平泉世界文化遺産推進調査特別委員会会議記録

平泉世界文化遺産推進調査特別委員長 佐々木 一栄

1 日時
  平成20年8月7日(木曜日)
  午前10時03分開会、午前11時31分散会
2 場所
  特別委員会室
3 出席委員
  佐々木一栄委員長、工藤勝子副委員長、伊藤勢至委員、及川幸子委員、
 佐々木 博委員、佐々木順一委員、工藤大輔委員、新居田弘文委員、千葉康一郎委員、
 大宮惇幸委員、小田島峰雄委員、三浦陽子委員、関根敏伸委員、五日市 王委員、
 中平 均委員、菅原一敏委員、高橋昌造委員、高橋 元委員、郷右近 浩委員、
 岩渕 誠委員、菊池 勲委員、佐々木大和委員、千葉 伝委員、小野寺研一委員、
 柳村岩見委員、樋下正信委員、平沼 健委員、高橋比奈子委員、嵯峨壱朗委員、
 高橋雪文委員、熊谷 泉委員、小野寺有一委員、吉田洋治委員、飯澤 匡委員、
 亀卦川富夫委員、高橋博之委員、小西和子委員、久保孝喜委員、木村幸弘委員、
 阿部富雄委員、斉藤 信委員、及川あつし委員
4 欠席委員
  喜多正敏委員、田村 誠委員、工藤勝博委員、小野寺 好委員
5 事務局職員
  佐藤主幹兼政務調査担当課長、蛇口主任主査、菅原主査、小原主査
6 一般傍聴者
  なし
7 会議に付した事件
 (1) 調査
    ユネスコの世界遺産委員会について
8 議事の経過概要
○佐々木一栄委員長 ただいまから平泉世界文化遺産推進調査特別委員会を開会いたします。喜多正敏、田村誠、工藤勝博、小野寺好委員が所用のため欠席とのことであります。また、佐々木大和、高橋雪文委員は所用のため少々おくれるということでございますので、御了承をお願いしたいと思います。
 これより本日の会議を開きます。本日はお手元に配付いたしております日程のとおり、ユネスコの世界遺産委員会についての調査を行いたいと思います。調査の進め方でございますが、初めに副知事及び教育委員会からユネスコの世界遺産委員会について説明を受け、質疑、意見交換を行った後、引き続き総合政策部から世界遺産関連事業について説明を受け、質疑、意見交換を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、初めに副知事から説明を求めます。
○宮舘副知事 おはようございます。まずもって委員の皆さんには既に御承知のとおりと思いますけれども、日本が推薦いたしました「平泉―浄土思想を基調とする文化的景観」の世界遺産登録につきましては、去る7月にカナダのケベックで開催されましたユネスコの第32回世界遺産委員会におきまして、登録延期との決定がされたところでございます。
 私も現地に参りまして、平泉の価値を21カ国の委員国に対して説明するため、ユネスコ日本国政府代表部の近藤大使のサポートに努めてまいったところでございますが、イコモスの勧告を翻すことができませんでした。県民の皆様には、イコモスの勧告の後、登録に向けたさまざまな活動を展開していただいたほか、県議会の皆様には関係省庁への意見書を発議していただくなど、温かい御支援をいただいたにもかかわらず、十分な成果を上げることができなかったこと、非常に残念に思っているところでございます。
 しかしながら、世界遺産委員会の審議におきましては、文化的景観としての価値が高いことや自然と生命とが調和した資産であることなど、平泉の価値を認め登録することが適当であるとの発言も多くありまして、平泉の平和や環境の理念、そして自立と共生の価値につきましては決して否定されたものではない、21世紀の世界に必要なものであるというふうに感じているところでございます。
 また、世界遺産委員会では平泉のような新規登録物件の審査のほか、登録の価値基準に関する議論を初めといたしまして、危機遺産リストの取り扱いや登録後の適切な保存管理のあり方など、幅広い議論がなされているところを目の当たりにしてまいりました。登録への取り組みとあわせまして、登録後の保存管理が極めて重要であるということを痛感してまいったところでございます。
 県では、イコモスの勧告や今回の世界遺産委員会での審議結果を踏まえまして、しっかりと反省した上で今後専門家の意見を反映させながら推薦書の改訂、再提出を行いまして、3年後の平成23年度の世界遺産委員会におきまして満場一致で登録してもらうように、今後万全を期してまいりたいというふうに考えております。
 なお、世界遺産関連事業の推進チームであります、いわて平泉年推進プロジェクトチームにつきましては、名称を変えまして登録実現に向けた取り組みを継続するとともに、「がんばろう!岩手」運動と呼応いたしまして、風評被害対策など地震被害の復旧、復興に関連する事業にも取り組んでいくこととしておりますので、県議会の委員の皆様の引き続き変わらぬ御支援をお願い申し上げまして報告とさせていただきます。
○佐々木一栄委員長 それでは、続きまして教育委員会から説明を求めます。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 おはようございます。まずもって委員の皆様方には、平泉の文化遺産の世界遺産登録につきまして、これまでも多大な御支援をいただいておりますことに感謝申し上げたいと思います。今副知事からお話ございましたように、登録延期という残念な結果になったわけでございますが、この間の委員会での審議の様子と今後の対応につきまして、教育委員会としての考え方を説明させていただきたいと思います。
 お手元の資料、世界遺産委員会についてにより説明させていただきたいと存じますので、資料を御覧いただければと思います。
 まず、1、世界遺産委員会の概要についてですが、世界遺産委員会での平泉の審議の概要、後ろのほうに審議後に外務省、文化庁及び県と関係市町により行われました記者会見資料を添付させていただいてございます。その内容も含めまして審議の御説明を申し上げます。
 まず、審議におきましては12の委員国から20回以上の発言がございました。それらの多くは、平泉はすばらしいというような内容でございましたし、中には近い将来ぜひ世界遺産に登録すべきだというような意見もございました。しかしながら、世界遺産の数を抑制して、また登録基準を厳格に解釈して適用する傾向が強まっております中で、イコモスの勧告、つまり平泉については登録基準について十分に証明し切れていないというような勧告を覆すまでの委員国からの強力な意見は出されず、残念ながら登録延期が決定したというようなことでございます。
 今回登録延期となった理由につきましては、今後推薦書作成委員等でさらに分析する必要がございますが、現時点におきましては平泉の価値、つまり平泉は浄土思想を基調として平和を念願してつくられた都市であり、周囲の自然も取り込んで良好な文化的景観を形成しているというような点につきましては委員国のおおむね御理解をいただけたものの、世界遺産の登録基準とどのように合致しているのかという証明を世界レベル、特にも欧米の国々に対しまして十分に説明し、御理解をいただくことができなかったのではないかと認識しているところでございます。
 文化庁におきましては、審議後の記者会見で、平泉については3年後の登録を目指すということ、またほかにも国内で暫定リスト登載物件があるわけでございますけれども、平泉を最優先で取り組んでいくということを表明いたしました。この国の考えを受けまして、その後県及び関係市町では再度3年後の登録を目指そうということで今確認しているところでございます。
 続きまして、資料2の今後の具体的な対応についてですが、まず世界遺産委員会での審議等を踏まえまして、推薦書を改訂し、再提出する必要がありますことから、これまで国内の6名の先生方にお願いしておりました推薦書作成委員会につきまして新たな委員、特にも国内の先生ではあっても世界レベルで御検討いただける先生方を追加した新たな委員会を立ち上げてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、登録の価値基準を初めとする世界遺産にかかわる国際的な動向にも十分留意するため、海外の専門家を招聘した国際会議を複数回開催してまいりたいと考えてございます。
 これらのことを含めまして、次に3の今後の主なスケジュールについてですが、ことしから来年夏ごろにかけまして推薦書作成委員会や国際会議を開催して推薦書を改定したいと考えてございます。その成果を来年9月には暫定版という形でユネスコの世界遺産センターに提出したいと考えております。その後、翌平成22年2月までに正式な推薦書を提出し、平成22年夏ごろにはイコモスの現地調査を受けたいと考えております。最終的には、平成23年7月ごろ開催される予定の第35回世界遺産委員会におきまして登録に向けた審議が行われるというスケジュールで進めてまいりたいと考えております。
