環境・エネルギー対策特別委員会会議記録

環境・エネルギー対策特別委員長 高橋雪文
1 日時
  平成20年1月17日(木曜日)
  午前10時4分開会、午後0時4分散会
2 場所
  第4委員会室
3 出席委員
  高橋雪文委員長、菅原一敏副委員長、及川幸子委員、大宮惇幸委員、関根敏伸委員
 中平均委員、小野寺研一委員、熊谷泉委員、亀卦川富夫委員、工藤勝博委員
 木村幸弘委員、阿部富雄委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  晴山担当書記、佐々木担当書記
6 説明のため出席した者
  公立大学法人岩手県立大学総合政策学部 学部長 幸丸政明氏
  公立大学法人岩手県立大学総合政策学部 教授 金子与止男氏
  公立大学法人岩手県立大学総合政策学部 教授 木場隆夫氏
  公立大学法人岩手県立大学総合政策学部 教授 由井正敏氏
  公立大学法人岩手県立大学総合政策学部 准教授 篠木幹子氏
7 一般傍聴者
  なし
8 会議に付した事件
 (1) 岩手県における環境・新エネルギー対策について−各専門分野の見地を踏まえた検討−
 (2) 県外調査について
 (3) 次回の委員会運営について
9 議事の内容
○高橋雪文委員長 おはようございます。ただいまから環境・エネルギー対策特別委員会を開会いたします。大宮惇幸委員が少々おくれますので、御了承願います。
 これより本日の会議を開きます。本日は、お手元に配付いたしております日程により会議を行います。
 これより岩手県における環境、新エネルギー対策についての調査を行います。
 本日は、講師として公立大学法人岩手県立大学総合政策学部から5名の先生方をお招きしておりますので、御紹介いたします。
 なお、それぞれの御経歴につきましては、お手元に配付しているとおりでございますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、学部長の幸丸政明教授です。
○幸丸政明講師 幸丸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋雪文委員長 次に、金子与止男教授です。
○金子与止男講師 金子です。よろしくお願いいたします。
○高橋雪文委員長 次に、木場隆夫教授です。
○木場隆夫講師 木場です。よろしくお願いいたします。
○高橋雪文委員長 次に、由井正敏教授です。
○由井正敏講師 由井です。よろしくお願いいたします。
○高橋雪文委員長 最後に、篠木幹子准教授です。
○篠木幹子講師 篠木でございます。よろしくお願いいたします。
○高橋雪文委員長 本日は、さきに御連絡しておりますとおり、先生方から「それぞれの立場から見た地球温暖化防止もしくは新エネルギー導入の考え方」と題しまして、まずは10分程度ずつお話をいただくこととしております。
 その後に、各委員及び講師の先生方を交えて、「岩手から発信できる活動」をテーマとするフリーディスカッションの時間を設定したいと思います。
 今年は、京都議定書に定められた目標を達成するための活動を始める年でもあり、また7月には北海道洞爺湖サミットも予定されていることから、地球温暖化防止対策など、本特別委員会に付託されている事件に関する関心は一層高まるものと思われますので、ぜひ皆様方の活発な御意見交換をお願いいたします。
 それでは、これから講師の先生方からお話をいただくことといたします。お話の際に、OHPを使用される場合は、パソコンがセットしてある発表席にお移りいただきたく思います。それ以外の場合は、自席で御発表をお願いいたします。
 それではまず最初に、幸丸政明教授からよろしくお願いいたします。
 (パワーポイントにより説明)
○幸丸政明講師 では、座ったまま説明させていただきます。私は、この議会には一度随分前に環境基本計画とか、そのあたりでお呼びいただいたことがございますけれども、それ以来でございまして、議会というのは役人時代に余りよくない思い出もあるのですけれども、これからぜひ皆様方といろいろと岩手のもろもろの政策、そういうところに私どもが何らかの寄与ができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。そういうことで、まず総合政策学部、「ご挨拶に代えて」と書いておりますけれども、岩手県立大学総合政策学部とはどういうものかということについて、御承知かと思いますけれども、改めて簡単に御説明させていただいて、その上で少しきょうの議題に関することを話しさせていただきたいと思います。
 総合政策学部というのを設置している大学というのは、全国で13ぐらいしかなくて、4番手ですか、岩手県立大学というのは、平成10年に設置されておりますけれども、それ以前には、慶応義塾、中央大、関西学院大学、3つぐらい、かなり先頭グループに入っているところだと思います。公立大学、国立大学にはございませんで、公立大学では岩手県立大学と島根県立大学というところでございます。
 この総合政策学部が置かれている時代といいますか、そういうことを考えていきますと、人間活動とその影響が、きょうの議題にもございますけれども、非常にグローバル化して地球環境問題というような人々の意識の中にも起きています。それから、具体的にそういった影響を受けている時代だと思います。そのためには、省エネ、省資源の推進、持続可能な社会の実現ということが切実に求められているということだと思います。それと、格差社会というのですか、新自由主義経済が推し進める、何でもかんでも、公共サービスも含めて、みんな民間に移ってしまってというような、そこからいろんな問題が出てきていると思います。それぞれ万物の商品化と格差の拡大とか、そういったことが広がっている時代、そして安全管理や環境保護とか、そういったことまで含め、公的な役割が非常にぜい弱化しているという時代だろうと思います。したがいまして、そういった疲弊する地方であるとか、あるいは個人、弱者が切り捨てられると、21世紀というのは何とも嫌な時代だなという痛感しているところでございます。
 そういう中で、やはり地域主権というのですか、確立とか、それから人間の尊厳の回復とか、自覚的資源、消費者の育成といったことが求められている時代だと思っております。そういう中で、例えば温暖化というのは、いろんな人間活動の集積でございますから、個々の政策を個別に進めていくというだけでは無理、そうでなくて、やはりいろんな政策を連携する、統合するということが必要だろうと。さらに、地域主権の確立とか自覚的市民の育成とか、そういったこと、これこそ大学の地域社会に対する貢献だろうというふうに思っているところであります。
 総合政策というところでございますけれども、私のところ5人来ておりますけれども、いろいろな分野の寄せ集めと言えば寄せ集めなのですけれども、非常にたくさんの研究分野の教授がおります。これらを分離融合するというのですか、そういうことで1つの学部とはいえ、これだけの分野をカバーしている、人数は少ないのですけれども、ミニユニバースというのですか、そういう趣を持っているのではないかと、そういうふうに私は思っております。
 総合政策学部というのは、そういうことで人づくりという点では、いろんな分野、領域に関心を持って、目の前の問題を多角的な視点でとらえて、それから問題の根っこがどこにあるのか、そういうことを広く深く思考、探究していく人材を育てたいと思っております。その結果として、型にはまらない、他の領域や分野でチャレンジする、あるいは現実問題に強い関心を持っていく、そういう学生といいますか、人材を育てたいというふうに思っているところであります。
 そういうことで、いろいろな分野の、これは文科系、理科系、両方ございますから、文科系に進む学生は理科系を、理科系に進む学生は文科系をそれぞれうまく統合して、それを最終的には卒論、研究することにという形で、いわばピラミッド型の幅広い知識あるいは経験というものを獲得するような、そういう協力を目指していくということであります。
 一応真ん中に総合政策学部というのを置かせていただきましたけれども、いろいろな主体といいますか、関係の主体、市町村であるとか、自治体であるとか、市民であるとかあるいはNPO、NGO、申しわけございませんけれども、政治というところが抜けておりますけれども、今まで私どもがかかわっているような主体をうまく連携すると、そのコアに私どもがなれればいいなと思ってございます。
 ここに地域貢献事例だよとか、あるいは卒業研究テーマというのが書いてありますけれども、これはさまざまなことをやっているということで御理解いただければと思います。
 本来、本日の議題でございますけれども、岩手県における環境、新エネルギー対策ということですけれども、ここにある写真、最近「北極のナヌー」という映画が、まだ私見ていないのですけれども、結局地球温暖化というのは、なかなか私昔環境庁におりましたころ、ここに来る前ですけれども、やはり地球温暖化の冊子をつくったことがあるのですけれども、そこで言ったのは、地球温暖化というのは地球の、そのころはまだ生活習慣病という言葉はなくて、成人病と言っていたのですけれども、成人病だと、よく似ているのです。まさにダイエットしなさいと、なかなかその症状が出てこない、出てきたら取り返しがつかない。なかなか幾らダイエットしようとしても、つい気を抜いてしまうとか、そういう点では、実によく成人病、生活習慣病、最近ではメタボリックと言いますけれども、それとよく似ている。それだけ対策が非常に難しいということです。その中でシロクマ、北極熊というのが多分温暖化でまず絶滅に挙げられる筆頭だろうと。旭川動物園なんかでは人気者になっていますけれども、ああいうものが絶滅するということが、多分徐々的には、非常に耐える時間があるのだろうと思いますけれども、それだけではなかなか日々の個人の生活を変えるとこまでいかないと思いますけれども、こういう1つのキャンペーンも大事なことですが、右の絵は、これはノアの箱舟といいますか、もしかしたら地球大洪水時代というのが神話の創世記のあれが現実になるかもしれない。ノアに我々はなれるのだろうかというような意味でちょっと写真といいますか、絵を入れたのですけれども、そういうことで岩手県が先頭に立って地球温暖化を食いとめるにはどうしたらいいかといったことですけれども、いろんなこれからほかの先生方が内容、具体的なところまで勉強すると思いますけれども、やっぱり根本的に考え方とか、生活というのですか、そういうものを改める必要が、なかなか個々具体的な技術とか対策だけでは済まないだろうと。それは、京都議定書でもっていろんな先進国と発展途上国をうまくつなげるという、いろんな絵柄図も出ていますけれども、なかなかそれがうまくいかない。逆に科学者が知恵を絞った対策も、なかなか今委員長がおっしゃったように、いろいろと進まないところもある。そういう点では、やはり根本的なところで人のあり方、考え方を変えていく必要があるのではなかろうかというふうに思っています。
 そういう点で環境知性を持つ自覚的市民が多数派になるということが大事だと思います。環境知性というのは後で御説明させていただきますけれども、それを大学教育、社会教育を通してやっていくと。それから、競争セクター、何でもかんでも競争というところが優先しているわけでして、それはそれでひとつ必要なことだと思いますけれども、もう一方で強制セクターということが言われておりますけれども、そういったものが共存すると、そういう中で互いの価値観を供用するような社会に変えていく必要があるのではないか。お金万能の世界から、そういうところに変えていく必要があるのではないかと思っています。それから、食とエネルギーとケア、フーズとエネルギーとケアということで、それを自給する、地域内で賄うという、そういう考え方も必要ですけれども、そういったことを難しいけれども、確立していく必要があるのではないかと。それと、ゼロエミッションという、産業連鎖といいますか、そういったことといいますか、そういったそれが実現できるような、それに向けての努力といったものが必要だろうと。それは、大きな国とか、これはやっぱり単位が小さければ小さいほど可能性が高いということで、岩手あるいは自治体あたりでそういうことを実践していくのが必要なのかなと。成果を示さなければなかなか他の自治体に向けても説得力がございませんので、そういうことがここで実践されればいいかなと思っております。
