環境・エネルギー対策特別委員会会議記録

環境・エネルギー対策特別委員長 高橋 雪文
1 日時
  平成20年8月6日(水曜日)
  午前10時3分開会、午前11時43分散会
2 場所
  第4委員会室
3 出席委員
  高橋雪文委員長、菅原一敏副委員長、及川幸子委員、大宮惇幸委員、関根敏伸委員
 中平均委員、小野寺研一委員、熊谷泉委員、亀卦川富夫委員、工藤勝博委員
 木村幸弘委員、阿部富雄委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  晴山担当書記、佐々木担当書記
6 説明のため出席した者
  財団法人 岩手生物工学研究センター 研究員 竹田匠氏
  農林水産部徳山農業振興課総括課長
7 一般傍聴者
  なし
8 会議に付した事件
 (1) いわてバイオエネルギー利活用構想について
 (2) 次回の委員会運営について
 (3) 委員会調査について
9 議事の内容
○高橋雪文委員長 ただいまから環境・エネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。本日はお手元に配付いたしております日程のとおり「いわてバイオエネルギー利活用構想について」、本県のバイオエタノール利活用促進などの現状を踏まえて調査を行いたいと思います。
 調査の進め方についてでありますが、執行部及び講師から概要の説明を受けた後、質疑、意見交換を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、執行部に説明を求めます。徳山農業振興課総括課長、お願いいたします。
○徳山農業振興課総括課長 おはようございます。農業振興課総括課長の徳山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、岩手県におけますいわてバイオエネルギーの取り組みについて、初めにことしの3月に策定いたしましたいわてバイオエネルギー利活用構想についてお話を申し上げ、その後今年度実施しております事業について御説明したいというふうに思っております。
 まず、お配りしております資料、利活用構想、本体ございますし、あとこのほかにA3でございますけれども、カラー刷りのものが2枚入っております。さらに、A4のナンバー3、あと参考資料が出ております。
 初めに、この利活用構想の本体と、あとA3の資料のナンバー1、ナンバー2を使って御説明を申し上げます。まず、このいわてバイオエネルギー利活用構想でございますけれども、近年環境や、あるいはエネルギーに対する関心が非常に高まっている中で、バイオエネルギーの利活用については地球温暖化の防止、あるいは循環型社会の形成に重要な効果をもたらすものと期待されております。
 また、農村におきましては現在耕作放棄地等が増加しておりますけれども、これらの有効活用、さらにはアグリビジネスの創出など新たな農村地域の展望を生み出すということも期待されているところでございます。
 県といたしましてもこうした中で積極的に本県の強みを生かしながらバイオエネルギーの利活用に努めていくというふうなことで、この県としての今後の基本的な取り組み方法を構想としてまとめたものでございます。まず、この構想策定の考え方でございますけれども、まず岩手県のバイオエネルギー利用上の強みでございますけれども、まず全国9位でございますが、水田が多いというふうなこと、一方では未利用地の水田、畑、転作田も多いというようなことがございますし、また山の面では本州一の森林面積がございます。また、水産関係では豊かな三陸海岸を抱えておりまして、非常に、バイオエネルギーの原材料を生み出されるというふうな点で恵まれている環境がございます。
 また、1つ飛びまして、県内には東北農業研究所やあるいは岩手生物工学研究センター、大学等がありまして、これらの研究を進める環境も非常に整っているというふうな状況にございます。これらを生かしまして、岩手らしさを生かしたバイオエネルギーの利活用を推進しようというようなことでございます。具体的な取り組むねらいといたしましては右のほうに書いてございますが、まず未使用農地あるいは転作田の有効活用、農村地域の新たなビジネスの創出、それから循環型社会あるいは地球温暖化の防止、このようなことをねらいにしているところであります。
 取り組みの方針と目指す姿でございます。まず、目標年については2020年を決定しております。国のほうでは、バイオマスニッポン総合戦略で2030年を目途とした計画をつくっておりますけれども、今から二十数年後というふうなことでなかなかぴんと来ないというふうなこともあります。そうした意味で、技術的な開発の進度にかなりゆだねられるところはありますけれども、積極的な姿勢を示すことも必要だというような意思表示も含めまして、2020年を決定したところであります。取り組みの方針は、3つの考え方を基本にしております。1つはエネルギーの地産地消でございます。エネルギーについては、今グローバルに海外からもどんどん入ってきておりますが、やはりできるものであれば輸送にかけるエネルギーを使うというふうなことではなくて、なるべく地域にある資源を活用して、それをエネルギーとして機械等で使うというのを基本的に考えており、このエネルギーの地産地消を第1点目としたところであります。
 2つ目は、食料あるいは飼料と競合しないエネルギーの利用というふうなことでございます。特にバイオエタノール用の農産物が家畜の飼料ではなくて、原料用として回っているというふうな大きな問題がございますので、やはり食料やえさとは競合を避けて、種の部分は食料とかえさに使う、一方でわらの部分をエネルギーの原料にする、こういうふうなことが基本だというふうに思っております。これを2点目の方針にしております。
 また、3つ目でございますけれども、本県のようにまとまった農地が余りない、条件が必ずしもよくないというふうなところでは大量生産による低コストということよりも、むしろ技術の開発を先進させまして、本県オリジナルの技術を進めるというのが基本的に考えておりまして、この3つ目に県オリジナル技術の開発というものを挙げたところでございます。
 このような考え方のもと、将来的に目指す姿、イメージでございますが、右にありますようにまず左側のほうが水産、森林、農業、畜産、この部分から出されますエネルギーの原料でございます。これを右のほうに食料や飼料の供給と競合しないバイオマスとして、また本県独自の先端技術を使いましてエネルギー化を図る。そのエネルギー、例えばバイオエタノール、あるいはBDF等でございますけれども、これについてはまず農村での利用を最初に考えましょうと、当然副産物が出ます。これは有効な家畜のえさとか肥料になりますので、これらについても100%利用しましょうと、こういうふうなことが県内の各地域ごとにできる、このような姿を目指してこの構想をつくっていくものであります。
 次に、ちょっと本文のほうを御覧いただきたいと思います。4ページ目でございます。4ページの下のほうに対象とするバイオマス資源とエネルギー利用という項目がございます。ここでは、本県で利用可能なバイオマス資源について、賦存量、生産コスト、エネルギー収率を調査しました。各資源ごとのエネルギー変換の技術の開発状況あるいは今後の見通しを考慮いたしまして、2つに分けて考えております。1つは、当面の利活用が期待される分野、もう一つが中長期的な視点で利活用が期待される分野、大きくこの2つに分けてこの構想では取り上げているところでございます。具体的には、5ページ目でございますけれども、当面の分野といたしましては米等を原料としたバイオエタノール、ナタネを原料とし、一たん家庭で使う、あるいは旅館などで使ったもの、廃油を回収して使うBDFの製造、バイオディーゼル燃料です。あとは家畜排せつ物を利用したメタン発酵発電、さらに木質の端材等を利用した燃焼ガス発電でございます。これらについては、コストの部分は大きな問題がございますけれども、ある程度の技術的なものについては確立されている部分でございます。
 また、中長期的に利活用が期待される分野といたしましては、1つはセルロース系の原料、稲わらとか、あるいは雑穀の茎葉、こうしたものを材料としたバイオエタノールの製造。2つ目は木質、製材所の端材とかあるいは林地残材等を原料としたバイオエタノール製油、また漁業系廃棄物等を原料としたメタン発酵のエネルギー利用、こういうふうなものも想定しているところでございます。これらについては、いずれも今やれるところから取り組んでいこうというのがこの考え方でございます。
 もう一度先ほどのA3のほうに戻っていただきまして、下のほうには利活用の工程表を示しております。まず、エネルギー、バイオエタノールでございますけれども、米、稲わら、雑穀、あとは木質でございます。まず、2010年までに品種の選抜、増殖等を進める。また、多収、低コスト栽培体系を確立して、普及させるというようなことを考えております。また、特に稲わらと茎葉につきましては、セルロースを分解するという非常に大きな課題がございますので、ここの部分について生物工学研究所で研究に着手し、やっているところでございます。最終的には2020年ごろを目途として利用技術を実用化まで持っていければなというふうな構想でございます。
 あと木質については、さらに稲わらよりもリグニンという非常にやっかいな物質が入っておりまして、これの除去にかなりの技術を要するというふうなことで、若干進度が遅くなるというふうに考えているところでございます。
