環境・エネルギー対策特別委員会会議記録

環境・エネルギー対策特別委員会委員長 高橋 雪文 

1 日時
  平成20年4月16日(水曜日)
  午前10時2分開会、午後0時散会
2 場所
  第4委員会室
3 出席委員
  高橋雪文委員長、菅原一敏副委員長、及川幸子委員、大宮惇幸委員、関根敏伸委員
 中平均委員、小野寺研一委員、熊谷泉委員、亀卦川富夫委員、工藤勝博委員
 木村幸弘委員、阿部富雄委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  晴山担当書記、佐々木担当書記
6 説明のため出席した者
  国際日本文化研究センター 教授 安田喜憲氏
7 一般傍聴者
  なし
8 会議に付した事件
 (1) 自然と人間が共存可能な持続型文明社会の構築
 (2) 次回、次々回の委員会運営について
 (3) 委員会調査について
9 議事の内容
○高橋雪文委員長 ただいまから環境・エネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。本日はお手元に配付いたしております日程のとおり「自然と人間が共存できる持続型社会の構築」に関する調査を行いたいと思います。
 本日は、講師として国際日本文化研究センターの安田喜憲教授をお招きしておりますので、御紹介いたします。
 簡単なごあいさつを一言お願いしたいと思います。
○安田喜憲講師 京都から参りました国際日本文化研究センターの安田でございます。突然の申し出でございまして、きょうはどのような形になるか全くわかりませんでしたけれども、こういう形で議員の先生方が私のお話を聞いてくださるということで大変うれしく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。安田喜憲教授の御経歴につきましてはお手元に配付してあるとおりでございます。
 本日は、「自然と人間が共存可能な持続型文化社会の構築」と題しまして、御専門の環境考古学の立場から地球温暖化防止の重要性も踏まえて、自然と人間が共存可能な社会をつくることに関する貴重なお話をいただくことになっております。
 それでは、これから先生のお話をいただくことにいたしますが、後ほど先生を交えましての質疑、意見交換の時間を設けておりますので、御了承いただきたいと思います。
 それでは、安田喜憲教授、よろしくお願いいたします。
 (パワーポイントにより説明)
○安田喜憲講師 私は、きょうはお手元に目次をお渡しいたしましたので、その目次に従いまして、お話をさせていただきたいと思います。
 昨夜菅原一敏先生と高橋雪文さんとお食事をさせていただきまして、高橋雪文先生が高橋喜平先生のお孫さんであるということを発見しまして、びっくりしました。私は、実は岩手県人の中で一番親しいのは高橋喜平さんだったのです。それで、まだ奥様が御存命のときには、私は奥さんを介護しているのだと言っておられましたけれども、それからずっとおつき合いをさせていただいておりまして、そのお孫さんが高橋雪文さんだということは全く知りませんで、昨夜知りまして驚きました。何かの御縁なのだと思いまして、きょうお話しさせていただくことになったと思います。
 実は昨夜食事をしながら菅原一敏先生が三陸の御出身で、三陸沿岸の者にとっては豊かな自然というのは邪魔だと、豊かな自然は邪魔であって、もっと高速道路が欲しいし、豊かなまちも欲しいと、金が欲しいというのが県民の願いであって、自然なんか要らぬと、こういうことをお聞きして、実は私は大変大きなショックを受けました。まだこのような考えをした人が日本列島の中にいたのか。そういうことをお聞きしまして、これはやっぱり岩手というところは恵まれたところだというところでございます。
 本当に恵まれたところですよね。今や自然を要らないという地球市民はいないのです。豊かな自然を要らないというようなことを言う国民は欲望のたがにふたを抑えることのできない中国の人、金の亡者になった中国の人民ぐらいは除いて、あとの先進国の人間はどの国においてももう何よりも自然を守るということが大事だという時代なのです。その時代にね、豊かな自然なんか要らぬ、邪魔だというだけの豊かな自然を持っているという、いかに岩手が豊かということです。
 実は、私はコウノトリという鳥が昔、30年ぐらい前は日本列島全域に広くいたのですけれども、それを復活するということを一生懸命やっている兵庫県の豊岡市というところがあります。そこの中貝宗治さんという市長さんが40年ぐらいかけてコウノトリを復活したいと。1匹大体8,000万円かかるのですよ、復活するのに。今は40羽ぐらいいるわけですけれども、それをやっと去年初めて40年目に卵を産んだのです。それで、そのコウノトリを見に土曜日と日曜日にはもう観光バスを連ねてみんな関西の人が見に来るのです。コウノトリは大きいですからね、空を舞っていると「うわあ」と言ってみんな拍手しているわけです。30年前はどこにでもいたのです、コウノトリというのは。
 豊岡市というのは丹波牛の産地でございまして、牛を飼っているわけです。おばあさんが牛を洗っている、川で。そのそばにコウノトリがぴっと立っている。そういう写真はどこにでもあるのですけれども。30年前の写真なのです。このおばあさんはあなたですかと、30年だから生きているわけですけれども、ひょっとしてこれはおばあさん、あなたではありませんかと市長さんが訪ねたわけです。いやあ、これはわしの若いときと似ているけれども、よく覚えておらぬと、私はこんな服を着ておったかどうかもわからぬから、私かどうかわからぬけれども、「隣にいる牛はうちの牛や」と、こう言ったのです。どうしてかというと、角が曲がっているのです、その牛だけは。これはうちの牛やと。私かどうかわからぬと、30年前だから。だけれども、これはうちの牛だと、だからこれは私ですと言ったのです。そこがきょうの話のポイントなのです。牛というものを見たということですね。これは30年前の牛だということをちゃんと覚えて飼っているわけです。肉牛にするのですよ、最後はいただくのだけれども、我々はその牛にそれだけの愛情を込めて大事に育てて、そして最後には肉として売っていたということです。そういうのが日本人の自然との関係なのです、生き物との関係なのです。
 それで、そういう世界を30年前の世界を復元したいというので、中貝宗治さんは一生懸命やった。コウノトリというのはドジョウとか、そういう生き物を食いますから、全部無農薬の水田にしなければいけないわけです。全部無農薬にしたのです。そうしたら、米がコウノトリ米というのが通常の価格の4倍の値段で売れるのです。それで、1丁1,000円の豆腐を売っているのです。1丁1,000円で4セット、4丁買うなら4,000円で買わなければいけないのです。それが飛ぶように売れてしまうそうなのです。1丁1,000円の豆腐、この辺だと幾らぐらいするかきのう聞いたら、60円だと言っていたけれども、それが1,000円の豆腐です。僕はもらいましたけれども、そんなにうまいとは思わぬけれども、それを1,000円出してでも買いたいと、そういう時代なのです。
 それで、こういう地球環境問題を守る方法にはバックキャスティングという方法があります。これはスウェーデンが言い出した方法なのです。ヨーロッパ人が最初にバックキャスティングという方法を言い出しました。これはどういう方法かというと、これから20年後にはこういう世界がやってきます。その世界がやってくるためには、こういう地球環境の破壊が起こる。あるいはこういう戦争が起こるだろうと、だからそういう社会を引き起こさないためにはこういうふうに今から社会の法体系を変えましょうと、それから社会の経済システムを変えましょうということをプランして、そして20年後をイメージして、それに向かってあらゆるシステムを変えていくという、これがバックキャスティングという方法なのです。これが現代の環境問題の最もはやりの言葉なのです。
 ところが、我々は何も20年後をそんなふうにして頭に描かなくても、さっき言った20年前、30年前をちょっと思い出したらいいわけですよ、関西の人間は。コウノトリがいる時代のことを思い出して、その時代のことを未来に復元すれば、自然と人間がぴたっと共存する時代が維持できるわけですね。これが今関西の人間がやっていることです。
 僕は、関西の人間にはそれをバックバックキャスティングというふうに言ったのです。バックキャスティングのさらに逆です。でも、それはなかなかいい表現ではないので、さすが、経済産業省の東大出身の法学部のエリートは頭がいいので、逆ビジョンという名前をつけたのです。ビジョンではなくて、逆ビジョンです。過去に帰って、その過去を未来に復元すればすばらしい自然と人間の共生の姿が復元できる。
 ところが、ヨーロッパの人は、例えば50年前、100年前に帰ったら何しているか。奴隷を酷使して、植民地を支配して、熱帯雨林を破壊して、プランテーションつくっているわけですから、そんな時代に彼らは帰れないのです。でも、我々は30年前、50年前、江戸時代の100年前に帰ったら自然と人間が完璧に共存している美しい世界になるわけでしょう。その財産、我々が過去に背負っている財産を未来に復元すればいいではないかと、これが関西人のやり方です。
 しかし、岩手の人はそれさえ要らないということです。今を未来へ維持すればいいわけです。何にも過去に帰る必要ないですよ、この美しい風景。開運橋から見たあの美しい岩手山、美しい自然、水田、山、これを未来に維持するだけでいいのです。何も過去も未来も。関西はだめですよ、コウノトリもみんな死んでしまいました。だから、30年前を未来に復元しようと思って、みんな一生懸命やっている。冬・水・田んぼを使って無農薬をやって、環境を何とか30年前の環境を復元しようとしている。でも、皆さんは30年前に帰る必要は全くないです。自然が邪魔だと言っているのですから。今の状態を、この自然が邪魔だと思う状態を未来へ維持するだけでもう十分に豊かな自然と人間の共生の世界が維持できるのです。これからさらに金持ちになろうと思ったら、もう間違いですよ。よくて今の状態を維持できる。普通は下がっていくのです。今の状態が悪くなることはあってもよくなることは絶対ないのです。今から巨万の富を求めて金を、巨大な金を、富を得ようなんてことはもうあり得ないのです。今の状態をどう維持するか、そこなのです。それさえもうできないのですから。
 だから、そういう面では岩手の人々は自分たちが実際東京よりも貧しいと思っているかもしれない。でも、この自然と人間の共生ということから見たら岩手ほどすばらしいところはないのですよ、恵まれているところはないのです。そのことをどう県民に気づかせるか。というよりも、県会議員さんたちがどう気づくかということにあるのです。自分が当選するためには、やっぱり経済を活性化しなければいけない、工場を求めなければいけない。それをやっている限りはいつまでたっても世の中よくならない。ここで全員が思いきって。
 僕はよく秋田もやっているのです。秋田はもっとひどいですよ、岩手より。でも、秋田の人は、秋田は鎖国をしようかということまで出てきたのです。東北三県は本当に今差別されていますよ。なぜ差別されているか。それは、今の市場原理主義とは違う歩み方をしているからです。自然と共生する、伝統的な日本の生き方に立脚したライフスタイルをとっているから、だから一見差別されているように見えているだけなのです。でも、今の東京のああいう市場原理主義がもう20年もたないです。2020年には中国の経済は確実に崩壊します。2050年には現代文明が崩壊するというのが僕の仮説なのです。そういう市場原理主義、アメリカ型の市場原理主義、小泉純一郎さんを言ったら悪いけれども、小泉純一郎さんと竹中平蔵のあの改革以来、アメリカ型の市場原理主義を大量に持ってきて、そして日本の社会が非常に伝統的な社会が崩壊をしていった。小泉純一郎さんは歴史というものに対して一切興味ないです。30年前のコウノトリのある姿を未来に復元しようなんていうことは彼には一切発想できなかった。でも、それが必要なのです。今はもう世界の人々がそれをやっている時代ですから。
