地球温暖化対策特別委員会会議記録

地球温暖化対策特別委員会委員長 亀卦川 富夫

1 日時
  平成21年8月5日(水曜日)
  午前10時4分開会、午前11時21散会
2 場所
  第3委員会室
3 出席委員
    亀卦川富夫委員長、喜多正敏副委員長、佐々木順一委員、新居田弘文委員、
 大宮惇幸委員、岩渕誠委員、佐々木大和委員、樋下正信委員、高橋雪文委員、
 田村誠委員、小野寺好委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  武蔵担当書記、高杉担当書記
6 説明のため出席した者
  独立行政法人 森林総合研究所東北支所長 山本幸一氏
7 一般傍聴者
  なし
8 会議に付した事件
(1) 低炭素社会の構築と森林・林業・木材産業の役割について
(2) その他
    次回の委員会運営について
9 議事の内容
○亀卦川富夫委員長 おはようございます。ただいまから地球温暖化対策特別委員会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。本日はお手元に配付いたしております日程により会議を行います。これより「低炭素社会の構築と森林・林業・木材産業の役割」について調査を行います。
 本日は、講師として独立行政法人森林総合研究所東北支所長、山本幸一氏をお招きしておりますので、御紹介申し上げます。
○山本幸一講師 森林総合研究所の山本です。よろしくお願いします。これから1時間ぐらいここ四、五日一生懸命勉強した私からの成果を発表しますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○亀卦川富夫委員長 どうもありがとうございます。山本様の御経歴につきましては、お手元に配付いたしておりますとおりでございます。
 本日は「低炭素社会の構築と森林・林業・木材産業の役割−研究の立場から−」と題しまして、山本様より御講演をいただくこととしておりますが、山本様には御多忙のところ御講演をお引き受けいただきまして、改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。
○山本幸一講師 よろしくお願いします。
○亀卦川富夫委員長 これから御講演をいただくわけでありますが、後ほど山本様を交えての質疑、意見交換の時間を設けておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、山本様よろしくお願いいたします。
 なお、皆さんには時節柄ノーネクタイあるいは上着を脱ぐことといたしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○山本幸一講師 きょうは低炭素社会ということと、岩手は森林が非常にありますので、森林とか林業とか木材産業がどうやって寄与できるかということを私は研究者なので研究者の立場からお話ししたいと思います。
 1番目には、背景としていろいろな「低炭素社会」という言葉がついた戦略とかシナリオとか政策がありますが、この辺は私は全然勉強してなかったので、ここ数日で勉強して自分なりにまとめてみました。
 次に、森林総合研究所は、森林が炭素を蓄積しているということを証明しなければいけないので、いろいろな事業、国の事業を請け負って仕事をしている、その内容を簡単にお話しして、3番目は、僕はずっと茨城県のつくばの研究所にいるときはバイオマス担当の研究コーディネーターというのを5年間していたので、私の一番メインはここなのですけれども、ここがちょっと長くなりますけれども、ここの話をして、最後にいわゆる炭素の取引というか、炭素の価値を認めて、その価値を森林に、もとに戻すというような話を。J−VER制度というのがあるのですけれども、きょうの午後にそれの研究会とか説明会が水産会館であるので、そこにも私は出ますけれども、この辺については県のほうが非常に詳しいと思いますが、この四つを話していきたいと思っています。
 私の略歴というのをその前に少し話したいと思うのですけれども、昭和27年に神奈川県の横須賀の追浜というところで生まれて、ずっと高校を終わるまでそこにいました。そのころはずっと鉄道が好きで、日本じゅう汽車を追いかけていました。そういうこともあって遠くに行きたいと。
 ずっと汽車が残っているところというので、北海道を選んで、北大の農学部に入って、大学に来てみたらもう汽車は全然興味がなくなって水泳部に入ってずっと泳いでいました。大学に12年間いたのですけれども、57年に農水省に入って、それからずっとつくばにいます。その間、どうしてもひとところにいるのが余り好きではないので、いろんな機会を見つけてJICAとか、あるいは博士課程を終わった後、外国に行くチャンスとかいろいろあるので、そういうのを利用して合計5回ぐらい海外で暮らしました。その間の研究テーマというのは、私は大学のころは木の中の心材という色のついた部分があるのですけれども、それがなぜできるのか、そのできる季節は何かということを研究したり、あるいは海外にいるときは木材の耐久性はどうやって予測したらいいのかというようなこと、いろんな仕事をして、5年前から木質系バイオマスの利用についていろいろ仕事しています。資料の赤い字のところが答えなのですけれども、なかなか大した答えは一人では得られないなというのが実感です。
 低炭素社会というふうに考えても、このイメージというのは地域とか人それぞれ違うと思います。右のほうに書いてあるのは、一般的に市民がどういうふうに考えているかということ。例えば省エネ家電とか、エコカーとか、マイバッグとか、ごみの分別とか、そういう延長上にあるのではないかというふうに思っているかもしれないし、あるいはその真ん中あたりの角張った四角とか三角というのは、技術者が考えればやっぱり水素技術をやるとか、炭素を地面の地底深くにため込むとか、あるいは、この辺が一番岩手県では関係あると思うのですけれども、新エネ、太陽光とかバイオマスとか風力とか地熱とか、そのようなものをどうするか。あるいは一方では原子力をどうやって見直すのか。
 それで、もう一つこっちのほうにふにゃふにゃとあるのは、もうちょっと生き方の話で江戸時代の生活みたいなのがいいのではないですかとか、もう自動車はやめて自転車でそういうまちづくりがいいのではないかとか、スローライフとかいろいろあると思います。どこにもその正解はなくて、これ全部が正解ではないのかなというふうに思って私はいます。この中のものを、いわゆる最近の言葉だとベストミックスというか、どうやってうまく地域として絡めていくのかということが大事ではないかというふうに思っています。
 これは、平成19年に閣議決定された環境立国戦略に見る低炭素社会という切り口があって、ここにあるように、この中では地球環境の危機というのは温暖化あるいは資源を使い過ぎた、もう一つは自然をずたずたにした。それを克服するにはどうしたらいいのか。温暖化に対しては低炭素化社会をつくる、2番、3番は今回はのけておいて。そのためにはどうしたらいいかということも極めてあいまいに一般的には書いてあるのですけれども、そういった社会をつくるのは難しいけれども、やっぱり次世代に引き継ぐためには一人一人の取り組みの輪を広げて、その後押しというのは多分国とか、県とかということが求められているというふうに、極めて当たり前というか、普通のことが述べられています。
