環境・エネルギー対策特別委員会会議記録

環境・エネルギー対策特別委員長 高橋 雪文
1 日時
  平成19年8月8日(水曜日)
  午前10時5分開会、午前11時55分散会
2 場所
  第4委員会室
3 出席委員
  高橋雪文委員長、菅原一敏副委員長、及川幸子委員、大宮惇幸委員、関根敏伸委員、
 中平均委員、小野寺研一委員、熊谷泉委員、亀卦川富夫委員、木村幸弘委員、阿部富雄委員
4 欠席委員
  工藤勝博委員
5 事務局職員
  晴山担当書記、佐々木担当書記
6 説明のため出席した者
  国立大学法人 岩手大学工学部 教授 廣瀬宏一氏
7 一般傍聴者
  なし
8 会議に付した事件
 (1) 地球温暖化防止及び新エネルギー導入について
 (2) 次回の委員会運営について
 (3) 委員会調査について
9 議事の内容
○高橋雪文委員長 ただいまから環境・エネルギー対策特別委員会を開会いたします。なお、本日は工藤勝博委員は欠席との御報告がございましたので、御了承願います。
 これより本日の会議を開きます。本日は、お手元に配付いたしておりますように、日程のとおり地球温暖化防止及び新エネルギーの導入に関する調査を行いたいと思います。
 本日は、講師として国立大学法人岩手大学工学部の廣瀬宏一教授をお招きしております。御紹介いたします。
○廣瀬宏一参考人 よろしくお願いいたします。
○高橋雪文委員長 廣瀬宏一教授の御経歴につきましてはお手元に配付しておりますので、御覧いただきたいと思います。本日は、「地球温暖化防止及び新エネルギー導入について」と題しまして、本県を取り巻く状況に関する貴重なお話をいただくことになっております。
 それでは、これから講師のお話をいただくことといたしますが、後ほど講師を交えての質疑、意見交換の時間を設けておりますので、御了承願いたいと思います。
 それでは、廣瀬教授、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 (パワーポイントにより説明)
○廣瀬宏一参考人 どうも初めまして。岩手大学工学部の廣瀬と申します。よろしくお願いいたします。
 今日は、地球温暖化防止及び新エネルギー導入についてということで、若干、私の持っている情報をお話しさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、簡単な自己紹介なのですけれども、私の専門は熱工学ということになりまして、実際には融解や凝固といった熱伝達とか、その他空気層の対流挙動、こういうふうに言いますと比較的工学的研究分野の題名になっておりますので、地球温暖化とどう関係があるのだろうかというふうに思われてしまうのかもしれませんけれども、例えば空気層の対流挙動の断熱効果というと、基本的には省エネルギー対策の窓の二重ガラス構造の内容を解明したようなことになっております。
 また、この関係で無散水型道路融雪というものの電熱解析等をやっております。この関連で茨島跨線橋、盛岡から青森に至るところの茨島跨線橋にヒートポンプを用いた消融雪施設の導入などのことにも携わっております。そういう意味で二、三研究に関連するようなことを紹介させていただきたいと存じます。
 今日、テーマとしていただきました地球温暖化という問題でございますけれども、環境問題としては、実はそれより以前にオゾン層破壊問題というのが何回か取りざたされております。これは、地球の外表面にオゾン層というのが酸素のO3という状態で、原子酸素が3つくっついた状態で取り巻いておりまして、この取り巻いているオゾン層が有害紫外線というものを吸収してくれるので、地球表面に有害紫外線が到達するのを防いでくれる。このオゾン層を破壊するフロンガスというものが非常にオゾン層破壊に驚異的な力を持っているということがありまして、それがまず一つの問題となっています。
 オゾン層の発生は、基本的には酸素を共有するようになりました地球の発展と関連するわけですけれども、その部分とオゾン生成とが関連しておりまして、ちょっと見にくくて恐縮なのですけれども、このようにお手元の資料の中に紫外線A、紫外線Bという2種類のものがありまして、そのうちの危険な紫外線というものを吸収するというような仕組みが紹介されております。
 オゾン層破壊のメカニズムなのですけれども、これも実は、これに影響するのはフロンという液体というか、ガス体というかわかりませんけれども、冷媒でありまして、これは冷蔵庫とか、あと車のエアコンに非常によく用いられておりました。これは、実は非常に安定な液体でありまして、逆にその安定性が悪さをしたというようなことになっております。無味無臭で、しかも燃えないということなものですから、非常によく用いられます。
 ところが、ここに塩素、CFCl3という物質が化合しているわけですね。炭素とフッ素と塩素の化合物なのですけれども、この塩素というのがぎっしり結びついておりまして、空気より軽いということで、膨張するとだんだんと上空に上がってまいります。上空に上がってまいりますと、太陽光の紫外線というのは非常に活性化するエネルギーを持っておりますので、この原子分子の構造体を切ってしまう。これが不安定であるのは、そういう上空にいく前に分解されてしまうわけですけれども、安定であるがゆえに、かえってなかなか切れないで上空にいってしまって太陽光の紫外線の影響で切れてしまう。切れると塩素ができるわけですが、この塩素というのは非常に活性であり、この塩素の活性な性質が酸素三つがくっついているオゾン分子と結びまして、オゾンの構造体を、塩素と酸素がくっついたように分解してしまう。その結果、オゾンがどんどん消えていく。それでこういうふうになっているのですけれども、これがまた紫外線の影響を受けて、この塩素が、この段階で切れてしまいます。切れた塩素がまた別なオゾンとくっついて、さらにどんどん、どんどんオゾンの分解を進めていくという役割をしていくと。そういうことで、このフロンというのは非常に悪い役割、オゾン層に対して非常に悪影響を持つのだということが一つ言われております。
 このフロンも実は温暖化係数として、地球の温暖化を進める一つのガス体ということになっておりまして、オゾン層破壊のメカニズムと地球温暖化のメカニズムというのは、実は同じように並列して起こっているということが一つ言えるかと思うのです。今現在問題となっている、よく言われておりますのは地球温暖化問題ということになります。地球温暖化問題というのは、非常に最近言われておりますので、こういう電子辞書というフリーの辞書の中でも温暖化というふうなキーワードを引きますといろいろと出てくることになっております。ここにも一つ紹介させていただきましたけれども、基本的には気温の上昇とあと海面上昇というものを伴った生態系の変化ということがメーンであります。気温上昇に伴うそういった諸問題全部を含めて地球温暖化というような形にとらえています。
 この温暖化の原因というのは、ここにもちょっと絵として模式的に書かれておりますけれども、地球は基本的には太陽光によって暖められております。太陽光というのは波長が短いところから長いところまですべての波長領域を含んでいるわけですけれども、そのうち可視光というのは実は0.2から0.7ぐらいの非常に短い領域を見ているわけですけれども、それ以外の紫、つまり波長の短い方から紫に見えるわけですが、その紫よりもさらに短い領域は実際は見えない領域で、それが紫外線の領域です。0.7よりもっと長い領域、それは赤く見えますので、一般的には、それよりももっと長い領域の方は赤の外で赤外線といいます。赤外線の方は基本的には熱、エネルギーを輸送するのに比較的有効であるということで、この地球を取り巻いている大気があるわけですけれども、一般的には輻射に対して透明という形になっております。
 ただし、透明で地球に入ってきますと、地球の温度というのも暖めて、暖めると今度は地球の温度に比例する形で地球の絶対温度の4乗に比例する形で、地球自体がエネルギーを放射する。基本的には太陽は表面温度6,000度ぐらいです。6,000度ぐらいのものが持っているエネルギーを地球に向けて放射している。それを地球が受けて、地球の温度が平均温度で大体20度から30度ぐらいです。そのぐらいの温度ですから、273を足して絶対温度293になるわけですが、その温度の4乗に比例する形でエネルギーを外に放出しております。そうすると、太陽光での温度と地球表面での温度の温度差によってエネルギーを放出する波長帯が変わっております。地球が放射する温度によるエネルギー帯の放出に対してこのCO2、このエネルギーを吸収する吸収バンドというのを持っている。ある波長の領域のエネルギーだけを吸収する性質を持っている。それが外から入ってくる場合のエネルギー帯を通過させてしまって、地球から出るエネルギーに対してはガス体があう波長において吸収してしまうということによって、地球が外に出す放熱である程度ためてくれるわけです。このガス体の影響がないと地球の温度は、実はマイナス18度ぐらいになるだろうというふうに言われております。ですから、ある程度地球を保温する役割を持っているということになります。それがそこにも記載してありますけれども、温暖化ガスと言われているガスの種類、それが大気中に全くない場合、地球表面の温度はマイナス18度ぐらいまで下がってしまうだろうと言われております。だから、大気中にある二酸化炭素成分が大体4分の1近くあるわけです、結構あるわけですけれども、それによって地球の中の熱をある程度逃がさない、ためておくという役割のために地球の表面温度、人間が生活できる環境ぐらいの温度になっています。
