商工文教委員会会議記録

商工文教委員長 亀卦川 富夫
1 日時
  平成20年1月16日(水曜日)
  午前10時4分開会、午後1時40分散会(休憩:午前11時58分から午後1時3分)
2 場所
  第3委員会室
3 出席委員
  亀卦川富夫委員長、喜多正敏副委員長、伊藤勢至委員、佐々木博委員、岩渕誠委員、
 佐々木大和委員、高橋雪文委員、小西和子委員、斉藤信委員、小野寺好委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  石木田担当書記、三上担当書記、八重樫併任書記、千葉併任書記
6 説明のために出席した者
 (1) 地方行政独立法人岩手県工業技術センター
    斎藤理事長、齊藤副理事長兼技術支援統括部長、上野理事兼経営統括部長
 (2) 商工労働観光部
    田村商工企画室長、福澤商工企画室企画担当課長、
   黒澤科学・ものづくり振興課総括課長
 (3) 総務部
   瀬川総務室長、松川総務室管理担当課長、鈴木法務私学担当課長
7 一般傍聴者
  1人
8 会議に付した事件
 (1) 継続調査
    地方行政独立法人岩手県工業技術センターの運営状況について
 (2) 請願陳情
    受理番号第20号 私学助成の大幅増額など教育関係予算の拡充を求める請願
9 議事の内容
○亀卦川富夫委員長 おはようございます。ただいまから商工文教委員会を開催いたします。これより本日の会議を開きます。本日はお手元に配付いたしております日程により会議を行います。
 初めに、地方独立行政法人岩手県工業技術センターの運営状況について調査を行います。
 調査の進め方についてでありますが、本日は参考人として、地方独立行政法人岩手県工業技術センター、斎藤理事長さん及びお二方に御出席いただいておりますほか、執行部からは田村商工企画室長、福澤企画担当課長及び黒澤科学・ものづくり振興課総括課長に出席いただいております。
 最初に、参考人から御説明をいただき、その後、質疑、意見交換を行うこととしたいと思いますので御協力方よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席をいただいております参考人の方々を改めて御紹介申し上げます。
 地方独立行政法人岩手県工業技術センター理事長、斎藤紘一さんでございます。
○斎藤紘一参考人 斎藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○亀卦川富夫委員長 同じく副理事長兼技術支援統括部長、齊藤博之さんでございます。
○齋藤博之参考人 同じく齊藤です。よろしくお願いいたします。
○亀卦川富夫委員長 同じく理事兼経営統括部長、上野一也さんでございます。
○上野一也参考人 上野でございます。よろしくお願いいたします。
○亀卦川富夫委員長 どうぞよろしくお願いいたします。それでは、御説明は斎藤理事長さんからお願いいたします。
○斎藤紘一参考人 それでは始めさせていただきます。ただいま御紹介いただきました県工業技術センターの斎藤でございます。私の方からは、本日、当センターの運営状況と題しまして御報告させていただくわけでございますが、私どものような公設の試験研究機関というのは、岩手県に私どもを含めて7箇所ございます。
 それから、全国では600を超える公設試験研究機関がございまして、その中で、当センターが全国で初めて平成18年4月に地方独立行政法人に移行しました。そういうこともございまして、本日のこの運営状況はこの独法化ということを切り口にして御説明をさせていただきたいというふうに思っております。
 最初に、このシンボルマークの御説明から入りたいと思います。全ページにこのマークが出てまいります。これはIIRIというふうに実は書いてございまして、これはIWATE INDUSTRIAL RESEARCH INSTITUTEという工業技術センターを英語名で言った名前なのですが、実は、胸に飾っている記章でございますけれども、独法化を前にいたしまして職員から募集をし、それでみんなで決めたものです。そのときにあまり応募がないかなと思ったのですけれども、15人の職員から19件、1人で2件ほどデザインを応募した職員もいまして、19のデザインの中から投票の結果、5人の委員で選んで、このマークに決定いたしました。
 これを提案した職員の心は何かと言うと、遠くから見て英語のiに見えますということです。これは岩手のiとともに、愛情を込めた県民サービスをやりたいという、そういう意思という意味でこのマークをつくったというふうに聞いてございます。それを今、全職員でシンボルマークとして使っている次第でございます。
 それから、この正面の写真、これは当センターの入り口でございますけれども、10日ほど前に撮った写真でございます。この写真では見えていませんが、ちょうどこの辺に岩手山がきれいに見える、立地条件としては非常にいい場所に立地させていただいているなと思っています。
 そして、今ちょうど盛岡の盛南開発地区の造成がこの周りに進んでおりまして、既に当センターといろいろタイアップしたいという企業さんも幾つか決まっているとお聞きしていますので、また一層、当センターも頑張っていかなければというふうに思っている次第でございます。
 本日の内容でございますが、独法化してこう変わったという成果を中心にお話ししたいと思っていますけれども、導入部として、なぜ独法化をしたのかということ、独法化のねらいは何だったのかということも御説明させていただきながら、最後に課題と今後の方向という、こういう流れで約1時間という時間をいただいておりますので、その時間の範囲内で御説明させていただければと思っております。
 最初は、なぜ独法化したのだろうかという独法化に至るまでのプロセスを中心に、民間の視点、発想から始まりまして、当センターの強み、弱みの分析をしておりますので、その点と独法化の経緯、最後になぜ公務員型を採用したか、この辺について御説明させていただきます。
 初めに、私ごとになりますけれども、私は平成14年4月に当センターに着任いたしました。その前までは富士通という会社で、最後は経営者だったのですけれども、そういう経歴がございます。
 初めに、当センターに参りまして、何を一番先にやったかといいますと、これでございます。私たちのお客様はだれか、こういう切り口で職員といろいろ話し合ってまいりました。私どものお客様は県民であり、主として中小企業の皆さんであるということを明確にして、すべてをお客様の視点でやる。例えば当センターにおいでになる方は、皆お客様です。いらっしゃいませから始まりまして、お帰りになるときは、ありがとうございました。これは基本でございますけれども、言い慣れないとなかなかそう簡単にはいかないものでございまして、現在でもまだ100点満点ではないというふうには思っています。
 それから、当センターの運営は大切な税金で運営しているということから、こういう視点でございます。それと産業振興というのは世界との競争でございますから、スピードが非常に大事です。そういう意味でスピードを重視するということと、それから待っていたのではだめなのだと、こちらからお客様のところへ行かなければいけないのだということから、御用聞きスタイルでの企業訪問ということで、最初から目標を年間600社やろうと決めて、守りから攻めへの転換と、こういうものを図ってまいりました。
 ただ、私はすべて民間がいいわけではないのだということを当初から感じています。公務員のよさというのもこれにマージしていく必要があると思います。例えば情報公開が進んでいるとか、まじめな職員が多いだとか、それから守秘義務契約に対しては物すごく厳密になっているとか、そういう公務員のよさを民間的な発想とマージして経営していこうということでこれまでやってきたわけでございます。
 さて、強み、弱みの分析なのですが、当センターは大学とは特に違いまして、企業さんに軸足を置いてあるということとか、充実した設備があるという強みがございます半面、弱みもございます。
 一方、外部環境としては、このような産業振興の追い風ということもございますし、一方では脅威の面もございますが、特に私が着眼したのはこの弱みの点でございます。幾つかの弱みがあるのですけれども、代表的なものを三つ挙げてみました。
 当初来たときに、ちょうど年度末ごろに、職員が宮古に行く出張旅費がないと言い出したのです。そんなことないだろう、まだ予算があるだろうと言うと、いえ、科目の変更ができないのだと、こういう話があって、そういうものなんだなあということで、それをずっと言ってきましたが、幾つか縛りがあるために県民サービスが行き届いていないなということに気がつきました。
 こういうことの一つの解決策として独法化というのを考えたわけです。独法化は目的ではございません、手段です。あくまでも産業振興をやるための一つのツールとして、この独法化というのを検討してみようではないかということでこの独法化の経緯ということに入っていったわけでございます。
 平成16年、可否検討とコンセンサスというステージを踏まえまして、庁議で決定の後、独法化の準備に入りました。そして、議会において定款などの承認を経た上で総務省に申請し、平成18年4月に設立したという、こういう経緯でございます。
 この中で一番苦労しているのはやっぱり、コンセンサスを得ることでございます。自分たちのことなのだから、まず自分たちでよく考えようということで、私を委員長として所内で独法化委員会というものを立ち上げました。これは県庁から言われたとかそういうことではなくて、私自身がやるべきだと考えて、みずからやりました。そして、全員集会を何回もやりまして各部説明会もやったと。それから、同時にここには書ききれなかったのですが、県職労との協議も4回ほどやっています。委員長、書記長ですが、主として書記長とやりまして、書記長には全体集会にも御出席いただきながら、いろいろお話し合いをさせていただきました。
 ただ、何よりも大変だったのはここ(県庁との協議)でございまして、ここの回数の多さから推しても御理解いただけるかと思いますが、だいぶ県庁と協議させていただきました。
 そして、これは今でも忘れないのですけれども、増田知事と何回もお話しをした中で、増田知事からは、一番大事なのは働いている職員なのだと。職員のコンセンサスをとることを重要視してくださいと。そのために多少遠回りしてもいいですよと、こういうふうに言われました。
 したがって、中期目標とかを設定する期間が少し短めになったのですけれども、職員とのコンセンサスをとることに腐心しまして、知事はみずからも全体集会に出ていいよ、みんなと話をしようよということで、これ12月だったのですけれども、来ていただきました。
 あわせて、知事にはスタート時にみんなへの激励という意味でおいでいただきましたし、上半期を終わったタイミングも含めまして、実績を見てチェックしてあげるよということで来ていただいています。
 それとこの経緯の中で大事なのは、だれのためにこれをやるのかということで、私どもは企業さんのためにやるのだということですから、企業の方の御意見をちゃんと聞こうということで独法化スタートの中期計画をつくる段階でアンケートをやって、企業の声を聞いて中期計画に反映するというのをやりました。それから1年たちまして、やって本当にどうだったのかということで、やっぱりここで企業さんの声を聞いています。
 あと本日の説明でも出てくるのですけれども、私どもの独法化が1年たちまして、本当にうまくいっているのかどうかということについて、県が定めた外部評価委員会が設定されていまして、ここでの外部評価を受けております。
 それでは、なぜ公務員型かということなのですけれども、これは岩手県が非常に広いということで、その割には当センターの職員数が少な過ぎるというふうに私はずっと感じていました。こういう少ない職員で産業振興をやっていくためには、やはり行政と同じ目線で一体的にやる。そして、同じ目標を持って産業振興、県政課題の対応に当たっていく必要があるなと。そのためには県と当センターの活発な人事交流が不可欠だと、こう判断しました。そういう意味では、公務員型を採用することによって、活発な人事交流が現実に実現できているということでございます。
 それから、県土が広くて代替機関がないと。当センターを頼りにしてくださっている企業さんが非常に多いということですから、その思いを忘れてはならないし、当然このように公務員としてのよさを堅持していく必要があるのではないかと、そういう意味で公務員型というのを採用した次第でございます。採用して非常によかったというのは、後で結果としてたくさん出てまいります。
 それでは、二つ目の項目でございまして、何のためにやったのだと、ねらいでございます。そういうことで、この4点について御説明をさせていただきます。
 当センターのビジョンでございます。どこの会社にも大体社是というのがありまして、当センターにはそれはなかったのですが、やっぱりみんなで言える合い言葉をつくろうということで、これは職員の方と相談しましてこれをつくりました。創るよろこび・地域貢献、これを全職員の合い言葉に設定しました。
 それから、このようなビジョンをつくるときに我々のお客様はだれかと改めて問いかけまして、それをこの絵の中央に据えるということです。幸い岩手県は森林県でもございます。したがって、ここにいわてに根付いた企業の森ということでございまして、木々、森を企業さんに例えました。この森の数は、一体岩手県にどれぐらいあるだろうかというので、4人以上の企業さんの数というのは公表されてございまして約2,800社ございます。
 その中で、当センターを今まで御利用いただいている企業さんはどのぐらいあるだろうかということで調べてみますと約1,400社、50%でございます。これは他県が15%から20%ぐらいなのに比べて、当センターは非常に多い。それでもまだ残り1,400社近くいらっしゃるわけですから、当センターをまだまだ御利用いただける企業さんがいらっしゃるなと。それを横軸方向に木を植えていく活動をやっていく。新規の企業さん開拓というのを今でもやっております。
 それから、この根付いた木を枯れさせてはだめです。縦方向に伸ばしていく必要があります。その伸ばしていくツールとして、私どものキーワード、企業の総合サポーター、技で企業の夢支援、岩手らしさを世界へ、このキーワードでいろいろなメニューを準備しまして、それぞれの企業さんの木の高さに応じたサービスを展開していこうというのがこの絵のねらいでございます。