 一方、それに呼応しているかどうかちょっとわからないのですけれども、そういう社会をつくるための行動計画というのは翌年に閣議決定されていて、これは福田さんの手土産みたいな話もあったのかもしれませんけれども、70%ぐらい削減するとか、あるいは世界各国の取り組みを支援していくというようなことが書いてありますし、その下の低炭素化へ動かす仕組みということで排出量取引をするとか、あるいは最近の言葉で見える化とありますけれども、カーボンフットプリントあるいはカーボンオフセット、これは後で簡単に少ししゃべりますけれども、そういうものをしっかりしていく、組み立てていくということが大事で、それで国民レベルでは、例えば農林水産業を活用するとか、あるいは地方の特色を生かした都市づくり、公共交通機関LRTあるいは緑化をするとか、なぜか下水道資源をもう一回再利用するとかいろんなことが書いてあります。
 次、では低炭素化社会はどういうものなのか、どういうシナリオでつくって、どういうふうにやって達成したらいいのかということが国立環境研究所の人たちを中心としてかなりしっかりとしたレポートがあります。これは今持ってきたので、もし必要であれば事務局に置いておきますので。70%削減するというふうに言っているけれども、それは本当なのかどうかということをある意味検証したということだと思うのですけれども、少なくとも潜在力はあるということをこの中では示しています。削減の前提としては、ここにあるように一定の成長はさせるのだと、それで皆さんが使うエネルギー、サービスはそこそこ維持する。とんでもない技術ではなくて、確実な革新的な技術ということをとりあえず今わかる範囲で想定している。それと原子力とも整合性をとっていく。こういうシナリオに関して、政策はまだ確定してないので、それについては言及はしていませんけれども。
 部門別の作成というところでこのようにいろんな部門でこれぐらい削減できるのではないかというふうに数値が出ていて、そのためには主に何が必要かというようなことが書いてあります。その中で、多分これは多くの方が聞いていることがあるかもしれないですけれども、二つの姿というのを描いていて、一つはドラえもん型、一つはトトロの形というふうなことで、1のほうは今の日本の社会の延長のような考えで、活発で回転の速い技術志向。Bのほうゆったりでスローな自然志向。
 ですから、多分Aをやっていく市町村、県もあるかもしれないし、Bをやっていくような県、市町村もあると思う。岩手県はどちらかというと、恐らく皆さんがこれから考えていくことになるのだと思うのですけれども、このシナリオの中で項目を社会とか産業、民生用、交通、エネルギー供給というふうに分けています。それぞれにどういうことがその中で行われるべきかとあって、例えば社会を見た場合にやっぱり経済成長が欲しいというAの積極的型とBのそこそこ型というのがあって、物質的な豊かさというのはもうそろそろいいのではないかというようなこと。あるいは産業を見てもAのほうは石油、石炭、天然ガスといずれにしても化石資源系であることは間違いないのですけれども、Bのほうでは化石資源系はそれぞれ使いますけれども、バイオマスをもう少し使っていこうと。民生用はそんなにはほとんどかわらないですね、やっぱり高断熱住宅とか。交通については、例えばシナリオBは歩いて暮らせるまちをつくっていくとか、なぜかちょっとよくわからないのですけれども、バイオマスハイブリッド車の普及なんていうことも書いてありました。あとエネルギーについては、バイオマス発電シェアの拡大というようなことがシナリオBにはかなり大きく書いてあります。
 その中で、シナリオのAとBの中でエネルギーの供給量で、2000年の実績が例えばここにあるように、石油換算で5億トンですね。2050年には、Aであればこれだけ、Bであればこのぐらいを供給していきましょうという話がその中にはあります。Bの中では、バイオマスの緑色のところが非常に大きくあって、こんなにたくさんバイオマス供給できるかどうかというのはかなり疑問もあるのですが、このようなシナリオが描かれています。例えばシナリオBというところを見た中でも、その中でいろんなエネルギーがあるのですけれども、石炭からガス、バイオマス、原子力、水力、太陽。バイオマスを中心にしたいというような考え方とか、あるいは水素を中心にするとか、いろいろそのモデルがあって、もしバイオマスを中心にしようというふうに考えた場合はバイオマスを7,000万トン国内で賄わなければいけないというので、この数字は達成するのはかなり難しい数字ではあると思いますけれども、ただ日本にあるバイオマスを考えればこれだけを利用するというのは不可能ではないというふうに思います。
 これも最近できたバイオマス活用推進基本法というもので、私はほとんど勉強していないのでわからないのですけれども、バイオマスをちゃんと利用するための施策ということで、基本的な理念の中に、例えば5番目にある農山漁村の活性化とか、バイオマスは最大限なるべく利用しましょう、一つのところからいっぱい、例えば森林からだけたくさんとってきたというのだとまずいので、いろんなバイオマスがあるので、そういうのをミックスしていきましょうと。地域でそれぞれ特徴があるので、地域でうまくやっていきましょうとか、あとはよく言われたような、米からつくるということに対して結構拒否反応があると思うのですけれども、食料の安定は確保しながらバイオマスを利用しましょうと。当然ながらとり過ぎたらまずいので、環境には配慮しましょうというような、これもごく当然なことが書いてあるわけです。国は基本計画を策定して、次にあるように都道府県は策定の努力と書いてあるのですけれども、この辺は私もうちょっと勉強しなければわからないので。
 あとは今盛んにされている森林の間伐ということについても特別措置法が20年の5月に出されていて、これに基づいて今林野庁は間伐を非常に一生懸命やっているというふうに理解していただければいいと思います。
 次に、2番目の森林が炭素をどのぐらい吸収しているのかとか実測して、それを国際的な京都議定書に対して上げていくことが必要であるので、森林総研ではそのための仕事をたくさんしています。私は、この分野の専門ではないので、皆さんからいろいろ資料をもらってつくってきました。一つは、森林がどの程度二酸化炭素を吸収したり出したりしているのか。それはやっぱり森林が二酸化炭素を吸収するというのは光合成とかを考えればよくわかることなので、地球温暖化問題の中で森林の吸収ということは注目されているわけです。特に日本にとっては非常に大事な問題ではあるわけです。それはなぜかというと、二酸化炭素の排出を減らしなさいといったときに森林が吸収する分はその分を差し引いて結構ですのでということで、勢い日本にとっては森林が吸収することに対して大きな期待がかかってくるわけです。
 実際に森林というか、植物は光合成でCO2を吸収して呼吸をしているので、人間と同じようにCO2を出しているわけです。それをはかるために、東北では安比高原にあるブナ林の中に高さ30メートルの鉄塔を立てて、その上で二酸化炭素の出入りを測定しています。連続的に、多分数年前からやっているというふうに思いますが。その成果がうちの広報冊子なんかにも出ているのですけれども、細かく見るとブナは落葉なので、冬の葉のないときは、寒くても生きているので呼吸をしているので、CO2は出しているわけです、森全体としては。春になって葉っぱが開くとCO2は光合成するので吸収を始めて、夏までだんだん上がっていって、秋にかけて吸収量が減ってくる。紅葉になったらもう葉っぱは死んでいるわけなので吸収がとまって、また再び呼吸でCO2が放出される。ですから、プラスのときとマイナスのときがあるので、合計プラスなのかマイナスなのかということが一番大事になるわけですけれども。季節変化があって、冬は出す、夏は吸収するという、そういうパターンというのがあって、出し入れを計算すると正味CO2の出し入れを考えると吸っていたというのがまず一つの結論。これが逆であると大変困ることになるのですけれども。年によって数量は天候によって左右されるので異なったということとか、ただどうして異なったかというのはなかなかわかりづらいので、今後も観測を続けていくということです。