 環境知性というのは、ここに書いてありますように、これは内橋克人さんという経済ジャーナリストなのですけれども、人間の生存基盤というもの、それが今重大な危機に立たされていると。それをきちんと認識するということだと思います。それから、それをいかに回避できるかということを思考できる力。それから、それを具体的に発揮していくための知性、理性といいますか、まさに本日の課題もそうですが、環境知性が発揮されてこそ初めて効果があることだろうと思っております。
 環境セクターという話ですけれども、競争セクターというのは他との分断です。それから、対立、競争、これをあおる、そういう社会です。結局そういうことで地方が分断され、そして地方の中でも対立をあおられ、そして競争させられる、そういう世界なのですけれども、その一方で連体、参加、協働、これは環境基本計画の中でも見られていることですけれども、こういったことが必要だと。競争セクターというのは、それこそ談合で連体、参加、協同だから談合だという話ではなくて、やはりちゃんとした競争が必要だと思いますけれども、一方で本当の意味での連体、参加、協同ということが、この2つがうまくバランスのとれた社会というのが、恐らく地球温暖化を何とか速度を抑えるといいますか、そういうことに役立つ社会になるのではなかろうかと。
 それから、FEC自給圏、食糧、これはやはり何だかんだ言っても、食糧自給率なんか非常に低いということです。これは結局のところ、石油を食っているのと同じことですから、やはり自給率を高めると、それからエネルギーもそうです。福祉ケア、そういったものも、やはりそれこそ介護、東南アジアの人達を呼んできてという話ではなくて、やっていく必要がある。
 それから、ゼロエミッションというのが、廃棄物といいますか、そういったものを限りなくゼロに近づける、これは自然界では行われているのですけれども、それを社会の中で、これは具体的にはある産業から出たものを次の産業が廃棄物を利用していくというのは、産業連鎖と言われておりますけれども、そういったことをもっと広げて、人間の生活の中、地域の中でやっていく必要があるのではないかと、こう思います。
 そういう中で、ひところ地域通貨というのがかなり話題になって、私どもの大学の学生も地域通貨というものを考えたのですけれども、余り最近聞かなくなった。だけど、今お金というのがちゃんとした労働とかものの対価とうまく合っていないですよね。非常に一方で100億をパソコン1つの操作でもうけられるのに対して、人間の労働が非常に低く抑えられている、そういうことがないように、やっぱりものの価値、労働の価値、そういったものとうまくバランスをとるといいますか、そういったこと、それによってこういった食べ物やエネルギーや自給だとか、もう少し地域通貨みたいなものを発展させてもいいのかなと、こういうところを通じて、地域を通じてうまく成功させる、実践させる、そういうことで成果として、成果を伴っていろんな提言を発信させていくということが必要なのではなかろうかと思います。
 最後に、これは政官学民相関図というふうに書きましたけれども、それぞれ政治家、私の経験からすれば、行政は政治家に弱いと、政治家は有権者に弱いというふうなことがありますけれども、そういうことではなくて、それぞれが単なる利益を求め合うということではなくて、その中でいろいろな関係のあるだろうと思っています。大学人としては、政治家、農業者の方や、あるいは行政や市民に対してアドバイスをすると。最近の大学といいますか、公立大学は、県民の税金ということで非常に関心の目といいますか、そういうのにさらされておりますけれども、それにこたえる必要もあるかと思いますけれども、市民に対して、市民が政治家の方々に対していろいろとあるのですが、監視や要請が、それに対しても最後真ん中に縦、政治家から市民へのところを縦の赤い線に対してクエスチョンマークをつけておりますけれども、今ここにいらっしゃる皆様方がどういう役割を果たしていただけるのか、これはもう個人的な感想でございますけれども、政治家の役割というのですか、大学人とともに市民力を高める、そんなふうなことを、非常に抽象的な言い方ではございますけれども、そういうことをしていただければいいのかなというふうに思っています。
 そういった自分たちの日常的な活動、消費活動あるいは生活、日常的に電気を使う、ごみを出す、そういったことに対してやっぱり自覚するということです。自分たちの行動がどういう役割を果たしているのか、あるいは影響しているのかに関しても、そういうことを自覚するような市民にとって必要なものというのは、やっぱり政治、経済、社会を取り巻いている複雑な現実、それを家族、生の情報から考えるということで、そうした正しい情報というのがいろんなところで市民、大学、行政、政治あるいは企業、企業は、ちょっとはじっこに置いておきましたけれども、そういうところの、今まさにその企業の情報というのが隠されて、今も年賀状の製作に古紙を40%まぜろという話が、それが郵政のほうから言われていたけれども、なかなか質を維持するためにはできなかったという話がありますけれども、世間というか、社会へ求めるものと、それから一方で地球温暖化とか、そういうことから求めるものをしっかりしていく、そういうところ、これもまたなぜそうなのかというところも理解しなければいけないだろうと、そういうためにもいろいろと知識、生の情報をうまくまとめて理解して、それぞれが市民個人個人がそういうことができるようなことをするためには、やっぱり政治のほう、行政、企業と、あるいは我々大学も含めてですけれども、生の情報を提供するように心がける、それからそして一方大学としては情報を読み解くための力や知恵を持つ人材の育成や支援を行うことで、望ましい、頼もしい関係であってほしい、そしてそのことによって幾ばくなりとも地球温暖化防止というふうなことに寄与できるのではないかというふうに思っています。
 個々の具体的な政策、アイデアというのはこれから他の教授のほうから出てくると思うのですけれども、一応学部長としては、まず前座としてこんなお話をさせていただきました。どうもありがとうございました。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。
 引き続き、金子与止男教授よりお願いしたいと思います。
 (パワーポイントにより説明)
○金子与止男講師 金子です。私は、一応国際環境政策というのが専門ということになっているのですけれども、どちらかというと生物とか、自然保護関係の国際論をやっております。そちらを専門にしております。例えばワシントン条約でありますとか、それからきょうのニュースでもありましたけれども、鯨の問題でありますとか、そういうことで温暖化については、余り専門家ではないので、まとまりのない話になると思います。それから、皆さん随分勉強されているということで、釈迦に説法の点もありますけれども、その辺はお許しください。
 これは、「森林」の定義ということで書いてあるのですけれども、これは京都議定書に基づく森林とはどういうことかということです。それで、それによりますと、最低2メートルから5メートルの樹高に達することが可能な、そういう木からなる、そして樹冠率、全部木の葉っぱのところを全部足して10%から30%ぐらいになると。それ以上の最小0.05から1.0ヘクタールの土地のことを言うということで、非常に小さな、例えばサツキがいっぱい植えられているところとか、ドウタンツツジだけとかというところは森林には含めないということです。それで、京都議定書と森林ということを考えてみますと、1990年レベルのマイナス6%ということなのですけれども、それをどういうふうに達成しようとかということで、日本の場合は1,300万炭素トンが算入できるということで、それが3.8%に該当します。それから、排出権購入、先ほど委員長のほうからもありましたけれども、外国から排出権を購入することで1.6%を見込んでいると。それで、6%から3.8%を引いて、さらに1.6%で0.6%です。もちろん90年レベルから随分上がっていますので、こういう数字にはならないのですけれども、当時1998年前後ですか、当時この0.6%ということで、非常に小さな数字です。それで、この裏返しなのですけれども、国内での排出量は余り削減したくないというのが本音ではないかなというふうに思います。
 それで、森林なのですけれども、この3.8%を達成するためには、幾つかありまして、新規に植林するか、あるいは再植林するか、それから森林経営を行うという、そういったことで達成しようということなのですけれども、森林が新たに伐採されますと、その分がまた引かれますので、そうすると、新規植林をしても森林減少で相殺されるということになります。
 日本の場合は、新規植林とか、再植林をする場所というのは、そんなにありません。日本の場合は、森林率が非常に高いので、新たに植えようとしても、余りそういった土地はないということで、日本政府としては森林経営でいろいろやって、それによってこの数字を達成しようというふうに考えています。
 その内容なのですけれども、森林経営とはどういうことかというと、90年以降に間伐などの森林制御が行われていて、適切な状態となっている森林ということになっています。間伐などなのですけれども、間伐であったり、下刈りであったりするわけなのですけれども、昨年の1年ちょっと前の新聞によりますと、森林吸収で達成しようということでやっているわけなのですけれども、目標の8割弱しか達成できていないということです。新規植林、それから再植林なのですけれども、森林管理については、マラケシュ合意ということで、先ほども申しましたけれども、間伐などのほかに下刈りとか、そういったいろいろな管理作業を行うことによって森林管理をしているというものが求められるわけです。
 日本は、これについて4,767万トンの割り当てが与えられているということです。森林管理で4,767万トンということです。ところが、3,750万トン分の森林しか手入れをしていないので、目標の8割弱ということになっています。
 それで、ちょっとまた視点を変えますけれども、これは東北地方のある生物の分布を示したものなのですけれども、新潟県が、私は新潟県で生まれ育ったのですけれども、このあたりまでずっと新潟県が東北地方に食い込んでいます。白河がちょうどこのあたりで、白河以北一山100万円というふうに言われているのですけれども、そうすると、緯度で線を引くと、新潟も東北の一部になるのかなと思って、この図を出しているわけなのですけれども、この図の生物なのですけれども、実はトウホクサンショウウオというそういう両生類の種類です。それがこういった部分に、こういった地域に分布しているということです。ちなみに、東北電力もこの生物の分布図とほぼ同じところを管轄しているのです。
 それで、最近日本の都道府県別の平均寿命について発表があったわけなのですけれども、東北地方は、青森、岩手、それから秋田はワーストのほうで上位に上がっていて、ちょっと不名誉なのですけれども、いろいろな分野でこういったふうに都道府県別のランキングが発表されています。
 これは、都道府県別のCO2の排出量なのですけれども、岩手はここにありますように19位です。それから、全国平均は659ですので、岩手はそれより半分近く、非常にいい成績であるということです。それから、これは1人当たりに直したものなのですけれども、そうすると、ちょっと順位が落ちまして31位ということで、平均が2.50ですので、平均よりもちょっと上回っているということです。
 それで、これは食糧の自給率なのですけれども、カロリーベースで見ると、皆さん当然御存じですけれども、北海道から岩手県まで、秋田、山形、青森、岩手は100%を超えているわけです。
