。また、生徒の適切な進路選択を支援いたしまして、生徒の指導の充実、あるいは校内での支援体制の整備に取り組んでまいります。それから、生徒への指導、この充実に向けまして教員研修の充実、それからスクールカウンセラーや特別支援教育に対し専門的な知見を有する職員、あるいは特別支援教育支援員の配置などに取り組んでまいります。さらに、特別な支援が必要な生徒への支援に向けた研究や検討を進めてまいります。
 大きな3番、高校から進路先への円滑な接続でございます。進学につきましては、生徒一人一人、進学希望、これが達成できますように学力向上に向けた取り組みをさらに進めてまいります。それとともに、県内の高等教育機関との連携を図りまして、例えば専門学科からの高等教育機関への入学枠の拡大などに向けた取り組みなども進めてまいります。
 就職につきましては、生徒に学習面における基礎基本、これを確実に習得させまして、それとともにキャリア教育、あるいは進路指導の充実に一層努めてまいります。さらに、各関係機関と連携を図りながら、生徒の就職に関する希望の実現、これに向けた取り組みを強化してまいります。
 次のページ、3ページをお開き願います。第3章学びの環境整備、1県立高等学校新整備計画の取り組みでございます。県教育委員会におきましては、平成12年に県立高等学校新整備計画を策定いたしました。これは、恐縮でございますが、現行計画と呼ばせていただきたいと存じます。この策定、それからそれに沿った教育環境の整備を進めてまいったところでございます。現行計画におきましては、二つの課題がございました。一つは、生徒の多様化、個性化への対応でございます。もう一つは、少子化による生徒減少への対応でございます。これら二つの課題に対応いたしまして、特色ある学校、学科の配置、それから望ましい規模の学校の配置を進めてまいりました。特色ある学校、学科の設置につきましては、新しいタイプの高校の設置、そういったものを進めてまいりました。また、望ましい規模の学校の配置につきましては、本年度、平成21年度が計画の最終年度でございますけれども、計画では61ないし68学校、266学級であったのに対しまして、設置数が現在65、学級数でまいりますと273ということで、おおむね計画どおりに進捗しております。
 また、第二次県立高等学校長期構想検討委員会がございまして、そこでこの現行計画についての評価、検証をちょうだいしております。おおむね次のような評価、課題が示されております。まず、評価といたしましては、生徒の選択幅が広がり学習意欲が向上すること。また、統合などにより生徒の学習環境が充実することや、学校が活性化するなどの一定の成果は認められる。それから、新しいタイプの学校の拡大、望ましい学校規模の確保が図られるとして、現行計画による高校教育改革は評価できるとされております。
 また、課題もお示しいただいておりまして、統合あるいは新しいタイプの学校の設置などによりまして、ハードにつきましてより効果のあるものとして定着させるために、今後とも各高校の設置目的に沿った学校運営、あるいは教育内容の充実などを図っていく必要があるとされております。また、今後のさらなる生徒減少に対応するために、本県の高校教育のあり方について、十分議論を尽くしながら高校の再編について検討を進めていくことが必要であるとお示しをいただいております。
 次に、2番、今後の環境整備の考え方でございます。現行計画、今年度が最終年度でございますから、今後の教育環境の整備の方向性、これを明らかにしていくというところでございます。まず、全体の方針でございます。中学卒業予定者数の減少、これは確実に見込まれ、また学校の小規模化が進むと考えられますことから、高校教育の充実に向けまして長期的な視点から県全体を見通した学校、学科の配置に努めまして、ブロックごとの生徒減少の状況あるいは地域の実情等も考慮いたしまして、県立高校の教育環境の整備を進めてまいります。
 (2)学級定員及び学校の規模でございます。まず学級定員でございますが、高校標準法がございまして、それに基づいて学級定員は40人といたします。4ページをごらんいただきたいと存じます。県立高校の規模でございます。今後の県立高等学校全体の望ましい学校規模でございますが、1学年4ないし6学級程度といたしまして、さらに1学年3学級以下のいわゆる小規模校につきましては、将来見込まれる生徒数あるいは地域の産業構造、振興方向などを初め、地域の実情を踏まえ、対応について検討していくとしております。また、その検討に当たりましては、教員の相互派遣あるいは校舎制など、さまざまな可能性を検討するとともに、ブロックごとのバランス等にも配慮した学校の配置に努めてまいります。
 (3)教育機会の保証でございます。まず、学校配置と地区割でございます。高校の地区割の基本単位でございますが、現在9ブロックでございます。当面この9ブロックでやらせていただきたいということでございます。そして、そのブロック内で中学生が希望に応じて普通科、あるいは専門学科等を選択できるよう学校を配置してまいります。ただ、生徒数がかなり減少してまいりますので、ブロックによりましては、例えば十数年後を見ますと設置学級数がブロックで10学級程度になることが見込まれている、そういった地区もございます。そうなりますと、生徒の学校選択に影響が出る可能性もあります。そういったことから、今後でございますが、より広域的なブロック単位での学校の配置、これも視野に入れながら、現在の通学区域、これが8学区ございます。先ほど申し上げました地区割については9ブロックでございますが、必要に応じて検討を進めてまいります。
 次に、通学に対する支援でございます。本県の通学事情等を考慮いたしまして、例えば統合等によりまして通学が困難となる場合などにつきましては、地元の市町村さんと相談させていただきまして、通学手段の確保に向けた検討を行ってまいります。また、経済的な理由等によりまして、学校教育を受ける機会、これが制約されることがないよう、経済的な面での支援を検討してまいります。さらに、公立高校の実質無償化や私立高校生のいる世帯への助成など、現在国においてさまざまな施策が展開されようとしておりまして、その影響や効果を見据えて、生徒、保護者にとってよりよい支援策について検討をしてまいります。
 次(4)地域や産業界との連携でございます。地域と人財育成の観点からは、地域産業やその振興方向を念頭に置きながら学科の配置等を検討してまいります。あわせて産学官が一体となった広域的な人財育成の取り組み、あるいは関連企業、大学等、関係機関と連携を深めながら、高校生の進路先の確保に向けた取り組みを進めてまいります。
 それから、地域と連携した教育活動の観点からでございますが、生徒の社会性、豊かな心をはぐくむため、地域との連携による教育活動を行います。それとともに、生徒の地域活動への参加、これを支援してまいるなど、県立高校がさらに地域に貢献できるよう取り組んでまいります。
 (5)県立高校と私立高校の関係ですが、説明は割愛させていただきます。
 5ページをお開き願います。大きな3番学校(学科)の配置でございます。まず(1)県全体の配置でございます。県の産業振興施策、この方向性がございます。それから、産業界のニーズもございます。それから、中学生の志望動向、あるいは高校卒業後の進路状況、さらに生徒、保護者の意識、そういった変化の状況等もございます。それらを踏まえまして、全県的な視野に立って検討してまいります。
