子育て支援・少子化対策特別委員会会議記録

子育て支援・少子化対策特別委員会委員長 工藤 大輔
1 日時
  平成18年8月2日(水曜日)
  午前10時6分開会、午後0時5分散会
2 場所
  第4委員会室
3 出席委員
  工藤大輔委員長、高橋雪文副委員長、及川幸子委員、千葉康一郎委員、関根敏伸委員、
 ザ・グレート・サスケ委員、三浦陽子委員、樋下正信委員、工藤勝子委員、飯澤匡委員、
 小野寺好委員、高橋博之委員 
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  菊池担当書記、石井担当書記
6 説明のために出席した者
  参考人 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付
       参事官(少子・高齢化対策第1担当)  増田 雅暢 氏
7 一般傍聴者
  なし
8 会議に付した事件
  今後の少子化対策について
9 議事の内容
○工藤大輔委員長 おはようございます。ただいまから子育て支援・少子化対策特別委員会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。本日は、お手元に配付しております日程により会議を行います。
 これより今後の少子化対策について調査を行います。本日は講師として、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)の少子・高齢化対策第1担当参事官、増田雅暢氏をお招きしておりますので、御紹介申し上げます。
 増田参事官の御経歴につきましては、お手元に配付いたしておりますとおりでございますが、この2004年7月に少子化社会白書を内閣府として、参事官として初めて作成をされたということで、その少子化担当について御活躍をされたということで、まさに現在そしてこれからの少子化対策における第一線、中核として活躍をされておる方でございますので、御報告申し上げます。
 本日は、今後の少子化対策についてと題しまして増田参事官より御講演をいただくこととしておりますが、増田参事官には御多忙のところ、御講演をお引き受けいただきまして感謝を申し上げます。
 これから御講演をいただくわけでございますが、後ほど増田参事官を交えての質疑、意見交換の時間を設けておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、増田参事官、よろしくお願い申し上げます。
○増田雅暢参考人 おはようございます。ただいま御紹介にあずかりました内閣府、少子化を担当しています増田と申します。
 最初に、皆様方におかれましては、地方行政の推進のために大変毎日御尽力いただいているところでございまして、また私どもの少子化対策につきましても、大変御理解、御協力をいただいておりまして、この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。
 ただいま委員長から御紹介いただきましたけれども、私もともと厚生省の出身であります。出身は埼玉県でありますが、この経歴にあるとおりでありまして、いろいろ著書がありますのは、途中、九州大学の法学部に派遣・出向となってから、例えば大学で社会保障分野を教えたり、帰ってから研究所で勤務をしたりしておりましたので、行政官とそれから研究者と両方並行していこうということで、ここまで来ております。
 途中厚生省では介護保険制度の創設業務に携わりましたものですから、その後も介護保険の内容あるいは政策過程、介護保険の課題、そういったもので本を書いているところであります。そして、一昨年から内閣府に異動となりまして、少子化対策を担当しております。それで、本日は6月20日に新しい少子化対策を取りまとめましたので、その内容を中心に、これまでの少子化対策の歩みとそれから現状、それから今後の方向についてお話をしたいと思います。また、終わった後、先生方から、ぜひいろいろと忌憚のない御意見あるいは御提言などを賜ればというふうに思っております。
 ちょうどお手元に資料がございますが、これは最近は大変よく目にするデータであります。戦後の出生数とそれから合計特殊出生率の推移をあらわしたものであります。戦後2回ベビーブームがありまして、この第2次ベビーブームの後、ずっと出生数それから合計特殊出生率も低下傾向にあるというものであります。この合計特殊出生率につきましては、大体2.07か2.08ぐらいないと人口を維持できないというふうに言われていまして、日本の場合、第2次ベビーブームを過ぎた70年代半ば以降、2.07の水準を下回ってきているということであります。そして直近の合計特殊出生率、6月に厚生労働省が発表されましたけれども1.25、それから出生数も110万人台を割って106.3万人と過去最低を記録いたしました。この合計特殊出生率につきましては、一昨年が1.29でしたから0.04ポイント落ち込んでいますし、それから出生数も対前年より4.8万人減少しています。最近ではそれぞれ大きな落ち込みとなっていますので、新聞やテレビでも、また少子化と人口減少社会が大きく取り上げられたところであります。
 次の2枚目のスライドが人口減少社会の到来をあらわしたものですけれども、ちょうど昨年の総人口が一昨年よりも減少に転じて、これは従来の予想よりも2年早く人口減少社会に入ったということであります。昨年の場合、初めて人口の自然減といいまして、出生数よりも死亡数が多いという状況ともなっております。
 そして、この資料は一番下の注にありますけれども国立社会保障・人口問題研究所、実は私、ここにも2年所属していたことがあるのですが、ここが平成14年に人口の将来推計をあらわしたものです。これを見ると、2050年には人口が1億人になるだろうという推測です。このデータを見ますと、1920年、初めて国勢調査をやったときには約5,600万人でした。これがずっと右肩上がりで上がってきて、戦争中は一時人口が減少しましたけれども、1967年に1億人を超えて現在がピークで1億2,767万人。しかし、既に昨年から減少に転じて、将来的には、今後、人口減少の一途をたどるということであります。それで、なおかつこれは平成14年の推計でありまして、現在国立社会保障・人口問題研究所で今年中に新しい推計をしようという動きとなっていまして、恐らく新しい推計が出れば、もう少し人口減少度合いは大きくなるのではないかというふうに考えています。
 いずれにせよ人口が減っていくわけですが、いろんな人口学者の方の話を聞きますと、今の人口が多過ぎる、かつて1967年に1億人であるから、2050年に1億人になってもそんなに大きな問題はないというふうに言われる方もいます。しかし、私どもとしましては、同じ1億人でも人口の構成が違うというふうに思います。ちょうどここにありますように、昭和42年は高齢化率が6.6%、大変若い日本社会でした。ところが、2050年は高齢化率が35.7%、3人に1人以上が65歳以上の方という超少子高齢社会に入ります。ちなみに、現在の日本人の平均年齢が、ここでは単純平均年齢ですけれども、今43歳なのです。ところが、この昭和42年のころは、まだ日本人の平均年齢30代前半でした。ですから、大変若い社会の1億人だったのです。現在は43歳ですから、40歳と言っても、余り年をとっていない。ただ、これは国語辞典を開くとわかるのですけれども、初老という言葉がありますが、これは昔40歳をあらわす言葉だったのですね。今、40歳で初老というと、きっと皆さん怒ると思いますね。恐らく今50代半ばぐらいですか。確かに、日本社会の平均が43歳ですから、そういった意味でも初老を40歳とはだれも思っていないと思うのですけれども、2050年の日本社会の平均年齢は何と51.3歳です。もう、50歳でも日本社会全体の真ん中という、そういう社会になるわけですから、これは平均寿命も延びますし、大変望ましいかもしれませんけれども、やはり社会の活力といった面からすると、世界的に言えば年老いた社会になるということでありまして、やはり同じ1億人と言っても決して安閑とできないだろうということであります。そういった点から、この人口減少は不可避だとしても、やはり今から少子化対策を講じていく必要があるだろうということであります。
 次の資料の3ページ目ですが、これは現在の出生率・死亡率を前提に機械的に試算をしたものです。これは700年代から始まっていまして、昔は歴史人口学と言いまして学者が推計しているのです。ちょうど今、NHKの大河ドラマで「功名が辻」を行っていますけれども、1600年ぐらいはまだ日本の人口は1,200万人だったのです。それが現在は10倍の1億2,700万人となっていますが、現在の少子化の傾向が進むと人口が急激に減っていきまして、2100年には4,100万人、2300年には176万人、3200年は1人というのですけれども、これは2000年代後半からもう10万人ぐらいを割っていますから、1人で生きられるわけはないので、ある時期になると日本人がいなくなってしまうという機械的な推計であります。こうならないためにも、少子化対策を講じていく必要があるだろうと。
 次の資料ですけれども、これは後に持っていくとよかった資料かもしれませんが、実は今年になりまして出生数で明るい兆しが見えるということであります。これは全国ベースのデータですけれども、昨年の秋以降婚姻数が増加に転じておりまして、あわせて出生数が今年の2月から増加傾向に転じています。
 ちょっと右側のデータですけれども、1月から5月までで出生数が対前年比9,000人増加となっております。先ほど昨年の出生数は一昨年より4万8,000人減ったというふうに言いましたけれども、今年このままいくと2万人ぐらい出生数が少し増加に転じる可能性もある。しかし、これも今後の少子化対策次第ということもありますので、こういった明るい兆しを確実なものにするためにも、政府としても少子化対策をしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
 それで、本日はこの少子化の原因についての資料は落としているのですが、少子化につきましては既にいろんな学者や私どもも分析しておりますし、少子化社会白書の中でもいろいろと挙げております。それから、各都道府県におきましてもいろいろと分析されていると思いますが、大きく3つの原因ですね。これは直接的な原因ですけれども、1つは、結婚しない若者が増えているという未婚化の進展。それから2番目は、結婚するにしても結婚する年齢が遅くなっているという晩婚化ですね。それから3番目は、最近の現象ですけれども、かつては結婚すれば子供さんが2人以上産まれていたのですけれども、どうも最近の若い世代の夫婦は、結婚しても産まれてくる子供の数が減ってきているという、夫婦の子供の数がそもそも減ってきているという、そういう現象があります。この直接的な3つの原因ですけれども、その背景に一体どんなものがあるだろうかということで、いろいろ世論調査をすれば、例えば教育や子育てにお金がかかるということですね。それから仕事と育児の両立が難しいとか、それから、最近、90年代後半以降、いわゆるフリーターとかニートの増大で、若者の雇用環境が不安定となっているということでなかなか結婚できないとか、そういったことが背景としてあります。したがって、少子化対策としてみれば、そういった少子化の原因、背景に対してどのような対策を講じていくのかということになります。