 もう一方で、森林の吸収量ということを全国的にしっかりと出さなければいけない。今のはある事例で、この林についてはこうですよと、ある意味では研究レベルなのですけれども、こっち側は国レベルで京都議定書の報告作成に対する責任ということで、日本じゅうの森林についてのデータを1カ所のところにコンピューター上に入れて吸収量を算定するということを林野庁がやっていて、その請負というか、それを森林総研がいろいろやっています。ここに書いてあるように、ちっちゃい字に、箱の下に国家森林資源データベースというのがあって、それが年ごとにCO2の量というのを計算しているそうで、下のほうにちっちゃなところがあるのですけれども、そこに2005年の結果の概略が示してあります。
 一方では、余り我々は理解してないのかもしれないのですけれども、地面の中にもたくさんの炭素が蓄積されています。それはなぜかというと落葉するとか、もともと森林の残骸が地面に積もっているので、非常にたくさんの炭素が地面の中にあるのですけれども、それをはからなければいけないという義務がありますので、それもはかっています。土壌の30センチまでの深さの炭素を実測して、あとは落ち葉の量とか、枯れている木の量ということもはかっています。
 次のこれを見ていただくと、ちょっとわからないかもしれないですけれども、この岩手県のあたりは色が濃いのですが、岩手県の森林土壌というのは、非常に炭素をたくさんため込む力のある土壌だということです、黒色土。それがなぜ岩手県に分布しているかというのは、火山灰土壌というのはそういう土壌を形成しやすいような土壌らしくて、岩手県のほかに九州のあたりも非常に炭素をため込むのに都合のいい土がたくさんあるということは、一つ岩手県としては理解しておいたほうがいい大切なことであるというふうに私は学びました。
 次は、バイオマスの利活用なのですけれども、森林・林業・木材産業が地球温暖化にどうやって役に立つかということをちょっと自分で考えたのですけれども、森林というふうに考えると森林の育成、要するに森林の価値をちゃんと経済化するということで、例えばバイオマス燃料というのは燃やしてもCO2が出ないと考えられるので、それを価値化する、あるいは森林自体がCO2を吸うということの証明をして、それを価値化するという考え方。林業とすれば木材自給率を上げていく、あるいは林業を再活性化するということは当然ながら非常に大事なことであります。丸太の収穫でも今は非常にコスト的に厳しいところもあるのですけれども、やっぱりバイオマスも含めた、葉っぱとか枝も含めてうまく収穫できるようなシステムをつくっていくということが求められている。木材産業からすれば、例えば国産材にシフトすると工場で引いたときに残材がたくさん出ますよね。そうするとその残材そのものがバイオマスになるので、外国から製材品を買ってくると、今はもうごみが出ないので、国産材を引くと、ごみというか、廃棄物が出るので、それは非常に有利な点であるというふうに考えると、やっぱり国産材へシフトするということは、木材産業にとってはある意味では非常に大事だというふうに考えています。
 近年林業活動が停滞して、それの裏腹に森林資源が非常に成熟していくということがあるのですけれども、この図はちょっと違う観点から書いてもらった図をもらったのですが、下のほうに赤い山がありますけれども、伐採面積が1950年ぐらいまでが山でずっと減っていますよね。それから、木を植えたのですけれども、要するに若齢の人工林というのは急に減ってきて、逆に言えば成熟している。草地とか採草の放牧地なんかも非常に減ってきているということを考えると、若い森林がほとんどない。逆に言えば非常に成熟した林がたくさんあるということなのですけれども。
 では、何が成熟しているかというと、ここにあるように人工林の面積が左にあるように増加しているし、あと蓄積を見ると青い線、人工林の蓄積、人工林が持っている材木の量が非常に増加しているということがまず大きな特徴であるというふうに考えていけます。これは国産材の今の需要と拡大する目標なのですけれども、例えば2004年に日本は1,640万立方メートル国産材を使ったと。2015年、もうすぐですけれども、2,300という数字があります。これを見ても少なくとも3割ぐらいは上げなければいけないのですけれども、ただどういうふうに使っていったらいいのかというのは、また非常に難しいところです。安ければ使えるのか、あるいは安くても技術がなければ使えないのか、いろいろあると思うのですが、やっぱり技術も当然必要で、例えば一般論としてはスギはある程度弱い。弱いのを使いたい場合に、例えば合板にするときに厚くすればそれだけその材料としては強くなるので、そういうことを研究としてはしました。
 これはもう宮城県なんかでも国産材を使って合板たくさんやっていますけれども、合板に使うような国産材の原料は非常に伸びているというようなことがあります。一方では、国産材を使う技術というのはもうあるというふうに考えていいと思っています。あるいはスギの弱さを克服するということで集成材というのもたくさんそこらじゅうで使われていると思うのですけれども、やっぱりスギが弱いので、弱い材もうまく使って、右の下のほうにあるように集成材を重ねて、表側に強い材を入れておくと、真ん中が弱くても総体的に強度が発揮できる。その側には、ここではベイマツというアメリカの輸入材が書いてありますけれども、別にこれはカラマツで代用しても全く構わないと思うのですけれども、こういうような仕組みをつくるとか、技術ですね。そういう実践的な研究のほかに、なかなか実用化はできないのですけれども、バイオマス研究というのも森林総研では随分してきました。1次オイルショック、2次オイルショックと1970年代にあったのですけれども、そのころからずっとうちは農水省としてのプロジェクトを受けてきていろんなことをやっています。まず一つは、大きくなる木の探索で、例えばヤナギ、このあたりで言うとシナ、カンバなんかでも結構その可能性があるやつはあるというふうに当時から報告されています。
 ここでちょっと、真ん中にスーパーツリーと書いてあるのですけれども、例えば年間30立方。30立方というのは大した大きさではないのですけれども、そのぐらいずつ大きくなっていくという木を選んでいくとか、あるいは木材からプラスチックやアルコールをつくる技術をつくっていくというようなことを年を追っていろいろやっている。今やっている地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発というプロジェクトにおいてはバイオエタノールとか、あるいはリグニンという成分があるのですけれども、そこからプラスチックをつくっていくとか、そんな仕事をしています。