 そういう時代に、東北の三県が自殺者が一番多いのです。秋田が1番、青森が2番、岩手は3番です。自殺者が何で多いか。東北は貧しいからだと思ってはおられませんか。何でみんな自殺するのか。東北は貧しいからだと。僕は自殺のことを一緒に研究しているのです。そうすると、自殺が多いときは経済が豊かなときなのです。例えば第二次世界大戦のような危機的なときにはだれも自殺しないのです。自殺するのは経済が豊かで、バブルの絶頂のときです。そのときにたくさんの人が自殺しているのです。東北はみんな貧しいから自殺していると思うかもしれませんが、それはうそです。
 では、何で。データ見てみましょうか。これ見せないと、うそ言っていると思われると嫌だから。自殺が世界で最も多いのは日本。女の人は余り自殺しないのです、男が自殺します。それから、次に多いのがフィンランドです。これ全部森の国です。森の多い国の人々が自殺するのです。ところが、ギリシャやメキシコやインド、森のない国、ほとんど自殺しない。中国人に至っては自殺はゼロです。中国人は自殺しないのです。それを考えたら、自殺をするということの意味がわかるでしょう。中国人は自殺しないのですから、人を食ってでも生きるのです。でも、日本人は人を食って生きようとは思わない。最も自殺が多いのは秋田、青森、岩手、宮崎、長崎、新潟、島根、沖縄、高知、鹿児島、福井、富山、長野、鳥取、みんな自然の豊かな森の多い穏やかな心を持った人がいるところです。東京の人は自殺しないのですから。これを見ただけでも、自殺の意味がわかると思います。
 だから、今自殺するのは貧しいからと思うと、そうではないのです。それは、優しい心を持って人に迷惑をかけてはいけないという思いがあるから自殺するのです。人食ってでも生きる気持ちだったら絶対自殺なんかしないのです。人に迷惑はかけていけない。その気持ちが強い人ほど自殺するのです。
 秋田になまはげというのがありますよね、男鹿半島になまはげというのがある。僕はあのなまはげを見ると、何回見てもあそこのなまはげ館という博物館みたいなものがあって、そこでビデオを見せるのです。そのビデオをずっと見ていると、そのビデオを見ても何でもないビデオなのですよ。なまはげがやってきて「うおー」と子供を脅かして、そしてやっている。ところが、何回見ても涙が出てくるのです。どうして泣くのか。なまはげがやってくる。そうすると、小さい子供は怖い。「ちゃんと勉強するか」、「人に迷惑かけないか」、「悪さをしないでお父さん、お母さんに孝行するか」と言うと、「します、します」と言って、子供は親のところへぴっとしがみつくわけです。おじいさんや親のところへしがみつくわけです。そうすると、おじいさんや親はその子供をしっかり抱きしめて、「もう子供は何も悪いことしませんから、勘弁してください」と言って抱きしめる。そういう人間関係、それに多分僕らは感動するのだと思うのですけれども。そういう欲望をコントロールすると僕はよく言いますけれども、人に迷惑をかけてはいけない。そういうことを小さいときにたたき込まれた人がたった50万円借金するだけで自殺するのですよ。関西人なんか5億円借金したって自殺しませんよ。踏み倒してやれと思っていますよ、皆さん。借金なんか踏み倒したらいいではないかと思っている。ところが、東北の人はたった50万の借金で自殺するのです。その意味を考えなければいけないわけです。本当に心の優しい人、美しい心を持った人が今この世の中で窮地におとしめられているのです。
 それで、なぜ東北の人は優しい心を持つことができたのか。東北の心は本当に優しいのです。何で優しい心を持つことができたか。それは、環境が豊かだということが非常に大きく関係していることが最近わかってきました。森の音というのが最近その人々の心に大変大きな影響を与えているということがわかってきました。人間というのは耳で音を聞いているのですけれども、音聞こえますよね。この音というのは耳で聞こえる音は20キロヘルツしか聞こえないのです。ところが、人間は20キロヘルツ以上の高い高周波を聞いているということがわかっています。その高周波はどこから出ているかというと森の音、森の葉擦れがする、葉擦れの音、風の音、それからせせらぎの音あるいは虫の声、それからカエルの声、こういうものが人間の皮膚を通して、そして人間の脳に大きな影響を与えているということが最近実はわかってきたのです。それをちょっとデータをお見せしますけれども、見てもらいたいのですけれども、これです。
 森の中を散歩すると血液中の免疫グロブリンというのが増大するということが今までよくわかっていたのです。血液中の免疫グロブリンが増大して抵抗力がふえるということはわかっていたのですけれども、何で森の中を散歩すると血液中の免疫グロブリンが増大するかというのはわからなかった。ところが、最近そのメカニズムの一つが音にあるのではないかということが、これはわかった。これは大橋力先生という先生が5年ぐらい前から発見された。今、それはサイエンスの音のジャーナルでサイテーションインデックスというのですけれども、引用件数ですね、それが5年間トップなのです。それぐらいに今大きな話題になっている仕事なのですけれども、先生は森の音をはかったわけです。130キロヘルツぐらいの非常に高い高周波が出ているということがわかった。
 都市なんかは音すると思うのですけれども、実は都市というのは高周波はほとんどないのです。雑音は多いのですけれども、高周波はない。だから、高周波と雑音の違いというのは、例えば皆さん滝の前に「ゴー」という大きな滝あるでしょう。滝というのはすごい大きな音しているわけです。でも、音はうるさいと思わないではないですか。でも、ジェット機が「ビューン」というのはうるさいなと言うでしょう。あれは雑音なのです。ところが、滝の音は、これは高周波が出ているからうるさいと思わないわけです。その高周波がどこに大きな影響を与えているかというと、人間の脳幹という脳の、生命の中枢部です、ここに大きな影響を与えているということが最近わかってきたのです。
 高周波を浴びると脳幹の部分が最も反応するのです。この脳幹というのは何かというと、ここから神経伝達物質、例えば脳内物質を出すわけです。例えばどういうものを出しているかというと、アドレナリンというのがありますけれども、アドレナリンというのは皆さん御存じですよね。これが出ると人間は戦闘的になるわけです。ところが、高周波を浴びるとノルアドレナリンと言って、心を穏やかにして優しくする物質がふえるのです。それから、快楽物質のドーパミンが出たり、あるいはベータエンドルフィンというのは、これは我々は60を過ぎますと1日2,000個とか3,000個のがん細胞ができているわけですが、そのがん細胞を殺す細胞を活性化させるホルモン物質、これがふえるのです。だから、森の音というのが我々の体に非常に大きな影響を与えているということがわかってまいりました。
 だから、何で東北の人がそんなに優しい心を持っているのか。それは、我々が森の高周波をいつも浴びているから、頭の中がノルアドレナリンで充満しているわけです。だから、岩手の人、秋田の人、青森の人は、東北三県の人は優しい心を持つことができるのです。それが1つの原因です。だから、皆さん田んぼの前でカエルが「ケロケロケロケロ」と鳴いているでしょう。昔はカエルがケロケロ鳴いておっても、そんなもの何の意味もないと思っていた。ところが、そのカエルの声が頭に影響を与えて、そして頭の中の脳内物質を活性化させている。
 最近注目されているのがセロトニンといううつ病を引き起こす病気ですね、これは自殺の原因にもなるのですけれども。だから、セロトニンという脳内物質が少なくなるとうつ病になるのです。何で秋田の人たちが、あんな森が多いのにセロトニンになるかというと冬、雪が多いときは静かでしょう。冬の雪のしんしんとした静かさ、これが危ないのです。昔は、秋田の人はよく知っていた。だから、冬の雪のときはみんなで寄り集まって物つくったりなんかしてやっておったわけです。ところが、今は核家族になったから、老人は独居老人で一人で雪の静かな中で過ごしていると、そうすると脳内物質の中のセロトニンがどんどんと減っていってうつになっていって、そして自殺になる。
 人間の体と環境というのは非常に深い関係があります。それで、こういう美しい大地を皆さん、ゆうべ僕は東日本ホテルに泊めていただいて、朝飯食いに行ったら、中国人ばかりですよ、朝飯食っているのは。どこから来たのですかと言ったら、台湾からだというので、救われましたけれども。中国人ではないなというのはわかりました。物腰が多少ジェントルなのです。韓国人と中国人がここら辺に来るようになったら終わりですね、荒らされますよ。
 そのホテル幾らか、1泊朝食つきで私は9,520円払いました。こんな美しい、窓を見れば岩手山が見えて、それで開運橋からあんな美しい山が見える美しい風景の中で1泊泊まって9,520円です。しかし、今バリ島という島があります。バリ島という小さな島があるのですけれども、その島では1泊6,000ドルのホテルがあるのです。何があるか。カジノがあったり、そう思っているのではないですか。1泊6,000ドルのホテルというのはどんなホテルか、きんきらきんのホテルだと思うでしょう。とんでもない、ブルガリとかフォーシーズン、僕は泊まることはできませんけれども、どんなところか見に行きました。普通の伝統的なバリ島の草屋根の家でつくったホテルなのです。そこに、バリ島に行って、何か1泊6,000ドルも、1日ですよ、6,000ドル。だから60万、今ドル安だから。そこにアラブの金持ち、ヨーロッパやアメリカの金持ちがみんな来て満室なのです。何で1泊6,000ドルか。それは、棚田を見に来ているのです。バリ島というのは水田稲作農業の世界で、ヒンズー教の美しい寺院があったり、それから水田があって、海がある。それだけなのです。あと何もないですよ、カジノも何もないです。そのために6,000ドル払ってでもヨーロッパやアメリカの金持ちたちは来ておるのです。こんな美しい岩手の風景の中で1泊9,000円ですよ。多分あの台湾の観光客には、私は1人で泊まっていますから9,520円だけれども、多分ツアーは4,000円とか5,000円で泊めているのではないかと思いますよ。
 なんでこんな、もっと極端なことを言うと十和田、八甲田、八幡平の美しいブナの森の中の温泉、そこが1泊2食つきで1万2,000円ぐらいでしょう。バリ島はどんなところか見ますか。バリ島の6,000ドルのホテルがあるようなバリ島はどんなところか、ちょっと見てみますか。これです、こんな棚田があって、ここに水田、こんな風景どこにでもあるでしょう、岩手。これを見に来るのですよ。これを見に1泊6,000ドル払って来るのですから。今そういう時代なのですよ。だから、八甲田山のあの温泉の中のブナの森の中の温泉というのはこれよりもっと。ここは温泉ありませんからね、大体。温泉というようなシステム持っていない。だから、これを見に来るだけで金持ちは6,000ドル払う時代になったのです。そういう時代があと20年後には来ます。もう20年たたないで10年。それは今のような状態を岩手の人が続けている限りだめですよ。安売りしていたらだめですよ。もっと高くするのですよ。岩手、十和田、八幡平のあの美しい十和田湖周辺の温泉、これを少なくとも最低1泊10万円泊まるようにするのです。付加価値をつけないと。そうしないといつまでたっても東北は貧しい時代が続くのです。