 それから、こうした指標と、さらに森林率とか、そういったことも含めて、こういうエコロジカルフットプリントというものを計算したここにあります。これは、平成15年に国土交通省が行った調査なのですけれども、このエコロジカルフットプリントというのは、生態系への負荷をあらわす資料であるというふうに考えていいということです。それで、幾つかの生産エコロジカルフットプリントとか、商品エコロジカルフットプリントとか、いろいろあるのですけれども、その中でその下の生産のちょっとここ間違っていますけれども、生産の土地超過率とそれから消費の土地超過率とあります。括弧土地の間違いですので、訂正いたします。日本全体では、ここに8.5というふうに書いてあるのですけれども、これは日本が今の生活を、我々が生活をしていくには、日本の全体の面積8.5倍の面積が必要だということを示しています。
 それでずっと見ていくと、岩手県は、これは生産の土地超過率を見ると一番下です。だから、全国トップだということです。それから、別の資料の消費の超過率ということで見ると、これは下から2番目です。そういうことで非常に生態的には岩手は非常に自然にやさしいといいますか、いい県であるということが言えると思います。
 これは、順位を示したもので、ちょっとグラフが、グラフだけしかこの報告書には出ていなかったので、具体的な数値というのは出ていませんけれども、こういうふうな順番になっているということです。トップが岩手で2番が長野、それから3番が山梨。消費の超過率、別の資料なのですけれども、こういうふうになっています。
 また話は変わりますけれども、これはある人が1897年ですので、110年ぐらい前にこういうことを言っています。ちょっと下世話の話なのですけれども、「山を掘ることは旧幕時代からやって居た事だが、旧幕時代は手の先でチョイチョイやって居たんだ。海へ小便したって海の水は小便にはなるまい。手の先でチョイチョイ掘って居れば、毒は流れやしまい、今日は文明だそうだ。文明の大仕掛で山を掘りながら、その他の仕掛はこれに伴わぬ、それでは海で小便したとは違うがね。わかったかね。元が間違っているんだ」ということで、これは現在の環境問題の根源をよくあらわしているのではないかなというふうに思います。
 ちなみに、こういう発言をした人はだれかというと、勝海舟です。それで、幾つかのアイデアとして、先ほど間伐とか手入れが行き届いていないので、目標8割までしか達成できていないということで、間伐など森林管理を推進していただきたいということがもう1つです。それから次が、土と木の土木というふうに書いたのですけれども、これはどういうことかというと、土木は大体コンクリートです。コンクリート土木で、コンクリートの場合は、コンクリート生産には多大なCO2が発生しますので、そういう意味でも土と木からなる土木を進めていかなければというふうに思います。
 それから、鎖国のすすめということなのですけれども、これはどういうことかというと、地産地消をしてほしいということ。それから、排出権の取引なのですけれども、外国から買うのではなくて、排出権取引、外国から買う場合は、当然我々の税金が使われることになりますので、そうではなくて排出権取引をするのなら国内だけでやってほしいというふうに考えるわけです。
 それから、4つ目としては、これは後ほど由井正敏先生のほうからもお話があると思いますけれども、小規模な水力発電の可能性を探ってほしい。実は、先週のこの間の連休に信州の佐久に行ってきました。佐久はコイを養殖していることで有名なのですけれども、ここであちこちに水路があるのです。結局まだ実現はしていないのですけれども、そうした水路を利用して、非常に小さな水力発電をできないだろうかということで、いろいろ議論がされているということです。あと幾つかあるのですけれども、それはもう後ほどそういう機会があったら発言したいと思います。以上です。ありがとうございました。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。
 引き続きまして、木場隆夫教授、よろしくお願いいたします。
○木場隆夫講師 木場です。私は、パワーポイントは用いず席上に配付しております地域の新エネルギー政策についてお話しいたします。私、総合政策学部におきまして、科学技術政策論という授業を持っております。ひとつの科目は15時間で成り立つのですが、そのうちの2時間ぐらいをエネルギー問題、ほかの1時間を新エネルギー、特に風力発電がどういうふうに発達してきたのかというようなことを学生に教えています。そんな授業をしております。
 私の話ですが、1のまず基本的な考え方といたまして、岩手県は、これまで新エネルギー、省エネルギーに大変積極的に取り組んでこられたというふうに思っております。特に平成15年、16年あたり、例えば地球温暖化対策に関しまして新エネルギー対策の強化について環境省に要望書を出されたということ、それから新エネルギー、省エネルギーに関する条例をつくられたということがあります。ただ、そういう県が旗を振って条例をつくっても、実際に物事が変わるかというと、そうではないということもございまして、予算的な裏づけとか、行政色が強いと、そういったことは別ですが、私が申し上げたいのは、そういう県が先進的に政策を打ってこられた、それを堅持していただきたいということと、ただ県議会、県だけがそういったことを主張されるだけでなくて県民からそういったことに対する理解、支持がより深まっていくということが必要ではないかというふうに申し上げたいわけであります。
 そのときに、岩手県には自然エネルギーの資源があるわけですけれども、そういったものを用いる、それが有利になっていく方向性はどういったものかということをお話ししたい。そして、次に新エネルギー技術のうち何が伸びるか、これはいろいろな種類があるわけです。風力発電というのがありますし、昨年はバイオエタノールというのが非常に話題になりました。そして、太陽光発電という技術の革新も現在ございます。いろいろある中で、今金子先生から小規模水力というお話もございましたが、いろいろなエネルギー技術のがあるのですけれども、これは現在いろいろ開発が進められていて、何が現実に用いられるものとしてなるかということについては不確実な状況であるというふうに思っています。そういった状況においてどういうふうな行動に出るか。
 私は、ちょっとひきょうかもしれませんが、何が伸びるかわからない状況においては、何が将来発展するか、どうなるか、どうなってもいいようにしておくということがよろしいのではないかと思います。したがって、当面大規模なある種のプラン等をつくるというようなことは、慎重にされたほうがいいのではないかと。それよりも何が伸びるかということについて、いろいろ現況を押さえるということが重要なのではないかというふうに思います。
 地域の新エネルギーへの価値を高める政策、教育が重要、これは幸丸政明学部長のほうからもありましたけれども、環境意識を高める、そういう教育あるいは政治の御努力あるいはNPOや市民団体の活動、そういったことが非常に重要なのではないかというような考えでございます。
 当面具体的にどんなことが考えられるだろうかということでございますが、県民に新エネルギーの重要性について意識していただきたいということは言えるわけですけれども、やはり具体的に新エネルギーを使っていいことがあるという体験をしていただくことが重要だろうと思うわけです。そういった意味でいきますと、岩手県の中で新エネルギーを用いている施設があるわけですので、そこで発生した電気、それが環境価値というものがあるわけですけれども、それを販売することが可能でございます。それは、御承知かと思いますが、グリーン電力証書システムというものがございます。事業主体は、日本自然エネルギー株式会社でございます。これは、購入申し込みがあればということでございますが、昨今環境に対して非常に意識が高まっていますので、多くの企業がこういったものを買いたいというふうに申し込んできているわけで、同社のパンフレットによれば、キロワットアワー3円程度の価格で売れるというふうに紹介されております。県の資料を拝見いたしますと、例えばなのですが、住田町にあります山林木材加工協同組合でバイオマス発電を行っていらっしゃいます。これは、全量自家発電、自分のところで使っているというふうに聞いておりますが、それをうまく認定してもらえば、例えばどれくらいの量を発電しているか、正確にはわかりませんが、仮にもし100万キロワットアワー売れるということであれば、年間300万円の現金が入ってくる、収入になるということでございますので、仮にそれが10年間続けば3,000万ということでございますので、そういった新エネルギーを販売することによって利益が上がるというようなことも可能性があるわけですから、そのほかに太陽光も、風力も可能性があるわけでございますので、そうしたことを考えられてはいかがかというふうに思っています。
 それから、岩手県におきましては、木材を用いましたペレットストーブやボイラーの設置に関する支援ということを継続していただきたい。それから、エネルギー教育、これは国におきましてもエネルギー教育を組み入れようということで次世代エネルギーパークというような施策がございますが、そういったものに応募されるということも大変結構かと思いますし、大学等で、あるいは中高でエネルギー教育をする、これは当面重要なことかと思います。
 それから、3の長期的対策でございますが、(1)の新エネルギー需要拡大に関する政策意識の醸成、これは@、RPS制度というのがございますが、これに基づきまして国全体の電気料のうち新エネルギーを導入する目標というのが決まっております。これは、昨年上方修正されまして、約1.7%使うようにということになります。これが新エネルギーの価値を高める基本的な目標値になっているわけでございます。平成16年に岩手県はその目標量を伸ばしてくださいという要望書を出されたわけで、その点は大変御卓見だと思います。これが伸びなければ、風力等の新エネルギーの価値が高まりません。これを伸ばすことによって需要が増加され、その技術開発の進歩が見込めるということがあるわけですので、ぜひそういう過去に出されました要望を引き続き続けていただきたいというふうに思います。
 それから、その下Aでございますが、新エネルギーという1つのシングル・イシュー、これに対しまして、といいますのは、こういうことはある少数の方が強く主張されると、環境が大事だと思っている方が強く主張されると、今後そういったことで政策が継続されるということがあるわけですけれども、それをより広い層の県民にも支持されると、そういったことが必要ではないかというふうに思うわけでございます。したがって、住民が地元の自然エネルギーというものを風力とか、バイオマスとか、そういったものの価値があって、地元のエネルギーを使うことによって生活が成り立つというのが環境問題に続いているのだということをよく理解いただくということが重要ではないかというふうに思います。そういったことからしますと、エネルギー教育の実践というのは極めて重要であって、学校とあるいはその社会においてそういった教育がなされることが重要です。
 ただ、最近の学生は、講義だけではわからないということがございますので、さまざま体験ができるところとか、あるいはゲーム等で工夫するというふうな余地は大きいというふうに思います。
 それから、(2)ですが、風力発電、岩手県には大規模な風力パークが2つございますけれども、長期的には立地の問題、採算性等々から設置場所は洋上に移っていくのではないかというふうな可能性もありますので、念頭に入れていただければというふうに思います。
 それから、(3)でございますが、木質バイオマス、これは先ほどどんなエネルギー源が伸びるかわからないというふうな不確実性の中で意思決定というふうなことを申し上げましたが、しかしながら岩手県には大変豊富な資源があるわけでございまして、それの有効利用システムについて一段と研究を進める必要があるのではないかというふうに思います。特にペレット生産能力が限界があり、輸送範囲が限られているということは、克服すべきひとつのテーマではないかというふうに思います。簡単でございますが、以上でございます。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。