 幾つか最近の農水省の委託研究というのを紹介します。一つは、ペレットは岩手県が一番進んでいます。多分ペレットストーブなんかの量も一番多いのだと思いますけれども、あるいは北海道が抜かしたのかちょっとわかりませんが。森林総研ではペレットの種類をもうちょっといろいろ変えていく。一つはペレットと炭化を組み合わせてしっかりしたペレットをつくっていくとか、あるいはカロリーの高いペレットをつくっていくというようなことをことしから始めています。
 木材乾燥というのは、もともと木材というのはエネルギーを余り使わないいい材料だと言われているのですけれども、その中で結構乾燥というのはエネルギーがかかる部分なので、そういうところを今のヒートポンプ技術を応用して乾燥機をつくっていこうというようなことをやったり、あるいは木材そのものを今まで使っていなかったところ、例えば軟弱地盤に打っていって液状化を防ぐとか、あるいは今余り使っていない海洋ですね、桟橋とかそういうところにも使っていこうというようなプロジェクトを建設会社なんかにも入ってもらってやったりしています。こういうことによって、木材産業あるいは林業が間接的に豊かになればというふうに思っています。
 もう一つ、住宅を考えていく場合に大きな建物をこれからつくっていかないと2階建てだけではだめなので、4階、5階ぐらいを建てていくということも大事な課題になってくると思います。そのときにどういう建物をつくるかと調べた場合、住宅関連、卸売、製造業、病院とか、幾つかそういうターゲットがあるので、やっぱりそういうのに合った建築物もこれから木材でつくっていくということを考える必要があるというふうに思っています。
 例えばそのときに一番ネックになるのは、燃えるということに対しての規制が非常に大きいので、耐火にしなければ木造構造の建築物が建てられないということなので、それに耐えられるような木材というものを今開発しています。この中では、鹿島建設に入ってもらったりして新しい材料をつくっています。それができれば木質系の住宅、ちょっと高い4階、5階あるいはオフィスビルなんかもつくっていくことが可能ではないかというふうに思っています。
 次に、木材を総合的に流用するためには今のような木材として使うだけではなくて、科学的に分解してそこからいろんなものをつくっていくということが結構大事な仕事になってくるというふうに言われています。
 さっきの丸が書いた18ページの表をちょっと見ていただければいいのですが、木材というのはここにあるように三つの成分から成っていて、セルロースからはそれを十に分解して、今流でいえばそこからエタノールをつくっていくということができます。リグニンというのは、糖ではないので、エタノールなんかには変換できないのでエネルギーにするとか、あるいはプラスチックにしていく。リグニンというのは、比較的石油に近いというふうに考えていただいていいのですけれども、そういうものなのでプラスチックをつくっていくということがまず基本のコンセプトとしてはあります。
 今やっているバイオマスの総合利用の中では、林地残材でも工場残材でも何でもいいのですけれども、まずバイオマスを集めて、アルカリ処理とか幾つかの処理で小さく分解していって、酵素で糖化して、酵母で発酵してエタノールをつくっていく。そうすると、リグニンというのが余るのですけれども、それはプラスチックにして、総合的に利用するというプロジェクトを進めています。
 これは、木材を木粉にしてプラスチックとまぜて、そうすると石油系のプラスチックの量が総体的に減るので、ある意味では温暖化の貢献になるということで、木粉とプラスチックをまぜるような技術もしています。一つは、住宅のデッキなんかに使ったり、あとはおもちゃとか、ちょっとしたプラスチックのかわりに使うというようなことを進めています。
 もう一つは、余ったリグニンからプラスチックをつくっていくということ。まずリグニンというのを科学的に小さくして、リグニンというのはあそこにあるぐちゃぐちゃと大きなものなのですけれども、それを小さくなった分子を組み換えの微生物である一つの形のものにして、そこから石油化学工業みたいにプラスチックをつくっていくということをやったり、あるいはこれは林野庁の事業で北秋田市にバイオエタノールをつくるプラントを建てたのですけれども、今そういう実証事業もしています。これは北秋田市のリサイクルセンターというごみ焼却炉の隣に場所を借りて建てたのですけれども、スギを使って木材からバイオエタノールをつくるという事業を進めています。なかなか難しいので、我々だけではできないので東京大学、早稲田大学、あと秋田県立大学と一緒にやっていて、ことしは2年目なのですけれども、この後合計4年間やって、最後にはエタノールをつくり出したいなというふうに思っています。これはその実証設備の中の流れなのですけれども、見てもなかなかわかりづらいので、もし後で時間があって興味があればご説明いたします。
 あと4番目なのですが、炭素の取引を通じてその利益を森林に戻して低炭素化社会に少し役に立てたいということについて少し触れます。京都議定書にあるように森林吸収の取引、森林のCDMというのは、国内の森林には適用されないので、そこで自主的な努力ということを国内でもやらなければいけないので、幾つかの制度が今つくられて、みんなそれをバックアップしようというふうに動いているのだというふうに理解しています。さっき言ったようにきょうも多分県の主催で午後に、J−VER制度の説明会というのがあると思うのですけれども、これは国内の排出量削減あるいは吸収量増大を「自発的に」とあるように、進めるためにつくられた制度で、林業関係としては間伐をしたり、制限をすることによってこの制度に乗っていくことができる。木材産業からすれば木くずだきとか、チップだとペレットボイラーとか、そういうことで発電なんかをしていけばこれに乗っていくことができるのではないかと皆さん考えていると思いますし、それを乗せていきたいというふうに国も考えているのだと思います。
 それともう一つ、さっきもあったのですけれども、カーボンフットプリントというのも自主的な取り組みを進める仕組みとして、とりあえず日用品への非耐久財の普及が図られています。木材製品というのは日用品としては余りないのですけれども、例えば住宅産業なんかでは輸送で使う化石燃料が少ない国産材というのもこの中の範疇には入ると思うし、住宅産業としてもCO2使用の少ない地域型木造住宅というのもこの中にそのうち入れ込もうと思えば入れ込めるというふうに思います。住宅産業なんかも多分こういうことは考えているのだと思っています。
 まずは、最初のJ−VER、私は余り詳しくないので、もし何かがあったら林業関係の部署に聞いていただいたほうが早いと思うのですけれども。まず、環境省がこの制度を創設したと理解しています。「みずからが」というのは、企業が温室効果ガスの削減に向かって努力は一生懸命するけれども、どうしても目標に足りないときは他の場所、ここでいえば森林所有者が行った努力、それは吸収量を確保するという作業をするとか、それを証明するという、そういうことなのです。その結果を幾らかのお金を出して、例えば炭素1トン当たり例えば2,000円とか、その辺はまだ値段は決まっていないようですけれども、それで埋め合わせることができる仕組みです。この時点では、記載によるとプロジェクトの対象というのは木質ボイラー関係ですね。その後、ここにちょっと日にちを入れるのを忘れたのですけれども、林野庁と環境省が森林の吸収もこの中でやっていくという基準を示しました。図があるのですけれども、私なりによく見て理解したつもりなのですけれども、プロジェクト実施責任者というのは山持ちでもいいし、その山に働きかけているコンサルタントでもいいのかもしれないのですけれども、要するに自分の山がこれだけ吸収しているのだからそれを証明して幾らかお金をもらえるような仕組みがあるので申請しましょうということになって、ではしようとなったときに書いて申請しますよね。それを受ける委員会というのがあって、そこで申請を受けてみて、これだったらいいんじゃないということで、とりあえず登録をするということです。