 それから、もう一つ大事なことは東北の人々の物づくりです。彼らは、農民は何しているかというと、普通は日中は田んぼを耕しているわけです。ところが、夜とか、あるいは日中の暑いときは何もできませんから、それでこういうふうにして物をつくっているのです。美しい物をつくるのです。彫刻をつくったり、絵をかいたり、それから音楽です。グアムなんて音楽を演奏したりして観光客に見せるのです。そういうことをやって副収入を得る。だから、バリ島というのはこういうところで、何でもないようなところが今や物すごいお金になっているということです。
 我々日本人は、世界の中では非常に特異な世界観を持っています。その特異な世界観の最もいいところを最後まで残しているのが東北三県です。
 僕は外国人の客員研究員というのは何人か呼んでいるわけです。中国人呼んでいるのですけれども、中国人は日本語の文献を中国語に一生懸命翻訳しているわけです。そうすると、中国語の中には、まず「もったいない」という言葉がないのです。翻訳できないわけです、中国語に。それから、「足るを知る」という言葉もない。我々にとっては「もったいない」とか、「足るを知る」というのは当たり前でしょう。ところが、中国の人々にとってはそういう言葉というのは極めて難しい。そういう世界観を持っていないのです。それが多くの人々の、世界の人々の大半です。ところが、我々は豊かな森に囲まれたためにその美しい心、人を信じ、自然を信ずる美しい心がこの東北の人々の根幹を形成しています。
 これは縄文時代の北海道南茅部遺跡というところから出た子供の足形なのです。6,000年前のものなのですけれども、よく見ていただくと、これは指ですね、これ足です。子供の足全体が全部写っているのです。柔らかい粘土の上に子供の足が踏んでいるわけですが、もし生きている子供がこの粘土を踏んだら土踏まずのところは写らないはずです。ところが、足の裏全部写っているのです。これどういうことか。しかも、指が物すごく強く写っているでしょう。これはどういうことかというと、指が硬直しているわけです。これは死んだ子供の足形なのです。これは死んだ子供の足形をとって、しかもここに穴があいていますから、これはどういうことかというとペンダントか、あるいは壁飾りにして、これを形見としてずっと保存していたということです。この足形がどこから出たかというと、大人の墓から出たのです。だから、親にとって子供が先に死ぬということは人生で最も悲しいことでしょう。その悲しみをじっと抱きしめて、その子供の足形をとって、そして自分のペンダントにしていたか、あるいは壁飾りにしていたかして、そして自分が死ぬときにその足形と一緒に葬られていたのです。だから、こういう縄文人の物の考え方、その原点にあるのは命というものが大事です。命というものを深く見詰める、何よりも命が最も大事だということですね。この概念が東北の人々の心の根底にある。だから、優しい心が生まれるのです。命を大事にすること。
 そういう概念は縄文の概念は、日本の神道にもちゃんと受け継がれております。日本の信徒、これは伊勢神宮なのですけれども、伊勢神宮というのは、これは日本の神道の本拠地ですけれども、ここは20年に1回ずつ式年遷宮というのをやるのです。これは天武天皇が西暦の685年に制定されました。それ以来、伊勢の人は20年に1回ずつこのお社を右から左、左から右へと移すのです。何で20年に1回ずつお社を移すのかわからなかった。伊勢の人、僕は三重県の出身で伊勢ですから、よく行って20年に1回ずつお社を移しているわけです。移すときに20年前と同じ大きさで同じ方法でつくりかえなければいけない。20年前よりも大きくしたり、小さくしてはいけないのです。全く同じ方法でやらなければいけない。それを淡々と20年ごとにお社をつくりかえていたのです。その意味は全然わからなかったのです。全然そういう意味はわからなかったのですけれども、最近この地球環境問題が起こってきて、2020年には先ほど申し上げたように中国の経済が崩壊して、2050年には現代文明さえ崩壊するかもしれないという、そういう時代に至ったときに、初めてこの天武天皇がやったその重要さがわかりました。それは、20年というのは1世代です。おじいさんが式年遷宮をすれば次は子供、そしてその次は孫というふうに20年ごとに式年遷宮をするというのは1世代ごとに式年遷宮をやれる。20年ごとに淡々と我々は1,300年以上やってきたわけですよ、今まで。それが最高の喜びなのだということをもう既に天武天皇は知っていたのです。何も20年前のものをより大きくするということが価値ではないのです。今は会社の社長さんになったら、前よりも会社を大きくしなければいけない、大きくしなければいけないと思うでしょう。そうではないのです。20年前にやったのをずっと継続、いかに継続させるかということが、これが物すごく大きな意味持つのです。
 式年遷宮をやるときに材木が要るのですけれども、御杣山という山で植林をしているわけです。木に線が2本書いてあるのです。一体これなんですかと僕が聞きましたら、この2本書いてあるのは200年後に切る木ですと、こう言うのです。200年後に切るのですよ。1本書いてあるのは100年後に切るのです。つまり、我々は200年後の自然を信じて生きているのです。200年後の自然を信じる人間は、人間も信じることができるのです。これが我々の大きな特色ですよ。
 200年後の自然を私たちは信じ、自然を信じることができる人間は人間も信じることができるのです。この話を私はこの間スウェーデン王のグスタフが去年呼んでくれまして、6月に、グリーンランドに一緒に。次にそのスライドもお見せしますが、グスタフの前でそのお話をしたのです。我々は、200年後の自然を信じて生きているのですと言ったら、彼はびっくりしているわけです。ちょうど天皇陛下がスウェーデンに行かれた直後でしたから、5月に陛下が行かれて、僕が6月に行った。そのときに陛下といろいろしゃべっている。「陛下は御田植えもなさるのです」と、こう言ったのです。「えっ、何で田植えをするんだ」と、グスタフは僕に聞くわけです。稲作農民というのは不毛の大地を豊かな大地に変える、それが最高の喜びで、労働、不毛の大地を豊かな大地に変えるということ、これが最高の喜びなのです。働くということが最高の喜びなのですと。だから、その最もとうとい作業を陛下もみずから皇居の中で御田植えをされて、稲刈りをされるのですよと。我々はこういう式年遷宮というのをやって、そして自然を信じて、そして人間を信じて生きているのですと、これが我々の哲学の根幹を形成するのですという話をしたら、彼はびっくりしているわけです。どうしてかというと、ヨーロッパの人々は、ルネ・デカルトという有名な近代工業技術文明をつくったデカルトという人がいるでしょう。彼は「われ疑うゆえにわれあり」と、こう言ったのです。私は人を疑うから存在するのだと言ったのです。人を信じるのではないのです、ヨーロッパ社会は。アングロサクソンの社会はみんな人を疑うゆえに自分が存在し得るのです。
 ところが、我々はそうではない。私は、人を信じるのです。何でかというと、それは自然を信じることができるから人を信じることができる。ところが、ヨーロッパの社会はそうではないのです。自然を信じることはもちろんできません。そして、人を信じることもできない。だから、アメリカ人はどうしてピストルを持っているか。それは人を信用することができないから持っているわけでしょう。中国に行かれたらよくわかるでしょう。中国のビルのその辺のマンションみたいなところは1階から10階まで全部鉄格子が張ってあるではないですか。最初に行ったら、これ刑務所かなと、みんな鉄格子の中で暮らしていると思ったら、それはみんな泥棒よけの鉄格子でしょう。それぐらい中国の人は人を信用できないのです。でも、我々は人を信じることができる。何で信じることができるか。それは自然を信じることができるから。
 そういう日本人の最もすばらしいよさを最も残しているのが東北の人なのです。もう今は関西や東京では振り込め詐欺なんかがあるようにもう人を信じられない社会になっているわけでしょう、日本の社会は。そういうすばらしい伝統と文化を持った東北の人々がこれからどう生きていくかということ。21世紀、地球温暖化の時代がやってきますけれども、これからどう生きていくか。
 それに入る前に、今までお話ししたことで、余り人の話ばかりを聞いていると眠たくなってきますから、何か皆さんの御意見をまず伺った上で、これ何時までですか。
○高橋雪文委員長 12時です。
○安田喜憲講師 だから、時間いっぱいありますので、何かちょっと御発言を皆さんからいただいて、それでちょっと休憩をしたいと思います。
 順番にいきましょう、民主党の大宮さんから発言してください。失礼しました。では、そちらから。及川さん。
○及川幸子委員 ありがとうございます。眠るどころか、大変引き込まれまして、私も半信半疑で大変難しい話で、絶対居眠りができるのではないかと思って来たのですが、先生大変すごいですね。森の音、私もまさに今CDはそういうのを聞いています、虫の音とかですね。やっぱり心的に落ちつくのが少なくなってきたときにはそういう音がとってもいいのですが。うつ病が大変多いです。でも、自分でうつ病だとわからない人が多いのですけれども、そういう中でこういう治療方法で完治しているという部分がやっぱり紹介されているのでしょうか。
○安田喜憲講師 多いです。
○及川幸子委員 多いですか、ちょっとうつ病に関して。
○安田喜憲講師 今ですね、彦根市というところで、高周波を出す、これはスピーカーだけの問題なのです。つまり、皆さん音楽御存じの方、デッキのほうは100キロヘルツ以上の高周波を出す能力は持っているわけですよ。それをスピーカーで出すときに、CDなんかも全部20キロ切っているわけですが、スピーカーを高周波を出すスピーカーをつければどこでも出るのです。
 それで、彦根市で試みにあったのです。まちの真ん中で高周波を出す。そうしたら、それ実験的にやったら、2年でやめるはずだったのです。今もやっているのです。もう10年以上、余りに評判がよくて。この音楽を聞いていると落ちつく。
 それで、揖斐川町では、各家庭に光ファイバーで各家庭をつないで、高周波のスピーカーをそれぞれつけるように、今、考えています。ですから、それを大量生産してもう少し安くすればいいのですけれども、ちょっと高いものですから、全戸というわけにはなかなかいかなくて、今ちょっと迷っているのですけれども、各家に高周波のスピーカーをつけることによって、特に東北のこういう自殺は減少することができると思います。
○及川幸子委員 先生、ずっと一日演歌を聞きながらいるのと、もう一つオルゴールの音をずっと聞いていると結構ストレスがたまるということを聞いているし、私自身もオルゴールのチロチロチロという音を聞きながら過ごしていたことがあるのです、施設で。すごい逆にストレスたまるのですが、音楽というものの与える影響というのはすごい大きいですよね。