 次に、バイオディーゼルでございますけれども、これは既に技術的な部分が確立されております。あと問題となっているのは、いかに家庭あるいは産業界から廃油を回収するか、効率的に回収するシステムづくりでございますので、こういうふうなことを進めたいというふうに思っております。特に県内でも各市町村ごとに先進的な取り組み、ナタネの生産から、さらに家庭での利用、それを回収してBDFをつくり、それを公用車等で使うというふうな動きがありますので、こういうふうな取り組みと連携しながら県としても普及活動等に取り組んでいくというふうなものでございます。
 あとバイオ発電エネルギー利用でございますけれども、これは県内では葛巻とか、あるいは一戸町で先進的な施設ができております。現在それらの施設の調査をしておりまして、本当に導入可能条件を解明しようと、明らかにしようというふうなことで進んでいるところでございます。
 その木質の燃焼発電でございますけれども、これについてもかなり原材料を集めるというのは難しいというところがございますが、大型の木材加工場の育成によりまして、プラントの導入を支援していこうと。いずれも当面は2020年を最終ゴールでやろうというふうなことで今考えております。
 次の右のほうでございますが、エネルギーの利用の展望というふうなことで、これらの技術ができた場合に、どれぐらいの土地の有効利用等が図れるかということを展望したものでございます。米を中心にお話ししたいと思います。まず、2010年は未利用水田10ヘクタールというふうに想定しておりますが、2020年のところの「原料仕向量等」というところに書いてございます。現在未利用水田が約1,600ヘクタールほどございます。このうち3分の1においては、原料用の米をつくろうというふうなことで、そこから約4,300トンの米を原料としたエネルギーをつくります。実際300キロリットルほどのエタノールが製造されるというふうなことになります。また、稲わら等を利用するものについては、未利用水田1,632ヘクタール、全体で稲を作付し、種の部分は3分の1はエタノールの原料、3分の2はえさとか、あるいは品質がいいものですと食料用とかというふうなものに回しながら、残りの茎葉を原料用としようというふうなものでございます。ただ、稲わら等におきましても家畜の粗飼料にもなっておりますし、また地力維持というふうなことで必要な部分もございますので、その部分は除去して70%を原料に向けるというふうな試算してございます。この部分で約6万2,000キロリットルほどのエタノールが製造されるというような、製造できるものでございます。
 そのほか雑穀の茎葉とか木質を合わせますと2020年の展望といたしまして、県内で使用しているガソリンの17%ほどが賄えるというふうな状況に試算されます。この場合は、エタノール100%として試算しております。
 次に、ナンバー2のA3のほうを御覧いただきたいと思います。これは、各エネルギー原料ごとの事業化モデル、そしてこれを作成するための原料と課題、課題解決の方策を示すものでございます。バイオエタノールのところを中心に御説明をいたします。まず、事業化モデルといたしましては、1集落で10ヘクタールほどの原料用稲の作付、それを6集落ほどでまとまって生産するということを想定しております。また、収量については、県のオリジナル品種で800キロの単収のものを目指します。
 一方で、コストの問題でございますけれども、低コスト栽培技術を導入いたしまして、生産コスト、労賃のぞきでございますが、現在の約半分まで落とすことができるのではないかと、可能性としてあるというふうに考えております。あとこういうふうな60ヘクタール程度ほどのまとまりごとに小さなプラントを整備しまして、そのプラントで周辺の稲わらを原料としてエタノールを製造する、それを地域内での草刈り機とか軽トラック等にE3やE10というふうな形で利用するというふうなものをモデルにしております。
 課題でございますが、右の欄にございます。まず、目標の単収とコストを実現しましてもなかなか採算に合わないというのが実態でございます。また、労賃を補うための支援が必要。これについては、参考1のほうで御説明したいと思います。参考資料のほうのA4縦のものがございます。バイオエタノール原料用米の生産コスト低減についてというタイトルでございますけれども、バイオエタノール生産コストの目標、これ県のほうで定めておりますバイオマスニッポン総戦略会議においては、バイオエタノールの生産コストの目標を1リットル100円というふうに設定しております。この100円を実現するための原料米の価格としては1キロ20円に抑える必要があるというふうなことで、これが今全国的にも、通常この程度というのが目標になっているところであります。
 一方で、今の主食用の価格でございますが、このグラフにありますように1キロ約200円でございます、1俵1万2,000円ぐらいでございます。
 一方で、現状のほうはどうかといいますと137円で、目標コストは43円、原料価格が20円というふうになります。これそれぞれの試算条件でございますが、3のところに現状の栽培体系が書いてございます。あと17年の実績で10アール当たり538キロ、あと価格は先ほどの20円を設定いたします。栽培は通常の平均的な栽培方法でございます。コストが生産調査から求めましたが、費用として物財費だけ計上しております。これだけでも10アール当たり7万3,820円、1キロ当たりでは137円になります。20円で販売いたしますと収入から生産コストを引きますとマイナス6万3,061円というふうに採算が合わないというふうな状況でございます。
 次に、43円の最大限コストを低減させた場合でございますが、前提条件はオリジナル品種を使いまして10アール当たり800キロを想定しているということで、価格は先ほどの20円でございます。栽培方法については、湛水直播栽培、1ヘクタールの圃場で60ヘクタール程度の大規模栽培、あと品種は今ありますオリジナル品種の岩手85号と岩南29号を組み合わせまして作期を拡大して作業労賃を抑えるというふうな栽培体系を考えております。これをここの中でもコストを計算いたしますと、10アール当たり3万4,000円まで落とすことができます。これは1キロ当たり43円に相当するというふうなことで、この場合でも収入から生産コストを引きますと、なお1万8,000円ほどのマイナスになるというのが実態になってございます。
 4のところに採算性と今後の対応方法でございますが、まず目標の単収と最大限のコスト低減を実現することが前提としてある。それを実現しても、なお採算が合わない。これは、労賃を採算に加えておりませんけれども、労賃を確保するためには10アール当たり1万8,000円の、先ほどの3の(2)の収支のマイナス部分でございますけれども、これプラス労賃9,800円を加えまして、10アール当たり2万7,800円ほどの不足になる。これについては何らかの制度的な支援が不可欠だというふうなことでございます。今ある方法といたしましては、産地づくり交付金、このようなものをここに充てることができるかと思いますけれども、一方で産地づくり交付金についても総枠が決まっているというふうな厳しい現状があるということでございます。
 あわせまして、こういうふうな価格差を克服する取り組みといたしまして、やはり子実部分はえさとして、あるいは品質のいいものは食料として使って、茎葉という部分を稲わらなどのセルロース系物質を原料とする第二世代のバイオ燃料の技術開発が必要だというふうに考えております。これがコストの実態でございます。
 もう一回先ほどのA3のほうに戻っていただきまして、先ほどの課題のところでございますけれども、バイオエタノールの製造コストそのものも結構高い状況にあります。あとは県内の小型プラントがないとか、あるいは関係法令とか税制への適合性についてもまだまだ問題があるというふうな、このような実態があります。
 解決方策でございますが、まず1つは技術的なものといたしまして、安定して低コストで多収できるような品種の開発が不可欠でございます。これについての先ほどの参考資料の2枚目のところに岩手県における品種開発の状況、今持っている有効系統を紹介しておりますので、そちらを御覧願います。参考2でございます。1つは、岩南29号でございます。これは、前の農業研究センターの農産部銘柄米研究室、奥州市江刺区でございますが、ここで育成されたものでございます。育成後、公開後14年ほど経過しております。特性でございますが、出穂はひとめぼれより同じか若干早いというふうなことでございまして、玄米収量が2カ年の平均でございますが、73キロ程度というふうなことでございます。通常60キロちょっとでございますので、かなり高収が期待されます。また、県内での最高の収量は774キロというふうな記録を持っているものでございます。
 また、2つ目の品種、岩手85号でございます。これは、県北、中北部向けの品種でございまして、北上市で育成されたものでございます。これも玄米収量のところを見ていただきたいのですが、65.7キロというふうなことで、あきたこまちよりも10キロぐらい多いというふうなことです。これの県内での最高記録は県北試験場で記録した783キロというのが増収の最高記録になっております。
 このような2つの品種を持っておりますので、今年度中にいずれの品種も品種登録を申請する予定でございます。ただ、やはりまだまだ800キロには難しいところがございますので、さらに今後育種を選抜していくというふうなものでございます。
 これのバイオエネルギーの事業化モデルの実現のための取り組み、特にバイオエタノールを中心としたものでございます。