 温暖化ガスの種類ですけれども、そこに温室効果ガスということで一応まとめさせていただいております。一般的に言われておりますのが化石燃料としての燃焼によって生ずる二酸化炭素、これが今一番標的になっているかと思います。そのほかに畜産とか農業によって出てくるメタン、ですからこういうものも実は温暖化ガスという種類の中に入っております。あとは、これは一酸化二窒素、NOXと言われておるものですけれども、車の燃焼によって発する、高温ガスの燃焼によって発生する窒素系酸化物と言われております。そのほかに下の方にフロン類ということで、今まで使われておりました、先ほどもちょっと紹介しましたけれども、オゾン層を破壊する物質としてのフロン、これは冷媒とかで車の古いものについても使われている気体でありますが、これも実は温室効果ガスの種類の中に入っているわけです。ほかにはエアコンとか、スプレー缶の中に入っています、封入して、殺虫剤をシューッと射出するような封入ガスですね、それに使われておりますフロン、これは燃えない不燃性というのと、あと低温で蒸発してくれるという性質を持っていますので、非常に都合のいい液体になっております。そのためにこういうものが随分使われております。でも、これもほとんど温室効果ガスの中に入っているということになっております。
 ほかには半導体の洗浄に使われておりましたフロン類、これも大分使われておりました。ものを洗った後、低温で蒸発しますので、ほとんど液滴が残りません。そのために洗うのに非常に都合がよかった。それで、半導体洗浄にも結構使われておりました。ですから、そういうフロン類も実は温室効果ガスの一種類であるということで、オゾン層破壊と地球温暖化というのは、そういう意味で関連し合って行われているということが言えるかと思います。これは、学生に調べてもらったデータですけれども、南極とか氷の中に含まれているガスの種類、ガスというか封入されているガスを養分、それと氷が生成された年代を系統的に調べたものだと思います。それでデータを出したものでございます。
 そうすると、20万年ですから、人間が生存し始めてから、それよりずっと以前からのガスの濃度と気温の関係を図にしたものです。2回の氷河期が20万年の間にあるわけですが、これは基本的にずっと下がってきている。
 これは二酸化炭素濃度なのですけれども、二酸化炭素濃度が、人間はまだ生きていないと思いますので、火山活動か何かによって二酸化炭素濃度がぐっと増えたのではないかというふうに思われますけれども、この二酸化炭素濃度がふえると、それと気温の変動の上昇というのが太陽関係が、今現在二酸化炭素だけが温暖化ガスとして対応に迫られているわけですけれども、それだけではなくて濃度と気温の間にある関連性があるのではないかということを示しております。これが近年の濃度分布です。ですから、これを見ても何か最近自然現象、人間の生命活動のあり方かもしれませんけれども、この濃度が上昇時期に転じているという形で見ていただく。この赤い部分はごく最近の変化であります。ですから、この辺が恐らく経済活動とか生命活動によって増えつつあると。この辺のところまではこういう長い年代の変化によって起こってきている可能性もありますけれども、それに伴って気温の方も上がりつつあるというふうな時代に入っているというところが地球の温暖化というものを説明する一つの要因として紹介されているものであります。
 これは、先ほどのものを20万年前ですけれども、これは1880年ですから200年単位に延ばした、ごく最近の200年単位として見たものです。こっちの下の方は大体西暦800年から2000年ですから、これはここからここまで大体1,200年ぐらいはあるのですけれども、それにしても二酸化炭素濃度の安定期が終わってここぐっと上昇しているのです。19世紀に入ってからまたすごい上昇カーブが見えるわけです。これが産業革命以降、化石燃料を使用し始めたあたりからの上昇という形になっております。それに伴って、気温も脈動は見られますけれども、全体的な傾向として上昇に転じていると。先ほどの上昇の度合いが加速されてきているというふうな話から、二酸化炭素濃度の向上というものが気温の上昇というものと何らかの関連があるのではないかというふうに見られているわけであります。
 先ほど申しましたように、実は温暖化ガスというのは二酸化炭素だけではなくて、先ほどのフロン系、こういうものがほとんど温暖化に悪影響を及ぼすということで、これは冷媒に用いられているフロン系のものですね、ここにODPというのとGWPというのがあります。ODPはオゾン層破壊係数という形で紹介されている値です。こっちのGWPが地球温暖化係数ということでして、数値がちょっとこの図からは、このスライドからは見えにくいものですから、お手元の資料を御覧になっていただければわかると思うのですけれども、フロン系は非常に高い温暖化率を持っているのが分っております。
 そこの下の方に自然冷媒というのがあります。これは最近よく使われるようになってきましたアンモニアです。アンモニア自体は非常に昔から使われてきておりますが、最近自然冷媒としてフロンというのはなかなか使えなくなってきておりますので、逆にアンモニアというものを使って今までのフロンの代替にしようという動きが少し出てきております。逆に戻っているわけです。そうすると、そのときのオゾン層破壊係数、これはゼロです。地球温暖化係数、それもほぼゼロということでして、自然冷媒を使う。冷媒そのものをフロン系からアンモニアとか、逆に二酸化炭素を冷媒に使うという冷凍機もでてきておりますので、そういうふうなものに少しずつ移り変わっていったというのが最近のものです。
 どこから地球温暖化防止対策という形で見ていこうと思われる訳でございますけれども、地球温暖化防止対策は基本的には大体2種類の方策に分かれているかと思います。
 一つは、基本的に温暖化効果ガス、それの排出を抑制しようとする方法です。
 もう一つは、大気中に増えた二酸化炭素を積極的に吸収しようという固定促進と言われているものであります。ですから、基本的に排出抑制に相当するところにも方策はいろいろあるわけですけれども、排出抑制と固定促進という二つの大きな柱があるというふうに考えられております。ただ、この下の方にも書いてありますけれども、こういった対策を実施する場合、経済構造というのはかなり国際社会によって違ってきますので、この二つのことを実施するにしても利害対立というのを、また国内においても対策の影響を大きく受ける部門と影響の少ない部門、あるいは対策によって利益を得られる部門というふうに全体として同じ方向性を持つということではなくて、その間で対立が起こっているというところにいろんな問題点があるというふうなことも指摘されております。
 特に二酸化炭素の削減というふうに、先ほどお見せしましたように、冷媒に対しては自然冷媒ということは行われてきていますけれども、物を燃やす、エネルギー、熱をとるために物を燃やすというのはなかなか削減されません。そのための二酸化炭素の削減ということにおいては、これも同じなのですけれども、排出抑制に関連する省エネルギー、ないしはエネルギー効率の改善ということが一つの方策としてあります。で、最終的に何を目指しているかというところが一つ出てきているわけですが、持続可能な開発、循環型社会ということが最終的な目的というふうになっております。
 エネルギー効率の改善ということは、基本的には火力発電所の効率改善、これも後で資料の方に火力発電所の熱効率改善というふうなのはどの程度進んできているかということを調べましたので見ていただければと思います。あとは再生可能エネルギーの普及、この辺が資源エネルギーであったり、あと自然エネルギーであったりという形で出てくる。
 もう一つは、エネルギーのローカル化ということです。今は大発電所というものから消費地まで電力を供給することによって行われているということで、送電ロスなんかが結構ありますので、そういうもののエネルギー効率改善というもののためのエネルギーのローカル化ということがひとつのテーマ。あとは原子力発電というものも一つの方策としてある。