 引き続きまして、由井正敏教授、よろしくお願いいたします。
 (パワーポイントにより説明)
○由井正敏講師 岩手県における新エネルギー導入の考え方、A4、1枚にお渡ししている資料がございますけれども、それにおおむね沿いまして、パワーポイントのほうで順番に説明します。字として書いてあるものは、主にこの後でこの資料を見ていただければよろしいかと思いますが、多少はプラスマイナスがある。
 次お願いします。岩手県のエネルギー事情、自前の電力エネルギー、電気に限ったエネルギー割合というのが4割前後、ちょっと前まで3割ぐらいでしたけれども、風力とか、釜石にもいろんな資源を燃やす発電所ができましたので、4割に近づいていると思います。その中では、新エネルギーとしては水力、5割以上ですか、地熱が4分の1、風力はまだ小さいのですが、最近ちょっとふえている。こういうぐあいで、自前の電力エネルギーの中で新エネルギーが占める割合というのは、かなりあると思いますけれども、ほかの県よりは大分大きいのではないかと思います。しかしながら、県全体のエネルギー、さまざまな燃焼や運輸、交通生活に使うエネルギー全体については、やはり石油、石炭、原子力を含めて95%がほとんど外に頼っておりますので、自前の電力エネルギーの割合は高いけれども、総エネルギーに占める自前のエネルギーは非常に少ない。
 そういうことから、やむを得ず原発とか、それに付随する核燃料サイクルが今動こうとしていますけれども、それに文句が言いにくい状況にある。『ロッカショ』という、六ヶ所村に核燃サイクルといいますか、こういったのができておりますけれども、これに自民党の河野太郎さんが核燃は怖いということが書いてあるのですけれども、少なくても排出物を海に出さないということです、これが非常に大事だと思います。それから、安全性の問題、もしその1%でも漏れますと、岩手県盛岡市で致死率50%ですから、非常に怖いということです。そういうものに頼らないということと、それから生物濃縮という問題がありまして、特にカキとかホタテとか、毎日1匹の貝やカキが1トンの水を交換しているわけですけれども、物すごい生物濃縮というのが起きるわけです。ですから、カキはよくカキ毒がありますし、そもそもフグ毒もそうですけれども、海の中からかき集めて生きている動物というのは2,000万倍から8,000万倍に濃縮するということがありますので、放射能が三陸沖に来ると、もう既に出始めておりますけれども、風評だけでもう売れなくなってしまう、そういうものに頼るべきではないと私は思います。
 次お願いします。問題は、いろんなエネルギー源の中で、それらライフサイクル、それを生産して、使って、その施設を廃棄するまでにどれだけのコストがかかるかという、簡単な計算表ですけれども、さすがに石炭、石油、LNGも含めて非常に高いコストがかかります。それに比べて原子力以下新エネルギーは非常に低い。その中で太陽光は比較的高い、コストは高いです。そういうことで、その前に原子力について安くなっていますけれども、これは核燃サイクルを含めて廃棄物をまだ埋めるところもないということで、そのコストを考えると、この何倍にもなるということはお含みおきください。
 次お願いします。最近資源エネルギー庁が発表しましたこれからの縦軸は導入目標に対して横軸がそれぞれの発電にかかる純粋単価をグラフにしますと、風力とか未利用はいろいろありますけれども、バイオマスはかなり割安になってきて、太陽光はまだかなり高いという状況にあります。バイオマスは、一部はかなり安くなっていますけれども、まだ木質バイオマスは、特に重いですから、まだ少し利用は進展してもらうには時間がかかるという状況に一応はあります。
 次、お願いします。最近の資料でそれぞれのキロワットアワー当たりの発電コスト単価を見ますと、これ資料の一番上に、全く同じ物が書いてあります。化石燃料は7.3円、風力は9から14円、ソーラーが46から66円というような、ただいまグラフで示したものと同じようなコスト割合になっていますけれども、このうち風力に関しては、特に東北電力が風力、風が吹かないと桶屋がもうからないというぐあいで非常に不安定だという、電力源として。それで蓄電池の設置を東北電力で義務づけましたので、そうすると、コストはこの倍になります。そうすると、化石燃料の3倍ぐらいはかかってしまう。むしろソーラーに近づいてしまうぐらいということで、非常に風力は今空前のともしびにあります。それ以外の問題として燃料コスト、最近灯油、石油が非常に上がっています。新聞にも載っておりました、岩手日報にも載っていました。北海道では灯油を1リットルというか、同じカロリーを得るのに100円としますと、間伐材ペレットは、国産材でやると74円で済むということで、今ペレットストーブ設置されたボイラーが普及し始めたということがあります。それから、これも新聞に載っておりました、ごく最近。岩手県の試算でペレットとかチップボイラーは、数年使用すれば、石油系燃費より有利になるという試算がありまして、ここにバイオマスについては載っておりませんけれども、全般として今の石油危機、それから将来にもわたって、あと四、五十年で枯渇する石油に対してもう木質材の燃料系が非常に有利になってきつつある状況があります。
 先ほどの風力ですけれども、これぼやっとしておりますけれども、わざとぼやっとさせておりまして、実は岩手県、ここが宮古です。盛岡がこの付近です。北上高地と奥羽山系における風力のまず、色つきで風力の分布を描いています。赤が年で平均で12メートル以上、黄色が8メートル以上です。風力は年平均6.3メートル以上ぐらいで、秒速、で成り立つということですけれども、岩手県には赤、黄色含めてかなり風力適地があるのがわかりますけれども、このうっすらと丸で囲っているところが、実は天然記念物のイヌワシの生息地であります。北上高地は、実は赤いところはほとんど重なっておりまして、重なっていない、遠野市周辺でつくったところも後で飛んでくるということで、イヌワシが飛んでくる。飛んでくると、私は実は怒られる仕組みになっておりまして、いろんな審査会で私と委員が判断して風力基地を建てるのですけれども、もしイヌワシが来たらおまえは許さないと、こう言われておりまして、何カ所もあって、岩手県内で15カ所ぐらい適地があったうちほとんどがこのイヌワシのために立地できなくて、現在5カ所動いております。ほとんど実際には重なっているのですが、実は奥羽山脈側には西和賀町に1カ所しかおりませんで、ここの円印は、田沢湖で県外です。この奥羽山脈側にかなり赤、黄色がありますので、結論のほうに書いてありますけれども、風力はできましたら奥羽山脈でやっていただきたいというふうに伝えておきたいと思います。
 イヌワシについて簡単に申します。なぜかというと、イヌワシ、要するに新エネルギーを導入するということは、環境にやはりやさしくなければいけない。例えば風力を導入することによってイヌワシがぶち当たるようではほとんど意味がない。イヌワシやクマタカがいることで日本あるいは外国でも風力に対する風当たりが非常に強まっています。やはり環境にやさしい熱源としては、やはり野生生物にもやさしくなければいけないということがひとつあります。
 岩手県北上高地は風力適地は先ほどの図のように多い。ところが、そこにはイヌワシが32番い、日本全体の約6分の1が生息している。しかし、人口林の植栽の停滞や植、伐、切ったり、植えたり、手入れ不足によるうっぺい及び旧放牧草地の衰退で繁殖成績は10%、もう絶滅寸前と、よく新聞でも最近載っております。つまりこれは1,000年続いてきた人とイヌワシが北上高地で共存してきたという図式が崩れようとしているわけです。
 その風力発電機と野鳥の衝突確立、イヌワシについて計算しますと、アメリカの最も世界で当たっている例は、1台当たり年間0.0044羽です。逆に言いますと、230年に1羽当たります。ということは、230台やると1羽当たってしまうということで、現在北上高地には60台の風車がありますけれども、これが4倍になる可能性もあります。だから、1年に1羽当たっていきますから、今全体で七、八十羽いるのが、単純に言えば数十年で絶滅するという、そういうことになって、これは何としても防がなければいけない。では、北海道では既にオジロワシともっと大きな大型の天然記念物のワシが既に9羽風力に当たって死んでおります。
 解決策ですけれども、まず垂直回転式の風力発電、縦に回る、3枚羽で。これは先ほど申しましたように、奥羽山系側に多くつくっていただきたい。北上高地で設置する場合には、イヌワシとか、小鳥も実際当たります。県の企業局がつくっている風車で既に小鳥がかなり当たっているのを確認しております。こういう対策を確立することが前提で、これ現在私も入って環境省で対策を試験中、実験中ですが、どうなるかまだわかりません。そこで、小規模ではありますけれども、水平回転式、地面に平行に回転する、あるいは低速回転式、秋田県立大学でマグナム風車というのを開発しておりますけれども、そういうのを導入していけば、それはもう鳥が当たることはないということです。地域の小規模発電には適していると思います。
 それから、2番目、北上高地のイヌワシとの共存、地球温暖化防止の観点から木質バイオマス活用のさらなる推進をお願いしたいというふうに思っております。
 中身は次お話しします。次お願いします。これは、私どもがやっておりますエネルギーパーク付近の列状間伐地ですが、イヌワシを保護するというだけでなくて、林業が間伐手遅れですから、先ほど幸丸政明学部長、その他の方もおっしゃいましたけれども、森林を手入れすることによってCO2を6%削減のうちの3.8%、森林活用の部分が使えるわけですので、間伐するといいわけです。間伐するときに縦に切っているわけです。そうすると、イヌワシが中に突っ込みます。この場所でも既に2回実際にイヌワシが入ってえさをとっているのを確認されています。列状に切ることによって、その後の切った材が引っ張り出しやすいということです。列状間伐は、普通のぽつぽつと切るのに比べて3割低いコストで切り出せます。日本の南のほう、暖地のほうに言わせれば、北海道では、盛んに列状間伐がされているのですが、岩手はなぜか非常に推進力が劣っています。県の林業関係でもほとんど進めてくれない。現地が嫌がるということもありますが、これをやって引っ張り出した材を燃やせば、先ほどの最近のペレット材の有利性から考えても非常に地球温暖化防止に貢献する、林業活性化に貢献する、それからイヌワシも助かるという、一石三鳥の効果があると思います。
 次お願いします。列状間伐ではノウサギがふえることもわかっていますので、今言ったように。特に岩手は温室ハウスがかなり県南を中心にあります。これをすべて木質バイオマス活用にしたいという、北海道でも既に制度的に、あるいは機械を貸し付けて木質バイオマスに今転換しつつあるそうですけれども、岩手は農協を主体に岩手ナチュラル百貨店とか、岩手純情野菜と言っておりますけれども、自給率は先ほど金子先生の説明で高い、106%ですけれども、そのうちのかなりの部分は石油系燃料に依存しているわけです、純情野菜ではないわけです。生み出したものが石油まみれのものを売っているわけですから、それを解消するためには、少なくても温室ハウスはすべて木質バイオマスにするというような、制度的な枠組み、あるいは行政的な指導、政治の指導をぜひお願いしたい。
 温室ハウスに全部しても、1%ぐらいの、県で使うエネルギー資源の1%ぐらいの節減にしかならないのですけれども、1%でも実際かなり6%、8%削減のうちの1%ですから、かなり大きい、実質的にCO2が削減できるわけですから、これは推奨したい。それ以外に小水力発電、これもごく最近も八幡平市柏台の発電所に増設して、61キロワットつくると新聞、きのう、おととい載っておりました。ただし、発電に際しては、ダムと同様のことで、流れを完全に遮断すると生態系が壊れますから、魚がぶつからない、あるいは魚が上がれるシステムと併用することが大事で胆沢の寿安堰に行きますとわかりますけれども、スクリュー式の水平に回るプロペラ式の発電機があります。あれだと魚ぶつからないので、あれがいいと思います。あとは、沢内でやっております雪氷冷房システム、あと燃料米、これなども非常に有効です。