 そして、岩手ブランドをつくり、地域技術を高度化して、新産業の創出を目がけてやるのだと。そのための当センターはあくまでも支援をさせていただくのだという、支援という意味は、この両手の中という、そういう意味合いでこのビジョンをつくった次第でございます。
 さて、独法化の使命と仕組みでございますが、今まで使命につきましては何度も申し上げております、こういうことでございます。
 仕組みでございますけれども、この絵で御説明します。最初に、県のほうから中期目標というのが当センターに出されます。それに基づいて、これちょっと書いていませんけれども、中期計画というのを逆にお出しします。その中期計画に基づいて人件費、事業費の交付金というのが出されます。
 交付金だけでは当センターの運営ができませんで、国の競争的外部資金に応募して、これをとってまいります。それから、設備開放とか依頼試験は有料でやっていますので、ここで自己収入が上がってまいりますから、事業が活発化しますとこの自己収入が上がってまいります。そういう意味で、お金という意味では、県からいただく交付金とこのお金で運営していく。これは一つのメニューでございます。そして、1年間やりまして、その結果を県に御報告させていただいています。このループが回るということです。
 そして、この独法化の仕組みを言葉で大きく三つ取り上げてみると、代表的な言葉はこの三つかと思います。これは岩手県の独法化の特徴だと私は思っていますが、まず自立意識を高めるのだということ、意識改革です。それから、理事長の裁量権が拡大していきますので、裁量権拡大をいい意味で企業さんに向けて持っていこうということと、さっきからの繰り返しになりますけれども、公務員としてのよさを前面に展開していくと。これを運営していくのは職員でございますから、職員のモラルアップというのは非常に重要だということでございます。
 それから、組織でございますが、これは独法化前とどこが違うかということを1点だけ申し上げますとこれでございます。つまり、透明性の確保という意味で、非常勤でございますが、外部から理事さんお二人、監事さんお二人に来ていただいているところです。そして、定期的に役員会を開いて当センターの活動についていろいろ御意見をいただいている。これが大きく違います。
 それから、これは独法化とは直接関係はなかったのですけれども、常勤の役職員数が63名。このプラス1名は、秋田県から当センターを勉強したいということで1名ここに来ている研修生のことを言っています。私どもの定数は63でございまして、この63名の割には、私が平成14年に来たときに部の数が多いなと。ここに9部あったのですね。もっとフラットな組織にしようということで、現在は3部を減らしまして6部にしています。ただ、当時はなかった環境技術部などというのを新しくつくりましたから、スクラップ・アンド・ビルドで組織をやっているということを御理解いただければと思います。
 さて、中期計画なのですが、ここにはこの四つの数値目標をつくってあります。この数値計画は、ワンサイクルが5カ年でございまして、最初の平成18年から平成22年の今セカンドステージということです。この四つの数値目標をつくった心だけをちょっと御説明しておきたいと思っています。
 まず1点目、技術相談件数。これは無料でございます。当センターの窓口を360度あけておいて、だれにでも来ていただく、どんな御相談にも応じる。こういうスタンスが非常に重要だと思っていますから、これは年々ふえていくことが望ましいわけです。ただ、年によってはアップダウンがありますから、最終年度の絶対値だけを決めるのではなくて、累計件数、積分値もちょっと決めておこうということで二つの目標数値をここに設定しました。
 これは、いわゆる技で企業の夢支援ということで、やっぱり下請企業から脱却したいという企業さんが多いのですね。コア技術をもっと有効活用して商品開発に結びつけたいと、そういう企業さんのためにはこれが非常に有効です。また、これは独法化をやることによって、非常にやりやすくなっています。今まではどうかと言うと、仮に企業さんと共同研究をやりたくても補正予算を組まないとできないのです。そうするとタイミングを失してしまうという嫌いがございましたけれども、今は4月にいただく運営交付金の運用で、どんなタイミングでもやることが可能になりました。したがって、企業さんが望むタイミングでできますから、そういう意味で非常にやりやすくなったので、思い切って高い目標にしました。
 外部評価委員会から、ちょっと目標が高すぎるのではないかと言われたのですけれども、とにかく産業振興をねらいにして独法化したのだから、これは高い目標を設定させてくださいということでやっています。これは後ほど出てまいりますけれども、非常にうまくいっています。
 それから、3点目ですけれども、私はこれも職員にずっと言い続けてきているのですけれども、どんなにすばらしい研究でも売れて何ぼなのだと。ともすると、研究員というのは論文を書いて学会で発表すると仕事が終わったかに見えるのですけれども、それはあくまでも途中経過でしかない。最後は売れて何ぼ、企業さんがもうかって何ぼなのだということを言い続けたのです。
 それで、公設試験研究機関でこういう事業をやっているのはないのですけれど、私どもでは販路開拓支援までやっています。そういう意味で、これは後ほど実例で御説明しますが、これも目標をきちっとこういうふうに高く持ってやっていこうと。
 それから、お金の関係で、効率化を年々進めていく必要がありますから、そういう意味でもこの県財政への寄与というのも重要な数値目標であると。この数字は、県立大学とか国の研究機関だとかを参考にしながら、なおかつ県のシーリングの値も参考にしながら設定した数字でございます。
 さて、きょうの主題でございます。独法化してこう変わったということで、1年半の実績を中心に御説明をさせていただきたいと思っています。
 ここで、この数値で見る実績には既存業務と独法化ゆえに始まった新規業務がございますので、それを数値で御説明します。数値だけを見せられても中身がわかりませんので、主な成果例を5点ほど準備してございますので、それを御説明させていただきます。それから、私どものお客様である企業様がどう思っているのかということと職員がどう思っているのか、これを御説明して、この章の最後には外部評価結果について御紹介させていただきたいと思います。
 初めに既存業務でございます。数値で見る独法化の実績ということなのですが、特にこの黄色で書いたところは、いわゆる中期計画で数値目標を持ったもの、これを黄色に設定してございます。そして、見ていただきたいのは達成率でございます。目標を達成したら100%ですけれども、この数字をごらんいただけば、かなり達成率が高い、すべての項目で100%以上の達成を示しているのが御理解いただけると思います。
 それから新規業務、例えば時間外、休日なんかでも企業さんが望めば対応できるようになりましたし、設備の所外貸し出しということもできるようになりました。それから、このように共同研究もどんどんやるようにもなりましたし、販売数もこうなっております。
こういうことで、軒並み高い達成率になっています。ただ、達成率が入っていないのは、この辺の目標設定が新しい業務だったものですから、最初に設定できなかったということで入っていませんが、おおむね私の期待どおりの成果が出ているのではないかなと思っています。
 なぜこれだけの達成率になったのだろうか、私の予想以上の達成率でございますから。これは私なりには二つ考えていまして、一つはこの目標値というのは中期計画に定めた目標値の5年間のやつを5分の1にしたものです。ですから、年間の最低達成目標値なのですが、これではだめだと。やっぱりスタートダッシュをかませようと、出だしが大事なのだということで、実は内部的にはこれよりも高い目標設定をしたのです。仮にそれは達成されなくてもいいよと言ったのですけれども、やっぱり職員は頑張るのですよね、そういう目標設定しますと。高い目標を目がけて頑張ります。そのお陰があったのではないか、やっぱり職員の頑張り、これが一番だろうと思っています。
 それから、二つ目は同じタイミングで東京が独法化しました。東京に負けるなということを私は盛んに言い続けました。東京に負けないようにやろう、岩手の底力を見せようよと。この二つが多少、浪花節的なところも入っていますけれども、結構大きくこの成果に結びついたのではないかなというふうに自己評価してございます。
 それでは、ここから主な成果例を5点御紹介してまいりたいと思います。
 初めに、競争的外部資金の獲得でございます。これは主に経済産業省とかNEDOとか、それからJST、ああいうところの競争的外部資金。これは全国から応募があって、それが審査されて採択されます。採択率というのは通常、だいたい20%ぐらいでございますが、これを見ていただきますと、これだけの採択率になっています。私が赴任した平成14年というのは、ここに書いていませんけれども、わずか800万円でした。800万円、1,100万円からこう始まりまして、ここで独法化を決断されたわけですけれども、それで独法化したのが平成18年。ここで1億円を超えたときは、私は本当に驚きました。こんなにとれたのだと。
 ここは目標設定したところで、とれるかとれないかわかりません、競争ですから。あえて目標値は設定せずに、まあ1億円並みならいいよと言ったのですけれども、何とここまで上がったのです、2億3,000万円。これは当然ながら非常に高い数値です。なぜこれを高いと言えるかといいますと、1億円を超えたときに岩手大学の平山学長と話すチャンスがあって、岩手大学はどうなのかなと聞いてみたのです。私どもは約10億円のお金を使っていて、人件費まぜてですよ。1億円とったということは約1割なのですね。岩手大学は120億円を使って、12億円とっているのだそうです。約1割なのです。同じ1割ではないか。岩手大学は地方大学として頑張っているのだと、それにも並ぶということは、これはすごいですよ、斎藤さん、と言われたのが、この金額です。
 それから、これを見ていただくと、ここから分析がきちっとしているのですけれども、当センターに直接入ってくるお金と、私どもが提案書を書いて企業さんにそのまま行くお金というのがあるのです。それも私たちの努力という、このグリーンのところですけれども、数えてございます。これがどんどん、どんどん広がっていっているのです。提案書を書いてプレゼンテーションをして、審査員の前でどんどんやってあげる。もちろん企業さんと一緒ですけれども。そして、そのとれたお金は私どもには一銭も入ってこないで、そのまま企業さんにいくという、そういう補助金の制度があるのです。そういうものにもどんどん応募していくということです。
 では、なぜこれだけのステップアップができたのだろうかというので、私はこれだと思っています、チャレンジャブルな組織風土が醸成されつつあるのだというふうに思っています。
 もともと研究員の質の高さがあったと思っています。ところが、岩手県の方は、私は、おしょすい文化と言っていますけれど、恥ずかしがりの文化があって、本当は優秀なのだけれども、いいよ、いいよと自分ではなかなか言わない。それを私らが言ってあげなければいけない。いいのだよと、これは十分、全国区の土俵に出してあげていいのだよと。
 なおかつ、当初この辺は研究員任せでした。研究員が自分で気がついたものを提案する。それでは提案書がなかなか磨かれないのですね。先ほども申し上げましたけれども、県と人事交流は進んでいますから、優秀な行政マンを当センターの企画部門に配属いただいています。そういう方に提案書を見ていただくのです。企画の応援というのはそこです。そうすると、研究員が見た視点とはまた違った提案書の書き方が出るのです。つまり、行政部門と研究部門のいいところを足した提案書がどんどん出るようになったのです。これが非常によかったのではないかと思っています。
 それから、副次効果なのですけれども、不採択でも研究員を評価してあげる。不採択になると、ぐっと落ち込む研究員がいるのですね。そうすると次が出ませんから。そういう研究員を激励してあげるというのでしょうか。それで、幸い県全体でABCの評価システムが立ち上がりましたから、あれに連動いたしまして不採択でも評価する。これをやりました。そうすると、どんどん恐れずに提案していくということで、この応募件数がふえていっているのはそのせいかなというふうに思っています。
 ただ、これは課題があります。後で何回も出てくるのですが、マンパワー不足。これがどんどん、どんどんいくということは、研究員の数が限られていますから、それだけ対応が今度は薄くなっていくのですね。そういう意味のマンパワー不足という課題は抱えてございます。その辺を課題としながらも、またここではもっととれたのですけれども、研究員がいなくてお断りしたテーマというのも2テーマほどここの中に実は内在しているという、そういうのもございます。
 さて、二つ目でございますが、当センターの研究でございます。これは平成19年度、全体が42テーマあります。それを一つ一つ御説明するのではなくて、その中から代表的なテーマということで1テーマ、県境不法投棄物溶融スラグの骨材利用というのをきょう御説明したいと思いますが、42テーマの中には、実は非常に重要な酸化亜鉛の研究とか、それから自動車プロジェクトとか、食品醸造の研究とか、こういう分野も広くやってございます。
 それで、本日これを選んだ理由は、平成15年から実はスタートしていまして、5年間研究をずっと続けてきたおかげで、ようやくこれが売れる研究レベルまで来たという御報告を兼ねてこれを取り上げてみた次第でございます。御存じと思いますが、こういう状況でございまして、私が当センターに赴任したときに、この負の遺産を何とかプラスの資産に変えられないかなということで、平成14年9月だったと思いますが、増田知事のところへ直訴しまして、この研究をやらせてくれと。ただうまくいくかどうかちょっとわからない。でも、これは何としてもやりたい研究なのですということで、環境生活部から予算を出してあげるということを言われてやってきている研究です。
