環境福祉委員会会議記録

環境福祉委員長 飯澤 匡
1 日時
  平成18年4月18日(火曜日)
  午前10時2分開会、午前11時57分散会
2 場所
  第5委員会室
3 出席委員
  飯澤匡委員長、木戸口英司副委員長、佐々木一榮委員、工藤大輔委員、
 平野ユキ子委員、小田島峰雄委員、藤原泰次郎委員、小野寺研一委員、高橋比奈子委員、
 高橋博之委員
4 欠席委員
  なし
5 事務局職員
  渡辺担当書記、菊地担当書記、黒澤併任書記、山﨑併任書記、小笠原併任書記
6 説明のために出席した者
(1) 保健福祉部
   赤羽保健福祉部長、古内保健福祉企画室長、野原保健福祉企画室企画担当課長、
  川口保健福祉企画室管理担当課長、柳原医療国保課総括課長、
  高田保健衛生課総括課長、下屋敷地域福祉課総括課長、
  小田島長寿社会課総括課長、小林障害保健福祉課総括課長、川上児童家庭課総括課長
7 一般傍聴者
  4人
8 会議に付した事件
(1) 継続調査
   「放射線に関する知識について」
(2) 請願陳情
   受理番号第72号 学童保育(放課後児童クラブ)の施策拡充に関する請願
9 議事の内容
○飯澤匡委員長 おはようございます。ただいまから環境福祉委員会を開会いたします。
 この際、本委員会の書記に異動がありましたので、新任の書記を紹介いたします。黒澤併任書記。
○飯澤匡委員長 次に、先般の人事異動により、新たに就任された執行部の方々を御紹介いたします。
 初めに、環境生活部の人事紹介を行います。菊池環境生活部長を御紹介いたします。
○菊池環境生活部長 環境生活部長を務めることになりました菊池でございます。委員の皆様方から御指導いただきながら職責を果たしてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○飯澤匡委員長 続きまして、菊池環境生活部長から環境生活部の新任の方々を御紹介願います。
○菊池環境生活部長 それでは紹介させていただきます。高橋清悦環境生活企画室長です。菅原伸夫環境生活企画室企画担当課長です。高橋誠環境生活企画室食の安全安心・消費生活担当課長です。加藤陽一環境保全課総括課長です。菅原和弘自然保護課総括課長です。杉村孝産業廃棄物不法投棄緊急特別対策室調査追及担当課長です。谷藤長利産業廃棄物不法投棄緊急特別対策室再生・整備担当課長です。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○飯澤匡委員長 御苦労さまでした。
 次に、保健福祉部の人事紹介を行います。赤羽保健福祉部長から保健福祉部の新任の方々を御紹介願います。
○赤羽保健福祉部長 それでは御紹介いたします。私の右隣からですが、古内保之保健福祉企画室長でございます。野原勝保健福祉企画室企画担当課長でございます。柳原博樹医療国保課総括課長でございます。高田清己保健衛生課総括課長でございます。下屋敷正樹地域福祉課総括課長でございます。小林繁春障害保健福祉課総括課長でございます。川上裕二児童家庭課総括課長でございます。以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
○飯澤匡委員長 次に、医療局の人事紹介を行います。法貴医療局長から医療局の新任の方々を御紹介願います。
○法貴医療局長 医療局の新任職員を御紹介申し上げます。細川孝夫医療局次長兼病院改革室長でございます。佐々木茂参事兼職員課総括課長でございます。根子忠美病院改革室経営改革監でございます。以上でございますので、よろしくお願いいたします。
○飯澤匡委員長 御苦労さまでした。以上で人事紹介を終わります。
 これより本日の会議を開きます。本日は、お手元に配付いたしております日程により会議を行います。
 初めに、放射線に関する知識について調査を行います。本日は、講師として東京理科大学名誉教授の久保寺昭子先生をお招きいたしておりますので御紹介いたします。久保寺先生の略歴につきましては、お手元に配付いたしておりますとおりでございます。本日は、放射線に関する知識について、専門的な、また貴重な御講演をいただくことにしております。これから御講演をいただくわけでありますが、後ほど久保寺先生を交えての質疑、意見交換の時間を設けておりますので、よろしくお願いいたします。それでは、久保寺先生よろしくお願いいたします。
