行財政構造改革等調査特別委員会会議記録

行財政構造改革等調査特別委員長 小田島 峰雄

1 日時
  平成21年1月21日(水曜日)
  午前10時4分開会、午前11時55分散会
2 場所
  第1委員会室
3 出席委員 
  小田島峰雄委員長、久保孝喜副委員長、佐々木博委員、工藤大輔委員、高橋昌造委員、
 高橋元委員、佐々木大和委員、柳村岩見委員、嵯峨壱朗委員、飯澤匡委員、
 及川あつし委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  蛇口担当書記、菅野担当書記
6 説明のため出席した者
  北海道大学公共政策大学院教授 宮脇 淳 氏
7 一般傍聴者
  2人
8 会議に付した事件
 (1) 調査
   「地方財政を取り巻く現状と今後の課題について」
 (2) その他
   ア 次回の委員会運営について
   イ 委員会県外調査について
9 議事の内容
○小田島峰雄委員長 ただいまから行財政構造改革等調査特別委員会を開会いたします。
 本日はお手元に配付いたしております日程のとおり、「地方財政を取り巻く現状と今後の課題について」に関する調査を行いたいと思います。
 本日は、講師として北海道大学公共政策大学院教授の宮脇淳様をお招きいたしております。宮脇先生、一つよろしくどうぞお願いいたします。宮脇先生につきましては、簡単に略歴を紹介いたしますと、先生は日本大学法学部を卒業され、その後、参議院事務局、日本総合研究所調査部を経て1996年に北海道大学法学部・大学院法学研究科教授に御就任、1998年に日本総合研究所調査部主任研究員に転じ、同年10月から北海道大学法学部教授に復帰をされ、現在、北海道大学公共政策大学院教授をお務めになっておられます。
 御専門は、財政学、行政学分野で、これまで総務省の地方分権21世紀ビジョン懇談会委員、2007年4月からは内閣府参与、地方分権改革推進委員会事務局長を務められるなど、地方分権の第一線で御活躍の方であります。
 また、本県におきましても、平成13年度に岩手県行政経営推進会議委員長として県政運営に御協力いただいた方でもあり、地方自治体の行財政問題、ひいては本県の状況にも深く精通されている方でもあります。
 本日は、「地方財政を取り巻く現状と今後の課題について」と題しまして、これまでの地方行政、財政の問題点、財政再建の方向性、さらには第2次分権改革の展望と当面の課題等について貴重なお話をいただくこととなっております。
 これから講師の御講演をいただくことといたしますが、後ほど講師を交えましての質疑、意見交換の時間を設けておりますので、御了承願いたいと思います。
 それでは、北海道大学公共政策大学院教授の宮脇様、よろしくお願いを申し上げます。どうぞこちらにお越しいただきたいと思います。よろしくどうぞお願いします。
○宮脇淳講師 それでは、改めまして御あいさつをさせていただきます。北海道大学の宮脇でございます。よろしくお願い申し上げます。
 本日は、これから1時間半弱お時間をいただきまして、ただいま委員長から御紹介いただきました地方財政を取り巻く現状と今後の課題ということで御報告をさせていただきたいと思っております。委員の皆様のお手元に資料を、少し厚いものですけれども、配っていただいております。
 大変恐縮ですけれども、これからの流れを簡単にまず御紹介させていただきたいと思います。最初に、表紙をめくっていただきまして、地方分権改革、現在政府で地方分権改革推進委員会というのを設置いたしまして、ことしがまさに大詰めの年に入ってまいります。また、本日のテーマでございます財政問題につきましては、第3次勧告ということで、ことしの春から夏にかけてこれを取りまとめることになっておりまして、この動向につきまして御報告をさせていただきます。そして、下のほうの私の鉛筆書きの汚い字で恐縮ですけれども、10ページ目をお開きいただきますと、2といたしまして地方税財政の現状と今後ということで、ここ数年足元も含めました地方税財政の問題点を御紹介させていただきたいと思います。特に昨年以降起こっております国際金融危機の問題は、2008年度もそうですけれども、2009年度財政に対しまして大きな影響を国、地方を含めてもたらすものとなります。こういった問題を含めまして御報告をさせていただきます。そして、最後になりますけれども、ページ数でまいりますと25ページ目でございます。3番目といたしまして、委員の皆さんも御承知のように、地方財政の健全化法というのがこの4月から本格施行されるということになってございます。一方で、この本格施行を行いますと、第三セクターの問題ですとか地方公営企業の問題、あるいは病院の問題といったようなことがこの指標に大きな影響を与えます。また、今回行っておりますいろいろな地方財政対策というのがございます。この地方財政対策に伴いまして、地方債の増発というのを行っているわけですけれども、現行の法制でいきますと、その地方債の増発というのがまた指標に影響を与えてくるということで、この辺の問題というのをどうクリアしていくのかといったようなことにつきまして、先生方の今後の御審議に一つでも参考になる御紹介ができればと思っております。
 そこで、2ページ目、まず地方分権改革推進委員会の点につきまして御報告をさせていただきます。
○小田島峰雄委員長 宮脇先生、どうぞおかけになられまして。
○宮脇淳講師 ありがとうございます。委員長、許していただけるでしょうか。これ職業病だと思うのですけれども立ってしゃべるものですから、座ると急にうまく発言ができなくなってしまう。
○小田島峰雄委員長 わかりました。
○宮脇淳講師 申しわけありません。それで、まず今回のスケジュールからでございますけれども、今、足元というのは平成20年のところの12月初めと書いてある部分でございますが、第2次勧告というところまで来ております。もう既に3分の2が経過をしているわけでございます。平成20年5月末というところに第1次勧告というのがございますけれども、この第1次勧告では何を行ったかといいますと、事務権限の移譲ということで、県内でもいろいろと御議論があろうと思いますが、代表的なのは道路、河川、こういったものの県への移譲、移管という問題、例えば県内での完結河川については国から県のほうへ移していただきたい。その内容は、1級河川のまま移していただきたいといったようなことをここで勧告をいたしておりまして、その後道路、河川につきましては国交省との間で各都道府県間での協議というのも行われている、そういうものを中心に事務権限の移譲というのを勧告いたしております。
 そして、第2次勧告につきまして若干御報告をさせていただきますが、第2次勧告というのは出先機関の見直しの問題、それから法律によって非常に地方自治体の活動を制約している、義務づけ、枠づけというものを取り払っていって、地方議会における立法機能での充実を果たしていきましょうというものが第2次勧告でございます。この内容につきましては、この後、若干お時間をいただいた上で整理をさせていただきます。
 第3次勧告ですけれども、一応5月ですとか6月、公式には春から夏と言っております。実は春から夏という表現は、これ季節感でございますから、沖縄から北海道までございますので、北海道へ行きますと春はほとんどないということになりますけれども、大体5月か6月が一つの山場を迎えるかというふうに思っております。その後、地方分権改革推進計画というのを閣議決定していただき、さらに新分権一括法案を国会に提出するということで、委員会での審議期間というのは実はあと残されるところ、多くても4カ月ないしは5カ月という状況でございます。この新分権一括法案の国会提出につきましては、前増田総務大臣がことしの秋にも臨時国会が開かれる場合においてはそこにも提出をしたいというふうに政府部内で取りまとめをされておりまして、非常に時間が切迫をしているという状況がございます。
 今の御紹介というのは全く政治というものを前提としていないということなのですけれども、我々にとって非常にリスクと言うと怒られるのでしょうけれども、注目しなければいけないのはやっぱり衆議院の解散がいつなのかという問題でございます。任期満了近くで解散が行われると、我々としては第3次勧告を行った後に政府に勧告を行い、一度一巡をした後に政府のほうで計画をつくり、計画はつくった後に衆議院解散という状況で、仮にその後の政権が現政権と違う形になっているということになりますと、これは地方分権改革推進法自身を再検討するということもあろうかというふうに思っております。といいますのは、地方分権改革推進法自体は時限立法でございまして、この2ページ目にございますように平成22年の3月で法律の有効期限が切れてしまうという状況にあるわけでございます。したがって、これは政治によってかなり流れ方というのは変わってまいろうかというふうに思っております。
 恐縮でございますが、次のページをめくっていただきまして、3ページにつきましては今、御紹介したような今後の審議状況等につきまして、やや細かく整理をさせていただいているものですけれども、4ページ目、下のほうを御覧いただきたいと思います。これは、第2次勧告の内容についてポンチ絵的に整理をしたものなのですけれども、細かいことは別といたしまして、左上のところで大変見づらくて恐縮ですが、第1章と書いてあるところの下に見直しの基本的考え方というところがございます。最初の白抜きの丸のところの下線部で、地方政府の確立という言葉がお目にとまるかと思います。今回の第2次分権改革につきましては、委員会といたしましていわゆる立法分権というところに非常に軸足を置いております。といいますのは、第1次分権改革、2000年に実際に施行されたものですけれども、これが行政分権の領域にとどまっていた、いわゆる機関委任事務の廃止という問題にとどまっていて、意思決定を行うというところについてはほとんどこれは充実がされなかったというふうに思っております。そこで、地方政府という「政府」という言葉を使いまして、立法権の充実を図るというのが今回の大きな目的になります。