 不法投棄物、これはセメントの原料として処理されるだけではなくて、実はセメントの原料となり得ない、例えば塩素分が入っているとか、そういうのもあるわけです。そういうのはこちらへ行くのです。溶融処分にいきます。こういうところでやっていただいているのですが、ここをやりますとこれが出てきます、溶融スラグ。この溶融スラグを土木材料として利用できないかと。ここがまず研究材料が二つありまして、一つはこの溶融スラグというのが無害成分なのか、有害成分なのか、これは一つ大きな研究材料でございます。それが判別して、もし無害だとわかったら、これに使えるのではないかと、出口をどんどん広げていく研究がございます。ここをやってきたわけです。
 その結果、一つの実施例でございますが、インターロッキング、これは歩道でございます。盛岡市の歩道に、既に平成18年10月なのですが、先ほどの研究でやったスラグを骨材に利用してここに埋めてあります。そして、このような立て看板を掲げました。これは情報公開という意味なのですけれども、このように書いてございます。つまり、安全ですということです。私どもの基礎研究で安全なことが確認できた。ただ最終的にフィールドでやる必要がありますよということで、この場所において試験施工を行っていますということで、この電話番号、何かあったらここに電話くださいという、そういう意味も含めて、負の遺産をプラスの資産に変えるのだと。これは研究の一つのアウトプットですよということで、必ず私どもの出口にはこの看板をかけるようにさせていただいております。
 さて、次のU字側溝ということです。これは御覧になった方々いらっしゃると思いますが、これはすべて県境の不法投棄の産廃でつくっています。産廃の入っている割合はここに書いていますが、30%入ったものでつくっているということです。それを平成19年5月に、これも盛岡市のところにこのように施工させていただきまして、このような看板を立てています。
 それから、これはアスファルト舗装です。滝沢村の県立大学に行く道路でございまして、その道路にスラグを入れたものと入れないものと同じようにやって、この状況を見ている。これは平成18月12月にやりまして、結果を見ているところです。
 このように5年たちまして、ようやく今出口が広がってきている。私どもで、あと1年でこれがどんどん商品化されていくのではないかなというふうに思っています。
 では、これが本当に売れるのかという話が当然ございます。それは算定済みでございまして、今ちょうど国土交通省なんかも再生品の利用をどんどん進めていますから、ある意味では、これはビジネスチャンスになります。それから、当然今使っている材よりもかなり安くつくれますので、そういう意味でもこれの業者さんとしてはハッピーでございます。
 私ども実はこれ5年たちましたから、この研究がどのぐらいの経済効果を生んでいるだろうか、もしこの研究をやらなかったらどうなったのだろうかということを実は試算してございます。それはもしこの研究をやらなかったら、この溶融スラグまではできるのですけれども、これは有害か、無害がわかりませんので、一応これ産業廃棄物のたぐいですから、再びこれは管理型の最終処分場に埋め直さなければいけない。当初の計画はそうだったのです。これをまた産業廃棄物として埋め直す。この埋め直す費用というのは莫大です。そういう意味では、埋め直す費用が削減できたというので非常に大きな効果を生んでいますし、これが商品価値を生んでいきますから、その商品価値を足しますと、私どもの試算では年間1億円と思っております。これはずっとこれから続いていきまして、今度はこの成果は、県が今九戸につくろうとしている第2クリーンセンター、あそこにこの成果が生きてまいりますから、あれがずっと続いていく限り、今度は成果を生んでいくということになろうかと思っています。
 さて、二つ目の事例でございます。今工業系の事例を一つ申し上げましたけれども、今度は食品系の事例でございます。これは支援業務で、研究開発というよりも研究開発が終わって、それをどうやって販路開拓、販売に向けていくかという、そういう事例でございまして、これは当センターの技術相談からスタートしていまして、共同研究をやって、特許もつくり、新製品ができた。ここまでで大体とまっていて、ここから企業さんにお任せしているという、そういう商品が多かったのですけれども、食品関係の企業さんというのは小さい企業さんが多いですから自分たちで販路を開拓したり、それからこの味がいいのか悪いのかというのを自分たちで自己評価できないのですね。
 そういう意味で、出展企業18社、この18社はすべて私どもと関係した企業さんに集まっていただきまして評価者というか、味の専門家、料理の専門家に来ていただいて、そこから支援機関、この企業を支援する機関として、当然マスコミにもおいでいただきました。そして、センター発の食品見本市、これを初めてですけれども、やりました。出展者、評価者はここに書いてございます。
 それで、これは岩手放送やほかのマスコミでも大きく取り上げられましたので、御覧になった皆さんがいらっしゃるかもしれませんけれども、ちょっと動画で取り込んでまいりましたので御紹介したいというふうに思っています。
(ビデオ上映)
 これは当センター発の見本市は初めての試みだったのですけれども、これは私がやりなさいと言ったわけではないのです。企画デザイン部がみずから企画してやったということです。そういうような風土ができ上がりつつあるというところに私は非常によかったなと思っている次第でございます。
 さて、成果例の4点目ですけれども、サービス業務について事前に企業の方に幾つかアンケートをしていますので、こういうサービスをやってほしい、ああいうサービスをやってほしいというので、こういうサービスを新設してあります。
 その中で、この料金後払いというのは、これどういうことかというと、今までは県証紙を買っての前払いなのですね。これは私も企業感覚からすると非常におかしいなと前々から思っていたのですけれども、これしかできなかったのですが、独法化したことによって、例えば、設備を借りに来たら、借り終わってからお金を払ってもいいですよと。それは現金でもいいし、銀行振り込みでもいい。企業の方がやりやすいようにやってくださいと、そういう仕組みに変えました。これは非常に好評で、1年目で71%、今はもう90%ぐらいこちらに移行してございます。
 それから、機器の外部貸し出し。今までは、設備はここのセンターにあるのですが、全部設備を借りに来なければいけなかったわけです。設備の移動は禁止されていました。ところが、岩手県は非常に広いですから、県北・沿岸の方は遠いです、当センターに借りにくるのには。
 それからもう一つ、工場で使いたい設備というのがやっぱり当センターにあるのですね。工場に持っていって、工場の流れをずっと見たいというのがあります。そういう意味では、独法化したことによって機器の外部貸し出しというのをやりました。特に売れっこは高速度カメラというのがあります。これは工場の中での製品の動きをずっと撮っていくのですけれども、それが人気があります。
 それから、出前セミナー、これも県北・沿岸、遠いところはいちいち来るのが大変だからセミナーを現地でやってくれと。講師はそこに来てくれと。これはその様子でございます。
 それから、当時はやってくれと言われていたのですけれども、あまり人気がなかったもの。これは人気度をあらわしているのですけれども、この二つがありまして、これは当時アンケートしたときにアスベストというのが非常に大変でございまして、私どもは一生懸命やったのですけれども、待ち行列が結構あったのです。1カ月ぐらい待ち行列かかっていましたから。それで、期日指定依頼分析をやってくれと言われたのですけれども。今は大分緩和されてきまして、かなりスムーズに流れるようになったので、あまり要求が少ないかなと。
 研究員派遣もまだまだ私どものPR不足もあったかなと。これは有料でございますから、そういう意味でもちょっとまだまだPR不足もあったかなというふうに思っています。
 それから、成果例の5番目です。予算と組織の柔軟な運用。私は、やっぱりこれが一番やりやすいですね。予算の繰り越しが可能になったことと、予算執行科目の融通性ができる。トータルの予算オーバーはもちろん許されることではないのですけれども、その中で自由に回せるということなのです。
 これはもともと予算をつくる時期というのが1年ほど前から作り出しますから、ずれてくるのは当たり前なのですね。そのずれに対して、今までなかなか内部で独自の補正ができなかったことができるようになったことが非常に大きいです。
 それから、設備でございます。これはこういう設備に対して修理が事前にできるようにもなりました。それから、随時の契約ができるようになりますし、入札も非常に早まりました。外部のマンパワーの活用もできるようになりました。こういう意味で、柔軟な運用ができるようになったということで成果が上がってございます。
 それでは、企業さんは一体何と言っているのでしょうか。独法化したことは御社にとっていかがでしたかと、これ以外にいっぱい質問事項があるのですけれども、これをやったタイミングがちょっと早かったなと思っているのです。独法化してまだ1年もしないうちにアンケートをやりました。その結果、案の定、どちらとも言えないというのが一番多かったです。これは私ども周知不足だったというふうに思っています。
 ただ、悪くなったという会社は1社もないという、これはまあ、追い風ではないかと。今度、2月に入ったらまたこれやりますから、そうすると今度は2年近く経た後のアンケートになりますから、多分これがぐっと出てくると思っております。
 それから、職員はどう思っているのだろうかということなのですけれども、職員の満足度調査というのを2年続けてやっています。平成18年と平成19年の対比で書いていますが、これは5段階の評価です。とても満足、満足、ここに普通というのがありまして、それから、不満、とても不満と5段階評価ですけれども、まあまあいいかなというのが平成18年と平成19年の変化はこうでございます。それから、不満というのはこうなっていまして、私どもとしては、満足度は高まってきているのではないかと、モラルアップもできつつあるのではないかというふうに思っております。
 その理由として、ある意味では職員が書いた生の声といいますか、現場の予算執行がやりやすくなったから、支援業務や研究成果が企業、県民に役立ち感謝されているからと、こういうふうに書いている人もいますし、それからここに書き切れなかったのですが、仕事にやりがいは感じているが、もう少しゆとりを持って仕事に取り組みたいとか、組合の活動が活発化し、職員の意見が反映されるようになったとか、そういう意見なんかも幾つか出てきています。
 それでは、外部評価なのですけれども、このような県が定めた外部評価委員会というのがございます。この専門委員のお二人を除いて、この5名の方は県立大学の評価委員と同じでございます。海妻委員を委員長とする評価委員で評価をいただきまして、これは平成18年度の当センターの評価結果でございます。
 これはこの項目です。県民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項、これ幾つか小項目がいっぱい出てくるのですけれども、この項目、この項目、この項目、この項目と、四つの項目についてそれぞれ評価がされまして、総合的にこういう評価でございます。
 評価は、これまた5段階になっています。このAというのは上から2番目です。この上にAAというのがあります。特別すばらしいというのがAAとあります。Aというのは計画が達成されているというレベルでございます。この下にBというのがあって、これは80%達成されているものがBです。それから、60%達成されているのがCでございまして、Dはそれ以下、こういう5段階の評価でございまして、その中でスタートだったのですけれども、上から2番目の評価をいただけたというのは、ある程度当センターの実績、成果を見ていただけたのではないかというふうに思っております。
 それから、財務状況でございます。これは平成18年度の財務状況で、決算額を収益と費用と利益剰余金という形で書かせていただきました。この利益剰余金につきましては、全額、目的積立金で使うことを認めていただいておりまして、では目的積立金とは何に使うのだということなのですけれども、これは企業支援の充実強化並びに組織運営及び施設設備の改善に充てるということで中期計画に決められてございます。
 具体的には何かというと、装置の修理でございます。稼動率が高くて、故障されたら困るという設備があるのです。そういうのを早目、早目に修理しなければだめなものですから、そういう装置修理。それから設備の購入ですね。それから特許の出願。特許をどんどん出していく必要があるのですけれども、その出願費用は当然かさんでいきますので、そういうのにこういうのを充てていくと、そういうことでございます。
 それから、効率化係数について、こういう設定をしたということは、先ほど御説明してありますが、これはどうなのだと。これは前年度、平成18年度に対して平成19年度はどうかという数字でございます。まだここに数字は出てまいりませんが、もう今は1月ですから、平成19年度の見通しぐらいはきょう申し上げたいと思って、見通しの数字をはじいてまいりました。その結果はここに書いてございませんが、この数字の2%は、少なくとも4.4%以上はできるだろう。それから、0.5%以上と書いてあるのは、これは0.9%以上はできるなと、そういうのが今のところの見通しでございます。
 それでは、最後でございますが、課題と今後の方向です。独立行政法人として1年10カ月ほどやってまいりまして、やっぱり課題はございます。その課題について、これからどういうふうに変わっていくかというのが非常に大きな問題だと思っております。
 まず独法は、先ほどからしつこいようですけれども、企業さんのためにやっていますから、企業さんの要求も千差万別でございます。ただ、私どもとしては一歩先の企業さんのサービスを実現してあげなければいけない。当初は相談できるのですけれども、その相談した内容がもっとコア技術をこういう商品開発に結びつけられるのではないかなと、そういうところへリードしていく必要がある。そのためには、企業様の御要望をちゃんと聞く必要があります。