 以上、世界遺産委員会の概要と今後の進め方につきまして御説明させていただきましたが、委員の皆様方におかれましては今後とも御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げて、説明を終わらせていただきます。
○佐々木一栄委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対し、質疑、意見等ございますでしょうか。
○嵯峨壱朗委員 この3ページの上のところで、近藤大使のやりとりの部分がありますけれども、浄土思想を反映しない資産を外す用意はあるのかと、九つの資産は完全であると、主張としてはそういう主張をするということでしょうけれども、素人目で見ても白鳥舘遺跡などは、実際に浄土思想とは関係ないというふうに見ているのですけれども、やっぱりそういった主張そのものに無理があったのではないかなという気がしていたのですけれども、そういった点は県としては検討する考えはあるのでしょうか。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 近藤大使の記者会見での九つの資産ではどうなのかという質問についてでございました。実は平泉の価値につきまして、浄土思想と平和と、あるいは自然との共生といったことがたびたび紹介されているわけでございますが、一方で我々が推薦書に書き込んできております価値の一つといたしまして、12世紀、平安時代末期に日本の中央政権の範囲が及ばない北方領域におきまして独特の政治行政上の拠点をつくったのだと、それが浄土思想に基づいてつくられたものであるというような部分がございまして、その当時の政治行政上の拠点、これらを説明する上におきましては九つの資産、これらがなければそういった都市あるいは政治行政上の拠点というものを説明する上で完全ではないという説明をしてまいったところでございまして、近藤大使も一連のそのような流れの中で、九つでいきたいというようなお話をされたものと考えてございますし、文化庁でもこの会見を受けまして、九つで再度スタートしていきたいということを表明されているところでございます。
 県もそのような方向で進めてまいりたいということで、関係市町と了解しているところでございます。
○嵯峨壱朗委員 考え方、わかりました。ただ、ここはおかしいのではないかという指摘だったわけですよね。でも、これはそうではないというこっちの主張が認められなかったと理解しているのですけれども、基準は向こうにあるのだとすれば向こうの基準に合ったような提案の仕方をするほうが早道ではないかと思って聞いているのですけれども、どうなのでしょう。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 どのような状態でスタートするかというお話で御説明させていただいたわけですが、先ほどもちょっと御説明申し上げました今後の進め方の中でやはり一つ反省点といたしまして、世界標準で本当に登録基準等をとらえて考えていたのかというような反省が国を含め我々にもございます。そういった意味で、世界を知っている専門家の方あるいは直接海外のイコモスの方、そういった方を入れた推薦書作成委員会あるいは国際専門家会議、これらを開催して我々の考え方を提示し、説明申し上げていくと、そのような中でいろいろな議論を踏まえて、今後いろいろな面で考えていく必要があろうと思います。
○嵯峨壱朗委員 恐らくそれぞれ個別に価値のある遺産だと思います。それを統一的に説明していくというのは、実は極めて難しいのではないかと思うのです。時代的なものも微妙にずれているでしょうし、浄土思想で一くくりではさっき言った白鳥舘遺跡、あれも立派な遺跡だと思うのですけれども、それを含めて表現できるかというとちょっと時代的にずれがあるだろうし、だからそういった点の整理が実はもっと必要なのではないかと思うのです。どうも無理やり一つのものにつくり上げていこうとする部分が意外とネックなのではないかという気がします。そういう方向でいくのだったら検討するべきかなと思って指摘したまでであります。
○佐々木一栄委員長 御意見ということでよろしいですか。
○嵯峨壱朗委員 結構です。
○伊藤勢至委員 1点だけ伺いたいと思います。
 平泉のほかにも国内的には次を目指しているものがいろいろあると聞いております。そうしますと、まずイコモスに対する理論武装もさることながら、国内の代表になるという、これを同時並行に進め、国内予選を勝ち上がらなければいけないということがあると思うので、この同時並行という部分、平泉を第一に考えるという発言もあったようでありますけれども、これを維持していくことが同時に大事だというふうに思うのでありますが、こういった点の取り組みはどのようにお考えでしょうか。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 現在暫定リストとしては、平泉含めて7件ほど載っている状況でございます。ただ、課題解決を既に終えて推薦書を作成しているというような準備まで整っておるのは、正直言って平泉がリードしているという状況の中で、その他の候補はまだ課題を抱えているという状況がございます。その中で文化庁としては、ここで新たにほかの課題を持った資産にまた勢力を傾けていくということは、正直言って二兎を追って一兎も得られないのではないかというような思いも非常に強くございまして、まず世界の登録基準に対する厳しさ、これを平泉の中で一度整理して、文化庁ももう一度きちっと考えてみたいという思いで、平泉をとにかく最優先で取り組みたいというお話をいただいてございまして、我々もそのような思いで国とともにやっていきたいと考えてございます。
○工藤大輔委員 担当者の皆様方には、今日の取り組み大変御苦労さまであったというふうに思いますし、また結果につきましては期待をしていただけに残念な結果であり、これからしっかりと検証して巻き返しを図らなければならないというふうに思うところでもありますが、今回のイコモスの勧告と世界遺産委員会の評価というものは同じレベルの評価であったというふうになっているわけですけれども、イコモスの勧告からそれを挽回しようというふうに準備をしてきた中で、結果的に評価が上がっていかなかったという一番の課題は何だったのか。
 また、それと同じ仏教圏、そういった思想のある地域の評価がどうだったのか、そういったところの評価が高まっていかなければ応援隊にはならないのかなというふうに思いますが、どのように考えているかお示し願いたいと思います。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 まず、第1点のイコモスの評価、それに対する追加情報等を提出しながらやってきたわけでございますけれども、どのように反映していたのかということも含めまして、実は文化庁も含め我々の正直な認識といたしまして、イコモスの勧告は第一義的、当然なのですが、推薦書をベースになされた勧告だなと。実はその推薦書後にイコモスによる現地調査あるいは追加情報を求められて、2度ほど追加的に情報を提供してきたわけでございますけれども、それらが勧告の中には十分に反映されていなかったのではないかという認識がございました。
 そのことを含めて、イコモスの勧告について我々なりに文化庁とともに反論を整理したわけでございますが、制度上イコモスに対しましてその反論を提起する機会が与えられていないというような状況がございました。我々が反論を提起できたのは、世界遺産委員会のあの委員会の場だけであったということでございまして、近藤大使はそのようなこともありまして、委員国に対しそういった反論を含めた説明を審議当日までしていただいたということがございました。
 そういった意味では、イコモスが現在我々の反論に対してどのような考えでいるのかということを聞く機会がないままにいるわけでございます。今後イコモスの専門家をお呼びする中で、我々のそういった追加情報を含めた考え方、これらを確認しながら再度登録延期というような勧告をもらうことのないように進めてまいりたいというのが現在の状況でございます。
 それから、仏教圏等のお話がございました。実は、これは世界遺産委員会に出席してみてよくわかったのですが、ちょっと言葉が悪いかもしれませんが、欧米諸国対アジア、アフリカ勢という図式があるようでございました。と申しますのは、やはり欧米の国々は形のあるものでスケールの大きなもの、つまり石像の文化なものでございますので、そういった物証があるものについて非常に価値を認めるというような文化がございます。
 一方でアジア、アフリカの中には、形として木造建築物は残らないわけでございますが、形としては残っていないのだけれども、例えば浄土思想のように精神性に非常によりどころを持った文化といったものがあるのだと。
 この物対精神性と申しますか、これらが世界遺産委員会の場でもずっと長く議論されてきたようでございます。なかなか欧米の牙城を崩せずに来ている中で、一つの対案として無形遺産のような発想が出てまいりまして、今度90カ国ほど条約締結になり、第1回の候補の中で早池峰神楽が入るような状況なのでございますけれども、そういった中から無形遺産というのも出てきていると。