 それで、5ページ以降はそういった少子化を取り巻く背景についての幾つかのデータを示しているものです。
 まず、5ページですけれども、これは出生率と女性の労働力率との関係を示したものです。かつては女性の社会参加が進んできて、働く女性が増えてきたことが出生率に影響を与えているのではないかと、そういったことがよく言われていました。これはOECD諸国のデータを比較したものですけれども、この5ページにありますように、これは縦軸で合計特殊出生率、横軸で女性の労働力率を示したものですが、1970年代を見ると、日本だけではなくていわゆるヨーロッパ諸国におかれても、女性の労働力率が高まると出生率が下がるという、そういう傾向にありましたが、85年を見るとほとんど関係がなくなってきて、一方、2000年になると今度は逆になっていくと。女性の労働力率が高いところほど出生率が高いということで、それはどういうことかというと、社会の状況を見れば男女共同参画ですし、男性も女性も自己実現あるいは仕事をするということで労働率が高まっていく。一方、それに合わせて社会の環境を変えていく。その結果、仕事と育児の両立がしやすくなっていく。その結果、出生率が高まっていく。そういったことが特にヨーロッパでは言えるのではないかということであります。
 それを具体的に示したのが次の6ページの資料になりますが、これは出生率と女性の労働力率の関係で幾つかの国を比較をしたものです。労働力率が余り上がらずに出生率が急激に下がっているのが日本、それからお隣の韓国ですね。一方、アメリカ、ノルウェー、オランダなどを見ると、かつては労働力率が低かったのですが、最近になると女性の労働力率が日本よりも高くなっている。一方、出生率も高いということです。ですから、先ほど言いましたように、男性、女性の働き方の変化に応じて仕事と育児の両立がしやすいようにいろんな社会環境も変わったり、さまざまな子育て支援策が講じられたり、経済的支援があるところは変わってきていると。
 一方、日本や韓国というのは、恐らくそういった女性の働き方の変化に対する対応はうまくいっていないのではないかということをあらわしているというふうに考えております。
 それで、実は先月、猪口少子化担当専任大臣が韓国を訪問しました。私も一緒に同行しまして、韓国は現在、ノ・ムヒョン大統領ですけれども、国務総理がハン総理という、韓国にとって初めての女性の総理なのです。それから、保健福祉部の長官と女性家族部の長官と猪口大臣が会って会見をしてきました。日本は先ほど合計特殊出生率が1.25と言いましたけれども、韓国は最近は1.08ですね。日本以上に下がっていて、韓国は日本以上にある意味では極端なのです。1980年はまだ合計特殊出生率が2.7か2.8ぐらいあったのが、急激に下がって現在1.08でありまして、韓国も日本の少子化対策を研究しながら、今後、少子化と高齢化に国を挙げて取り組んでいくということで、韓国と日本、もっといろいろと情報交換をしたり協力をして、いろいろと進めていこうというふうに大臣同士で話をしてきたところであります。このように、女性の労働力率の変化に合わせて仕事と育児の両立支援あるいはワーク・ライフ・バランス、そういったものの対策をとっていくことが大事であろうということを示しているものであります。
 次の7ページ目ですけれども、これは日本の状況を示したものですが、左側は女性の労働力率を示したものです。一般にM字カーブと呼ばれていますけれども、結婚や出産期になる20代後半から30代前半になると1回労働力率が下がって、また後で回復する。けれども、職場に復帰する場合には、もう正規社員でなくてパート労働とかになってしまう。そうすると、仕事の継続性の問題とか生涯賃金に影響を与えてしまうというところで、ここからきますのは女性の再就職支援とか継続就業とか、いかに維持するか、あるいは育児休業の取得促進とか、そういった課題になろうと思います。
 右側は、第1子を出産し、現在でも約7割の女性が仕事を離れているというデータでありまして、先ほど申しましたように仕事と育児、あるいは家庭の両立支援が今でも非常に難しいということをあらわしているものではないかと思います。
 次の8ページは男性の家事・育児時間のデータを示したものですが、日本の場合、男性の長時間労働ということが極端で、その結果、男性が家事や育児に費やす時間が世界的に見ても少ない。右側のデータにありますけれども、これを合計特殊出生率の関係で見ると、ヨーロッパなどは男性の家事・育児時間の割合も高いし出生率も高い。日本の場合には非常に男性の育児・家事時間が少ない。
 これは私も今日、新幹線で来る途中、けさの新聞を見ていましたらどこかの新聞で、民間のアンケート調査の結果を出していました。そこでも日本の男性の家事時間が少ない。韓国はもっと少ないという、どうも日韓同じような問題を抱えていて、そういったデータが出ておりましたが、結局、結婚しても仕事優先とか長時間労働で、結果的に家事が妻の方にかかってくる。その結果、結婚した夫婦から子どもの数が少なくなると、そういったことになってしまうという背景があります。以上、特に仕事と育児の関係で幾つかデータを御説明しました。
 次から、これまでの政策について簡単に御説明したいと思います。
 9ページ目が、従来の政策と少子化の進行という、90年代以降をあらわしたものです。1990年に1.57ショックということで、前年の出生率がひのえうまの年の出生率よりも低いということで、少子化に対して取り組んでいこうと94年にエンゼルプランを策定し、それから99年にそれを改定し対策を講じてきました。そして2003年に少子化社会対策基本法が制定されまして、これ以降、内閣府が基本法を所管して政府全体の少子化対策を総合調整するということとなりました。そして2005年に新エンゼルプランを改定して子ども・子育て応援プランをつくり、また、1回目の少子化社会白書をつくり、それから年号を書いていませんが2006年、今年は、新しい少子化対策をまたつくったということであります。このデータを見ると、実は90年代1.57ショックと言っても、90年のころは実は出生数はでこぼこがあって上がっている年もありました。ですから、今から思うとそんなに少子化対策と言っても、余り深刻でなかったというところがあります。
 実は私もこのころ厚生省の政策課にいて、1つ記憶に残ることがありまして、たしか92年ぐらいだったと思いますけれども、1.57ショックで、少子化対策で何かやろうというので当時「こんにちは赤ちゃん」という梓みちよさんの歌が、ちょうど東京オリンピックのころですね、すごく大ヒットして、赤ちゃんを大事にしようということでキャンペーンを張ろうと。それで、厚生省が赤ちゃんの歌の募集等を行ったのですね。今、そういうことをすると実は批判されるかもしれませんけれども、当時は雰囲気でも変わるのではないかというところがあって、実際赤ちゃんの歌を公募して、御存じでしょうか、当時ゴダイゴというグループがいて、そこが歌を作曲して、当時CDが出る前だからたしかレコードをつくったのですけれども、全然反響がありませんでしたね。今から思うと牧歌的なところがありまして、そういう歌をつくることで世の中の雰囲気も変わり出生率も変わるものかなということがあったのですが、今から思うと、まだまだ少子化対策に対してはそんなに深刻に考えていなかったということかもしれません。したがって、その後いわゆるエンゼルプランで保育サービスの充実とか仕事と育児の両立支援、育児休業制度をつくるとかということで、対策に本腰を入れて進めてきたということであります。ただ、このデータからわかりますように、特に2000年以降、今度は出生数が毎年下がってきているということで、やはり危機感を持って取り組まないといけないということだと思います。
 次の10ページの図は、これは少子化社会対策基本法ができてから、それをもとに少子化社会対策大綱を策定しました。これが現在の政府の基本施策であります。3つの視点と4つの重点課題ということでありまして、若者の自立とたくましい子どもの育ち、それから仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し、生命の大切さ、家庭の役割等についての理解、子育ての新たな支え合いと連帯。非常に大変幅広い視点から対策を打っていこうと。対策につきましても、政府全体で28の具体的な行動を起こしていこうということとしております。現在、この大綱に基づいて一昨年子ども・子育て応援プランを策定し、対策を推進しております。
 次の11ページが子ども・子育て応援プランの概要ということですけれども、これはちょっと資料の関係で非常に簡潔に書いていますが、全体で言いますと、全部で130の政策があります。若者の就労支援とか仕事と家庭の両立支援。ここにありますように、育児休業の取得率を向上させていこうと。現在男性が0.56%、女性が70.6%、大変男性が少ない。10年後、男性10%、女性を80%にしていこうということで目標値を設定しています。それから、子育ての新たな支え合いと連帯のところでは、待機児童ゼロ作戦の推進、保育所の利用施設の増大放課後児童クラブの推進とか、そういったものをあげて推進していくということであります。
 それで、この応援プランを昨年度から実施をしておりますが、この応援プランにつけ加えてさらに対策をとるというのが、これから申し上げます新しい少子化対策であります。
新しい少子化対策のできる経緯としましては、この子ども・子育て応援プランをつくった後もやはり少子化の傾向が進んでいるということで、さらに強化をしていこうということであります。そこで、昨年10月末に初めての少子化担当大臣として猪口大臣が内閣改造で置かれました。それまでも少子化担当大臣は、お2人いらっしゃいました。初代が小野清子先生で、国家公安委員長と少子化兼務大臣でした。それから2代目が南野知恵子大臣で、法務大臣と少子化担当大臣でした。やはり主務官庁が法務省とか警察ですと、そちらの仕事が大変膨大ですから、なかなか少子化担当といっても力を打ち込めない。そこで、猪口大臣のときには少子化と男女共同参画という、少子化専任大臣ということで、体制に力を入れていこうということでありました。
 そこで猪口大臣は、赴任されてからまず地方自治体のトップと意見交換をして、自治体からのいろんな要望や取り組みを直接聞いていこうという取り組みを昨年12月から行いました。一番下にありますように、全国10ブロックですね。東北ブロックでも4月9日に、山形市で行いました。各都道府県の知事さん方から取り組みや要望を聞いて、これは後から申し上げますけれども、新しい政策の中に反映されているものが多々あります。
 次の13ページは、トップのブロック会合の様子を示したものですね。