 ただ、私どもの職員数の定数がありまして、対応にも限界があります。選択と集中を進めています。それから、臨時職員などでマンパワーの補強もさせていただいています。ただ、必ずしも十分ではありません。それで、県内外との連携強化というのが大きな課題だと思っています。
 既にこの課題は私ども認識しておりまして、私どもが言い出しっぺになって、例えば北東北連携ですね。他県、すべての県に公設試験研究所がございますから、そことダブったことはやらないようにしようとか、いろいろな設備を共有化、一緒に使えるようにしようとかやっています。それから中東北連携ということで、やはり私どもが言い出しっぺになっていますので、宮城県、山形県と組んでいます。すべて岩手が言い出しっぺになって、東北の他県と連携を深めています。当然、岩手大学とも強い連携で結ばれていますし、県立大学にもお世話になっています。岩手大学では先生と仲よくなって、ある意味では、卒論の面倒をうちで見てあげるから学生をうちによこしてくださいよと言うと、先生が学生さんをよこしてくれます。そうすると学生さんに手伝ってもらって研究開発を続ける、そういうこともやっています。そういうことで対策を打ちつつありますが、ちょっと限界はあるかなというのが今のところでございます。もう少しここから先はドラスティックな連携が必要かなということなんかも考えているところでございます。
 それから、二つ目ですけれども、公設試の存在価値ということです。この存在価値が全国的に下火になってきますと人を減らされたり、予算を減らされたり、そういうのが他県で非常に見られます。そういうふうになってはだめなのだと。やはり存在価値というのを常に高めていくような経営が重要なのだと。では存在価値とは何だと。
 例えばということなのですけれども、このグラフは年間で当センターに来所していただく人数を数えたものです。4年間で1.5倍になっている。当センターに来ていただくお客様の数がふえていくことはこのセンターの価値があるということだろうと。だから、この人数をちゃんと数えていこうということで、私が赴任したときからずっと数を数えていたのですが、ここでばっと上がっていきます。ただこれも、お客様が来ても研究員が出払っていていませんという状態を繰り返しますと、来たっていないではないかという話になりますから、やっぱりここにまた職員数の限界というのが出ています。ただここを高めていけばいいという問題ではないということです。ただ存在価値としては、この数というのが非常に重要なバロメーターであるということをまず申し上げたいと思います。
 それから、外部に目立たぬ支援業務が6割ぐらいあると。例えば先ほど技術相談というのは無料でやっていると申し上げましたけれども、あれを有料でやっている県もあるのです。ただ、私はこれは有料化するべきではないと思っています。相談に来るときに最初にお金をとるのでは、みんな来なくなりますから、それはやるべきではないと思っていますので、うちは無料なのですけれども、もし他県並みに有料にしたら、どのぐらいの価値を生んでいるのだろうかと数値化をして対応していくということなのです。
 それから、いろんな委員会の委員にもなっています。それから、審議会の委員にもなっています。ああいうのも、ほかの委員の方はお金を謝金としていただきますけれども、私どもはいただいていないケースが多いです。もしほかの委員並みにいただいたら、それはどのぐらいのお金の価値を生んでいるのだろうかと、そういうものを数値化していく。これを私はバーチャルマネーと言うのです。実際に入ってくるのはリアルマネーというのですけれども、そういうのも当センターの存在価値としてはきちっと数値化していかないと、それに対応している職員が今度は浮かばれなくなってくるのです。競争的支援をとってくる人だけが褒められるのでは、これは浮かばれませんから。そういうところの職員も浮かばれるようにするためには、これもちゃんと数値化していこうと。これ実は平成18年度のやつをさかのぼってやってみました。約1億円ありました、これは、当センターでありました。
 それから、金銭の大小ではない評価、これもあるのですね。独法化したから、金銭が高いところだけ支援すればいいのだと、そういうわけにはいかないのです。いわゆる街の発明家のような方も2日に一遍ぐらい来られる方もいらっしゃるので、そういう方たちの声もちゃんと聞くことも重要ですから、そういう人たちに対しても評価もちゃんとしていく。
 それから、県政課題ですね。これついて、我々はある意味では技術研究という切り口での支援部門なのですね。そういう意味で県政課題も真摯に対応していく、そういうところへの評価をどう考えているか。
 そして、これは外部評価委員会でも言われたのです。いろいろやっているのですけれども、広報戦略がちょっと甘いねと。もうちょっと広報戦略をやったらどうか、マスコミにPRしたらどうかと言われています。そういうことで、これも平成19年度の事業計画に反映しまして計画をつくりながら、こういうタイミングでこういう広報をやっていこうというのをやりつつありますけれども、まだまだ十分ではございません。
 最後はここでございます。安定した独法経営、支えるのは職員。これは私の言葉なのですけれども、やっぱり人なのです。組織は人です。人がやる気にならないと絶対に動かない。これは私の信念でもあります。そういう意味で、これがやっぱり重要です。職員のモチベーションアップ、職員のモチベーションアップをそがないように。ということは、やっぱり意見を聞くということが非常に重要だと思っていますし、独法化はいいところがいっぱいありますから、もっともっと浸透させながら発想の転換につなげていく。
 では、職員のモチベーションアップで何か事例がないかなと、これは七夕飾りの写真です。私はチャレンジャブルな組織風土づくりというのが一つの願いだったのですが、もう一つ、自由闊達な組織風土づくり、つまり明るい組織でなければだめだと。研究活動はともすると暗くなりがちなのですけれども、明るくなければだめ。そういう意味で、当センターに親交会という職員独自の集まりがあるのです。その親交会が、季節感をもっと出しましょうと、5月に立派な五月人形を飾り出したのです。どこから持ってきたのと言うと、もう子育てが終わって家に眠っているのがいっぱいあって、それを職員から貸してもらって飾りましたと言うのです。立派な五月人形を飾りました。七夕になったら、竹飾りがあるのです。理事長も願いを書いてくださいよと言われて、私もつるしたのですけれども、ちょうどこのタイミングで達増知事がお見えになったのです。職員が知事も何か一言、せっかくですから飾ってくださいと。そうしたら達増さんは、ささっと書きましたね。希望王国岩手の実現、達増拓也、と書きましたので、それでここに飾らしていただきまして、かなりの職員がここに願いを書いて、そういうのもやりまして、これもある意味ではいいことではないかというふうに思っています。
 それから、今はちょうど文集づくりというのもやろうかと。みんなが暇なときでも、自分の思いをつづったり、詩を書くのが趣味の人もいるから、そういう人の詩をみんなで共有するのもいいのではないのかと、こういうこともやっています。
 ただ、先ほど来、何度も申し上げているのですけれども、当センターの課題で、人の話なのですけれども、ちょっと参考にこれをつくってみました。これは平成18年の、年に1回公表されています、東北6県の工業系公設試の所員数、職員数というのがありまして、このとおり岩手県が最少です。最少の割には頑張っているかなと、これも自画自賛かもしれませんけれども。という思いでございます。
 これは私から言わせると、ここについている企業さんの数、どれだけの企業さんがお客さんになっているかでこれが決まるものだと私は思っているのです。福島県なんかは結構企業の数が多いのですけれど、センターを利用している企業さんになるとぐっと少ない。その割にうちは、お客さんが多い割には、職員が頑張っているなというふうに思っています。
 これもご参考なのですけれども、他県の独法化状況ということで、私どもが全国で初めて独法化したために、全国47都道府県から私どもの状況を聞きにまいっています。県議会からも来ています。県の方もおいでになっています。公設試ももちろんおいでになっています。合計47都道府県のうち32県から何らかの形でお見えになっています。そして、その相談件数が44件、140名の方がおいでになっていまして、当センターの独法化がうまくいっているのか、いってないのか。どういうふうにしてプロセスを踏んで独法化したのか、そういうのを調査しにまいっています。
 この中には、農林水産系の方もいらっしゃいます。やっぱり工業系だけではなく農林水産系でも必ずメリットがあると、私ももちろんそう思っています。独法化予定として、こういうところがあります。青森県は、そういう意味では農林水産系を含めて独法化を検討しているようでございますが、岩手県にも農業研究センターという、私どもよりもずっと所帯の大きい研究機関がございますが、ここは独法化すべきではないかと、私なりには思っています。なぜならば、職員数が多ければ、それだけオーバーゲートが少なくて済むのですね。分割損が少なくて済みますから、もっともっと効果が大きく出るはずだなというふうに思っています。
 初めてやるときは確かに大変なのです。ただ、私どもの生きた事例がありますから、それを参考にしていただくことによって、もっと苦労をしないで独法化できるはずです。そういう意味で、岩手県の一番バッターでございますけれど、私どもの成果がほかの研究機関に生かされることを私は切に願っている次第でございます。
 最後になりました。独法化の狙いは企業様の支援の強化にあります。気軽に相談できる機関として、行政と一体になって、ここを強調したいですね。行政と一体になり、産業振興と県政課題の解決に貢献させていただきたいと思っています。
 独法化のメリットを最大限に生かし、喜んでいただけるようなサービス向上に努めたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
○亀卦川富夫委員長 どうもありがとうございました。ただいまの説明に対し、質疑、意見等はありませんか。
○伊藤勢至委員 第1番目に御指名をいただきましてありがとうございます。最初に、理事長さん以下職員の皆様が御奮闘いただいている様子がよくわかりまして、敬意を表したいと思います。
 その中で、本県の重要課題の一つであります県北・沿岸振興という部分がございます。工業技術センタービジョンの御説明がありましたが、どうも海という観点が一つ欠けておったかなという思いがいたした次第であります。海は、30年ほど前から200海里という問題が施行されましてから、沖合370キロが言ってみれば日本の領海であります。したがいまして、岩手県の場合は岩手県の県土のさらに1.5倍ぐらいの海が日本の領海としてあるわけでありまして、そこの海に対する研究という視点がどうも欠落しておって、これは内陸の方々の特徴であります、高松の池が海だと思っている考え方ではないのかなと思ったところであります。
 実は、海岸は470キロでありますが、海岸線は740キロ、大変広大なものを持っているわけであります。その中で、海と言いますと水産漁業というふうにとらまえられがちでありますが、もちろんそれも重要なことであります。例えば漁業系廃棄物、カキ殻の問題とか、ウニ殻の処理の問題、いろいろあるわけでありますが、それはずっと継続しての問題です。ただ、ここにまいりまして10年ほど前から燃料電池という問題がよく取りざたされてきまして、ここに来ていよいよ水素燃料の自動車が実証試験で走り出している状況にあります。
 そういう中で、何年か前だったのですけれども、岩手大学の熊谷教授の長年の研究によりますリチウム電池、これは携帯電話の電池、あるいはパソコン等の電池には向いているということで、いろいろ研究されてきたわけでありますが、その成果を宮崎県が通産省の支援を受けて先取りをして、そして海水からの採取を始めたと。そして、そこにすぐに松下電器産業が入りまして、大量生産を始めまして、今相当量の流通になっているわけであります。本県は黒潮と親潮がぶつかり合う格好の研究フィールドでありまして、宮崎の海よりは―黒潮、親潮、どちらにリチウムがいっぱいあるかわかりませんが、そういう意味で格好の研究フィールドであったもの、そこでできたものを、なぜ他県に利用されるのだという思いがずっといたしておりました。
 さらに、同じ岩手大学の森教授の研究によりますと、将来の自動車の車体は恐らくマグネシウムになるであろうと、こう言われておられます。このマグネシウムも土中にはいっぱいあるのでありますが、もっとあるのが海水中にあるということでありまして、そういう研究をやるフィールドがあいていると、私はこう思っております。
 そういう中で、日本の領海というのを主張するために、日本がようやっとこのごろ気がついてまいりまして、例えば竹島の問題、尖閣列島の問題。これは、北朝鮮や韓国が来ていろいろいたずらをしていますけれども、いまだに日本は明快な領土であるという線を打ち出せないでいるわけですね。これを調べていきますと、明治8年の閣議で、竹島は日本古来の領土であることを決定したから日本の領土だと、全く日本向けだけの話なのですが、そういうものを裏づけるためには、しっかりとした海洋調査、海底調査、そういうものを積み重ねてきて、だから日本の領土だと、こういう説明ができるということにようやっと気がつきまして、日本はここ五、六年前だったでしょうか、1,000億円の予算をつけて海洋調査に取り組もうと乗り出したわけです、全国5カ所でありますけれども。そのとき私は県に対して早く手を挙げろ、三陸沖も格好な研究スペースになるから挙げろと言ったわけでありますけれども、既に新聞に出たときではもう遅いのですね、動き出しておりますから。
 そういう感覚で、業者支援と言いますけれども、むしろ県のほうなりセンターさんのほうから、県北・沿岸振興、岩手の振興という部分で、海をもっと使うべきだというお考えをお持ちいただいていると思うのですけれども、何かのアクションがあればということなのかもしれませんが、そういう観点でぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 実は、ニュートリノの学会を宮古で開いてもらったときがありました。例の小柴先生がノーベル賞を受賞されましたね、ニュートリノ。地球を突き抜けてくる原子というか、分子があるのだそうでありまして、国内の40名ぐらいの物理学者が集まりましたときに、岩手県の沿岸のフィールドというのは研究フィールドにはなりませんかと言いましたら、ある学者先生は、岩泉近辺の地層は非常に硬くて、バックデータ基地には十分なり得る、そういうことをおっしゃっておられました。