○久保寺昭子講師 皆様、おはようございます。これから放射線と放射能について基本的なお話をさせていただきます。ただ、何分五感に感じない、目に見えないものでございます。具体的にどのくらいまで皆様のお心の中に実感として残るかどうか。これは、私に課せられた大変重い責務だと考えております。きょうはOHPも用意しておりますが、むしろ汚い絵、汚い字で白板を使って説明をさせていただきます。その方が皆様の御記憶に残るかと思います。
 もう1つ、最初にお断りさせていただかなければいけないことは、数日来ちょっとのどを痛めておりまして、大きな声がうまく出ません。それで、お聞き苦しい点もおありかと思いますが、何なりと話の途中でも、そこはわからなかったというふうにお声を出していただければ、反復しながらやらせていただきたいと思います。
 皆様方と対話の中で理解を深めていきたいと思います。決して大学の授業ではございませんので、御正解をいただけなかったら単位を上げないということではありません。話のついでに、たたき台に1つ何か答えをいただけるとうれしいのです。例えば、「体は何からできているの」とお子さんに聞かれたら何てお答えになりますか。意外に簡単で自分のことではありますけれども、先生いかがですか。
○平野ユキ子委員 水分7割と、あとその他、有機物、タンパク質など。ただ、これは物質的なことについて言っておりますけれども。
○久保寺昭子講師 すばらしいです。やっぱり「体は何からできていますか」と言われたときに、どの立場で物を見るかによって答えは変わってまいります。例えば水分、タンパク質、水分六、七十%ですね。タンパク質十七、八%、それからミネラルが七、八%でしょうか。それから、大事な脂肪があるのです。嫌だ、嫌だという脂肪。理想的には15%ぐらいだと思います。すばらしいですね。こういうような物からできているよという見方をしたとしたら、これは理科の時間の化学になるのです。ただし、タンパク質といっても3,000種類以上ございます、体の中に。そういう試薬をみんな買ってきて、私の体と同じ組成のものをドラム缶に入れてミネラルをふっても私は生まれません。そうすると、物ではなくて生きていること。生命という、生物の世界と言った方がいいのかな。生きているということですね、物ではなくて、「こと」として人の体を考えますと、生きている最小単位が正解になってきます。
 ここで生命科学、生物の時間に「体は何からできていますか」と言われたら、細胞と細胞間質という答えを書いていただくと、三重丸がさし上げられることになるのです。しかし、こういうことを別にして、私の孫は大学生ですけれども、その子が幼稚園のころに「お水ってどこからくるの」という話から、「地球に海があるから、雨が降ってきて山に落ちて、そしてその水で私たちは生きていける」というような話をしたときに、いきなり「お水って何」と言われたのです。「お水って何からできているの」って言われました。それで、一応専門家のつもりですから、いろいろ考えまして、そのときは幼稚園生がわかるように説明はしたのですが。
 要するに、すべての物質、すべてのものは、水でもタンパク質でもミネラルでも脂肪でも、その原材料、素材ですが、すべての物質は地球上にあります原子からできています。御存じのとおり、きょうはOHPを持ってきておりますが、余り小さいのは見えないからと御注意受けていますので、お見せできるかどうか。多分理科系ではない先生方がいらっしゃったとしたら、この表を見るのも嫌で理科系をやめられた方が多いのではないかと思うのですが。世の中の物質は、調べてみるとこの中の大体88種類くらいの原子の中のいくつかを使って、物質ができています。