 あと省エネルギーに関しては、最近の新しいものは低電力消費、電力消費の小さいものがどんどん出てきておりますので、そういうものにも製品そのものを変えていくということです。あとは基本的には不要なエネルギーを使わないということで、これを実現するためには3Rと呼ばれているリデュース、リユース、リサイクルというふうな考えと、あとは節電、節水とかの省エネルギーというのは生活に直結するところでありますので、比較的入りやすいのですけれども、なかなかそのために逆に進んでいかないという側面もある。
 吸収力、あと固定化するという方法での植林、緑を利用する、あと森林伐採による抑制、かんがい、水質改善、あと休耕地の利用とか、そういうふうな自然を再生させるというふうな方策というのが模索されている。また新たに地中とか水中の二酸化炭素を固定化するという技術についても大分研究が進んできておりますので、この辺が今後どう進展するかによって大きな方向性が出てくる可能性はある。この辺がそういったインターネット上の中で指摘されている問題として出てきているわけです。
 先ほどのものをまとめますと、エネルギーに関するものといたしまして、主として排出源になるわけですけれども、省エネルギー、これは様々な機器の熱効率の向上、あとは家庭であれば断熱性の向上という形で生活に直結したものとしてハード的なものからできてくるというものになる。あとは新エネルギー、これは太陽光とか、あとは太陽熱、プール、雪氷、バイオマス、あと原子力も入るかもしれませんけれども、そういうものが資源エネルギーとして考えられる。
 あと未利用エネルギーというのは、新エネルギーではないのですけれども、今まで利用されていなかったエネルギーというふうな形で分けられている。廃棄物エネルギーなんかも未利用エネルギーという中に入っている。あとは地球温暖化ガスの固定化、ガスそのものを例えば木材に吸収してもらって、木材の体を形成、木材そのものを成長させるということで、二酸化炭素を木材にかえてしまったと。固定化による森林育成。この固定化技術には先ほど申しましたように地中とか水中に固定するという技術の開発もなされております。
 あとは代替フロン対策ということで、先ほど申しましたように普通のフロン系から代替フロンに変ってきて、さらに自然冷媒ガスというふうな形のものに変っております。あとは、発電効率と送電効率、エネルギーのローカル化という問題。こういうものに関連して、実際に岩手県内、岩手の中で行われているものについて、若干紹介させていただくというのをこれから見ていただければと思います。
 岩手県における新エネルギーの導入ということで、数的に一番進んでいるのはやっぱり風力発電ではないかというふうに思われます。風力発電は、こういった大型風車がほとんどです。小型風車の導入も台数はあるのですけれども、発電量が小さいものですから、目に見えるところはこういった大型風車がほとんどです。この風車ローターという大きな羽根がありますので、これで風を受けて回転します。ここに発電機があります。このナセルと言われている向きを、風向きが絶えず、風というのは一方向からだけ吹いているわけではありませんので、この風向き側に首を振るための装置をナセルといいます。これはその風力発電装置の大体の大まかな形であります。大まかな内蔵系です。これは、実は岩手県の浄法寺の事業局の方で作成したデータでありますので、こういうものを岩手県内でも既に何カ所か導入しているということで紹介されているものであります。
 ただ、風力発電はこういった問題点があります。ここに風力発電の鉄塔があって、風力発電をするわけですけれども、それを受変電施設で電気を集めて、それを系統連系ということで、東北電力の配送電線に送り込まなければいけません。その送電鉄塔というのがありますけれども、そこは高圧送電していますので、送電ロスを少なくするため、6,600ボルトという高電圧であちこちに送電していきます。この送電鉄塔網が近くにないと、そこまで結びつける引き込み柱というこの柱からこの連携を、つまり東北電力、電力会社さんに協力してもらって、この送電線にのせないことには電力として利用できません。ここの建設費のほかに系統連系、ここの部分に非常に難しさがある。ですから、こっちの方も電力網は完全に整備されていますので、その整備された電力網の方とつなぐという、この作業が結構大変であります。
 電力の方は緑の購入制度とかという形になっていまして、何万ワットか何か上限を設けて、その分を風力発電の費用と風力発電を積極的に受け入れますよという枠を設けている。その枠が東北電力でも最近だいたい満杯になってきつつありますので、近年こういう風力発電の大型施設が建たなくなってきつつあるのは、多分そのせいもあるのではないかと思われますし、もう一つは系統連系するのに適した場所というのが実はある程度限られている。しかも、風力の場合には風の影響をもろに受けますので、その風の影響という地域性があります。この地域性を受けた部分と系統連系という送電鉄塔に比較的近いところで、しかも風をいっぱい受けられるところというふうな条件づけが出てきますので、そのために適地というのが大分選ばれて、限られてきているのではないかと。その結果、送電されたものを家庭用配電線で結局100ボルトか200ボルトに落として実際に使っているということです。
 これは、稲庭高原のものであります。これは実際に3基程度。岩手県の事業局さんが始めたやつで、1基6,600キロワットのやつが3基。これは、多分葛巻の2基か3基から始まって2番目ぐらいの時代で始まったのではないかと思います。これが二戸市の浄法寺町内にあって、ここは平均風速6.7メートル。6.7メートルというのは結構ある方、普通だと3メートルか4メートルぐらいまでで、生活圏で比較的住めるのはこの程度までですので、普通風力が10メートルを超えるとかなり力は出るのですが、平均風速6.7メートルというのでもかなりとれている。6,600キロワットが3基ですから、最大出力が3倍で2,000キロワット弱くらいになっています。平成13年から運転していますので、発電としては結構効果があるというふうに思います。
 有名なのが葛巻町ですけれども、葛巻には一番最初に3基、こっちの方、エコ・ワールドくずまき風力発電所と今の名前で呼んでいますけれども、ここに1基、2基、3基、こういうふうに葛巻高原のところに風力発電所ができて、これをベースにして、こっち側の方、ここに12基立っている。これも系統連系と、これだけの大きな風車をここに上げていくのに取りつけ道路という問題がありますので、それをつくっていくというのが一つの問題点。これが2番目にできた、葛巻の風力発電所、大きい方です。ここで見てもらうとわかりますけれども、先ほどの6,600キロワットではなくて1基当たり1,750キロワットほどの風力発電が可能です。直径66メートルの風車、羽根ですね。しかも60メートルぐらいの取りつけ高さのところに置く形で、かなりの大型風車を使う、これが12基という形で行われている。これは、「グリーンパークくずまき」ということですから、民間の会社が入ってきていて、J―POWERというのが出資する形で動かしています。
 エコ・ワールドの方ですけれども、もっと前につくった3基です。こっちが多分呼び水になって、先ほどの「グリーンパワーくずまき」風力発電所が設置に至ったと。これは、当時としては大きかったのですけれども、400キロワットから600キロワットが3基で、400キロワットが3基ぐらいの目安で、大きさとしては先ほどの方にあります。
 これが一応有名なのですけれども、実際には釜石広域風力発電事業というのが立ち上がっておりまして、こっちの方が県内の最大規模になっています。これは、釜石と大槌と遠野でしたか、三つの地域にまたがるところでありまして、釜石の和山牧場と遠野市の琴畑牧場、あとは大槌町の新山牧場、この三つにまたがる丘陵地帯がありますが、そこのところに1基1,000キロワットぐらいのやつを大体43基ぐらいということで、ここが一番の岩手県内では最大の風力発電基地になっています。ここも基本的に広大な牧場があるわけですけれども、そこのところに系統連系を、比較的近かったということで、今まで牧場を開拓するために使っていた道路というのが比較的大型のものを通しやすかった、本道に比べて通しやすかったというのがあって、ここのところにそれだけの規模の風力発電事業が行われるようになったというのが一つの事例です。
 あと、これは小型風力を採用した例ということで、これかかわったので、宣伝のために書かせていただきましたけれども、これは石鳥谷の道の駅というやつで風車は先ほどの大型風車だけでなくて、ここにローターというふうな縦型の軸を置くと軸を中心に回転する風車もある。これクロスフローの縦型モデルですけれども、それと屋根の部分に太陽光パネルが張ってあるものでありまして、これは国土交通省の事業で石鳥谷の道の駅のところに立ち上がっているものであります。これで一応発電させています。つまりこういうふうな小型風車発電、実は建設にある程度携わっておったのですけれども、コストがこの支柱、土台工事から始まって非常にコストがかかります。そのコストがかかる割には発電量が小さいということで、コストバランス的に考えると非常にマイナスの評価を受けるという形になってしまうというところです。