 そこで、二つ目の白抜きの丸で、国の法令を上書きするという表現が出てまいります。これは、法律によりまして、あるいは政令などにおきまして余りにも事細かく地方自治体の活動について規定をし過ぎているという前提に立っております。先生方も御承知のように第2次分権改革で通達というのを事実上廃止しております。ところが、その結果何が出てきたかというと、従来通達で規定していた事項を法令事項に格上げするという行動が霞が関の中で起こったということでございます。つまり中央集権が強化されてしまうという流れでございます。
 これに対しまして、そういったものはそもそも憲法第92条における地方自治の本旨、これに反するものであるという考え方をとる中で、法令で規定している内容であったとしても、地方自治体の活動を事細かく規定するものに対しては地方議会の御判断によって条例でそこに上書きすることができるというものでございます。こういうものをまず自治事務と言われる部分から実施をしていきたいというふうに検討をいたしているわけでございます。
 大変細かい話になって恐縮なのですけれども、岩手県さんが今、担ってくださっている事務というのは、法定受託事務というのと自治事務というのに大きく分けられることになります。ところが、これをよく調べてみますと、自治事務のほうに対する関与のほうが大きいという部分がかなりございます。法定受託事務であれば、これは国が法定しているので一定の面倒を見ながら枠づけ、義務づけがあってもやむを得ない部分というのが一方ではある。しかし、自治事務については、自由にやらせていただきたいというのが基本理念でございます。霞が関のほうからの回答で言うと、ほとんどが自治事務であるけれども、関与したいというのが回答でございます。我々としては、自治事務は自治体の事務なので、自治事務に関与したいのであれば、それを法定受託事務に移行してくださいということでございます。法定受託事務に移行するためには、自治法に記載をしなければいけないという形になります。もしそれが嫌であるならば、条例による上書きを認めてくださいというものでございます。
 その結果、ここにございます3のメルクマール該当、非該当のところですけれども、先生方、どのくらい自治事務に関する事項があるかといいますと、これが我々委員会が棚卸しするまで実はわからなかったという状況だったのですけれども、棚卸ししてみますと、事項数でいきますと実は1万2,000くらいなのです。全体の条文数でいきますと、大体400件ぐらいの条文数になりますけれども、事項数でいけば1万を超えてくるということで、条項数で数えて大体半分は上書きの対象にすることができるだろうというふうに今検討しているのです。ただ、この問題も補助金で、要するに拘束してくる可能性があるわけでございます。義務づけ、枠づけで条例で法令を修正したとしても、それは法律上の問題でございまして、実際の執行については補助金というのがあるわけでございますから、補助金要綱で縛ってくるというやり方がある。ということになれば、第3次勧告の税財政の問題で補助金改革をしませんと、義務づけ、枠づけに関する上書き権が本格的には機能できないという問題が出てくるわけでございます。わかりやすい整理でいきますと、今、政府のほうで御検討いただいている給付金の問題でございます。御賛否は別といたしまして、これは法律事項にはなりません。これは、法律では規定するものではなくて、予算措置としてやるわけでございます。予算を配付するときの予算の要綱ということで地方自治体を縛ってくると。ですから、本来であれば法律上の事務事項でいきますと自治事務に該当するわけですから、したがって自治事務ですから条例でいろんなことに使うということも可能な対象になります。ところが、予算事項で縛ってきますから、結局は言われたとおりにやるしかないというものである。こういったものでもやはり予算事項との関係というのが問題になるわけでございます。
 それから、おめくりいただきまして5ページ目でございますけれども、これがいろいろと御議論いただいております国の出先機関の見直しの問題でございます。これにつきましては、わかりやすさということで、7ページ目を御覧いただきますとおわかりいただけると思います。7ページ目ということで、参考、組織改革の方向性(イメージ)ということで、私どもが提示をいたしました出先機関改革につきまして、その方向性というものを図式化したものでございます。左側のほうに地方農政局から始まりまして、一番下のところには地方航空局というところまで並んでおります。私どもが見直しのまず対象とできたのは、ここに並んでいる地方出先機関であるということでございます。といいますのは、この出先機関の数を数えていただきますとたしか15あるはずなのですが、この問題というのは分権の議論から実は正直言いますとスタートしたものではなくて、経済財政諮問会議というところから実は振られて、検討しろという話があって検討したものだということであります。分権の視点からいいますと、ここから外れている出先機関というのに非常に重要なところがございます。例えば財務局ですとか行政評価局ですとか、いわゆる総務省系ですとか財務系というところの出先機関も地方自治体に対して大きな影響を与えておりますし、もっと言いますと警察関係なども実は道路の占有の問題ですとか、こういった問題で非常にまちづくりなどに対しても影響を与えているわけでございます。したがって、今回の出先機関の改革の対象というのが非常に中途半端であるというのはそのとおりでございます。したがって、もっとやるのであれば広範にわたってこれを議論する必然性があるということがまず一つということです。
 それと、もう一つは右側のほうの問題で、地方振興局とか地方工務局といったような非常に大きな出先機関をくくった部分が出てまいります。これは、もちろん現行の出先機関の業務というのを都道府県に移管をする、あるいは地方に置く必要性のないものは国に戻すといったような形でスリム化した結果であるということなのですが、それにしてもかなり大きな権限を持つということになっています。これは、事務局長という立場ではなくて、大学の研究者という立場で申し上げますと、この総合出先機関というのは、これから分権の進め方、あるいは道州制議論の進み方によって地方に移管をされていくのか、それとも中央集権型にいくのかというのは未知数であります。今、どうしても残さざるを得ないというのは、いわゆる県をまたいだ業務についてどうしても残さざるを得ないということはございます。例えば県をまたいだ河川があるとか道路があるとか、あるいは高速バスなんかこの典型なのですけれども、県をまたいで高速バスが運営されているとか、船の航路があるといったようなことで、これをどうやって管理するのかといったような問題がある。ですから、そういうことからいうと、こういう総合出先機関をつくらざるを得ない。ただ、その理屈でいきますと、実は北海道には要らないのではないかという議論に今度はなるわけですけれども、総合出先機関につきましては、その上に地域振興委員会というのがございます。これは、従来の連絡協議機関ではございませんで、意思決定機関という意味で知事の皆さんですとか、あるいは民主的に選出された市町村のトップの方々というもので構成して民主的なチェックをかけましょうというようなことを意図しております。
 今回この問題について、分権の観点から議論があるとすれば、まず一つ、地域に投資されるこういったいろいろな財政分野のお金について、その使い方が地域からの民主的なチェックがきかないという問題があるわけです。これは、先ほど委員長にも御紹介させていただいたのですけれども、先生方、関東地方整備局という我が国でも一番大きい出先機関ですけれども、ここで年間使われている予算額が幾らかということでございます。これは、補助金とか全部含めてですけれども、関東地方整備局で使っているのが2兆4,000億円から2兆6,000億円でございます。もちろん国会で議決を受けたものですけれども、実際にどこに配付をするか、箇所づけするかという問題は、これは事実上局長の差配になるわけでございます。これが大量に地域にいろいろと投資されるという形になります。2番目の近畿地方整備局でも1兆6,000億円から1兆8,000億円という状況でございます。やはりまちづくりに決定的な影響を与えるこういう問題については、下からの民主主義、地域からの民主主義というものでやはりチェック等がかけられる、あるいは政策決定に関与できるという形にすることが必要であり、そのことが将来の道州制をにらむのであれば、重要な土台になるだろうと思います。
 それから、これも御承知のとおりですけれども、直轄事業負担金の問題でございます。県で一つの橋をつくるとか道路をつくるということになりますと、極めて細かい積算をした上で予算額を決定し、執行するということになろうかと思います。先生方、御覧になったことがあると思いますが、直轄事業負担金、例えばこの事業について岩手県に直轄事業負担金は幾らになりましたと。この書類というのは、極めて簡単だということであります。決算書類としては、場合によっては2、3枚で済んでしまうということでございます。積算根拠がわからないというのに等しいわけでございます。これは、やはり地方財政に対して自立を求めていくのであれば、本当に適切な直轄事業負担金なのかどうなのかということについては、チェックをかけていくと。今なぜそういうところがうやむやかといいますと、これも御承知のように今問題になっていますが、道路などでも直轄事業負担金の部分があると思います。マクロ的に見ますと、この負担金部分がほとんど補助金としてこれに入るわけです。道路補助金として入ってきた部分がマクロで言うとほぼ国庫のほうに戻るという形になっております。個別に箇所づけされてくるものですから、どうもそれがリンクをしないのですけれども、マクロ的に見るとそういう構造になっているということで、直轄事業負担金のところをもう少し精査に検証できるように。分権委員会の基本的な考え方としては、直轄事業負担金についてはできるだけ廃止をしていただきたい。このような考え方は持っておりますけれども、これも税財政の問題ということになる。