○安田喜憲講師 大きいです。一番音楽で頭にいいのはモーツァルトなんて言われますよね。だから、モーツァルトの音楽を流して、モーツァルトの音楽を高周波のマイクロホンで、スピーカーで聞きながら作業をしたら一番いいのです。だから、モーツァルトの音楽というのは人間の心に、脳に非常にいい働きをするとよく言われて注目されていますけれども、音楽の質によってももちろん快楽、高周波だけだと。でも、一番いいのは自然の音です。だから、せせらぎの音というのは意外にいいのです。だから、川のそばでザーッと川が流れているようなそばに住んでいる人は意外にうつになっている人少ないのではないかと思うのです。ちょっと一遍調べてみてください。うつになっている人はどんなところで暮らしているかというと、意外にまちの真ん中のマンションとか、そういう音空間の悪いところで暮らしている人が多いのです。カーッと風が流れたり、自然の音がいっぱい聞こえるようなところに暮らしている人は意外にうつは少ないです。
○及川幸子委員 ありがとうございます。
○安田喜憲講師 では、どうぞ。
○大宮惇幸委員 実は私は森というより、趣味で山歩きしていました。仕事柄運動不足で足腰を鍛えるという意味を兼ねて、やっぱり経験上で山に行ってくるとすごくストレスが解消されるということで、大変今先生のお話を聞いて、もっともっと山歩きしなければならないと。
○安田喜憲講師 それはそうですね、僕も山歩きたいですけれども、なかなか時間がないのでね。ところが、山を歩こうと思っても、東京や京都にいたら、電車に乗ってわざわざ行かなければいけないでしょう。ここは車でちょっと行ったら歩けるでしょう。いかにすばらしいか、そういう時代ですよ、これからは。ちょっと山歩きたいな、自然と触れ合いたいなと思ったら、すっと行けるでしょう。そういうところに暮らせるのがこれから最もリッチなのです。
○関根敏伸委員 東北を大変買っていただいてありがたいなと思いますが、意外と東北人は東北のよさを理解できないというか、資源を十分活用しきれていないというのが私の思うところなのです。どうやってもっと、例えば関西の人とか、東京の人でも東北のよさを売り込んでいったらいいのでしょうか、かつ安売りをしないで東北のよさをどうやったら理解していただけるか、その辺。
○安田喜憲講師 僕はどんな知事さんに会っても、富山県の知事さんなんかも立山という美しい山があるでしょう。そこへ観光客呼び込みたいわけですよ、県財政豊かにしなければいけないから。僕はそんなこと言うなと。何にも中国人来い来いと言って、美しい山を、東北はこんな美しいところですとみんなに見せたら、それは餌食になるのが落ちなのです。
 僕は後で述べようと思ったのですけれども、一番恐ろしいのは、今21世紀の中で日本が国家運営をする中で最も警戒しなければならぬのは、中国人が日本のこの東北の美しいブナ林を買いに来るということです。農地はいいですよ、農地法で守られていますから。林野は守られていないのです。山持ちの人は今二束三文で山を売らなければいけない。相続税払えないのです。だから、さっき言った自然が邪魔だというのは、山持ちの人にとってはこんな山なんかなかったらいいというのが普通ですよ。
 ところが、例えば中国にいる高官、僕は長江文明と言って、中国の長江文明の研究で、中国に14年ぐらい行っていたのです、長いことね。中国のことをよく知っているのですが、そこでユイ先生という日本でいえば文化庁の長官をやられた共産党の幹部が最後に肺がんになられてお見舞いに行ったのです。共産党の幹部だから別荘のようなところにある。どんなところに住んでいるかなと思って行ったら、北京の郊外から1時間半ぐらい車で行った病院なのです。メタセコイアが四、五本ちょろちょろと生えた砂塵の舞う病院でしたよ。共産党の幹部であっても、いざ病気になったらそんなところでしか療養できないのです。日本のような美しい森や水があるところで療養しようと思ったら四川省まで行かなければいけない。四川省まで、成都まで3時間ぐらい飛行機に乗って、そこからさらに12時間ぐらいバスに乗って、半日ぐらいバスに揺られて、やっとパンダのいる森に行けるのです。そこまで苦労しないとこんな美しい森は手に入らない。
 ところが、北京から僕がこっちに来たときに仙台におりました。仙台空港に中国人がだっとおりていましたけれども、仙台はたった2時間ですよ、北京から。そして、もう美しい自然の風土があるわけです。その山が今二束三文なのです。今はまだ中国人は金を手にしてかつての日本人と同じようにディズニーランド買いたい、東京のビルを買いたいとやっているでしょう。それが地球環境問題がこれから逼迫してくると、まず水の問題が起こってきます。それからアメニティーですね。金よりもまずアメニティー、それから安全な食、水。安全な食、アメニティー、どこにあるか。たった2時間行ったところに二束三文で売っているのです。それを買いに来る。もうこれ目に見えているのです。だから、県会議員さんたち、これは最後に言おうと思ったのですけれども、もう言ってしまいましたけれども、一番大事なことはそれをどう防衛するかということをちゃんと頭に入れて県政を運営しなければいけません。必ずこれは、一番恐ろしいことです、これ。
 今までは、僕はトルコやギリシャの研究をよくしていました。そうすると、畑作牧畜民というのですけれども、漢民族とか、あるいはヨーロッパ人やアングロサクソンの人々は畑作牧畜民といってヒツジやヤギを飼う人なのです。彼らは自分の土地をヒツジやヤギが逃げていかないようにさくをするというのがいつも常套なのです。自分の土地には必ずさくをするのです。だから、もしこの岩手の山が中国人に買われたりするでしょう。彼らは自分の土地に全部さくしますよ。そうすると、きのうまで山菜とりに自由に行っていたところが突然入れなくなる。そのうちに大きな別荘ができる。水がなくなる。そうすると、彼は当然上流でダムをつくって下流に流さないようにする。あなた、水が欲しければ買いなさいということになりますよ。実際に今利根川の上流、東京の水源の上流の沼田というところが香港の資本によって買われたのです。表向きは日本人が買ったことになっている。それは中国人は賢いから、中国人の名前で絶対買いません。手先になった日本人が買うのです。三重県の度会郡の山持ちが山を売った。どこへ売った。日本人に売りました。実際調べたら中国人が買っているのです。宮崎県で一時木を切って乱伐になって、植林していないという、それが大きな問題になった。切っただけで、その木はどこへ行ったか、全部中国へ行っているわけです。もうあと10年もしないうちにそういう魔の手が中国からやってきますよ。だから、今僕は鳩山邦夫さんに、環境問題、僕は友達だから、法務大臣のうちにそれをやりなさいと。農地は農地法によって守られているけれども、日本の林野は野放図だから、これを守る、外人が買えないという法律を、条例をつくれというのが僕の長年の主張なのです。これをやらないと、日本は危ないです。
 ドイツ人とかイギリス人が昔トルコの土地を買っているのです。そうすると、何やっているかというと、土地を買うでしょう。そうすると、自分で囲い込むわけです。エーゲ海の美しい海があるわけです。あそこに泳ぎに行こうと思ってトルコ人と行くでしょう。入れないのですよ、フェンスがしてあって。そのフェンスの向こう側でドイツ人のブロンドの女性がテニスしたりなんかしてやっている。これはドイツ人村です、これはイギリス人村ですと、トルコの国内にそれができているのです。
 今私はカンボジアという国やっていますけれども、カンボジアは今経済が貧しいでしょう。そこへだれが行っているか。韓国人が大挙して行っているのです。そして、カンボジアの土地を買いあさっているわけです。そして、買ったら必ずフェンスするのです。これ韓国人の土地です。これ韓国人のだれだれの土地ですと。カンボジアの土地は今は韓国人によって食い荒らされているわけです。土地の値段が安いから、韓国からいったら二束三文でしょう。それ広大な土地を韓国人は買っている。
 同じようなことが21世紀の未来の日本に引き起こされないとは限らないのです。ですから、このことをぜひ皆さん心にね。山持ちの人は特に山を売ってはいけませんよ。山を売っては、これは今は何の効用もないと思っているかもしれないけれども、あそこから水が流れてくるのですから。それをとめられたら、もう我々は生きられませんよ。水こそが人間が生きる命の源です。その水を生んでいるところはどこかというと山です。その山を中国人なんかに買われたらね。
 だから、富山県の知事さんに、立山というのは好きなのですよ、中国は。雪ががっと積もって、それで高原にバスで行けるでしょう。だから、物すごく中国人行っているわけです。ところが、こんな美しいところが日本にあるということを教えたら、こんなところは幾ら、坪当たりたった幾ら、1万円もしない。こんなものすぐ買いに来ますよ。だから、余りうれしそうにいらっしゃい、いらっしゃいと、いいところを中国人なんかに見せたらいけないのです。それは、我々が楽しむのであって、中国人が楽しむところではないのです。だから、外国人には1泊10万円にしたらいいのです、こんなところに泊まりたいのだったら、中国人はあなたは10万円払いなさい。だったら、泊めてやりますよと。我々は9,500円で東日本ホテルに泊まって、中国人のツアーには4,500円で泊めているという、そういうばかなことをしてはいけないのです。それぐらいのプライドを日本人は持たないとね。というか、東北人はプライドを持ってください。
 それでは、地球温暖化というのはどういうふうに今進んでいるか。温暖化の実態をちょっとパワーポイントで見てみましょう。グリーンランドという、グスタフが僕を呼んでくれて、一緒に行った、北極圏のグリーンランドというところですけれども、ここが一体どういう状態か。上から見ると、グリーンランドというのは氷河、厚さ3,000メートルぐらいの氷河に覆われているわけですけれども、これが今急速な勢いで溶けているのです。このグリーンランドの氷河は年間大体、ここへ溶けた氷がフィヨルドという湾に大挙して流れ出してきているのです。これは流れ出した氷です。溶けた氷河がこんなふうにしてフィヨルドを埋め尽くしているわけです。
 1994年まではここまで氷があったのです。今は200メートルぐらいのところまで後退しているわけです。1966年にはここまで氷河があった。2キロぐらい先まであるのです。1966年はここまで氷河があって、こっちは氷河がなかった。だから、これは緑で覆われているわけです。でも、1966年から氷河がずっと後退してきますね。後退して間もないですから、植物がまだ回復できないわけです。だから、岩山の状態が残っているから、色が白いわけです。ところが、こっちは昔から氷河に覆われていないから、これは豊かな森、ブッシュ、低木が生えている。ここは低木も生えていない。この約40年の間に2キロぐらい氷河がですね。
 これはグリーンランドの夏、どれだけ氷河が溶けたかというのを示しているわけです。赤い部分が1992年の氷が溶けた部分です。1992年はこれだけ溶けたわけです。1992年には南のほうがちょこちょこと溶けています。これが10年後、2002年にはこんなところまでです。これが全部溶けてなくなっている、夏の間。ですから、北極圏の氷がいかに急速に溶けつつあるかということです。
 このグリーンランドの真ん中に厚さ3,000メートルの氷がありますから、そこにボーリングをします。ボーリングして、氷のコアをとるわけです。氷のコアをとると、氷は夏溶けて冬形成されますから、氷の密度が違うわけです。それで、氷の密度が違いますから、こういう色の違いが出てくるわけです。これがちょうど年輪、夏溶けて冬形成される。夏溶けて冬形成される、この密度の違いが縞々の模様を形成して1年に1本ずつ年輪と同じものができるわけです。それを数えることによって、年代がわかるわけです。