 例えば私はお水をこういうふうに説明します。先生、どさくさにまぎれてお手を拝借します。よろしゅうございますか。先生お二人を水素という原子2個だとします。私は酸素という原子1個だとします。ほかの原子と握手することを化学結合と言いますが、水素という原子には結合できる手は1本ずつついています。酸素さんには、水素さんほど手は長くないのですが、1個の酸素に2本の手があります。水素さん2人と酸素さん1人、3人で手を取り合っている状態を私たちは水と呼んでいるのです。ですから、水は未来永劫水かというとそうではありません。例えばここの手の結合のところに電気ショックを与えると離れてしまう。そうするとどうなるか。原子は、地球上でこの手がぷらぷらのままで存在できない基本的性質があります。そうすると、この水素のお二人が手をつなぎます。これはロケットの燃料に使われる水素という名前の物質になります。残された酸素はどうしようと思っていたら、ここに工藤先生が、やっぱり酸素さんで、手がぷらぷらでいらして、2人でこうやって手を結んで、これが空気中に20%強あります、みんなが吸わなければ生きていけない酸素という物質になっている。すわなち、すべての物質は、まず原子からできているのだと思い出してください。
 アメリカの学者が調べまして、人間の体は29種類の原子からできているというのが既にわかっています。学術的に報告されています。原子の数ではなくて、というのは原子は目方がそれぞれ軽いものから重いものまでありますので、そうではなくて、総重量で考えたときに、体の中で一番たくさんある原子は何だとお思いになりますか。
 (「炭素ではないですか。」と呼ぶ者あり。)
○久保寺昭子講師 酸素なのです。私は七十数キロございまして、私の体ですと四十六、七キロぐらいが酸素原子の目方なのです。次が炭素原子です。炭素原子は、御存じのように炭素原子だけで何本手があるかというと、原子に4本手がありますね。これが1気圧のこういう常圧の中では、ほぼ水平に近い方向に4本の手が出て、そこにいろんな酸素とか炭素とか水素とかとつながりまして有機化合物等ができるのです。この炭素さんだけの集まりが地殻の変動で、ずっと地下深く入って、高い圧力と高い温度と、そして長い年月をかけてやると、この手の方向が立体的にどこからはかっても同じ角度になるように、きれいに4つ分かれて、その先に炭素さんがさらにつながってというつながり方をしたのがダイヤモンドと申します。ただし、ダイヤモンドは炭素だけでできています。しかし、炭素だけでも地球上の1気圧のようなところで、炭素だけを平板にくっつけるとこれは石墨と呼ばれ素材は同じ、原材料は同じなのですけれども、物としては非常に価値の少ない石墨とか石筆と言われる、デッサンで使う墨になってしまうのです。やっぱりどういう原子が、何個、どのように手を結んで物になるか。これらを念頭に置いておいてください。
 ところで、さっき藤原先生と小野寺先生には水素さんになっていただきました。ところが、水素さんには三つ子、3種類の水素があるのです。手は1本しかないにもかかわらず、目方が便宜的に1のものと、2倍の2のものと、それから3倍の3のものがあるのです。こういうようなものを同位体といいますが、こういうものがだんだん見つかってきて、酸素でも、窒素でも、他の元素にも目方が幾らか違うものが存在するのだということが世の中に認識されてきました。
 ところで、いきなり飛躍いたしますが、木戸口先生、放射線と放射能ってどのように御理解していらっしゃいますでしょうか。
〇木戸口英司委員 ごめんなさい、きょうは教えていただきに。
○久保寺昭子講師 まさに厳しいお答えでございます。実は百数年前になりますがパリの大学でベクレル氏という方が、太陽の光も何かいろんなことをするのではないかと研究していたのです。まだ日本では明治時代です。ヨーロッパでは、そのころもういろんなことがわかりかけてきていましたが、原子の概念はまだなかったのです。ベクレル氏は、石をとってきてその石に太陽光を当てた場合に、太陽のエネルギーがここに蓄積して何か起こりはしないかなという考え方で、実験をしていたようです。当時はもう写真乾板が研究に使われていたので、その写真乾板に光に当てた物を乗せて、何かエネルギーが出てくるかと研究をしようとしていたら、たまたまその日が曇りだったのです。パリの空は曇っていて実験ができなかったのです。