 次の14ページになりますが、新しい少子化対策ということで、少子化対策の概要版を2枚で示していますけれども、これは内閣府のホームページの方にございますので、また御覧になっていただければと思います。そんなに厚くないものでありまして、全部でA4で10ページぐらいのものでありますが、この新しい少子化対策をつくった背景として、先ほど言いましたように子ども・子育て応援プランに加えて重点強化をしていこうと。それから、少子化専任大臣のもとで、地方自治体の意見なども踏まえてつくっていこうと。それから3番目としましては、政府、特に与党の意見を踏まえてつくっていこうということでありまして、この14ページにありますように、少子化対策に関する政府与党協議会が今年の3月に設置をされました。この与党、現在の自民党、公明党ですけれども、ここの関係部会でも少子化に対するいろいろな検討、議論が行われました。そういった提言も踏まえて政府与党協議会で議論が行われ、内閣府のたたき台などをもとにして政府与党協議会で合意され、それを全閣僚で構成する少子化社会対策会議で決定をしました。この新しい少子化対策は、先月の骨太方針2006にも盛り込んでいて、政府を挙げて取り組んでいくということにしています。
 この中身ですけれども、幾つか新しい点がありまして、1つは現在の少子化の流れというのは、経済産業とか社会保障の問題だけでなくて、国や社会の存立基盤にかかわる問題だということで、出生率の低下傾向を反転させるということを目標にしています。それまで少子化の流れを変えるということでしたけれども、さらに踏み込んで出生率の低下傾向を反転させるという強い目標を据えています。そして、少子化対策の抜本的な拡充、強化、転換を図っていこうということであります。
 その方向性としまして大きく2つありまして、1つは社会全体の意識改革ということを前面に出しています。それは、今まで子育て支援対策にいろいろ取り組んできているが、そもそも意識改革が必要ではないか。例えば育児休業の話だと既に育児休業制度というのができているのですけれども、実は育児休業の取得率は進んでいない。女性は7割、男性などは0.56%と大変低い。女性は7割といっても、先ほどデータにありますように出産すると女性の7割の方がやめていますから、残った方の7割ですから、実数で言うとそんなに多くない。例えば育児休業の取得率がなぜ低いのかというと、大体聞きますのは、一番多い理由は職場の雰囲気が何となくとりにくい。特に上司がなかなか理解してくれない。現在、企業の上司というと、団塊の世代を中心に50代の方が多いです。実は団塊の世代が、一番専業主婦の多い世代なのです。団塊の世代というのは仕事優先で、あなたはもっと仕事ができないのかと。現在育児休業をとりたい世代は、20代後半から30代という共働きの多い世代なのです。どうも世代間ギャップがあって、本来育児休業をとれるという制度があるにもかかわらず、なかなか企業で取りにくいということで、企業の管理者も含めた意識改革が必要ではないかと、社会全体の意識改革を進めていこうということです。
 今企業の育児休業の話をしましたけれども、もっと社会全体でも、例えば子育て支援ということでは、子育て家庭を社会で支援していく。これは簡単なことで言いますと、例えば電車の中で妊婦さんがいらしたときに座席を譲ってあげる。このために、あとから申し上げますけれどもマタニティマークという言葉を、今度厚生労働省が推奨しようとして、8月1日からまず首都圏の方で民間の私鉄事業者と提携して、そういうものを普及・啓発しようとしています。もう少し社会全体の理解があれば、出産あるいは子育ての若い世帯を応援できるだろうということであります。そういったことを国、自治体、企業、地域社会で意識改革に取り組んでいこうということであります。
 それから、2番目としては、子供と家族を大切にするという視点に立った施策の拡充というもので、まず、子育ては第一義的には家族の責任だけれども、子育て家庭は社会全体で支援していこうと。それから、2点目としては、すべての子育て家庭を支援していく。今までのエンゼルプラン、新エンゼルプランをよく見ると、共働き世帯を応援していこうという政策の方が多いですね。ただ、いろいろと実態を見ると、現在3歳未満の子供の85%は家庭で育てられている。それから、今でも専業主婦の家庭も多い。いわゆる専業主婦の方が逆に、今核家族で、親と子供1対1で、かえって共働き世帯の親よりもいろいろと子育ての精神的、肉体的負担感が多いというデータがありますので、親が働いているいないにかかわらず、すべての子育て家庭を支援していくと。そのためには、地域の子育て支援拠点の整備が必要ではないかということであります。
 それから、3点目は、従来から進めているものですけれども、両立支援の推進。特に男性を含めた働き方の見直しが必要ではないか。
 4点目としては、特に子供が小さい時期、これは親の年齢も低くて相対的に親の収入も低い。そういうときに重点的に支援していこうということになります。
 5点目としては、最近子供をめぐる犯罪が多いので、子供の犯罪対策とかそれから産科や小児科医の確保など医療ニーズへの対応とか、そういったことが必要ではないかということであります。
 これを踏まえて次のページになりますけれども、新しい少子化対策として全部で40項目を挙げています。そこで、まず子育て支援策としましては、子供の年齢進行別に考えていく。これも子供とそれから子育て家庭に寄り添うという発想から、もっとわかりやすい政策体系にするということで、子供の年齢進行別に整理をしています。
 新生児・乳幼児期というところでは、妊娠、出産の負担軽減とか、それから経済的支援、子育て家庭の支援ということが挙げられています。
 最初の出産育児一時金の支払い手続の改善というのは、この間の医療制度の改正で、出産一時金が今年の10月から、30万円から35万円に引き上げとなりますけれども、御承知のとおり、いわゆる償還払いなのですね。出産時点では家族はお金をちゃんと産科医に自分で払って、後から保険者からお金が返ってくる。それを出産時点で保険者から産科医院に支払うように手続を改善することによって、本人の負担は現金を用意することがないようにしようという仕組みです。
 それから、妊娠中の健診費用の負担軽減というのは、大体子供さんが生まれるまで健診を平均すると10回から12回ぐらい受けているのですが、今は全部自己負担なのです。現在市町村では2回ぐらいまで無料にしていますけれども、これをもう少し無料にする回数を増やせないかと。そうやって健診費用を無料化することによって、もっと健診を受けやすくする。そうすることによって、母体や赤ちゃんの健全育成を図っていこうということです。
 それから次に、不妊治療の公的助成の拡大というので、これは現在年間10万円を限度に今年の4月から5年間拡大されましたけれども、さらに拡充できないかと。課題としては、10万円という限度額を引き上げられないかとか、あるいは現在所得制限がありますから、所得制限を緩和できないかとか、この辺がこれからの課題というところであります。
 それから、次の妊娠初期、これは現在でも労働基準法で制度があるのですけれども、それをもっと普及できないかというものです。
 それから、産科医の確保の問題。
 それから、新聞などで大変話題になっているのは、次の乳幼児加算ですね。これは先ほどの理念の中であった、子供が小さい時期の子育て家庭を重点的に支援しようというところで、現在児童手当が第1子、第2子月5,000円ですけれども、これを乳幼児期に着目して、もっと増額できないかというものであります。
 それから、7番目は、子育て初期家庭に対する家庭訪問を組み入れたネットワークというので、赤ちゃんが生まれた家庭には、赤ちゃんが生まれた後一定期間、必ず市町村から職員が家庭訪問をすることによって、家庭の事情を把握したりいろんな相談事に応じると。それで、例えば児童虐待とか深刻な問題が起きる前に、あらかじめ予防をしていこうというのが発想です。それから、市町村がいろんなサービスを行っていても、なかなか子育て家庭ではわからないから、家庭訪問することによってサービスについても情報提供をしていこうといったような仕組みです。このように、よく新聞では乳幼児加算とあって、経済的支援というふうに言いますけれども、必ずしもそれだけではなくて、いろんな政策を組み合わせてパッケージで支援していこうという発想です。
 今このように御説明しましたけれども、時間の関係で代表的なものだけ申し上げますと、次の未就学期では、地域子育て支援拠点の拡充というので集いの広場とか子育て支援センターの拡充などを挙げています。それから途中、5番目で次世代育成支援対策推進法の改正というので、現在各企業に行動計画の策定を義務づけていますけれども、そういったものの公表の義務づけをしていくということで、法改正の中で検討していこうというものであります。
 それから、9番目の就学前教育についての保護者負担の軽減というのは、特に幼稚園費、それに対しての負担の軽減策が図られているというものです。
 それから、小学生期の中では新しい政策として放課後子どもプラン。これは猪口大臣の働きかけで、厚生労働大臣、文部科学大臣が合意してできたものですけれども、現在のいわゆる学童保育と呼ばれる放課後児童クラブとそれから文部科学省の全児童対策の地域子供教室を連携あるいは一体化して、小学校の中で必ず進めていくようにしようというところで、現在、両省でその中身についていろいろと議論して概算要求で出していこうということであります。
 それから、中学生・高校生・大学生期では、奨学金の充実ということで、もっと奨学金を利用しやすくする。あるいは奨学金を返還する際に、税制上の優遇措置を講じられないかと、そういったものを挙げています。
 それから働き方の改革、ここでは企業の子育て支援の取り組みの推進とかあるいは女性の継続就労、再就職支援などが挙げられていますけれども、例えば企業の子育て支援の取り組みの推進などでは、この中で例示で挙げておりますのは、最近石川県とか静岡県で始めた事業がありまして、協賛企業を募って子育て家庭にカードを発行する。石川県ですとプレミアムパスポートと言うのですけれども、そういったカードを発行して、子育て家庭が協賛企業で物を買ったりしたときに、割引とかポイントをたくさんもらえるという取り組みを自治体が始めました。私の把握しているところでは、石川県や静岡県、あと九州の方でも幾つか取り組みをしようというところがありまして、非常にいいアイデアではないかと。民間企業にも協力を求めている、そして行政と民間企業が一体となって子育て家庭を支援すると、そういうような取り組みをもっと応援できないかということなどをこういうところで挙げておりまして、そういった各自治体の先駆的な取り組みを今度はもっと政府全体の取り組みの中でも支援できないかといったものを挙げています。
 それから、その下に国民運動の推進とありますが、これは意識改革の観点のところであります。家族の日や家族の週間を制定して、家族のきずな、地域のきずなを再生するための意識改革を進めるとか、働き方の見直しについての労使の一体となった国民運動を起こしていくとか。先ほどちょっと例示で挙げましたけれども、マタニティマークですね、これは厚生労働省の方で進めているものですけれども、そういったものを一般に普及していくと、そういった運動を起こしていこうということになっております。以上、新しい少子化対策の特徴的なものについて御説明しました。