 先ほどの大型風車は、風を受ける面積が非常に大きくなっていますので、一応コストバランスがかなり改善されてきている。一般的に風車による発電、基本的に何でもそうなのですけれども、発電は自分が買う場合の値段と電力に売る場合の値段は非常に格差があります。ですから、発電しても送電系統にのせるため、系統連系させてのせて実際に買ってもらうということを考えたときには非常に電力単価が安いのです。それを風力とか特定のエネルギー、つまり太陽、二酸化酸素の温暖化対策に対する新エネルギーとして風力というものであれば、それを意図的に高額で買いますよという枠が決められております。その枠の中で発売するので、何年間かでコストを回収できるというような、それがないとほとんどこういうふうな試みは残念ながらコスト的に今現在の火力発電所というものでもっているエネルギーコストに太刀打ちできないというのが実際の実情になっております。
 次に、岩手県の木質バイオマスということで、これもここ何年かで随分取り組まれてきているというものであります。木質バイオマスは岩手県の特徴であります林業の増進と、あと実際に木材というのは今まで蓄えた二酸化炭素というものを排出するだけでございます。だから、自分が取り込んだものを外に出すだけですので、今までなかったものを利用するわけではないという考え方で、二酸化炭素の排出に関してはプラス・マイナス・ゼロですよということで、新規に生み出すわけではないというふうな考え方で行われております。
 これは、岩手県内の木質バイオマスを考えるに当たっての岩手県の取り組みというものを県内の特徴、広大な森林面積がありますので、その森林面積の木材利用の拡大というものと地球温暖化の措置と間伐やそういうものが再生可能なエネルギーをどんどん、どんどん循環させて生産してくれるのだというふうな形ですね。エネルギーの自給率といい、こういうふうな基本的な方針、対策を全体として立てるのに非常に県内独自のエネルギーとして有望なのだということでこの木材バイオマスというものに対して取り組んできた。
 何をしたかというと、これはペレットストーブです。これは岩手県としての鋳鉄、水沢を中心にした、盛岡もそうですけれども、鋳物産業でストーブをつくって、中で燃やすのは先ほどの木質のペレットということで、こういった岩手型のストーブを開発して販売するということをやってきたわけです。
 これは、多分スウェーデンからの輸入というものをベースにして、それをモデルにして岩手型のストーブをつくり出したということで、販売にもある程度の補助を設けながら行政的に補助して行ってきたというふうな背景です。ただ、残念ながらこういうふうな導入はあるところしか、行政機関に関連するようなところに限られておりまして、すべてのところになかなか入っていかないということです。確か県の補助は16年10月か17年ぐらいで終わって、今現在はこういう補助は多分切れているのではないかなと思っています。これも工業技術センターと、あとは花巻に工場がありますサンポットとの共同研究というような形でこういったペレットストーブの開発に取り組んできたということです。残念ながらコストは、先ほど申しましたけれども、値段が高い。半額補助という形で大分なされたのですけれども、それも今現在はなかなか続かないということで、自然エネルギーを先ほどの太陽光、風力もそうですけれども、非常に再生可能なエネルギーで二酸化炭素を出しません。けれども、難点は密度が薄い、低密度。エネルギーというのを利用するときには、集中的に利用しますので、密度を上げなければならない。その密度を上げるために非常にコストがかかるというふうな二律背反性を持っている。その部分をどういうふうにカバーしていくかというのが一つの課題になってくると思います。
 ここからは葛巻の取り組んでおります一つの紹介です。私どもも新エネルギービジョンをつくったり、他のビジョンをつくったりという形でいろいろ参加しておりますけれども、そのときに県南もそうですけれども、県北の方は特に畜産業が盛んです。畜産業が盛んですので、そうするとどうしても畜ふんの堆肥化というものに取り組みますが、畜ふんというのは結構出てくる。それが今までのように単純に野積みできなくなってきております。それもありまして、こういう畜ふんを利用してアンモニアガスを製造するというバイオマス、木質バイオマスではなくて生物の畜ふんを利用したバイオマスシステムをつくるというふうな案が大分出てきております。その中の一つとして、行われているのが畜ふんバイオマスです。これ葛巻の例です。一戸も大分議論しましたけれども、一戸のはイメージがちょっと出てきているのではないかと思って調べたのですが、まだそこまで公開されておりませんでしたので、ここで紹介するのは葛巻の例です。こういうのがシステムとして出てきていると。これも畜ふんそのものから燃焼ガスとしてアンモニアガスを造って、そのガスを使って発電するシステム。その後の畜ふんのえさを堆肥化して再利用するというふうな理念でつくられている。
 残念ながら、これの行政的な補助というものがないと自立的なコストというもので、最終的には自分で製造したエネルギーと、あと堆肥化ですか、その両方の販売コストのようなものでこれを実際に運転できるというのが理想なのだと思うのですけれども、そういう自立システムまではなかなか達成できないほどではないかなと、個人的に思っております。そういうのをいかにバックアップできるかというのと、自立化をどういうふうに促していくかというのがバイオマスシステムの場合の問題点として見えてくるのではないかというふうに考えます。
 あとこれも木質バイオマス、これも葛巻の例ですけれども、こっちは普通の木質のものを燃やすのではなくて、この木質から燃焼ガス、可燃ガス、ガス化してしまったそのガス化したものを利用して発電機を回すという形の施設です。施設単独としてこういうものを、同じ木質バイオマスですけれども、ペレットを直接燃やすのではなくてガス化して発電するという施設に利用したものです。
 またひとつは、これは盛岡の西口にある熱供給センター、これは出資母体は東北電力で、東北電力の熱供給事業の一つで、事業として独立していますので、熱供給センターという形になっておりますけれども、ここのマリオスの地下2階のところに実は広大な水をためておりまして、その水の温度をヒートポンプを使って温度を上げているのです。冬場に上がったやつを使って、ヒートポンプというのは一方から熱を奪って、もう一方の方に熱を供給する、つまり熱をくみ上げるポンプのようなものなのですけれども、その中に自然であれば先ほどのフロンみたいなものを使って、そういう装置を組むのですが、その熱をくみ上げると一方の温度がどんどん下がってきます。熱を供給する側の温度が上がる。ですから、冷水と温水を同時につくることができます。冷水は冷房用に、温水は暖房に使う。それを区切ってプールのようなものを地下につくって、これも見物できますので。あと上の方に上圧装置をつけまして、この一帯のビル、最近ようやく空き地が埋まってきていますので、そういうところに温水と冷水を供給する配管ができる。熱源をどこに持ってくるかというとこっちの方に、昔の都南ですが、都南に下水施設の送水管があります。盛岡のここのところに下水処理場があります。下水処理場の方にぐっとパイプを引っ張っておりまして、下水処理場での熱源。下水というのは年間を通して大体10度ぐらいで、もう少し本当は高いのですが、そういう温度の熱源になっている。その熱源から熱をもらって、ヒートポンプというのは熱源の熱をくみ上げるわけです。それで、この温水とか電圧、ここからのやつはこっち側の川を渡して下水処理場に行く。熱だけをもらうというシステムです。
 これは下水熱を利用していますので、先ほどの新エネルギーではないのですが、今まで使っていなかったエネルギーを利用するという意味で、未利用エネルギーを利用しての一つの例です。こういうふうなものによって、物を燃やして熱を発生させるのではなくて、ヒートポンプによってくみ上げた熱を利用して地域の冷暖房を行うというのが一つのシステムです。これも実は東北電力の担当の方に直接聞きますと、自立というか、その熱を供給することによって得られた利益とこの施設を運転するのでペイするのですかというと、それは聞かないでくださいというふうにくぎを刺されますので、このぐらいの施設をもってしても残念ながら利益と損益にかかるコストというのはなかなかバランスしないというところなのですよね、こういった問題もあります。