それで、もう週末だったので、来週だということで、写真乾板は黒い紙に包んだまま、その上に実験に使う石を乗せて机の中にしまってお帰りになったのです。翌日に来て、いろいろやった後で現像してみたら、実際その日にやった位置には何にもフィルムの黒化がなくて、週末にこの石を乗せていったとおぼしき位置に、ポチポチと石の輪郭がわかるような濃淡のある大きいのや小さいのや黒化があり、何かフィルムに感じているエネルギーが出ているのがわかったのです。太陽にさらしたとか、さらさないとかではなくて、この石の中から本来何か光と同じようにフィルムを黒化する、写真乾板を黒くするエネルギーが出ているよというのを見つけた、それが放射能の発見でございました。それから、いろいろな研究が進んできたのです。
 原子というのは、今、申し上げましたようにいろんな種類があります。一番軽い水素から、一番目方の重いウランまでが自然界にある原子です。ところで、同じ水素であっても3兄弟いるとお話しました。これを調べていきますと、目方が1の水素さん軽水素と、目方が2の水素さん重水素と、目方が3の水素さん三重水素では、当然目方は違うのですが、もう1つ大きな差がここに出てきました。ユーリ博士という方がこの重水素を発見したいきさつは、お水をフラスコに入れて蒸留していたとき、何回蒸留しても、ほんのわずかだけれども、底に残るお水があったのです。凡人だったら気がつかなかったのでしょうけれども、ひょっとして重たい水があるのではないか、重たい水素でできたお水があるのではないかというところから、重たい重水素という目方が2倍の水素が発見されたのです。その後、今から60年ぐらい前に三重水素が見つかったのです。この発見者は明確にされていません。
 これらの水素たち、何が違うか。原子の世界はすごく小さくて目に見えないのです。だから、目に見える大きな世界にこの原子の世界を例えて考えていただきます。夜空、盛岡市内は多分無理だと思いますが、海の方に行ったらお星様はすばらしくきれいなのではないでしょうか。その天空にありますお星様の中にも、自分から光を出している、すなわちエネルギーを持っている星と、もう冷えてしまって自分からは光を出さない、しかし何かの光を反射しているお月様みたいな、そういう2種類の星に分けることができるのではないでしょうか。空のお星様は自分からエネルギーを出せる太陽みたいな星と、お月様みたいに冷えてしまって何も自分からエネルギーを持っていない星と、2種類に分けることができます。それと同じことが原子の世界でも言えるのです。
 自分から自発的にエネルギーを出せる原子と、もう冷えてしまっていて自分ではエネルギーを出さない原子と、そういうものに分けられるということがわかってきまして、水素の3兄弟の中でも三重水素、これをトリチウムといいますが、これは、自分からエネルギーを放出して、より安定な状態に変わっていく。こういうものがあるということが発見されました。このエネルギーを放出する原子を称して放射性原子と呼ぼうと決めました。言いかえれば、放射能という言葉は原子の世界のエネルギーを表現する言葉であります。これは、太陽なんかになりますと、太陽から出るエネルギーは太陽光とか、太陽熱エネルギーとか言いますが、原子から出てきますと、その原子が何であろうと、原子から放出されるエネルギーはすべて放射線と呼ぼうということに決めたわけです。放射線を出せる能力を持ったこういうものを放射性原子、あるいは放射能があると呼ぼうというように決めたのです。
 ですから、太陽から出ているエネルギーは光ですね。それが原子から出てくると放射線なのです。ただし、エネルギーという言葉は、多分ギリシャ語が語源なのではないでしょうか。エネルギーという言葉は、秘めたる力というような意味があるのだそうです。何かできる、何か動かせる、そういう力という意味があるようなのですが、エネルギーという考え方でいったら、原子から出てくれば放射線と言っていますが、例えば今ここに100度に沸かしたお湯と、お水のままのお水と置いておきます。どうでしょうか。100度のお湯はエネルギーが高いですね。置いておけば自分で勝手にエネルギーを放出して、そして多分こちらのお水と同じくらいの温度まで下がっていく。そういう自然にエネルギーの高い方から低い方に移ろうという性質は、これは温度の世界でも、あるいは位置のエネルギーといいますか、高いところから落とせばこれは引力があるのでしょうけれども、お水なんかも低いところに流れていく。エネルギーというものは、いろんな形で存在します。そのエネルギーの中の1つ、原子から出てくるものを放射線と呼んでいるわけでして、これは全くの自然現象でございます。