 次は16ページになりますけれども、既に口頭で今御説明したポイントをここで整理していますので、御覧になっていただければと思います。それで、よく新聞などで経済的支援に偏っていると言われたりしていますけれども、実は決してそういうものではなくて、あくまでも政策をパッケージでとらえています。子育て支援というのは、どれか1つのことをやればそれでいいというものではなくて、やっぱりいろんな政策を組み立てる。大きく言えば、地域の子育て支援、仕事と育児の両立支援、ワーク・ライフ・バランス、それから経済的支援、意識改革、そういったものを組み合わせて進めていくことが大事であると。それから、やはり子供と子育て家庭を中心に据えて対策を講じていくと。例えば今回の場合、特に強調しているのが、家族にとって最初の大事な時期、妊娠、出産、育児とか、そうしたところに重点的に支援していこうということで対策を講じています。
 ちょっと時間がなくなってきたので、あと最後ですね、諸外国の例などをお話しして終わりにしたいと思います。
 次の17ページは、合計特殊出生率の推移の国際比較です。これを見ると、日本と同じようにドイツ、イタリアが低いということなのですが、ひところ、ドイツもイタリアも日本と似たような悩みを抱えていましたけれども、最近ドイツはやや反転してきています。それからイタリアも最近、若干上向いています。それから、最近フランスがベビーブームと言われていて大変高い出生率となっています。スウェーデンは山と波がありますが、また最近高くなっています。簡単に特徴を言うと、フランスの場合には極めて手厚い家族給付と多様な保育サービスという特徴があります。
 昨年の少子化社会学誌の中で大分細かく書いたのですけれども、フランスは家族給付の種類が20種類ぐらいありまして、日本の場合、児童手当だけですけれども、児童手当以外に乳幼児期の手当とかそれから新学期の手当とか、それからベビーシッターを雇うときの手当とか、手厚い家族給付と多様な保育サービスという特徴があります。それからスウェーデンの場合には、男女共同参画に基づく仕事と育児の両立支援策ですね。スウェーデンの場合、育児休業の取得率が男性も女性も8割を超えています。男性も8割ですね。確かに男性が8割と言っても、やっぱりとっている日から見ると3カ月とか4カ月なのですけれども、必ず男性も育児休業はとられる。したがって、スウェーデンの場合にはゼロ歳児保育がほとんどないのです。スウェーデンの場合大体1年半ぐらい育児休業がとれるので、ゼロ歳から1歳半ぐらいまでは基本的には育児休業で対応と。そのかわり、育児休業が終わったらもう保育所ですから、1歳半ぐらいになると保育所の利用率がもう8割ぐらいいくという方策です。イギリスの場合には、ワーク・ライフ・バランスというので、企業も入った仕事と生活の調和という政策を進めています。
 次の18ページになりますけれども、各国の家族政策に関する財政支出というので、日本の場合、対GDP比で見ると、日本より低いアメリカとか韓国とかありますけれども、大体ヨーロッパは対GDP比2%を超えているというので、日本ももっと家族政策に充てる財政支出に力を入れるべきではないかということをあらわしているものです。
 韓国は非常に低いのですが、先ほど言いましたように、急激な少子化の進行で韓国はこれから5年間に4兆円の財政国家支出で少子化対策に力を入れていこうということにしています。この間出張で行きましたら、必ずしも少子化対策だけでなくて、ほかの高齢者対策なども入ったりしているのですけれども、とにかく少子高齢化対策に力を入れていこうというのが今の韓国の姿ですね。
 次は19ページ、児童・家族関係の社会保障給付というので、左側には社会保障給付費の中での児童・家族関係の給付というので、高齢者関係給付に比べると児童・家族関係の給付の割合が非常に小さい。日本の場合、社会保障が高齢者に偏っているということでありまして、児童・家族関係の方にもっと力を入れるべきではないかということを示しているものであります。
 一番最後の20ページが児童手当の国際比較ですね。ヨーロッパの場合、児童手当の水準が高い。日本と比較するとヨーロッパに2つ特徴があるわけです。1つは、児童手当の支給対象年齢が長いことですね。フランスだと20歳未満。スウェーデン、ドイツ、イギリスも大体16歳ぐらいまでになっています。それからフランスは第2子からですけれども、フランスは第1子に対しては乳幼児迎え入れ手当という別の手当がありまして、3歳まではそっちの手当があるようです。それで、児童手当だけは第2子から。このようにヨーロッパの場合には支給対象年齢が長い。それからもう一つは、支給月額の水準が高いということであります。ヨーロッパの場合、もともとこの児童手当は少子化対策という観点ではなくて、いわゆる家族政策なのです。つまり、子育て家庭というのは、子供のいない家庭と比べて家計の負担が重い。ですから、子育て期間中は、社会的に支援するという発想で児童手当をつくっているので、当然子育てが終わるまで児童手当が支給されている。その子育てが大体16歳とか、場合によっては20歳という結構長い期間になっていますね。日本の場合、私どもも時々お話しするのですけれども、児童手当はどの程度出生率と関係あるのかという議論が出たりするのですけれども、これはちょっと視点が狭いのではないかと考えていまして、児童手当は本来子育て家庭の負担軽減のためのものなのです。そういったことを考えると、少子化対策でもありますけれども、一方で広い意味での家族政策ということで、やっぱり児童手当の拡充も必要であろうと。したがって、今回の乳幼児加算というのは、少子化対策でもありますけれども、あわせて児童手当の拡充の1つの段階ではないかというふうに考えています。
 ちょっと時間が長くなりましたけれども、以上で私からの御説明は終わりにして、ぜひ先生方のいろいろと御意見、御質問などをお聞きしたいと思います。
○工藤大輔委員長 ありがとうございました。
 これより質疑、意見交換を行います。ただいまの御講演をいただきました点に関し、質疑、御意見等はありませんか。
○及川幸子委員 先生ありがとうございました。私どもの県議会の方でも、スウェーデンの方へいろいろ勉強に行ってまいりましたけれども、先生は、出生率と児童手当は日本の場合余り関係は深くないと最後おっしゃっていましたけれども、私も実際3人子育てをして、そして孫が3人ですけれども、その児童手当というのがとっても助かるのです。今は昔と違って、子供を育てるのに随分お金がかかるのが目に見えています。そういう中で、日本で他国のように、フランス、スウェーデン、ドイツ、イギリスのように、まず高校が終わるまでは児童手当の引き延ばしというのは日本では考えられるものかどうか、その辺のところをちょっともう一度お聞かせください。
○増田雅暢参考人 児童手当につきまして、企業の場合、先ほど言いましたように支給対象年齢も狭い、月額も低いと申し上げましたが、最近支給対象年齢については段階的に拡大が図られておる。今年の4月から小学校6年までへ上がりました。児童手当の充実ということで、与野党問わず、いろいろと提言がなされております。したがって、私どももこういったものを拡充は必要だと思っておりますが、問題は財源の確保が最大の課題であります。例えば、児童手当をヨーロッパ並み、大体1万5,000円ぐらいにして、それから中学生までにすると大体2兆円ぐらいかかると言われております。今の極めて厳しい財政状況の中では、非常にそこら辺が難しい。今回、乳幼児加算でも実はまだ財源についてはこれから考えていくということでありまして、乳幼児加算とは基本的には大体3歳未満まで今の児童手当を拡充しようと考えているのですが、これは試算するとすぐ数字が出てきます。例えば月額5,000円増額すると大体2,000億円かかります。1万円ですと4,000億円になりますが、非常に厳しい財政事情の中で、その財源確保をどうするか。
 ちょうど先月ですね、平成19年度の予算方針が決まりました。その中で児童手当の拡充については一応シーリングの枠外で年末までに財源の手当をするということになりましたので、これから財源の確保をいろいろと知恵を絞って拡充を図っていきたいと考えております。ですから、その辺が最大の課題ですけれども、今言いましたように、今回の乳幼児加算ということが、将来的に言えばまだ児童手当拡充の1つのステップになるだろうというふうに考えております。
○工藤勝子委員 ありがとうございました。先生、16ページのところに新しい少子化対策の特徴というようなことが大分出ておりました。その中で、いつも提案しているのですけれども、岩手県はこのように広いわけでして、先生は御存じかもしれませんけれども、私は遠野なのですけれども産婦人科の先生がいらっしゃらないわけですね。個人病院もないわけなのです。そういうことで、1時間以上時間をかけて健診に向かわなければならないというようなことがありまして、いろいろ市でも子供を持ったお母さんたちを対象にしてアンケートをとると、40%の人が、もう2人目の子供を持ちたくないというような状況になっているのです。そういうことで、県の医療局とか保健福祉部にお願いしているわけですけれども、県立病院、個人病院のないそういう地域でも、1年間に200人前後子供が産まれているわけです。そういうのを国としてもぜひ考えてほしいというようなことを、ここで要望するわけでもないですけれども、そういうことがあります。重点支援としていますので、小児科の先生のいないところがあるわけですので、そういうところをお願いしたいと思うのです。
 それで、次の意識改革と企業等ですけれども、片田舎だからまだそういうのが進んでおりませんので、例えばそういうふうに時間がかかるわけですので、そうすると休まなければならないわけですね。時間でいただくわけではなくて、もう1日の休暇をとらなければならないというようなこともあります。そういうことになってくると、妊娠してしまうと、企業としては、今働きたい人たちがいっぱいいるわけですからやめてほしいということになる状況にもなっております。ですから、とにかく一番最初の時点が大事だということが書いておりますので、あとは産まれれば3子以降は例えば遠野でも保育園、幼稚園を無料にするとか、ゼロ歳児から受け入れてちゃんと支援をやるという体制は着々整ってきていますね。ですから、みんなが次に子供を持ちたいという、そういう状況というのも整えていかなければならないと思うのですが、国民運動、意識改革ともあわせながらちょっと御意見をいただければと思います。
○増田雅暢参考人 どうもありがとうございます。最初の御要望でありました産科医、小児科医の確保ですね。確かに今非常に大きな深刻な問題となっているということでありまして、これは対策の中でも、例えば地域によって産科、医療企業の集約化とか重点化とか、ネットワークの構築とか、それから産科医の確保のための提供体制の充実とか、そういったものを挙げておりまして、現在、直接は厚生労働省になるのですけれども、この新しい少子化対策を踏まえて、来年度に向けて具体的にどんなことができるかということを今検討中でありまして、大きな問題意識として認識しておるところです。