 これは模型でありまして、これが実際のヒートポンプで、これで熱をくみ上げるというシステムになっております。今のところマリオス、あとは岩手朝日テレビのところに熱源を供給しています。当初計画したよりも大分小さくしたみたいですので、さらに経営的にはかなりてこ入れしているのではないかというふうに思っています。
 もう一つの例としてエネルギーのローカル化という問題がありますので、それをちょっと御紹介させていただきます。実際電気をつくるというのは非常にロスがあるのですよということなのです。電気は非常に使い勝手のいいエネルギーなのですけれども、使っているもとのところでかなりのエネルギーロス、あと発電所から実際に使われるところはかなり離れておりますので、送電ロスというものがあるということで、これが火力発電所の熱効率です。これは設計熱効率ですから、このぐらいを目指して設計しているのですよということなのです。ですから、50%ぐらいを設計目標にして近年、2010年ぐらいですから設計しております。50%というのは燃料に対して、発電力がエネルギー換算すると有効に50%ぐらいの電気エネルギーが取り出せるという、半分はただ単に燃えているわけです。熱によって逃げているということなのです。こっちは設計目標ですので、実際どのくらいかというと、これは残念ながら実際の平均、稼働平均は実際41%ですから、40%ぐらいが燃料から電気にかわるということです。
 こっちの黄色い線は送電ロスです。これも大分減ってきてはいます。ですけれども、5%のところでこれ以上下がらないというか、安定的に5%ぐらいは遠くから電気を送るという段階で、最終的に電線で発熱して、その熱がこちらに逃げるという量が必ずあるのですよという形になります。そうすると、40%が有効な発電量で、5%が送電ロスですから、実質的に燃料を燃やした段階の三十五、六%というのが電気に変換されるわけです。そういうエネルギーになっているということです。ですから、こういう形で燃料を使って電気をうむわけですが、そこから家庭に実際に電気として利用できるのはもともと持っていた燃料の37%の電気量しかない。送電ロスと排熱を合計すると63%ものが熱として逃げていくと。
 こういうことを考えると、発電所からのエネルギー消費というのは非常に問題があるのでしょうけれども、これだけの供給エネルギーをほかのもので代替できるかというととてもできません。
 これは家庭で使われる例をちょっと二、三紹介させていただいたものです。今現在はオール電化ということでクッキングヒーター、IHクッキングヒーターというのが使われております。これは鉄系の鍋の下にクッキングヒーターがあります。この中に電磁コイルがありまして、電流を通すことによって、磁力線が発生します。この磁力線が生じるとうず電流ができます。このうず電流がこの鉄線の中で発生すると熱を生み出しますので、その熱で鍋自体を温めるというやつであります。これが発熱原理でありますけれども、熱効率は実は90%あるのです。ですから、鍋自体を加熱していますから、非常に熱効率は高い。
 ガスコンロは、空気を温めるのと鍋を温めるのと同時ですから、こっち側の家電の方に熱がいくのは半分ですよと。そうすると、非常に熱効率から考えてクッキングヒーターの熱効率は高いというふうになろうと思います。ただ、残念ながら家庭に来るまでの送電効率が37%で、両方を掛け算しますと、IHクッキングヒーターの実際の鍋を温めて、中の料理に使われるのが8割だとしても、両方掛け算すると、実際にはもともとの発電所の投入エネルギーから考えると29%、3割程度の熱が実際に使われています。ここのところは自分の家庭の中に来るまでに逃げられてしまっていますので、こっち側の熱効率オンリーでは見えないところが出てくるというようなところを考えていかなければならない。IHの良さももちろんありますので、この辺は実際に使用する側から見れば非常に便利であるということです。
 同じことは電子レンジにも言えるのです。電子レンジは、先ほどの発熱原理と違いまして、うず電流になって、マイクロ波を照射することによって、水分子を振動させます。振動させることによって、お互いがこすり合わされて摩擦熱によって発生する、発熱するというメカニズムになっています。電子レンジの熱効率は、残念ながら熱効率を下げる要素として、すべての加熱ができる。水の加熱に使われない。つまり、容器を加熱する。熱くなったものが熱が加わることによって、容器に逃げたりしている。水を温めるほか容器に熱が伝わる。あと水が蒸発するときに熱を奪っていきます。あと容器そのものからの熱環流率もありますので、これらを加味すると全体的には、残念ながら投入したエネルギーの25から52、結構広い幅なのですけれども、こういう幅での熱効率になります。そうすると、先ほどの37%をここに掛け算する必要が出てくるわけです。そうすると、実際には大もとの供給エネルギーからいいますと9%から20%ぐらい。そういう形で、電子レンジも残念ながら余り熱効率が高いものではない。
 そうすると、基本的には燃料をそのまま使った方が熱効率的にはいいということになる。これは実はねらっている作用ですので、先ほどの酸化反応と、ここで二酸化炭素の発生を余儀なくしていくと。これCH3ですから、メタン、これ自体が、先ほどお見せしましたように温暖化ガスで、それに酸素をくっつけて燃やすという作用で二酸化炭素を発生させる形になっているわけです。これが残念ながらガスというものを供給して、持っているエネルギーに対して考えていることは56%ですから、先ほどの発電所での効率と送電ロスというものを無視して考えると、それは両方とも掛け算して、全体の効率というものを掛け算して考えると、それよりも高くなってしまうということが出てくるのです。
 もっともこれは東京ガスの方で調べましたので、ですから電力会社の方で、自分のところはいいですよというのは当然のことですから、必ずしもこの数字どおりかどうかはちょっと確認してみないと分からないです。
 ただ、そういうものを発電の全体から見てみますとIHと電子レンジ、電熱器は、これは昔の赤くなる電熱器のことで、これは問題外です。これに比べるとガス調理器というのは燃焼を考えてみても結構いいものが出てきているというのが分かります。この辺の評価というものをトータルとして行うということが今後必要になってくるかなというふうに思います。
 あとは代替フロンの取り組みですが、ここは先ほど紹介しましたように、アンモニアというものを使うような形になってきて、それがどこで使われてきているかというのをちょっともってきて流していきたいと思います。
 先ほどお話ししましたように、アンモニアの場合にはオゾン層破壊係数と地球温暖化係数、これがありません。ということで、フロンというもので使っていた冷媒というものをできるだけ使わないでおきたいということで、代替フロンという形で車のエアコンの方も変わってきてはいるのですけれども、それをさらに自然冷媒に持ってきてはどうかというふうな形でヒートポンプというものが評価されてきている。ヒートポンプというもの自体も新しい技術としてだんだんと家庭とか、洗濯機の中にも使われ始めてきております。これで見ますと、オゾン層破壊係数はほとんどありません。地球温暖化係数というのは、こう見ますとフロンというのは1,700から2,300でかなり高い係数になっています。ただ残念ながら蒸発するときの電熱が大きいのですが、温度が、アンモニアガスというのは非常に刺激臭の強いガス体でありまして、溶解する能力が高いのですが、溶解すると物すごい量のアルカリ成分、アルカリというのは酸性ではなくてアルカリ性のアルカリ性ですけれども、そうしますと有機質を解かし込んでしまいます。ですから、アンモニアガスを吸い込んでしまうと自分のもとの水分と結びついて、物すごい強アルカリになります。それで有機質を解かすということがあって、人間にとっては非常に過酷、決していいガスではない。ただ、においがきついものですから、どこにアンモニアがあるかというのはすぐわかる。長い歴史の中でアンモニアというものは腐敗臭とか排出臭に相当しているものですから、人間にとって非常になじみ深い。最近は、臭いとしてはアンモニアの臭いをかいだことはないのですけれども、非常になじみ深いにおいなのです。そのために発見が早いということで、ちょっとの臭いでもすぐわかるというような、そういうようなことです。だから、漏れると大変です、何があったのだろうと。毒性はあるのですけれども、発見が早いので、余り極端なことにならない。極端な事件がないということです。アンモニアの毒性については、資料として添付してありますので、ちょっと見ていただきたいということで、こういうものをどこで使っているかというのが一つの紹介。その辺が先ほど紹介しました茨島跨線橋で、これ、新幹線工事に伴いまして、ここに跨線橋が新たにかけかえられました。そこの融雪システム、ここに融雪するために温水を流すのです。こっちは不凍液としてプロピレングリコールと水を混ぜ合わせたものですけれども、それを入れたものを循環させております。中にガス管で25ミリぐらいの鉄管がずっと敷き詰められておりまして、その上に大体80ミリぐらいアスファルトが敷いてあります。これでここの跨線橋の上り口のところからおり口のところまでずっと温めて、雪が降ったときに、これを動かしておりますと雪が解けるのです。ここにヒートポンプといって熱をくみ上げる装置があります。