 次に、中長期的分野のバイオエタノール、今度は稲わらとか茎葉の部分を使ったもので、真ん中よりちょっと下の段でございます。ここの事業化モデルと現状と課題等でございますが、事業化モデルについては、先ほどと同じような60ヘクタール規模を考えております。
 事業化モデルといたしましては、市町村とか農家組合単位、本県オリジナルのセルロース糖化技術を使ってエタノールを製造し、地域内で使うというふうなものでございます。課題でございますが、真ん中の段でございます。子実をえさ用として販売したとしても、やはり採算性は厳しいという状況がございます。また、セルロースを効率よく分解する糖化する技術というのが今開発中というようなことで、まだ確立されていないというがあります。今後の解決の方策でございますが、セルロースの効率よいエタノール技術の開発による製造コストの大幅低減というふうなことで、オリジナル技術の開発を今、目指して取り組んでいるところであります。
 先ほどの資料ナンバー3のところを御覧いただきたいと思います。参考3です。参考3のところで食料と競合しない稲ワラなどのセルロース系原料の活用についてというふうにまとめております。後ほど生物工学研究所のほうから研究内容の説明を予定しておりますけれども、まずデンプンを原料とした場合と稲わら等のセルロースを原料とした場合のエタノールの製造に至るまでの経過でございますが、まずデンプンの場合、直接エタノールの原料となります糖が鎖のようにつながった状態、だんごのような状態でございますけれども、比較的分解しやすい状況にあります。そのためデンプン等を直接糖化、これは酵素を使っているわけですけれども、糖化して糖に分解する。さらに、そこに酵母を働かせまして、アルコール発酵させて、できたアルコールを濃縮する、脱水してエタノールというふうな完成品に結びつくものでありますが、一方その下の段にございますセルロース系原料からエタノールを製造する場合は、米等と比べまして繊維質の気質になっておりますセルロースががっちりと固い状態で組み合わされております。このセルロース間を埋めるいろんな物質が混ざりまして、なかなか分解が容易ではないというふうなことから前処理が必要となります。この前処理過程の解明というのが今世界的に大きな関心事になっておりまして、ここがいろんな研究開発がしのぎを削っているところでございます。前処理をした後、やはり糖化いたしまして、糖に分解する。これを酵母によってアルコール発酵させて、濃縮、脱水し、アルコールに精製すると、このような工程でございます。この前処理段階をいかに効率よく進めるかということが低コスト化のかぎになっております。
 2のところに各工程の主な技術内容と課題がありますが、やはり前処理の段階で付随的には粉砕処理というのがございます。それに木質の場合にはリグニンの除去、稲わら等の場合にもヘミセルロースとかセルロースとかというがっちりと固まった構造上の物質を容易に分解しやすいようにするための処理でございます。糖化、アルコール発酵、それぞれ酵母の改良とか、酵素の改良、このようなものが課題となっております。
 あと参考に、国内でのセルロース系原料の製造、技術開発の事例でございます。これはいずれも木質からの分解、木質を原料といたしましたアルコール生産でございます。日揮というところでございますが、濃硫酸法によってセルロースとヘミセルロースを同時に処理、前処理と糖化を同時にするというふうなものでございますし、あと月島機械、これは皆様が視察調査したときに聞いておりますけれども、希硫酸等によって前処理と糖化を同時に行う、さらにKO11というふうな分解菌を使って効率的にアルコール発酵をするというふうなものでございます。3と4は省略いたします。
 このようなエタノール、稲わら等のセルロースの原料としたバイオエタノール製造につきましても大きな期待は持てるけれども、実際にはいろんな克服しなければならない課題があるというふうなことでございます。これらを踏まえまして、今年度の事業について資料のほうで御説明いたします。
 資料ナンバー3でございます。いわてバイオエネルギー利活用促進事業でございますけれども、バイオエネルギー利活用構想に即しまして、食料、飼料との競合を避けたエネルギーの製造技術開発を加速化しますというふうな部分でございます。特に本年度はバイオエタノール利活用のための技術開発を中心にこの事業に取り組んでおります。事業の内容でございますが、まずバイオエタノールに関する最先端技術の開発というふうなことで、稲わらや雑穀の茎葉等のセルロース分解促進技術の開発、この先ほどの説明、この図のところにありますように重複いたしますけれども、植物等の骨格となっているセルロースを糖類に分解する場合の分解促進技術の開発でございます。
 このエクスパンシンという黄色く塗りつぶしたところでございますが、これがセルロースの骨格の部分を分解しやすく、ゆるめる働きを持つ酵素というふうなものでございます。アメリカで特許を今出願しているところでございます。岩手生物工学研究センターのきょう説明する竹田匠研究員が特許出願しているものでございます。
 2つ目は、Aのところでございますけれども、DNAマーカーを活用した低コスト生産のための品種選抜。岩手生物工学研究センターのほうでは、これまでもいろんな優良形質を判定するDNAマーカーというのを開発しております。これは遺伝子の中で、例えば低温発芽性に強い、低温発芽性を持った特性の遺伝子の特徴をつかみまして、その特徴のところをつかめば実際に圃場で試験をしなくても、遺伝子を見るだけでその特性を持っているところがわかるというふうな技術でございます。今研究しておりますのは、3つの特性、低温発芽性と耐涼性、耐冷性の3つの部分に着目いたしまして、これらのそれぞれの特性を持った系統を選抜するマーカーを開発しております。あとこのできたマーカーに対して多収系の品種をかけ合わせまして、品種を選抜というふうなことでございます。最終的には低温発芽性と耐涼性と耐冷性、これを多収性を持った品種にかけ合わせて、これらのすべての形質を持った品種選抜を行う、そのスピードをこの手法で、選抜スピードを向上させようというようなものでございます。
 次に、2枚目でございます。先ほど多収技術が基本となっているというふうな話をしました。それで、圃場レベルでの多収栽培というふうなことをことしやっております。奥州市の胆沢区と金ヶ崎町で農家の皆さんの御協力をいただきながら実証試験をやっているものでございます。多収性コスト栽培技術の確立に向け、800キロを目指して今やっております。ことしは岩南29号を使って両圃場でやっております。
 あとさらに、まだ将来的な話になりますけれども、バイオエタノールを実際の農業作業場面で使えないのかというふうなことで、今国のほうの基準では3%混合までは通常のガソリンと同じく使えるというふうになっておりますけれども、それをやっぱりもう少し自分のところでできるのであればいっぱい使いたいというふうなことで、3%のほかに10%、20%、あと100%エタノールだけというものを目標条件に入れまして、実際に草刈り機で本当に期待どおりの作業ができるかどうかというあたりの調査研究をやりたいというふうに思っております。
 (3)は、バイオエタノールではございませんけれども、BDFのところについて雫石町の取り組みと連携いたしまして普及啓発活動を行っているものでございます。これがことしのいわてバイオエネルギー利活用促進事業の概要でございます。
 こうしたことは、ちょっと長期的な話になりますけれども、この構想に即して具体的に取り組めるところから事業でやっていくというのが現状でございます。以上で説明を終わります。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。それでは、御質問はその後、もうお一方、続きまして、財団法人岩手生物工学研究センター、竹田研究員に御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 (パワーポイントにより説明)
○竹田匠講師 おはようございます。私は、岩手生物工学研究センターの研究員をしています竹田でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 私たち岩手生物工学研究センターでは、岩手県の産業の振興を目的としまして基礎研究を行っております。特に私はこれまで植物を対象とした研究を行ってきまして、そして現在当センターではバイオマスの利活用を目的とした基礎研究を行っております。特に先ほどお話しがありましたバイオエタノールという言葉をキーワードとしまして、岩手県における産業の発展というものを目的に現在も研究を行っています。これは、私たちが仕事をしております岩手県北上市にありますセンターの写真であります。
 まず、簡単にバイオエタノールの製造工程を説明させていただきます。現在バイオエタノールを製造することは可能であります。不可能ではありません。ただ、コストがかかるということが一番の問題となっております。そして、現在世界じゅうにおきまして、ここに示しました材料を使ってエタノール製造が行われております。サトウキビ、サトウダイコン、トウモロコシ、稲、樹木などがあります。そして、先ほど話ありましたように、サトウキビ、サトウダイコン、これら砂糖、そして私たちの食料にもなっています。そして、トウモロコシ、これも私たちの原料、そして飼料にもなっておりますが、これらからエタノールをつくりますと食料問題と競合しまして、現在起こっております食料の価格の高騰というものが起こっております。