 それから、あと新しい対策法の中で挙げているのは、産科医それから小児科医の場合も最近女性の医師が増えてきているので、今度は女性の医師の仕事と育児の両立支援が大事ではないかという点も挙げています。例えば医療機関における託児所の創設とか、それから女性医師が実際仕事をするときの子供を見るベビーシッターの問題とか、そういった女性医師の方の仕事についての両立支援策、そういったことも厚生労働省の方に検討していただくということにしております。
 それから、2点目の意識改革のところですね。先ほども私もちょっと触れましたけれども、本当はいろんな制度がありながら制度を有効に活用されていない。制度を使おうと思うと、逆にそれが仕事をする上でマイナスになってしまうというところがあります。そこで、これは意識啓発ということで内閣府の所管でもありますので、今度内閣府の事業としまして、官民一体となった働き方の見直しのための運動を起こしていこうと考えておりまして、既に去年から官房長官とそれから経団連、日本商工会議所などの経済団体との懇談会を開いておりまして、今年の場合には、全国とそれから地方でもそういう振興事業とか意識啓発のための取り組みを行政とそれから経済界、労働界一体となって進めていこうということを考えております。それは一つの事例ですけれども、そういったものを踏まえながら、意識改革に取り組んでいただいていると。
○工藤勝子委員 ありがとうございました。もう一点だけ。
 この少子化対策に関係ないのかもしれませんけれども、今非常に犯罪が多いですね。少子化というよりも子供に対する虐待とかそれから親が子を殺すとか、逆に子供の方が親がというふうな形であるわけですけれども、こういうのを今これから結婚して子供を持とうとする家庭に対して、非常に私は憂えるものがあるのではないかなと思うのですね。そういうところまでは踏み込んでいないでしょうか、お聞きしたいと思います。
○増田雅暢参考人 最近アンケート調査をとりますと、少子化対策の中で安全対策というのが上位に入るようになりました。それは当然子供を取り巻く登下校時の犯罪とか、生活の場でのいろいろ犯罪があって不安感があるのだと思います。それで、もともと対策のもととなっている子ども・子育て応援プランの中で、生活環境の安全の確保というのが入っているのですが、この新しい少子化対策の中では、特に登下校時の安全対策というので、先ほどの子育て支援策の中の15ページになりますけれども、小学生期のAというのでスクールバスの導入等、学校や登下校時の安全対策という項目を起こして、それを基本的に各市町村において登下校時に安全対策のための取り組みを進めてもらう。そこで、路線バスの活用とか地域のボランティアの活用とか、それからスクールバスの導入、運営とか、そういうことで安全対策に努めてもらう。それから、あわせて登下校時の交通事故から守るために歩道の整備とか、そういうことを挙げておりまして、総務省、文部科学省、国土交通省、警察庁というところで、こういった取り組みを推進してもらうように努力しています。これから関係省庁でさらに具体的に進めていただきたいと思っています。
○飯澤匡委員 2点お伺いしたいと思います。
 1点目は、最初に質問した及川委員の我が国の家族政策に係る財政支出、18ページ、各国のGDP比が出ておりますけれども、フランスが非常に象徴的に家族政策に係る財政支出が多いということですが、そして我が国ではなかなか財源確保が難しいと。フランスは私の印象だと軍隊もありますし、人口も少ないし、どのような形で財政構造の中でこの家族政策に係る予算を確保しているのか、もしおわかりになるのであればお知らせを願いたいというふうに思います。
 それから第2点目は、これは直接的には少子化対策に関係ないのですけれども、私は岩手県の中山間地の出でございまして、時折地元を回っていると、既に何といいますか国際化というのは進んでおるのですね。要は、農家の嫁対策であるとかそういうふうなところで随分と外国の女性の方が来ておる。アメリカであれそれからドイツなんかもそうでしょうけれども、人口の出生率を維持しているものは移民であるとか、イスパニア系の移民がたくさん入っているから今のところ保っているというふうなことを伺っていますけれども、この国をこのまま維持していく上で、日本も人口減少社会の歯どめとして、そういう外国人の女性が入ってきていることが現実的に起こっているわけですが、今後、ちょっと大きな話になりますけれども食糧不足に間違いなくなってきたときに、私はかなり飛躍した考え方ですけれども、中国とかそういう食糧事情が悪いところについては、国際的な問題として日本なんかにも強制的に人口の移動があるのか。これは近い将来ではないですよ、遠い将来、そういうことまで考えたりする。だから、少子化問題とは直接的には関係ないのですが、国として人口問題についてアメリカなんかと対比してどのように、基本的な考え方といいますか、そういうものがあればちょっとお示しをしていただきたいなというふうに思います。よろしくお願いします。
○増田雅暢参考人 どうもありがとうございます。最初のフランスの財政についての御質問ですが、18ページにありますように、フランスは高いですね。対GDP率2.8%。これは財政支出を示していますから、当然とにかく財源も負担をかけているということであります。それで、大体ヨーロッパは年収構造で言えば、1つは日本と比べていわゆる消費税の水準が極めて高かったですね。フランスはたしか20%弱だと思いましたが、スウェーデンなどは25%ですね。ですから、それは当然収入財源としてそういったところに大きく依存しているということになります。
 あともう一点、フランスだけの特徴としましては、そもそも家族給付の財源は企業からの拠出金に依存しております。日本語訳では一般社会税というふうに呼んでいるのですけれども、企業の給与収入などの7.5%を拠出して補っているのです。ですから、いわゆる消費税というのは国民全体ですけれども、それとは別に企業からそういった一般社会税を拠出してもらって、それに一部国費を足して家族政策に充てています。ですから、そういう意味では結構負担しているのです。私も実はフランスにも今年の5月に調査に行ってきました。それで、フランスの担当者に、企業の負担が重たいのでいろいろと逆に企業から削減しろとかというような議論はないのですかと聞いたのですけれども、フランスは昔からそうだというのです。それで、日本と違う発展形態、日本の場合には個別の企業が例えば扶養手当とか出していますね。それ以外に児童手当があるのですけれども、フランスももっと昔はそうだったと。それが戦後ですか、そういった各企業の扶養手当などをやめて社会化をしたのだと。だから、個別の企業が扶養手当を出すのではなくて、国としていわゆる家族給付をすると。だから、そういった意味での企業の拠出金を求めたので、結局、企業もそれがフランスの社会のもともと歴史的なものだということで、あきらめているというのは語弊があるかもしれませんけれども、当然の負担だと思っているのでそんなに不満はないというような話でした。そういった意味でのそれぞれ国の歴史あるいは文化の繁栄もあるかとは思います。いずれにせよ、そのようにこれだけの財政支出をするための財源についてはいろいろと工夫をしていると。
 それから2点目の件ですけれども、将来の人口政策についての基本的な考え方というのは、正直言って現段階では政府の方にはありません。少子化対策とかそういったものについてはあるのですけれども、将来例えば適正な人口規模はどうかとか、そういったものというのは現在、特段の数字設定などはしておりません。当面、今人口減少社会になってきたと。既に労働力人口も減少していますから、ひところ経済界を中心に、将来的には外国人労働者で対応すべきではないかという意見が、90年代高くなったことはありました。ただ、最近ヨーロッパの移民政策で、ヨーロッパ各国の非常に難しい問題はそれぞれ国が抱えている。そういった状況から、最近私の印象では、経済界からの外国人労働者の議論は少し弱まった感じはします。つまり、外国人労働者を入れたときの今度は国内とのいろいろな文化の調整とか社会保障の問題とかがあるのですね。ですから、当面は外国人労働者に依存するよりも、現在日本でも若者の失業率の問題とか、それから女性の労働力の課題とか、それからもっと高齢者の活用策、そういったところで、少なくとも当面2020年ぐらいまでは労働力減少の単純な現象を女性の活用や若者とかの雇用拡大、あるいは高齢者の雇用拡大で対応できるというのが最近の見解です。以上です。
○飯澤匡委員 大変に興味深いお話を伺ったと思います。非常に社会全体で子供の場合も意識改革していかないと、なかなか家族政策に対してこれだけ、税体系も違うと思いますので、企業がそこまで今の時点では協力できるかというのは、フランスのようにいかないと思いますけれども、国全体で議論をしていく、議論といいますか、そういう風土をつくっていく上でもやはり人口政策というものも出しながらやっていかないと、なかなか難しいものもあるのかなというふうに思います。
 それから、人口減社会に向けた国際化の考え方ですけれども、3K、4Kと言われる職種は、これだけ生産年齢人口の幅が狭くなってくると、そういう部分に対する割合で現場作業に携わる人間は一定割合であるのですが、全体のパイが少なくなってきますと、これだけ社会構造上そういう部分というのは今後なくなるわけはないわけで、要はやはり情報化社会に代表されるように、非常に今若い人たちというのはきれいなホワイトカラーの志向ですから、その割合は広くなっていく上に余りやりたくない仕事の幅の人口の幅は狭くなるし、なおさらもっと圧縮されると。私はもうこれを維持していくためには、外国人労働者のそんな社会が出てくるのではないのかなと。国全体としてもどういうふうに考えているのか、そこら辺をちょっと知りたいなというふうに思って質問したわけであります。以上でございます。ありがとうございました。
○関根敏伸委員 大変わかりやすい説明、ありがとうございました。今度策定された新しい政策、これすべて実行されると、多分本当に反転に転じるのではないかなと思って聞いておったのですが、ただ、今飯澤委員からお話がありました、問題は財源だと思っておりまして、今フランスの話も出たようですが、この財源の中でいっとき雇用保険を少子化対策に向けようという話があったと思っています。その後ちょっとどうなったかわかりませんが、それと並行して雇用保険を、失業率がちょっと減ってきたので下げようという話もありますよね、今ね。ですから私聞いていて、私も小さな企業をやっていますので、雇用保険を下げていただくのはそれはありがたいことですが、どっちかというと、雇用保険というのは企業者負担もそんなには多くないです。少ないところをさらに少なく下げていただくよりは、今議論の中であった雇用保険を全体的な家族政策に向けるなり、企業の支援策、行動策定策をいろいろつくっていくと。今岩手県でも300人未満の企業に広げていこうという動きをし始めようとしているわけですが、やはり企業としての300人以下の企業の体力というのは限度があるわけですよ。それはやっぱり県の財源で補えるということは非常に少ないわけでありまして、そういった観点から、雇用保険という名称がいいのかどうか別として、広い意味でこういったフランスに似たようなものを今の労働保険、雇用保険の中で振り分けるような大きな考え方は、お立場上、そういうお力があるお立場にいると思いますので、私が聞いていてぜひそういった形の財源確保、企業に負担のない形で財源を確保する方策をぜひ私は取り入れていただきたいと、このように思って聞いておりました。先ほど家族手当を5,000円増額すると2,000億円ということでしたが、恐らくその程度は簡単に出てくるのではないかなというふうな気がしておりましたので、その辺の動きが今どうなっているのか。また、今私が言ったような方向性が突拍子もないものなのか、果たして実現不可能なものなのか、その辺のところまず1点聞かせていただきたいと思います。