 このヒートポンプに使われておりますのが自然冷媒、先ほどのアンモニアです。これは、ここに茨島跨線橋があります。こっちが青森側こっちが盛岡側なのですが、ずっと青森側に行きます。青森側から盛岡側に来るときに、上り口のところで二またに分岐します。こっち側から行くと、これは厨川の裏の方に抜ける道路がこの跨線橋の下を通っていくのですけれども、この二またに分岐したところのちょっと行ったこの辺にこういう施設があります。これが自然冷媒の紛入したヒートポンプシステムということになります。これが上り線の方です。実は下り線の方にもありまして、下り線の方はこの橋のちょうど下のこの辺に、バイパスの下を抜けて巣子の方に抜ける道があるのですけれども、橋の下あたりにもう1基あります。ですから、2基、この二つのシステムを使っております。
 ここは実験的な試みもあったものですから、こういった自然冷媒を使って消融雪にする施設を、こっちの方に同じように上り線、下り線側の方で両方とも別の種類の消融雪システムが入っております。これは、こっち側の方は主に地下水をくみ上げてこの中を回しまして、こっちの還元水に返してやる、そういう密封システムです。この二つのやり方をとって上り線、下り線というものを行っております。これがヒートポンプの全体の回路図でありまして、大体ここに路床盤、橋げたに相当しているところの、橋げたの上にあるアンテナ、コンクリートの層なのですが、その層に基準層を設けまして、ここにガス管を入れて、そこをコンクリートで押え込んで、さらに表層、ここがえぐれてきますので、ここを舗装で直すわけです。ここには地中杭というのを40本ぐらい打っているのです。これは75メートルぐらいずっと掘りまして、その中にグラウト材といって固めてしまうような材料、コンクリートを少し固めるようなやつ、それとあとここにポリエチレンのUチューブを入れる。それで、こっち側から水を流し込んで、地中で熱をもらって、地下の方だと5メートル以下だとほとんど十五、六度Cで安定しています。しかも、この茨島というところは地下水が結構流れていますので、この温度というのは地下水の温度でほとんど一定になっています。それで熱をもらって変えている。これを熱源として、そこから先ほどのヒートポンプというのを利用して熱をくみ上げるというシステムです。このヒートポンプシステムは、地下からの熱をもらう、熱を熱源にして吸熱するというシステムと、あとは空気熱源ですから2度Cぐらいになると、地下からの熱をもらうようなシステムで、それ以上の温度ですと空気の熱をもらって、それを熱源にして、先ほどの不凍液の温度を上げるという2種類の熱源を交換するようなシステムで、実際にこれを循環させて運転させるシステムです。このシステムは地中抽熱というシステムになっていますけれども、残念ながら国土交通省が管理する国道だからこそできるシステムで、なかなかそれをほかのところに持ってくるというのはコスト的には合わないというふうなことです。
 もう一つのシステムが地下水還元、こっちの方はコストは余りかかりませんが、いろいろ問題点があるのは、温度が下がってきたときに、凍結すると水ですから、膨張してこの回路を壊してしまう。そのために寒いときはほとんど運転しっぱなしです。冬場は止めることはほとんどしないでずっと回しっ放しにするというふうな問題と、気温が下がったときに非常に心配だというふうな2つの問題です。不凍液はマイナス30度ぐらいまで凍りませんので、そういう意味ではちょっとどうかなと思います。
 将来的な取り組みは、先ほど紹介しました二重窓ガラスの構造というもので、うち自体を暖めるという形になります。実際の排出というものを下げるために、コスト的には一番身近な問題として取り組めるということであります。これは、盛岡地区は非常に進んでおりますので、こういう二重窓ガラス構造というのが作られております。最近はこの二重窓ガラス構造の中を真空引きするというところまでこってきたのがあります。そうしますと、熱の移動というのは基本的には中に空気があると空気がとどまっていますので、空気がとどまっているところを伝わって熱が逃げて行くわけです。真空にすると空気がない。そうすると全然熱が逃げないのかというと残念ながらそうではなく、今度は太陽が地球に届くときに真空中を通ってきますから、あのメカニズムで熱が逃げていくということになります。それを避けるために、今度は窓の内側に特殊な金属マットを装着しまして、これで放射と言われている太陽光のやつを遮断してはね返してやるというようなシステムまで開発しております。こういうふうに、どんどんコスト的に値段が高くなってくるというふうな形の断熱構造というものが行われている。
 ただ、窓というのは光を取り込むということもありますけれども、室内の面積の大半のかなり多くの部分を窓が占めておりますので、窓を断熱するというのは非常に有効な手段になってきております。熱の伝わるメカニズム、この辺は省略させていただきます。
 窓の空気層というのは12ミリになっていて、この辺も熱の研究と絡んできますが、ちょうど10ミリぐらいから熱が急激に逃げてくるようになります、厚さが10ミリを超えると。この10ミリというのが一つのはかりです。厚くすれば厚くするほどいいのですけれども、厚くすると10ミリから熱の逃げが立ち上がってきますので、これ以上厚くすると今度は逆転する可能性がある。そのぎりぎりのところが10から12ミリのところにあるというのが実際の施設で実験してみたものです。両方比べてみても、ちょうど10ミリぐらいのところで変曲点がある。この辺から現象が変わってくるということで、単純に厚くすればいいというものではなくて、快適な厚さが10ミリ近辺にあるということが分ってきております。
 最後に、ちょっとご紹介させていただきたいことを二、三述べて終わりにしたいと思います。今まで見てきたのは、二酸化炭素放出に対する対策ですね、岩手県内のそうしたものを見てきたわけですけれども、最終的には、IHクッキングヒーターはみんなそうですけれども、どこで二酸化炭素を発生して、自分の家庭まで来ているのかというふうな全体的なトータルというものを見ないと、排出ガスの削減というものが目先のもので消えてしまうということがあるのではないかと考えております。それで、ライフサイクルコスト、LCCという発想ですが、これは基本的にはうちを対象にした考え方なのですけれども、物を製造して、最終的に排出する全体をしてみて、ライフサイクルというものでコスト計算をしています。そのライフサイクルを全部全うするために必要なエネルギーというものを見なければいけないという発想です。これと同じことを二酸化炭素の排出まで考えなければいけないというのがライフサイクルCO2という発想です。ですから、電気の供給源から家庭まで全部含める、ないしは供給源そのものを建設する際に使われる必要なものをCO2換算で計算して、そこから最終的にその建物がもう使わなくて崩す、そこまでの全部のものを考えないと二酸化炭素というのは、一部分で実際に削減したとしても、トータルで見た場合には総量で増加しているということがありますので、こういったライフサイクルCO2という、LCCO2という発想をもって全体評価というものを実際にしていかなければいけないということはだんだんと考え方として出てきますので、局所的な二酸化炭素の排出削減というのがあって、その電気を発生させる装置の建設から最終的に建物が使われなくなって、解体されるまでの全体として負荷というものを総量として考える必要があるというふうなことが言われてきておりますので、ライフサイクルCO2というという観点で二酸化炭素の排出基準を実際には考えていかなければならないのではないかというふうに思います。
 先ほどちょっと申し述べさせていただきましたように、まとめは特につくっていないのですけれども、自然エネルギーは基本的には非常に低密度、密度の薄いエネルギーで、それを実際に利用するためには集中させて濃度を上げなければならない。その濃度を上げさせるための方法としていろんなものを使う。低密度エネルギーは、残念ながら世の中に蔓延しているのですが、なかなか利用価値まで上げるための密度を上げるためのコストがかかるということで、コスト的に合うハード、装置そのものを考えて、それから実際に運転コスト、導入コスト、それから生み出す技術のバランスということで考えると、なかなかプラスに転じないというところがある。そういうものを行政としてどういうふうにしているのかというところとか、あとは先ほど申しましたように系統連系につなぐというときに、それが単に一つの行政体だけでは無理ということで、実際には東北電力の系統連系にのせていかなければいけないということと、あとは岩手県内の木質バイオマスがそうですけれども、非常に地域性が強い、その地域の実情に合ったものをうまく選択しながら総体的な全体としてのライフサイクルCO2というものを見て、CO2削減というものの取り組みが必要だというふうな形で、まとまりがつかなくて恐縮なのですけれども、総枠的に御紹介させていただいたということでこの辺で終わります。御清聴ありがとうございました。