 ただ、一方で本来の世界文化遺産、これについても何とか仏教を含めアジア、アフリカ勢のそういった精神的な部分を御理解いただきたいという、そういった議論はこれからも続いていくものだろうといった意味で、近藤大使のお話を伺えば、アジア、アフリカの国々の大使たちで定期的に会合を持って、やはりそういった取り組みを進めていきたいということでやっていらっしゃるというようなこともあったようでございます。
 そのような意味において、今後も我々いろいろ仏教圏のみならず、アジア、アフリカ勢とともに御理解いただくような方向で進めていく必要があろうかというふうに考えてまいりましたし、また一方で欧米の国の方々の理解いただかないと登録ままならずということもあわせて考えてきたというようなことでございます。
○工藤大輔委員 そうなると、評価の基準の違いがまだまだ大きいということであれば、やはりそれに適した提案の仕方、また内容の変化というのも求められると思いますので、それにつきましては専門家の方々としっかり協議をされて対応をしていただきたいというふうに思います。
 また、これからの事業についてということなのですけれども、平泉年ということで今年度はやっていくわけですけれども、3年後に向けてこれからの取り組み、来年度、再来年度も含めて、これは継続的にやっていくことなのか、あるいはそういったものはまず基本的にはことしのみということなのか、今後の機運を高めるための見通し等をお示し願いたいと思います。
○佐々木一栄委員長 ただいまの質問につきまして、この後総合政策部からもありますが、教育委員会の生涯学習文化課のかかわる部分で御答弁をいただきたいと思います。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 世界遺産委員会から登録延期という残念な結果で帰ってまいりまして、どのように皆様と接したらいいのかなという思いで、非常に不安を持ちながら帰ってきたわけでございますけれども、これをむしろいい機会にして、さらに平泉を考える機会にしていこうという声もたくさんいただきました。
 教育委員会といたしましては、全くその思いをありがたく受けとめながら、これを契機に平泉の価値、そういったものを幅広くもう一度御理解いただくような形で事業展開してまいりたいと思ってございますし、今年度予定しておりました平泉の事業に関しましては予定どおり秋以降進めてまいりたいと考えているところでございます。
○高橋比奈子委員 本当にさまざまなこれまでの御努力に御苦労さまという言葉とあわせて、巻き返しの方法を今中村課長からお話をいただいて、もっともその方向でいいなと思うのですが、その中でちょっと要望なのですが、国際的な見地の方をきちんと入れて推薦書をやっていきたいというのは、これは非常に指摘されていた部分で、どうしても内部の方だけでやって国際的な見地が弱かったということは、私も周りの方に言われてきている部分なので、ぜひここのところを重視して、イコモスそれからユネスコなどに強い方を入れて推薦書を作成していただきたい。
 それから、あとは平泉の現地の方々の結束が大事だと思うのです。今までも一生懸命やっていらっしゃると思うのですが、いろいろなところに気を使いながらやられているような感を私は感じておりまして、やはりこの方々が3年後に向かって何が何でも頑張るのだという結束をとる役をぜひ県にお願いをしたいというのが2点目。
 それから、3点目として、私以前の委員会のときも話しましたが、この浄土思想というのは実はギリシャに発端があるというようなことをちょっと資料を内々に提出してお話をしたのですが、欧米対アジア、アフリカという中で、この平泉の浄土思想というのは実はヨーロッパにもあるのだよということをぜひきちんと中でお話をしていただいて、そうすることによって向こうの方々の考え方と合致する部分が実はあるということ、ここを切り崩しの点に入れてほしいということを以前もお話ししたのですが、ぜひここはしっかりと提示していただきたい。対立ではなく、向こうにもあったものを平泉が持っているのだと、欧米にあったものを持っているのだということで言っていただければと。
 4点目は、12人の委員の中から20回以上の発言があった方々にしっかりとしたお礼をしながら3年後へのサポートをお願いしていただきたいと。やっていらっしゃるかもしれませんが、こういう応援してくださったところへのフォローをしっかりして、次に向けていただきたいということを、要望なのですが、もし御所見があれば簡単にでいいです。お話しいただければと思います。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 いろいろ御要望いただいて、非常に我々にとって足りなかった部分もいろいろ御指摘いただいた部分がございました。
 その中でやはり一番は、国際的なイコモスの評価、これが正直申し上げまして日本といたしましてはこれまで10割打者でございまして、出した物件がすべて登録になるという中で、世界の基準の合わせ方が厳しくなっているという実感が国も我々もその辺ちょっと認識が足りなかったという反省がございまして、そういった意味でも今御要望、御指摘ございましたように国際的な見地を持った専門家といったものを今後ぜひ入れていきたいというふうに考えてございます。
 なお、浄土思想についてヨーロッパとのかかわりというお話もございました。これはいろいろ考え方はあるのかと思うのですが、これにつきましてもどうも我々身内、そばにいる専門家だけでやってきた点が強かったなという反省点もございまして、アドバイザーとしてもっと国際的な浄土教の専門家、そういった方々もやはりお入れするというような方向性も現在考えていきたいと考えてございます。
○高橋元委員 関係者の皆様方の御努力に大変敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、私のほうからは今の説明の中で推薦書作成委員は現在6人で、さらに何人かを加えると、こういう説明でございました。これまでの考え方、取り組み、それらを含めてずっとやってきて、こういう延期になったということから、私は全く白紙に戻して、どの観点からどういうふうな推薦書をつくっていくのかということを考えていく必要があると思うのです。その場合にこの委員会も一たん解散をして、そしてまたどういう構成で委員をつくるのか、あるいはどういう分野から委員をお願いするのか、そういった作戦をつくってから委員を選んでいくというのが手順ではないかと思うわけです。今説明のあった方法でやろうとしているのはどういう理由があるのかお尋ねしたい。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 委員御指摘のとおり、もう一度ゼロからスタートというやり方も当然手順としてあるという認識ではございますが、3年後の登録を目指すというスパンの中で、先ほどスケジュールでもお示しいたしましたが、来年の9月にはもう暫定版の推薦書を提出しなければならないというスケジュールでございまして、実はあと1年ほどしか準備の期間がないという中で、もう一度新たな先生方にお願いして資産の状況を全部説明し、御理解いただいて、さらにコンセプトをつくり上げていくというような時間が正直言って今回は残されていないというのが実態でございます。
 そういった意味で推薦書を前回お願いいたしました6人の方々に対しまして、例えば追加情報あるいは世界遺産委員会での審議の様子、このようなものをお伝えして、さらに発展させるために世界的な情報にも強い委員を入れ、1年でつくっていきたいという思いで、この部分が一番効率的ではないかと考えているところでございまして、御理解いただければと思います。
○高橋元委員 説明はよくわかりますけれども、心配なのはこれまでの考えをずっと引きずるというのが一つと、新しい委員が今までの委員と一緒になって、そして果たしていろんな意見が言える雰囲気なのか、体制なのかと、そういうところも心配なのです。だから、6人であれば、新たにまた6人ぐらいつけ加えてやるのであればいいのだけれども、6人プラス1人とか2人であれば、何となく新委員が余り発言するような雰囲気ではないのではないか、そんな心配しているのですけれども、ぜひその辺を含めて委員会構成を検討いただきたいと思います。
○岩渕誠委員 これまでの皆様の御苦労に対しまして、まずもって敬意を表したいと思います。今回は残念な結果になりましたけれども、一方でまかれた種も多かったのではないかなというふうに思っております。