 そしてまた、研究というのはどこの地にあってもできると、フルタイムで情報は入手できる。ただ、専門書を扱う本屋さんがないのが残念だと言っていましたけれども。そういうことを含めまして、岩手県の未開の部分といいますか、水産漁業というふうにしか見ていない海にもっと目を向けていただいて、特にも海底資源という部分がこれ膨大にあります。今アメリカでは燃料の問題についてエタノールということを言っているようでありますが、これは大変危ないと思うのです。人間が食うものを油に回すと、人間はガソリンは食えませんから、石炭も食えませんから。人間が食うものからそういう燃料をとっていくということは、非常に将来的には危ないのだなと思うのです。
 そういう中で、海水、あるいは太陽光を利用しての、マグネシウムとかけることによってといいますか、強大なエネルギーが出るという研究もあるようでありますし、そういうものに向けてぜひお取り組みをいただきたいと思うのでありますが、いかがでございますか。
○斎藤紘一参考人 伊藤委員、ありがとうございました。今のお話を伺って、二つの視点でお答えしたいと思っています。
 一つは、私の説明のビジョン図に、海の視点が抜けていないかと。確かに抜けていますですね。絵にはかいていないにしても、せめて口で言うぐらいいいのではないかというふうに思っています。では、海の視点で何もやっていないかというと、実はいろんなことをやっているのです。
 今回の一つの事例としてもこっちもやろうかなと思ったのですが、実は藻礁の研究というのをやっていまして、海底に魚が集まるような藻礁、これを今フィールドテストやっている最中なのです。広田湾のところに埋めて、魚が非常に集まるようになりまして、そういう研究の成果も、きょう発表しようかなと思っていたところなのですけれども、そういう話とか、それから今お年寄りに燕下食というもの、これは大体魚が中心なのですけれども、魚の骨をもっと柔らかくしながら、燕下にかかっている方でも飲み込めるような、そういう食品開発ですね、それなんかも今やっている最中なのです。これは県立大学などと協力しながらやっている最中です。そういうのが私のプレゼンで全然出てまいってなかったものですから、ちょっと関心がないのではないかと思われても仕方がなかったかと思っています。そんなことはないのです。ただ、今委員がおっしゃった視点で、これからもう少しプレゼンなんかも気をつけたいなと思っています。
 もう一つの視点なのですけれども、リチウム電池のお話とかマグネシウムのお話がございましたですね。これは確かにおっしゃるとおりなのですけれども、私どもの研究員の数というのがございまして、リチウム電池をやるためには電気屋とかの関係が必要ですけれども、今は酸化亜鉛の研究にその全員がかかっているのです。今は世界と競争していますので、これを立ち上げることを第一優先にしようと。選択と集中なんですけれどもね、これをやろうと。
 それからマグネシウム、確かにマグネシウムの研究をそろそろやらなければいかんなと思っているところなのですけれども、これまた材料の、金属関係のものが、今ちょうど大型の研究に取りかかっていまして、研究員がそこにはけないのです。せめて新しい情報は持ってこなければいかんということから、マグネシウム研究会に研究員を派遣していまして、新しい情報の吸収だけはやっていて、いつでも取りかかれるような、そういう体制はつくろうと、そういう観点でやってございます。
 そういうことでございまして、海も一生懸命やらせていただきますし、こういうような研究についても、次のステージで何とか考えたいなと思いますので、よろしく御支援をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○伊藤勢至委員 海を忘れていないということで、安心したわけでありますが、岡山工業大学で山の上でマグロを飼うという研究をやっておられるようでありまして、つまり海水の海水たるゆえんを突きとめたと。これは工業秘密といいますか、企業秘密といいますか、明かさないようなのですが、そういう山の上でマグロの養殖ができると、海水の中で養殖をするよりはストレスがかからなくて非常にいい肉質のマグロができる、そういうところまで研究が進んできているように聞いています。そういったことも含めて本県の沿岸、県北、この部分を立ち上げさせるためには、どうしてもやっぱり海との関係が重要でありまして、ぜひお力をいただきたいというふうに思います。
 関東自動車の社長さんと10年ぐらい前にお会いしましたときに、県北・沿岸に何もないのでありますが、1ドル要りませんから、ハンドルぐらいでもいただけないでしょうかと言ったのです。何だそれはと聞いていましたが、日本丸とか海洋丸の舳先についていますマーメイドですね、これは槐の木でできておりまして、日本で産する木の中では一番堅い木と言われております。したがいまして、ハンドルをつくって、ジャストインタイムですから、何も北上近辺でつくらなくてもいいのです。宮古あたりでつくって、下閉伊なのですけれども、下閉伊で槐のハンドルをつくって、ジャストインタイムで送っても物になるのだというふうに思います。そういう眠れるものもありますので、ひとつ御活用いただきながらさらなる研究をお願いして終わります。
○佐々木大和委員 ここにいろいろ独法化の成果を拝見しまして、すばらしいものがあがってきたなと思っておりました。私も前に醸造の方で、桜井さんでしたか、マツタケ酒をつくるときに地域の組合等が支援をいただきました。いろんな段階で、第一段階の商品はもう出ていますけれども、これからまたいろんな展開があると思います。
 そういう中で、工業技術センターといえば、超伝導のイメージがあるのですけれども、それはどんな流れになっているでしょうか。その辺をまずお伺いしたいと思います。
○斎藤紘一参考人 結論から申し上げますと、やめました。それは選択と集中ということを考えていまして、私が来たときに、そこに研究員が2名割かれていました。そして、隣に国から来ている機関もあって一緒にやっていたのですけれども、なかなか出口が見つからなかったのです。それで職員にも、国の機関にも言ったのです。あと1年待つ。あと1年で出口の手がかりが見つかったら続けましょうと。見つからなかったらやめましょう。そういう約束をして1年間たちました。その結果、出口が見つからなかったのです。そこで、その2名の研究員を別な内部に引き揚げまして、今はやっていません。
 その判断が正しかったかどうかというのは、私自身まだよくわかりませんけれども、そのときはそう決断をさせていただいたということでございます。
○佐々木大和委員 私らも議会の方でも何回か見学もさせていただきましたし、実際あそこでやってみたこともあったのですけれども、やっぱりこの研究というのは、そういう判断が必要なのだろうと思いますし、次にどういう形でそれらが出て来るか、もちろんわかりませんが、次のものをまた見つけていただければいいのだと思います。それは人材との関係でしょうから、ぜひお願いしたいと思います。
 岩手県の場合、特に面積も大きいわけですし、四国の8割ぐらいですか、1万5,000平方キロもあるのですが、さっき話が出ましたように、花崗岩地帯も多いのですが、特に地下資源の開発というのは、いろんな期待があるのですが、実は大学でも岩手大学もあまりそっちではなくて、秋田のほうがメーンだったですね。県の職員の方々に聞いていましても、秋田の工業大学出身というのはやっぱり何人かいますね。
 私は、今の時代に期待されるのは、地下資源の中に相当期待できるものが見えてきているのではないか。学問の進み方はわかりませんので、先生のほうでその辺を見ながら、私は岩泉なのですけれども、まさに一番古い地層のところにありますので、日本の場合そうだそうですが、そういうところの地下資源にもう一度チャンスが来ているのではないか。これまでもこの岩手県が産業分野でよかったのは松尾鉱山もそうですが、岩泉方面では日本粘土がありましたし、ラサ工業がありましたし、そういう意味で、日本の産業の一翼を担う時代は、地下資源というのはかなり重厚長大時代の成果はあったと思うのですが、今度は希土類も含めて何かそういうものの開発ができないものかなという感じを全く素人の目で思っているのですが、その辺はいかがなものでしょうか。
○斎藤紘一参考人 ただいまの佐々木委員のお話の地下資源も、私自身はよく調べていないのではっきりわからないですけど、多分いろんないい資源が眠っていて、研究材料としてはやらなければいけないのではないかなと思います。ただ、先ほどの伊藤委員と同じのリチウム電池、マグネシウムと同じように、研究員の数の話になってくると思うのです。
 私は赴任した当時から、岩手が勝てる研究をやるぞと研究員の前で言っています。岩手が勝てるというのは、何で勝てるのだと。資源がたくさんあるもの、他県にないものなのだと。その中の一つに鋳鉄があるのだと。
 鋳鉄というのは南部鉄器から始まって、非常に岩手が勝てる技術であると。そこに対して、研究員が今すべて鋳鉄のサーメット関係の技術開発をやっていまして、それはちょうど秋田大学とか、秋田の工業技術センターと一緒になってやっているのです、まさしく。向こうにもその技術がありますので、一緒にです。これはある意味では、10年来の技術開発なのです。ようやく今市場に出始めているのです。非常に高く評価されていて、経済産業省からも補助金がついています、これに。そこに研究員がかかりきりになっているものですから、この地下資源のところまでは手が入っていない、目がいっていないのが実情でございます。
 委員のせっかくの御発言があったものですから、調べてみたいと思います、私どもでも。その上で、また次の研究課題とさせていただきたいなと思います。
○岩渕誠委員 大変貴重な話をちょうだいしてありがとうございました。何点かお尋ねしたいのですが、まず先ほど他の公設の研究機関との連携という話がありまして、先ほどから北東北あるいは中東北という話があったわけですが、岩手県内に農、林、水、畜産等の研究機関もありますし、また市町村でも持っているところは持っているのですが、そことの連携というものはどうなっているのかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
 先ほど広田湾での魚礁の実証試験のお話がありましたけれども、例えば間伐材を使って、しかも畜産の排せつ物を使って、そしてさらに工業的な加工を加えてということで、産業間のクロスオーバーというのがあって、そういう中での成果が生まれつつあるのなかと思っておりますが、産業を超えた連携というのが非常に大きいと思うのですが、その姿がどの程度かというのはちょっと存じ上げないものですから、その辺もし何かありましたらお教えいただきたいと思います。
○斎藤紘一参考人 岩渕委員ありがとうございました。私どもは当然なのですけれども、一番身近な研究機関同士の連携を強めていこうということでやってきております。具体的には、人事交流までやっているのが農業研究センター、環境保健研究センター、ここは人事交流ですから、お互いの行き来という意味ではやっています。副理事長も農業研究センター出身でございますから、そういう意味での人事交流まで進んでいます。それから、林業技術センターさんとはペレットストーブの開発とか、チップボイラーとか、ああいうのを共同で開発するということもやっています。ただ水産技術センターさん、ホヤの研究のときに一緒にやったかなというぐらいでございまして、具体的な商品開発のところまでは、確かに水産技術センターさんとは、いっていないと思っています。
 ただおっしゃるとおりに、やる必要があるし、生工研さんとも醸造関係でつながっていますから、そういう意味では、かなり研究機関同士の連携は進んでいるほうではないかなというふうに思っています。ただそれを超えて、私がきょうプレゼンしたのは、もっと広域でやるべきではないかという視点で申し上げたものですから、身近なところをプレゼンから外してしまったことをおわびさせていただきます。
○岩渕誠委員 これは例があるのですけれども、例えばオゾンを使った研究開発をしているところが県内でもあるわけなのですけれども、物はつくったけれども、どうやって生かそうかということで大変苦労しているところもあるわけなのですが、農業分野でも使えるし、それから工業部門でも使えるといったときに、そのせっかくのシーズをどうやって、どの分野で咲かせようかというトータル的な産業コーディネートの部分がどうも研究機関トータルの中でちょっと見えてこない。これは県の政策の分野の話になると思うのですが、やはりワンストップで何かを持ち込まれたときに、研究機関同士の連携ができるような体制があると、さらに総合的に岩手の力というものができてくるのではないかというふうに思っているのですが、その辺、何か限界みたいなもの、あるいは現状でどうかというお話がありませんか。
○斎藤一也参考人 オゾンを使った研究開発のお話というのはちょっとまだ、先ほどの地下資源と同じで、私自身が勉強不足なところがあるのですけれども、連携を進めていく上でのネックとか何かがあるのかということに関しては、そんなに大きなネックはないかなと思っているのですけれども、先ほど最後に農研センターの独法化の話をちょっと言ったと思うのですけれども、やはり同じように独法化していただくと、もっとそういうパスは強まるかなと個人的にはそんな感じをちょっと持っています。
 それから、大学との関係なのですけれども、これは幸いなことに岩手にINSがあって、それから農業関係もありますから、そこに私自身も個人で入っていますから、いろんな話しやすさはあるのではないかなと思っています。
 ただ委員もおっしゃるように、もっともっとリーダーシップをとるにはどうしたらいいかというのが課題としてはあろうかと思います。それは大学がとる場合もあるし、うちがとる場合もあると思うのです。いままでは大学が主体だったのですが、今度は私どもがリーダーシップをとって、大学の先生を巻き込んでいくという、そういうスタイルがこれからも必要になるのではないかなというふうに思っております。これからも勉強したいと思います。