○高橋雪文委員長 貴重なお話、まことにありがとうございました。
 それでは、ただいまより質疑、意見交換を行いたいと思います。ただいまお話しいただきましたことに関しまして、皆様方の質疑、御意見などがございましたらお願いしたいと思います。挙手でお願いしたいと思いますが。
○及川幸子委員 どうもありがとうございます。きょうのテレビを見ていた報道ですと、ことしの気温の上昇というのは大変異常だということがきょうも報じられておりましたけれども、そういう中で私どもは大変なことはわかるのですけれども、ならばどうしようかという、そういう個々の取り組みというのがなかなかできないのが現状だと思っております。家庭においても大変なごみの量ですね。リサイクルとはいいながらもえらいごみの量でございます。
 そういう中で、社会的な取り組みというのがなかなか進んでいないのではないか、過重包装とかもこれも無駄だというふうな部分も大分あると思っております。ですから、私たちが岩手県にとっても何から温暖化対策でできるのかという、そういう取り組みというのを先生はどのように県独自で考えるべきだとお考えでしょうか。
 それから、もう一つですが、原子力という面では大変重要だとも思っておりますが、原子力発電ですね。一方では、大変危険という部分でも風評被害等も言われております、六ヶ所村の問題もありますけれども。そういう部分で、やっぱり県に周知していく部分については、またそれも取り組みでしょうが、先生はどのようにお考えでしょうか、この2点お聞きしたいと思います。
○廣瀬宏一参考人 岩手県の社会的な取り組みということですけれども、岩手県には地球温暖化対策推進本部というのがございまして、これは私より皆さん方の方がはるかにお詳しいのではないかと思うのですが、ソフト面からとハード面からといろんな取り組みをなさっておられるのではないかというふうに思っております。
 先ほど申しましたように、企業さんの方にどんなふうな取り組みをしているかというような、優良企業ですね、そういうふうな形で公開させていただいたりしているのではないかというふうに思っております。
 個人的なところは、例えば家庭のごみの問題というものが実はございます。なかなか減らないというのは実情だと思います。実際には、最近スーパーでもごみ袋の有料化ですね、そういうものが進んできたり、消費者だけではなくて、全体に使う方との一体感を持って取り組むというのが本来の姿ではないかなと。消費者だけに持ってきますと、確かにごみというのは行政が責任を持って処理するというかたちで、盛岡市でもごみの焼却場ですか、あと滝沢村の方でもごみ溶融関係の焼却場ができたと、そういうところで処理せざるを得なくなってきますので、そうするとそっちの方にかかるコストも結構なものになってくる。ですから、今のところ進めている分別収集というのがある時期とまっていく必要が出てくるのではないかと思いますけれども、その最終的に省エネルギーという形で紹介しましたように、生活に密着することによって、実際に使っている消費者の方が生活的に安定してくるというか、安定な方に向くのですよというふうなことを注視させるというか、ソフト面からの取り組みというものと、あとハード的なものを実際にどのぐらい熱が逃げていかなくなるのですよということをうまく知らせる仕組みというものを提案していくのが一つあります。そういう意味では、実際にソフト的なものとハード的なものとをうまくシステムとして、全体的に構築していくといったものを見守っていただければというふうに思うのと、あとは先ほど何遍も申しましたように、こういうのは基本的にコスト的に資金だけで考えますと、必ず合わなくなってくることが来るのではないかと私も個人的に思っていますので、それをいかにうまくバックアップするシステムをつくれるかということになるのではないかと。
 あと原子力の問題というふうなことが一つあります。原子力は、現在発電総量の30%ぐらいを原子力に頼っているというふうに電力会社の統計で出てきております。ですから、発電総量の30%ですから、残念ながらそれをゼロにするというのはかなり難しい問題もあるのではないかというふうに思っておりますけれども、コスト計算、先ほど申しましたようにライフサイクルCO2ということを考えますと、実際には施設をつくっている鉄骨をつくったり、コンクリートをつくったり、そういうものを全部トータルとして含めてCO2換算するというふうなところの観点をもう一回持ってこないと、後先ほど申しましたように、物をつくるところから最終的に施設が使われなくなって滅するところまで、そういうところまで全体を含めてCO2という換算で評価して同一軸で考えていかないと、発電した電力に対してはCO2は出ませんよと。でも、それをつくるために必要になった資材とか、そういうものに対しては実はCO2は非常に出ていたと。そういうものは見えないところから出てくるかと思いますので、そういうトータルな評価というものが必要かなと。
 あと近年の中越沖地震のように、日本は残念ながら非常に地震国家ですので、その対策というものも含めて考えますと、コスト的なものも含めてCO2対策、風評被害含めてですね、風評被害は残念ながらCO2換算はできませんので、そういうものも含めて全体的な評価というものをもう一回きちっとするというのが必要ではないかなと思います。あっているかどうか、わかりません。
○及川幸子委員 もう一点ですが、木質バイオマスは岩手でも環境首都いわてということを目指して大きく立ち上げたプロジェクトだと思っております。しかしながら、現状はペレットの原料が大変入荷できない状況でございます。何度も担当課に私もお邪魔していますけれども、間伐材の促進がなかなか、伐採している木材が手に入らない。ですから、ペレットストーブが幾ら売れても、これから燃料的な供給ができるかできないかというところに実は来ているのです。先生もその辺のところ把握なさっていらっしゃるでしょうか、済みません。
○廣瀬宏一参考人 燃料供給は、たしか県内では住田町に1カ所とあと葛巻の葛巻林業ですから2カ所か3カ所あるのかなと思います。
○及川幸子委員 あと胆沢区にもあります。
○廣瀬宏一参考人 そこの部分で供給するというふうな、でかい袋に入れて1トン単位で持っていくというのを聞いておりますけれども、県内で間伐材が手に入りにくくなっているという状況まで私は把握しておりませんでした。県内には3カ所のペレット供給基地がありますので、一応県内の燃料ぐらいは賄えるかなと。ただ、そのほかに拡販をしようとすれば難しくなってくるところがあるのではないかなという感じで思っています。
○及川幸子委員 先生がおっしゃるように、やっぱりこれもコストなのです。ペレットつくるには大変大型な機械を導入しなければならない。採算がとれないのが現状です。それから、輸送ですね。ところが、これからペレットストーブを売るために岩手県も大分門を広げて呼びかけているのですが、その辺のところがこれからの大きな課題ではないかと思っておりますので、先生にもこのような立派なパネラーちょうだいしましたので、その辺の材料が足りないというところもどうぞ今後先生もお含みおきいただきまして、よろしくお願いしたいと思います。以上です。
○阿部富雄委員 今のお話の中で新エネルギーだとか、あるいは未利用エネルギーのコストの問題からいくと、到底現在のエネルギー供給にはかなわないということであれば、かなりこれが普及するというのは時間がかかるだろうというふうに思うのですが、これは政策的なものを取り入れていかないと、なかなか私は進まないのだろうなというふうに今先生のお話を聞いたわけです。例えば東北電力がやっているように緑の電力の枠をふやすとか、あるいは既存エネルギー、例えば電力にしても、石油にしてもいいと思いますけれども、そういうものに対する負担を求めて、それらを新エネルギーだとか未利用エネルギーに回すという、そういうふうな形での普及を図る以外に当面する有効な手段というのは、私は居合わせないのではないかなというふうに思っています。もちろん税制の問題も含めて、政策的な形での新エネルギー、未利用エネルギーの活用を図っていくということが大事だというふうに思いますけれども、学者先生の考えはどういうふうな状況にあるというふうにお考えでしょうか。