 まず、地元の文化財関係者と話をしておりますと、3年後とにかく頑張ろうという気はあるのでありますが、その一方で懸念もございます。今報道各社の紙面も拝見しておりますが、どうやったら世界遺産になるのかというルールとか、そういった話が先行しているのですが、世界遺産になるための戦略、戦術を検討するのも大切なのですけれども、それによって本来平泉が持っている文化的価値が損なわれるのではないかという懸念も一部で出ております。
 やっぱり世界遺産というのはソフトパワーでありますから、それを認めてもらう、それを広げるという意味においてネゴシエーション上の戦略、戦術に頭がいくと、本当に平泉としての価値を世界遺産として認めてもらうことになるのかどうかという懸念があるわけなのですが、その辺どのようにお考えですか。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 委員御指摘のとおり、いろいろそのような意見もいただいているところでございます。つまり世界の基準に合わせるというようなところが第一義的にいき過ぎる余り、これまで地元で非常に大事にしてきた部分、あるいは価値として認識してきた部分からずれてくるのではちょっと困るというような御指摘いただいているところでございまして、そのようなことは文化庁とも意見交換しながら、情報交換しながら、心していかなければならないという思いでおりましたので、ぜひ気をつけて、そのようなことのないように進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○岩渕誠委員 わかりました。それが大前提にあるということですので、少し安心をしました。そういう意味では、専門家同士の議論というのは、時間がないようでありますけれども、本当に活発にやっていただきたいなというふうに思っておりますし、そういう意味では反省点として出ているわけでありますけれども、国と市町村との連携がどうだったのか、そしてもっとはっきり言うと専門家と行政間の連携というものがどうだったのかということがよく言われております。
 特に地元のほうではそういう考え方が根強いのですが、専門家が文化的価値についてこういうようなものをしたいと言うのだけれども、なかなか土壇場のネゴシエーションの舞台になると、そうでない力学が働いてということがあって、わかりやすく言うと専門家と行政間はちょっと仲が悪いというようなことも指摘をされております。
 今回外務省もユネスコ大使が代わります。後任は文化交流部長ですから今までの経緯がわかっていると思うのですが、もうちょっと風通しのいい状況にしていかないと、国と県あるいは行政間と専門家というところをやっていかないと、本当に同じことの繰り返しが十分予想されるわけでありまして、この辺どうお考えなのかということをお聞きしたいと思います。
 それからもう1点、最後になりますが、まかれた種といいますと、やっぱりこの際平泉をもう一回勉強しよう、学ぼうという機運がこれは地元でも多く出てきていると思います。教育委員会でもいろいろその後のコメントで、やはり平泉の価値を知らせるためにまず学ぶことだということで、いろんなプログラムを御用意されていると思います。今のところ新聞報道では若干拝見しておりますけれども、どういった形でまず学んでいくのか、どういった形で伝えていくのかということを早急にお示しをいただきたいと思っております。
 今「がんばろう平泉」というTシャツを着て頑張っていらっしゃるのですが、地元の一人とするとちょっと違和感もございまして、先ほどの部分にも関係するのですが、頑張るというのであれば何をどう頑張るのだということではなくて、地元で言うと広げよう平泉とか、そういうちょっとニュアンスの部分もあるわけでありまして、そういう意味で学ぶこと、伝えることについてどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 まず、第1点目についてですが、正直言って私ども初めて世界遺産にかかわる仕事をしてみまして、対外的になかなか御説明できない部分が多いなというのが実感としてありました。つまりイコモス関係の部分については、非公表あるいは公開できないといった部分が非常に多く、そういう作業がずっと続いてきた状況がございまして、そういった中で忌憚なく専門家の方々と意見を交換するという場が非常に少なかったなという反省もございました。
 ただ、恐らくなかなか公開できないという部分は、そう簡単には変わらないと思うのですけれども、もっと忌憚ない形で専門家の方々から御意見を聞くという機会はやはり今後設ける必要があるなというのは国も私どももその認識でおりましたので、地元、お寺さんも含めということではあるのですけれども、連携しながらいろいろ御意見伺ってやっていきたいというふうに考えていたところでございます。
 それから、学ぶ機運についてでございますが、我々登録を前提に世界遺産の平泉事業ということを教育委員会レベルでは考えてきたわけでございますが、このような結果になり、もう少し広い県民全体の学ぶ機運というものが必要かというふうに考えているところでございます。教育委員会だけではすぐにどうというのはなかなか今ここでお示しできませんので、プロジェクトなり全体の中でそういった機運をどのように盛り上げていけばいいかということを検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○斉藤信委員 まず、皆さんこれまで努力されたことに心から敬意を表したいと思います。私は、イコモスの勧告が出たときに、これはかなり厳しいと、昨年石見銀山の登録延期から登録になったというのは異例中の異例、例外中の例外で、これは2年続けてそういうことがあり得るということは私はもう最初からこれは本当に厳しい状況だったと、そういう中で最後まで努力をされたということについて敬意を表したい。
 その上で、私は一つ浄土思想を基調とした平泉の文化的景観というこの提案というのは、極めて斬新で日本的な提案だったのだと思うのです。私たちも特別委員会の場やいろんな場で学習したり現場を見たりして認識深まったのですけれども、それが本当に県民的に、ましてや日本の中で理解されたかというと、イコモスだけではなく、本当にこの浄土思想を基調とした文化的景観という価値の中身というのは、まだまだ理解される途上ではなかったのかという感じを私はしています。特に浄土思想というのは宗教的なものだし、当時と今の浄土思想というのの現状認識も違うのだと思うのです。だから、そういう意味でいくと斬新な提案だったが、これが本当に県民にも国民にもわかるような形で取り組むという点でいけば、私はちょっと時間が足らなかったのではないのかという感じをしています。しかし、これは斬新で平泉の価値を表現するという点では私は本当に貴重な提案だと思うので、ぜひこれを今後さらに具体化を深めていただきたい。
 その上で、ちょっと記者会見を見て、雰囲気がかなり伝わりました。あのイコモスの審査の。それで、個別にわからないことを聞きたいのですが、例えば3ページのところで登録延期は技術的側面の理由だと、ここで言っている技術的側面の理由というのはどういうことなのか。
 同じ3ページのところで、大西文化財部長は決議の中で提案の修正があったということで、この提案の修正というのは、これはどういう中身なのか。近藤大使も4ページの中でイコモスの勧告が第一であり、世界遺産の審議では最後の文が修正されたと言っていますよね。この修正されたというのがどういう中身で意味のあるものなのか。
 あと4ページの下のところなのですが、登録基準のA、これ適用するのかと、見解の違いがあったというふうに大西文化部長は言っているのですが、この登録基準のA、この中身、そして言われている見解の違い、文化の違い。5ページ目のところにはイコモスの勧告でアジアの成績が悪いことが話題になったという、そういう点で欧米の思想文化とアジアの思想文化というところの違いも出ているのだと思うのです。
 だから、我々の努力とあわせてやっぱりイコモス全体の中でも私たちはアジアや日本の文化を理解してもらう努力というのが本当に必要になってきているのではないか。だから、勧告が出る前にそれやらないと、やっぱり専門家会議の勧告というのは、それで七、八割勝負決まると思ってもいいと思うので、そういう点でいくとあと3年という中で、かえってこれは努力のしがいがあるという感じをしたのですが、そこを少し正確に教えてください。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 今幾つか御指摘がございましたが、まとめる部分はちょっとまとめながら御説明させていただきたいと思います。
 まず、3ページの近藤大使の登録延期は技術的側面の理由であり、登録基準の厳格な適用を求められているので、この基準を外すことはできないと言ったことについては、技術的な側面というのを近藤大使に確認したわけではないのですけれども、先ほど申し上げましたようにイコモスから基準について証明し切れていないというようなことについて、我々が反論しようとしても、なかなかイコモスに対してそういう説明する機会も与えられずに、委員国に対して、あの場で、委員会の場で直接反論するというようなこともあって、十分に登録基準に関する我々の思いを伝えることができなかったというのは非常にあったかなというふうには考えてございます。