○岩渕誠委員 最後は要望になりますけれども、せっかく独法化のトップランナーでありますので、県内における産業、あるいは技術的な部分を束ねてですね、トータル的には産業コーディネートまで進んでいかれるようだと非常にすばらしい組織になるのではないかと思いますので、その辺はきょうは商工企画室長も来ていらっしゃいますので、トータル的にオール岩手の力を発揮できる体制をおつくりいただければと思います。終わります。
○斉藤信委員 理事長さんの大変説得力のある話、特に独法化で成果が上がっているというのは、私は素直に評価したいと思います。ただ、まだ2年弱ですから過大評価することもまだできないなと私は思っています。というのは国の研究機関で独法化になっているところはみんな困っているのです。国立大学法人というのは危機的状況で、県立大学もそうなのです。やはり中小企業の支援みたいなところと違って、ただ効率化係数で予算が削減されるところは、単純にそれで効率がよくなったというふうになっていない。全体としては大変厳しい。だから最後に全国で進まない原因はそこにあるのだと思うのです。
 県議会でも議論する機会がなくて、私は岩手の場合は拙速だったと思っているのです。このスケジュールを見ても、庁議の決定というのがもう先にあったのですね。庁議の決定があって具体化するという、その段階ではセンターでの議論はあったと思いますが、少なくとも第三者を入れたとか、いろんな形で研究した経過がなくて、もう庁議の決定が先にありきで始まった。
 神奈川の産業技術センター、ここも独法化を研究したけれども、ここは立ちどまったのですね。いわば神奈川の規模で独法化するメリット、デメリットを考えれば、決してメリットだけではないというのでね。岩手の大体倍ぐらいの規模だと思いますけれどもね。だから岩手が、先ほど言った人員、こういう小規模で独法化をやったというのは、一つの実験で、本当に5年、10年見ないと、本当にこれが全国のモデルになるかどうかというのは簡単に判断できないのではないかと、その点では大いに頑張っていただきたいと思いますよ。
 しかし、農業研究センターもそうした方がいいなんて言うのはちょっと言い過ぎで、農業研究センターは独自に内部で検討して、その結果、独法化になっていないというのが現実ですから。青森の方はわかりませんが、やはりこういう新しいパターンというのは、全国的な状況なんかもよく見てやらないと、2年弱のところで拙速には評価できないのではないかというのが私の意見ですので、評価をした上で、どこでもうまくいくということではないと。
 それで、二つ目に私がお聞きしたいのは、大変成果が上がっていて、相談件数にしても共同研究にしても、それはいいと思います。ただ、岩手の中小企業が元気になるというのが私は一つの目的、使命だと思います。ところが、岩手の中小企業はこの5年間で約3,000社減っているのです。製造業も減っています。一番減っているのは食品加工業です。ですから、工業技術センターのそういう技術開発とか共同研究が、岩手の中小企業を元気にするという点では1年、2年で成果が上がるものだとは私も思いませんが、岩手の中小企業の実態はかなり厳しいのではないかと。やはり中小企業が工業技術センターと一緒になって元気になるという、そういう点でどうなのかと。
 具体的にお聞きしたいのはペレットストーブなのですけれども、これは県議会でも繰り返し議論されているのですけれども、新エネルギーといいますか、環境対策を考えたらこれすばらしい発想だと、ただ残念ながら普及されていない。開発途上ではないかと、今の段階では。だから、これが実際に家庭にも使われる。さまざまな公共施設にも使われる。その点でいくと、やはり経済効率性その他を含めて、まだそこまで普及できる段階になっていないのではないか。
 増田さんは全国でうんと宣伝したのだけれども、あれは補助金つきで今こういう水準なのですよ。だから、これが本当に家庭にも普及できるような規模のところまで、公共施設にも普及できるようなところまで、市場の中で勝負できるところまでこれは開発しないと中途半端になってしまうのではないか。今、原油高騰で灯油がこんなに高い段階でも恐らく効率性からいったら、まだだと思うのです。1台あたりの価格も高いですね。せっかくここまで開発してきて、これがうまくいって、私は全国に波及するのだと思います。それは確実に21世紀の課題だと思うのですが、現状では補助金をつけても売れない、こういう段階にとどまっているのではないかと。
 チップボイラーなんかも、性能がよければ公共施設にどんどん入っていいのだと思うのですが、まだまだですよね。紫波の小学校とか、自治体でかなり意識のあるところは入れているのだけれども、そうでないところにまだ普及しないという現実のような気がします。
そういう点で、ぜひ市場で全国に普及するところまでやっていただきたい。そうすれば、本当に岩手が全国のモデルになるのではないかと。また産業としても大きな力になっていくのではないか。
 もう一つお聞きしたいのは、酸化亜鉛ですけどもね。岩手大学でも柏葉先生を中心に研究されている、工業技術センターも。東京電波は盛岡の工場をさらに拡張すると。いい話だと思うのですが、柏葉先生の話を年末に聞きましたら、まだまだ事業化までには道遠しと。ところが、補助金はカットされそうだという話を聞いて、私はちょっと心配してきたのですけども。今は重点研究課題にされているので、この酸化亜鉛の研究開発の見通し。そして、そういう途上で補助金を削られて研究開発がしりすぼみになるということにはならないか。きょうは室長もいますのでね、そういうふうにならないように、せっかくやっているのであれば、これが事業化といいますか、産業化するまでにどんな課題があるのか、そこらあたりをちょっとお聞きしたい。
○斎藤紘一参考人 今、斉藤委員から大きく3点お話があったかと思います。3点についてお答えさせていただきます。
 一つは、独法の運営が過大評価ではないか、安定した独法経営には少し時間がかかるのではないかと。おっしゃるとおりだと思っています。したがって、私の今回のプレゼンの一番最後にその旨をお伝えしたつもりだったのですけれども、安定した独法経営が課題なのだと。これにはやっぱり先生は10年とおっしゃいましたけど、それくらいの期間は要して、きちんと定着させていく必要があると思っています。
 先ほど神奈川の馬来さんの話が出たのですが、馬来所長さんも私の1年おくれで民間から来たのです。非常に親しいです。確かに委員がおっしゃるように、最初は独法ではない別の方法でと言ったのです。最近また変わってきまして、岩手がそんなにうまくいっているならもう一回考え直そうかというのが最新の情報でございます。つけ加えさせていただきます。
 二つ目でございます。ペレットストーブを例にとりまして、市場化支援のお話をおっしゃってくださいました。それがまさしく私どもが願っていることです。あのペレットストーブは絶対にいいと私は思っていますから、それを根付かせるために、研究はもうとっくに終わっているのですけれども、今でも、市場化支援のためにサンポットさんと一緒にいろいろと。例えば市場からクレームが来ますよね、数がたくさん出ていったら。そのクレーム対応なんかも実は一緒にやっているのです、今でも。そういう意味で、あれが売れるためにはどうするか。
 それから、メニューをふやしていくのも一つの手なのですね。2種類しかないのでは消費者の選択の余地がないですから、別なバージョンを今開発中なのです。そういうのも含めて、市場化支援をきちんと工業センターもやっていく。研究を途中で投げっぱなしにしない。このスタンスでやっていますので、委員がおっしゃる方向で今進めているつもりでございます。
 それから、三つ目は酸化亜鉛でございますが、今でもそうですけれども、私がここへ赴任して最大の研究だと思っています。一番県費を使わせていただいている事業でもあるのです。ですから、これを花開かせないでなるものかということでやっておりまして、今はちょうど試作品の完成が―多分世界で1番バッターですけれども、ちょうど今やっているところで、4月末ぐらいに企業の方に出荷できるスタンスまで来ていまして、それは紫外線センサーというやつです。これは柏葉先生がやっているのと比べて数はしれていますから、これが花開いてもそれほど産業振興に大きく寄与はしません。柏葉先生がやっているLEDが命なのです。
 このLEDというのは、来年1年が勝負時だと思っています。先生もそのつもりでいます。それに向けて私どもも、私は特別に商工労働観光部長と室長宛にレポートを書きまして、この酸化亜鉛の研究だけは予算を減らさないでくれということをお願いして、第一優先でつけていただいていますから、私としては精いっぱいのお金をつけていただけていると思っていますので、あと1年この柏葉先生の研究が企業さんを中心に花開くことに向けて、また頑張りたいと思っています。以上でございます。
○斉藤信委員 前向きな話をお聞きしましたので。ペレットストーブは、ぜひ家庭用で普及できるものも開発して、やっていただきたい。今何が人気かといいますと、まきストーブなのです、意外と。それも100万円ぐらいかけてやっている人が結構いるのです。だからそれにしてはペレットストーブは何で魅力がないのかなという感じが私ちょっとしていて、そこらあたりも含めてね。森林資源を活用するという、こういう点での資源エネルギーといいますか、環境対策といいますか、それとあわせて庶民にも魅力があるといいますかね。まきストーブはライフスタイルなのですよね。もちろん山があってまきがあるという人もいますけども、そこらあたりでは、やはり勝負できるものにぜひ仕上げて、今のままだったら増田さんの宣伝文句にもならないというふうに私は思っています。
 それで、次にお聞きしたいのは、効率化係数ですね。工業技術センターは共同研究も含めて、大変成果も上げて、6,491万円の剰余金も出したということで、効率化係数2%以上と0.5%以上なのですが、これは金額ではどのぐらいなのでしょうか。そして、4.4%でいけるよという、私はそんなに無理しなくていいのだと思うのです。貯めるのを貯めて、新たな研究開発とか、できれば東北で最低の人員ですから、マンパワーをふやしていくほうが効果が上がるのではないかと。私は2.2%の効率化でもやり過ぎではないかと思うぐらいで、余ったからもっと減らしますというよりは、人員の養成とか、もっと役割を大きくするとか、そういうふうにしたほうがいいのではないでしょうか。
 それと独法化で新たにかかる経費、これは私、議会で聞いたら確か2,000万円ぐらいだったでしょうか、監査の体制とかね。ちょっとその辺も教えてください。そしてその効率化の額ですね。
 それと技術相談がふえた、そして研究員の派遣もふえた。これは、職員はハードな仕事になっているのではないか。県庁の場合はサービス残業が横行しているのですが、恐らく独法化だと、厚生労働省管轄で始業時間、終業時間、これは管理されていますね。残業時間の実態と残業手当は100%出ているものでしょうか。そして、これだけ成果が上がっても、県庁と同じように賃金を下げるなんていうことになるのか、これだけ成果が上がっていてセンターは下げませんよ、上げますよと、そういう裁量があるのかどうか。いかがでしょうか。
○上野一也参考人 まず3点でございますけれども、最初に効率化係数、次は独法化によって増加した経費、それから三つ目が超過勤務等の状況ということでございます。
 一つずつお答えしてまいります。効率化係数によって削減できる見込みは、当初は4年間で1,300万円ほど。これは業務経費で2%、それから一般管理費で0.5%ということの中身でございます。総額で約1,300万円くらいということなのですけれども、単年度でまいりますと、400万円弱ということになります、その年によって違いますけれども。
それで、実績的にどうかということで、さきほど理事長がお話した額というのは、現在の見込みでいくと、大体単年度で660万円程度ということになっています。額的に少ない割に率が高いというのは、実は県の工業技術センターの場合、公務員型ですので、人件費については効率化の対象に入っておりません。ということで、一般の県職員の方々と同じレベルでの給与というのは、きちんと保証されるような形になっています。
 次に、独法化により増加した経費でございますけれども、当初、予算要求した時点では、1,367万8,000円。大きいのは、例えば独法化されることによって口座振替が必要になるということで、県の場合は支払っていない手数料がふえていることで300万円ほど。そのほかの役員等報酬とか、損害保険料等、役員報酬が約240万円、損害保険料340万円ほどということで、それらを足しまして1,367万8,000円ということになっていますけれども、決算額におきましては、口座手数料は要求時点では300万円以上かかるということで見ていたのですけれども、ファームバンキングの制度を利用することによって、その10分の1ほどに圧縮しております。
 また独法化によって、我々の方でいろいろ自由に動けるようになっています。例えば消耗品等の発注も自分たちでできるものですから、インターネットを活用して発注するとか、そういうことによって、この増加経費分はすべて吸収した形になっています。
 結果として、先ほど理事長からお話しいただきましたほどの剰余金を生み出しているということになります。何分県も厳しい状況でございますし、また我々の毎年の効率化係数によって、我々が達成しなければならない、クリアしなければならない額は決して簡単なものではございませんけれども、それをやっていくことが我々自身の使命であると考えております。
 それから、最後でございますけれども、超過勤務につきましては、やはり先ほど理事長がお話いたしましたように、マンパワー不足というのは否めません。しかし、それは県も同様でございます。必ずしも十分ではない人員の中で、どこの組織もやっている中で、もちろん産業振興は非常に重要であり、我々はその意味でここ数年来定数削減は実質的にほとんど行われていない、工業技術センター自体は。そういう状況であって、さらに成果を上げていかなければならない。成果を上げるとなればそれなりに人手もかかるのですけれども、それについては、例えば外部の資金を確保したときには、研究補助員を採用するとか、あるいは当然庶務的な業務もふえますので、そういった事務補助員を採用するとか、それらの数が実は12月末で22人ほどになっています。そういうふうな形で、できるだけ自分たちで動ける部分は動いていくようにしております。なお、超過勤務につきましては100%支給しております。