 (2)ブロックごとの配置でございます。県全体における考え方、これを基本といたしまして、各ブロックの産業構造、地域特性にも留意ながら検討を進めてまいります。また、教員の交流による学校間連携の仕組みづくりなど、生徒にとってよりよい教育環境の整備に努めてまいります。
 (3)高校(学科)の方向性でございます。まず、普通高校でございます。今後も大学等への進学率の上昇が予想されますことから、普通高校については進学に対応できる学校としていくよう進めます。ただ、一方で就職を希望する生徒も在籍する普通高校がございますので、そういったところにつきましては地域の実情に応じて多様な指導体制がとれる学校としていくよう進めてまいります。また、生徒の思考力あるいは問題解決能力などの育成に取り組みまして、またキャリア教育などの充実も図り、将来の社会人としての基本的な資質や能力の育成に取り組んでまいります。また、生徒の進路の希望、その実現に向けて各ブロックを基本単位といたしまして、一定の学校規模を確保しながら適切に配置していくよう進めてまいります。
 次に、専門学科、専門高校でございます。まず、生活、学習指導の充実や教育課程の工夫を図りながら基礎、基本の定着を図る、そういった指導を強化してまいります。また、地域産業を支える将来のスペシャリストの育成に向けた取り組みを進めてまいります。さらに、専門学科から高等教育機関への進学を定着させるための仕組みづくりに取り組んでまいります。また、県の産業振興施策の方向性、これを見据えながら各学科の充実を図ることとしておりまして、各専門学科、この方向性のところでは地域の産業形態やニーズ等を踏まえた教育課程の見直し、あるいは進路を踏まえた学科改編等を進めてまいります。特に工業科につきましては、工業の基幹となる学科がございます。これを主とするなどの学科改編に取り組んでまいります。それから、商業科でございますが、大学科制あるいはくくり募集などの学科改編等に取り組むこととしております。
 総合学科高校の方向性でございます。系列がございますので、各系列におきまして進路との関連性、これを重視した科目設定を行い生徒の進路の実現に向けた取り組みを進めてまいります。また、総合学科としての特徴を生かしながら、必要に応じて系列の見直しを検討してまいります。
 次に、定時制、通信制高校の方向性でございますが、定時制につきましては単位制への転換、あるいは昼間、昼にも学ぶことができる多部制への転換に取り組んでまいります。通信制につきましては、多様な生徒がございますので、その学ぶ意欲にこたえる体制を確保してまいります。
 次に、中高一貫教育校の方向性でございます。まず、連携型でございます。現在県内では、葛巻、軽米の2地区で導入してまいっております。導入時の目的がございました。その後の状況の変化等もございます。こういったところを確認させていただきまして、地域の意向も踏まえて今後の方向性等を検討してまいります。次に、併設型でございます。今年度、一関第一高等学校に附属中学校を開設させていただいたところでございます。この導入の成果と課題、これを速やかに検証いたしまして、今後の方向性について検討してまいります。
 大きな4番、実施計画の策定でございます。現行計画に続くおおむね10年後を見据えました第二次県立高等学校整備計画、もちろん仮称でございますが作成してまいります。来年につきましては、前期5年間の具体的な計画、例えばこの中にブロックごとの高校あるいは学科、そういった配置を盛り込んでまいります。さらに、後期5年間の方向性をお示ししたいと考えております。なお、この後期の具体的な内容につきましては、その間の状況の変化等も踏まえまして改めて検討したいと考えております。
 来年度、平成22年にはブロックごとに地域の住民の方々と意見交換、そういった場を設けさせていただいて、きめ細やかに御意見、御提言をお伺いしながら検討を進めてまいります。あるいは平成23年の上半期を視野に入れまして、この計画を策定してまいりたいと考えております。
 なお、この計画案の今後に係るスケジュールでございます。恐縮でございますが、概要版の表紙をまたごらんいただきたいと存じます。御説明いたしましたとおり、昨年12月24日にこの案を公表させていただきまして、その日からパブリックコメントに入っております。期間は2月28日、2月いっぱい、2カ月ちょっとの期間をとらせていただいております。通常のパブリックコメントの期間よりは、かなり長くこの時間をとらせていただいておりました。その間、県内の9ブロックにおきまして地域説明会で、あるいは行政の関係者から、あるいは教育の関係者からの意見を伺う、これを開催してまいります。これが1月12日から2月19日までを予定しております。平成22年の3月、本年度末には今後の高等学校教育の基本的方向、これについて策定してまいるというふうに考えております。
 参考で来年度以降の、これは時期は未定でございますけれども、見込み等についてもここに書かせていただいております。以上で説明を終わります。
○橋博之委員長 ありがとうございました。これよりこの際ということで進めさせていただきたいと思いますが、今回はイレギュラーでもありますので、御発言はただいまの報告にかかわるものに限らせていただきたいと思います。
 ただいまの報告に対して、この際何かありませんか。
○小野寺有一委員 大変詳細な説明をいただきましてありがとうございます。1ページのところで、一番下に県民、教育関係者一体となった取り組みが今後の高校教育の方向性について必要だということで、5番のところで普通科が進学に的確に対応できる指導体制の充実と就職者の割合が比較的高い普通高校のあり方を検討するというふうに書いています。その隣の2ページの大きい番号3番の高校から進路先への円滑な接続というところの進学の部分で、生徒一人一人の進学希望を達成できる学力向上の取り組みをさらに推進するというふうにありますが、その後の4ページのところで地区割の基本単位を当面現在の9ブロックのままだというふうにおっしゃいました。当然ブロックをそのままで、それでやっていけば、子どもさんの数は減っていくわけだから、学校は小型になっていくわけですけれども、この就職者の割合が比較的高い普通高校のあり方というのと、進学希望を達成できる学力向上の取り組みというのは、このブロックをそのまま維持しながら現実的にできるものなのでしょうか。
○上田高校改革課長 まず、学区等につきましては、これまでいろいろと検討しながら、その見直しを進めてきたところでございまして、最近のところでの御検討、第三者委員会でもってしていただいた際にも当面定着しているというような御意見もございまして、8学区でやっていこうということがございました。そういったところは、やはり重くとらえまして考えていかなければならないというふうに思っております。
 委員御指摘のさまざまな懸念はあろうかと思います。確かにその当時から状況の変化等もございますので、あるいは地域によって濃淡はあるにいたしましても、現実にはなかなか対応が難しいといったようなこともある可能性はございます。特にこの案の中でお示しをさせていただいたとおり、非常に生徒数が少なくなるようなブロック、学区につきましては、恐らく普通高校を例えば複数校設置するということは、かなり難しくなるかもしれないといったところもございます。委員の御指摘、全くそのとおりだと思います。ただ、今後いろいろなデータ、資料をお示しをしながら、県内、県民の方々あるいは地域の方々にさまざまな御説明をさせていただいて、その中でいろいろ御意見なりをちょうだいして、私どもも検討してまいりたいというふうに思っています。