 あなたのところ、とりあえず進めてよというふうに言われたら、今度3番目として、ではプロジェクトを実施するので、どれだけうちの森林は二酸化炭素を吸収しているのかということをしっかりと調べるということをして、その調べた結果を中立機関に出す。そうすると、中立機関はそれを正しいかどうか検証して、正しければその認証運営委員会というところに来て、いいですねということになって、そうするとこの1のプロジェクト事業者は、例えば100トンのCO2を吸収していますということを証明したクレジットというものを発行する。それを森林側は、こういうことがありますからということで売ることができて、買う人がいないということも想定できるのですけれども、今の状況だと企業は買う気があるという話なので、企業は買います。そうすると、その時点で売り買いが成立したので、吸収と排出がプラス・マイナス・ゼロになって、それで終わりになる。そんなような仕組みだというふうに理解しています。
 これはホームページに載っていますけれども、今、7月現在で登録されたプロジェクトというのは、5月に5件の申請があって、今のところ3件は審査が終了して、では進めましょうということになっているそうです。いろいろ見ていると、そんなに対象面積が大きいわけでもなし、例えば高知県が進めているやつが参考になると思うのですけれども、258ヘクタールで、CO2としてもたった724トンとかそんなに多いわけではなくて、これに例えば1,000円としてゼロ三つつけても72万4,000円、非常にちょっとがっかりするような値段になってしまうのではないかというふうに思います。
 もう一つは、カーボンフットプリント制度の基本ルールというやつが経産省から3月に出た。その意義はこれを自分の製品に張りつける人の意義もあるし、買う人の意義もそれぞれあって、一つは消費者にアピールできる、あと新しい低炭素型の社会になったときにそういう形に合った事業を会社自体が構成できるというようなこと、あと競争率が高まるとか、いろんな意義が書いてあります。消費者側としては、やっぱり排出量を自覚して自分が生きていくとか、あるいは自分が商品を選択することで少しでも低炭素化の実現に寄与ができるということが挙げられている。例えば右の絵は私が勝手に書いたのですけれども、地域住宅というところにマークをつけるとすると森づくりからリサイクルまで、私のところでは1,890キログラムのCO2をトータルで使いましたとか、例えばよその輸入住宅があったとすると、そこがもし発達すると、そこでは3,000キログラムとかと書かれるかもしれないので、そういう点では、これは地域でやればある程度有利ではないかな。あと算定範囲が非常に長くて、ここに書いてあるように原料調達から生産して売って、その住宅のメンテナンスをして、最後に廃棄するまでのことが全部その一通りの流れの中で証明していなければいけないので、その証明だけでもくたびれて非常に難しいとは思うのですけれども、それを考えるとやっぱり地域でやったほうが非常にやりやすいのではないかなという感じを受けます。
 あとこれは最後ですけれども、岩手県内、今現在六つのバイオマスタウンがあって結構いろいろあるけれども、共通的なところはやっぱり林業が盛んだということがあるのかもしれないの。ペレットとかチップとかそういうのが入っていて、比較的林業中心でバイオマスタウンが組まれているなという感じがしています。多分これでおしまいだと思います。
 ちょっと早過ぎて、40分ぐらいだったのですけれども。
○亀卦川富夫委員長 どうもありがとうございました。
○山本幸一講師 あと質問があれば答えられるところは答えられますし、そうでないところは持ち帰って後日回答したいと思います。あとお手元に配りましたうちの要覧と、あともう一つは広報、雑誌ですね、第1号と第2号。第1号はバイオマスの話をしています。第2号は洞爺湖サミットがあったので、森林の吸収力ということを特集してあるやつを持ってきました。
○亀卦川富夫委員長 どうぞおかけになってください。
○山本幸一講師 はい。
○亀卦川富夫委員長 それでは、これより質疑、意見交換を行います。ただいま御講演をいただきましたことに関し質疑、御意見等がありましたら、皆さんからお願いいたします。
○佐々木大和委員 いろいろ今の最先端のお話をいただきましてありがとうございました。
 私は岩泉なのですけれども、まつたけ研究所を昔20年ぐらい前にやりまして、吉村先生に15年間岩泉に来ていただいて、森林総研の先生方にいろいろお世話になりました。そのときに先ほどの炭素の吸収を反対にとらえて酸素の生産、発生量、酸素1番が岩泉なのだという計算を若手のメンバーが20人ぐらい集まっていろいろ森林総研なんかから教えていただきながら基礎データは森林総研の皆さんにいただきながら面積で静岡と最後は競争になりましたけれども、岩泉が1番ということに当時はなりました。今は合併したものですから、面積ももう変わっていますが、前の3,200ぐらいの市町村の時代にそれをやったら岩泉が1番になったのです。そのときにいろいろ教えていただいたのですが、私は直接的にはそこに入らないで、みんなやってもらったものですから、確認したいのですけれど、きょうのお話では、やっぱり炭素の吸収というときには木の成長量いいものが吸収量は多いという判断をしていていいわけですか。
○山本幸一講師 基本的に僕はそうだと思います。
○佐々木大和委員 それで、年輪をつくるのは炭素を吸収するところから逆になったときに、あれが年輪なのでしょうか、木の年輪。
○山本幸一講師 木はほとんど炭素と水素でできているのです、有機物なので。ですから、酸素を吸収、要するに自分の体に炭素をため込んでいるので、年輪をつくっているときには……
○佐々木大和委員 炭素を出す時期がありますね、枯れた時期というか。
○山本幸一講師 そうですね。
○佐々木大和委員 その年輪の出る時期をちょっとですね。
○山本幸一講師 要するに、年輪ができている時期というのは二酸化炭素を吸収している時期ですよね、トータルでは。自分で生きているので、例えば夜は呼吸をしているので、出てきますよね、CO2が口から出るように。でも、一日を考えると夏は自分の体にいっぱいべたべた、べたべた炭素をつけているので、粘土のように。ですから、出入りを考えると、やりくり考えると夏は二酸化炭素を空気中から全部とっていると考えているのですけれども。ただ、酸素の放出が多いということは、要するに自分の体に炭素をべたべたとつけているときにも夜というか、呼吸はして……呼吸ではないですね、要するに炭素をとったときに酸素は出しますよね。その酸素が多いということになると思うので、いずれにしてもやっぱり山が活発なところというのが酸素もたくさん出るというふうに考えていいのだと思います。
○佐々木大和委員 それで、針葉樹と広葉樹と、この絵ではみんなあるわけですが、特に常緑の針葉樹の場合と落葉の広葉樹との比較のところでどっちがどうだかというのと。
○山本幸一講師 そういう話があったですね。