 賃金削減につきましては、我々は当然頑張っておりますし、成果も上げておりますけれども、そういう組織は県の中でもたくさんあるかと思います。我々は独立行政法人化されて独立した機関にはなっておりますけれども、公務員として、県職員と同じぐらいに頑張っていかなければならないという意識で頑張っておるわけでございます。ですから、そういったふうな頑張りは、ある意味で、我々は当然していかなければならないと思っていますし、それからもちろん頑張った人間は報われるということで、それについては評価の中で考えていく。しかも頑張った中にも、仮に成果が出ないとしても汗を流した人間は評価しなさいという所としての方針がございますので、そういう中できちっと手当てしてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
○斉藤信委員 上野さん、なかなか迫力のある答弁でした。私はリアリズムでお聞きしたいのだけれども、独立行政法人化ですから、恐らく厚生労働省の管理になっているのでしょう。始業時間、終業時間、タイムレコーダーか何かで把握をされているのか、これは100%出ているというから、私はこれは立派だなと思います。そこの確認の仕方を教えてください。岩手県は全然やっていないのですよ。サービス残業が蔓延しているので、独法化でやれるのだったら、県庁もやらなければだめだということで、私はお聞きしているのです。
 それで、頑張っている職員を評価するというのは、この成果主義はAとBはたった25%しか評価されないのですよ。それでは全く、賃下げの中で評価するといったって、これは逆評価みたいのもので、そういうところにいくと、職員の意欲を引き出すという点、これだけ頑張っていれば、効率化係数をふやしているのは立派なことだけれども、何かもう少し研究条件がよくなったとか。
 あと新たな研究施設設備、機械、こういうのは運営交付金とは別枠というか、毎年の運営交付金の算定にプラスして、そういう大型なものは措置されるというふうに見ていいのかどうか。
○上野一也参考人 2点でよろしいですか。タイムレコーダーについては設置しておりません。朝については、私が出勤したかどうかを確認しております。出勤簿は私の前にありますので。それから、超過勤務については、各部長の方がそれぞれ管理しておりますので、その報告を受けて、その金額について100%支払っているということです。
 県と違いまして、我々の場合は超過勤務予算もきちんと確保しておりますので―あの、県が確保していないということではなくて。
 いずれ、我々はきちんとお支払いしております。それは間違いありません。これは職員の人たちから聞いていただければわかることです。
 それから、二つ目なのですが、設備につきましては、今年度までは一部補助金としていただいている分がありますが、来年度からは全額運営交付金の中に組み込んでいただくようにしています。そして、それにつきましては先ほど理事長からも話がありましたけれども、もちろん県がこういう状況なものですから、設備とか機械とか購入する際には、十分精査して入れなければならないのですけれども、利益剰余金の中で生まれたお金でもって必要な修繕とか、あるいは場合によっては、設備購入等で足りない分に回していく必要があると思っています。
 なお、ただ建物等の大規模の修繕費等は、これは当然、我々の方で賄いきれませんので、それについては県の方に改めて予算要求していくことにされております。
○斉藤信委員 私はかなりシビアに聞いたつもりなのです。超過勤務というのは、厚生労働省の通知があって、始業時間と終業時間を客観的に管理者が把握しなさいと。これは厚生労働省通知なのです。独法というのは、厚労省所管にならないのですか、県庁と全く同じですか。
○上野一也参考人 いや厚労省所管です。
○斉藤信委員 そうでしょう、だったら指導されますよ、そんなことやっていたら。自分の目の前で判子をつかせて、帰りは管理職の把握なんていうのは、そんなのはだめなのです。始業時間と終業時間を客観的に記録するというのが厚労省の通知、これは理事長さん、ちゃんと覚えておいてください。それやらないと恣意的になってしまうのです。県庁はそうなのです。
 県庁は、課長が命令した分しか超勤として認めないのです、もっと遅くまで働いても。ところが、ちゃんと始業時間と終業時間をタイムレコーダーで記録していれば、これは間違いなく何時間働いたかわかる。そういうことはきっちりやりなさいと全国水準でサービス残業はやめなさいとなっているので、それだけ頑張っている職員に対して、これだけ仕事をしていれば今までの恐らく1.5倍とか働いているのではないか。県庁の感覚で100%払っていてもだめですよ、それは。
 そういうことで、ちょっと把握の仕方が正確ではない。あと最後の最後、理事長さんにお聞きしたいのだけれども、これだけ頑張っていればマンパワーはふやしていいのではないかと。今、厳しい財政の中でも成果も上げていますから。そういう要求はされているのでしょうか。また、ふやすとすればどういう研究分野というのが一番求められているのか。それだけお聞きして終わります。
○斎藤一也参考人 先ほどの厚生労働省関係、ちょっとすみません、私自身、もう少し勉強させていただきたいと思います。
 マンパワーに関しましては、私から直接、竹内副知事にお会いしてお話しはしました。ただ私自身としては、他県がこれだけ毎年減らされている中で―商工労働観光部の配慮だと思いますが、商工労働観光部でその分減らしているのですから―私ども現状維持させていただいているだけで幸せだったのではないかというふうに思っています。そのときは竹内副知事も、人をふやすという方向ではなくて、連携とかそういう方向で考えてくれないかという御指示だったと思っています。私もやっぱりそうかなと。今から1人でも減らされないことをまずはお願いしながら頑張っていきたいなと思っています。
○喜多正敏委員 大変活発な活動をされておられるわけでありますが、南部鉄器とか、漆とか、岩谷堂箪笥とか、いわゆる伝統工芸と言われる岩手古来の材料とか、技術で培ってきた産業は非常に販売が低迷し、後継者もいなくなってきているという、大変苦境に陥っている状況にあるわけでありますけれども。組織を拝見しますと、それぞれの部門に分かれておるわけでありますが、そうした伝統工芸を、地場の産業を振興する部門がどこに振り向けられているかというと、それぞれがそういったことを統括して指導していくようなセクションが必要ではないかということとともに、もう一つはこうした古来の伝統産業についての実態を把握して工業技術センターのやはり販売なくして事業所なしということで、そのためには現在の生活空間に合うような製品開発等々が必要なわけでありますけれども、そうしたこととともに業界振興ということとうまく組み合わさっていくことが必要だと思っているわけでありまして、前には業界診断ということが行われていたわけでありますけれども、現在はそういうことがなされているかどうか。そういったようなことも含めて、総合的な振興事業があって、その中で工業技術センターが役割を果たすというような振興体制が必要ではないかと思うわけでありますけれども、その辺について取り組みとお考えをお聞きし、そうしたことをなさっていただきたいということを要望して終わります。簡潔でいいです。
○斎藤紘一参考人 南部鉄器、漆、岩谷堂とか、そういう伝統工芸品についての組織的な対応の御質問と、それから業界診断の御質問でした。後のほうは室長にお答えいただくことにいたしまして、前者なのですが、私もそういう伝統工芸品は非常に重要だと思っています。ただ、これに関与している人は、例えば漆は一人とか、岩谷堂は一人とか、こういうのは一人単位の組織をつくるわけにはいきませんから、この組織の中にちりばめているのです。ただそれを統括するという意味では、私どもの組織表の中に連携研究推進監という職位があって、理事兼企画統括部長兼連携研究推進監というのがあるのですけれども、彼は町田さんということで、もともとこれをやっていた人なのです、こういうのをやっていた人ですから。彼が束ねてその辺を推進している。来年度に向けて漆なども新しい研究計画ですか、そういうのをつくろうとしていますので。一応そういうことでございます。
○田村商工企画室長 喜多委員御指摘のとおり、伝統工芸関係について、県庁自体も勢力が分散されているという課題がございまして、そういったこともありまして、今年度から地域産業課という課をつくってございます。その課が伝統関係の業務を集約するのだというような考え方をとっておりまして、当然工業技術センターなどとも、それから業界の方々ともいろいろお話をさせていただきながら、もう少し新しい展開をしませんかというようなことで進めさせていただいております。以上でございます。
○喜多正敏副委員長 これで終わります。いずれ非常に苦境に陥っているような状況でございますので、よく実態を把握されて、総合的な振興計画をまとめられて振興に当たっていただきたいと思っております。以上であります。
○伊藤勢至委員 先ほど理事長の御答弁の中に、マグネシウムについてこれから研究をしたいというお話をいただきまして大変ありがたいと思っております。これは商工労働観光部長とか、それから黒澤課長さんとか、それから田村室長さんとお話をすると、やります、頑張りますと、こう言ってはいるのですが、このことを形でお示しをいただきたい。つまり予算をつけて人をふやしてもらいたい。それについて、ひとつ田村室長から。やります、やりますの話だけでは進まないのです。どうでしょうか。
○田村商工企画室長 大変厳しい御指摘でございますけれども、今年度の予算、先ほど独法化の1つの大きなメリット、県庁職員は、今定数削減しております。それから予算も非常に厳しい削減を求められておりますけれども、工業技術センターはおかげさまでその辺は5年間は手をつけないということになってやらせていただいております。
 厳しい予算の中で、今来年度予算に向けて努力をしておりますので、そういった伊藤委員の気持ちを踏まえて、予算編成に当たらせていただきたいと思います。
○伊藤勢至委員 主語が欠けている、述語だけだ。
○亀卦川富夫委員長 これをもって地方独立行政法人岩手県工業技術センターの運営状況についての調査を終了いたします。
 斎藤理事長さん、齋藤副理事長さん、上野理事さん、本日はお忙しいところをありがとうございました。皆さんには退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 (休憩)
 (再開)
○亀卦川富夫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。総務部関係の請願陳情について審査を行います。受理番号第20号私学助成の大幅増額など教育関係予算の拡充を求める請願を議題といたします。その後、当局から何か説明はありませんか。
○鈴木法務私学担当課長 受理番号第20号につきまして、補足説明させていただきます。
 まず、前回12月10日の委員会審査におきまして、請願の前文に関連して御質問がございました。経済的理由による退学者の状況及び学費の滞納状況についてでございますが、前回の審査後に再度各私立高等学校13校に対しまして調査いたしましたところ、経済的理由による退学者の数につきまして、前回の委員会におきましては平成18年度の経済的理由による退学者の数を14人と報告させていただきましたが、2名の訂正がございました。2名減の12名ということでございます。従いまして、各年度で御報告申し上げますと、平成14年度が18人、平成15年度が28人、平成16年度が14人、平成17年度が11人、そして平成18年度が12人という状況になってございます。各学校におきましては、各家庭の所得自体までは把握してはおりませんが、それぞれの家庭では、収入が少ないことにより、授業料のみならず家計が困難であることによりまして、就学が困難となったことから、退学になったとのことでございます。平成18年度における経済的理由による退学者の具体的な理由につきましては、低収入による者が5人、家業の倒産、不振による者が3人、その他が4人という状況でございます。また、各学校におきましては、経済的理由により授業料の納入が困難となっている保護者、生徒に対しましては、授業料減免制度や育英会等の奨学金制度の紹介、相談等を行っているということでございます。
 次に、学費の滞納状況についてでありますが、授業料を滞納していた人数は、平成16年度が155人、平成17年度が180人、平成18年度が215人となっております。また、滞納金額につきましては、平成16年度が合計で1,219万3,313円、平成17年度が1,435万7,230円、平成18年度が1,493万5,620円となっております。
 次に、項目1の経常費助成の増額及び項目2の40人以下学級への補助の増額につきましては、追加して説明する事項はございません。
 次に、項目3の学費補助制度に関連して、前回の審査の際に御質問がございました奨学金の貸与等の状況について、補足説明をさせていただきます。平成16年4月1日に財団法人日本育英会ほか4団体が整理統合され、独立行政法人日本学生支援機構が設立されましたが、当該法人で実施していた奨学金事業のうち、高校に係る奨学金事業につきましては平成17年度から段階的に各都道府県に移管され、本県におきましては教育委員会が所管する財団法人岩手育英奨学会が現在事業をしております。まず貸与の基準についてでありますが、学力の基準につきましては、高校1年生の場合は中学校時の成績が平均で3.5以上、高校2年生以上の場合は、高校入学以後の成績が平均で3.0以上でございます。これ以下でも家庭の事情等により特例があるということでございます。また、収入の基準につきましては、世帯の状況により異なりますが、モデル的に、父母、私立学校高校生で自宅通学、弟が中学生の4人世帯で算定いたしますと、給与所得の場合は年収809万円以下が目安となっております。この基準内で申請した者が全員決定となると伺っております。