○小野寺有一委員 釜石でありますけれども、釜石ではほかの地域に先立って釜石南高校と釜石北高校が統合されて釜石高校という学校になったわけですが、偏差値が50だそうであります。それで、何が起こっているかというと、要はその偏差値50の学校からいわゆる大学で、言葉隠さずに言いますが、名門校と言われるところに進学が可能なのかどうかということを非常に懸念されている親御さんがふえています。実際、我々のころには、僕はひのえうま生まれですけれども、それでも8クラスあったわけですが、それが5クラスになった。その8クラスのときでも、クラス編制というのは、国立文系とか私立文系とか理系とかというふうな形で分かれていました。ブロックの中にもう1校、普通高校がありますけれども、それをそのブロックの中で、現実的に例えば一つの方向でやろうとしたときに、その中に例えば就職のクラスとかというのが1クラスなり2クラス入ってきて、残りの3クラスでそういう大学進学者向けの充実した教育というのが本当に可能なのかということで、本当に現在の子どもたち、例えば中学校とか小学校の高学年を持っている親御さんは、ほとんどパニックに近い世界になってきているところがあります。
 そういったことをもしも考えているのであれば、エリート校をつくれということまでは言わないけれども、例えば県内で実際存在しているような学区制みたいなものというのを少なくとも撤廃して、県内のどこに住んでいても、はっきり言いますが、盛岡一高に入れる、同じ条件で入れるというようなことというのは、やはり現実的な問題として必要になってくるのではないかと思います。
 それで、もう一つは、当然この中で通学のところに対してのサポートの問題がありましたけれども、それは多分エリアの中での通学のサポートの問題だと思いますが、例えば盛岡の中学校の生徒さんだったら、盛岡市内のそういういわゆる進学校というところに行けるかもしれないけれども、ほかのエリアから入る場合というのは、当然負担も大きくなるわけですから、そういったことをあわせて検討していくべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○上田高校改革課長 まず、釜石地区を例に、例えば進学にきちんとした体制が今後できていくのかというような御質問だったかと存じます。まだ方向性の検討の段階でございますので、そういった具体的な学校の配置等については、まずこの方向性のところを固めてからと思いますけれども、ただ一般的なお話でございますと、例えば釜石地区ですと普通高校が二つと、それから専門高校が一つということでございます。
 おっしゃるような保護者の方々、あるいは生徒の方々の御懸念、あるいは不安というものはおありになるのだろうというふうに思います。そういったところは、お話し申し上げましたが、来年度かなり長い時間をかけまして地域の皆様と意見交換させていただく、こういった機会を設けたいというふうに考えてございまして、その中でさまざまな御意見をいただきたいと存じますし、あるいは地域の中でもどういった学校の配置がいいのかということでの議論なり御検討が進むというふうに考えておりまして、その中でどういった体制が、あるいはどういった配置が適当かということをいろいろとお話し合いをいただくのではないかというふうに思っております。
 それから、学区の撤廃というお話がございました。現在学区につきましては、8学区ございまして、その学区の中でさまざまな普通高校、専門高校なり、そういった地区内の生徒がそれぞれの進路希望に応じて進学できるような学校、学科の配置に努めているところでございまして、そういった基本単位を現在は一つ一つの学区というふうにしているところでございます。学区の撤廃ということにつきましては、さまざまな機会で御意見をちょうだいする、そういったことがございます。ただ、一方で学区は維持すべきという、そういった御意見もあるように伺っておりますので、そういったことも含めてこれからいろいろと検討させていただきますし、あるいは意見交換をさせていただきたいと存じます。
 ただ、今回お示ししたのは高校教育の方向性ということでございまして、学区ということになりますと、入学者選抜制度の中で決めておるものでございます。これにつきましては、また違うステージでと申しますか、それなりの検討委員会などをこれまでですと設置をいたしまして、御意見を伺いながらその方向づけをしてまいったというところでございます。特に学区の設定につきましては、子どもさんの進路に直接影響されることから、かなり慎重に検討が必要といったことだというふうに承知しておりまして、そういったような検討が今後進むのではないかというふうに思っております。
 それから、学区外のサポートでございますが、これに関しては現行制度の中では、現在8学区ございます学区の中での生徒が学校を選択する、当然その中で通学するというのを前提とした考え方をしております。今後仮に全県1区というような御意見もあるやに聞いておりますけれども、そういった議論がもしあるとしたならば、その中でも学区内の通学、そういったものに対しての費用に対する支援、こういったものを検討されるものと考えておりますけれども、現在のところは先ほど申し上げましたとおり8学区、学区の中での学校指導、これを基本と考えておるというふうに思っております。
○小野寺有一委員 最後にいたしますが、偏差値教育の功罪というのはあると思います。よしあしというのもあると思いますけれども、現実問題として偏差値50の高校から偏差値75の大学に入れるかということを、要は親御さんたちは、我々もいずれそういう年齢に子どもたちがなっていくわけですけれども、そういう懸念を抱えているわけです。
 それで、偏差値50の学校であっても、もしかしたらその中でクラス分け等によってやっていくことは、それは可能だというふうに言われれば可能かもしれないけれども、例えば偏差値75の子どもと偏差値25の生徒さんがもしかしたら同じ学校にいるということになり得るわけです。ですから、そういった、ここで書かれていることはもっともそのとおりだし、普通高校から就職する人のケアも必要だし、あるいはそれから進学に対してのケアももちろん私は必要だと思うのだけれども、これを本当に小さなまとまりの学区の中で、小さな学校の中で現実的にそれを満たしていくことが無理なのではないかと思うのです。だとしたら、もう少し大きな枠組みが必要なのではないかというふうに思うわけでありますけれども、できれば教育長のその辺のお考えを聞いて私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○法貴教育長 8学区ということで、当面そういう9ブロック8学区となっているのですけれども、検討委員会の中では真っ二つに分かれたのです。学区を撤廃するべきだという案と、それから学区を維持すべきだというのはかなりもめて、2回ほどもめていたのですけれども、最終的には採決みたいな形でブロックを維持するみたいな形で決まりました。今当面教育委員会としても、そういう検討委員会での議論を尊重しながら案をつくっているわけでございます。それがまず第1点で、さりとて例えば久慈と二戸のように400人を少し超えるような中学校の卒業生が出てきたときに、本当にそれで今言ったようなグレードを維持していくことができるのかどうかということもあるのだと思います。それは地域でさまざまな議論をしていくうちで、例えば二戸ブロックで福岡高校、バリバリの進学校のそのグレードを維持するためにはどうしたらいいのだみたいな議論が今もう既に起きつつあるのですけれども、そういうことを皆さんと一緒に考えていければいいのかなと思っています。