 それから、2点目は、合計特殊出生率の中でアメリカの動きというのは、いつも私、何でアメリカ非常に高いのかなと思って見ているのですけれども、見ると日本はヨーロッパを目指していろんな施策を取り入れようとしているわけですが、新しい総合政策の中でアメリカを何か見習ったような施策がどこかに取り入れられているのか、それをちょっとお聞かせをいただきたいと思っています。
 それから、3点目は要望にもなるのですが、国民運動の推進は本当にぜひやっていただきたいと思いますし、先ほどお話の中でいっとき歌をつくられてうまくいかなかったという話がありますが、私は決して陳腐な政策ではないと思って聞いておりました。本当にそういうことが国民的な中で、子供は大切なんだよということは歌でも何でも、私本当に今こそやるべきではないかと思って聞いておったのです。国民運動の推進の中で、それこそ厚生労働省挙げて、内閣府挙げて歌でもつくられて子供は宝なのだというのを、本当に意識の底からみんなに受け入れられるような施策をとることが、それこそ一番根本になるのではないかなと思って聞いておったのですが、それは要望にもなるのですが、その辺ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○増田雅暢参考人 どうもありがとうございます。最初の雇用保険の方は厚生労働省の方の所管で、来年度の予算に向けて内部で検討している段階なので、私も余り詳細は把握していないのですけれども、全体の動きから申し上げますと、今の御指摘がありましたように、雇用保険財政が失業率の低下で好転をしていると。それで、もともと経済界からは雇用保険だけではなくて、いわゆる年金保険、医療保険、介護保険という、要するに社会保険全体での負担が重たいという議論が常にあるわけですね。そういった意味で、雇用保険の財政状況が好転してきているからそういった面で言うと、経済界の要望にもこたえるといった形で、保険料率を下げようかという検討があるというふうに聞いています。
 一方、雇用保険を使いながらいろんな事業をするということもありますけれども、従来の雇用保険を使った事業で例えば箱物ですね、そういったものは大分むだ遣いではないかという議論がたくさんあったわけです。それで、厚生労働省もそういった意味で雇用保険を使って、いわゆる失業給付以外の事業についての見直しをしている段階で、恐らく、箱物の方はやめると言っていますから、そういったものを整理した上でもう少し雇用保険の趣旨に合った少子化対策というところで、現在でも例えば育児休業の促進のために中小企業に対する支援策というのは雇用保険特会で行っていますから、そういったものにもっと重点的に充てていくということの検討を行っているというふうに認識しているところであります。
 それから、2番目のアメリカの点ですけれども、確かにアメリカはヨーロッパと違って端的に言うと、いわゆる家族政策と呼ばれる分野はほとんどないと言っていいですね。それで、よくアメリカは多民族国家で、要するに例えばスパニッシュ系とかそういった方々の出生率は高いというふうに言われるのですけれども、実は白人も1.8ぐらいあるのです。ですから、アメリカでは社会全体が高いのですが、大分ヨーロッパとあり方が違うのは、アメリカの場合、例えば日本のような民間保育所などは整備されていなくても、逆に低廉なベビーシッターを個人で雇うという、そういう世界でもあるのですね。よく中南米から来る労働者の方々を活用して、低廉な費用でもって個人でベビーシッターを雇う。それから仕事と育児を両立するという意味では、これは各企業が努力をしているせいもあるのですけれども、日本と比較をするとかなり進んでいるのですね。日本のように社会全体の統一の制度ではなくて、各企業でつくっている例が多いのですけれども、やっぱり仕事と育児の両立がしやすい、それから通勤状況とかそういったものも日本に比べればはるかに簡単であると。それから、結構企業が独自で託児所をつくっている例が多いですね。日本の場合には公的な保育所になるのですけれども、アメリカの場合には企業が保育所をつくるとか、そういったような形でちょっと仕組み方は違うのですが、仕事と育児の両立がしやすい環境にあるということが言えます。
 それで、今回の新しい少子化対策の中で、先ほど言いましたようにアメリカの場合、全国的な制度という意味では非常に少ないので直接参考にしている例はないのですが、先ほど言った仕事と育児の両立とか、それから事業所内託児所、そういったものについては日本でももっと推進できるのではないかといった点では新しい対策法の中に盛り込みました。
 それから3点目ですね、御要望の点で、先ほどちょっと90年代前半の赤ちゃんの歌の話をしましたけれども、今度は改めて議論をして、そうですね、もっとヒットするように、公募の仕方とか、歌っていただけるシンガー・・・・・(笑い声)。
○千葉康一郎委員 私は簡単な質問をしてみたいと思いますけれども、まずその前に、たしか昭和50年ころだったと思いますが、世界人口年という年がございましたですね。あのときの新聞、いまだにはっきり覚えているのですが、簡単に、要は、人種的に白人は減少し黄色系はやや増加、それから黒人系は爆発的に増加すると。当時まだ、世界の人口が50億に達しない時期だったですから、50億人になるだろうというふうな新聞記事だったのですね。その中に日本は将来どうなるのだろうかということであったのですが、その当時から要するに結婚難といいますか、私たち農村部では農家への嫁さんが来なくなってきている時期なのですね。ですから、今後どうなるのだろうという心配があったわけなのですが、これは前置きなのですが、実は国内で比較的出生率の高い都道府県といいますか、あるいは逆に低い都道府県、これはどうなのでしょうか。
 国際人口年のその年の新聞の内容を見ますと、貧困の地帯である、いわゆる俗に言う黒人系といいますか、そこの人口が爆発的に伸びるというふうな内容だったのですね。ですから、それは経済的な面に大きく影響するのではないかなというふうにずっと私思っているのですけれども、そういうふうな意味でどこの県が多くてどこの県が低いのか。地方で言えば東北がどうなのか、中国地方がどうなのかということでお話しいただければよろしいと思いますが。それから、高い要因は何なのか、低い要因は何なのか。それから、今後どこが伸びるというふうに見ておられるのか、国の方で。そして、それはどういうふうな施策を講じているものなのかということを、ちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、さっきお話がございましたマタニティマークの話なのですが、これはきのうからですか、始まったのですね。実は私きのうの朝、この議会に来る途中ラジオをかけてきたのですが、そしたらその話がありまして、電車に乗っても初期あるいは中期ですと全然目立たないために、人込みの中で過酷な、要するに通勤をするということは腹によくないということで、マタニティマークをつけることによってみんなで譲り合って座らせるとか、そういうことをするのだというふうな意味合いの放送だったのです。確かに今お話を聞いてみるとそのようですけれども、これは単につけても、あたりの人たちが理解ができないような状況なら、わかっていなければちょっと意味ないと思うので、国民運動をもっともっとやるべきではないのかなというふうなことを感じました。これは質問ではないのですけれども、いずれ、高い都道府県、あるいは低い都道府県、その要因等々をお聞かせいただきたいと思います。
○増田雅暢参考人 どうもありがとうございます。世界の人口、20世紀最初はたしか10億人ぐらいだったと思うのですね。それがどんどん増えてきて、今60億人超えていますから、人類の歴史を見てもこの20世紀というのは異常に人口が増えておりますね。ただし今御説明ありましたように、もともとヨーロッパはそんなに増えていませんから、逆に増えているのはアフリカとかアジアですね。特にアジアが増えてきて、今は中国が約13億人ですか、インドが10億人ですけれども、2050年は実はインドが一番多くなるのです。中国は一人っ子政策を行っているのがあり、だんだん緩やかになって中国は2番目になるという。恐らく2050年を見ると、今度はアジアが一番多くなるのではないかと、そういった人口の動きですね。
 世界の話は一応そこまでにして、それで今度は各都道府県別のところですけれども、日本の47都道府県で一番出生率の高いのは一貫して沖縄県です。一番最近の2005年、沖縄県の合計特殊出生率は1.71。一番低いのが東京都で0.98。岩手県は1.36。ですから、一番高い沖縄県と一番低い東京都では大分差があるわけですね。それで、もともと沖縄県は、かつてはもっと高くて復帰した直後はたしか2.6とか2.5ぐらいあったのですね。だから、沖縄県は高いと言っても全国のランクも少しずつ下がってきているという状況ですが、もともとこれを市町村別に見ると、やっぱり沖縄県の離島とか奄美大島などがかなり高いです。なぜ高いのかというのは、結構九州の方の大学でいろいろと分析しているのですけれども、生活水準はそんなに高くないのですけれども、結局地域コミュニティーや何かがしっかりしていると。ですから、そこではもう子供さんを2人、3人、4人と産むのが当たり前みたいなところがあって、地域で、みんなで支えていくようなところがあるのですね。ですから、逆にそういったところを見て別に子育て支援サービスが不必要というのはまた極論で、そういう小さなコミュニティーで地域の支え合いがあるし、皆、子供さんをたくさん産むのが当たり前というところで、なおかつ、南の方ですから生活しやすいという、そういった要素が絡んでいるのではないかと思います。
 東京の場合には1を割っているといのうは、これは1つは若い働く女性、いわゆる独身の女性が多いですね。それで、それだけ仕事と育児の両立の課題もあるでしょうし、それから通勤時間のいろんな問題もあるでしょう。それから、まだ結婚、出産前は独身で東京で働いて、結婚、出産したらまた地方に戻るという方もいらっしゃるかもしれない。そういった意味で全体的に低いというので、例えば東京で一番低い渋谷区などはたしか0.75ぐらいなのです。ただ、東京23区の中でも実は差がありまして、23区の中で江戸川区、そこは1.3ぐらいあるのです。ですから、23区の中でもまた低いところと高いところはあるので、東京の23区で議論すると、やっぱりそれぞれの区で実情に応じた対策を講じるという、いろいろと工夫をされているところがあります。