 それから、ここに点々と白い気泡なのです。昔の空気なのです。氷ができるときに昔の空気を取り込んでいるのです。その昔の空気をはかることによって、CO2とかメタンの濃度の変化がわかる。それを実験されている。この縞々を一本一本数えることによって、何年前のものかというのがわかるのです。それで、これが過去40万年の間のグリーンランドのメタンとCO2濃度の変動を示したものです。40万年の間、これがCO2です。地球は、大体10万年に1回ずつ氷期と干氷期を繰り返しているわけです。氷河時代、干氷期、氷河時代、干氷期、氷河時代、干氷期、氷河時代。それで、今は干氷期という温暖な時代なのです。
 ところが、この40万年の間、10万年のうちの干氷期は非常に短いということです。短いもので約1万年、長いもので3万年ぐらいしかないのです。残りは全部今より寒い氷河時代なのです、地球というのは。だから、過去10万年の間の2万年ぐらいが干氷期で残りの8万年は長い長い氷河時代だったのです。だから、地球というのはこの温暖な干氷期というのはどちらかというと苦手なのです。だから、暖かくなると、地球は寒くなろうと努力するわけです。また、我慢できなくなって暖かくなる。ぼんと暖かくなったら、また寒くなろうと努力する。暖かくなったら寒くなろうと努力します。
 我々ホモサピエンスというのは、今から約20万年前にアフリカのイブという一人の女性から誕生したと言われていますけれども、ここで誕生したのです。そこから誕生して今までの間に、20万年の間のここが約2万年、ここが1万年ですから、3万年間は干氷期という温暖な時代ですけれども、残りの17万年間は氷河時代なのです。だから、我々ホモサピエンスという人種は寒冷な気候に適応することにはなれているわけです。だから、この時代というのは、今よりも地球の年平均気温がマイナス7度低い時代です。その時代も我々はサバイバルしているのです。しかし、今よりも地球の年平均気温が3.5度以上高かった時代を我々は経験していないのです、20万年誕生してから。3.5度以上高かった時代を我々は体験しておりません。でも、マイナス9度とかマイナス10度低くても我々はサバイバルできるのです。だから、我々の生理的な適応というのは、寒冷な、20万年前に誕生してから17万年間氷河時代なのですから、その冷たい気候に適応するように我々はできているのです。だから、皆さん盛岡に来たら寒いなと思うけれども、寒いのは我々には適しておるのです。寒いことには耐えられるのです、我々は幾ら寒くても死なないのです。でも、我々は50度の中では生きられない。マイナス10度、マイナス40度、極寒の地でもみんな生きているでしょう、エスキモーの人。でも、50度の地球の年平均気温のときに人間は生きていないのです、クーラーなしでは生きられないのです。そこ。つまり、我々は寒冷な気候に適応した生き物である。
 そして、その時代のこれがCO2濃度の変動です。干氷期というのは、CO2濃度が高いのです。だから、ぽんと高くなる。今も高いのです。ところが、過去40万年間のCO2濃度の最高値は300ppmを上回ったことは一度もないのです。今はどれだけですか。これは古いです、2003年です。今381.2ppmになったと言われているのです。今はこの通常の地球にとっては300ppmがマキシマムなのにそれを80ppm以上多い時代に我々は生きている。
 それから、これはメタンです。メタンは800ppbを超えたことはほとんどないのですけれども、今やその倍ですね、1,600ppbになっているわけです。そして、このまま増大していくとどうなるのか。今世紀末の西暦2100年にはCO2濃度は1,100ppm、それからメタンは3,700ppbになるだろうと言われているわけです。そういう時代がこれからやってこようとしているわけです。
 CO2濃度が上がればどうなるか。CO2濃度が上がれば地球の年平均気温が地球温暖化によって上がる。これは、地球の年平均気温を西暦2100年まで推定したものです。最低で、一番少ない見積もりの人で地球の年平均気温は1.5度、多い人は6.4度、IPCCのモデルでは6.4度まで上がるだろうと、こういうシナリオです。
 地球の年平均気温がもしCO2濃度が増大して2度上がるとどうなるか。これは、珊瑚礁が絶滅します。そして、生物の多様性が半減します。3度上がるとどうなるか。先ほど申し上げたあのグリーンランドの氷全部溶けます。グリーンランドの氷が全部溶けたらどうなるか。これが我々にとっては、北極の氷が全部溶けたときに一体何が起こるかというと、北極の氷が溶けたときに何が起こるかというと、それは深層水の循環というのがとまるのではないかというのが最悪のシナリオなのです。どうしてかといいますと、今深層水というのは、北大西洋で潜り込むのです。何で潜り込むかというと、北極の氷によって冷やされて、4度に冷やされます。水というのは、4度に冷やされるときが一番重いのです。表層の酸素をいっぱい含んだ冷たい水が北極の氷によって冷やされて、そしてここで潜り込む。これがエンジンになるわけです。潜り込んでずっと深海底を流れていってこの北太平洋でがっと湧昇流になって上がってくるわけです。だから、この深海底の深層水は栄養分をいっぱい含んでいますからプランクトンをたくさん育てるわけです。だから、この海が豊かな漁場になるわけです。それが表層を流れてきて、またここで冷やされて潜り込んでいる。大体これ2000年で1周すると言われているのですけれども、これが北極の氷がなくなるとここで4度に冷やされませんから潜り込めなくなるわけです。潜り込めなくなるとどういうことになるか。深層水の循環がとまる。深層水の循環がとまるとどういうことになるか。表層の酸素に富んだ水が海底に行かなくなる。海底に行かなくなるとどういうことになるか。酸素が海底に供給されないわけですから、海洋生物が絶滅するわけです。海の生物が絶滅したらどうなると。そうすると、死骸が海底に全部たまります。そして、そこからメタンや、あるいはさまざまな有害物質がぼこぼこと出てくる。これが大気の組成を変える。
 現実に恐竜が生きた時代というのは海底が無酸素状態になった時代なのです。海底が無酸素状態になった時代というのは何回もあるのです、かつて。今の石油というのは恐竜の時代にできたのです。これは恐竜の時代に海底が無酸素状態になって、そして全部あらゆる生き物が死んでしまって、その死骸です、石油の原点は。それを今我々が使っているわけです。その死骸が海底が無酸素状態になってできたものなのです。こういう海底が無酸素状態に、深層水の循環がとまってなるということ、これが最も恐ろしいことですね。海がどぶのようになって、そして地球の年平均気温が3.5度以上上がる。
 例えばジュラ紀や白亜紀という恐竜が生きた時代はどんな時代だったか。海底が無酸素状態になった時代は、例えばイチョウという木があるでしょう。イチョウの木の葉っぱの気孔を調べるのです。気孔というのは炭酸同化作用するのです。その気孔を調べると、気孔の数が大体4倍から5倍あるのです。だから、それはどういうことかというと、現在よりもCO2濃度が4倍から5倍あったということです。その値、現在から4倍もすると1,200ppmです。その1,200ppmというのは、まさに先ほどのシミュレーションで予測しましたように、今世紀末CO2濃度は1,200ppmになるわけですから、今世紀末の状態と恐竜が生きた状態は全く同じです。その時代は海底が無酸素状態になって、海底からは硫酸水素がぼこぼこと出てくる。大気中の濃度の組成が変わって我々は絶滅する可能性さえあるわけです。そんな自然が邪魔だなんて言っている場合ではないのです。そういう時代があと20年、30年、下手するとやってくる可能性もあるのです。
 もっと恐ろしいのは、海水温がもしも4度、5度、6度上がったりすると、海底にはメタンハイドレードというのが閉じこめられていますよね。これは氷になって、アイスになって閉じこめられているわけです。それが溶けるということです。そして、それが海底から一気に大気中に放出される。これは、もう人類は完全に絶滅をします。
 そういう中で、日本の森というのは6億8,000万トン毎年CO2を貯蔵しているわけです。日本の木造住宅の中には、1億5,000万トンのCO2を貯蔵しているわけでしょう。1ヘクタールの杉林には年間25トン、最近では杉は50トンも。杉林というのは樹齢50年ぐらいになるとCO2の吸収率が減ると言われておるのです。ところが、最近は50年ぐらいたってから、また吸収力が上がってくると。そういうのは、年間50トンぐらいCO2を吸収できるという、そういうことが注目されています。だから、世界をもし森で埋め尽くすことができれば、我々は救われるわけです。だから、今植林をする、世界を森で埋め尽くすという、そういう運動を少なくとも展開しなければいけません。
 こんな豊かな森に恵まれたところの岩手、こんな豊かな自然が邪魔だなんて言ったら、もう世界の人に笑われますよ。何と我々はリッチなすばらしいところに生活しているかということですよ。そこに暮らしながら、こんな自然が邪魔だ、先祖からこんな森なんかもらわなければよかったなんて言える時代じゃないです、もう。我々はこんな豊かな森を受け継いだからこそ今生きていることができるのです。
 もちろん、それから言うまでもなく森というのは水の宝庫です。日本の森は年間2,300億立方メートルの水を貯留しています。森があることによって、もちろん洪水もなくなっています。しかし、もちろん杉林ほったらかしです。手入れしていませんから、ちょっと洪水が起こるとがさっと山崩れが起こったりします。
 一番近々の危機、地球温暖化によって2度以上地球の年平均気温が上がったときに何が危機的な状況になるかというと水が不足するということです。2025年、地球の人口の40億の人が水不足に直面すると言われております。40億ですよ。どこが直面するか。この黄河、もう既に黄河は1992年ぐらいから断流しているわけです。黄河の下流はもう水がない。それから、中央アジア、インド、それからサウジアラビアや地球海沿岸、ヨーロッパ、そしてこの今のコーンベルトというトウモロコシをつくっているこういったところです。アメリカのグレートプレーンというところです。これはオガララ帯水層という地下水をくみ上げて農業をやっているのですから。地下水なんかいつかはなくなりますよ。こういうところが地球温暖化することによって、深刻な水不足になります。こういう水不足になるところはどこか、全部麦つくっておるところです。麦をつくって、パンを食べている人々が暮らして、ヒツジやヤギを飼っている人、パンを食べている人々、麦をつくっている人々が暮らしているところ、これが水不足になります。これに対して、我々の米をつくっているところ、これは水不足にはならないのですけれども、逆に巨大な台風が来たり、あるいは大洪水が襲ったり、そういう気象災害、豪雨や台風に我々は直面してきます。
 一番恐ろしいのは、こういう赤く書いた畑作牧畜民というパンを食べて肉を食べる人々が暮らしているところですね。こういうところは水がなくなるでしょう。人々は水がなくなったら生きていけませんから、簡単に彼らは移動するということです。移動することによって、どこへ行くか。南へ、例えば長江に来たり、日本に来たり、環境難民が起こるということです。それはいつころ起こるでしょうか。2025年を境にして、もし2度以上気温が上昇すれば世界はこういう環境難民の渦の中に巻き込まれてくる可能性が非常に高いですね。