 それから、同じページの大西文化財部長が決議の中で提案の修正ということ、これと実は4ページのほうの登録基準のAというところと若干関係があるわけでございますけれども、まず登録基準のAと申しますのは、主な部分でございますが、日本語訳では都市計画や景観設計の発展に重要な影響を与えた価値観の交流またはある文化圏内での価値観の交流を示すものであるというような価値基準でございます。
 我々は、この基準については平泉は違うのではないかなという認識で進めてまいったわけでございますが、イコモスのほうでは価値基準のAというのを例えば浄土庭園に限るというようなことであれば、基準適用できるのではないかというような勧告に附帯する意見のような形で実際あったところでございます。
 ただし、その前提といたしまして、まだまだ庭園自体がきちっと整備されていない庭園もあると。ですから、今後例えば中尊寺には大池という庭園跡がございますし、あるいは無量光院跡もまだ整備されていないわけでございますが、そういう浄土の庭園ということであれば、これらの庭園も整備した後にもう一度出し直すというようなこともいいのではないかというような部分も含んだ提案でございました。
 それに対して大西部長が修正というふうにお話しされているのは、世界遺産委員会の場でそのような庭園の修復がすべて終わらなければ推薦書が再提出できないという縛りをかけるべきではないということで、その部分は修正、削除というような形になって、我々にとっては次に出しやすい状況にはなったのですが、ではその基準にというものを純粋に適用していくかどうかという解釈も含めまして、今後推薦書の専門委員会等で、あるいは海外の専門家も交えて議論を重ねていかなければならないと考えているところでございます。
 それから、アジアの方々と欧米、ヨーロッパの方々という部分については全くそのとおりだなということで、これまでもユネスコ日本の近藤大使を初め、そういったことで御努力されてきているようでございまして、これらについても今後また努力を続ける必要があろうというふうに考えているところでございます。
○斉藤信委員 3年後に向けて今回のイコモスの勧告等、世界遺産委員会の決定、この決定と3年後の審査というのがどういうふうにかかわるのか、これが第1点。
 あともう一つ、近藤大使が最後のところで世界遺産の登録は学習のプロセスだと、この意見というのは大変大事なのだと思うのです。私たち県民からいくと、やっぱり平泉の文化遺産と県民がどう共存共栄していくか、まちづくりを進めていくかという、ここにこそ我々にとって一番大事なことがあって、遺産登録されればそれでいいのかということではないのだと思うのです。
 私はそういう意味でいくと、学習のプロセス、そして県民として理解を深めながら、これをどう共存共栄、まちづくりに生かしていくかというそういう点でも、そういう形の県民運動にしていく必要があるのではないかと。観光がよくなるという、これは副次的なことで、やっぱり根本的にはそういうことが大事で、そういうことも含めていろんな企画を考えるべきではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 2点の御質問かと思います。まず、今回のそういった委員会での決議を受けて次回ということでございますが、なかなか委員会の審議の詳細について公表できないというちょっとつらい状況があるわけでございますけれども、委員会等で指摘された、あるいは最終的に決議としてこのような課題があるといったような部分が多少御指摘ございますので、それらをクリアするというのが第一義だろうなと考えてございますし、大もとといたしましては、やはり先ほど来申し上げていますように世界的なレベルの中で登録基準との合致というものはベースとして必要ではないかというふうに考えているところでございます。
 それから、地元でのそういった共存共栄と申しますか、そういったことにつきましては全くそのとおりのことでございまして、市町とも今実務者レベルで、担当者でいろいろ打ち合わせもしてございますし、今後教育委員会を超える形で県全体で取り組んでいかなければならないという思いでおりました。
○新居田弘文委員 私も二、三点お伺いします。
 白鳥舘遺跡あるいは衣川長者ケ原廃寺跡のちょうど中間に住んでいますが、今回の世界遺産登録は非常に地元の方々とともに期待をしておりました。結果的にはこういう状況でございます。その間の当局の皆さんの御努力に、まず敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 それで、先ほど来指摘されておりますが、今回のコアゾーンと称される、九つあるわけですけれども、その中で世界遺産委員会が最後の決議ということで境界線の変更等についていろいろ触れられておりまして、そのことについて実はきのうのある新聞の岩手版に大きく上がっていまして、前の郷土館の館長がその辺ずばっと指摘しているとおりでございます。
 私も地元とすれば全部が一緒に登録なるにはこしたことはないのですが、それが再挑戦するに当たってどうなのかなというのを反問しながら、ちょっとそういう思いでいるわけですが、その辺について適切な処理を今後期待をするわけでございますが、そういうことが第1点。
 それから、コアゾーンを一生懸命推薦書の中でうたっているわけですけれども、問題は周辺のバッファーゾーンといいますか、取り巻く周辺をどう見るかということも一つあるのではないかなと思います。きのう、おとついですか、開通しました平泉バイパスも、そういう意味ではいろんな景観に配慮したルート等もありましたし、あるいは柳之御所の遺跡を考慮して川そのものを移動したということもありました。そこで、今回の審査の中でも現地で金鶏山にある鉄塔の問題、いろいろ指摘されまして、木でこれを覆うとか、あるいは見えなくするというような手法も今後とられるといいますか、そういう過程だというような話もあります。
 今あそこは一関遊水地事業が展開されていますが、その主な盛り土、端的に言いますと土取り場ですね。北上川の東側のほうの山間地からもありますが、そのコアゾーンの周りの山からたくさん採取して、それをあそこに運んでいるというのは御案内のとおりでございます。相当のダンプで運んでおりますが、それが全体から見た場合、平泉の世界遺産を取り巻く状況の中にして、ふさわしいのかどうかというのを常に思っているわけですが、その辺今回の審査にはかかわったかどうかわかりませんけれども、そういうことをちょっと心配しておりますが、その辺について、あるいはこれは県ではなくて市町村が許可するということであれば、特に地元であれば平泉町のとらえ方もあるのですが、それが二つ目。
 それから、三つ目は、去年の石見銀山の逆転登録になった経緯をちょっと本で読ませていただきますと、たまたまあそこは海岸線からかなり奥まった山間部の遺跡ということもございまして、開発その他がなかったと、そういう状況でそのまま保存されていたということと、それでいろんな施設については地元の皆さんが協力してそれを残す、いろんな復元をする、そんな取り組みが非常に評価されたと。
 もちろん県や関係者の御努力があるのですが、それが世界遺産委員会に逆転登録させる大きな引き金になったというような評価をしている部分があったのですが、今回平泉の場合ですと国道4号沿いということで、その辺は地理的に大きく違いますけれども、問題は地元の世界遺産登録にかかわる思い、どういう行動をしていたのか、あるいは今後進められると思うのですけれども、その辺を文化庁関係とか、あるいは中尊寺、毛越寺を中心とした両山の関係、それと地元町民とのギャップをどうとらえているのか、今後どのように立ち上げていくのか、その辺についてお聞かせをいただきたい。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 3点の御質問でございました。
 まず最初は、九つの資産でこのままというようなお話、確かに決議のほうでは境界線の改定というのも委員会の中では出されてきているわけでございますが、これについては先ほど申し上げましたように12世紀、藤原氏の時代に日本の北方領域でそういった浄土思想を基調に政治行政上の拠点をつくっていったという中で九つがそろって初めて拠点の説明ができるという形で今まで考えてきたところでございます。この件については再度この枠組みで考えていきたいという思いでやってございまして、国もそのとおりの考えでございますので、このとおりでいきたいなというふうに現在考えてございます。そういった中で境界線の変更というものをどの部分で我々の中で考えるかというのも、これからまた議論を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、第2点目の景観等についてのバッファーゾーンも含めたことでございますが、今回の委員会審議の中で、いろいろマスコミ等で話題になっておりましたけれども、そういった景観についての議論は一つもございませんでした。主に価値の部分と、全体的な価値については評価をいただきながら、個別の登録基準との合致基準といった中でなかなかそこまではということであったかなと認識してございます。