 次に、私立学校高校生の状況でございます。教育委員会にいたしましたところ、平成19年度において財団法人岩手育英奨学会から奨学金を貸与されている私立高校生の生徒数は、昨年12月25日現在で、先ほど申し上げました独立行政法人日本学生機構からの移管分につきましては、1年生が158人、2年生が195人、3年生が192人で、計545人となっております。また、財団法人岩手育英奨学会の独自貸与分につきましては、1年生が1人、2年生が5人で、計6人となっております。従いまして、平成19年度において、日本学生支援機構からの移管分545人と岩手育英奨学会独自貸与分の6人の合計551人が奨学金を貸与されているという状況でございます。以上で補足説明を終わります。よろしく御審議の程、お願いいたします。
○亀卦川富夫委員長 本請願に対し、質疑、意見はありませんか。
○斉藤信委員 前回もここは議論をしたところで、項目ごとに言いますと、1項目めについては経常的経費の2分の1以内の補助という考え方を基本にして予算の範囲内で助成しているという県の説明でありました。財政状況は厳しいものがありますけれども、私は県がこういう考え方を基本にしているということは極めて大事なことで、これは評価をすべきではないか。
 第2項目の私立高校40人以下学級への補助についても、これは補助を40人以下とする学級編成が望ましいという基準から進めているということでございましたので、中身そのものについては十分、不十分ありますけれども、これもこの趣旨を踏まえたものになるのではないかと。
 第3項目の授業料減免制度、補助金額、これは昨年度の9,600円から9,900円に、これは県立高校授業料が上がったということでしょうけれども、若干上げたと。岩手県の場合は、県立高校授業料分を補助すると、こういう基準にしているので、他の県ではいわゆる県立高校並みまで補助額をふやすという県もあるようですが、総額の比較からいくと岩手の方が対象を広げているということもありますので、ここは若干、上がったということを評価する必要があるのかなと。奨学金については、いま説明されましたので、岩手県の私立高校の入学者、在校生というのは、所得水準は県立高校の世帯よりも低いのではないかと。いわば経済的余裕があるから私立高校に入っているということではなく、逆に世帯の収入基準からいったらかえって苦しい方の方が私学に入っているのではないかと、こんな話も現場から聞いたことがありますので、やっぱりこういう授業料補助とか奨学金の取り組みというのは大変大事だと。いま545人プラス6人ということでお話がありましたので、こうした拡充というのは当然必要になってくると。
 4番目は国に対しての要望で、これはどの会派も異議がないと思います。いままで私学助成の請願については基本的には採択をして、そのことが厳しい財政の中でも県が私学助成の予算編成の過程では大変大きな力になってきたと。厳しい財政状況の中で、請願者の要望が全面的に受け入れられなくても、そういう請願の採択が、厳しい中でも私学助成を守る役割を果たしてきたと。こういう形で、ぜひ採択をすべきではないかと。
 民主党さんのマニフェストを見ますと、私学の振興ということで私立学校への運営費の補助等の支援体制について充実強化すると、こういう私学各校の特色を尊重するとともに公立学校との格差解消に努めるという、こういうマニフェストも掲げて、一致点も大変大きいものがありますので、ぜひこれは採択をしていただきたい。
○高橋雪文委員 私の方から少し質問をさせていただきたいのですが、まず第1番目の項目、私立学校への経費助成、2分の1まで増額ということですけれども、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専修学校、特別支援学校それぞれの現状の数値をまずお知らせいただきたい。
 そして、私立学校40人以下学級の補助を大幅に増額することというところがあるのですけれども、私立高校の平均的な学級の生徒さんはどれくらいの人数になっているのか。それに一人当たりどれくらいの助成をしておるのか。そして、40人学級以下にするためにはどれくらいの金額が必要なのか。それぞれ試算していると思いますので、それをお知らせいただきたいと思います。
 次に、学費補助制度、こちらの方もいろいろと関わってくるのだと思うのですけれども、現行9,900円を大幅に増額することということでありますけれども、非常にあいまいな言葉なのですが、どのくらいの増額をしていけばいいものか、どれくらい必要なのかを示していただければと思います。
 あと、入学金に対する補助制度ということでございますけれども、これも各学校によっても違うと思うのですが、入学金のそれぞれの考え方についてお知らせいただきたいと思いますし、現実にこの入学金に対する補助制度というものが私立高校に対してあるのかどうか、この辺も教えていただきたいと思います。
 あと、国に対して要望していくことはいいのだと思いますけれども、現実に過疎地域の私立学校にどれくらいの助成がなされているのか、わかれば教えていただきたい。
○鈴木法務私学担当課長 まず、各私立学校に対する予算上の単価でございますけれども、校種ごとにお話をさせていただきます。
(高橋雪文委員「パーセンテージ、比率を聞きたい」、斉藤信委員「経常費助成の比率を聞きたいのじゃないか」と呼ぶ)
○鈴木法務私学担当課長 失礼いたしました。経常費助成の比率についてでございますけれども、高校の関係だけ算定させていただいてございます。高校の場合でございますけれども、私立高校につきまして、平成17年度の本県高等学校生徒の一人当たり経常的経費が私立高校の場合811,938円でございます。そのうち公費が358,164円でございまして、公費割合が44.1%という状況になってございます。
 次に、順番は前後させていただきますが、公立学校教育費2分の1までの増額ということでございますけれども、平成17年度の統計調査値を用いて試算いたしますと、高校だけでも約48億2千万円という結果となってございます。これは、平成17年度の予算よりさらに21億7千万円を要するというものでございまして、県財政に大きな影響を与えるというふうに考えているところでございます。
 次に、私立高校の40人学級の状況についてでございますが、平成18年度における県内私立高等学校の40人以下学級の編成状況につきましては、全242学級のうち212学級で行われており、達成率は87.6%となってございます。
 次に、高等学校の入学金の状況についてでございます。平成18年度の本県の私立高校の入学金につきましては、平均で94,615円となってございまして、東北におきましては第4位という状況でございます。
 それから、過疎地域、盛岡地区以外の高等学校に対しましては、過疎地域私立高等学校運営費補助ということで補助させていただいておりますが、今年度6月現計予算における予算措置の状況についてでございますが、合計で1億6,907万8,000円という状況でございます。以上でございます。
○高橋雪文委員 私が聞いているのには、はっきり答えられなかったということでございます。基本的にこういう請願が出た場合には、議会で採決をしていく限りは、やはりある程度の実行性も含め検討してやっていかなければならない。この請願は毎回出て、毎回同じような内容で出てくるわけなのですけれども、実際に我々が採択して実現されているのか、されていないのか。議会としては、ただ採択することだけが既成事実としてあってはならないのではないかというふうに思うわけです。
 そういった観点からすると、例えば第1番目に2分の1まで増額することと具体的な数値が出ている中で、具体的な幼稚園、小学校、中学校、専修学校、特別支援学校の数値が出て来ないということが明らかに我々が議論不足であったということではないかなと思うので、私はちょっといますぐに同じような質問をしても答えが明確に出て来ないようですので、継続をお願いしたいと思います。
○亀卦川富夫委員長 ほかにありませんか。
 ほかになければ、本請願の取り扱いを決めたいと思います。
○斉藤信委員 これは私学助成の充実を求める請願ですよね。そして、来年度予算編成の中で出ていますので、知事査定は2月早々でしょう、ですから、まさに今が山場なのですね。これを予算査定が終わってから、2月議会で議論しても、これはまた意味が無くなるわけですね。私は、確かに岩手県は大変厳しい財政状況です。ですから、出された請願の項目は全面的に反映することはかなり厳しい。ただ、7万人余の署名が寄せられて、毎年採択されてきたということは、そういう願いにこたえて県当局も厳しい財政状況の中でも私学助成をかなり守るといいますか、厳しい財政状況の中でも重視した予算編成にこれまでなってきたと私は思うのです。ですから、そういう議会の来年度予算編成に向けた姿勢が問われているし、7万人余の方々がそのことを求めているわけだから、2分の1助成がすぐに来年度ということは、これは難しいですよ。しかし、先ほど44.1%だという中で、これを下げない、0.1%でも上げていくということも含めて、県議会、ぜひこの委員会で採択されれば、最終的に2月議会になるのですけれども、県議会の意思というのが示されるわけで、ぜひそういう趣旨も、請願者、署名された7万人の県民の皆さんの願いにこたえて、ここでは継続ではなく採択していく必要があるのではないかと思います。
○亀卦川富夫委員長 休憩いたします。
(休憩)
(再開)
○亀卦川富夫委員長 再開いたします。
 本請願については継続審査と採択の意見がありますので、まず継続審査について採決を行います。
 本請願は継続審査とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
 起立多数であります。よって、本請願は、継続審査と決定いたしました。
 以上をもって総務部関係の請願陳情の審査を終わります。
 この際何かありませんか。
○斉藤信委員 せっかくの機会ですので、県立大学の今年度の卒業者の就職状況、内定状況を、学部ごとにもし新しいデータでわかっていれば示していただきたい。
○松川管理担当課長 平成18年度ということでお答えしたいと思います。
 まず看護学部でございますけれども、就職率については99%、それから社会福祉学部につきましては97.9%、ソフトウェア情報学部につきましては98.3%、総合政策学部につきましては94.8%、全体では97.5%でございます。
(「いいな、これ」と呼ぶ者あり)
○松川管理担当課長 ちなみに、全国の大学と比しても、全部のデータがあるわけでもないのですけれども、かなりいい方ではないかと思っております。以上でございます。
○斉藤信委員 これは今年卒業された方々ね、いま4年生の内定状況ではないのだね。
○松川管理担当課長 内定状況ではございません。
○斉藤信委員 いませっかく平成18年度の状況が出たので、このうち県内の就職率はどうなっているか、あと、平成19年度の内定状況は。わからなければわからないで、あとで教えてください。
○松川管理担当課長 県内の就職率でございますが、まず看護学部ですが29.5%、社会福祉学部につきましては65.3%、ソフトウェア情報学部につきましては22.6%、総合政策学部につきましては35.6%、全体といたしましては34.6%ということでございます。内定状況につきましては確認しておりません。
○斉藤信委員 就職率が全体として97.5%で、これは立派な成果だと思います。ただ、いま聞いたように、県内就職率ということになると、全体で34.6%、看護学部で29.5と、これは衛生学院が大学になったわけで、私は衛生学院のときはおそらく七、八割、県内就職だったと思うのです。しかし大学になったら県内就職率が下がってしまったというので、そういう意味でいけば県立大学の県政貢献といいますか、そういう点でいけば何が問題になっているか。実は看護士の需給計画で言いますと、これは需給見通しだと600人くらい不足になるのです、岩手県の場合。だからせっかく岩手で看護士養成を、大学で養成して、それが3割も県内に就職できないとすれば、そこらの障害、課題を解決していく必要があるのではないか。総合政策学部なんかも35.6%ですよね、ソフトウェア学部は就職先がないということもあるのでしょう。最近はアイシンとか自動車関係で企業進出が来ましたので、もう少し改善されるのだと思いますが、そこらの県内就職率が低い原因、要因や今後のそういう県内の就職率を高めるうえでの検討みたいなものがされているのかどうか。把握している状況で教えていただきたい。
○松川管理担当課長 県内の就職率が低い一つの要因として考えられますのは、県外の、たぶん首都圏の求人状況が強いといいますか、そちらに引かれているということがありますし、それから採用計画が出されまして求人に至るまでのタイムラグといいますか、そのあたり県外の企業の方が早いと言われておりますので―聞くところによりますと春先にはもう内々定という格好で内定書を出すというようなことで、どうしても県内企業の取り組みがちょっとおくれているという話がございます。
 それに対しましての対応ということでございますけれども、そういったことで県内の企業でも早めに求人の計画を出すという対策が必要だと思いますし、そればかりでなく、どのような求人像といいますか、会社の求めている人物、学生像、そういうものとのマッチングというものも必要だと思いますので、例えばジョブカフェのようなところで就職についてのいろいろな働きかけをしてみるとか、大学の方でも求人の開拓の場合には、県内も含めましていろいろ必要な求められる人材について、マッチングするように努力しておりますので、そういった就職活動についても支援しております。
 それから、さらに、県内の企業、ソフトウェア情報学部が、県内で立地できるようなものを作っているということで、例えば滝沢村の支援でございますけれども、大学とともにIPUイノベーションセンターというものを今度立ち上げますけれども、そのようなものが、研究から起業に結びついて発展していくということで企業が定着するということも考えられますので、そういったことも含めまして、長期的にはなりますけれども、県内の企業を育てて、そして求人がふえて雇用がふえるというふうな状況に結びついていくようにできないかと考えております。
○斉藤信委員 今年度の状況についてはあとで資料提供をしてください。
○亀卦川富夫委員長 ほかにございませんか。
 なければ、これをもって総務部関係の審査を終わります。総務部の皆さま、御苦労様でした。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。

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