 今小麦の値段が上がっているでしょう。うどん屋さん困っています。だから、もう既にあらわれているわけです。きょうの新聞見てください、読売新聞にこれ書いてあります、「途上国で食糧暴徒」。フィリピンの人は今米を輸出しているのです。その米を食べるフィリピンの人でさえ米がなくなっている。エジプトでは、もうパンが買えなくなっています。もう既にオーストラリアの干ばつが日本のうどんの値段に影響しただけではありません。これにはいろんな要因があります。例えばバイオエタノール、これをトウモロコシなんかでつくるようになってから穀物価格が高騰したということ。それから、石油価格が高騰して運送費が高くなったこと。さまざまな要因がありますけれども、もう既に食糧危機、水の危機、食糧危機が始まっているということです。だから、そういう中でこの東北の大地というのは森と水の資源に恵まれた美しい国です。
 小麦粉1トンつくるには水1,000トン要るのです。牛肉1トンつくるのには水は1万2,000トン要るのです。我々は牛肉をアメリカから大量に輸入していますけれども、これは物すごい量の水を今我々は消費しているということなのです。
 それから、我々は魚を食べますが、これはタラの漁獲量の変動です。1970年代がピークです。このころはタラはその辺にいっぱいありましたけれども、ちょっと回復していますけれども、1992年でほとんどゼロになったのです。海洋資源、これは我々日本人が今までは世界中のものを、だれも食べないおいしいものを黙って食っていたのです。だから言っているでしょう。日本にいいところがある、いいところがあると宣伝したらやられると。今まで黙って食っていたからヨーロッパ人たちはまずい肉食っておったのです。あのマグロのトロのおいしさを知らなかったから、日本は安い値段でトロ食えたのです。ところが、鳥インフルエンザとか狂牛病、これが起こってきて、彼らはトロはうまいということがわかった。中国人が刺身がうまいということを知ってしまったら、もう日本人は手を出せないのです。知らせたらだめなのです、だから。こっそりとこの美しい大地を楽しまなければいけないのに安い値段で来てください、来てくださいなんて何で言うのかと僕は思いますよ。彼らは、一たん味をしめたら、絶対やりますよ。我々日本人は優しいから、あっという間にやられてしまう。三陸のワカメが今物すごい値段で売れているでしょう。アメリカ人は健康食ブームで、今までだれも目にしなかった。ところが、あの価値がわかった。日本人だけが黙って楽しんでいたのが今やアメリカ人が目をつけて、そして売れるということはいいことだと思うかもしれないけれども、そのうちにだんだんと日本人が今度は食えなくなっていくわけです。
 これが我々のシナリオです。2020年から2030年の間に1度大きな危機が来ます。これが豊かさの限界点です。これが人口のモデルです。これが1人当たりの食糧、これは汚染のレベルとかいろいろありますけれども、食糧と人口の交差がカーブする。この資源と食糧と人口の交差がカーブするところが2020年から2030年の間です。これは1972年にローマクラブモデルが予測していたのです。それが当たってきました。ですから、2025年に1つ大きな危機が来ます。その危機をもたらすのはだれか。それは中国です。中国経済の崩壊というのが一つ大きな危機が来ます。それでも人類の欲望はとまりませんから、どんどん、どんどんと森林資源は枯渇していきます。
 例えば2050年ぐらいに熱帯雨林は少なくとも今の4分の1以下になります。今の4分の1以下に熱帯雨林はなります。そして、食糧は今の10分の1ぐらいになるでしょう、1人当たりの食糧はですよ。このころに人口が100億に達しているわけです。それは2050年から2070年の間です。この2050年から2070年の間に現代文明というのは多くが崩壊をするでしょう。人口は恐らくこの崩壊が始まると100億から一気に20億ぐらいに減少すると考えております。5分の1に減るだろう。
 そういう時代が、皆さんはほとんど死んでいるから関係ないと思っているだろうけれども、私も死にますよ、この辺は。でも、皆さんの子供や孫は生きていますよ、まだ。その子供や孫がこの危機を体験しなければならないと思ったら、それは今から始めなければいけない。だから、あらゆる文明というのは2050年から70年に崩壊するのです。その文明が崩壊するということを前提にして、今からこの文明とは違う新しい文明をつくらなければいけない。今までどんな文明でも崩壊しているわけです。ローマ文明、巨大なローマ文明、あの漢の中国の文明、すべての文明が崩壊している。永遠不滅の文明なんてなかった。ですから、現代の近代ヨーロッパ文明から始まった近代工業技術文明が崩壊しないということはあり得ないわけです。それで、その崩壊が地球環境問題によって、もうやってくる可能性が非常に高い。
 ならば、この時代に必ず崩壊するだろうということを前提に置いて、今から新しい文明をつくる。今までの文明は物質エネルギー文明なのです。自然を一方的に搾取して、化石燃料を使って、森がなくなったら、次は石炭、鯨がいなくなったら石油というふうに自然を一方的に搾取して、そのエネルギー資源の上に立脚した文明、これが物質エネルギー文明です。今回のこの委員会もまさにそのエネルギー対策特別委員会ですよね。エネルギー文明なのです。ところが、21世紀はそうではない。この現代文明の崩壊の後にやってくる新しい文明というのは、命というものをキーワードにした文明です。エネルギーというもの、物質というものをキーワードにした文明の中で何が軽視されているか。それは命です。生命です。命を復活させる、命の重要性というものを復活させる、これが生命文明の時代だというのが私の主張なのです。
 これで大体現在の様子がどうかということがわかっていただいたと思います。それでは、いかがでしょうか、あと御質問とかありましたら。もうワンセクションしゃべりたい重要なことがあるのですけれども、僕ばかりしゃべっているといけませんから、今までのことで何か御質問ありますか。
○高橋雪文委員長 挙手で積極的にお願いします。
○中平均委員 さっきのうどん、小麦が高くなってきているという話で、今までが逆に食料費というのは私は安過ぎたのではないかなと思うところがあるのです。どんなに安全安心だと、岩手とか東北でつくっても生産地からいけば都市部にいって消費するとなれば大した差がなく売買されているという実態自体、私たちも価値観をつくっていかなければならないのだけれど、消費者のほうも変えていって、いいものはやっぱり高いのだと、さっき先生が言った10万円でもいいから泊まれということと同じだと思うのです。やっぱりそういうところからやっていかなければならないのかなと私自身は思うのですけれども、どんなものでしょうか。
○安田喜憲講師 おっしゃるとおり。僕はJAさんの連続講演会なんかやらさせてもらったのだけれども、JAさんでも農協を通してやっているとどうしてもあれだけれども、個々の生産者が、コウノトリ米ですよ。つくった人がコウノトリ米が有名になったら買いに来るでしょう。うまいとなったら、次も頼みますと契約していくから、生産者との間で直接売買しているわけです。それが今できるわけでしょう、法的にも。だから、生産者もそういう方向で頑張っていって、付加価値をつけて、安全なものですから多少高いかもしれないけれどもといえばみんな買うのではないでしょうか。
○中平均委員 今高くなって、輸入も複数とまってきて、高くなって、ここは逆に言えば非常に岩手みたいな地域にとっては非常にチャンスなのだろうなと。
○安田喜憲講師 そうですよ。今ここを見限って東京へ行っている人はばかですよ。それは、やっぱりここにいる人が生き残るのです。
○中平均委員 ましてや環境の変化が始まって、最後まで残る地域なわけですよね、森がある場合。
○安田喜憲講師 そう。日本列島で最後にどこが残るかといったら東北三県ですよ。一番最初にやられるのは東京です。世界でまずどこがやられるかといったら、世界でどこが生き残るかといったら、先ほど申し上げた自殺の多いフィンランド、それからスウェーデン、こういった北欧の森の国、それからカナダ、そして日本なのです。こういった国しか恐らく地球温暖化のもしとんでもない危機が起こってきたときに生き残れるところはこういう森の国です。その中でも、日本列島の中でもこの東北三県。
 北海道はだめなのです。北海道は洞爺湖サミットやりますけれども、北海道というのはこれはクラーク博士がヒツジとヤギを持ってきてから、これは過去100年の間に北海道の森の60%が破壊されたのです。日本の森の最も激しい森林破壊が起こったところは北海道なのです。北海道というのは、明治まではアイヌが住んでいるけれども、全部森だったのです。それをクラーク博士がヒツジとヤギ連れてきて、牛を放牧したことによって60%の森が破壊されたのです。そういうことを全然知らないであんなところで洞爺湖サミットやるので、ここでやれば岩手、青森、十和田湖でやるべきですよ、これは。そこがすばらしいところなのです。
 僕はこの間環境省の諮問委員会に呼ばれてそのことを言ったのです。環境省の事務次官、「あなた何考えているのだと、こんなところで、洞爺湖でやって」と。「いや、警備の問題がありまして」とか言っていましたけれども。全然そういう歴史わかっていないのです。
○高橋雪文委員長 ほかにございませんか。
○菅原一敏委員 先生、豊かな自然がなぜ邪魔と言ってはいけないのか。
○安田喜憲講師 先生のゆうべの酒の席でヒントを得たのです。
○菅原一敏委員 少し酔ったせいもあるのですけれども、いずれ少し極端な言い方をしたのですけれども、いずれ三陸海岸に住んでいるのですが、自然が本当に豊かなのです。自然だらけと言ってもいいくらいなのですが、やっぱりその中でも必要な開発という言い方、今、世の中では好まれない言い方かもしれませんが、必要な開発はやっぱりしなければならない。
 例えば河川の状況を自然のままに残したいがために河川の改修もできない、あるいは並行して走っている道路の整備もできない。そのような状況になっているのです。もちろん高速道路もないですし、大きな工業団地もないわけですから、自然がいっぱい残っているのですが、反面生活をする場合には経済的な側面から見れば非常に貧しい地域なのです。どんどん、どんどん若い者が東京に出ていってしまう。そういう状態が続いているものですから、やっぱりこれある程度の開発が必要だなと、そういうふうに今残って住んでいる者は思っているのです、そういう気持ちをゆうべお話をしたかったのですが。
 そういう状況にあるわけですが、人口がどんどん減っていますから、先生がさっきおっしゃった今の状態を30年後まで持続できればすばらしいというお話でしたが、30年後まで人がいるかどうか、その自然を支える人間がどの程度残っているのか、その辺もまた心配なのです。その辺の何か30年後まで。
○安田喜憲講師 三陸に。
○菅原一敏委員 ええ、三陸に。三陸に代表されるこの岩手の地。
○安田喜憲講師 岩手は残っているでしょう。でも、三陸はいないかもしれませんけれどもね。
○菅原一敏委員 何かその辺30年後まで継続するようなヒントか何かないでしょうか。
○安田喜憲講師 それは、僕が今申し上げたようなことを県会議員さんたちもやっぱり説くべきです。つまり、この地球で生きていくためには美しい自然、美しい空気、命あふれる世界、その世界とともに生きていくことさえあれば十分だと。何もそれ以上のものも、もちろんあればいいけれども、最低限の食と最低限の自然と最低限の環境、これが命ある世界が自分の回りにあって、それで春、美しい桜の花が咲いて、秋には紅葉になって、冬には雪が降る。その中で淡々と生きていくこと、これさえ満たされれば、まずそれが一つの喜びだという、そういう価値観の世界をこれからつくっていかないといけないですよ。