 こういう出先機関のことにつきましては、8ページを御覧いただきますとおわかりいただけるのですけれども、実は地方分権改革推進法ですとか、そういったものにも先行いたしまして、ここはいろいろと何だかんだ書いておりますけれども、年度内であることしの3月31日までに政府として工程表を作成するということになっております。事実上2月の末あたりからこの7ページ目で御覧いただいている出先機関改革に向けた工程表というのが政府部内で議論をされ、そして工程表という形で年度内には公表されるという形になります。分権よりも一歩先んじてこのことは先行していくということになってまいります。
 以上が地方分権改革関係でございまして、いずれにいたしましても第3次勧告で税財政に関する部分がきちっと整理されないと、第1次勧告、第2次勧告につきましてもこれを担保する明確なものが提示できないということでございまして、この1月から議論を再開させているという状況でございます。
 きょうの御議論の中心でございます地方税財政のほうに入らせていただきます。9ページ目の大都市制度問題につきましては、税財政と絡めて御紹介をさせていただきます。
 11ページ目を御覧いただきたいと思います。これは、どこでもよく言われる少子高齢化の問題でございます。これを改めて御紹介させていただきたいと思いますけれども、厚生労働省の人口推計をベースにいたしましてイメージ図を描いたものですけれども、現在足元で1億2,000万人台、それが上のほうを御覧いただきますと2050年ごろにはどこにいくかといいますと、この一番下の線、少子化が一番進んだ場合ですけれども、この線でいきますと大体8,000万人台に入ってまいります。あと40年で8,000万人台に入ってくる。8,000万人台というのはいつのレベルかといいますと、実は終戦直後のレベルということになります。さらに、50年先に伸ばしていきますと、22世紀を迎えるときにはほぼ6,000万人台に落ちます。6,000万人台の前半なのか、真ん中なのかということは、これからの少子化対策によりますということでございます。したがって、ざっくり言いますと半分になりますということでございます。したがいまして、これは過疎地域だけの問題ではなくて、都市部も含めた全体の問題ということになってまいります。
 私が今おります札幌市ですけれども、実をいいますと札幌市は200万人台にのせるということが見込まれていたのですけれども、189万人で頭を打ちまして、人口が減少に入り始めております。ですから、予想以上にこの人口減少というのが激しいということでございまして、これは2050年段階になりますと、東京都下と言われるところでも人口減少局面に急激に入ってまいります。23区の中でも周辺部分においては人口減少で、増加をするのはわずかで、港区ですとか千代田区ですとかああいったところに限定されてきて、結果として労働力人口も減りますので、通勤地獄はなくなるという状況が出てくるということになってまいります。
 下のほうは、65歳以上人口の割合ということで、今の図とは逆の方向を向いておりまして、低位というものが上に向いております。今までの65歳以上人口、要するに高齢化率ですけれども、全国平均は足元で大体17%ぐらいです。ところが、2050年になりますと大体平均で40%に乗ってきまして、そして100年後になりますと大体50%という状況になってくるということになります。
 上のほうの総人口のほうに戻っていただきまして、先生方、ちょっとかたい話が続いておりますので、柔らかい話をさせていただきたいと思いますけれども、1950年、つまり人口が6,000万人ぐらいだったときの我が国の経済規模というのを今のアジアの国に置きかえると、どの国が一番近いかというふうに思われるでしょうか。終戦直後の我が国の経済規模というのを今のアジアの国に置きかえた場合です。これは、統計で私なんかは見る以外にないのですが、大体どのくらいかなというふうに想像していただきまして、これは北大の学部生の一般教養の授業で聞きますと、大体返ってくる答えがフィリピンですとかベトナムですとかインドネシアかなとかと、そういう答えが返ってまいります。正解はミャンマーという国の経済規模を大体2割下回るとなってございます。先生方、これはミャンマーには大変失礼なのですが、ミャンマーがわずか50年でアメリカに次ぐ経済大国になると立証できる経済学者とか経営者というのはまずいない。日本という国はそれをやってのけた国でございます。非常に経済政策としては、過去においては成功した国でございます。世界史の中でも現代においてはこういう成長を遂げた国というのはございません。中国でもまだ遂げておりません。ということで、逆に言いますと異常な時代だったということでございます。この異常な時代を前提とした制度というものが組まれてしまったというのが今までの制度でございます。いわゆる簡単に言いますと右肩上がりということが前提となってしまっておりますということがまず1点でございます。これは、御承知のように右肩上がりはもう終わってしまっていますということが言えるわけでございます。
 そういうことを前提として考えてまいりますと2点ございます。これは、下の図の高齢化率の図もあわせてなのですが、今まで我が国におきまして国の財政も地方財政もなぜ回ってきたのかという問題でございます。これは、二つ要素がございます。一つは、猛烈に貯蓄があったということでございます。
 これも先生方、予想していただきたいのですが、1960年代から1970年代にかけましては日本の国民ってどのくらい貯蓄していたかということなのです。100万円所得があると、どのぐらい貯蓄に回していたかということでございます。例えば100万円所得がありますと、日本の国民は60年代から70年代にかけてどのくらい回していたというふうに想像されるでしょうか。毎月100万円所得がありました、そのうち郵便局とか銀行に持っていったのがどのくらいあるかなということなのです。大体平均値で言うと100万円のうち40万円回していたのです。もちろん年金ですとか、そういうのも含めます。全部、生命保険とかも含めてなのですけれども、40万円回していました。しかも、この岩手県でも駅からここへ来るまで外資系の看板というのは並んでいますけれども、そのころは今のように外資系なんかがほとんどいなかった時代でございます。ということは、国内でなされた貯金は国内で使うという構造だったわけで、ほとんど外に回りません。したがって、郵便貯金なんかで財政的な使い方ができたという時代でございます。今、足元で100万円所得があると幾ら貯蓄しているかという、これ日本銀行の統計なんか出てまいりますが、40万円なんかとてもできない。マクロ的に見ますとどのくらいだと思われるでしょう。
 (「20万円」「1割10万円」「1割以下だな」「15万円」と呼ぶ者あり)
○宮脇淳講師 何か逆の競りをかけているような感じですけれども、先生方、そのとおりでございまして、実は2万円でございます。100万円のうち2万円です。しかも、2万円という数字が出てくる、プラスの数字が出てくるのは団塊の世代が退職しているおかげなのです。いわゆる退職金が入ってくるので、その退職金が金融機関に預けられる。これが全部抜けますとマイナスに入ってきます。つまり貯蓄を取り崩す時代に入ってくる。そうしますと、今まで国債とか地方債をお願いしていた貯蓄が、緩やかでございますがだんだん総量として減ってくるという問題がございます。今回の国際金融危機でちょっと逆に息をつくかもしれませんが、海外に漏れていく部分もございます。例えば私ども日本の銀行に貯蓄しましても、銀行自身はそれを外へ運用してしまうということがあるわけでございます。そうしますと、地方債等に入ってくるものがなくなってくるということで非常に大きな問題です。この問題は余り時間を割いている場合ではないのですが、ぜひ地元金融機関と議論されるときに、これからもうちょっと中期になりますと相続が起こります。今の70代、80代というのは比較的ストックが厚い層です。このお子さんたちは、これから都市部にお住まいになられている比率が非常に高いと思うのです。農村部でストックを持って貯蓄を持たれている親のお子さんは都市部にいます。相続が起こります。そうしますと、農協、漁協とか信金、信組という、要するに地方にあった金融機関にためられている貯蓄が都市部に振りかえられる。これは、北海道ではもう起こっておりまして、そうしますとこれはだめだと言えないわけです。そうしますと、地元の金融機関で地元の市町村に短期貸ししていたお金ですとか、こういうもののボリュームが減っていってしまって自治体のほうに融資をするボリュームが落ちてきてしまうという現象が北海道のオホーツクなんかのところではもう起こってきています。今後緩やかながらも全国的に起こってくる問題でございます。これは金融面です。
 それと高齢化が進んでいくことによって、これから市町村で一番きつくなっていくのは実は大都市部です。急激に悪くなっていく。大都市部の中でもどういうところが一番急激に悪くなるかというと、盛岡の周りでもあると思いますが、要するにベッドタウンのところです。
 (「やばい」と呼ぶ者あり)
○宮脇淳講師 そうですか、済みません。ベッドタウンのところは非常に急激に悪くならざるを得ません。これは、北海道でいいますと札幌市ではなくて、その周辺に、先生方、札幌に来られるとき車で来られるか、列車で来られるかわかりませんけれども、千歳空港から来ますと北広島ですとか、ちょっと外れまして江別ですとか、小樽とかいうところ、ここは札幌市の通勤圏でベッドタウンになっているところでございます。ここが急激に悪くなります。なぜかといいますと、一番わかりやすい例で申し上げますと、横浜市なんかの例で説明するのが一番いいと思います。もちろん市町村ですと固定資産税が多いのですけれども、地元の財政に占める住民税の割合が高ければ高いほど震度が大きいということでございます。横浜市というところは隣に大東京があるものですから、本社の比率というのは非常に低いのです。日産とかありますけれども、ないところです。先生方、御記憶にあるでしょうか、90年代にトレンディードラマというのがはやりまして、ベッドタウンがどんどん造成された。横浜のみなとみらいのほうではなくて、山のほうです。青葉区ですとか港北区という田園都市線沿いです。この辺の世帯は平均所得はどのくらいだと思われますか。我が国の平均所得は、全国でいきますと大体500万円です。
 (「1,500万円」と呼ぶ者あり)