 ただ、委員会の中で、新たに世界遺産登録されているものの周囲でそういった開発行為が行われて、そして非常に問題視されている例も多々ございました。平泉バイパスも含めて、我々今現在の計画につきましては、既に保存管理の中で想定済みでございまして、そのような開発行為が行われるということは説明してございます。それから、鉄塔もそのようにあるということも説明して、今後このようなことで進めていきたいというような計画をつくってございまして、それについては御了解いただいているという認識でございます。
 ただし、その計画にない新たな開発行為等が出てくれば、これは非常にまた大きな問題になるかなという部分はあるかと思いますけれども、現状では特に問題になっていなかったということでございます。
 それから、3点目、石見銀山とのそういった比較でございますが、確かに石見銀山は非常に山の中にあって、自然の中に囲まれて、どこに銀山があるのかわからないような状況でございます。それらを近藤大使は逆手にとりまして、自然との共生という形で持っていったというところがあったわけでございますけれども、平泉の場合は浄土思想あるいは文化的景観、政治行政上の拠点というふうに、やはり石見銀山よりもコンセプトが少し多岐にわたっているといった中で、一言でなかなか言えないというのが世界遺産委員国への説明の中でもちょっと苦しかったのかなというのは近藤大使の感想としてもあったように聞いてございます。
 ただ、地元の思いは非常に強かったという思いはございまして、その分登録延期を残念だということでございますが、両山含めて今後やはりきちっと情報交換しながら次の3年後に向かって進んでいこうというような御了解いただいているところでございますので、市町含め、お寺、資産の関係者含めて3年後を目指してまいりたいというふうに考えてございます。
○高橋博之委員 2点お尋ねをいたします。
 1点目ですが、イコモスの勧告も大変厳しい内容でありましたが、本番での結果も実は勧告よりも大変厳しい内容ではなかったかという指摘もあったわけです。推薦書の作成委員会について、先ほど来さまざまな意見があるわけですけれども、これまでの既存の6人をベースに新たに委員を加えていくということなのですが、やはりこれまでの微修正ということではなしに、コンセプト含めて根本的な戦略の転換を図らなければいけないということを今回の結果が突きつけているような気がするのです。
 ただ一方でもう時間もないと、次の準備まで1年しかないという中で、また白紙からでは難しいということも大変わかるのでありますが、秋までに作成委員会をするということですが、6人の既存のメンバーに新たに何人加えるのかと。先ほど国際的な視野を持った方も入れるという話でありましたが、それ以外にどういった分野の方を入れるおつもりなのか、その点について教えてください。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 推薦書の作成委員でございますけれども、6人ということでベースに考えてございます。そのプラスアルファの部分については、文化庁といろいろ協議しているところでございますが、おおむね2人程度というところと、イコモスの専門家であり、国際イコモスの場でもそういった価値基準との整合性等も平泉以外の物件につきまして議論されたことのある方、あるいは他国のそういった物件についてイコモスの委員として現地調査に赴いたことがあるというふうに、世界レベルで日ごろからかかわっていらっしゃる方を視野に入れて今考えているというところでございます。
 ただ、いかんせんその委員会だけで決めても独り善がりという部分が否めませんので、早目に国際専門家会議を開きまして外国の専門家を招聘して、我々の考え方を常にぶつける中で、それでいいのかと確認しながら進めるということも大事かと考えてございます。
○高橋博之委員 既存の6名に新たに2名を加えるということでありますが、この2名はとても重要だと思っております。やはり同じメンバーで考えたのでは、さまざまな反省点もありますが、大胆な戦略の転換ですとか、コンセプトを違う角度から見るということはなかなか難しいと思うのです。
 一つお願いなのでありますが、国際的な視野を持った方ということでありますけれども、それも大事だと思いますが、もう一方で延期の結果が出た後、近藤大使のお言葉の中にぜひ地元の皆さんも一緒に知恵を出して考えていただきたいと、こういうコメントがあったわけですが、とても重要な指摘だというふうに私は思っております。
 つまり頭でではなくて肌で平泉の文化を感じてきた関係者の皆さん、仏教者あるいは遺跡の調査に直接携わった人を含めて地元の方が一番説明できると思うのです。そういった方を一方で2名の中の1名に私はぜひ加えていただきたいなというふうに思っておるわけですが、いかがでしょうか。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 これは、文化庁との共通な認識なのでございますけれども、今回の登録延期の結果を受けまして、これまでもう少し地元の方々と情報提供し、協議する機会もあればよかったという部分がございました。それで今両山、お寺も含めてですけれども、それぞれ資産を所有している方々、あるいは骨寺村荘園遺跡でいうと地域協議会がございます。そういった方々と日常的に情報交換して、進捗状況等を説明しながら進めていかなければならないのではないかなという認識でございまして、そのようにさせていただきたいと思っておりました。
 なお、委員に入って専門家の方々と伍してお話をするというのは、なかなかちょっと難しいのかなという思いがございまして、そういった情報提供をし、意見をいただくという場を設定するという形で考えているものでございます。
○高橋博之委員 そうだと思うのですが、いずれ今回さまざまな結果、勧告の内容等を含めまして見ておりますと、やはり地元の皆さんというか、そこにいた人が一番自分のところのことをよくわかるわけですよね。そういったところの視点なしに専門家、頭だけで平泉を考える方だけで物を考えるというのに私は無理があると思いますので、ぜひ委員の中に地元の仏教者あるいは遺跡の調査に直接携わった方を1人入れていただきたいと、これは要望であります。
 それから、最後の1点でありますが、これはぜひ教育長にお聞きをしたいのでありますけれども、私は平泉を世界遺産にする意味、地元の観光業界の皆さんとは共通認識を持っておりまして、平泉が世界遺産になればこれは起爆剤になるのだということでありましたが、それ以外の人たちに平泉を世界遺産にする意味というのは何なのだと聞かれたときに、実は正直うまく答えられなかったのであります。そういう県民の皆さんが実は大変多いと思うのですが、改めて3年後の再挑戦を目指すに当たりまして、岩手県にとって平泉を世界遺産にすることの意味、これを教育長は県民の皆さんにどのように説明ができるでしょうか。
○法貴教育長 平泉の意味は、さまざまなところからこういうものだというふうに言われています。ただ、端的にはやっぱり平和の思想とか、自然との共生、自立をしていたと、ああいう北方地域で中央政府から自立した政府をそのまま形成していた。自立、共生、平和というふうなものを、それを岩手県の誇りとしてソフトパワー戦略の一環として発信していくことがまず大事だなというふうに思っています。
 一番わかりやすいのは、平和だけを取り上げれば、県南振興局でつくった紙芝居みたいなのがあります。ああいうものも子供のときからということですので、例えば読み聞かせの場を通じてそういう思想だよ、それが岩手県の誇れる思想なのだというものをぜひ全県的に教育の場で用いて皆さんに理解していただければいいなというふうに思っています。
○高橋博之委員 本当にそのとおりだと思っておりまして、私たち岩手県民にとって平泉を世界遺産にすることの意味というのは、やはり過去の歴史を我々自身がよく学び、それを世界に評価をしていただくことによって、岩手県に生まれ育ったことを誇りに思えるということだと思うのです。その意味で今回残念ながら登録延期になってしまいましたが、ただ3年間の猶予をいただいたので、今回仮に登録になってしまったら、世界に評価されるというところはこれはオーケーなのですけれども、過去の歴史を県民がしっかり学んで我がものとするというところなきままに登録されるよりは、むしろ3年間をぜひ県民自身が過去の歴史を学び、我がものとするというところを深められる3年間にしなければいけないと思うので、その意味で県教委としてこれから小中高の授業の中で平泉授業も展開していくというお話もされておりますが、ぜひ世界に評価をされる部分だけではなくて、岩手に暮らす人たちが平泉に対してより深い理解を得られるような施策をさまざま展開していただきたいなというふうにお願いをして終わりたいと思います。