 しかし、私たちが目標としておりますのはここにありますセルロース、例えばサトウキビの搾りかす、サトウダイコンの搾りかす、トウモロコシの茎葉、そしてここで栽培が期待されております稲の稲わら、そして将来的には樹木、これらに含まれるセルロースを材料にして最終的にエタノールをつくりたいと考えております。
 そして、この過程の中で、ここに示しましたセルラーゼによる分解、糖化とあります。セルロースをグルコースと呼ばれる最小単位に分解する操作が必要になります。これを私たちは糖化と呼んでおります。現在は硫酸を使った方法によってセルロースをグルコースに分解することは可能でありますが、大きな問題が幾つかあります。まず、1つ目としまして硫酸によるセルロースからグルコースに分解は効率が悪い、2つ目は硫酸を使いますので、使った後、中和する必要があります。そして、それを排出しますので、その際の中和によるコスト高、そしてまた環境への負荷が非常に大きいということで、できれば酵素であるセルラーゼを使った糖化法が世界じゅうで望まれておる状態であります。
 では、きょうの話の中で、この3つがキーワードになりますので、これらを簡単に説明させていただきます。現在では、最高の技術を使ってもセルロースからエタノールをつくりますと1リッターで200円はかかります。これをさらに技術開発によりコストを下げていくということが重要であります。そして、私たち生物工学研究センターでは、この青で示しました部分に特化しまして、研究を現在始めております。
 まず、言葉の説明を簡単にさせていただきますが、セルロースとはどういうものかといいますと、これは稲わらをイメージしたのですが、これを顕微鏡で細かく見ますと1つずつ区切られた部屋から成っております。この1つずつをそれぞれ細胞といいまして、最小の単位であります。これをもう少し拡大しますと、これが細胞に対して、ここに壁のようなものがあります。これがまさに細胞の壁ということで細胞壁と呼ばれています。そして、この細胞壁を拡大しますとこの部分になります。こんなふうに見えます。さらに拡大しますと、こういうふうに繊維がまさに走ったような状態になっております。そして、この繊維の約40から50%がこのセルロースと言われる物質であります。そして、稲わら1トン中にセルロースは約400キログラムほど含まれております。そのセルロースは、私たちの身の回りでどのように利用されているかといいますと、もちろんセルロースを中心として含まれている木材そのものを建築材として私たちは使っております。そして、この木材を化学処理することにより、セルロースだけを抽出し、それを形成したものが私たちが日常でよく使う紙になります。また、ここに書きましたけれども、数年前、数十年前かもわかりませんが、食べ物として「ナタデココ」というものが非常によくはやりました。これの主成分がセルロースです。そして、この「ナタデココ」というのはダイエット食品としても紹介されていると思いますが、セルロースというものは私たちは消化することができません。つまり、カロリーがないということです。そういう意味で、ダイエット食品にもなったものであります。
 次に、ここの写真の中には、甘みを感じるものを並べてみました。例えば果実、飲料水、そしてこれが砂糖の結晶の写真ですが、すべてこれら形は多少異なりますが、すべて糖と呼ばれるもので、甘みを感じます。そして、その代表的なものがここに書きましたグルコース、先ほどエタノールの製造工程にありますグルコースというものです。そして、形的にはこういうふうな形をしております。そして、私たちの体にもグルコースというものは非常に重要なものでして、例えば病気になって入院します。そして、点滴を打ちます。あの中にはブドウ糖というものが含まれております。これは言葉は違いますが、同じものです。私たちは病気になり、食べ物が食べられないと注射器を使いまして、ブドウ糖を摂取して、そしてそのブドウ糖がエネルギーとなって私たちが動けるようになります。
 次に、最後の段階、グルコースからのエタノール発酵ですが、これは例えばブドウからワインがつくられる、お米からお酒がつくられる。そして、これらを行うのが酵母や麹など、つまりグルコースからエタノールができる過程です。そして、これらも私たちと同じようにグルコースを分解することで自分が生きていくエネルギーを得ます。そして、その副産物としてエタノールを出し、このエタノールを私たちが利用しているという状況であります。
 では、研究のほうに話を戻らせていただきます。全体的なエタノール製造の流れがありまして、私たちが特化しているセルロースからグルコースを分解する糖化という話に戻ります。ここでは、現在、現状のセルロースの分解というものについてまず説明させていただきます。これは、モデルとしてセルロースを示しています。セルロースというものは、最小単位は1本の繊維です。しかし、そのセルロースは1本の繊維で存在することなく束になって存在します。それをイメージした図と見てください。
 まず、第1段階としまして、分解に関与する酵素、セルラーゼというものがこのセルロースを分解していきます。しかし、セルロースは束状であるため分解しにくいということが言われています。つまり、こういう大きな束に対してセルラーゼは外の表面しか分解することはできません。もちろん中には入りません。これが一番大きな問題となっております。そのため、さらにセルロースを分解するためにはどんどんそのセルラーゼを追加していかなければなりません。つまり、大量のセルラーゼが必要であり、糖化、分解系のコストが高くなる。これが現状です。それに対して、私たち岩手生物工学研究センターが目指すセルロース分解はどういうものかということを説明させていただきます。セルロースの束に対して、先ほど話がありましたエクスパンシンというたんぱく質、これを作用させますとこのようにセルロースの束がほどけた状態になります。つまり、表面積が増加するということです。この状態にセルラーゼを処理しますと、この表面積がふえていますので、セルラーゼはどんどん分解しやすく、最終的にできるグルコースも簡単にできるということを私たちは目指しております。
 では、これまでの結果を含めて説明をさせていただきますが、まず1つ目、エクスパンシンを利用した分解方法の確立。これまでに私たちはエクスパンシンというものを入れることにより、実際にセルロースの分解が促進されたというデータを得ています。これがそれをあらわしていますが、例えばセルラーゼだけを入れまして、セルロースの分解を行いますと、これぐらいしか分解が進まないのに対してエクスパンシンを加えますと、約10倍ほどその分解が促進されます。
 そして、今後の研究目標ですが、この方法を実用化できるレベルに持っていく、これは重要なことです。私たちがこのようなデータを得たのは、まず基礎的な研究でありまして、実際やるのは小さなチューブでこういう実験を行って結果を得ています。しかし、実際大量なエタノールをつくるときには、もちろんこの小さなレベルでの実験とはまた別な実用化レベル、ここにはまた大きな壁がありますので、そこを目標とした開発というものを行っていきます。そして、もう一つは強力なエクスパンシンの開発。現状のエクスパンシンでは、これだけの効果が得られていますが、さらにこのエクスパンシン自体をさらに強力なものにつくることでこの値がさらにアップする可能性があります。
 この2つを研究目標として考えております。そして、もう一つはセルロースの分解に必要なものはエクスパンシンとセルラーゼです。エクスパンシンだけでは分解促進しません。そのため、セルラーゼの開発ということも行っております。大きな目標は低コストセルラーゼの開発です。
 そして、1つ私たちの結果を紹介させていただきますが、従来法でこのセルラーゼを生産しますと、1リッターの微生物を培養し、得られるセルラーゼ量というものは、従来では150から200マイクログラムという数字でした。しかし、私たち新しい技術を導入しまして1リットル培養することによって30万とか40万マイクログラムというおよそ1,000倍以上のセルラーゼを生産する系を確立いたしました。この新技術に関しては、セルラーゼの大量生産法としまして、今年度中に特許出願する予定であります。そして、この低コストセルラーゼに関する今後の研究目標ですが、まず1つ目、3種類のセルラーゼの大量生産方法を確立すると書いています。
 1つ、セルラーゼの大量生産法ができたのに、なぜさらに3種類が必要かといいますと、セルロースをグルコースに分解する際には、私たちが考えたアイデアでは、ここにあります5種類の異なるセルラーゼを混合させることで効率的な分解が達成できると考えております。そして、これまで私たちは5種類のうちの2種類に対して大量生産法を確立しましたので、残りの3種類に関しても大量生産法を確立することを目的としています。トータルで5種類を20年、22年度までに完成させたいと考えております。
 そして、2つ目でありますが、分解最適化セルラーゼをつくるとあります。1番目では、5種類のセルラーゼをとにかく大量につくるということを目的にします。それが確立できれば、今度はこの5種類のセルラーゼを割合を変えて組み合わせる、または例えばpH条件、温度条件などを調べることにより、最適に分解できる条件というものを確立します。それが2つ目の目標と考えております。ここでは、全体的な増、エタノール製造の増に対して私たちがここを研究課題としているというものを示しております。つまり、先ほど説明いたしましたエクスパンシンの導入によりセルロースの束をほぐす、そして分解最適化セルラーゼを作成しまして、ここからの分解を効率よく行う。これら全体を含めて私たちは岩手オリジナルの分解促進技術として確立させていきたいと考えております。