 次お願いします。これは岩手の一関でとりましたため池と谷戸田でありますけれども、この下に谷戸田がありまして、昔はこのため池の水を利用して稲作をやっている。そこは非常に生物涵養性が高いのですけれども、そういうところで、今どんどん田んぼが放棄されています。休耕あるいは放棄、それによって使われない場所がある。そこに燃料米をつくって、水を流す、それによって昔ながらの涵養性の高い環境が維持されるということで、イヌワシも含めて環境エネルギー問題と生物に対応する問題は平行状態で進めていただきたい。
 最後にですけれども、木質バイオマスを使うには林道がなければいけません、林道。そうしますと、今度大規模林道の問題もありますけれども、もう1つは、特定財源の問題があります、暫定税率、これをどうするか、まだ政治的には決まっていないのですけれども、私の考えを申し上げれば、単純になくするのではなくて、環境税をそのすき間に設けてほしいのです。環境税で、例えば木質バイオマスを使うことは、二酸化炭素削減に役立ちますから、環境税の二酸化炭素削減に役立つ施策には、暫定税率の環境税を回すということで、木質バイオマスに金が来るし、林道ができるし、そういうことができる、そういうような応用がきくのではないかというふうに考えております。以上、簡単ですけれども、ちょっと長くなりましたけれども、私の話を終わります。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。
 最後になります。
 篠木幹子準教授、よろしくお願いいたします。
 (パワーポイントにより説明)
○篠木幹子講師 篠木でございます。私自身の専門は、実は地球温暖化では残念ながらなくて、現在の研究テーマは廃棄物問題というものに焦点を当てて研究を行っているのですけれども、世の中にある多くの環境問題というのは、ごみ問題というふうに言っても差し支えないのではないかと。いわゆるごみ問題というのは固形の廃棄物を私たちが出して、地球環境を汚染している。例えば地球温暖化については、二酸化炭素とかあるいは温室効果ガスと言われる気体の廃棄物を世の中に出して環境を汚染している。あるいは例えば公害、水俣のような公害問題は、有機水銀という、そういうものを水の中に廃棄する、ごみとして出すと。その結果生じた問題だということで、今回の直接的な専門ではないのですけれども、そういうこれまで見られた示顕というのを応用しながらきょうは話させていただければと思います。
 私は、特に住民というものをどんなふうに巻き込みながら環境問題の解決が可能かということについて日々検討しております。実際に、現実の環境問題の対策には2つの方向があるというふうに言うことができるかと思います。1つは、構造的な解決、そしてもう1つは個人的な解決というものです。この構造的な解決というのをもう少し具体的に申しますと、住民の選択状況の構造を変更する。つまり、新たな制度をつくるということで環境に配慮した行動を促進することを意味します。具体例としては、協力者、環境に配慮する、行動してくれる人に優遇するもの、あるいは非協力者に罰則を与える。あるいはリーダーの育成などがその具体例として挙げられています。
 これに対して個人的解決というものはどういうものかというと、住民の状況の認知、あるいは価値観というものを変えて、住民の個人的な何かを変えて協力行動を促進することを意味します。具体例としては、情報や知識の提供あるいは他者の行動に対して期待感を持たせる、あるいは信頼を増大させることによって協力行動を引き出すという方向。それから、集団凝集性とか集団帰属意識というものをふやすことで協力行動を増大する。あるいは意思決定の公表ということがその例として挙げられています。
 環境問題の解決の手段というのは、適切な制度の導入と、それに対する人間の行動の間の相互作用というものを考慮しながら、うまい枠組みをつくっていく必要があります。
 私の現在の専門であるごみ問題についてちょっと御紹介したいのですけれども、例えばごみの分別制度というものの特徴とその住民の行動というものの関係については、非常に多くの知見が得られております。この場合、どうしたらごみが減るかということに関しては、日本でも、あるいは外国でもどのくらいごみを自分が出したのかということが自分で理解できる、あるいはどのくらいリサイクルされているのかということがわかりやすいので、情報のフィードバックとか、資源化によって例えば得られたお金が住民に還元されるということが非常にやりやすい。その結果、環境に配慮した行動というのがさらに促進されるということがわかっています。あるいはごみの分別が非常に詳細な地域というのがあって、日本で一番多いのは35分別というふうに言われていて、岩手県でも金ヶ崎が35分別なのですけれども、その地域の住民というのは、そういった面倒くさい制度というものに対して、非常に手間がかかってやりたくないなと思いつつも、その行政のリーダーのごみ対策の取り組みというのは非常に高く評価し、そしてみんながやっている、行政も頑張っている、だから自分もしようがないやるかということで努力することが非常に多いということなどが知られています。あるいは、こういった1つのごみ分別というような、こういう行動をきっかけに地域のコミュニティーづくり、あるいは住民間のコミュニケーションというものが活性化することがしばしばありますということがわかっています。
 今申し上げたことというのは、ごみ問題における例なのですけれども、これを何とか地球温暖化の問題に応用することができないかというのを考えていってはどうかというふうに思っています。地球温暖化という側面の検討なのですけれども、先ほど申し上げましたように、何かを排出して環境を汚染するという意味では、地球温暖化問題というものの構造というものとごみ問題の構造というのは、基本的には同じです。ただし、異なる点があって、これは何かというと、排出したものというのが目に見えない。そうすると、私がどれだけ行動したらどれだけ温暖化効果ガスが減るのかという実感がなかなか得られない。ごみだったら、ごみ袋今まで2つ出していたのを1つにしますということが見えると、ああちょっとは貢献しているなという、非常にわかりやすいのですけれども、この地球温暖化の対策を考えるときに、そこがちょっとうまく見えないので、その具体的な内容とか効果が実感しずらいということだと思うのです。そこら辺を今後考えていく必要があるかと思います。なかなか地球温暖化が解決しない理由というのを住民の視点から見てみますと、例えば私たちは電気などのエネルギーを使ったり、部屋を快適な温度にしたり、料理をしたり、テレビを見たり、ドライヤーを使ったり、ゲームをしたり、いろんなことを電気を使って行ったり、あるいは公共交通ではなくて自家用自動車を利用したほうが便利で快適な生活を送ることができます。
 自分一人が自動車や電気の使用を控えてみたところで、実際に地球温暖化が解決するかというと、自分だけやったってしようがないというふうに一度は思います。みんなが自分だけがやっても仕方がないと思ってしまうと、みんなの行為というのは少ないのですけれども、それが集積すると、大量の温室効果ガスというのが排出されて、地球温暖化問題が深刻化してしまう。でも、自動車や電気の使用を控えるところで失われるのは、自分自身の生活における利便性や快適性だけだということもいえます。それで、個人にとって望ましい状況というのはどういうものかというと、私はこれまでどおり電気を使ったり、自動車を使う。でも、みんながそれをやめてくれて地球の温暖化が解決に向かう方向で自分だけいい思いをしたいなという人もかなり多く存在するということが調査で明らかになっています。こんなふうに自分の利便性や快適性というものを追求した結果、みんながそうした結果、社会全体で問題が生じてしまう、こういう構造を社会的ジレンマと言いますけれども、こういった社会的ジレンマ状況がなかなかうまく解決しないのは、自分一人がやってもしようがないという、この有効感の欠如です。みんながやってくれないと意味がないけれども、どうせみんなやっていないだろうという他人に対する信頼がなかなか得られない。それから、では人がやってくれるのだったら、自分は得したほうがいいというふうに、ただ乗りをしたいということが、こういう構造を何とか解決するというところから、地球温暖化の解決のアプローチというのが生じるのではないかというふうに考えております。
 具体的な今後の対策なのですけれども、構造的な側面と、それから個人的な側面と2つ考えていく必要があるのだと思うのですが、住民に焦点を当てて考えるのであれば、温室効果ガスの削減に非協力的な住民が個人的損失につながるような、あるいは逆に言うと、協力者が得をするような制度についてこれから考えていく必要があるかと思います。
 例えば企業に対してはいろんな制度がつくられつつありますけれども、個人に対しても電気等に特定の基準を設けて、使用量がその基準を超えなかった住民に対しては、何らかのメリットを与えるということです。この特定の基準というのは、一般にごみ問題に対して言うと、あなたはリサイクルをしていますかということです。大してしていなくても結構しているというふうに自己申告で行動を測定すると、非常に人間は自分のことを過剰評価しがちですので、そういう、この場合は客観的な何か評価可能な基準というのが望ましいというふうに考えています。
 また、メリットですけれども、電気料金のちょっとした値引きとか、あるいは地域における丸々祭りの優待券、あるいは先ほど幸丸政明学部長が説明されていた中にあった地域通貨のようなものですね、何らかのメリットというものを与えてみるという方法があるかと思います。
 ただし、こういうメリットをつけるということは、必ずそれに対して資源を用意しなければいけない。そうすると、二重のジレンマ、ではだれがその資源を出すのかという問題も生じますから、本当に望ましいのは、個人の自発的な行動を促進し得るような刺激というのが一番望ましいということで、これは世界中の研究からわかっています。
 もう少し具体的にどういう構造的な制度を考えていくかということを考えるときに、ターゲットを絞るというのが非常に重要だというふうに言われています。ターゲットを絞った行動について、例えば地域間で競争する機会などを設けるというのも非常に有効な手段だというふうに考えられています。
 例えばオーストラリアのビクトリア州、自分のところの自治体の間でどれだけごみの削減をしたかというコンテストを開いていて、それを公開しているのですけれども、そうすると、それぞれの地方自治体が自分のたちのところで成績を上げるのにどうすればいいかということで、非常に工夫を凝らすということがあるのです。ですので、そういう方法なんかがあるということです。
 あるいは地域の小中学校とか商店街を巻き込んで、みんなで何とか行動したりするのがいいと。先ほど信頼感が非常に低いと、他人に対する信頼感が低いと、なかなか行動が進まないということを申し上げましたけれども、そういう意味で多くの人を巻き込むような制度が望ましいのではないかと思います。
 それから、個人的な側面について考えていきますと、どんな行動はどのくらい行えば、どれだけ温室効果ガスが減るかという情報をわかりやすく住民に伝えるというようなことがありますけれども、これも非常に具体的な内容のほうが望ましいと言われています。例えば使用しない部屋の電気を3時間消すと、温室効果ガスがほにゃらら分だけ削減できるですとか、電気代が丸々円下がりますとか、暖房の設定温度を1度下げたらどうか、ではそのときに寒い人はどうすればいいかというような非常に具体的な情報を提示するということが個人の行動を変えるときに重要なポイントだというふうに言われています。
 それから、住民に伝えるという伝え方も、一般にはマスメディアを使えばいいのではないかというふうに言われていますが、マスメディアの効果というのはさしてないということも実は調査結果からわかっておりますので、もう少し多くの住民がだれもが接することができる媒体で身近に感じられることができる媒体、一般には広報などが利用されていますけれども、そういったものですとか、スーパーとか、商店街で頑張ってキャンペーンをはったりというような方法もあろうかと思います。