○高橋雪文委員 細かな説明ありがとうございました。内容については、しっかりまとまっているとは思うのですが、高校の場合は義務教育ではないという前提があるはずなので、どちらかというと義務教育の延長線でとらえているところがあって、その辺が非常に時代の要請なのかなという思いもあるわけでございます。高校生を取り巻く環境の変化ということの中に、例えば規範意識が低下しているとか、人間関係能力が低下しているとかということあるのですけれども、やっぱり中学校までの義務教育の間にそういうことをきちっとできるような子どもたちを高校受験までに育ててもらうとか、そういう体制はやはり必要だ思います。逆に私たちは高校を卒業させた時点で社会にしっかり対応できる人材を育成するのだという、その入り口と出口のビジョンが明確にあってこその実は高校教育の方向になるのではないかなという思いがあります。この内容を見ますと確かにそのとおりではあるのでしょうけれども、そのビジョンがなかなか読み取れないなという思いが非常に強くありますので、県としてぜひ内容に加えれるようであれば入れていただきたいというふうに感じます。
 もう一つは、学校経営計画の中に保護者とか住民の協力を得てということでございますけれども、この部分についてもまだまだ議論の余地があるのではないかなというふうに思いますし、どういうふうにこの学校経営計画を策定していって、求められる人材を育てていくかという部分、こういう部分は本当にもう少し細やかに議論し、策定いただいて、そして現実に沿った形でつくり上げていただきたいなというふうに思いました。いずれ学校ありきで、長い歴史の中でいろいろ経緯があってこのような形であると思いますけれども、本当に必要な岩手としての人材育成の機関として、もっともっと充実させていただきたいなという意見でございます。
○橋博之委員長 この際、3時25分まで休憩いたしたいと思います。
 (休憩)
 (再開)
○橋博之委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
○小西和子委員 詳細な説明ありがとうございました。
 では、4ページのところでございますけれども、(4)のところに地域や産業界との連携という項目がございますけれども、県の重要課題の中には県北、沿岸振興ということがうたわれております。それとのかかわりをどうとらえていらっしゃるのかということをまずお聞きしたいと思います。
○上田高校改革課長 まず、高等学校のあり方ということからちょっと外れるかもしれませんけれども、やはりこれだけ子どもが少なくなっていく中で、どうやってその子どもたちによりよい教育環境を提供していくかというのはやはり一番目に考えなければならないことだというふうに思っております。ちょっと前置きでしゃべらせていただきましたが、県北、沿岸振興との関連についてのお尋ねでございますが、特に高校教育、地域の担い手あるいはリーダーの育成というのがやはり大きな使命だというふうに、使命という言葉を委員会報告ではちょうだいしております。そういったことで、特に地域の中で例えば産業構造はそれぞれの地域で異なりますし、あるいは振興方向についてもさまざまな方向性がおありになるかと思います。特に県北、沿岸につきましては、さまざまな条件が不利な中で地域の振興を図っていかなければならない。その中で次代の担い手、リーダーというのは、非常に大きな意味合いを持つものというふうに考えております。
 今方向性の案をお示ししておりますけれども、来年度は個別の学校の配置とか学科の配置、そういったものの検討を進めさせていただきたいと考えております。地域の振興方向あるいは産業構造をこれからあるいはどうやって持っていくかといったあたりを十分に地域の方々、あるいは市町村になるかもしれませんけれども、お話をお伺いして、そういった御意見をいただいて、意見交換を積み重ねながら、どういった配置がこの地域にとって将来の担い手を育てていくという観点からふさわしいのかというふうな意見交換、そういったものをさせていただいた上で、検討を進めてまいりたいと思います。
○小西和子委員 私は、中央部と県北、沿岸部との格差がますます拡大しはしないかということを心配しております。
 次に、通学についての支援ということでここにありますけれども、それぞれのブロックの交通手段等につきましてはシミュレーション等をされたのでしょうか。
○上田高校改革課長 通学支援のお尋ねでございますが、今方向性についてここでお示しをさせていただいております。どういった通学の経路があるのかといったものは、粗っぽいものについてはございますけれども、どのように高校の配置が変わってくるのかということにつきましては、まだ具体の検討に入っておりませんので、そういった通学の手段あるいはどのくらい通学費がかかるかといったところの詳細のものについては今手元にあるものというのは限られておるというふうに御理解いただきたいと思います。
 そういった中身につきまして、ブロック内でどのような学校、学科の配置がふさわしいのかということにつきましては、これからこの方向性に関してのパブリックコメントなりで、案に関しての意見をちょうだいしますし、具体的な配置につきましては来年度さまざまな意見をちょうだいしたいというふうに考えております。
○小西和子委員 本当に中学生の数は限られてきますと、かなり広範囲の地域から一つの学校に通学というようなことの案も出てくるかと思いますが、私自身2時間以上かけて通学した経験がある人間でございますので、やはり少なくとも1時間以内で通学できるとかといったところでなければ、十分な教育というのは得られないのではないのかなというふうに感想を持っております。
 それから、最終的にこの案を突き詰めていきますと、東北本線沿線のみに学校が集中するというような、そんなことになるのではないかと思うのです。教育の機会均等の保障とかというふうにうたわれてはいるのですけれども、四国4県に相当するこの広い県土を持っている岩手県ならではという案にやはり住民の皆さんの声を反映しながら変えていってほしいなという願いがあります。その地域の実情を踏まえて対応を検討というふうに学校規模のところにあらわしているわけですけれども、この地域の実情というあたりはどのようなことを想定されているのかお伺いいたします。
○上田高校改革課長 地域の実情についてのお尋ねでございます。先ほど委員からの御質問でお答えした中でも触れさせていただきました。地域それぞれの産業構造がございますし、それから振興方向というものがございます。さらには、御指摘をいただいておりました例えば通学とかというものも当然ございます。
 御指摘のとおり本県は広い面積がございまして、集落についても小規模な市街地あるいは集落が点在する――県北、沿岸では、さらにその傾向が強うございます――となりますと、通学に関しても、例えば長時間かかるといったようなことがあろうかと思います。そういう場合、やはり例えば部活動の時間が制約される、あるいは家に帰っても自分の時間が持てないといったことも当然あろうかと思います。地域の実情の中には、そういった通学の状況等も含まれるというふうに私どもは考えております。