○宮脇淳講師 そうなのです。平均所得は一千五、六百万円。これに対して住民税がかかっていますから、横浜市は今非常に裕福です。ところが、退職すると高いとはいえ、どかっと落ちるわけです。横浜市みたいに急激に落ちなくても、江別市だとか北広島なんかもやっぱり同じです。北海道はおもしろいところで、公務員が所得が高いです。公務員ですと、大体道庁なんかを退職するときには、給与が平均で700万円から800万円、札幌市ですと部長クラスでいくと1,000万円以上いきます。こういう公務員比率が高いところほど落ちるわけです。そうしますと、住民税が落ちて、一方で医療費ですとか社会保障関係が上がります。
 大都市部で横浜なんかの例でいきますと、高齢者で動ける方は大都市部に集まってきてくれるわけです。横浜市は360万人になりましたけれども、区ごとの人口移動を見てみますと、外から入ってくる部分は65歳以上の増加がほとんどです。札幌市もそうです。ということになりますと、財政が急激に都市部で悪化をいたします。これは悪化のスピードという意味です。悪化をしていってしまう。ですから、分権の議論の中で、やっぱり大都市部が非常に陳情が多いです。これは、やはり従来と違うところです。
 一方で地方のほうはどうかといいますと、都市部でもこれは長期的には起こるのです。先生方、あと10年から15年たつと地域で、過疎地域で一番の産業というのは何があると思われますか。1次産業なのか、2次産業なのか、3次産業なのかという問題です。2次産業というのはなかなか難しいわけですけれども。
 (「1次産業」と呼ぶ者あり)
○宮脇淳講師 そうですよね。大体1次産業で頑張りましょうということなのですが、もちろん1次産業で頑張っていただかないといけないのですけれども、結果としては年金所得です。年金給付金が地域に入ってくる所得のトップであるという地域がかなり多くなっています。こういうものに対してどういう仕組みをつくっていくかというのが非常に重要になってまいります。北海道というところは、こういう問題が先に出てくるところなのです。ですから、非常にある意味で興味深いと言うと怒られるのですけれども、我々財政とか行政をやっている人間からしますと社会的な検証というのが先行してできるという、そういう地域になっています。
 (「先進事例だ」と呼ぶ者あり)
○宮脇淳講師 ありがとうございます、先進事例でもいろいろとあるということです。今回、地場の一番の地方銀行の北洋銀行に公的資金が入ります。これは、ある意味で広がっていくと思います。次にきついのは地方銀行で、特に昔で言う第二地銀系です。といいますのは、この決算期に向けて非常に建設業界等も含めて資金繰りはどこでも苦しくなります。それと地元の経済情勢というのは全体的に実態経済上で悪くなりますので、やはりそういうものに備えて公的資金を求めていくということは必要なのですが、次に来るのは財政資金という、特に第三セクター系の資金の問題になろうかと思います。済みません、ちょっと長くなりました。
 順番的にいきますと14ページ目というところを御覧ください。これは、先生方よく御存じのとおりで、真ん中に6:4対4:6という数字が並んでおります。これは、税収のほうでは国が6で地方が4、それから使うものでは国が4で地方が6という数字をあらわしたもので、若干所得税と住民税の改革がございましたので、もう少しこの数字というのは5に近づいてはおりますけれども、四捨五入すればこれと同じという状況になっております。
 今回の改革におきまして重要なことは、この左側の図のほうの真ん中のところに地方交付税等とか国庫支出金といったようなところがございます。この辺のところで、国がいろいろと関与することをどれだけ排除できるかという問題、これが一つでございます。関与を外していくだけではなくて、通常でいいますと補助金をやめて税源移譲しなさいというのが分権議論では通常の議論になります。
 ところが、少しめくっていただきまして21ページ目を御覧いただきたい。この21ページ目、地方第1次分権改革のときの基本的なフレームは、補助金を廃止して地方に税源移譲しましょうと。そうすると、地方が自由になるのではないですかという税財政のフレームワークです。21ページを御覧いただきますと、今、国から地方に向けての国庫補助負担金というのは19兆円ございます。19兆円のうち社会保障関係が12.2兆円で3分の2を占めているわけでございます。そのほかのものは何かといいますと、2番目に大きいのは公共事業関係のもので4兆円、そして文教・科学振興で2兆円で、2兆円のほとんどが義務教育でございます。ぱっと見ていただいて、例えば社会保障関係で老人医療、市町村国保、生活保護、介護保険、こういったものの補助金をやめて、その分を地方へ税源移譲して、そして地方がこういったサービスを財政も含めて担えるかという問題であります。
 結論としては、これは無理でございます。例えば老人医療や市町村国保などは、岩手県内におきましても小さいところでは一人でも高額医療者が出ると国保が成り立たないというところは少なくないわけでございます。実は、分権委員会でいろいろ内々に検討しているときに、ではとりあえず県に上げましょうという措置も少しされているわけです。県といってもいろいろございまして、山陰のほうの県ですとか、そういうところは50万人を切っているところが出てきているところで、この保険という概念で数理的に50万人くらいではとても成り立たないということがございます。ちなみに、これからの高齢化の中で言うと、健康保険の場合には四国4県を束ねても恐らく成り立たないと思うのです。ということは、保険数理の概念、保険という形でいくのであれば、これは最終的には保険財政の管理は国ぐらいの単位に持っていかないと、これは成り立たないということなのです。道州政府という概念があるとすれば、そこで成り立つかどうかです。保険数理の管理はそこでやっていただいて、人的サービスの執行とかそういう面は自治体でやっていただく。これはよく申し上げているのですが、先生方、生命保険とか健康保険で民間でやっているのがございます。ああいうところに掛金をかけてお願いしていると思うのですが、生命保険会社は実際に保険の支払いをするときに、その支払いをしたお金について何に使えというふうに言うかという問題なのです。健康保険で病院にかかったからこれをどうぞお使いくださいと入ってくる。では、その使い方について限定するかというとしないわけです。これは、当然保険数理として成り立っているので、それのマネーとして成り立っていて、保険を掛けた人に支払いをして、あとはその人の判断で使ってくれということになります。国に健康保険とかの財務を任せるというのは必要なことなのですが、支払うときに国がこう使え、ああ使えと細かく言うのはおかしい話です。いずれにしましても、これを市町村単位にお願いするというのは、基本的に無理でございます。ですから、単純な議論ではこれはいかないということでございます。
 そうなってくると、補助金というものを単に税源として移譲するということではいけませんし、次のページをめくっていただいて22ページを見ていただくと、いかに社会保障関係の補助金がふえてきたかということなのです。左側のほうが社会保障関係の補助金で、平成10年が8.6兆円ということで、ほぼ半分だったものがどんどんふえてきて3分の2になる。そのかわり公共事業関係のほうをどんどん絞ってくる。文教関係を半分にするという形で全体を成り立たせてきていたということでございます。しかし、これは社会保障関係のところについての制度設計を改めてしませんと難しいということがまず一つございます。
 それから、税源移譲の問題ということになってまいりますと、これにつきましては17ページ目を御覧いただきたいと思います。非常に重要なことは、国から地方へ税源移譲をしなさいという話がございます。これはいいことなのですが、この議論の暗黙の前提は、国というのは国という財政の一つの財布で済むわけです。地方財政というのは、1,800の財布がそこに存在していて、税源移譲したならば各地域において違いが出てくるという問題、これは当たり前の議論です。
 先生方、税の格差という議論をするときに三つに分けないといけないのです。岩手県さんと東京都では税収に格差が発生しています。この発生をしてくる原因は、まず根本的な問題として挙げなければならないのは経済力格差であります。東京のほうがいろんな企業活動や経済活動は北海道や岩手県よりは大きいですねというのは当然の話です。二つ目は、税制上発生する格差であります。税制の仕組みによって発生する格差、これは今から御紹介いたします。そして、3番目が経済力や制度上で発生する格差の結果として出てくる税収の格差というものであります。この三つを分けて少し整理をさせていただきます。
 17ページ目を御覧ください。地方税収の偏在という問題ですが、まず一番左の地方税収計を見ていただきますと、一番下のところに最大と最小の比率が3.1倍と書いてあります。岩手県さんは、上から三つ目でございまして、全国平均が100でございます。100に対して67.9でございます。7割弱。私ども北海道は78.1でございます。東京都は181.0という形になっています。よく地方に対して消費税を主要税源にするべきだという話があります。右から2本目がそれでございます。地方消費税を御覧いただきますと全体平均100に対して、岩手県さんは93.3になっています。東京都は139.3。全体の格差は1.9倍。したがって、消費税は格差が少ない。これ本当ですかということです。これは、税制上の措置によって格差を修正しているという問題であります。実は、税制を外して生の消費税が上がってくる数字を見ると、法人2税よりも格差が大きいのです。東京都が断トツです。実際、済みません、数字を持ってくるべきだったのですが、法人2税のところを見ていただきますと、東京は263.0なのですが、消費税の生データでいきますと東京都は400に近いです。断トツに勝ちます。それは人が多くて観光客もいっぱい来るし、価格も高い。こういうことが物すごくあります。これは、なぜこういうふうに平準化されるかというと、地方消費税の後に清算後と書いてあります。つまり税法によって調整をしているということでございます。法人2税については、残念ですけれども、ほとんど調整をかけていないのです。これは、やっていても若干だけです。