 または、他者の行動に対する期待や信頼を増大する。みんながやっているから自分も頑張ろうというふうに思えるような、そういう地域づくりをしていったりですとか、実際に意思決定、公表してもらう。私は温室効果ガスの削減に取り組んでいるというような個人の意思決定を公表するような機会が設けられますと、案外協力率が上がるということもわかっています。これは、例えば家の前にステッカーをはるとか、地域の子供が各家々を回って署名をしてもらうとか、それを我が家のことを学校で発表するという方法は比較的協力する人がふえるということがこれまでの研究でわかって、ごみ問題の軽減を図っていますので、それを地球温暖化の、温室効果ガスの削減行為に結びつけてやってみるというのは、どうかなというふうに考えております。以上です。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。
 それぞれの先生方からそれぞれの分野でのお話を賜りました。非常に最先端のお話でもございますし、それぞれが非常に濃いお話をいただきました。
 これよりフリーディスカッションに入りたいと思います。委員の皆様方には、ただいまの御説明を踏まえながら質疑、御意見をお出しいただきますよう、よろしくお願いいたします。挙手をいただきまして、私のほうで指名をしますので、その後に御発言をいただきたいと思います。
 それでは、皆様方からお願いいたします。
○及川幸子委員 大変お忙しい中を学部長さんはじめ、教授の皆様方、大変ありがとうございます。こうして一堂に会して皆様方においでいただいてお話をいただくのは初めてではないかという思いでおります。
 まず初めに、学部長さんにお聞きしたいのですが、今もちろんCO2の削減というのは大変叫ばれて、先ほどおっしゃった「北極のナヌーより」というのは、テレビでもどんどん、どんどん宣伝されて、一度、私も見てみたいなと、さわりだけ見ましたけれども、大変な状況下だと思っておりますが、国においては、このCO2の削減というのを2011年度まで5年間で6%を示しておりますが、なかなかそれまでは到達できないのではないかと、このままではですよ。それで、学部長さんは、岩手県においてこれに達するまでにするための施策、私たちにとってこういうことをしたらいいというふうな部分をずばりちょっと御享受いただきたいなという思いでおります。
○幸丸政明参考人 今までいろんな教授がいろんなことを申し上げました。1つは、やっぱり個人レベルで言えば、個人と企業の関係で申しますと、例えばやっぱり電力の消費を削減するということが1つあるのです。そのためにどうすればいいかという話は、実は電力会社はもっと電力を使ってほしいわけです。そういうやっぱり、1つ思ったのは、具体的な話を1つだけしますと、例えば今たばこについては、たばこには健康被害が出ますよという、外国なんかだったらドクロのマークをつけたりするくらいなのですけれども、それと同じようにあなたは、これだけ、例えば1人、私なんか独身というかひとり者というか、単身赴任なのですけれども、非常に住宅の中、こんなに電気使ってどうなのかなというか、使わされてしまうのです。そうではなくて、あなたは使い過ぎですとか、これだけ個人、家族の規模で言えば使い過ぎですとか、そういうことをいろんなメーターのあれが入りますよね。ああいうところに電力会社そのものが逆に削減するという、そういう何か仕組みをつくったほうがいいのではないか、そんなような気がします。具体的な例としては、そんなことを考えます。
 ただ、企業が、結局のところ企業は使ってほしい、だけれども、一方で技術で解決しようとかいうのではなくて、やはり企業の存立基盤でもあるかもしれないけれども、電力需要を、電力会社自体が下げるという、そんなことまでやっていかないと無理なのだろうと。
 それから、ヨーロッパなんかでは、お金を、コインを入れるとガスや電気が出るというふうになっているのです。そのくらい、やっぱり今どれくらい使ったらどれくらいのお金がかかるのかという、そういう実感をさせる仕組みとか、そういうことも根本的なところで考えないといけないのではないかなというふうに思います。東北電力会社にそんなことを提言してもいいのかなと思っております。
○及川幸子委員 ただ、その部分もやっぱりお金を出せば、すごく便利な生活が営まれるわけなので、いやそれまでしなくてもという思いが大分多いと思うのです。私、暮らしていて、子供たちが学校で教わってきたことは確実に守るのです。先生から言われた環境について、絶対こういうことは努めようとか、電気を使わないときは消そうと、そしてそれをチェックする期間があったのですが、やっぱり子供たちから言われると、私どももやっぱり一生懸命にならざるを得ないのですが、逆に会社に行っている大人側にとって、そういう宿題はなかなか与えられないのです。先生、岩手県内の自治体でユニークだなという思いで施策をとっているのは御存じでしょうか。この間テレビでマイバック、スーパーのあの袋を使わないために1個ずつシールを店からもらってきて、それを役場に持っていって、いろいろ納入できるシステムを見たわけなのです。そういうところで、岩手県の中で何か先生が研究されていてユニークな取り組みをして率先しているところ。
○幸丸政明参考人 ちょっと具体的にというのは、私は詳しくは知らないのですけれども、要するにいろんな取り組みがあるのです。ただそれが本当に全体に広がるのかどうかという話、それこそ今木場隆夫教授が言ったように、いろんなやり方があると。だから、そこをそれが全体的に広がっていっていいか、成功するかどうかわからないけれども、それはだから個々の社会環境とか、それからその地域の取り巻いている状況とか、それを踏まえて、そして個々が一番適切なものを見出していくという、そういうことなのだろうと思うのです。
 ただ、もう1つは、今なかなか大人ができないという話については、やはりここは社会的な規制といいますか、企業に対してそういったことを企業の責任を果たすというようなことを強く求めていくということも必要なのだろうと、そういうふうに思います。
○由井正敏参考人 こちらから今の補足。北上市でごみ処理を有料化にするというのを今進めております、ほぼ決まったのです。私もかかわっているのですけれども、つまりあめとむちと言ってはあれですけれども、出さざるを得ない、お金は出すけれども、トータルでは市から出るごみが減ります。だから、税金が減ります。それから、CO2も減ります。だからそのシステムをうまく機能すれば、それはいいと思うのです。ただそれだけだと北上市が岩手県で唯一最初にやって終わりでは北上市民がかわいそうです。だから、減ったCO2あるいはごみが減った分について県費かどこかで補てんがあれば、減らしたほうがメリットがあるということにインセンティブで刺激がありますから、そうすると、我も我もとみんな始めますよ。そうすると、ごみは減るし、CO2も減るし、結局税金も減りますから、そういう相乗効果がありますので、北上市のあれはぜひほかの市町村も応援して、一緒にやっていただきたいと思います。
○大宮惇幸委員 2つお尋ねいたします。
 及川幸子委員のCO2削減にも考えがありますが、いずれCO2削減は、森林の果たす役割が大きいということは、もう言われて久しいわけでありますけれども、私の経験からいたしまして、戦後の森林の大方が切り出されたと。そして、植林されたと。特に県内の森林形態を見ましても、国有林が大部分であります。民有林がその一部にしか過ぎないというのが岩手県全体の森林構造の中だろうというふうに思いますけれども、実際植林された後の国有林の管理、そして樹木といいますか、植林された樹木のカラマツなり、杉、アカマツ、この3つになるわけでありますが、相当標高の高いところまで無理な植林がされているという実態を、私は特に奥羽山系で現場を見ております。そうした国の林業施策にちょっと間違った部分があったのではないかなというふうに私は今現場を見て思っております。というのは、広葉樹の植生というのは、切り株から萌芽が出るわけであります。本来は、森林の再生というのは、やっぱりそこの標高に育った木が育つのが一番いいわけでありまして、国の森林計画というのは、やはり見直す必要があるのではないかというふうに私は思っております。本当に私も若干刈り払い作業に、下刈り作業に携わった経験がありますけれども、高いところのせっかく出た萌芽を植林したために何年もそれを伐採、下刈りしてしまったという経験を持っておりますので、やっぱり森林の整備計画に対してどのようなお考えを持っているのかひとつお尋ねしたいというふうに思います。
 あともう1つ、ごみの問題についてお尋ねしたいわけでありますけれども、実際我々は生活者の立場であり、消費者の立場であるわけであります。実際スーパーとか、そういうところから正直言ってごみまで買わされてくるのです。1つの品物を見ても、いわゆるトレーが出る、発泡スチロールですね。これらの企業側に対しての責任というのは、もっともっとあってしかるべきではないのかなと。
 実は、私ドイツに行かせてもらって勉強してきたのですけれども、例えば一例を挙げますが、ビールの瓶、これは国内で言いますと、アサヒ、サッポロ、キリンとあるわけですが、同じ瓶なのです、どこのメーカーにしても同じ瓶を使っている。ジュースもそうなのです。瓶しかないのです、ジュースも、同じ瓶なのです。メーカーはいろいろありますけれども、そうした同じ瓶を何回か使うというようなリサイクルでやっている実態も見てきましたし、そして過剰な包装がないという、スーパーでの、そういった企業側の取り組みがこれからもっともっと必要だと思いますけれども、その辺についての御所見を伺いたいなというふうに思います。
○高橋雪文委員長 それでは、国の政策については、挙手を願いまして、ある程度わかる方いらっしゃれば、お聞かせいただきたいと思います。
○由井正敏参考人 まず、岩手県内の国有林の分布ですけれども、奥羽山地側が結構多いのですけれども、県全体では森林の4割、約4割は国有林で残り3分の1近くは民有林になっています。それで、戦後の拡大造林で奥山のブナ林が切られました。そして、カラマツを主体に、あと杉ですね、植えられまして、おおむね標高600メートル以上は不成績造林地になっていると言われております。要するに、寒いところ、雪の多いところに植えすぎたのです。ただ当初はそれだけ植えれば、成長量が上がって将来の国の自給量は間に合うという予測だったのですけれども、貿易自由化でほとんど売れなくなりましたから、それで管理も行き届かなくなったという問題があります。ただし、成長のいい人工林につきましては、普通の広葉樹の林の3倍の成長量がありますので、ということは、杉でもカラマツでも成長するということは、CO2を固定していますから、それだけ広葉樹よりは単年度にたくさんのCO2を固定する能力があることは確かなのです。それは確かなのですけれども、切ったり、植えたり、あるいは引っ張り出したりすることで山が荒れます。それからおまけに標高600以上は不成績造林地がいっぱい残っておりますから、使いものにならないと、そういう問題を抱えていて、さらに問題は、きょうも話ありました植えた林が手入れされないで真っ暗ですから、下ばえがなくて真っ暗でこれから大変です。土壌が流亡したり、下ばえがないですから、それを食べている動物がえさがないですから、シカやクマがますます里に出てくるという問題を抱えております。全部ではないですけれども、一部を。
○幸丸政明参考人 国有林、森林の荒廃して、民有林もそうですけれども、結局のところ今由井正敏教授が言ったように、木材の自由化ということです。木材がもうとにかくきちんと評価されなくなってきている。だから、手間はかかる、危険だということで、だれもそれを管理しなくなったところにひとつ大きな問題があるわけです。それから、もう1つ、国有林、国有鉄道もそうだったのですけれども、戦後引き上げてきて、いろんなやっぱり労働力の吸収源にもなっていたのです。そういうところがどんどん、どんどん変わってきてしまったので、それと私どもなんかは環境庁にいたものですから、森林の伐採、国有林とは随分けんかもしたのですけれども、果たすべきところはその時代にあったと思うのです。そこをどう考えていくかというところでまだ十分な時代に合っていないような条件になっているのだろうとは思っています。そこは、まさに本当に国の政策といいますか、要するに自分たちの利益といいますか、人を守るとかということではなくて、その場合にはちゃんとしたうまく政策あるいは企業の今の時代に合わないようなものであったら、また別にいくと、そのときに失業者が出るとかというところをどういうふうに吸収していくかと、そういうところも含めて考えないといけないので、というふうに思います。ですから、非常に根の深い問題だろうというふうに思っています。