○高橋雪文委員 ちょっと視点を変えて、私のほうは提言をしたいと思うのですが、ユネスコの世界文化遺産に登録されると、実はそれを改築するとか、かえるとかすることが非常に困難になると、こういうふうに言われているところであります。今まで何度も平泉のほうにお伺いしているのですけれども、やはりまだまだ整備をしなければならない部分というのがたくさんあるのではないかと、この3年間猶予をもらったというふうな認識で、やはり観光にも教育にも対応できるような体制づくりに全力を挙げていくという、そういう視点も非常に重要なのではないかというふうに思いますので、その点お伺いしたいと思います。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 3年間の時間を生かしながらまちづくり等々、景観づくりも含めてというお話であるかと思いますが、景観条例を2市1町でそれぞれつくってございまして、過度な開発あるいは高い建物、そういったものはそもそもつくれないというように条例等で規制している部分がございます。そういったことも評価されて世界遺産に推薦いただいているということでございます。
 ですから、その枠組みの中でということなのですけれども、今地元は委員御指摘のような思いでこの3年間をそのような形で使おうと。特に平泉町は、町民の間からもやはりそのような動きが出てまいりまして、実際動きが行われております。我々としてもできる限りそういった動きを支援するような形がとれればというふうに思っているところでございます。
○伊藤勢至委員 だれかが言うのかと思っておりましたが、ちょっと言いづらいことなものですが、やっぱり言わないと後悔をすると思いますので、この際聞いてみたいと思います。
 副知事と教育長にお伺いをしますが、本当に岩手県として世界遺産登録を真剣に目指す、乾坤一てきの勝負をかける3年ということにとらえるのであれば、生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長というのをシンプルにして、世界遺産担当課長という職をつくって、そこの下に自由に動かせる人間を配置をして今からやっていくくらいの覚悟がないと、これは間に合わないのではないかというふうに思います。
 そういう中で、近藤大使なる人も3年後にこのポジションにとどまっているのかも疑問でありますし、かわるという方向ですよね。そうなると、今まで6、7年議論を積み上げてきた結果が今回鉄火場に向かったのは中村課長、世界遺産登録の委員会の雰囲気を知っているのも中村課長とこうなると、人材豊富、いろんな人がいるとはいっても、やはり3年という決して長くない時間ですから、担当のトップは鉄火場の雰囲気を知っている人がそのまま務めるのが本当は一番いいのではないかというふうに思います。
 これはかかって人事の部分につくわけですので、副知事さんも何も発言をしていませんから、この際ひとつ覚悟のほどを、それから教育長からもお伺いをしたい。中村さんは言いづらいでしょうから、あなたには聞きません。
○宮舘副知事 組織と人事のお話でございまして、これは今の時点でなかなか言いにくいことでございますけれども、いずれにしましても今回の世界遺産登録に向けた取り組み、これは3年間継続していくわけでございますので、そういう意味ではしっかりとした体制で取り組んでまいりたい、このように思っております。
○法貴教育長 組織、人事は今副知事から述べたように、今ここでというふうにいきませんけれども、今中村課長の下に遺産登録の特命の課長を置いて非常に機動的な組織にしていますので、こういう体制を維持しながら、いずれ3年間といっても1年半くらいしかありませんけれども、推薦書を完璧に仕上げるような気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
○佐々木一栄委員長 それでは、ほかにございませんか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○佐々木一栄委員長 それでは、続きまして世界遺産関連事業について総合政策部から説明を求めます。
○渡邊政策調査監 それでは、世界遺産関連事業につきまして、お手元の資料を御覧いただきたいと思います。
 まず、推進チームの見直しについてでありますが、7月の世界遺産登録を前提に設置しておりました部局連携のいわて平泉年推進プロジェクトチームについて見直しを行ったものであります。基本的には、登録まで推進チームを存続させるという前提で見直しを行っております。
 見直しの内容についてでありますが、まず設置目的の見直しであります。これは、当初世界遺産関連事業の部局横断の連携というような言い方になっていたわけですが、登録延期になったことに伴いまして、やはり岩手の平泉の価値を県内外にきちっと知っていただくというところを強めていかなければいけないということで、平泉の価値の普及という文言を明示しております。
 それから、名称の変更ですが、いわて平泉年というのが登録後1年間ということで予定しておりましたけれども、それが見送りになりましたので、名称をいわて平泉世界遺産関連事業推進プロジェクトチームというふうに変更しております。
 設置期間につきましては、先ほど申し上げましたとおり登録後翌年度までということで、登録まではずっと存続させるということでございます。
 次に、事業内容の見直しでありますが、見直しの基本的な考え方として二つここに書いております。一つは、登録を前提としたいわて平泉年推進事業、それとか祝賀的な事業は、当然でありますが、取りやめると。それから、二つ目としては、登録記念とか登録を契機にといった趣旨を掲げている事業もありましたけれども、それについては早期登録を願う、目指すといったような内容に変更して実施するということにしております。
 裏面を御覧ください。この事業一覧は、当初予算事業に加えまして振興局の地域振興推進費による事業、それからゼロ予算事業も加えた世界遺産関連事業の一覧になっております。ここで一部変更と中止ということで欄を設けまして整理いたしまして、その概要を書いたものであります。いわて平泉年推進事業につきましては、平泉宣言とか、それから平泉政庁とかさまざま計画はしておりましたが、これは取りやめるということになります。その他観光関係、観光キャンペーン関係等を記念という字を支援や祈念と変えまして、引き続き実施していくという内容でありまして、全体としては予定どおり今年度の事業は実施するという内容になっております。
 3枚目には、参考までに今年度の関連事業のスケジュールをお示ししておりますので、御覧いただきたいと思います。
 恐れ入ります、また1枚目に戻っていただきまして、これまでのプロジェクトの取り組み状況については、ここに書いてあるとおりであります。その他といたしまして、副知事のほうからもお話ありましたけれども、「がんばろう!岩手」運動推進プロジェクトチームとの連携ということで、今般始まりました「がんばろう!岩手」運動、これと呼応しながら3年後の世界遺産登録を目指しながら、観光キャンペーン等風評被害対策にかかわるような復旧、復興に関連する事業を連携して取り進めていくという予定にしております。以上でございます。
○佐々木一栄委員長 それでは、ただいまの説明に対し質疑、意見等はございますか。
○飯澤匡委員 先般ある有志の議員連盟で平泉のさまざまな点を県南広域振興局長に説明をいただいて、その際に紙芝居のお話をいただきました。その内容については英訳をされて、ケベックのほうにも各委員国にも発表されたというふうに聞いておりましたが、これは恐らく県南広域振興局の予算内でなったと思います。私は、大変すばらしい取り組みだと思っていますし、それを幼稚園等に県南広域振興局の職員が出向いて、主に浄土思想をわかりやすく、そしてまた平泉の成り立ち等を本当にコンパクトにまとめていて、その内容についてはもう少しグレードアップする必要があるという感じをしていますが、すぐそれを実行に移したということについて私は大変評価をしたいと思っています。