 では、次にこのような私たちの研究や成果を得ることによって、岩手県にどのようなメリットが、つまり私たちにとっては岩手県にどのような貢献ができるかというものをまとめてみました。まず1つ目は、食料と競合しない低コストバイオエタノールの製造、つまり食料として食べているものを使うのではなく茎や葉など、稲わらや雑穀などの茎葉などを利用してバイオエタノールをつくることができる。2つ目としまして、これらを栽培する場所としまして、現在未利用地となっていますところを利用します。つまり、未利用地の有効利用が可能になります。そして、その結果、農家の方の収益も増加するのではないかと考えております。
 2つ目ですが、1つ目には直接岩手県が実行できる貢献というものを示させていただきましたが、2つ目としましては特許取得による知的財産の創出と活用というものがあります。これは、先ほども紹介しましたが、特許を取得しますと、その技術を別の場所で利用しますと特許料というものが県内に入ってきます。そういうものを目指した貢献というものが考えられます。そして、これで一番大きな利益を考えてみますと、現在アメリカではトウモロコシの種子の部分、食料となっている部分からエタノールをつくっていますが、同時にトウモロコシの茎葉、つまりセルロースからバイオエタノールをつくることを考えております。もし私たちがセルロースからつくる新しい技術を先につくれればアメリカに売り込むことで大量の収入が得られることは、これは間違いないと考えております。そのように岩手県に直接的なものとは別に、また全国的にメリットを得られる可能性があると考えております。
 では、次に現在の研究活動体制というものを紹介させていただきます。私たち岩手生物工学研究センターでは、大きく3つの研究部門から成っておりまして、私が所属するのは生物資源研究部というものがあります。この中身は、さらに3つに分かれまして、バイオマスを専門に研究するバイオマス研究分野というものをまず形成されています。そして、私たちの研究活動は、まず1つ目としまして、いわてバイオエネルギー利活用促進事業に基づいて行っております。また、この事業からも支援をいただいております。
 2つ目としまして、エクスパンシン研究に対する外部資金の獲得も行っております。今年度からNEDO、つまり新エネルギー産業技術総合開発機構という国の研究に対する補助金支援というのがありまして、それを獲得しまして、さらにバイオエタノール製造に関する研究の促進を行っていく状態にあります。
 続きまして、私はエクスパンシンを中心とした研究を先ほど紹介させていただきましたが、そのもととなりますのは、まず1つ目にありますアメリカにおける特許出願中というものがあります。私は数年前、アメリカのペンシルバニア州立大学において研究員として2年間研究活動を行ってきましたが、その際の成果の1つとしてエクスパンシンがセルロースの分解促進を行うということを見つけまして、それを現在出願しております。そして、これをベースとしまして、さらに発展させる技術を現在岩手県の生物工学研究センターで研究活動を行っているという状況であります。
 そして、2つ目にセルラーゼ研究会への招待講演、先月末ですが、こういう講演も行ってきました。これは、私の宣伝になって申しわけありませんが、このセルラーゼ研究会といいますのは、まさにセルロースから糖化を目指したセルラーゼを中心に研究を行っている研究会がありまして、そこから招待講演を依頼されました。どういうことかといいますと、このセルラーゼの研究をしている方にとってもやはりこのエクスパンシンというものは非常に興味深いものであるということで、この7月末に講演をさせていただきました。
 私たちは、岩手県にあります生物工学研究センターで研究を行っていますが、実際のところ私たちだけで行っているのではなくて、多くの研究機関の協力を得て行っております。例えば岩手県内では、岩手県農業研究センター、そして一関工業高等専門学校とも共同研究を行っております。例えば一関工業高等専門学校とは、既に研究を行いまして、一つの成果を出しました。一関工業高等専門学校では、粉砕技術を中心に研究を行っておりますので、その粉砕技術と私たちのセルロース分解というものを組み合わせまして、一つの成果を得ました。その結果、粉砕技術によってセルロース分解が約数十倍増加するという結果を得ました。これに関しては、近々論文として発表する予定であります。
 そして、日本全国におきましても多くの研究機関と共同研究を行っています。実際に共同研究を行うかといいますとなかなか難しいところがあります。しかし、メリットとしまして、他の機関で得られた情報を私たちが直接使うことができます。他の機関で得られた新しいセルロース材料を私たちは材料として、私たちがつくったセルラーゼを処理することでどれぐらいアップするかということも可能であります。つまり、私たちだけでやるのではなく、多くの機関でやることでその技術開発というものが促進されると考えております。
 最後に、簡単ではありますが、バイオエタノールの製造コストという面で簡単に図を示させていただきました。現在の糖化法を用いますと、これだけのコストがかかるのに対して、このエクスパンシンを用いた糖化促進法を導入しますとコストが下がります。また、先ほど紹介しました低コストセルラーゼを大量に生産することによって、さらにコストが減少します。そして、さらにここにある24年度目標にしていますが、一つのエクスパンシンの能力をさらに上げる、そして低コストのセルラーゼを導入すると、また一段とコストが下がることが可能であると考えております。つまり、私たちの研究の最終目標はコストに影響を与えることだと考えております。
 これ最後のスライドになりますが、これまではバイオエタノール製造における私の研究活動について紹介させていただきましたが、もう少し大きなスケールで見てみますと、私たちこれからは持続型の資源、これを中心にエネルギーを開発していかなければならないと考えております。私たち現在石油を採掘してどんどんと燃やしてエネルギーとして使っていますが、石油資源の再生産には数千万年かかると考えられております。それに対して稲、それこそ樹木などは数年から数十年で再生産することが可能であります。つまり、再生産可能な資源をこれから利用しないといけないということです。樹木を例に考えますと、樹木がありまして、この樹木は山の保全につながります。水の保全、そして私たちの憩いの場となります。そして、一部分樹木を切りまして、私たちは建築材料として利用します。そして次、この建築材料は、さらに細かく砕いてセルロースを得ましてパルプ、紙というものが製造できると思います。そして、この紙をさらに細かく分解し、グルコース、エタノールをつくることによって、エネルギーにも利用することができると思います。つまり、私たちはこの重要な自然資源をうまく利用していくことも考えていかなければいけないと考えております。
 以上で発表を終了させていただきます。ありがとうございました。
○高橋雪文委員長 竹田匠研究員、まことにありがとうございました。それでは、これより質疑、意見交換を行いたいと思います。ただいまお話しいただきましたことに関しまして、質疑、御意見等がありましたら皆様方、お願いいたします。
○及川幸子委員 どうもありがとうございます。竹田匠研究員さんにちょっとお聞きしたいのですけれども、このたび行われた洞爺湖サミットでこの共同研究機関で行われている部分についてどういうふうな感じでもいいですが、提言されたのでしょうか、実は。この立派な研究をなさっていますね、共同。その中で、洞爺湖サミットで少しは生かされたのでしょうか、日本国としての発表。
○竹田匠講師 サミットに関しまして、余り情報をつかんでいないところがありますので、正確にはわかりません。ただ、世界レベルでまず、先ほど紹介しましたように再生産可能な資源をうまく使っていかなければならないということがまず一番大きな問題でありまして、それは世界的に認識されております。そして、次の段階としまして食料と競合しない。世界じゅうで食料問題が生じていますので、それが大きな問題として取り上げられております。つまり、最終的には食料にはならない植物資源を使わなければいけない、それはセルロースを中心とした植物の細胞壁でございますので、これは世界じゅうで明らかに認識されていると考えております。
○及川幸子委員 ですから、とてもすばらしい提言をなさるのだと思いますので、全国で大学各それぞれのテーマを設けてこういう取り組みをしていること、やっぱり政府に働きかけて、数分でもよかったですから、提言される場面があったほうがよかったかなと大それたことを今考えました。ぜひぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 それから、徳山農業振興課総括課長にお聞きします。この表を見せられましたけれども、これから進むべき重要なことばかり載っておりまして、そのとおりだと思いましたが、残念ながらこの当面の分野で載っている部分について現状と課題は採算が合わない、採算が合わないのが随分続きまして、これがネックですね。やっぱりBDFの関係をやっている方々ともお会いしていましたけれども、とにかく採算が合わないので事業として行えないのだよというのが聞かれます。せっかくいい取り組みをなさっているのですけれども、家庭から廃油、天ぷら揚げたかす、残り油、そういうものをどこに持っていけばいいか、そういう地区での取り組みをしていないところがいっぱいあると思います。そしてまた、振興局ででも地区でどういうところでどういう取り組み、BDFをやっているのかもまだまだわからない振興局さえあると思います。私が知る限りでは、3カ所ぐらいは訪ねていますけれども、徳山農業振興課総括課長、県内でどのくらいBDFで取り組んでいる事業ありますか。わかる範囲でいいのですが。