 したがって、今後どうなっていくかということになりますと、人口が都市部に集中をする中でいくと消費税格差というのは生のデータでいうともっと広がる可能性があります。ということは、よっぽど税制のところできちっとした整備をしておかないと、消費税は格差が小さいということを前提として地方消費税のやり方をしてしまうと、後でとんでもないことが起こるわけです。消費税の格差はあります。それをどう調整するかが重要です。法人税と違うところは、消費税のほうが安定的であることは間違いないです。景気がばっと悪くなったからといって法人税のように落ちないわけです。恐らく2009年度の法人関係税は急激に落ちます。東京都でも非常に落ちる。消費税はそれほど落ちない、安定性がある。この違いは、きちっと踏まえていかないといけないというふうに思います。
 ここに資料をお持ちしなかったのですが、麻生政権が中期プログラムというのを出したわけです。ここは、後で御覧いただきますとホームページとかに出てくると思うのですが、実は今、分権委員会の中でも議論をこれからしなければいけないと思っているのですが、消費税増税をした分は社会保障関係及び少子化対策に使うと言っているわけです。もう一方、少し下のほうを読んでみると、地方税源については地方消費税の充実を図るということです。地方消費税は、社会福祉と少子化対策に限定するのかどうなのかという問題なのです。限定されると、地方消費税を引き上げても使途が限定されてきます。しかも、もう一つ重要なことは、地方に医療やそういうものの責任をもっと持てという話になってくるかもしれません。これは、原案をつくるとき、最初のほうを申し上げたのは財務省なのです。後のほうは、総務省の原案に出てくるわけです。内閣府に行って思ったのですが、先生方、まとまった文章、完成した文章を見ますよね。担当部局に合議というのですが、これでいいかという調整がかかってくるときには短冊でかかってくるのです。短冊というのは、該当部分だけがぶつ切りで来るのです。だから、我々内閣府の担当部局でも全体像がどうなっているかわからないのです。政府文書というのは、短冊のところだけはいいと思ってオーケーを出すと、でき上がるととんでもないものができ上がってくるというのはよくあるのです。これは短冊がけというのです。ですから、今回の問題も今、これから調整しています。今、税法の附則にこの問題を書き込まなければいけないということで、大議論になっているわけです。
 これは、今後、この1週間ぐらいでけりをつけていただけるとは思っておりますけれども、消費税議論というのは非常に重要で、しかもこれから実際の制度設計をするときに、社会保障に使いなさいといったときにこういう問題が起こります。幼稚園と保育所とございます。保育所は社会保障で、幼稚園はそうではないのかとか、これは文部科学省管轄ですから、あれは教育問題だと。こういう実際の執行するときには、非常に大きな問題が起こってくる。
 さらに、18ページ目を御覧ください。今のは、税制度上の問題なのですけれども、経済力上の問題として挙げられるのがこれでございます。ここの一番下の東京というところに県内総生産の17.6%、つまり全国の中で東京が占める経済力というのは17.6%でございます。ところが、法人2税が東京に入っている比率というのは25.6%であるということなのです。つまり東京に経済力が集中しているから法人2税が入っている部分はもちろんあります。しかし、経済力が集中しているものを上回って法人2税が入っているということでございます。これは、税制上の問題で東京に集中しているということです。少なくとも法人2税のシェアについては、経済に対して税制が中立であるということになれば17.6まで落とさないとおかしいということになります。地方税計で言うと17.6ということで数字が合うのです。しかし、分けてみますと違うでしょうという話です。これは、いろいろ御議論あると思いますが、今の地方財政の充実を果たすためには、これも事務局長という立場を離れて税財政の研究者として申し上げれば水平的調整が必要だと思います。水平的調整というのは、税収がたくさん上がっているところから少ないところに財源を移転するということです。交付税というのは垂直的調整といいます。これは、一度国庫を通じます。そうではなくて、地方自治体間で一定のルール化の中で調整するということです。ドイツは既にこのやり方です。これをやりませんと、これから人口が減っていけばますます東京や大都市に集中いたします。
 ドイツは非常にアバウトでして、全体の都市部を含めた地方税の税収の平均値をとって、単純平均ではないのですけれども、それを上回るところから下回るところに一定のルールで再配分するというやり方であります。これを全部やってしまうとインセンティブがなくなるので、一定割合でやりましょう。恐らくそういったものに近いやり方というのが必要になりますし、これは地方税上の地域で上がった税収に対する自治権の侵害だということにはならないと思います。これは、税制上の問題。一度このことを、もうおやめになられたからいいと思いますが、近畿知事会で発言しまして某知事から反撃を食らったことがありますけれども、東京、大阪、愛知というのは猛烈に反対します。ただ、そういう仕組みも検討するべきところに来ているだろうということです。
 24ページ目をお開きいただきたいと思います。とはいうものの、そういう中期的な財政ぐりのほかに今、足元で2009年度にかけて起こることというのは、地方財政の債務が大きい、小さいの話ではなくて、キャッシュフローをどう確保するかの問題になると思います。夕張はキャッシュフローが切れて破綻しましたが、実際はもうとっくに切れていたわけです。民間企業でもございますけれども、最後の高ということはもちろん重要なのですが、支払いができるかどうかという問題です。夕張の場合には、その支払いができなくなるので、それを短期借りで回していた。短期借りで回しているところはほかでもあると思います。ところが、あそこがまずかったのは、それを特別会計というものを使って飛ばしというのをやっていたということなのです。これは、厳密に言いますと公文書偽造に当たります。ですから、これは違法性が極めて高いのです。この仕組みは、実はチェックできたのです。毎月の締めのときの現金出納帳を見ればわかるのです。現金出納帳も改ざんしていたとなれば、これはもっと深刻です。ですから、議会のチェックもやろうと思えばきかせられます。ただ、そういうチェックということよりも財政運営をするとなれば、日々の資金が必要だというのは不可欠です。そこで、今回地方債について措置するということで、24ページ目を御覧いただきたいと思います。これは何を書いているかということなのですけれども、例の地方公営企業金融公庫というのを組織がえしまして、共助のところに書いてありますが、地方公営企業等金融機構資金というものに鞍がえをしたわけでございます。先生方御承知のように、公営企業金融公庫の後がまでありますから、対象とする融資というのが原則として公営企業のみということになっています。つまり自治体の普通会計、一般会計等の事業には融資ができないというのがこの仕組みになっているわけでございます。一般会計等についての資金融資を受けなければならないということになります。あるいは非常に粗く言いますと、銀行等にお願いをして短期資金を調達するしかないということになるわけです。しかし、これでは正直言って資金繰りがつかないので、今回この点々で囲ってある対象外というふうなところについても、つまり地方公営企業等金融機構資金というのを一般会計等の事業に対しても融資ができるようにしましょうという措置をとるわけです。これは、資金繰りをつけるという問題です。
 今、一番重要なことは、3月末から2009年にかけての自治体の資金繰りの問題です。これは本体部分もそうですが、本体と連結している公営事業、公営企業、それから第三セクターであります。
 もうこれ御承知のとおりですけれども、仙台市が仙台ガス事業というのを民営化しようとしたわけですが、もうだめになりました。要するに、公営ガス事業としての事業性判断ができないということであります。非常につらいのは、東京ガスとか東京電力が引くというのは事業性が極めて厳しいということですから、事業性が厳しいと民間企業から判断されますと、民間銀行も融資をするのが難しいということになります。そうなってくると、やはりこういう公的機関からの融資をしませんと、公営事業体も含めて運営ができなくなってしまうという問題がこれから1年くらい起こってきます。我が国の中では、割と国際金融危機における金融セクターでの震度というのは、ヨーロッパやアメリカに比べると低いです。全然ないということはないです。大きいです。問題は、実体経済面の影響です。
 先ほどこれも委員長とお話ししたのですけれども、北海道というのは製造業を呼びましょうということをやって、トヨタさんが苫小牧に来てくださったのです。苫小牧の製造ラインが来てもう12年たちます。ところが、北海道の企業というのは、非常に地場企業というのはおもしろいと言うと怒られるのですが、下請になりたがらないのです。下請は数社ですが、今回の問題でトヨタが一定期間休業する中で決定的問題が発生しないのです。全部本州から部品を持ってきているのです。雇用問題は発生する。ただ、こういうのは異常な地域でして、通常は下請のすそ野がありますから、こういうところに対する影響は実体経済面からも急激に起こってくるわけです。こういうところにも財政面から支援をしなければならないということが恐らく起こってくる。短期の資金繰りをつけていかなければならないのですが、その一方でということで25ページに入らせていただきたいと思います。
 最初に、44ページのほうをお開きいただけるでしょうか。44ページのところから健全化法に関するものでございます。これは先生方、もう既に御覧いただいていらっしゃると思いますが、去年の9月30日に総務省が速報値として発表したものの資料でございます。44ページの下にございます健全化判断比率が早期健全化基準以上である団体名というのが出ております。非常に北海道のところが上位を占めておるわけです。この下線が引いてあるものにつきましては、夕張市ですとか、それから見ていただきますと赤平、あと実質公債費比率のところでいきますと長野県のところの王滝村、こういうところに下線が引いてありまして、これは既に財政再生基準、かつて言うところの財政再建団体基準に該当するというものでございます。足元でもこれだけの団体が早期健全化基準以上であるわけです。