○金子与止男参考人 国有林の問題なのですけれども、今から30年くらい前の林業白書を見ますと、戦後間もなく、昭和30年代ごろにどんどん、どんどん拡大造林していったのですけれども、それが間もなく期限に達するだろうと。ちょうどあの当時からすると20年くらい後だから、10年ぐらい前から今ごろにかけて伐期に達するので、未来はバラ色だみたいな、そういう表現だったのです。だけれども、そうはならなかったということで、そういう意味では見通しが甘かったということは1つあります。
 それから、あとのもう1つの構造的な問題なのですけれども、国有林の場合は特別会計ですので、自分たちでずっと赤字がどんどん、どんどんたまっていって、だけれども、それを補てんするためにどんどん、どんどん切っていく。それから、切る木が少なくなったので、スキー場をつくったり、あるいは土砂を売ったりということで、そういう特別会計のあり方なみたいなもの自体も問題なのではないかというふうに思います。
○篠木幹子参考人 先ほどのお話にありましたように、日本のごみ分別とか、ごみの処理の問題で、何が最も欠けているかというと、企業を取り込んでいないというところが欠けていると思います、おっしゃるとおりです。ですので、その意味で私たちはこれから制度をどんどん変えていくときに、企業を取り込んだシステムをつくっていかなければいけないというのがあります。これからの大きな課題であると思います。
 では、ただそれをのんびりと待っていればいいのかというと、恐らくそうではなくて、私たちにもできることがあるだろうというふうに個人的には考えています。例えば私は、修士の学生のときに、それぞれイトーヨーカドーやダイエー、西友といったスーパーの本社にインタビューに行ったのですけれども、そのときになぜトレーとか、そういうものをたくさんたくさん使ってパッケージするのかという質問をしたところ、やはりそれをしないと売れないというふうに企業が思い込んでいるというところがある。自分たち1つ、自分の企業がそれをやめたら、自分たちのところの売り上げが落ちるというのが一番心配だという回答でした。ただし、例えば熊本県水俣市では、その地域だけなのですけれども、水俣市すべてのスーパーに対していちにのさんでトレーを使うのをやめてくれというふうに住民が働きかけて、トレーがかなりの量廃止されたのですけれども、比較的足並みをそろえることができれば、ある特定の地域でそういうごみをどんどん、減らしていくということが可能だということがわかっています。
 ですので、大きい局面では、企業を取り込んだシステムというのをつくっていくというものをするのと同時に、もう1つ住民とかそれぞれの個々のエリアでは、それをのんびり待っているのではなくて、自分たちが別に過剰包装しなくてもちゃんと買います、パッケージしていない1個1個で売ってくれたほうが本当はうれしいのですということをそれぞれ声としてしっかり企業に届けていくということをしていく必要があるのではないかというふうに思います。そうすると、企業の例えばリサイクル瓶の視点も、例えば九州の南のほうでは、焼酎の会社が連合して、全部の会社に共通の瓶というのをつくっていて、それぞれ同じ瓶をつくって、それをリサイクルして使っていくという制度をつくっている企業があるのですけれども、そんなふうに企業もそうするとコストを削減して得をする。住民もごみを、瓶を普通にリサイクルに出すということで余りお金をかけないで済むので、今度減量化して、今度お金、ごみ処理に税金を余りかけないようにする、済ませるようにするような、そういう両者が得をするようなことというのを考えて、少しずつ進めていくことがこれから必要なのではないかなというふうに思います。
○幸丸政明参考人 もう1つ関連して、企業といいますか、コンビニ、これが私は非常に大きな問題だろうと思います。流通形態がそれこそものすごく多く、パックで小口にとにかく供給しますよね。輸送はかかる、それから24時間、ずっとこうこうと電気をつけている。それから、賞味期限がくれば、物すごい量のお弁当が廃棄される。こういう流通形態、これは多分日本で一番進んでいるのだろうと思いますけれども、こういうところまで変えていかなくてはいけないということです。それをどういうふうにしていくかということは、一律にというのはいいかもしれませんけれども、さっき言ったように、地域でもって少しコンビニの形態を変えていくとかということもあるかもしれないですけれども、とにかく日本が今我々の生活を依存しているかなりの若い人たちのほとんどコンビニに依存していますけれども、こういう状態をどうするかというところから考えていかないと、根本的になは解決にはならないと思います。
○金子与止男参考人 先ほどドイツのビールの瓶の話があったのですけれども、日本でも日本酒の場合は、4合瓶に限るのですけれども、ビターラベル瓶というのがありまして、全部が全部それを使っているわけではないのですけれども、そういうのに参加している酒造会社もあるということで、岩手県の場合ちょっと実態がわからないのですけれども、どなたか、酒造組合か何かあれば、そういう方向に持っていくように教示したほうがいいかなというふうに思います。
○亀卦川富夫委員 どうも御苦労さまでございます。1つは、省エネということでお伺いしたいのですが、今人口減少という中で持続的社会、まちづくりという観点でコンパクトシティということが非常に都市計画上、いわば推進されているわけですが、そういったまちづくりと省エネ的観点での政策樹立というものについてのお考えをひとつお伺いしたいと思います。
 続けて後はお伺いいたします。それから、省エネともう1つは、やはり新エネルギーの開発というのが、これは両輪だろうと思うのですが、新エネルギーの開発というのは、地方分権という意味では、非常に大きな地域づくりのキーワードになるのではないかと思いますが、岩手のポテンシャルというのでしょうか、岩手の抱えている資源といいますか、そういうもの、先ほど以来のお話に尽きるとは思うのですけれども、もう一度その辺のところをお話願えればと思います。
 具体的には、小水力発電というのをお触れになっておりますが、先ほど胆沢川ですかのお話もありましたが、どの程度の川というのでしょうか、河川というのでしょうか、水量というのでしょうか、どの程度の、我々がイメージするのに、農業用水なども入るものとか、そういったこと等を含めてひとつ小水力発電ということをお伺いしたい。
 それから、燃料米、これも品種改良等が必要だろうと思うのですけれども、この辺の技術的な確立というものがどの程度進んでいるのか、こういったものが岩手にとっては非常に大きな力になると思うのですけれども、お伺いしたいと思います。
 その逆に、太陽光というのが岩手のような北の地域といいますか、日照力の少ない地域においての今後の見通しについてお伺いいたしたいと思います。そういったことを含めて考えていきますと、RPS制度との関係というのはどうしても出てくるのだろうと思います。そこで、自己といいますか、自分の家というのでしょうか、自家活用というのでしょうか、その辺とのこういった新エネルギーとの関係について実際的なものになっていくのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○幸丸政明参考人 都市計画の専門別にいるのですけれども、一般的なことで私のほうから、要するにコンパクトシティというのが、得に東北といいますか、雪国といいますか、そういうところではかなり効果的な策だと思うのですけれども、これは一方、ですからそういうふうな特に高齢の方が要するに雪おろし、雪かきとか、そういうことも含めてよいのだけれども、そうなると、今度は今お年寄りは地方、山間部とかにいらっしゃいますよね。そういう人たちを集めなればいけないというふうなことで、逆に集落が今度限界集落と言われているのですけれども、それが崩壊する可能性も、それを促進する可能性も高い。だから、そこは可能なところでやるしか、それこそ青森市なんかはやりましたけれども、地方の、東北の中央部分といいますか、そういうところでなら可能だけれども、では縁辺部をどうするかというところになると、これはなかなか解決されない。地域でどう知恵を絞るかないというふうにしか私は言いようがないと思っていますが、ほかのところはいろいろと、補足ということでございます。
○由井正敏参考人 小水力発電につきましては、私も専門ではありませんけれども、胆沢でやったのは、かなり古いタイプのスクリュー式のものが横に出ているやつです。あと胆沢の土地改良区で現在水路に小水力発電、現実にもうあります。それは、本当は幅2メートル、深さ2メートルぐらいの水路にのっかっております。農業用水路ですと、コンクリートで固めた三面張りですと、それほど魚がおりませんので、どんな形でもいいのかと思うのですけれども、普通の河川ですと、やっぱりイメージは小川です。堰とダムの違いが高さ15メートルだと思いましたけれども、それ以上になると、そもそも魚が魚道をつくってものぼれないということがありまして、それでやはり小水力という考えは、やはり従来のダムですと、お金もかかりますし、河川生態系に与える影響とか、洪水の場合に壊れてしまうというような問題がありますので、当然自然的に狭い川になります。それは、今言った魚道ができれば上がれる範囲ですから、10から15メートルぐらいの水域で間に合う範囲です、1つは。それから、全部を川にしてしまうと、やはり上がりにくいですから、半分使って、半分を、川を半分に分けて、半分のところにそれをつくるというシステムも考えられます。でも、これはまだこれからですので、ただコスト的には水力は、最終的にはペイするということと、長期にもちます。それから、実質の削減力が高いです。大きなダムでも、そこに水力発電ができると、1年でそれに投じたコンクリート分のCO2は回収できるぐらい水力発電は効果があるそうです。ただし、やはり河川を分断するということで、サケが上がらないとか、そういう問題が一番のネックということです。
 あとですね、さきに木質バイオマスの、御存じだと思いますけれども、私が卒論や修論で計算させた例で、葛巻町ですと、間伐材で葛巻町の全部の家庭の熱エネルギーを賄えるという試算が出ています。それから、軽米町でやった例では、15%の傾斜以下の場所からの間伐材で22%、全部、町の全エネルギーの。それから、日本規模でいいますと、やはり大消費地がたくさんありますので、全部の日本の木材の全生産量を供給しても数%分のCO2の削減にしかならないと言われています。要するに山を切り過ぎてはいけません。持続的な成長の範囲しか切りませんから、しかし岩手県は人口密度か低くてヘクタールに1人くらいしか住んでおりませんので、ポテンシャル非常に高いです。木質バイオマスで盛岡とか北上市みたいな大規模な都市でないところでは、かなりの部分がCO2削減が木質バイオマスでできて、もう6%は軽く市町村単位ではクリアできます。
 あと燃料米につきましては、既に新聞にも載っていましたけれども、燃料米専用の米が開発されて、試験田も県の農業試験場関係でもうやっているはずです。江刺とか、あの辺の試験田で燃料米の試作も始まっておりますので、もう十分可能だと思います。要するにほっとく、谷戸田とか、放棄田をほっておくよりは燃料米つくって、あるいはそれ飼料米にも転換できますから、そうするとCO2が削減できるし、農家の方もほっておくよりはもうかるわけですので、それはよろしいかと思います。