○徳山農業振興課総括課長 菜の花を栽培して家庭まで持っていってというふうなところの生産まで一貫したものはまだないのです。ただ、家庭の廃食油を回収してやっている取り組みというのは結構ありまして、例えば県内で盛岡市の授産施設、ここにありますけれども、こういうふうなところとか、全体で24カ所ほどで回収してBDFをつくっているという部分が動いております。24もあるのかと皆さん思うのでしょうが、なかなかPRが不足しているところだというふうに思っております。
○及川幸子委員 やっぱりせっかくこういういい取り組み、油の高いときに大変重要視されると思うのです。それで、ぜひこの油を提供するから使わせてくれと言われるというのですが、大型店、やっぱり油を多く使うと思います。それから、病院関係、そういうところもまだそういうのに利用していないところがあると思うので、早急に取り組まないと、ずっと採算が合わないでこの事業もうまくいかないのではないかと思うのですが、その辺のところを早急に取り組むべきと思うのですが、県としても24カ所には訪れて指導しているのでしょうか。それから、市町村はどうなのでしょうか。市町村でもなかなか取り組んでいないところが多いと思いますけれども、その辺のところの状況をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○徳山農業振興課総括課長 指導というところまでいっているところといっていないところがあると思います。現に商業ベースでやっているところも結構あるというふうに聞いております。廃品回収業の皆さんが油を集めて、BDFとして自分たちで使うとか、本当に取り組みはやっているのですけれども、なかなか普及していないので、うまく回転してくれない。
 県では、この店だけではないのですけれども、研修会等で事例紹介したり、廃食油回収拡大に向けた動きというのを今資源エネルギー課のほうですけれども、やっているところでございます。あとうちの農業振興課のほうでは、雫石そのものがバイオエネルギーに非常に関心が高くて、特にナタネを町内に20ヘクタールぐらい植えまして、そこでできたものを搾って家庭に使ってもらっている。そこの家庭で出てきた廃食油を回収して、そしてそこの中に施設がありますけれども、そこで油を搾って、そしてBDFにするというふうな取り組みを開始しておりますので、ことし秋に南畑地区で、南畑のお祭りがあるのですけれども、そこで我々も一緒になりまして、BDFとナタネの油との交換会をやろうと思っておりました。ナタネでやっていたのを、特に訪れた方々にこの取り組みの重要性を理解してもらって、県内にも波及していこうかなということで、まずちょこっと小さい取り組みですけれども、そのところからやろうと思っています。あとあわせて農業機械での実践も、機械を実際BDFで動かしてみようと思っています。
○及川幸子委員 北上では、BDF、廃油から公共的なバスを走らせているということでこの間新聞に載りましたね。それも御存じだったのでしょうか。それで、そこの北上の会社は残りかすも焼却してしまう開発をしているので、各事業所から教えてくれと講師に招かれているということですが、北上のその会社も御存じですか。
○徳山農業振興課総括課長 それは把握していなかったところでございます。ただ24件の中に入っているとは思います。
○及川幸子委員 とっても重要なことだし、この北上の会社は何社か一緒に連携しながら今後やっていこうというのですけれども、その中では、うちのほうではもうやめたいと、採算が合わないので。せっかく立ち上げたけれども、全然まかなえないからやめたほういいというふうにまでなっていますから、もっともっと積極的に県としてもお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか、ぜひ。
○徳山農業振興課総括課長 ぜひ話聞いてみたいと思います。
○中平均委員 竹田匠研究員にお聞きしたいのですが、現状でバイオエタノールについては200円、最初の御説明であったのですけれども。今やっている開発が進めば実態として1リッター幾らくらいになるのか、試算でお願い、教えてもらえますか。
○竹田匠講師 スライドでコストが下がることは紹介させていただいたのですが、実際コストを下げるというか、糖化法だけ下げてもリッター当たり目標というのが数十円にはならないと思います。その他全体的に下げて、最終的にリッター数十円のバイオエタノールというものが全国的な目標だと思っています。そして、実際私たち糖化の部分におきましては、現在よく言われますのは製造コストの約40から60%がこの糖化の段階で必要とされていると言われます。そこを減少させる、具体的には何円だかわからないのですけれども、非常に大きなウエートを占めているところの半分、もっと減少できるとは思います。
○中平均委員 今現在では大体200円と。
○竹田匠講師 そうですね、最高の技術を使いまして200円は充分かなと。
○中平均委員 その場でお答えいただいて結構なのですけれども、今200円、今のプラント的なものをやっていくというのは投下経費というものは当然かかってきますよね。今実験を研究所でやられていると思うのですが、200円で今つくるとすればある程度の量を出していくことを考えたときにプラント内の初期の投下経費というのはどれぐらいになるものなのですか。
○竹田匠講師 よくデンプン、つまりお米などからバイオエタノールをつくる大きなプラントなどはどれぐらいかかるかという話は実際よく聞くのですが、実際セルロース系に関しては私自身も余り聞いたことありませんし、また私自身考えてはやっていませんので、わかりませんが、よく言われますのが小さなプラントにしますと、最終的にできるエタノールコストが高くなって、ある程度大きなもので大量生産しないとコストが下がらないというふうに聞いていますので、最終的なコストを考えますとある程度大きなものをつくらないといけないと思います。
○徳山農業振興課総括課長 今のお尋ねでございますけれども、ことしから農林水産省のほうでソフトセルロース利活用技術開発事業というものをやっておりまして、これは公募事業で全国で2カ所が採択されております。これは稲わらとか麦わらとかを原料にしたごく一般的なもので、そのプラントの例がありましたので、ちょっと参考にお話ししたいと思います。
 まず1つは、北海道で、事業主体は大成建設株式会社とサッポロビールでございますけれども、ここでは事業費として約7億円の施設でございます。これらのソフト、建物をつくる部分とあと若干研究費入っておりますけれども、約7億円です。ここで計画しているのは最大製造量が年間1,000リットル規模で約7億円の施設、プラントをつくっております。
 あともう一つが、これは兵庫県でございますけれども、三菱重工のほうで事業主体になっておりますが、年間800リットルの製造規模で12億円というのがあります。12億円丸々建設費かどうかということはわかりませんけれども、いずれ通常ベースでは考えられないような今のところの技術レベルだというようなことでございます。
○中平均委員 何か貴重な数字を聞いてしまったような気がします。この委員会で、昨年でしたか、大阪府堺市の木質の非常に立派なプラントで、多分技術的な開発も含めてやっているのだなと思って見てきているのですけれども、どうなのでしょうか、県のほうで2020年、これだけの規模にしていきたいと、例えば米で、稲わらで6万2,000キロカロリー、今のお話でいくとやっぱり結構な作付して、それでもコストが合わないのは補助をしていくという考えなのかなと思うのですけれども、実際つくるプラントなりということで、結構な金額的なものが出てくるのではないかというふうに考えるのですけれども、国の政策的な面ということも考えているとは思うのですが、実態として本当に2020年の可能量ということに向けていく部分は大丈夫なのですか、計画ということで今見ているのですが、その計画をやっていくためには今の北海道、兵庫県の例を聞いても莫大な金額がかかるという中で、県としてそれを対応できるものなのかどうか、ちょっとお聞きしたいのですが。
○徳山農業振興課総括課長 2010年までに本当にできるのかというと、やっぱりネックになるのは技術的な部分がどのくらい進むかということと、あとその技術を県が単独で工場をつくるというふうなことにはならないと思います。民間の、先ほどのグルコースをさらに発酵させてアルコールをつくっていく部分がありますので、そういうふうな部分の専門的な会社の技術と岩手生物工学研究センターの技術を連携させまして、共同研究のような形で持っていくのかなというふうには思っております。ただ、それにしても非常に研究の動向によるというふうなことでございます。
○中平均委員 まず、今これだけ原料価格等が下がったということがありましたけれども、稲わらとか木質バイオマス、研究所のほうも竹田巧研究員初め大変だと思うのですけれども、よく技術開発いただいて、今後に生かしていただきたい。どうしてもコスト下がってくればまた、あとはさまざまな外圧的な要因を持って、どんなに高くてもやらなければならないという今の時代に入ってきているのかなと。一たん確立してしまえばもうサイクル的に、さらに附属して売れていく、使えるということになると思うので、お願いしたいと思います。