 それで、今後どこの県が伸びるかというのはなかなかこれは予測がつかないのですけれども、猪口大臣の地方ブロックを行って、各県でそれぞれ少子化対策でいろんな取り組みをしているということで、大変私どもも参考になりました。それで、今回合計特殊出生率は、どこの県も下がっているのですが、唯一上がっているところが福井県ですね。福井県は1.45から1.47に上がって、これは全国2番目にランクが上がったのですが、福井県に行きまして県知事さんから話を聞きましたら、福井県は第3子、3人目の子供のプロジェクトをやっているのです、始めたのですというのですね。3人目の子供の、例えば健診費用を無料化にするとか、保育料を無料化にするとかというので、3人っ子プロジェクトと言って3番目の子供に対して重点的に支援するということを始めています。
 それから、あと地域の子育て支援拠点と言って、これちょっと厚生労働省がやっている集いの広場の変形版なんでしょうけれども、例えば生協などが店舗を構えていると、店舗の一部に子供が集まる託児的なところをつくって、そういう親子が触れ合ったり、ちょっと子供を一時的に預けられるような場所をきめ細かくつくるという、そういうこともやっていまして、全体的に言うと大変子供を産み育てやすい環境。それで北陸地方の場合には、東北地方もそうかもしれませんけれども、結構大家族なのですね。ですから、かえって女性の労働力率も高くて、それから近くにまたお父さん、お母さんが住んでいて応援できるとか。ですから、今言った話を総合しますと、県でも独自の政策を行っている、それから全体的に働きやすい、産み育てやすいという環境があると、そういうものがトータルで効果を及ぼしているのではないかと思っています。
 今ちょっと福井県の例を挙げましたけれども、実はいろんな各県がそれぞれ取り組みをしておりまして、そういった意味では、これから少子化対策にいろいろと地域の実情に合った創意工夫をしていただければというふうに思います。
 それから、最後の3番目のマタニティマークが8月1日から始まったのは関東だけなのですね。関東のJRとか東京の私鉄など15社が、マタニティマークを必要な方に配ったり啓発するということでありますけれども、こういったものが確かに全国に広がるように広報活動にこれから努めていきたいというふうに思っています。
○ザ・グレート・サスケ委員 まずは増田先生、貴重なお話ありがとうございました。
 最初に人口に関してお話しされたのですけれども、1960年代にローマクラブが「成長の限界」というものを発表しまして、それで民主党の鳩山由紀夫先生がそれに敏感に反応しまして、「『成長の限界』に学ぶ」というものをまたリポートしたのですけれども、その辺から世界的な先進諸国の流れとしては、人口は抑制していかなければならないというようなムードで来て現在に至っていると思うのですね。ところが、それに伴いまして、いわゆる環境論者とか環境学者と呼ばれている人たちが、二酸化炭素を排出する問題とかもありまして、あるいは食糧問題とかもありまして、人口が爆発的にふえるのは非常に危機を感じるということで、そういうムードで来たわけですが、増田先生がお考えになる人口のキャパシティーといいますか、世界で言うと余りにも規模が大きい。例えば日本の人口のキャパシティーというのは一体どのぐらいが理想なのかというところを、ずばりお尋ねしたいです。
 私は個人的には、まだまだ増えてもいけるのではないかと思うのです。1億5,000万人ぐらいでも日本は、いけるのではないかと。例えばさすがに2億人までいったらもう圧迫感を感じると思うのですけれども、その辺どのようなものなのでしょうか。
 それから、資料の2ページ目にありました人口減少社会の到来のこのグラフで、1945年、戦争による減少ということがありました。この点ちょっと深くお聞きしたいのですが、ぽこんとへこんでいるのですね。戦争による減少というのは、戦死された方々とかで減少したのか、もしくは戦争という情勢の中で、母性本能がここで子供を産んではいけないという、そういう母性が働いて産まなかったのか、どちらなのでしょうか。どういう要因なのでしょうか、ぽこんとへこんでいるのは。まず最初にこの2点をお尋ねしたいのですけれども。
○増田雅暢参考人 どうもありがとうございます。最初の御質問はなかなか難しい御質問でありまして、昔、江戸時代の場合には大体人口3,000万人台で推移していたのです。江戸時代の場合には、国内の人口を支える米の生産との見合いでしたから、当然自給できないといけないので米の生産に合う人口規模。恐らく今から思うと、江戸時代の人口は3,000万人台で適正だったというふうに言えるかもしれません。ただ、現在では適正人口というのはこれだけグローバル経済化になりますと、国内の食糧だけが制約要因になりませんから、なかなか一概には言いにくいかとは思います。それから、日本の場合、人口密度が非常に高い国ですけれども、しかし一方で、過密、過疎の問題があって、首都圏は多いのだけれども逆に地方の方はもっとゆったりしていると。そうすると、もっと住めるではないかという議論もあります。ただ、一方で、そうかといって、人間がそこで生活するためには当然所得の保障ですね。雇用の場とか産業がないとできない。そうすると、単に土地があるから人が住めるというものでもないということでありまして、なかなかこの適正人口というのは非常に難しいところであります。
 私の個人的なことを申し上げると、実は1億人からあるいは今ぐらいの、1億2,700万ぐらいの人口が本当は適正ではないかという気はするのです。というのは、東京は少し過密過ぎるかなと思います。その分もう少し地方分散する必要があるだろうと。ですから、全体が減ると言っても、もう少し日本全体でもってバランスのよい人口配分が必要かなという気はしたりすると、決してずっと減る必要もないのだけれども、かといって今より増えるということは、首都圏などで人口の問題が起きるだろうということであります。これはあくまでも個人的な見解でありまして、なかなか適正人口が幾らかというのは非常に難しいということであります。
 それから2番目の点は、実は戦争中は詳細なデータがないのでこれはちょっと推測でありますが、直接の原因はやはり第2次世界大戦による戦死者です。たしか300万人を超える戦死者というところが大きな影響を与えたというふうに理解しています。
○ザ・グレート・サスケ委員 ちょっと時間が若干あるようなので、私から意見なのですが、8ページの男性の家事・育児時間のデータなのですが、非常に興味深かったのは、イタリアだけが日本にやや近いような数字なのです。これはラテン気質というのは多分あるのかなと思いまして、ここスペインがないのであれなのですが、かつてスペイン統治下にあったラテンアメリカ諸国などは、ここにデータがないのですが、恐らくイタリア、スペイン、あるいはラテンアメリカ諸国というのは、かなり日本に近いもしくは日本よりもさらに下回る数字が出るのではないかなと思うのですね。これぜひ、総務省にはデータをとってほしいと思っているのですが。
 それから、これ意見なのであれなのですが、特にラテン諸国というのはマチスタと言いまして、これ英語読みにするとマッチョイズムと言いまして、日本語訳だと男性上位主義ということなのですが、男子厨房に入らずという考えが非常に強いのです。男性なんか家事なんてやるものではないというのが、物すごく根強く残っているのです。ですから、この間、我が県の知事が男女共同参画の集まりのときに、私もこの間初めて皿洗いしました、なんて言って、ちょっと失笑を買っていたりしたのですけれども、日本人男性はできるのですよ、家事は幾らでも。おむつも替えるしミルクもあげられるし、掃除も洗濯も炊事も何でもできるのですけれども、物理的にできないと。物理的にできないというのは、世界経済を支えるために朝から晩まで、深夜まで働いているというのが実態なので、これはできるけれどもやらないのだというところがあって、そういったラテン気質ともまた違うのですけれども、ラテンのマッチョイズムという男性上位主義ということがあって、日本もかつてはそれに近いものがあったのかなとは思うのですが、その辺のデータがあればいいななどと思いました。これは私のつまらない意見ですので。
 それからあと17ページなのですが、先ほど関根委員からお話があって、世界の比較の中で、やっぱりアメリカが割と高い水準で維持しているというのが見てとれるということなのですね。だから、アメリカで子育てした日本人の母親からこの間話を聞いたのですけれども、アメリカで人通りの多いところでベビーカーを押して100メートルぐらい歩くと、もう最低でも10人の方に声をかけられるというのですね。ああ、赤ちゃんかわいいねと。何歳なの、何カ月なのとみんな言うのだそうです。日本ではあり得ないですね。日本で100メートルベビーカーを押して、ショッピングモールとか商店街とか人通りの多いところを歩いても、みんな逆によけて歩くのですね。もう、むしろ見てはいけないみたいな。あっ、赤ちゃんだ、邪魔していけないというならまだいいのですが、見てはいけないみたいな、話しかけてはいけないみたいな。日本だって、昔はみんなでかわいいと言っていたはずなのですけれども、本当にここ何十年かで日本がおかしくなってしまったと思うのですね。あとは、どうしても欧米諸国欧米諸国で、ヨーロッパも一緒に考えがちなのですが、先生も先ほどおっしゃっているようにヨーロッパは違うのだと。全然歴史が違って、例えばフランスなんかは私のいとこが嫁いでいるのですけれども、やっぱり国策でつくったということですね。スウェーデンも私の友達がいるのですけれども、余り子供をかわいがらないところがあるのですよ、ヨーロッパ諸国というのは。そういう点では日本とちょっと近いのかなと思うのです。アメリカとは全然違いますね。本当に心底かわいがるという。それはラテンアメリカ諸国も一緒で、本当にもう声をかけてくれるという。日本も先ほどゴダイゴのソングの話もあってこけてしまったのですが、そういったこともひっくるめてテレビCMや何かで本当に赤ちゃんをかわいがりましょうと、みんなでかわいがりましょうと、そういったことが必要だと思うのですね。
 公共広告機構のCMで、子供を抱きしめてくださいなんていうCMがあって、物すごく暗いCMが流れているのですけれども、あんなのは全く逆効果で、そうではなくて、もっと明るくとにかくみんなで赤ちゃんをかわいがろうということをやるべきだと思いますね、そういった歌なんかも含めまして。これは私の意見でしたので、すみません、以上です。
○増田雅暢参考人 どうもありがとうございます。