 したがって、そのようにわかりやすい、そしてまた平泉の価値を教育現場においても私はもっと小学校のあたりにも、紙芝居が適当かわかりませんけれども、そのような形で関連事業として今後3年間ありますから、大変有意義なことだと思うのですが、その点について本局としてどのように評価して、その活動について今後推進するおつもりがあるのかないのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 県南局でつくられた紙芝居については私も拝見してございますし、実際ケベックに英訳したものが持ち込まれまして、近藤大使から各国の委員にも御紹介されたというようなことがございました。紙芝居も一つの有効な方法だなということで、さっきちょっと教育長からもお話があったところでございますが、教育委員会では小学生と中学生用に平泉の遺産の概要についてのパンフレットを作成いたしまして、5、6年生に一昨年配付したところでございますし、現在は授業で取り扱っていただきたいということで希望する学校から全部リクエストを受けまして、各学校への配付というようなことも進めているところでございます。そういった我々教育委員会サイドといたしましては、学校関係のほうを授業も含めてさらに充実してまいりたいと思ってございますが、さらに多くの県民の方々に対するそういった価値の伝達ということについては、先ほど来ございましたプロジェクトチームのほうで全県的に取り組んでいく必要があろうかなというふうに考えているところでございます。
○飯澤匡委員 その内容については、恐らく教育現場、教育委員会の中でやっているのですが、私はそういうアクションを伴いながら、県がボランティアという形を進んでやったという事業について評価しているわけです。ですから、パンフレット等の配付をでよしとするということではなくて、今回そのような現場に行って、そしてみずからつくったものをこういうふうに出向いてやるということについて私は評価をしているわけであって、その点についてもう少し発展性をつけたらいいのではないかということなのです。
 その点について、私の要望とすれば、もう少しグレードアップさせたものを教育現場の中でも、ただ単にパンフレットをつくってやるということではなくて、何かのそういうアクションをつけながら、もっと有効的なものを県としても模索して、せっかく今県南広域振興局でやって私はすばらしいものだと思っていますし、これをもっと発展させてもらいたいと思うのです。その点についてコメント等があれば再度お伺いします。
○中村生涯学習文化課文化財・世界遺産担当課長 先ほど来ちょっと申し上げましたが、そのパンフレット等を使いながらということではあるのですが、実は我々、私を含めて学校に出向きまして、これは小中高を対象にしてございますが、全部というわけにはいかないのですけれども、授業をさせていただきたいなと思ってございました。また、知事の出前授業といったことも計画がございます。そういった中でそれらをビデオ等で撮る中で、各学校に提供したりしながら、そういった意味での取り組みの広がりというものを我々各学校に足を運ぶ中で自分たちも広げていきたいという思いで今計画してございましたので、そのようなことについても若干紹介させていただきたいと思います。
○飯澤匡委員 では、教育長どうですか。私の言っている真意をよくわかっていると思うのですけれども。
○法貴教育長 先ほど高橋博之委員にもお答えしましたけれども、紙芝居を使った理解のさせ方ということは非常にいいものだと私は思っています。授業そのものではなくて、例えば読み聞かせの場なんかありますので、そういうボランティア活動の中で、小中学校でかなり読み聞かせボランティアみたいな方たちがいらっしゃいますので、ただあれは浄土思想の平和だけ取り上げていますので、あれを例えば自立とか共生とかというのを少しかみ合わせながら、もう少しグレードを上げて読み聞かせの場なんかを通じてやればいいのかなというふうに私は思っています。
○小野寺有一委員 私からは、プロジェクトチームの設置期間の見直しについて変更すべきではないかという観点から意見を申し上げたいというふうに思います。
 本年7月の登録を前提に平成21年度末までとした設置期間を世界遺産登録の翌年度までということに変更したということでありますけれども、私はこれを平成24年度末までということに明記をすべきだというふうに思います。
 理由は三つございます。一つ目は、これはプロジェクトチームということであるわけでありますので、プロジェクトですから、特定の課題が組織に投影されるという意味でのプロジェクトだということでありますので、やはりそれには明確な期限を設けるべきではないかということが1点。
 それから、第2点目は平成23年の7月に35回の世界遺産登録委員会にかけるということでありますが、その時点では知事も我々も改選を挟んでいるわけでありまして、知事の執行権の範囲内でのプロジェクトチームの設置だと思いますけれども、政治的な面からもそういったことを次の任期の方々まで長い期間にわたって縛っていくということはやっぱり適切ではないのではないかというふうに思うわけであります。
 第3に、平成23年の夏に絶対に登録を目指すのだという、そういう県としての意思を示すということにおいても、やはり平成24年度末というふうな形で設置期間を明記すべきではないかというふうに思うわけであります。御所見をいただきたいというふうに思います。
○中村副部長兼主席政策監 ただいまプロジェクトチームの設置期間につきまして、今回の改正では世界遺産登録の翌年度までというような見直しをさせていただきました。
 今委員のほうからは、明確に平成24年度までといったような期限で示すべきではないかという御意見をちょうだいいたしましたが、我々といたしましてもぜひ次回の平成23年に開催をされます世界遺産委員会において、県としては絶対登録に持っていくといったような考えで取り組みをしていこうということで進めておりますし、趣旨といたしましても平成23年の登録を前提として、翌平成24年度まで関連事業を進めていくという気持ちで今回のプロジェクトチームの規定改正は行ったものでございますので、どうぞ御理解を賜ればというように思います。
○高橋比奈子委員 私は、いずれいろいろなところでこの世界遺産関連事業の変更とか、さまざまで大変な御苦労をされていると思うのですが、予算を組む段階で世界遺産に登録されるという思いで予算を組んでいらしたと思うので、登録できなかったということでこの予算とか計画はかなりの変更があっていいと思うのです。ですから、今後の3年後の登録に向けて、しっかりと対応できるような予算に変換していくべきではないかと思います。
 先ほど高橋雪文委員からもお話がありましたけれども、施設の整備が必要だというところがいっぱいあると思うので、本来イベントなどの中止をした分はそういうところに回せるものは回すとか、やはりこれはトップのきちんとした采配によって3年後の登録に向けた予算として使おうというような大幅な変更があってしかるべきと思いますが、その辺をどのように考えていらっしゃるか。
 それから、中止をしたイベントなどの予算はどのように使われる予定なのかということをお知らせいただければと思います。
○中村副部長兼主席政策監 今回見直しを行った部分につきましては、あくまで今年度に登録を前提とした事業、中止をした部分につきましては、いわて平泉年推進事業、これのみでございます。あと一部内容を修正したものが何件かございますが、そういった形で見直しをさせていただいたものでございます。
 今委員からお話ございました、仮に平成23年登録を目指す場合には、それに対応したしっかりとした予算にすべきではないかということでございますが、それは県としても平成23年登録をきちっと見据えた形で、必要な予算につきましてはこのプロジェクトチームの検討の中でもしっかりと検討していきながら、また来年度以降の予算の内容についても今後詰めてまいりたいというように考えてございます。
 今回平泉年推進事業については中止という形になりますので、これについては最終的には減額の補正という形になるものでございますが、それにつきましては県全体の予算執行の中で有効に活用してまいるというような形になるものと考えてございます。
○高橋比奈子委員 私のほうでは、ぜひこれは副知事また知事にも要望していただきたいと思うし、教育長にも要望させていただきますが、一応立てたときは多分登録されるという思いで立てていると思いますので、これに関して3年後に向けてどういうのが今年度もいいか、それから今後に向けていいかということを見据えた、変えるべきところは変えるという大胆な発想を持って、3年後は何が何でも登録するぐらいの覚悟でやっていただければと思いますので、そういうことを踏まえて大胆な発想展開も必要かというふうに思いますので、要望とさせていただきます。
○佐々木一栄委員長 ほかにございますか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○佐々木一栄委員長 ほかになければ、これをもって質疑を終了いたします。
 以上でユネスコの世界遺産委員会についての調査を終了いたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。

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