○斉藤信委員 今後の高等学校教育の基本方向(案)の性格と今後の計画策定のプロセスについてお聞きをします。きょうは、委員長に諮ってもらって、こういう説明の機会をいただいたのですけれども、やっぱり重要な県の教育委員会のこういう計画なり方針が出たときには、まず率先して県議会に説明すると、そういうことは当たり前の前提といいますか、原則にする必要があるのではないかと思います。既に地域説明会が開かれていますから、意見交換会に県議会議員が出れるなら出てくださいと、こういう案内では私はだめだと思いますよ。これが一つです。
 それと、なぜそういうことを言うかというと、これは本文の1ページのところに略称として今後の高等学校教育の基本方向、高校教育基本方針と言っているのです。そして、この行の最後にこう言っているのです。県の教育委員会では、この高校教育方針に基づき、今後の高校教育の充実に向けた取り組みを進めていきますと。いわば今後の高校教育の基本方針なのですね。私は、これだけ重要な内容を持つものを、案であれ、きちんと県議会に真っ先に説明するということは当然のことではないのかと。これは指摘だけにとどめておきますから。
 それで、こうした重要な方針を、前回の計画策定の教訓を踏まえて今回県教委はかなり時間をとって地域での議論を踏まえて策定をしたいと、こういうふうに先ほどの説明を私は受けとめました。実は最初の一戸高校、二戸ブロックで行われた意見交換会、説明会の記事を見ますと、上田課長はこういうふうに言ったと。ブロックの中でどういう高校をどう配置するのがよいかを議論するのもよいと思う。県教委が案を出すのはその後でいいと思うと。地域で決めていただくのは難しいかもしれないが、決まれば最大限尊重すると、こういう説明をしたと。違っていたら、ちゃんと言ってくださいよ。こういう趣旨を説明されたということであれば、私は、それは評価したいと思うのです。
 それで、プロセスの問題で二つ重視してほしい。一つは、この基本方針に基づいて高校教育を進めるわけだから、学校名が入らないとしても、この基本方針は極めて重要な内容になるということなのです。地域住民の意見を聞くのはその後だということであれば、それは片手落ちになるだろうと思います。この案そのものについて、じっくりと県議会の意見も聞く、地域住民の意見も聞くというふうにして策定をしていただきたい。もう基本方針は決めました、これが地域での議論の土台になるというのではなく、この方針自身も十分な議論をしてやっていただきたい。そして、今後の進め方として、確かに少子化の進行、中学校卒業者の減少というのは大変重大な問題だと思うのです。そういう中で、地域の高校をどうやって守って支えていくのかというのは、まさに県の教育委員会の課題だけではなくて、地域、自治体、住民の課題でもあると、こういう形で私は地域住民の議論と合意を踏まえて、この問題は進められるべきだと思いますが、その点はどうなのでしょうか。
○上田高校改革課長 委員から御指摘がございました今後の進め方についてでございます。まず、お示ししております名前でございます、基本的方向の案と呼ばせていただきますけれども、これについても先ほど申し上げましたが、通常のパブリックコメントよりはかなり長い時間とらせていただきました。2カ月とちょっとでございます。その中で各地域にはなりますけれども、九つの地域で説明会もする予定でございますし、あるいは地域の方々からもしリクエストがあれば、私ども出向かせていただいて御説明させていただくということでも進めておりまして、今現にある地区から来てくれないかというお話がございまして、そういったことで今中身を進めているところでございます。あらゆる機会をとらえて御説明をさせていただいて御意見を伺うと、その上でこの案について例えば必要な見直し等を加えて成案とさせていただきたいと考えております。
 それから、これも仮にの話でございますが、この方向性の案が取れて成案とさせていただいて策定となりました後は、これは、来年度からでございますが、これの具体化に向けた、いわゆる実施計画レベルのものの策定に向けた検討を進めてまいります。新聞記事はかなり単純化された表現もございましたのですが、趣旨といたしましてはそのとおりでございます。地域で御議論いただくというのは、ちょっと言葉があれでございますが、まず私どものほうで御説明をさせていただきまして、それでさまざまな検討を進めていただきたい。その際には、私どものほうでできる限りのデータとか資料は地域の皆様に御提示をして、その上で話し合いなりを進めていただければ、より深められるのではないかと考えております。
 そういった意見の内容とかを踏まえまして、私どもいつかの段階では実施計画レベルのものの案をお示しすることになりますけれども、そういった御意見を踏まえた上で、そういった案については策定に向けて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○斉藤信委員 今出されているこの高校教育基本方針(案)、この案の策定に当たっても十分な議論を踏まえて策定されるように、強く求めておきます――というのは、例えば二戸ブロックで行われた意見交換会、これは行政、教育関係者は8名、中学校校長代表1名、参加9人なのです。そして、その後の住民説明会は、参加者が8人ですよ。宮古の場合は、行政関係者、教育関係者含めて6名、中学校の校長代表2名、これもやっぱり8名なのです。そして、地域説明会は14名でした。宮古は、前回の計画のときには大議論になったところなのですけれども、残念ながら極めて低調でした。こういうまま推移したら、私は極めて残念だなという感じがするので、開いたところも含め今後やるところを本当に地域の皆さんの意見が吸い上げられるような努力をひとつ強くしていただきたい。
 それでは各論に入ります。私は、本当に重要な方針、学校名は入っていないけれども、提起されている問題は極めて重要な内容を持っていると思っています。同時に重要な問題がたくさんあるというので、そういう問題点について指摘をしたいのですけれども、1ページのところで岩手県の高校教育の状況というのが書かれております。先ほどの概要版でも説明されましたが、我が国の教育を取り巻く環境は大きく変わったと、こうした環境の変化が子どもたちに夢や目標を持ちにくくさせ、人間関係をとり結ぶ能力の低下や規範意識の希薄化、忍耐力、継続力の低下、自立性や学習意欲の低下など心身に変容をもたらすとともに、基本的な生活習慣を初めとした生活基礎力そのものを危うくしているなどの課題が指摘されています。私は、こんなに否定的に今の高校生を評価していいのか、もう少しバランスをとって評価すべきではないかと思うのです。これだったら真っ暗ではないですか。今まで何してきたのだと、これだったら今の子どもたちに未来がないという話ですよ。裏を返せば、あなた方は何やってきたのだと、小中学校の教育、高校の教育で何やってきたのだということになるのです。私は、こんな真っ暗闇の評価の仕方はないだろうと、本当は前向きな変化もあるだろうと。そこは全体をバランスよく評価しなければだめだと思うのです。