○三浦陽子委員 時間もありませんので、私も先生のお話を伺いまして、改めて本当に子育て支援をしっかりやっていかなければ、この先若い人たちが安心して子供を産み育てられないということを認識いたしましたけれども、私も4人子供を育てて、自分も仕事を細々と歯科医業をやったりしてきたのですが、女性は働けば働くほど、収入があればあるほど税金でどんと持っていかれてしまいましてね、何のために働いているのか。自分は子供を育てていく、子育てに結構お金がかかると先ほどからも出ていますけれども、小さいときはもちろんですけれども、子供が成長するともう義務教育を終わって高校、大学がまたすごくお金がかかるわけですよね。そういうところに、小さいうちはごろごろ4人子供がいても、大したそんなにお金がうんとかかったという記憶は余りないのですけれども、大きくなればなるほどお金がかかるわけで、今もこういうような支援対策を見ますと、小学校の6年生まではそういう対策は手厚くするようになりましたけれども、その先のことをもうちょっとしっかり国で対策をとっていただかないと、奨学金の充実とかと言っていますけれども、そういう手続をするにも、ある程度収入がある人は、奨学金もお金も出してもらえなかったりとか、いろいろあるのですよね。
 あとそれから、大学に行って働かない時期、年金を納めなければいけないけれども、それは一応ストップはされますけれども、その先また2年経過するとまた割り増しになって払うお金が高くなるとか、非常に若い人たちがお金を払いづらい状況もあるのです。だから、親がその肩代わりして払えばいいのかと言われれば、やはり親もリストラに遭ったりして払えない状況も出てくると思いますし、そういう税制支援といいますか、小さいうちの子育て支援ももちろん大事ですけれども、子供たちが成長した二十ぐらいまでの、ヨーロッパなんかは結構そういう手厚いのもあるようですけれども、一応財源のことが一番問題だとは言いながらも、もうちょっとそこら辺をしっかり対策をとれないものかということを1つ御質問させていただきたいと思います。
○増田雅暢参考人 ただいまの御意見はよく寄せられるものでありまして、今回ちょっと乳幼児期に重点化をしているのですけれども、確かに教育費ですね、特に大学の費用負担が重たいというので、それで奨学金の拡充でこの中でも2つ挙げているのですね。
 1つは奨学金をもっとどんどん、総事業費をふやしていこうと。実は2001年からことし5年間で奨学金は実は7割事業量をペイしています、事業費で。ですから、かなり昔よりは借りやすくなっている。それから所得水準もたしか1,300万ぐらいまではもう大丈夫だという世界になってきていますので、そういった意味では、借りたいという人は奨学金を借りられるということに近づいている。ただ、まだ学生全体でいうとたしか4分の1ぐらいですから、もっと借りやすくするということに努めていく。もう一つは、それを支援する意味で、先ほど申し上げましたけれども、奨学金を返還するとき、今滞納の問題がありますけれども、返還しやすくするように、一応税制上の優遇措置を検討できないかということを盛り込んでいます。これは年末までの議論になるのですが、返還する際に税制上の優遇措置を入れることによって返還しやすくなることが、また前に戻って借りやすくなるということになりますので、教育費については奨学金のところで対応していきたいと考えております。
○高橋博之委員 2つちょっとお聞かせ願いたいと思いますが、1つ目は少子化の原因の話なのですけれども、今、セックスレスとか新聞でも特集を組まれるぐらい若い人の中では大きな問題になっていまして、私の仲間でもそれを本当に悩んでいる人もおります。セックスしなければ当然子供はできないわけでして、そのほか、子供を産み育てることが煩わしいのだと。子供にかける時間やお金があるなら、自分にかけたいと。それも各種世論調査の結果で実際出ているようですね。東京都の石原都知事さんなんかも、今の少子化の原因が、経済的理由というよりはむしろ若い人たちのメンタリティーが問題だというお話もされておりまして、先日当委員会で奥州市というところに視察に行ってまいりました。その奥州市では、子供を産み育てるなら奥州市のキャッチフレーズのもと、経済的な支援も含めてさまざま先進的な施策を今検討中とのことでしたが、担当の課長さんに同じような話をしたら、実はそこが根っこにある大きな問題なのだというお話もされておったのですが、つまり利己主義というか、そういう部分が少子化の原因のもう一つの大きなところにあるのではないかと思いますが、きょう先生のお話を聞いておって、ちょっとその点のお話を聞けなかったものですから、先生はその点についてどうお考えなのか、ちょっと御意見を聞きたいと思います。
 それからもう一つですけれども、さっきサスケ委員からもありましたが、昔、ローマクラブが、人口の増加というのはいずれ人民にとって脅威になるという警鐘を鳴らしておりましたが、今1つの考え方として、人口が減少していくというのはむしろ好ましいことなのではないかと。食糧不足あるいは地球温暖化の問題1つとっても、むしろ好ましいのではないかと。あるいは人口が減って国の経済規模が縮まれば、当然国力が衰えるという話があるのですが、別に世界で第2位ではなくて、世界で10番目、20番目になっても1人当たりの国民所得が下がらなければ、全く問題がないのではないかというお話をされる方もいます。さらに、この人口減少を前提にして、いかに豊かで活力のある社会を維持していくのかという方に頭を切りかえていった方が、建設的ではなかろうかというお話をされる方も最近出てきているわけです。我が国は世界最速超高齢化社会に向かっているわけでして、世界に対してある意味でモデルを示すチャンスにもなっていくと思うのですが、その点についてのお考えもちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○増田雅暢参考人 どうもありがとうございます。最初の御意見の方のそういった若い人の心理的側面のところについては、なかなか直接の政策というのは難しいところがありますが、先ほど御説明した新しい少子化対策の国民運動の推進の中での意識改革、これ必ずしも高齢者だけではなくて全国民を対象として言っていますので、そういった意味での家族のきずなとかそういったところの啓発活動と、それから先ほどの働き方の回復のところでも申し上げましたけれども、若者の就労支援とか雇用関係の安定とか、そういったところもメンタリティーに影響を与えると思いますので、幸い昨年から雇用環境は好転してきていますから、したがって、その辺のところにも力を注いで将来に展望が持てるような、そういった社会経済のあり方と、ここのところが大事ではないかというふうに思っています。
 それで、確かにメンタリティーの面で非常に悲観的な点もあるでしょうけれども、世論調査をすると、やっぱり若い人は結婚したら子供を持ちたいという、この比率というのは余り変わっていないですね。ですから、そういった意味では、今言った経済的な条件とかあるいは実際結婚とか子育てに対する支援策を充実させることによって将来に展望が持てるということになってくれば、もっと心理的側面も変わってくるのではないかというふうに考えています。
 それから2点目の点は、これはよく経済学者の方でそういうふうに言われる方もいらっしゃいます。もともと内閣府も、私のところでは少子化対策というところに力点がありますけれども、もう一方で経済財政運営の方では当然人口減少というのは不可避ですから、人口減少を前提にした社会経済システムづくりということでいろいろ対策を講じています。それで、やっぱり両方の政策が必要ではないかと。つまり、人口が減少しても、確かに1人当たりの生産性を維持したりして、経済的水準が落ちなければ大丈夫ではないかという議論があるのでしょうけれども、つまり若い世代はどんどん減ってしまうわけですね。ですから、今のままですと、経済社会を担っていく次の世代が相対的に減ってしまいますから、そういった意味で次の世代を育成していくという、いわゆる少子化対策も必要であって、それとあわせて人口減少を前提にした上での社会経済システムという、両方の政策を並行して進めていくことが大事ではないかと思っています。
○工藤大輔委員長 ほかにありませんか。
 (「なし。」と呼ぶ者あり。)
○工藤大輔委員長 ほかにないようですので、本日の調査はこれをもって終了をいたしたいと思います。
 それでは、最後、お礼を含めて一言述べさせていただきたいと思います。
 本県の場合、日本全体で見れば所得水準等、本当に厳しいような地域でもございます。増田先生、十分御承知のとおり、特にも県内の所得水準から見れば平均で二百数十万、数十万でも前半ですね。私の出身の地域は二百万を切っています。有効求人倍率も0.3ないと。ただ、その中でも子供を2人でも3人でも持とうということで、比較的地域の子供の数はまだ多いのかもしれません。昔で言えば貧乏子沢山というようなことになるかもしれませんが、ただ、そういった子供が社会に出たときに、地域には仕事がない。県内でも仕事がなければ都市部に出るしかない。そうなった力が当然都市部の力となって、それが日本の力となっている社会が今日まで続いてきましたが、これからの社会を考えた場合、格差がより広がるような形が見受けられますし、また、地方をどうするかと。地方分権というふうな観点からもやはり国の方では大きく政策転換等をしてもらいながら、地方に住む者も安心して子供を産み育てられるのだというふうな環境を、ぜひ国の政策の中でつくっていただきたいというふうに思います。
 昨今の状況から見れば、1人の子供を育てるのに大学に入ったら2,000万、また、この間の勉強をした際にも、医学部等に入れば3,500万等かかってしまうのだと。そうなれば、この地域に住む者は家も建てて1人、2人子供を持てば、もうそんな金は生涯所得の中でも生み出せないような環境にあり、まさにお金がというものもあったり、あとは先ほど来の質問等の中身からしても、トータルでこの子育て対策を真剣にとらえてさらに進行をしていただきたいというふうに思います。
 新しい少子化対策の中で、出生率の低下傾向を反転させるというふうな文言で記されていますが、反転させるではなくて、やはり大きな柱、目標を持ってこの数値まで改善すると、これらの政策を実施すればこうなるのだというふうなものをより明確に示してもらいながら、今後の取り組みに充てていただきたいというふうに御期待も申し上げながら、そしてまた本日のわかりやすい、また懇切丁寧な講演、また質疑の答弁に対しまして心からお礼を申し上げ、委員会を代表しましての御礼の言葉にかえさせてもらいます。きょうは本当にありがとうございました。
 委員の皆様方には、次回の委員会運営等について御連絡がありますので、少々お待ちください。
○増田雅暢参考人 では、どうも失礼いたします。
○工藤大輔委員長 次に、9月に予定されております次回の当委員会の調査事項についてでありますが、児童虐待とネグレクトについて調査を行うこととしておりますので、よろしくお願いします。
 なお、当委員会の県外調査につきまして、11月13日月曜日から15日水曜日までの2泊3日の日程で視察を実施したいというふうに思いますので、御参加をよろしくお願いします。
 調査先等詳細は当職に御一任をいただいておりますので、調整後、決定次第お知らせをしたいと思います。
 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。

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