 さっき私は、人間の体も29種類の原子からできているということを申し上げました。その中でたくさんあったのは、酸素とか炭素とか水素とかとありましたけれども、全部集めても耳かき1杯にもならないくらいの生体重金属というのもありまして、カドミウムも生体に必須元素です。ただし、量が問題なのです。たくさんあればイタイイタイ病になりますね。でも、カドミウムが全くなかったら、私たちの骨の生育はきちんといかないのだろうということが学術的にもわかりつつあります。
 そういう中で、カリウムとナトリウムというペアを組んで主な仕事をしている原子があります。ナトリウムの方は御存じだと思います。ナトリウムは、1つのナトリウムと1つの塩素がくっつくと食塩と呼んでいます。その片割れがナトリウム。それから、カリウムというのは、余り御存じないかもしれないのですが、昔テレビのコマーシャルでえっと思ったのがあるのです。「野菜とらなきゃいけないよ」というようなコマーシャルがあったのです。野菜の中とか、お魚の中とか、いっぱいカリウムというものが入っています。ナトリウムだから「ナ」にします。カリウムだから「カ」にします。このナトリウムとカリウムは生体には絶対に必要なものです。私たちが生きていくために一番大事なものを1つ挙げるとしたら何でしょう。人間が生きていく上で1つ挙げるとしたら。水がかれても困りますね。でも、その前に体温なのです。体温が36度から41度くらいまでの範囲内でないと生きていけません。細胞は皆さん100兆個ぐらいお持ちです、生きている細胞。種類は100万種類くらいお持ちです。そういうものが連続的、自発的に命の時を刻む化学反応を御本人が知ろうと知るまいとやっているわけなのです。そういう中で、体温維持のためにナトリウムは不可欠なのです。なぜかというと、体温がうんと上がってきますと、私たちは汗として水分を放出しなければ体温は原理的に下げられない。そのときに、ナトリウムがお水を一緒に体の外に出すのです。だから、汗をうんとかく溶鉱炉のような中でお仕事をする方は、どんどんナトリウムが減っていくので、盛り塩をしてなめながらお仕事をされると思いますが、普通、最低1日7グラムぐらい食塩として必ずとらないと生きていくことができません。7グラムから10グラムぐらいが必要ですが、なぜかというと汗をかくためだけではないのです。心臓は体の中で何をしていますか。血液という運河系で私たちの体は運営されているのですが、心臓はその血液を送り出すポンプ場でしかないのです。脳神経と心臓の筋肉は、お母様のおなかからオギャーと生まれたときにもらった数が最大。あとは減っていく一方です。ほかの細胞は自分の寿命に合わせて、新しい細胞にリニューアルしながら機能をずっと維持していきます。この心臓を動かしているのは脳からの指令ではないのです。心臓が収縮したり弛緩したり、あるいは筋肉が収縮したり弛緩したり、筋肉を動かすところには必ずナトリウムとカリウムがペアになって、細胞膜を相互に出入りし、細胞の中にナトリウムがあるときには弛緩が起こっています。これが入れかわりますと、細胞の外にナトリウムが出てカリウムが入ると収縮が起こる。このリズムを演出している場所が心臓に血液が入ってくる入り口のところにありまして、心臓の動きを演出しています。そのためにもナトリウムとカリウムのバランスというのが大事です。例えばカリウムがたくさん含まれているスイカを食べるときに、ちょっとお塩をふるとおいしいと思いませんか。昔私たちが生きていくのに必要なものを選別していくために、味覚と嗅覚と視覚、こういうものがすごく重要だったのですね。今はもうそういうものが失われつつありますが、その中でもいいあんばいというその味は体にいいということにつながります。ただし、こういう、いいというのはいけません。フグの毒を食べて死んでしまった有名人がいます。ほかの動物にはない、人間にしかない思考回路の中で、ちょっとしびれるくらいのフグを食べる方が通なんだよなんていう価値観、これはほかの動物には一切ありません。人間にしかない人間としての特徴的な考えでして、そういう感覚では健康に役立つものの味覚の選別はできませんが、大抵いいあんばい、いい味だなというようなところで私たちは1つの線引きをしていると考えていただいていいのです。