 先ほど御紹介しましたが、臨時財政対策債ですとか赤字地方債にかかわるようなものがこれから発行されてきます。そうしますと、特にこれから執行される2009年度決算の数字では、恐らく早期健全化基準や財政再生基準にひっかかってくる団体がかなりふえてくる危険性がある。制度的に見ますと、早期健全化基準に該当するというのは決して悪いことではないのです。新聞的にいいますと、この速報値が出たときに早期健全化基準に該当したところでも破綻の見出しがつくのですが、制度的にいいますとこの仕組みというのは健康診断を受けてくださいと。先生方も健康診断を年に1回受けられると思うのです。早目にどこかに問題があれば直しましょうと、これはむしろ金融的に言えば信頼性を高めることになるわけです。どこかに悪いところがあるのだけれども、そのまま放置してしまいましょうというほうがよっぽど信頼性が落ちるものであるわけです。そういうことからいきますと、こういう指標として該当してくるということは決して後ろ向きだけのことではないわけです。
 46ページ目を御覧ください。46ページ目に早期健全化基準以上である団体の実質公債費比率を見ていただいております。これは一番わかりやすいといえばわかりやすいものです。そうすると、一番上が王滝村で、その後、夕張、歌志内、こういったところが並んできております。ここには、直接岩手県さんの中の市町村は入ってきていないということが言えると思うのです。こういうところにつきましては、特に実質公債費比率でございますので、赤字地方債とかそういうものが入ってきますと非常に上昇していく可能性というのは持っているわけでございます。
 それと、もう一つ御覧いただきたい。済みません、いろいろと言ってしまいましたが、52ページ目を御覧ください。52ページ目は、これは都道府県関係のものなのですけれども、さすがに都道府県関係ですと実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率といったようなところについて、極めて高いというところはございません。ただ、問題は都道府県関係とか市町村でもそうなのですが、ぜひ将来負担比率というところを御覧いただきたいと思います。これは、直接財政再生団体にひっかかる基準ではございません。しかし、北海道を見ていただきますと335.6でございます。これは、実は400が制度上でいきますと危険水域に入っていくというものです。これは何かといいますと、第三セクターまで全部連結をした結果のものでございます。ということは、この比率が高いと近い将来、県民に対して負担をかける危険性が非常に高いということを意味しています。これは病院も全部含めてです。これも実は400という数字は、判断数値としては高いのです。これはよく制度設計のときにあるのですが、理想の数字を当てはめてしまうと現実が非常に惨たんたるものになってしまうので、次善の措置をとりましょうというのは、よくソフトランディングさせるときにあります。ぜひ都道府県関係で将来負担比率を見る場合には、一つの基準は300だと思ってください。300ぐらいになったら、どこかやっぱりきちっと考えていったほうがいいですというふうに思っていただきたいと思います。ちょっと熱が出そうだというふうに思っていただくとうれしいかと思います。そういう熱が出てしまう大きな原因になるのが第三セクターですとか地方公営企業ですとか病院というものであります。
 済みません、実はちょっと一つ戻らせていただきますと、これ健康診断だと申し上げたのですが、一番よくないのは健康診断はして、ここに問題がありますねという指摘は受けるのだけれども、治療方法がないというやつなのです。これは、一番いけないわけです。ということは、国が治療方法もあわせて提示をする責任はあるということです。そこで、今回、健全化法で一つだけ行ったのは、今まで財政再建団体制度には一切なかった方法です。再建をするときには、地方債とかそういうものの発行を積極的に認めて、これを交付税措置もしましょうということです。実はこれ夕張の経験なのです。
 財政再建団体では、先生方御承知のように、これは準用制度です。昭和20年代で自治体が非常に惨たんたることになったので、臨時的に設けた制度を今まで準用法ということで転がしてきたわけです。その準用する法律の本則には、国は地方自治体に対して財政面で支援しますという規定があったのです。それを準用するときに全部外してしまったのです。だから今、財政再建団体になりたくないわけです。なってもいいことないからです。これは、人間的に当たり前だというふうに思います。
 夕張市もそうだったのです。夕張市は、これは当然なのですがちょっとやり過ぎた。そういう支援措置がないために今どうしているかというと、北海道庁が肩がわりしているのです。夕張市の不足資金分は、北海道庁が資金を供給している。ところが、北海道庁の将来負担比率が335.6まで来ているわけです。ほかの面倒を見ている場合ではないという状況になってきているわけです。そこで、これを回収しなければいけないわけです。回収すれば夕張市は倒れてしまうという状況になっています。
 そこで、夕張市は今までの財政再建団体制度によっているわけです。つまり準用法によっているわけです。この4月1日から今度は本則ベースの適用を受けます。つまり新しい健全化法のツールが動いてきます。そうなったときに恐らく、これは私の判断で道庁がそう判断したわけではないと思いますが、夕張市はもう一度財政再建のための計画をつくると思います。というのは、数値は立派に該当です。今までの計画も実はうまくいっていないのです。そこで、この際全部リニューアルをして新しい計画を立てる、計画を立てれば振りかえ地方債というのは発行ができます。これは、国側からの発行を認めてもらいます。そうすると、道庁はお金を引けます。道庁は一安心します。夕張市もオーケーです。一つのネックは何かといいますと金利水準なわけです。乗りかわることによって金利水準が上がってしまうということがあったとすれば、これはなかなか難しくなりますが、今の状態でいうと金利はもう一段下がっていくでしょうから、しかも国債ベースになっていきますので、金利は恐らく下がっていくのだろうと、恐らくゼロに近い状況だろうと思います。そういうことを考えると、乗りかわるということになっていくのだろうなと思いますが、乗りかわっても単に資金繰りがついただけなので、夕張市をどうするかというのは最低の問題です。よく言われますように夕張市を町にしろと。これは、ある意味で正論だと思います。ただ、町村にすればいろんな仕事はやらなくて済むようになります。これは、道にお願いできるというメリットがある。一方で、交付税措置とか補助金ががんと落ちます。そうすると、キャッシュフローがつかなくなるのです。だから、キャッシュフローをどこかでつけてあげた上で町になるという方法はあります。あるいは空知全体でほかと合併するという方法もあります。ただ、これもどこかで最後切り離してやらないと無理なのです。
 まだやっていないのですが、これも一つの便法なのですが、自治体ですから議会は残します。周辺のどこかの町村に行政執行を全部事務委託するということです。債務がある以上は合併は無理なのです。全部事務委託です。一定の整理をした上で合併議論をしますという方法なのか。第三セクターの話で今ちょっと思い出したものですから。第3次勧告に我々いくときに一つ大きな議論をしないといけません。これは、地方制度調査会のほうでも議論しているテーマです。今の合併政策が終わった後の市町村をどう位置づけるかの問題です。今回、分権議論をしていますと、一番政治的に流れが変わったのは市と町村です。やっぱりこれは合併政策が全国的にきいたので、市の集団の力がふえてきて、多くなっている。申しわけありませんが、町村の力が落ちてきている。6団体の中で、今までは町村会が一番強かった。ところが、市長会のほうが強くなっている。ところが、市長会というのは私どもの夕張、歌志内から横浜市まであるわけです。そうすると、ここがだんだん政治的な勢力でいくと分かれてくるのです。大都市型、中間型、そうでない型。ですから、正直言いまして以前よりも分権の議論の整理が難しいです。加えて市町村をどうするか。これは小沢さん的にいきますと300、中間的には800ということを言われています。この800、300というのは、非常にシンプルにいけば、まず第1段階では人口が減っていく中で10万を基準にしましょう。次はそれこそ30万か20万かそれくらいのところで最終的に一つの単位にしますというお話です。こういう流れは、合併的なものを進めていくという流れになるのかなというふうには思います。
 もう一方の軸としては、今、町村にお願いしている地方自治法上のお仕事をすべてフルセットでお願いしています。どこの町村でもやらなければならない仕事というのは、一定のレベルのところは全部決まっています。これを自治体側で選べるようにしましょうということです。自分たちでやらないところは、上の県に任せるか、横に任せます。自分たちは、ここだけを一生懸命やります。これを選ぶということです。これはフランス型です。ミルフィーユ型といいます。先生方、ケーキでミルフィーユってございますけれども、あれです。これをどっちにするかです。そろそろ分かれ目になってきています。
 フランスへ行かれるとおもしろいのです。100人くらいの自治体で、行政の窓口業務は1週間のうち6時間しか開かない。日本の今の行政サービスの展開というのは土日も開いてくれとかあります。そういうこともやっています。夜間も開けと。これは本当にいいのかという問題です。フランスの考え方は、高齢化が進んでちゃんと健全に役場の窓口に来れる人は、厳しい状況なのだから役場のほうに合わせてくれというわけです。たしか私が行ったところは木曜日の午後1時から4時までしか開かない。健康な人は、時間繰りしてそこへ来てくれというわけです。では、ほかのときは何しているのですか。職員が寝たきりとか、体が不自由で行けないところを事務処理のために回りますというわけです。どっちが正しいかという問題なのです。職員数も限られてくるので、全部フルセットでやるわけにはいかないのです。だから、うちはもう社会福祉のところを徹底してやりますから、ほかのことは上のほうに任せますと。ただし、議会のチェックだけはさせていただきますと。財源的なものは、市町村に入ってきたものを上に委託しますというやり方です。