○菅原一敏委員 そこまで達観している人間ばかりではないわけですから、やっぱり若いうちは都会に出ていって、さまざまな夢を持って勉強したり、仕事したり、そういう考えがあるわけですから、そこら辺とのすり合わせですよね。
○安田喜憲講師 そうですね。だから、若い者はいいのではないですか、都会に行ったら。
○菅原一敏委員 行ったものは戻ってこないですよ、どんどん減る一方です。
○安田喜憲講師 いやあ、いずれ戻ってくるのではないですか。
○菅原一敏委員 来ません。
○安田喜憲講師 来ませんか。でも、何かを開発して道路をつくってどうなるのかな。むしろ、そこに美しい自然、美しい大地があるほうがいいのではないかと思うのだけれどもな。
○菅原一敏委員 自給自足だけではやっぱり生きていけないのですよね。何か仕事をして、そして生活をしなければだめなわけですから、その生活の手段が余りないために人が減っていく、そういう悪循環です。
○安田喜憲講師 暮らしの苦しさというのは、僕は三陸の人のことを実際に知りませんので、失礼があってはいけませんけれども、日本人の貧しさの程度というのが世界の今申し上げた、例えばフィリピンでも食糧の米が買えない、カイロでパンが買えない、カンボジアで毎日路上で不規則な生活している、そういう人の暮らしに比べたらはるかに僕は豊かだと思いますよ。
○菅原一敏委員 生活は貧しくはないのですが。
○安田喜憲講師 じゃ、いいじゃないですか。
○菅原一敏委員 やっぱりそのキャパが足りないのです。
○安田喜憲講師 何のキャパが要るのですか。
○菅原一敏委員 今いる人が。
○安田喜憲講師 だから、何のキャパが足りないの。
○菅原一敏委員 頭数を養うだけの生活の手段がないということです。今いる人は豊かに暮らしているのですが、新しい人を受け入れて同じような豊かさを享受できるぐらいのものがないということです。
○安田喜憲講師 後継者がいないということですか。
○菅原一敏委員 そうです。
○安田喜憲講師 後継者がみんな東京へ行ってしまうから。
○菅原一敏委員 そうです。やっぱりその後継者が残って。
○安田喜憲講師 それは後継者を、小学校のときから環境教育をやるのです。このふるさとで淡々と生きると。だから、今若者が農に戻りつつある、ようやくふえてきましたよ。百姓なんて昔はやらないとみんな言ったけれども、百姓やろうかという若者も出てきたし、それに生きがいを感じるような子供も出てきたから、やっぱり小さいときからの教育です。小さいときからの教育をやっぱり大事にして、ふるさとともにこの美しい自然の中で淡々と生きることこそが最高のライフスタイルです。何も恥ずかしいことではないです。
○菅原一敏委員 子供がみんな農業に従事する、あるいは漁業をする、そういうような形になれば可能だと思います。
○安田喜憲講師 できると思いますよ。これから漁業は金になりますから、魚は高くなるし、食糧難が起これば、それは第1次生産に従事する人の収入がふえると思いますから、必ず若い人がそういうところにつくという時代が来るのではないかと思いますけれども。今はそういうあれにいっていませんからね。菅原先生は、自分の任期中に何かしなければいけないという、その思いがあるから。だけれども、そこが政治家も問題なのです。だから、政治家だって自分が次のときに当選しなければいけないから、何かしなければいけないでしょう。それが苦しいのです。だから、それがないような世の中にしないといけないのだけれども、政治家に一遍なったら8年間は任期を保障しますよというようなシステムにしたら意外にいい世界ができるのではないかな。自分は次のときに選挙もあるから、当選できなかったら、今度は自分が生活できないから、何かしなければいけないでしょう。その問題もあるのです。それは何も県会議員さんだけではない、国会議員に至るまでみんな同じですよね。
○菅原一敏委員 先生、片方には東京のような世界があって、それがストレートに情報化社会ですから、テレビでもどんどん入ってきて鎖国しているわけではないのですから、そういう状況を片方で見ながら、子供たちが、先生がおっしゃったように縄文時代の生活のような生活をできるか、それはその辺が問題だと思うのですよね、現実できていないわけですからね。
○安田喜憲講師 三陸の人の生活が縄文の生活だとは思えないけれどもな。立派な家に住んでいると思うけれども。
○菅原一敏委員 農業に従事する、第一次産業に従事するということは結局。
○安田喜憲講師 そうですか。
○菅原一敏委員 生活は豊かですけれどもね。
○小野寺研一委員 少なくとも30年後にこういう危機が来るというのは、私も同感なのです。あるいはもっと近いうちに来るかもしれない。地球環境とか、そういうふうなこととは別に、中国が隣にいて、あの状態を10年続けられると思えない。だから、東京と岩手がどうのこうというふうな、そういう考え方は、ここ二、三年のうちには。
○安田喜憲講師 変わりますよ。だって、去年とことし違っているでしょう。
○小野寺研一委員 ですから、そういうふうなことはやっぱり人間の地球規模での意識改革が必要になってくる。
○安田喜憲講師 そうです。おっしゃるとおりです。そういう全世界を変えなければいけないです。
○小野寺研一委員 必ずそんな時代が来ると思うのです。ですから、そういうふうなことを地球規模でそれぞれの国が考え始めてサミットなり、あるいはいろんなところで安全を守るというふうなことに総力を挙げてもらわないと、今のような地球の状況、安全に対してもそうですし、飽食の時代でももう改めてもらわなければならないことはたくさんあるし、あるいは資源の乱獲といいますか、そういうふうなものが地球を変えるというのは、そういうものはもう目に見えていることなのです。そういうふうなことを地球人、少なくとも100億になったら、地球は必ず人類は滅びていくのは当たり前の話だろう。だから、そこに焦点を当てて我々は今生きているうちに今手を打たないとこれから大変になっていくのだろうなというふうな、それをどうするかということは、やっぱり足ることを知るというか、衣食住足りて礼節を忘れるとか、私は自分で生活できているのだと、人の世話になっていないという意識が蔓延していますね、テレビ見ても何でも。そういうふうなところを改めるというふうなことをもっと偉い為政者あるいは先生方のような方にもっともっと厳しく教授してもらうことが私は必要なのだろうと。私はもちろん小さい単位でそれなりにディスカッスしながら、いろんなことを探り当てようとはしておりますけれども。
 ところが、岩手がどうしようといったって、地球規模でというふうなことにはあっという間に押し切られたり、吹っ飛ばされてしまうというふうなことを繰り返し、繰り返しやってきております。大変だなというふうな感じをしています。
○安田喜憲講師 おっしゃるように、私はいろんな環境問題やってきましたけれども、私たちが今やっていることは大海、太平洋の中の小さな小船なのです。小船で今警笛鳴らしているわけですよ。でも、その小さな小船で鳴らした警笛が向こうにある小さな小船も警笛を鳴らす、そこにある小船も警笛を鳴らす、すべてがピーと警笛を鳴らすようになれば、実際世の中変わるのです。そういう意思がなかったら、世の中変えられないのです。目の前にある、だれだって道路があって東京並みの生活が三陸でできたら、それは最高ですよ。東京並みの生活が三陸でできる、これは望むべくもない無上の最高ですよね。美しい自然の中で、東京並みのリッチな生活ができる。これは理想ですけれども、どちらかを犠牲にしなければいけない。東京の人はマンションの中で汚い環境の中で暮らしているわけでしょう。でも、金はあるかもしれない。でも、三陸の人はそのかわり美しい自然があるのですから。それどちらかです。だから、それを両方とも手に入れるためにということは、なかなかそれは今のこの厳しい世の中ではもう難しい。むしろ美しい自然があって、すばらしい自然があるということのほうがはるかに21世紀、これから生きる上においては、東京よりも有利だということ。これはもう見えているわけです。だれが見ても水もない、食糧もないわけですからね。だから、岩手というのは、そういう面では非常にアドバンテージを持っているという意識のほうを優先してもらったほうがみんなの意気が上がるのではないですか。県会議員さんがそういう気持ちを持てば県民もついてきますよ、それは。
○亀卦川富夫委員 先生から久しぶりにローマクラブという話を聞きまして、久しく忘れていたのですが、太平洋の小船というお話があったのですが、ああいった警告というか、そういった危機を世の中に打ち上げたものがすごく今ずっと失われているような気がします。今になって出てきたという気がするのですが、小船がたくさん出てくるという、そういう見通しというのは、今先生たちの世界ではどういうふうになっているのか。
○安田喜憲講師 ヨーロッパはすごいですよ。中国とアメリカですよね。アメリカはまだ救われると思っているのは、これはサムシング・グレートといいますか、神の見えざる手というものを彼らは信じる心があるわけです。だから、メガチャーチのような大きな教会ができて、そこで牧師さんが環境を守ることが大事だと、毎日毎日説けるわけです。これで変わるわけです。中国はそれは、今の中国人は全部否定してしまう。人類を滅ぼすとすれば中国です。これははっきりしています。
○高橋雪文委員長 あと15分でございますので。
○亀卦川富夫委員 我が国は今人口が減少している。世の中は逆にふえている。その中で、移民政策というか、後継者がいないので、東南アジアのほうから連れてきて後継者にするとか、そういう動きがあるのですが、こういったものに対して、中国というお話を聞いていますと恐ろしくなってくるわけなのですが、どのようなものでしょうか。
○安田喜憲講師 日本の民族は、最近DNA研究がはやっていて、それでおもしろいことがわかってきたのですけれども、漢民族というのはお母さんからお母さんへ伝達するのがミトコンドリアDNAというのがあるのです。それは、漢民族だけはM[aという特異な遺伝子を持っているのです。それ以外の周辺の少数民族は我々も含めてミャオ族とか、トン族とか、東南アジア、台湾、日本、これはM[aという遺伝子がないのです。それから、お父さんからお父さんへ行く遺伝子はY染色体の遺伝子で、漢民族はOVeという遺伝子なのだそうです。ところが、我々とか少数民族は、これはOUaとUbという、U系統なのです。全然遺伝子が違うというのがわかったのです。それはどうしてかというと、4,200年前にばっと漢民族が入ってきて、それまでは我々と同じ祖先がみんな中国人とずっといたのです。今の中国の少数民族とか、我々というのはほぼ同じルーツなのですけれども、それが中国大陸にいたところへ漢民族の人々か4,200年前にがっと入ってきたのです。それで、彼らがどんどんけちらしていったのです。今のチベット問題だって今始まったわけではなくて、あれは4,000年前から始まっているのです。どんどん、どんどんけちらされていっているのです。