○佐々木大和委員 ええ。データをもらったのがあると思うのですけれども、ちょっと漠然とし過ぎていたのですが、あと樹種がこの辺は割と固まっていますので、針葉樹もありますし、スギ、カラマツ、アカマツというのはほとんど植林がメインなのですが、あとは広葉樹の場合もシラカバから下になればナラとか、上のほうにいってブナですけれども、低いほうが割と多いものですから、そういう意味で樹種によってもこの差が相当あるように聞いたのですが、その辺のデータがあれば、どれが一番そういう意味で炭素の吸収量が多いのか、酸素の生産量が多いのか、その辺を教えてください。
 もう一点、ここの場合アカマツ、秋田はスギ、青森はヒバということになるのですが、アカマツが天然から何からで、それでまつたけ研究所もできたのですけれども、アカマツに対しての対応というのが最大課題になると思うのですが、先ほどから伺っていて土木資材としての、くいを昔は確かに使いました。それで、最近そういうのはないのですが、水道管もアカマツでつくっていましたけれども、そういうところがあるのです。パイプがないときは木でつくった時代、ぬれっ放しになればアカマツは強いものですから。そういう意味で、土木資材としてのアカマツについて何かこれからの可能性についてお伺いしたいと思います。
○山本幸一講師 最後のほうで、そっちのほうが答えやすいので、まず土木資材についてのアカマツから考えますので。
 まず一つ、今初めてこのあたりで水道管をアカマツでというのは初めて聞いたのですけれども、江戸時代の遺跡なんか調べていると、これは汐留をちょっと調べさせてもらったのですが、伊達屋敷の跡あたり、やっぱり管なんかは全部木でつくって、それを巻くひもなんかもシュロのひもで巻いていたり、くいも全部地のアカマツだったので。やっぱりアカマツというのは、一般論としては手に入りやすいということもあったのかもしれないですけれども、土に入って水の中にあるというか、そういう地下水があるところでは非常に耐久性が高いというふうに言われているので、でもそれ余り証明はされていないのです。実際にそういうところで残っているからというのですけれども、もしかしたらアカマツが一番手に入りやすいし、くいとしては強度があるので、スギをくいにするということは余り一般としないですね。でも、スギも同じときにもし突っ込んでいれば多分同じぐらいに腐らなかったと思います。だから、やっぱり適材適所で、強度もあるし、比較的長いものもとれるし、そういうことでくいに使ったのだと思います。ですから、これからもやっぱりアカマツというのはそういうところには、特にこのぐらいの小径木で余り使い道ないというのを土木に使うというのはいいことだと思います。まず、それが一つ。
 あとさっきフロンティアに使うという話があったのですけれども、その場合だとどういうものがいいのか、とくに液状化を防ぐためには、昔、大正何年かに丸ビルをつくったときに下にくいをたくさん打ったのですが、そのときにアメリカから輸入したベイマツという松で、今は日本では余り使ってないかもしれないですけれども、長さ15メートルぐらいで直径40センチぐらいです。それがやっぱりそんなに大きな地松が当時はもうなかったので、アカマツからベイマツになったのだと思うのですけれども、やっぱり地元にそういう木があればこれからもくいなんかにはゼネコンでも使っていきたいと、さっきあったように飛島建設のプロジェクトの中に入っていましたけれども、そういう意向は多分あると思います。
 もう一つ、Oがたくさん発生して、CO2をたくさん吸収するという、それを並行して多分、さっきあったタワーなんかでは調べていると思います、CO2だけではなくてOなんかも。それもうちょっと調べられると思うのですが、やっているかどうかまず帰って聞いてみますけれども、私の直感ではやっぱり成長がいい、CO2をたくさん吸収するということはその裏返しで、Oはたくさん出すというふうに考えればいいと思うので、成長がいい林というのはやっぱり酸素をたくさん出しているのではないかといます。それは研究者に聞いたらすぐわかると思いますので、後で御連絡いたします。
 あともう一つ、岩泉が非常にOが多かったというのは、林の種類というのはあるのかもしれないですけれども、やっぱり森林面積が多いというのも当然ですよね。例えばシラカバだとどうだ、ナラだとどうだというのはそんなにたくさんデータがあると僕は理解していないので、その辺も樹種でどのぐらい違うのですかということは専門家がたくさんいますので、聞いておきます。
○佐々木大和委員 岩手県の場合は大体3分の1が国有林ですけれども、その3分の2の民有林の中に機関造林が、昔でいえば公団、県行、公社、三つ入っていたのです。10万ヘクタールぐらいになっています。そういうのが、岩泉の場合は大体2万ある中で1万2,000が機関造林です、4,000、4,000、4,000ぐらいです。そういう格好で、そこの種類がスギとカラマツとアカマツということで3種類をほとんど植えているという実態なものですから、これの間伐を今やらなければならないということで進めているわけですけれども、現実的にはその需要は、今言ったように、次の展開で出口のほうの問題でどこでも困っている。そういう課題が残っています。
 この間、カーボンフットプリントの話を聞いたのですけれども、むしろこっちが、イオンなんかが農業を直接やって、もとからのものをつくって、そして数字を出して商品にくっつけるのでテストしたのです。やっぱりこれらが林業のほうに本当に入ってこれるものでしょうか。農業はこれはテストして、それで三省庁なんかで連携でこの認定の組織つくろうとしているのですけれども、実際には農業のほうは相当影響を受けるのだろうと思うのですけれども、林業のほうではここは起きるものでしょうか、その辺の予測的は話を。
○山本幸一講師 予測できないですね。これについては、この前、委員長をなさっている方は稲葉さんという方で産総研にいたLCAのセンター長をなさって、今東大に移った方なのですけれども、僕は余りよくわからないのだけれども、去年の春に市民のための会議があって、そこでこの話をされたのです。聞きに来ている方にこれとこれがあったら皆さんどっち買いますかということをやって、もうほとんどの人がこっち側で勝っているものを私は買いたいと手を上げて、そんなに市民はこれを大事だと思うのかというふうにびっくりされていたのが非常に印象的なのです。ですからこういう数字が出てくると、どんなものでも最初はそれが日用品、例えばアサヒビールなんかでありますよね、サッポロビールかな。そういうのをつけていくと、どこもだんだんつけていくと林業なんかにも来るのではないかと思うのですが、ただこれ計算するのすごく難しいですよね。ですから、それができないというのがあるので、できるところは、例えば外国みたいなところは強いところができてしまって、弱いところができないとなるとそこだけで不利が生じるということが当然予想されるので、僕はすごく難しいとは思っています。ただ、そういう流れになったときに何か手だてを打たなければいけないなとは思うので、このあたりはやっぱり県のそちらの行政の方たちも一緒に考えていかないとわからないところがあるというふうには思います。済みません、うまく答えられないで。