 そして、そう評価した上で、次は岩手においては、高校を初めとして子どもたちの変容は進んでいるが、地域や家庭、学校の努力により実直で勤勉な県民性を受け継ぎ、素直でまじめな資質が培われていますと。この3行は、また全然トーンが違うのですよね。全国の高校生はひどいけれども、岩手は素直でまじめな資質が培われていると、ここにも飛躍があるのです。今の高校生をめぐる状況というのは単調なのですよ。私は、こんな非科学的な分析はないのではないかと思います。
 そして、私が重大だと思っているのは、2ページ目なのです。授業がよくわかる、大体わかると答えたのが生徒の約4割にとどまったと。これは、今の高校教育の問題点がここに出ているのだと思いますよ。これは、高校教育だけでない、小中学校からの延長という問題もあります。だって、わからないのが6割なのだから。私は、ここにこそ本当はメスを入れる。やっぱり高校教育がどうあるべきか、そしてその前提となる小中学校の教育のどこに問題があるのか、ここにメスを入れなかったら、6割の子どもたちがわからないまま高校で教育を受けているということなのですよ。何でこうなったのか。
 そういう点で、ここの1ページ、2ページ目というところはもっと正確に、そしてその要因も明らかにして、それを解決する方向性を示すというふうにしないとだめなのではないかと思いますが、いかがですか。
○上田高校改革課長 委員から表現、あるいは内容について御意見をちょうだいをいたしたところでございます。私ども、この案を策定するに当たりましては、前段で検討委員会での報告、かなり分厚い内容についても多岐にわたった検討がございました。その報告をちょうだいしておりまして、そういったものをまず基本としてこの案をつくらせていただいたところでございます。さまざまな御意見があろうかと思いますが、特に高校生に対しての認識での御指摘がございました。それから、高校教育、その前段の義務教育から引き続くところでございますが、理解度についてどうなのかというところでの深掘りが、という御意見もございました。非常に貴重な御意見かと思いますので、今後またこの案の内容については再精査をしてまいりますので、その中でぜひ参考にさせていただきたいと存じます。
○斉藤信委員 私は、検討委員会の中間報告や報告が出たときにもこのことは指摘しているのです。評価、分析というのは、正確で全面的でなければだめです。一面的な評価をしたら、正しい方針は出てこないのです。そして、高校生がこれを見たら、県教委に対して不信持ちますよ。こんな高校生の評価をしていたら、高校生の希望もやる気も出てきませんよ。やっぱり問題もあるけれども、どこにいいところがあるのか、前進面があるのか、可能性があるのかと、そういう今の高校生の全体を見た分析をしなければだめだし、4割しかわかっていないというのであれば、何でそうなるのだと。それを解決する方針を示すべきだというのをまず第1に指摘しておきます。
 3ページ目、4ページ目のところで、岩手の高校教育で目指すもの、これも大変大事な基本的な問題ですが、ここではこう言っているわけですね。高校教育の目的は、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成、言いかえれば自立した社会人としての資質を有する人財の育成です。実は、この二つのフレーズには重大な矛盾があるのです。教育の目的というのは、これは教育基本法にも今でも明記されているように、子どもたちの人格の完成なのです。人間の全面的な成長、発達を実現するところに教育の目的があるのです。知、徳、体を備え調和のとれた人間形成という前段は、拡大解釈するとそういう表現になっていますが、私は正確ではないと思う。ところが、言いかえればとなると全く違った意味になるのです。自立した社会人としての資質を有する人財の育成。いいですか、人間形成と人財の育成では全然違うのですよ。人財の育成というのは、だれのための人材の育成なのですか。今までは企業のための、財界が求めた人材育成というのが一貫して中教審答申以来出てきたのです。財界がそういう提言もしています。だから、この教育の目的で書いている二つの文章は、全く違った中身を持っていると。そして、全体として後者の立場でこの方針は書かれています。人財の育成です。教育の目的は、人財育成ではないのです。子どもたち一人一人の全面的な成長、発達なのです。結果として、それが自立した社会人として成長するということなのです。人材の育成ということになると、本当に企業のため、企業が要請する人材を育成するということに結局はなってしまう。教育がゆがめられてしまうのです。教育の目的というのは、そうではないということを指摘しておきたいが、私が指摘していることの意味わかりますか。
○佐々木教育次長兼学校教育室長 ここの言いかえれば以降でございますが、事務局案のもとになっております長期構想検討委員会でも、ここの部分は随分議論になったところでございます。わざわざここを言いかえたということには理由がございまして、やはり今若者たちのそういう就労の状況でございますとか、あるいは学校で学習したことがなかなか社会人となったときに有効に生かされていないのではないかというような御指摘もありまして、そういうようなところから、やはり自立した社会人を育てるという面を出したいという御意見がございました。ただ、今委員がおっしゃったように、学校教育の目的、目標、そこは人格の完成にあるということはそのとおりでございまして、それと整合性がとれるようにということで工夫させていただいたわけでございます。決して企業に役立つ、いわゆるそういうマテリアルとしての人材ですね、材料の材を書く。そうではなくて、日本の社会の、あるいは世界の子どもたちを宝物としてとらえるという意味で、財産の財といいますか、宝物という意味で使うべきだという委員からの意見がございまして、こういうふうにしたものでございます。
 したがいまして、先ほど御指摘いただいたような会社人間をつくるとか、企業のための人材育成という面を強調したものでは決してないというふうに我々は考えているところでございます。
○斉藤信委員 人財というのは、造語ですね。当用漢字にもないと思うのです。だから、私は教育委員会がそういう当用漢字にもないものを造語として使うことがいいのかと思いますよ。一々説明しなければならないような言葉を、岩手でしか通用しない言葉を使ったって意味がないではないですか。人材の育成といったこのニュアンスというのははっきりしているのですから、それよりも、もっと正確な中身でやるべきです。人財の育成ではなくて、子どもたちの人格の完成であり、全面的な成長、発達を保障するという教育の目的というのをゆがめるべきではないと、私はそのことを高校教育のところでは指摘をしておきます。
 7ページ、8ページのところで、これは私が県民計画のところでも指摘したのだけれども、学校経営等の充実で目標達成型の学校経営の推進とあります。目標達成型の学校経営、そしてPDCAサイクルというのは、企業経営の手法、市場原理主義を教育に持ち込んだものなのです。これは教育の原理とやっぱりかみ合わないのです。なぜかというと、教育というのは子どもたち一人一人が主人公なのです。一人一人の条件も違う、能力も違う、いろいろな中で本当に一人一人の成長、発達を保障していくところに教育の目標があるので、学校全体の目標で、それをPDCAサイクルで評価して進めるということになると、子どもたちが主役にならないのです。多様な違いのある子どもたちを尊重して、そしてその全面的な成長、発達を応援する。今ヨーロッパはこうなっているのです。学校経営というのは、子どもを主役にして、そして運営されているのです。学校の目標が上にあって、PDCAサイクルでやるなんていうふうな学校はないですよ。こういう点でも、これは県民計画でも重大な問題だと思うけれども、ここは根本的に見直すべきではないですか。この市場原理主義、新自由主義が教育に持ち込まれたのは、自民党政治のとき以来なのです。その悪しき弊害ですよ。今政治がかわったときに、やっぱり自民党政治時代の過去の遺物を今後10年間も受け継いだら、私はやっぱり教育がゆがめられると思いますが、いつから、どういう形で持ち込まれたか、わかりますか。