 残り時間も少なくなりましたので、最後は第三セクターの問題ですが、今お開きの52ページからちょっと戻っていただきまして49ページ目です。まず、公営企業関係を御覧いただきたいと思います。健全化法は、公営企業関係にも物差しとなります。速報値段階でこの公営企業で資金不足という指標に既に該当している事業がここに全部並んでおります。事業数で一番多いのは、やはり病院事業です。これはやはり圧倒的に多いです。もうこれは既に該当しているところです。北海道を御覧いただきますと、病院事業では函館の病院事業、小樽から始まりまして非常に多いです。この中でも小樽、それから留萌、苫小牧、こういったところは今すぐにでも病院を何とかしませんと、本体部分が健全化法のほうでひっかかってくるわけです。
 一つだけ弁護したいのですが、東京のほうのワイドショーは、小樽市の病院に行きまして、回転ドアをつけているのはけしからん、こんなことをやるから病院会計が赤字になるのだと。これは、先生方おわかりいただけると思うのですが、冬の2月ごろ来てくれと言いたいぐらいです。普通の自動ドアではとても動かないぞと。これも余談ですが、テレビのワイドショーをアメリカの社会学者が分析したのですが、テレビのワイドショーとかクイズ番組というのは大体年齢でいいますと何歳ぐらいに合わせていると思いますか。社会学者の分析っておもしろいですよね。確かにその年齢に合わせてワイドショーですとかクイズ番組を見ると見事におもしろいのです。腹が立たないのです。13歳なのです。13歳という年齢は、実はこれから理性が発達してくる年齢なのです。我々だと情念と言うのですが、要するに人間的な、普通の子はまだ自分の欲望で動く年齢なのです。クイズ番組は、難しいとかなんかとかというのは13歳ぐらいで見ると非常にわかりやすいし、簡単だということです。13歳に合わせてやると、回転ドアはけしからんが一番いいです。非常に困るのですけれども。こういう病院というものが、岩手県さんでも水沢の病院でしょうか、こういったものが既に上がってきております。そのほか大きいところは、やはり50ページ目の宅地造成事業、北海道もありますが、岩手県さんにもあります。
 (「下水もある」と呼ぶ者あり)
○宮脇淳講師 はい、余り読み上げるなという話ですね。御覧ください。正直言いますと、大変申しわけありませんけれども、土地関係というのは多くのところが既に再生は無理と判断したほうがいいものが残っています。したがって、延命措置だけではうまくいきませんというものが非常に多いというふうに判断せざるを得ないわけです。48ページ目のほうをめくっていただきますと、全体での該当数というのがありまして、この表の一番下が7,441事業のうち156が該当していて、そのうちやっぱり一番多いのは病院事業、その次に多いのが宅地事業、そして観光事業で交通事業と、そういう順番にこれはなっております。恐らくこれは、2008年度決算ではもっとふえてくる状況が出てまいります。こういう事業に対しての融資というのは当然続けて、清算させるための融資です。こういうことは非常に重要だと思っております。こういうことを考えたのが26ページ目でございます。26ページ目に第三セクター、地方公社及び公営企業の抜本的改革の推進に関する報告書、12月5日というのがございます。これは、私が座長をさせていただいて総務省で取りまとめたものです。なぜこれをやったかというと、健全化法をこのまま機能させると、第三セクターや地方公社、公営企業でどんどんひっかかってきてしまうわけです。ひっかかってくることは別に悪くはないのですが、先ほど申し上げましたように健康診断で悪いところがあります、でも治す方法はありませんというふうに申し上げることというのは一番よくないということがございます。ここは、これから御検討いただくときのポイントを御紹介いたします。
 30ページ目に、1、処理策検討の手順というのが書いてございます。この手順につきましては、30ページ目のうち、一番下に@から次の31ページ目のBまでのところは、すぐにでも検討を始めなければいけないと思われるそれぞれの組織体についての基準を挙げてございます。事細かく御紹介することは避けますけれども、実はこれは後で5分くらいのお時間をいただいて、41ページ目にこの判断にフローチャートをつくっております。これをベースに御紹介させていただきたいと思っております。
 そこへいく前に32ページ目にお戻りいただきまして、32ページの4に債務調整を伴う処理策と書いてあります。債務調整というのは、最終的に厳しい場合には延命措置をとらないで、金融機関に対して負っている債務をカットしてくださいということです。これについては、いろいろな法的整備、それから特定認証の紛争解決手続ですとか、そういうものを使ってやってください。ただ、ここは実は7割しか機能しないのは、企業の再生制度の延長線上でつくろうとしていた地域の再生法というのがあります。あれが実は成立する可能性がほとんどないということなのです。したがって、再生スキームのほうから資金援助というのができないので、別途の形をとらざるを得ない。それから、32ページ目のところの4の債務調整を伴う処理策のところのまた書きのところです。これはちょっと厳しいのですが、32ページ目の4の文章のまた書きなのですが、地方公共団体云々で、処理策においても新たな損失補償等を行うべきではない、これはかなりきついです。損失補償はできるだけ避けていただきたいというのは、これを安易にやると将来負担比率に物すごく影響を与えます。
 損失補償がだめということが我々の研究会で流れて議論されているときに、実は免責的債務引き受けというのをやったところなのです。これは、損失補償ではなくて、県のほうがある事業に対して信用を提供しますと、そこがだめだったら県のほうが、それではその組織体を免責にしてしまって、責任がないというふうにして自分たちが引き受けるという契約上の約束をするだけなのです。これは、残念ですが、損失補償の債務の乗りかえの範囲以外のものはだめ。これを具体的にやった県は滋賀県なのです。
 ですから、これは下手にやると本当に財政を不透明にしてしまって、後で大変なことになりますので、これについてだめと。ただし、そのかわり33ページ目の一番下にありますように支援措置、支援策を行いますということで、きちっとした再建措置をするところに対しては、34ページの@、A、Bと書いてありますけれども、地方債措置を行って、これに対して交付税措置を行います。ただ、これは総務省のほうでどういう範囲で行うかというのは今、検討中でありますので、まだ具体的なところが出てきておりませんけれども、こういう支援です。研究会の中でも問題になっているのは、@のところの最大5年程度の時限措置と書いてある。清算するほうは十分5年でできます。再生できる可能性のあるものを5年でやれというのは無理なのです。したがって、もう少し長期的なスパンでの支援措置が必要でしょうということは議論をしています。
 今、申し上げました新たな損失補償の回避等については、36ページ目のところでやや細かく書いてありますので、こちらのほうを御覧いただけますか。それから、岩手県さんのほうでどのくらいあるかというのはちょっと不明ですけれども、後で報告書のほうを見ていただきまして、林業公社の問題なのです。これは、我々としては本当におかしいと思うのですが、林業公社に対する資金繰りに対して政府系金融機関が自治体からの損失補償等の契約をとらないとだめ。これは国の政策として農林水産省がかなり関与するところで林業公社は展開されたはずで、かつ政策に対して融資するものに対して地方自治体の損失補償を政府系金融機関が必要とするという理屈がどこにあるのかというのが、これはわかりません。民間金融機関が損失補償を求めるのはまだわかりますけれども、政府系が求めるというのはわからない。林業公社ですとか国がかなり関与して展開したものについては、国側も一定の責任を負ってくださいということです。自治体側が負うべき問題ではありません。これは、総務省に頑張っています。農林水産省側と今、協議をしているという形です。
 それから、経営責任の問題です。経営責任の問題は、法的な責任はきちっととっていただくということなのですが、政治的な責任といったようなことについてもきちっととっていただくわけですけれども、議論の中でこういうのがありました。経済的な責任について、あるいはいろんな責任について一定の再生等の結論が出た場合には免責という方法もあるのではないかという考え方です。これはなぜかというと、責任という問題によって前へ動かないという問題が出てくるのです。これは、どう考えたって実は非常に難しいのです。ただ、全くその選択肢を度外視してしまうのがいいかどうかということはございます。