 あと徳山農業振興課総括課長に、先ほど及川幸子委員からのBDFの件もそうですけれども、県もペレットが二酸化炭素のあれでいいといいながら、なかなかうまくいかないまま今に至っている経緯もあるので、これもBDFもそうですし、例えばこの新しい米の品種ですね、これがいいから、これからやれと言って、途中ではしごを外してしまうようなことのないように、これはきちんとした方策を持ってやっていっていただきたいというふうに思っておりますので、その点はよろしくお願いしたいと思います。終わります。
○大宮惇幸委員 御説明をいただきまして、ありがとうございました。今米のコストの比較もいただいたわけでありますが、原料価格が20円にならないと間に合わないというような説明なわけでありますけれども、今最大でも10アール当たり800キロしか望めないというようなお話であります。岩手生物工学研究センターと県の農業研究センターで共同開発して1トンぐらいとれるような品種開発は不可能かどうか。可能だろうというふうに私は思いますけれども、その辺のことについて第1点確認しますし、それから実際に県内のどこかでやっているというふうな話を聞いております。60キロでもいいし、100キロでもいいのですが、それをバイオエタノールにした場合、どれだけの量がとれるのか、米1俵60キロ換算でもいいし、1トンでもいいですが、そのデータがあったらお示しをいただきたいというふうに思います。
 それから、もう一点は稲わらなり麦わらというお話をいただいておりますが、これの原料はどういう形態が望ましいのか、生でいいのか、あるいは乾燥したものでなければだめなのか、この辺のことについて具体的にお聞きをしたいと思います。
 それから、徳山農業振興課総括課長にお尋ねしますが、県内の千厩の農林センターですか、藤沢町と千厩の農林センター、そして企業が一体となって、今堆肥から燃料化という方向に取り組む計画があるのです。今度農林水産委員会でそこの現地に行って調査をしたいという段取りにしているのですけれども、ペレットの価格以下の計画なのです、キロ15円で出せるというふうな計画なのです。しかも、その堆肥を水分60%にすれば再度敷料に使える。それをもっと40%程度に乾燥してペレット状にすると燃料化にできるという具体的な話があるのです。ぜひとも農林水産に来たいということで資料をもらっています。ですから、こういうところについてももっともっと我々よりも早く情報を得て、逆に我々のほうに情報を提供していただきたいというふうに思います。
 以上です。
○竹田匠講師 まず、1つ目の10アール当たり1トンぐらいとれないかという御質問ですが、現在多くて800キロぐらいだと思うのですが、現在当センターにおきましては、先ほど説明ありましたように低温発芽性、また耐涼性、耐冷性などのDNAマーカーを使いまして、それらに、悪条件にすぐれた稲がこれからできてくると思います。そうすることによって、まず収量というものが増加していくと私は考えております。ですから、今後可能だと思います。
 実際に聞きますのは南の地域、暖かいところではもっと大量のお米がとれるということ。つまり、ここは少し温度が低いために生育が遅くなったり、そういうのが一つの収量に影響している可能性がありますので、その寒さなどに耐えられる稲をつくることで収量がふえる可能性はあると私は考えております。そのための取り組みも現在進めて、あわせて行っております。
 2つ目の採取量の話でして、例えば稲わら乾燥重量1トンとしますと、最終的には。
○徳山農業振興課総括課長 胆沢区の例でございますけれども、1キロから0.3、1キロから300t、1トンからは300キロというふうなデータがあります。1キロから300グラム。
○大宮惇幸委員 300グラム。
○竹田匠講師 1トンから300リットルぐらいですね。
○徳山農業振興課総括課長 原料を米にしたときですけれども、米1キロから300グラムのエタノールができたということです。
○大宮惇幸委員 300tということですか。
○徳山農業振興課総括課長 大体比重1ぐらいでしょうから、300tぐらいです。
○大宮惇幸委員 1トンから300リットルか。
○竹田匠講師 3つ目の稲わらの状態に関しまして、現在私たちは研究レベルということがありまして、最適な条件を行っています。その最適な条件というのが乾燥した状態です。つまり、まず第1段階としまして、乾燥したものを粉砕します。粉砕の際に、水分がありますとしけってしまいますので、粉砕が不可能になります。そういう最適な条件をまずつくっておりますので、第1段階は乾燥したものを現在は使用しております。
○徳山農業振興課総括課長 今回構想を策定するに当たりましてもいろいろ調査しましたけれども、やはり補足できないところが結構あるというふうに思っております。また、先ほどの千厩地方での取り組みについても、そういうふうなことをやっているということは聞いていましたけれども、具体的な中身までまだ把握していないというふうなことでございます。今後はよりアンテナを高くいたしまして情報をとって皆さんにおつなぎしたいというふうに思います。
○熊谷泉委員 エタノール米については、私の私見としては、岩手県では、まずエタノール米でエタノールをつくるということはないと私は思っているのですが、今キロ43円で十分えさそのものの値段で、もう先に米そのものはエタノールをつくる前に全部えさになってしまうコストなので、これは増収と低コストは絶対必要なので、この研究はぜひ進めてほしいのです。そこまで出ていくと、要するにもうエタノールにする前にえさになってしまう。そこは完全にそう思うのですが、一番問題は2,600ヘクタールの放棄地に何をつけたら一番効率がいいかということを岩手県はぜひ研究してほしいと思います。つまり、低コストでいくと必ず一番いい圃場条件のところが一番低コストの米ができるわけで、平場は全部そういうものでふさがっているので、もう減反も何も要らない時代が来ると思うのですが、山間地の一番手のかかる機械が入らないところに何をつけたらいいかというのをぜひ岩手県の場合は研究をしていただきたいと思います。
○徳山農業振興課総括課長 御指摘どおり、43円でできれば、今はえさのほうの需要が非常に大きくなっておりますので、そちらのほうに向いて当然かなというふうには思っております。ただ、技術的な部分として、用途ということはありますけれども、それはそれ技術として最低限こういうふうな技術をやればこのくらいのコストでこのくらいとれるということをきちっとつくりたいというふうなことを思っております。まず、問題は耕作放棄地が大体1万ヘクタールほどございます。これをどういうふうに活用するかということで、条件の悪いところほど耕作放棄地になっておるという実態がございますので、まず今調査しながら、細かい一筆ごとの利用計画というものをことしつくることにしておりますので、そうした中でいろいろと畜産利用とか園芸利用とか、そういうふうなものは考えていきたいと思います。
○菅原一敏委員 竹田匠研究員にお尋ねしたいのですが、バイオエタノールの原料として竹ですね、これが活用できるものかどうか。県南部、沿岸部、特に気仙地区に多いのですけれども、モウソウチクの北限のものが生息しておりますし、マダケも結構あるのです。かつては漁業に、のりの養殖の場合のくいとか、あるいはのりを乾燥させるためのすのこですとか、いろんな使い道がありまして大変貴重なものだったのですが、今は全く何にも使わない。竹やぶとして至るところに放置をされている。非常に景観上もよくないし、未利用資源として非常にもったいないというふうに思っているのです。地元でも民間の方々、例えば炭の竹炭というような形で消臭剤ですとか、あるいは乾燥剤ですとか、いろんな使い道の模索をしているのですが、もしこれがバイオエタノールに化けるというようなことになれば、非常にこれはすばらしい話だなというふうに思うのですが、この活用の方法、これがバイオエタノールになるのかどうか、その辺のことをお尋ねしたいと思います。
○竹田匠講師 可能性は十分あると思います。まず、私たちが同じような研究している方と話しますと多くの方が竹に興味を持っております。その一つの理由としまして、生育が速いというのがあると思います。そして、再生力というのが強いということで、材料としては非常にすぐれている。そして、実際に私は実験材料としてのイメージとしまして、稲わらが恐らく一番エタノールにしやすい材料、いわゆるソフトセルロースですが、そして木材というものは見た目から非常にセルロースの塊になり過ぎているので次の段階、扱いにくさですね、竹というのはその間ぐらいに入るのです。そういう意味で、稲わらよりは加工においてワンステップという可能性はあると思いますが、木材に比べますとリグニンの量が少なくなっておりますので、すごく使いやすい材料であると思います。
 そして、もう一つ大きな問題点として、私が考えますのは体積に対する重量、つまり体積に対してセルロース量が低い。つまり、中が空洞でありますので、一番の問題は輸送などのときは体積に依存すると思うのですが、例えばトラック1台に積んだとしても、その後、つぶして得られるセルロース量は、木材に比べますと恐らく低いと思います。そういう問題点が恐らくどこかで出てくるとは思いますが、私たちがまず目標としていますセルロースの糖化、それに関しては全然問題なく稲わらの次の段階としてテストに入っていけると思います。ですから、非常に興味深い材料と私は考えています。
○菅原一敏委員 今はそうしますと、竹のこの研究はされていないわけですね。
○竹田匠講師 直接はですね。
○菅原一敏委員 ぜひ竹についても実験材料として、まずは御研究いただくようにお願いしたいと思います。