○喜多正敏委員 極めて素朴な質問でありますけれども、例えばこの季刊の第2号のQ&Aの中に森林の炭素吸収量に関する項目があって、スギの人工林から広葉樹天然林とあるわけですけれども、これは吸収量ということで、先ほどの先生のお話ですと吸収して排出すると。要するにその差額は本来的には吸収になるのかなと思うわけでありますが、この吸収量というのは、その差額ではなくて、ここは吸収するほうの量なのか。それで、普通の人が聞いたときにはこれだけ吸収するのかという大きな数字なのだけれども、例えば排出するとすればその差額が純然たる吸収量になるのではないかというふうに感じると思うのですけれども、質量の中には吸収、排出というのが日本の森林の炭素吸収量の中に入っているわけですけれども、排出するのが書いていないので、ちょっと素朴な疑問をここで、そのことはどうなのでしょうか。
○山本幸一講師 そうですね、わかりづらいですね。多分これはさっきの安比のタワーの話は、1個1個の木を調べるのではなくて、林の上で、林全体では地面の中でも炭素を出したり入れたり、木そのものもしているし、それを上ではかるということをやっているので、出入りということを考えたのですけれども、ここに書いてある吸収というのはたくさんありますよね、スギ人工林とか。この表でいいのですよね。
○喜多正敏委員 はい、そうです。
○山本幸一講師 簡単にいえば木を毎年はかって、体重でいいのですけれども、ことしは50キロだったな、次の年は51キロだったなと、木の太さをはかって、それでこれだけふえたということです。ですから、これは木の体自体の吸収で、さっきの話というのはタワーの上で森林全体で吸ったり吐いたりするのがどのくらいかというので、ちょっとこの話と別で混乱して、僕も極めて理解しづらいところがあるのですけれども。
○喜多正敏委員 わかりました。何となくですね、吸収して蓄積したものと出したものとこの差額が本当であれば吸収量だなと、そういうふうに思う人がいるかもしれないので、そういうような説明があったほうがよりビジュアルにわかるのではないかなという気がいたします。
 わかりました。以上です。
○山本幸一講師 そうですね、出したり吐いたりという話をしていくと非常に混乱するところがありますね。
○喜多正敏委員 だから、もっと言うと幼齢材がだんだん少なくなってきた。一方、成熟材がいろいろ蓄積されて、今やまさに林業が振興される絶好の機会だという見方もあるわけですけれども、もう少し言うと専ら経済界の林業と研究用林というのが林業の価値観があるわけだけれども、建築用材の生産は、これは何とかしなければいけないわけですけれども、こうした地球環境に優しいということでスギとか広葉樹天然林で炭素量と蓄積量が全く違っているわけなので、であれば製造業で言うとプロダクトミックス的な考え方で、建築用材は人工林の場合はこういうふうな形で炭素の吸収はこうだと、これを最適な組み合わせとするにはどうしたらいいかと、するとそれ以外の研究用林とか治山治水もあるわけです。全体トータルの林業に対するマクロ的な考え方とすれば、そうした基点が何か将来は必要になってきて、それが今佐々木委員さんのおっしゃったように末端の部分から、これはこのくらい吸収しているので、これをみんなで、多少値段が高くても地産地消の観点から、あるいは産業振興の観点から買いましょうと、こういうような仕組みにつながっていく、一連の仕組みになっていけばいいのだろうなとちょっと感じました。どうでしょう。
○山本幸一講師 そうですね、これを見れば明らかに人工林と天然林で吸収の量というのがもう毎年、毎年明らかに違っていますものね。だから、そういう観点もあるし、あと一方では建築用材をつくっているという観点もあるので、森林の配置というのが地方、地方によって多分違うと思うので、このあたりも、また行政の話にもなってしまうのかもしれませんけれども、どういう配置にしていったら、県としては一番いいのかということは当然これから考えていく必要がありますよね。やっぱり材としてというだけではなくて、CO2の話もその中に入れていくということが多分これから大事になるのではないかなというふうに今勉強しました。
○岩渕誠委員 いろいろとさまざまな貴重なお話ありがとうございました。
 大きく二つの観点でお尋ねをしていきたいのですが、まずこうした木材利活用という観点でいいますと、今建設資材の関係のお話ありましたけれども、岩手県でも公共事業に木材を使っていろんなことをやろうというのが数年前にあったのですが、問題点となったのはコストの問題ですよね。いろんなところに木材を利用していくということはいいことなのだけれども、結局コストの面で見合わないということが広がっていかない多くの原因かなと思っていまして、そういった意味では、いわゆる技術開発をやる一方でどこまでコストを落とし込めて用材としてできるのかなという、その見通しがどの程度なのかなということと、それからさまざまな用材についてはどうしても林業という性格上、ジャストインタイムで出てこないということで、どうしてもそうなると安易な安価なものに走ってしまうということがあって、これは林業経営に直結する話だと思うのですが、このあたりをまずどのようにお考えになって、今現状として見通しはどうなのかというあたりを教えていただければと思います。
○山本幸一講師 まず、コストのほうはちょっと難しくて、これから考えますけれども、ジャストインタイムに出てこないということで、話を聞いていて、一番の話は、例えばガードレールをつくりますよね、木製で。それで、車がぶつかってバーンとなったときに、即その木材をかえなければいけないという規則になっているらしいので、まず木材をどこかに置いておくというのは非常に今のところ難しいというのがあるので、製品のジャストインタイム性というのはまず非常に大事だと思うのですけれども、それに対する研究というのは、問題は知っていますけれども、恐らくまだうちの森林総研ではやっていないということがあります、製品にとって。
 もう一つ、コストがかさむということについては、うちもコスト的な研究というのはなかなかしていないところがあって、技術は開発するけれども、その値段ということになると、やっぱり使われないということが非常に多くて、なかなか答えができないのですけれども、例えば土木資材でコストを落とすというふうに考えたときに、やっぱり比較的単純な加工でというのが一番いいとは思うのです。一つは、土木なので耐久性が要るというところ、例えば10年もたす、20年もたすというところと、別に成り行きでどうなってもいいというような、そういうものをはっきり峻別していくというようなマニュアルをひとつつくっていく、それに合ったものをつくっていく。例えば15年とか20年とか結構恒久的なものであればそれなりの予算というのもつける理由というのはある程度つくと思うのですけれども、その辺がポイントになるのではないかなというふうには思っています。そのことについては耐久性をやっている人間とは、きのうもちょっと県の試験場、県の林業センターの方ともお話ししたのですけれども、そういうようなしっかりとした指針をつくるのが県としては大事ではないのかなという話をしました。
 直接的な答えでなくて済みませんでした。
○岩渕誠委員 わかりました。本当は右肩上がりの時代ですと、そういうところにこそ行政支援、財政支援というのが必要だとは思うのですが、なかなか今できない状況ですし、例えば建設関係としてもどうやってコストを抑えて工事を進めていくかという中で、確かにそれは木を使ってくださいと。それはいいだろうけれども、ではそれをやってしまうとなかなか今度は入札でとれないみたいな話になってくるので、やっぱり技術開発の観点の中ではコストをどうするというのが恐らくその利活用の部分のようですね、大きいポイントになるのかなと思っておりました。