 それから、太陽光につきましては、先ほど申しましたようにコストが高いのですけれども、自家用としては非常に有望です。蓄電池も併設できるし、昼のうち温めておいて夜使うということができますので、補助制度は最近はなくなりましたけれども、効率がいいのがどんどんできておりますので、太陽電池は自家用としてはいいし、それから売電できるということがあります、いいと思います。
 ただし、全部売電すると、これは風力と全く同じ理屈なのにだれも言わないのは、昼間にいっぱい発電されますから、それを売電すると、電力会社は絶対困っていると思うのですけれども、それは言わないで、風力だけ、風力はやっぱり規模が大きいですから、1台当たり1,000から2,000キロワットですので、家庭用の太陽電池の5とか6キロワットよりも何百倍もありますので、それ影響あると思いますから、太陽電池も同様の結果は持っています。余り各家庭がつけると、売電しても買ってくれないということが起きるのです。でも、有望なことは確かです。簡単ですけれども、以上です。
○木場隆夫参考人 新エネルギーは地方分権と関係あるのではないかということでございますが、新エネルギーはエネルギーの中の一部でございます。エネルギー政策というのは、基本的に国が仕切っておるわけでございますが、国際関係とか安定供給とか、そういうの全部。しかしながら、まさに地域のエネルギーでございますから、地域がより積極的に使っていくという立場を宣伝されるということが非常に大事でございまして、岩手県が条例等でそういった立場をとられているというのは極めて重要でございますので、県あるいは市町村が地域で大事に使っていくという立場をより一層強められるのがよろしいのではないかというふうに思うわけでございます。
 それから、各種の新エネルギー源について、今後の見込みはということでございますが、先ほど申しましたが、新エネルギーは、まだまだ期待があるというレベルで、完全に実用できるかどうかということにはまだ達していないわけです。では、どれが有望なのかということにつきましては、まだ未知数だというふうに思って、何が出てきてもいいように対応するのがよろしいのではないかというふうに思っております。
 ただ、岩手県は、木質バイオマスといいますか、生物系の資源が多数ございますし、小規模水力という適地もあるでしょうから、そういったほかのところに比べればいい条件のところには多少多目に資源、研究費とか、そういったものをできるということは十分よろしいのではないかというふうに思います。
 それから、RPS制度と新エネルギーの自家活用のことでございますが、私はこういう関係だと思っております。RPS制度というのは、新エネルギーを国としてどれだけ電力にして使うかという上限ですから、これはもっと大きくしなければいけないというふうに思っております。現在1.7%と2014年までに1.7%を新エネルギーで電力を賄いましょうという計画でございますが、これはいかにも低い、もっと伸ばす必要がある。それで、伸ばせば需要があるわけですから、技術開発が進む。技術開発が進めば、自家用に設置すると、太陽パネルとか、そういったものの性能が上がると、したがって、より各家庭のこういった開発も非常に多くなる。そういうことでございますので、RPS制度の目標値の改定というのは非常に重要だと思います。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。時間も時間でございますので、最後ということでよろしいですか。
○阿部富雄委員 ちょっとこんな質問はどうかなというふうに思うのですけれども、いずれ新エネルギーという場合には汎用化させるということが一番大事なことだと思います。ただ、現実に新エネルギーを考えた場合、由井正敏先生は、今有望という表現を、いろんなエネルギーの部分をとらえてお話されたわけですが、例えば小規模の水力発電なんか農業用水、私どもで今研究してやっているのですけれども、実際やっぱり設備もかかる、それから電力に交渉すると7円でしか買ってくれない。とてもこれでは維持できるという状況ではないということで、もう断念せざるを得ないという現実です。それから、間伐材の利用をとってみても、間伐して、それを運びだしてペレットにするなり、あるいはチップにするなりするといっても、これはとても採算が合う、そういうものではないのです。そうすると、そういう新エネルギーの技術の部分だとか、いわゆる製品の部分、発電機だとか、そういうさまざまなものをやっぱり飛躍的に発展をさせていくということが必要なのです。5人の先生方からいろいろな有望な、こういうのがいいというような御提案、お話ありましたけれども、ではそれを実用化する、技術を汎用化させるための研究というのは、一方ではいわゆる民間だとか、企業にだけ任せているというのが実態です。
 そこで、大学の中でも、総合政策のように、いろんな考え方を出すのはいいけれども、それを技術化していくとか、製品化していくという、工学部であるか、農学部であるのか、そういう部分の研究部門もあると思うのです。それから、大学内部でそうした考え方、政策を出すと同時に、同じ大学でも結構ですし、他の大学との連携の中で、そういう新エネルギーの技術の汎用化だとか、製品の開発だとかということをセットでやっていただくということが、この新エネルギーの定着につながっていくのだろうなというふうに感じているわけですけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○幸丸政明参考人 おっしゃるとおりと思いますけれども、もう1つは、結局この地球温暖化対策に決定打はないと思っています。いろいろなところでやっていることは、あるところでは成功し、あるところでは失敗しというのは、今の既存の社会の仕組みの中で思いついた自治体とか企業とかというところがやっていると。やっぱりそういったいろんな試みを、今おっしゃったように、それではうまくないのではないかというような話であります。それこそもうのっぴきならない事態だという認識が、地球温暖化、あるとすれば、それに向けて社会の仕組みそのものまで変えていかなければいけない、考えていかなければいけないということになったときに、もちろん大学の役割もありますし、それからもう1つは、やっぱり政治の役割というのは決定的だと思うのです。それは、社会の仕組みを変えるというのは、政治だと思うのです。そこのところでいろいろなアイデアもある。それから、今お話をしている中でもこうしたらいい、例えば水車小屋と小規模発電、水車小屋というか、新しいテクノロジーを使って電気を使ってあると思うのですけれども、出てくるのですけれども、やっぱり社会全体の仕組みをどう変えていくかということは、私どもも考えなければいけないけれども、政治の世界のことでもあるだろうというふうに私は逆にお返ししたいと思っております。
○木場隆夫参考人 技術開発が必要だということで、技術開発は実際に物をつくるという人もございますが、先ほど私が申し上げたのは、その技術開発を促進するのは、市場であり、需要が広がることが必要だということで、その新エネルギーに対する需要拡大という措置が必要ではないかというふうに申し上げました。大学でもそういう技術を開発するということが重要ではないかということでございますが、総合政策部では物をつくるというような、そういう研究は余りしておらないところでございます。ただ、岩手県では林業試験場さんで木質バイオマスの研究をなさっていると思いますし、岩手大学の工学部等でも研究されているのだろうと思います。ですから、そういう物をつくる、システムをつくるという面での研究を産、官、学で研究を進めていく、それに対しても重要なことと思っております。以上です。
○工藤勝博委員 1つだけお伺いしたいと思いますけれども、どなたがお話ししたかちょっと記憶ないですが、国内の排出権の取引をいいのではないかと、岩手県は全国でも2番目の森林県ということで、もう本当にCO2を逆に吸収するほうに貢献していると思うので、それにおける取引、国際的にはいろいろ今盛んに言われていますけれども、国内の取引が可能であれば、岩手県にとっては大変ありがたいなと思うのですけれども、その辺のところ、具体的なあれがあればお願いします。
○幸丸政明参考人 まさにおっしゃるとおり、先ほどは県内でという話もありましたけれども、まさに国内で自治体同士での排出権取引、それは、もう1つ吸収源と絡めて、森林の吸収源と絡めて、この2つでもって、例えば東京都知事がおれたちのあれをやるのは嫌だとかというのとは、そういうところはこういうふうに温暖化対策に対してそれぞれの自治体がどう貢献しているかということで配分する、いろんなアイデアが出ていたと思うのですけれども、まさにおっしゃるそこのところを地方からこういうところは発信していくべきだろうというふうに私は思います。ちょっと具体的なことはあれなのですけれども。
○金子与止男参考人 企業同士の排出権の取引で考えることもありますし、自治体同士も排出権の取引、売買というのがありますので、多分両面からいくのだろうなというふうに思います。そういう意味で、多分岩手県としては、排出権についても積極的に検討を進めるべきだとか、ういうふうな決議を出すなりしていただければいいのではないかというふうに思います。そういった決議を出すとなれば、洞爺湖サミットもありますので。
○由井正敏参考人 先ほどの太陽電池もそうですけれども、家庭でCO2排出に努力した分を、ごみ処理の問題もそうですけれども、何らかのメリット、還元という意味で、排出権ほど仰々しくないですけれども、これだけ減らしましたよというお墨つきを与えて、メーターか何かで証明して、その分税を安くするとか、そういうほうで、個人へのメリットを排出権で家庭でもできる、今現実に何かできるようになっているそうですけれども、そういう仕組みが岩手でも必要だというふうに思います。
○高橋雪文委員長 ありがとうございました。それぞれの先生からもう少し御意見を賜りたいところでございますが、時間でございますので、これで閉めたいと思います。
 岩手県は、日本の目標数値が基準値より6%マイナスということでございますけれども、岩手県の場合は、マイナス8%ということで、非常に高い数値をやっております。ところが、日本と一緒に同じように、岩手県でも排出量がふえている段階でございまして、それをどうクリアしていくかというのがこれから大きな目標でもございますし、せっかく知識の雄の県立大学の先生方もおられるわけでございますので、今後とも交流をさせていただきながら、具体的な政策を打ち出せるように我々も取り組んでいきたいと、そのように思います。
 本日貴重な御意見を賜りましたことは、今後の委員会で活用させていきたいというふうに思いますので、今後ともどうぞ御指導よろしくお願いいたします。
 本日は、お忙しいところ先生方におかれましてはおいでいただきまして、まことにありがとうございました。
 委員の皆様方には、次回の委員会運営についての御相談がありますので、少々お待ちいただきたいと思います。
 (参考人退室)
○高橋雪文委員長 次に、2月に予定されております県外調査についてでありますが、お配りしました日程表により実施したいと思います。
 この中で初日に予定されているトヨタ自動車株式会社の調査では、相手方の御好意により、開発中の燃料電池車のバスへの試乗も予定されているようでございますので、御紹介申し上げます。
 なお、執行部から環境生活部の職員が6日と7日の調査日に1名、農林水産部からは7日の調査に2名の参加希望が出されておりまして、これを許可することといたしましたので、御了承願います。
 次に、4月に予定されております次回の当委員会の調査事項についてでございますが、何か御意見はありませんでしょうか。
 (「委員長一任」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 特に御意見がなければ、当職に御一任願いたいと思います。これに御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたしました。時間超過しまして、まことに申しわけありません。散会いたします。ありがとうございました。

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