○佐々木教育次長兼学校教育室長 目標達成型の学校経営についてでございますが、その学校の目標がトップにあって、子どもたちが主役であるべき学校教育等にふさわしくないという御指摘でございますけれども、もともと学校というのは教育基本法等に示された教育の目的、目標、これを実現するために、さらにその学校として子どもたちを育てるための教育目標を定めております。極めてそれが教育的な、いわゆる学校的なものでございます。学校として一番上にあるのは、教育基本法と学校教育法でございますし、それに基づいてつくった教育目標でございます、トップはですね。それは、あくまでも子どもたちが主役でございまして、多くの場合には学校の教育目標というのは知、徳、体を熟成するために、その知、徳、体を小学校、中学校、高校でわかりやすく、それぞれの地域の特性なんかもあわせて言いかえたものが教育目標になっております。それが一番上にございます。
 それを達成するための手法としては、この目標達成型の学校経営というものが平成10年あたりから入ってきたわけでございますが、一番の転機になったのは中央教育審議会が平成12年に出した答申であろうというふうに思っております。当時は、やはり学校でもなかなか初めてのやり方でございますので、戸惑った面もございましたけれども、あれから約10年経過いたしまして、現在では各学校とも、あくまでもトップは教育目標でございますけれども、それを実現するための手法としてなじんでいるというふうに理解をしているところでございます。
○斉藤信委員 だから、自民党政治のもとで教育予算は減らし、教育の内容は反動的に変えていくという、こういう中で新自由主義と市場原理主義が持ち込まれたのです。そういう経過なのです。そして、ましてやそれをPDCAサイクルでやるなんて、とんでもない話です。これは余りやっても仕方ありませんが、今根本的に変えなくてはならないのは、そういう学校のあり方です。そして、学校教育目標というのは、今民主的に決められないのです。法律的にも教職員会議で決めるテーマになっていないですよ、校長が決めるのです。私は、そういう意味でも、校長が一人で決めて、それを教職員に押しつけて、子どもたちに押しつける。今の学校の体制というのは率直に言ってこういう形にしかなっていない。だから、そうではなくて、子どもたちを主役にして、学校教職員が一致してその一人一人を応援する体制をつくるというのがこれからの教育のあり方だということは指摘をしておきます。
 今度の計画で一番問題になるのは、11ページ、12ページです。ここに今後の環境整備の考え方が提起をされています。一つ目は、(2)のところが大問題なのですが、学級定員及び学校の規模で、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づき学級定員は40人とすると。実は、二戸ブロックの説明会でも40人でいいのかと、35人、30人というふうにすべきでないのかと、こういう声が圧倒的に出たということを聞きました。例えばこれは民主党のインデックス、こう書いているのです。教員数を拡充するとともに、人数は先進国平均水準並みの教員配置、教員一人当たり生徒16.2人を目指し、少人数学級を推進しますと。そして、教育予算は先進国の平均的水準を目標、これはGDP比の5%です。今日本は3.4%、いわば平均まで引き上げると。私は、やっぱり民主党が支持された側面は、こういう前向きの政策を掲げたところに一部あると思うのです。小沢問題はあるけれども、それを支持したのでは全然ない。そういう点でいくと、今後10年を展望するということであれば、政権をとった民主党がこれから教育予算をふやします、教員をふやします、少人数学級を推進しますと言っているのです。私は、やっぱりこの見通しを、今まで40人学級だから40人で10年間を見通すというのではなくて、これはまさに見直されて一人一人に行き届いた教育という点であれば少人数学級を展望するということが当然の方向ではないのかと思います。これが1点です。
 あと第2点は、公立学校の規模について、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律により、本校は全校で240人、分校は全校で100人を下らないこととされています。県立高校の規模については、この法律を前提としつつ、生徒の能力を最大限伸ばすための教育課程の編成や多様な部の設置など、活力ある教育活動を展開するために、1学年4学級から6学級が望ましい規模だと、こう書いているのですね。ここで大事な点は、本校は全校で240人というのは2学級以上です。そして、分校は全校で100人、これが前提だと。だとするなら、私はこの法律でも保障されている2学級規模の高校というのは、これは地元が要求したら存続させるべきだと思います。100人規模で分校として残したいというのであれば、前提として残すべきだと。そういうふうに解釈できるのか。
 もう一つが、一方で望ましい学校規模は4学級から6学級というふうにしています。これが実は大問題なのです。望ましい規模は4学級から6学級にする意味は何かと、例えば二戸ブロックは平成32年に1学年9学級になると、だったら2校しか残らないではないですか。4学級から6学級が望ましいとは、どういう意味なのか。そして、そこに教育的、合理的な根拠があるのか。私はないと思いますよ。学校再編の基準、財政的基準と言ってもいいと思います。教育的な合理的な根拠というのはないのではないかと思いますが、この点をお聞きをしたい。
○上田高校改革課長 幾つか御指摘をいただきました。まず、少人数学級についてでございます。前段での長期構想検討委員会でも御議論いただいたところでございました。その中では、政権交代の前後の時期の委員会では、それをどうやってここの、その当時ですと委員会の案でございましたけれども、盛り込むのが適当かということで御議論いただいたところでございます。その中では、とりあえず現状を前提とした、そういった取りまとめ方をして、それでたしか後書きのところで、今後の国の動き等も勘案して必要な見直し等を図ることというふうに御報告をいただき、お示しをいただいたところでございます。その内容に沿いまして、今回の案を取りまとめさせていただいております。
 ですので、まず現状をいい悪い、これはなしにいたしまして、現状をベースにこの案については取りまとめさせていただいておりますが、ただこれからの施策の動向について、当然中ではお示しがありました。例えば学級の定員等についても、今後変動するといったようなことがあろうかと思います。そういったことにつきましては、ある程度の例えば確実性、蓋然性が出たといったようなことがありましたならば、まずこの方向性案については出させていただきましたけれども、必要な見直しは図ってまいりたいというふうに思います。