 それからもう一つ、確かに森林の排出権取引も含めて期待をされていることは大変いいことだと思いますし、今森林資源は大変旺盛だということはそのとおりだと思います。私が数年前から林野庁なんかと話をしていて大変気になっているのは、今のいわゆる機関造林というのは県行造林も含めてですが、今の契約が終わりと再造林しないという方針がほとんどですから、そうすると今の情勢の中では伐採未採地というのが多分出てくる。多分全国の中では数%、伐採した後には再造林をしないということで、自然萌芽で更新するという手もあるのですが、なかなか人工林がやっているところは難しくなっているなということで、期待はしているのだけれども、その後の手当てというのがなかなか今出てきていなくて、混交林とかいろいろして生き延ばすことはやっていると思いますけれども、その辺が一気に少し吸収量が下がってしまうのではないかなという懸念をしているのですが、森林総研さんとしてはそのあたりは何か研究とか課題みたいなものはとらえていらっしゃるのでしょうか。
○山本幸一講師 私は、余りそのあたりは詳しくないのですけれども、知っている範囲ですと、やっぱり伐採跡地をそのままにして再造林しないというのは大きな問題だというのは理解していて、それはプロジェクトでどうやったら植えるインセンティブとかということはやっているとは思うのですけれども、そのあたりの研究については今即わからないので、後で聞いて、どういう研究をやっているかというのはお答えします。
 あともう一つ、やっぱりこれは今おっしゃったとおり、再造林しないと吸収量というのは、その後確保しづらくなりますよね。だから、それに対する考え方というのが研究で今やっているプロジェクトの中に入っているかどうかというのは僕は大事だと思うので、その辺についても聞いておきますので。済みません、答えられないで。
 さっき僕が答えるのを忘れたので、佐々木委員から出口がないとありましたよね、アカマツ、カラマツ、スギ、それもやっぱり今のお話と同じように技術開発の中でこういうものをと言ってもそのコストということを研究の中で余り考えていないということも我々からすればいけないことだというふうに思っています。そのあたりは、もう研究の場から離れたのですけれども、つくばに研究やっているのがいるので、話しておきます。
○亀卦川富夫委員長 ほかにございませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○亀卦川富夫委員長 ほかにないようですので、私のほうから1点お伺いしたいと思います。
 きょうは低炭素という観点から森林の活用、そういった点もお話しいただいたのですが、肝心の山を所有している所有者ですね、この辺の意識についてお伺いしたいのですが、昨年この委員会の前身の委員会で御講演いただいたときに外国資本が日本の山を買いに入る。これは山を買うというと、森林という資材もさることながら水源地ですね、日本の水という大きな資源が外国資本によって買われてしまう、そういうおそれがあるというようなお話を聞きました。その後、昨年新聞報道でも、これはおそれで終わったようでありますが、実際はなかったようでありますが、やはりそういったものはつきまとってくるのではないかと思いますけれども、そういう中で例えば山を持っている方の意識というのは大きな山を持っている、面積を持っている人、あるいは小さなもの、そういったものもあろうかと思います。また、親の代は一生懸命だったけれども、子供さんはもう就職で、簡単にいえばこの地を離れたということで、自分の山がどこにあるのかもわからない。それが相続によって初めてわかるというようなことになったときに、放棄するとか、そういったことで私はその辺の山を持っている人の意識というのが非常に大切な部分のように思うのです。
 したがって、森林総研さんのほうではそういった木そのものの研究のみでなくて、所有している、農業なんかは極めてそういうところはいろいろな政策なんか出てくるわけですが、山、林業というとらえ方というよりも山を持っている、これがいわゆる低炭素社会における、それなりの役割というものがあるわけですが、そういったまず気持ちの部分でというものが必要ではないかと思うわけですが、そういったものに対する研究といいますか、姿勢というものはどういうふうにお考えになっているのかをお伺いしたいと思います。
○山本幸一講師 正直に言うと、うちの職場の中では投資ファンドが山を買っていくということについて、そういうものがあるということは何人かの経営関係の人はみんな頭の中にあるのですけれども、それを社会問題というか、これからの日本との関係で考えていくプロジェクトというのはまだありません。私は、個人的には土地というか、それは資源として、地面があるのでそこに木もあるし、水もあるし、空気もあるわけですよね。だから、そういう資源としてとらえたときに、やっぱりこの土地がいかに大事かということを土地所有者も概念としては大事だと思っているのですけれども、やっぱりそれを保持するのが非常に大変だということもあるので、もしそういう話が来たら売ってしまうということも当然あるわけですよね。ですから、何らかの仕組みをつくっていかないと日本の土地ということ自体も守っていけないし、それをちゃんといいものとして次の世代に受け渡すということもできないので、もしかしたらそこが一番核心的な問題ではないかというふうに私も薄々思っています。
 プロジェクト化するということについては、私もそういう立場にいるので、何人かと話してそういうのをやりましょうよということは言いますので、答えにはなっていませんけれども、そういうことで御勘弁ください。
○亀卦川富夫委員長 先ほど来の話で、また芽が出てきているような感じはするのです。特に企業なんかが目を向けると、そういうような所有とかという意味では目を向けてきてはいると思うのですけれども、その辺ひとつ森林総研のほうで何かの折にというか、ぜひ取り上げていただきたいと思います。そういった意味での行政とのタイアップということを考えていただければと思います。よろしくお願いします。
 ほかにございませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○亀卦川富夫委員長 ほかにないようですので、本日の調査はこれをもって終了いたします。
 山本様、本日はお忙しいところをまことにありがとうございました。
○山本幸一講師 きょうはいろいろ質問もいただいて、私としてもたくさん勉強しなければいけないなということもあるし、あと今の話を研究に生かすということもこれからしていかなければいけないなと思ったので、非常に実りある1時間半だったので、皆様に御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○亀卦川富夫委員長 委員の皆様には次回の委員会運営等について御相談ありますので、しばしお残り願います。
 次に、9月に予定されております次回の当委員会の調査事項についてでありますが、参考人を招致したいと思います。参考人は、東北大学東北アジア研究センターの教授の明日香壽川さんをお招きしたいと思います。「地球温暖化対策をめぐる最近の動向と今後の課題について」ということで調査を行うこととしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。


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