 それから、徳山農業振興課総括課長にお願いなのですけれども、中長期的な分野にバイオエタノール、稲わら、木質等あるわけですが、ぜひここに竹が自生している地域がいっぱいあるわけですから、森林資源としても活用されないであるわけですから、竹もぜひ加えていただきまして、活用の方途を探っていただきたいと、そういうふうに思います。お願いをして、何かお考えありましたらお願いいたします。
○徳山農業振興課総括課長 今竹田匠研究員お話しのように、木質の最大の悪いところはリグニンでございまして、リグニンが余りないというのが竹のいいところでありますので、稲わらの次に具体的な実用化の材料として可能性があると思いますので、そこの構想についても固定したものではございませんので、3年に1回見直す、あるいは毎年極端な情勢変化があれば見直すということで、そういうふうな機会をとらえて竹についても考えていきたいと思います。
○菅原一敏委員 ぜひお願いします。
○竹田匠講師 竹については研究させていただきますが、私たちが直接研究しておりますエクスパンシン、セルラーゼ、これらは稲わらに最適な酵素というものではなくて、基本的にセルロース一般的につながるものですので、まずいいものができれば稲わらにも竹にも木材にもいきますので、あとは直接実際に竹を使うか、そういうことだと思いますので、実際に取り入れることで竹の利用性というものは開けてくるとは思います。
○工藤勝博委員 竹に次いで耕作放棄地では3年もあると柳がすごく生えやすいのです、柳の木が。あれも生育が速いし、竹と同じような形で柔らかいといいますか、活用しやすい、分解しやすいような感じなのですけれども、その辺はどのような研究をなさっているかお聞きしたいと思います。
○竹田匠講師 柳につきましては全く素人でございまして、全く情報がありません。まず、考えなければいけないのは、岩手県内のどういう資源が利用できるかということをもう一度考え直す必要があると思います。私は大阪出身で、岩手県内のことを知らなかったものですから、2年前に来たときにまず岩手県内を少し、もちろん仕事でいろいろ回りまして、岩手県というものを勉強させていただいたのですが、このように話を聞きますとまだまだ私の知らない資源というものがありますので、やはりそこからもう少し勉強はさせていただこうと考えております。
〇工藤勝博委員 先ほどの熊谷泉委員の話がありましたけれども、平場の条件のいいところはそのとおり機械化になって大変生産性も高いわけですけれども、中山間といいますか、山だとか、そういうところで放棄されている土地が目につくわけですけれども、それらに柳が使えれば大変いいなと思っております。ヨーロッパのほうでは実際に使っているようなことも聞いたのですけれども、それ用のカッターといいますか、コンバインみたいなものがあったりして、もしそういう情報が得られれば検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇木村幸弘委員 先ほどからいろいろと話を聞いて、たいへんすばらしい研究だと思っていますが、最近いろんなバイオエネルギー、バイオエタノールの生産をする関係の中で、こうした直接農産物からつくり上げていくというふうな手法と、それからリサイクルの形の中で活用を図っていくと。特にデンプン質の原材料を生かすということで何日か前、ちょっと記憶にないのですが、テレビなどでも報道されていたのでは、例えば最近米についても無洗米という需要が高まることによって、米のとぎ汁がデンプン質が非常に高いということで、そのとぎ汁をアルコール化に向けて実用化しようという研究とか、それからあとはおからですね、おからの活用であるとか、そういった部分での方向についてもいろいろ研究がされているというふうに聞いているのですけれども、そういったところもひとつ資源循環型のバイオエタノールの取り組みという観点から、もしこの利活用構想でそこまで明記されていない、強いて言えばBDFがそれをやっているのかなと思いますけれども、そういった点でどのようなお考えがあるのか、御意見をお伺いしたいと思います。
○徳山農業振興課総括課長 御指摘のようにこの構想の中でリサイクル資源を使うというのはBDFのところだけでございます。あとそのほかの方で今のとぎ汁とか、あるいはあともう一つ漁業系廃棄物でございますけれども、これはコンブとか海草の残渣を使うというようなことでございます。やっぱりバイオエネルギーというのは、単に農作物だけにとらわれないで、副産物の活用。逆にバイオエネルギーで集めてつくった副産物を餌に使う、どっちが副産物かよくわかりませんけれども、そういうふうな事務管理的な観点から来ている視点だというふうに思っております。ただ、具体的にどういうものに対して研究が進んでいるかというのがまだまだ検討は必要だというふうに思っております。
○高橋雪文委員長 ほかにありませんでしょうか。
 (「なし。」と呼ぶ者あり。)
○高橋雪文委員長 それでは、私のほうから2点お聞きしたいのですが、1点は今回の竹田匠研究員と、今回の研究についてはNEDOとの連携もあるということなのですが、NEDOとのバイオエタノールの取り組みについてわかる範囲で教えていただきたいと思います。
 あとこれは徳山農業振興課総括課長と竹田匠研究員のほうにお聞きしたいのですが、先日ブラジルに行きまして向こうのバイオエタノールがリッター当たり約80円ぐらいでもう販売をしている。今200円というふうに聞いたのですが、そういう中で国際的な価格競争に我々は参入できるものなのかどうか、その辺の御見解をちょっとお聞きしたいなと思います。
○竹田匠講師 NEDOとしまして、全体的なところの話で理解していないところもありますが、私たちが採択されたNEDOに関しましては、まず中心的な課題としまして、セルロース系の糖化であります。そして、メンバーの大部分の方がセルラーゼを直接研究するものとして、私たちはエクスパンシンを中心にした研究を行っています。つまり、ターゲットはセルロース系からもバイオエタノール製造を目的としております。
 そして、2つ目、ブラジルの話ですが、まず間違っているかもわからないのですけれども、私の聞いた話では、まず1つはブラジル国内、政府から支援が出ているということを聞いております。つまり、実際につくったコストそのままで安いバイオエタノールを販売できるようになって、国がやはり幾らかを支援しているということを聞きました。まず、そういうベースがあると思います。そして、基本的にブラジルにおけるバイオエタノール製造だとサトウキビの蔗糖がつくられております。つまり、セルロースからですとグルコース分解、糖化という1段階ふえます。しかし、蔗糖からですといきなり発酵に持っていきます、そこでコストが明らかに低く持っていくことができます。それは一番コストへ大きく影響している要素だと思います。
しかし、今世界レベルで考えますと食料というものが大量にバイオエタノールに回っているために食料問題が起こっていますので、それだけを見て、これからも同じように食料系から低コストのエタノールが広がっていくかといいますと、私は疑問を感じております。そこで、やはり食べない部分を利用することで、食料問題は改善されると思います。また、サトウキビの搾り汁の蔗糖を使って、搾りかす、セルロースですね。これをうまく利用することで幾分蔗糖、砂糖分が食料に回せるようになると思いますので、もちろん砂糖というものは需要がありますが、セルロース、食べない部分も材料にしていただいて、コストの低下にもつながっていかないと考えています。
 以上です。
○徳山農業振興課総括課長 国際的な競争に参入可能かというふうなお尋ねでございますけれども、やはりこれは無理だろうと思います。といいますのは、原料生産の部分と原料からエタノールを生産する部分と2つに分けて考えたときに、技術そのものについてはある程度国際的な技術ができると思いますが、今お話しあったようにスタートの時点がセルロース、片や糖というふうなことが違うというふうなこと、あとは原料生産についてはもう明らかに日本の場合には大規模効率生産というのはかなり限界がありますので、補助金でもない限りは無理だなというふうに思います。
○高橋雪文委員長 ありがとうございます。そのほかございませんでしょうか。
 (「なし。」と呼ぶ者あり。)
○高橋雪文委員長 それでは、多少時間は早いようでございますが、これにて委員会の講演の部分を終わらせていただきたいと思います。
 徳山農業振興課総括課長、竹田匠研究員、まことにありがとうございました。皆様方、もう一度大きな拍手を。
 委員の皆様方には、次回の委員会運営について御相談がございますので、しばしお残りいただきたいと思います。
 (参考人退室)
○高橋雪文委員長 次に、9月4日に予定されております次回の当委員会の調査事項についてであります。この件につきましては、当職に御一任いただきたいところですが、現在調整中でございますので、固まり次第後日連絡をしたいと思いますので、よろしいでしょうか。
 (「はい」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 次に、県外調査についてお諮りいたします。
 お手元に配付いたしております平成20年度環境エネルギー対策特別委員会調査計画(案)の日程により実施することに御異議ございませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。なお、詳細につきましては当職に御一任願います。
 以上をもちまして、本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。お疲れさまでございました。

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