○廣瀬宏一参考人 今御指摘いただいたように、政策的なバックアップというのがこのエネルギーを導入する場合、資源とかを考える場合には非常に重要なファクターになってくるというような御指摘いただいたとおりだと思っております。ただ、個人というか、家庭にそういうものを導入させる場合には、ある程度メリットというものがないと、なかなか家庭の中には浸透していかないかと思いますので、先ほどの省エネルギーにしてもコストバランスというものをもう少しうまく知らせるように、そういうものも行政の方でうまく周知させて、手段を持っていらっしゃると思いますので、そういうものを利用しながらコスト的に、実際には短い時間の中でのコストは合いませんけれども、長期的に見た場合にはだんだんとペイする方向にいくというようなことを、率として少しずつでも上げることができるようなハードの開発も必要でしょうし、そういう機器の周知というものも税制の側面から、政策的な側面からもあるでしょうし、そういうものを周知していくというシステムづくりというか、仕組みづくりのようなものとの合体を考えてきていただければというところもあります。答えになっているかどうかわかりませんけれども。
○大宮惇幸委員 エネルギーの一つに、実は熱水というエネルギーがあったわけでありますけれども、これは私の地元であります雫石に地熱発電、それからクリーンエネルギーということで国が実証調査をやったわけでありますけれども、いずれ国の実証調査は終わったということで、県の段階でもコスト高ということで打ち切ったわけであります。いずれ先生の考え方とすれば熱水、クリーンなエネルギーというものに対しての考え方はどのようにお持ちなのか御所見をお伺いしたいと思います。
○廣瀬宏一参考人 熱水そのものは非常に有望なエネルギーではないかと思います。残念ながら、それを使って電気を生み出すというふうなことを考えますと、先ほどもお話ししていましたけれども、火力での電力供給、発電効率からいきますと、重油とかそういうものを燃やす方のエネルギーでさえ、残念ながら40%程度の発電効率です。ですから、熱水の場合には温度の状況もありますので、単にそれだけでは効率があがらない。ですから施設を造りまして、発電だけで、電気にかえて、電気だけだと東北電力に売電しようというふうなことで考えますと売電効率は非常に安いのです。残念ながら買う値段の、何もしなければ3円とか1円、数円単位だと思います。実際には買う場合には17円とかで何分の1かになってしまいますので、それで施設を全部ペイする、還元、償却しようとすると相当な年数かかってきますので、残念ながらそれは難しいのではないかと思います。ですから、その施設が発電オンリーではなくて、もう少し熱源そのものを何か利用するというふうなシステムを考えていかないと、せっかくの熱水という資源が、残念ながら電気に還元するというシステムだけになっていくのではないかというふうにちょっと感じたのです。
 最近の話としては、電気と熱を同時に使うコージェネレーションシステム、そういうものも少しずつ開発されてきていますので、熱源そのものというものプラス電気プラス熱源プラス観光資源ですか、そういうふうなものまで全部含めたものの資源として熱水を利用するというふうに考えていって、全体的なコストとしてというふうなところまでシステムを拡張していくことによって、何とか考えていけるのではないかと考えております。
○高橋雪文委員長 ほかにありませんでしょうか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 それでは、私の方から少し質問させていただきたいと思うのですが、費用対効果みたいなものが非常に重要であるということを学ばせていただきました。循環型社会の形成という視点から、本県においてのエネルギーの取り組み、その地域特性を含めたエネルギーの取り組みですね。その辺を今県はペレットストーブという形で、各市町村の自治体はどちらかというと風力でというかたちですけれども、地域特性を考えるとどういう取り組みが一番理想的なのか、まず先生のお考えをお聞きしたい。
 もう一つは、個人的なのですが、電送コストが非常に悪い、電送ロスがあるということなのですけれども、交流から直流で流すと非常にロスが少ないという話も聞いたことがあるのですが、これはどうしてやらないのか、技術的な部分で何が問題なのかというのを知っているところで教えていただければと思います。
○廣瀬宏一参考人 地域特性につきましては、やっぱり非常に重要だと思います。岩手県としての地域特性というふうな大枠のこともありますでしょうし、あとは各市町村単位の地域特性というところまで実は地域特性というのは異なってきているのではないかというふうに考えられるところもあります。そういう意味では、葛巻というのは森林ということですので、木質ペレット、あと風力ということで一つのイメージというか、クリーンエネルギーによってさまざまなものを生産しているというふうな、そういう逆の意味での利用というのですか、そういうものを構築することができた珍しい例ではある。先進的な取り組みということもあるのでしょうけれども、そういう意味で逆に考えると、観光というのですか、そういうところまで一つの資源化として行われているということで、エネルギーというものを、先ほど何度もコストということを申しましたけれども、単純に売電によるコストではなくて、地域が持っている生産物まで持ってくるイメージまでつくるようなコストまでを、実際に売電ではないのでしょうけれども、そういうもののコストまで含めて地域というものの特性とエネルギーを結びつけていくということが必要になってくるのではないかというふうに思います。ですから、地域特性といっても各地域ごとに違うということと、実際のコストというもの、自然が持っているコストというものをうまく結びつけて、自然エネルギーが持っている特質を地域の生活の構築に実際にうまく結びつけていくことがどういうふうにできるかというところが一つの課題になるのではないか。
 あと直流と交流の問題ですけれども、余り詳しくは存じ上げないのですが、直流で送電しようとした試みも随分なされていたのだと思うのです。アメリカの場合、エジソンが考えたときに最初は直流で送電していたそうなんです。それが電圧変換かなんかのコストのところでうまくいかなくなって交流に変わったような記憶がありますので、ちょっとうまく説明申し上げられないのですが、今のところこういう送電ロスは結構起こるのですが、家庭に電圧変換するということのしやすさ、電圧変換する際のコストがかからないということから交流に変わっていったのではないかというふうに記憶しておりました。
○高橋雪文委員長 ありがとうございます。それでは、皆さん方よろしいでしょうか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 それでは、非常に貴重なお話をいただきましてありがとうございます。改めて先生に拍手をお願いしたいと思います。
 ほかにないようでございますので、本日の調査はこれをもって終了いたします。本日はお忙しいところをまことにありがとうございました。
 それでは、先生が退席をされますので、しばしお待ちいただきたいと思います。委員の皆様には、次回の委員会運営などについての御相談がありますので、しばしお残りいただきたいと思います。
 (参考人退室)
 次に、9月5日に予定されている次回の当委員会の調査事項についてでありますが、この件につきましては当職に御一任いただきたいところですが、現在調整中でございますので、固まり次第後日連絡いたします。
 この際、暫時休憩いたします。
 (休憩)
 (再開)
○高橋雪文委員長 それでは、再開いたします。
 次に、県内調査についてお諮りいたします。お手元に配付いたしております平成19年度環境・エネルギー対策特別委員会調査計画案のうち、県内調査を御覧いただきたいと思います。この日程により調査を行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。なお、詳細につきましては当職に御一任願います。
 次に、県外調査についてお諮りいたします。平成19年度環境・エネルギー対策特別委員会調査計画案の2、県外調査を御覧願います。県外調査については、各委員の意見をお聞きした上で、次回協議したいと考えておりますが、この際何か御意見ありませんでしょうか。
 (「なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 それでは、次回協議することで御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○高橋雪文委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。ありがとうございました。

【戻る】