 それで、DNAのバリエーション調べたのです。そうしたら、日本が一番バリエーションが高いのです、世界の中で。つまり、縄文時代のDNAを持った人や旧石器時代のDNA持った人もいるのです。そして、弥生時代に大陸から来た人、古墳時代に朝鮮半島経由で来た人とか、長江から来た人、東南アジアから来た人、いろんなバリエーションが世界の中で最もバリエーションが高いのです。ところが、中国大陸、あれだけの少数民族がいてもバリエーションが少ないのです。なぜ少ないか。それは漢民族がやってきて根絶やしにしていった。殺したわけです。だから、日本というのはそうではなくて、いろんな外国から来た民族を異民族であっても他民族であっても殺さないで、ちゃんとその子孫と仲よくしながらDNAをつないできたのです。それが我々の国の伝統ですから。だからいろんな国からいろんな人がやってきて、そして働いて後継者をつくっていくというのは、何もそれは恥ずかしいことでもない。これは日本人がやってきたことなのですから、日本人は旧石器時代からいろんな民族が合体してきたのだから、お嫁さんがいなければフィリピンからやってきたお嫁さんになってもらったらいいのだし。願わくば、日本人の未婚の女性が多いではないですか。だから、日本人、お母さんが日本語をしゃべれば子供は日本語しゃべるのです。だから、日本人のお母さんと外国人の男性を結婚させる。これを進めるべきなのです。これは僕の持論なのです。国際結婚どんどんする、そして日本人のお母さんと外国人のお父さんが結婚すれば、必ず子供は日本語しゃべる、日本食食べますから、日本人になっていくのです。だから、こういう国際結婚をどんどんやっていく、これが我々のずっと縄文時代以来やってきたことなのです。民族の特色なのです。
○熊谷泉委員 30年後のことはあれですが、東北は優しいとかお褒めの言葉ですが、東北三県の自殺の問題、あとさっきの高周波のお話、あと最近ここ立て続けに起きている通り魔事件みたいな若い人たちの間で、先生の教育についての御見識があればちょっとあわせてお伺いしたいのですけれども。
○安田喜憲講師 娘は今小学校の先生していますけれども、見ていると先生も大変です。これは朝7時半ぐらいに出かけて、夜は10時ぐらいでしょう。本当にすごいノルマに課されて、必死こらやっています、見ていると。だから、日本の教育のことは直接タッチしていないから何ともわからないのですけれども、やっぱり私が岩手の人にどうしてもやってもらいたいことは環境教育、これを先ほど申し上げたようにふるさとを愛する心、美しい花をめでる心、小さいときに。一番恐ろしいのは、高橋雪文さん言っていたよね、懐かしい風景を思い出せと言ったら、どこを思い出すと言ったっけ。
○高橋雪文委員長 イオンだ。
○安田喜憲講師 イオンを思い出すという、そういう子供が出てきているわけです。だから、そういうことが岩手でももう出てきているという、その現実を思い出して、子供たちは小さいときに田んぼに連れていったり、自然に触れさせる、生き物に触れさせる、生き物と触れるということ、命と命の交流というのは、これは大事です。生きているものと子供が触れ合う。これが環境教育の原点ですけれども、これはやっぱり。東京なんかでやろうと思ってもなかなかできないけれども、ここだったらできるのではないですか。だから、小学校の先生にもっと自由を与えて、外へ行って連れていってもいいですよと、多少けがしてもいいからやってこいと。田んぼで遊んでこいというような、岩手県は特異な条例をつくって、もうちょっと小学校の先生に自由を与えるというような、そういうふうにして自然と触れ合うような教育をやってもらいたいですね。
○高橋雪文委員長 時間も近づいてまいりましたので、最後よろしくお願いいたします。
○安田喜憲講師 何を。
○高橋雪文委員長 残り時間で。
○安田喜憲講師 もういい。見ますか。年縞というのは、これ秋田で見つかったのですけれども、世界的に今注目されているのです。見られますか。
 これは、男鹿半島というところで見つかったのです。日本でこれぐらいの場所から見つかっているのですけれども、男鹿半島のこれ目潟というところなのですけれども、なまはげがあるところなのです。なまはげの年縞と我々はこれ見つけました。こういう湖があって、火山のできた火口部なのですけれども、湖にボーリングしまして、湖底水深45メートルのところから土をとりました。それで、なべ底のようなこういう格好をしているところなのですけれども、これの底に、水深45メートルの下から100メートルぐらい、土をとって、あけてみたら、こういう縞々の模様があったのです。これ見た瞬間に、僕らも驚いたのです。人間のDNA、バーコード状しているでしょう。これは地球のDNAなのです。だから、人間のDNAもなぜバーコード状しているかわからないのですけれども、地球のDNAもバーコードにしているのです。1年に1本ずつ形成されているのです。さっきの氷河と同じ、氷と同じです。
 それで、915年に十和田の火山灰、大噴火、十和田湖が噴火するのですよ、915年の火山灰なんかもきちんと入っているわけです。これを見ると、こういうふうに1年に1本ずつ白黒の層がセットになってできるわけです。白い層がけい藻という藻が春から夏にかけて繁茂します。秋から冬にかけては粘土鉱物がたまるのです。白黒が1本になって1年に1本ずつふえるのです。
 これはだから、小学校の子供たちにいつもしゃべるのですけれども、あなたたちが生まれたのはここですと、お父さんはここでしょうと、ここら辺にいらっしゃる方はこの辺ですか。この辺のおじいさんの方もいらっしゃいますけれども、こういうふうに自分が生まれた年の年縞がある。だから、地球は何も言わないのですけれども、自分の記録を1年ずつきちん、きちんと湖の底に記録しているわけです。
 それで、これは縞々の模様で、クローズアップするとこういうふうになりまして、Aがこれです。Bがここ、Cがここ、電子顕微鏡で見たものなのですけれども。そうすると、Aは春形成されているわけです。Aは春先に形成されていますから、珪藻という藻でできているわけです。だから、色は白いわけです。ところが、夏になると珪藻がだんだん少なくなっていって、秋から冬になると珪藻がなくなるものですから、粘土鉱物だけになって色が黒くなる。この白黒がセットになって1年ずつふえていく。その中に、こういう花粉とか珪藻のような化石がたくさん含まれている。これを分析することによって、過去の水位の変動とか気候変動を1年単位でわかる。それから、これは森の変遷が1年単位、それでそれを分析したのが最近は、これこの間ちょっと新聞発表したのですけれども、奥州藤原氏が繁栄した時代、前九年の役、後三年の役というのがあって、奥州藤原氏が繁栄するのですけれども、今まで前九年の役、後三年の役というのが繁栄した時代というのは、これ東北地方が貧しくて、源氏に支配されていくという、そういう時代だと思われていたのです。
 ところが、この前九年の役、後三年の役が引き起こされた時代、つまり西暦の1000年から西暦1150年の間、ここに東北地方に大開墾時代があったということがわかってきたのです。つまり、これは花粉の分析をしたのですけれども、例えば西暦1000年、ここで目潟周辺の杉の花粉が10分の1以下にどんと減るのです。それから、ブナが西暦1150年にどんと減るのです。そして、減った後何がふえてくるかというと、ここにある稲、つまりお米をつくる稲あるいはヨモギ、草原、水田をつくって、そして草花が出てくるわけですが、西暦1150年までの間に東北が大開墾時代というのがわかってきました。
 今まではこの前九年の役、後三年の役というのは、東北が貧しくて、そしてみんな勢力争いばかりやって、例えば前九年の役というのは安倍氏ですね、安倍氏の内紛。それから、後三年の役は清原氏の内紛。ところが、それに乗じて東北がばかで、貧しいから、戦争ばかりしていて、だから源氏にやられたのだと、こういうふうに言われたのですけれども、その前九年の役、後三年の役の時代が最も東北が開発されていた。周辺の森を破壊して水田をどんどんとつくっていた時代。東北がどんどんと大きな力を持っていった、そういう時代だったのです。そして、その最後にできたのが奥州藤原氏の栄華なのです。
 だから、東北というのは、突然奥州藤原氏の平泉の金色堂ができたのではなくて、それは西暦1000年に始まったこの大開墾の時代の最終決算が奥州藤原氏の大きな文化の発展だったのです。その時代というのは、まさに地球温暖化の時代なのです、西暦1000年から西暦1150年の時代、この時代は地球が今より1.5度ぐらい温度が高い、その時代に東北が大開墾されたのです。だから、地球温暖化というのは東北には悪くないのです。地球が温暖化することによって、東北は大発展するのです。
 これから、東北三県は今までは給料のベースとか経済ベースで見たら、ほかの日本に比べたら、沖縄並みだと言われておったかもしれない。しかし、これから地球温暖化の時代には必ず東北が大繁栄する時代です。私は西暦の1000年から1150年というのは中世温暖期の極と言われていた時代です。この時代が温暖の時代。だから、東北は繁栄したのです。だから、これからの地球温暖化の時代に必ず東北は繁栄します。
 しかし、同時に気をつけてもらいたいことは、この時代に藤原氏を滅ぼしたのも、安倍氏を滅ぼしたのも、清原氏を滅ぼしたのも源氏でしょう。京都、都、関西人、東京の関東人、こういうやつがこの東北の豊かさを求めてやってくる時代でもあるのです。だから、中世温暖期の時代に東北が繁栄したように、21世紀はこれから東北は繁栄します。それはもう間違いない、歴史の行為です。ほっておいても繁栄するのです。しかし、同時に源氏のような、関西や関東の魔の手が来るという、そのこともよっぽど十分に心に入れて、県政を運営していってもらいたいと思います。
 以上で大体私の話は終わりです。どうも。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。よろしいですか。
 それでは、大変貴重なお話をありがとうございました。質疑、応答もいろいろございましたけれども、時間にもなりましたので、これで終わりたいと思います。もう一度安田喜憲先生に大きな拍手を。本日はお忙しいところを本当にありがとうございました。
 委員の皆様方には、次回の委員会運営について御相談がありますので、しばしお残りいただきたいと思います。
 (参考人退室)
○高橋雪文委員長 次に、8月、9月に予定されております次回及び次々回の当委員会の調査事項でございますが、皆様方御意見等はございますでしょうか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 特に御意見がなければ当職に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ございませんでしょうか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 異議なしと認め、さように決定いたしました。
 次に、県内調査についてお諮りいたします。お手元に配付しております平成20年度環境・エネルギー対策特別委員会調査計画(案)のうち、県内調査を御覧いただきたいと思います。この日程により調査を行いたいと思いますが、これに御異議はございませんでしょうか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。なお、詳細につきましては当職に御一任願いたいと思います。
 次に、県外調査についてお諮りいたします。平成20年度環境・エネルギー対策特別委員会調査計画(案)の2、県外調査を御覧いただきたいと思います。県外調査については、各委員の御意見をお聞きした上で、次回協議したいと考えております。この際、何か御意見などございますでしょうか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 それでは、次回協議することで御異議ありませんでしょうか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。どうもありがとうございました。

【戻る】