 時間が限られますので、最後に41ページ目を御覧ください。やはりこういう問題に対して議会へきちっとシフトしていくということが必要になるわけですが、このフローチャートを簡単に御紹介いたします。今、行われている事業そのものについてということで、まず左上を御覧ください。事業そのものの意義、これは正直言いまして政策判断と言われるものです。ここを経済的に財務的に判断することはできません。したがって、議会等において政策的にこの事業は必要なのだという、つまりこれは民主主義的に判断していただくというのが最終的な課題になります。したがって、ここでないということであれば、もうその事業はやめましょうという、これは簡単なことでございます。多くの場合には、事業そのものの意義は政策目的としてあるのだという御判断をいただくことが結構ございます。この御判断の正否については別といたしまして、ありと判断された場合に、まず採算性という問題です。この採算性というのは何を意味しているかということなのですけれども、この採算性というのは専門的になりますが、先生方も企業経営とかされている方がいらっしゃると思うので、ここで言っている採算性というのは経常利益のところの問題です。経常利益が赤か黒かの問題です。経常利益というのは、当然、減価償却とかそういうのも含みます。含んだベースで赤か黒かの問題です。もちろん政策的に減価償却していないとか、あとこれからの問題になってくるのですが、財団法人の公益法人認定の問題です。財団法人などで運営しているものに対して一定の税制上の優遇措置があります。それが場合によっては、減価償却というのは県のほうでやりましょうといったようなものも見受けられます。こういうものについては、一応、減価償却については採算性とかの中には組み込んで計算していただいて、そこで赤字か黒字かです。黒字であればその事業は採算性はあるということになります。税金等の負担についてもやっても黒であるということであれば、民間にお願いするということも可能ですし、第三セクターとしてもっと民間型に近くするということも可能です。問題はないわけです。経常利益が赤というのはほとんどです。そのときには、事業手法の選択というところにこの議論が一つ飛んでいるのです。事業性を判断していただきたいということです。事業性というのは何かというと、今度は営業収支が赤か黒かです。減価償却などはしなくて結構です。税負担なんかもしなくて結構です。これは営業収支として黒か赤かです。問題は営業収支としても赤なものです。営業収支として赤なものについては、これは本体部分に引き揚げるか、一般財政のほうに引き揚げるか。地方公営企業の場合には、もうこれは最終的には自治体が負うことになりますからあれですけれども、引き揚げるか、やめるか、どちらかになります。民間でいうと、事業収支が赤でも事業性を変えるという方法が実はあるのです。温泉施設だとかそういうものは、事業性で多少の赤でも民間にお願いして事業モデルを変えると黒字になるのが確かにあるのです。病院なんかでも非常に規模を小さくする、診療所形態にするとか、あるいは町医者の方々を病院のほうに組み込むとかというやり方をすると成り立つものがあります。こういうものは、ビジネスモデルを変えることになります。
 ですから、事業性判断で営業収益が赤の場合には、赤の程度にもよりますけれども、県に戻すか、やめるか、ビジネスモデルを変えるかなのです。変えられるたぐいのものであるかどうかです。事業性のところで一定の黒字があるという場合です。こういうものについては、実は県側で減価償却とか施設の更新等という程度の一定の範囲で負担できるかどうかを判断しないといけないわけです。やっぱり一番大きいのは減価償却なのです。こういうものの負担ができるのか、できないのか、そういう判断をしつつ、この事業手法の選択のところで書いてあるようなところに流していきます。もっとフローチャート的にはいろいろとあるのです。気をつけていただきたいのは、最近病院なんかで、特に公営企業、病院を代表する公営企業なんかで独立行政法人化というのが実際は結構はやっているのです。私も独立行政法人化の制度もつくったのですが、独立行政法人にするためには本当は先ほどの減価償却ですとかという資本的経費を一たん投入しなければ成り立たないのです。資本投入をして、あとは自由に一定の切り離しをしましょう、自立的に運営しましょうというのが独法なのです。最近の地方自治体がやっている独法化を見ると、その資本を入れないのです。入れないで、非常に薄い資本のまま動きますから、そうするとすぐだめになります。これは、延命措置をかけただけなのです。ただ、資本注入がある程度できるかどうかを判断しないと、独法化してもすぐに地方公共団体直営といったような話になってしまいます。であれば、それだけでコストかかりますので無駄なプロセスはやめたほうがいいです。この辺は、私ども国立大学法人も独法化しておりますので、非常に肌身にしみているところがございます。
 このフローチャートだけでは、なかなかそういうところまで御説明できないのですけれども、重要なところは採算性判断と事業性判断、それからそれを踏まえた上でのもしかすると事業そのものの意義の判断といったようなところもあるのかなというふうに思います。
 済みません、ちょっと長くなりまして、御質問ですとか御意見をいただく時間が短くなってしまいましたけれども、私からの御説明はこのくらいで終わらせていただきまして、あとは御質問と御意見を賜れればと思います。
○小田島峰雄委員長 宮脇先生、本当にありがとうございました。極めて興味深いタイムリーでホットな話題を取り上げていただきまして、お話をちょうだいいたしました。
 冒頭申し上げましたように、若干の時間ではございますけれども、これから質疑、意見交換の時間をとりたいと思います。委員の皆さん方、どうぞ御発言をお願いします。
○佐々木博委員 大変どうもありがとうございました。先生のおっしゃるとおり、全くそのとおりだと思ってお聞きしましたが、ただ理屈どおりなかなかいかない問題がありまして、例えば本県の場合は並行在来線の問題があるのです。いわゆるいわて銀河鉄道と、それから全国で先駆けておこなった三陸鉄道というのがございます。当然、採算に合わないので廃止対象になったわけでありますから、いかに努力をしても採算性にするということは基本的には無理だろうというふうに思っています。しかしながら、採算に合わないから、しからばやめられるかといいますと、これもまた非常に抵抗が強いわけでありまして、こういった問題を継続していけば当然、県民、あるいは株主、それから沿線住民、それぞれみんな負担もふえていくわけでありますが、しかしやめられないという、現実にそういった問題が今、本県にもあるわけでありますけれども、こういった問題に先生はどういう御所見をお持ちなのか、ちょっとお伺いしたいというふうに思います。
○宮脇淳講師 これは、41ページ目のところで御覧いただいたとおりなのですけれども、まず先生が言われるように、それでは採算性がないから政治とか地域の関係からいってすぐやめられるのですかと、あるいはそれでいいのですかと、そのとおりだと思います。そういうときに、次に判断しなければならないのは事業性の問題なのです。例えば私どものところでもふるさと銀河線というのがありまして、あれはもうやめたのですけれども、結局、線路ですとかそういうものを維持するというのは、更新投資ですとかそういうところですから、実は経常利益のほうでこれは最終的に出てくるところなのです。そこは無理にしても、事業収支のところはまずどのくらいなのですかという判断をしなければいけない。事業性のところさえ残っているのであれば、政策判断として経常が赤であったとしても、そこに財政資金を入れますという判断というのは政治的にはあり得ると思うのです。ただ、その場合でも事業性のところについての収支というのは、できるだけ赤は小さくしていくと。これは、ビジネスモデル的に努力をするということは可能だと思っています。その上で、事業性のところもバツという場合なのです。もうすごい赤字で、どんどん出ていってしまいますという場合には、やはりその実態を県民の方々にきちっとお伝えをして、それでこれは勝手な私の判断ですけれども、鉄道という形態で残すのか、地域の交通網としての鉄道なのか、そうではないのかとか、やっぱりその議論もせざるを得なくなってくるわけです。変な話なのですが、ふるさと銀河線がこの間廃線したのです。廃線して、今ちょっとだめですが、レールございますよね。あのレールは、管轄区域の自治体のものにしたのです。レールを売ったら、鉄が物すごく上がっていたものですから、ある市町村は数億で売れたのです。そういう相場みたいなことを言うなという話なのですけれども、資産を持っている場合には、その資産を活用すると次のステップのときの資本金になるのです。バス事業でもそうなのです。そういうものを含めて、やっぱりこれは地域にとって、あるいは岩手県全体としてこのフローチャートでいきますと一番上になりますけれども、事業そのものの意義としてやるのだという判断をされるのであれば、それはありだと思います。ただし、そのときにはこれからの財政でいいますと残念なのですが、同時に何をやめるかというのを決めておかないと、財政繰りが非常にきつくなっていくということです。
 今、先生が御指摘くださったような問題は、実は48ページを見ていただきますと交通事業というのがありまして、交通事業もやっぱり17ぐらいに上がってきているのです。潜在的にはもうちょっと多いですから、これから地域交通網の問題というのは非常に重要な議論になると思います。交通事業なんかもやはり、ネットワークとしての維持としての選択肢という点でいって鉄道ですとか、そういうものの選択肢をもう一度議論された上で御判断をいただくということになろうかと思います。
○佐々木博委員 ありがとうございました。
○小田島峰雄委員長 ほかにございませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○小田島峰雄委員長 それでは、ないようでございますので、改めて宮脇先生にお礼を申し上げます。大変お忙しい中、おいでいただきましてありがとうございました。
○宮脇淳講師 どうもありがとうございました。
○小田島峰雄委員長 委員の皆様方には、次回の委員会運営等について御相談がございますので、若干お残りをいただきたいと思います。
 大変長時間にわたりまして御苦労さまでございました。4月に予定されております次回の当委員会の調査事項について何か御意見がございましたならお伺いしたいと思います。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○小田島峰雄委員長 それでは、ないようでございますので、当職に御一任を願いたいと思います。これに御異議ございませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○小田島峰雄委員長 ありがとうございました。
 それから、お手元に配付をさせていただいておりますけれども、当委員会の全国調査でございます。予定どおり1月27日から29日まで2泊3日の日程で実施いたしますので、ぜひとも委員の皆様方には御参加を賜りますようお願いを申し上げます。
 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでございました。



  

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