 それから、いわゆる小規模校についてのお尋ねでございました。公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律で、本校240人以上、それから分校ですと100人以上の規模とする、と明記されているところでございます。これは、全国一律の考え方でございますので、それは当然尊重はさせていただくというものでございますけれども、今後どうしていいかということになりますと、検討委員会の御指摘もありましたとおり、例えば地域、地域によりますと、物すごく子どもたちが減ってしまう。そういった中で、例えば子どもたちが希望するような進路、これを実現するような高校、学科の配置がどうしても必要となってまいります。そういった議論の中で、どういった高校をどれだけ、どの学級数で、どの学科でといったような御議論が進められればなというふうに思っております。
 そういうことで、4から6学級につきましては、検討委員会でもかなりの時間を割いて議論していただいたところでございますが、例えば個別の教科に関しての教員の配置、具体的に申しますと例えば理科でございますと地学、生物、それから物理、化学と4教科ございます。これをフルセットと申しますか、4教科それぞれに見合うような教員を配置するといったことになりますと、今の国の基準を適用させていただくと4学級がぎりぎりということでございます。さらに、生徒にとっての人格形成で、例えば部活動というのは非常に大きなウエートを占めるというふうに思っておりますけれども、その場合の顧問の先生とかの配置、張りつかなければなりません。そういったことを考えて、十分な数の子どもさんの興味、関心に応じていけるような、そういった部活動をやっていこうとすると、やはり4学級というのは一つの目安になるのかなということで、4から6学級ということで委員会から御報告をお示しいただいたところでございます。やはり望ましい学級数ということになりますと、そういった確かに大事な面もございますので、今回案で示させていただいた中では4から6学級というふうにさせていただいております。
 では、例えば3学級では望ましい学校教育ができないのかということでございますと、決してそうではないと。少なくとも、これは委員会の報告でもございましたが、小規模校でも非常にすぐれた取り組みをしているといったところもございます。ただいまるる申し上げましたけれども、そういったところを総合的にいろいろと御議論いただいて、特に来年度でございますが、地域でどういった学校の配置あるいは学科の配置がよろしいのか、検討を進めていただけるものというふうに思っております。
○斉藤信委員 40人、少人数学級の問題については、検討委員会の報告でさえ国の政策の動向というのを書いているわけだから、私はここでも政権党の政策にもこれだけ明記をされているときに、それを無視した方針ということにはならないのだと思うのです。そういう可能性も含めた、――だから例えば、現状では40人学級を考えているが、国の政策の動向によってはこれは変更があり得るというようなニュアンスが出てこないと10年もたないのではないかと。それが一つです。
 あともう一つは、今の答弁では公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律というのが大前提だと、これは確認できたところですね。ただ、皆さんの文章は極めてずるいというか、危険だというのは、(2)の最後のところで、今後1学年3学級以下のいわゆる小規模校の対応を含めて検討していきます。その検討に当たっては、教員の相互派遣や校舎制など、さまざまな可能性を検討する。学校として残すと言っていないのです。校舎制とか、教員の相互派遣とか、これは本校として残すという話ではないのですよ。私は、これは極めて重大な矛盾だと思うのです。2学級以上なら、これはあくまでも地域住民の合意が前提なのですが、最初から3学級以下は教員の相互派遣とか校舎制などさまざまな可能性と言ったら、そういう可能性しかないということでしょう。この表現は極めて限定的です。だから、3学級以下は残らないとみんな心配しているのですよ。大体3学級以下の学校が今でさえ65校のうち30校弱あるでしょう。約半分なのです。だから、この3学級以下の高校のあり方というのは、私は地域によってさまざまだと思います。4ないし6学級が望ましいというのは、何の地理的条件も考えないで提起した中身なのです。二戸では全然適正規模ではないのです。久慈でも適正規模ではないのです。盛岡市だったら適正かもしれませんが。
 私はそういう意味では、少子化で本当に中学校卒業生が減る中で、地域にどう高校があるべきか、私は皆さんの提案できょう評価できるのは、やっぱり地域住民の議論と合意を踏まえて計画をつくりたいと、こう言ったことです。だったら、最初からこういう1学年3学級以下は校舎制とか教師派遣の方向を検討しますなんていう限定的な書き方は、ちゃんと見直さなければだめですよ。残すものは残すし、あとは地域の住民がどうしても統合してほしいという場合に統合があり得ると思うのだけれども、そういう正確な表現にするべきではないか。これは最後、大事なことだから教育長に聞きます。
 そして、最後の最後につけ加えて聞いて終わりますが、総合学科高校についての評価というのは検討委員会でもかなり厳しかったと思うのです。ところが、総合学科高校というのは、設置されているのは生徒の希望より多いのです。つくり過ぎだと思います。そして、これから総合学科高校のあり方というのは、かなり学校によっても中身違うのだけれども、限りなく普通科と同じ方向を目指しているのですよ。だから、こういう高校の多様化政策というのは、もう完全に私は行き詰まっていると思うのです。専門高校と普通科高校という本当にシンプルにして、そして地域の子どもたちがどちらにも行けるような、そういう方向にこそ私は今後の高校のあり方があるのではないかと、これを最後に教育長に聞いて終わります。
○法貴教育長 文章の読み方で限定的だと言われるようなニュアンスがあるとすれば、それは文章表現の問題ですので、最後の成案までに直させていただきます。小規模高校についても地域の住民のお話を十分聞きながら検討していきますというのを基本方向で掲げているわけですので、決してそれはなくするのだ、分校舎制しかあり得ないのだというふうなとらえ方をするということになると、それは文章表現の問題ですので、十分に気をつけさせていただきたいなというふうに思います。
 それから、総合学科校は確かに検討委員会でもさまざまな御議論があり、教員の皆さんのお話、それから現に在籍している生徒さんたちのアンケートなんか見ても、その評価はそれぞれ分かれているわけですので、総合学科校も含めて普通学科も専門課程もすべてこれから個々の学科のあり方について地域で話ししていくわけですので、そういう議論の中で話を進めていければいいなというふうに考えています。
○橋博之委員長 ほかにありませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○橋博之委員長 なければ、これをもって教育委員会からの報告を終了いたします。教育委員会事務局の皆様、御苦労さんでした。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。