 長く言いましたが、このカリウムというのは、体の中の目方でいいますと、大体筋肉質の人で、重量で体重の0.4%くらいがカリウムです。あるいは日本人は割合筋肉が少ないので、0.2%ぐらいというデータもございます。こういうカリウムは、体の目方にこれを掛けると何グラムぐらいのカリウムが体にあるかなというのがわかりますが、このカリウム、南米のチリでとってこようと、あるいは先生方の体を生きているということを関係なしに解剖してしまって、先生方の体の中にあったカリウムだけをとってきても、あるいは試薬屋さんに行って塩化カリウムという試薬を買ってきたとしても、さっき申し上げた太陽のような自発的にエネルギーを出せる放射性のカリウムが一定比率で入っています。そのために私たちの体からも大体1秒間に4,000本ぐらいの放射線が出ているのです。筋肉質の人だと1秒間に6,000本とか7,000本とか、1秒間に。だから、放射線というのは決して忌み嫌うものではなくて、自然界に自然に付与されているもので、その中で人間が進化してきているのだということをまず認識していただかなければいけないと思います。いろんなところに放射性物質はございます。ウランだってつくっているわけではなくて、鉱石をとってきて、そしてその鉱石の中で使えるウランが0.7%しかないから、それを3%から4%に濃縮して使っている。そういう考え方をしていきますと、原子力って一体何だろうと、そういうことにお話が戻ってまいります。
 では、私資料を持ってきたから、この資料をお配りして、その中で見ていただきます。本物がなくなってしまったのでコピーでございますが。これは中学生向けに漫画仕立てでつくったのです、文部科学省のおかげで。左ページが漫画仕立てのストーリーで、そこに出てくる事象で放射線絡みのものを右に示してあります。
 原子力は、大きく2種類に分けて考えられています。1つは、大きな原子は自分で割れる性質があります。あるいは何かをぶつけると、核分裂といいますが、分裂して熱エネルギーを出してくれる。そういうような性質があります。その核分裂をするような、一番わかりやすいのはウランなのですが、1個の核分裂で出てくる熱は、温かいとも何とも感じません。たくさん核分裂して出てくる熱を使います。これで蒸気を沸かして、タービンを回せば発電ができます。いわゆる原子力発電と言われているものです。もう1つ、それほど大きくない原子でも太陽のように自発的に、さっきのトリチウムみたいに自分から放射線という名前でエネルギーを放出できる、そういうエネルギーがあります。この両方とも原子力と呼んでおります。
 今お配りした資料の中の後ろの方に、お見せしているOHPの表が出ていますので、ページにしますと20ページをお開きください。そうすると、いいですか、ここのエネルギー利用というのが核分裂を利用した発電、原子力だけの電気に、皆さん方がお使いになった電気量の中で、原子力で発電された電気に対して支払われたお金です。1年間です。こちらは物質に放射線を当てることによって、性質を変えたりいろんなことができます。それによってでき上がったものを皆さんがお買い上げになった1年間の金額なのです。こうやって見ると、エネルギー利用より放射線利用の方が幾らか大きいのです。
 では、一体こちらの方、放射線利用の方は一体何かというのを、ではこの本で見ますと、放射線利用のうちの85%、これは工業利用なのです。そして、意外に皆さんもっとあるかと思っていたかもしれませんが、医学利用が14%、農業利用はほんの少し。日本では、アメリカやヨーロッパに比べてはるかに農業利用の放射線アレルギーが強くて使われておりません。
 では、85%もある工業利用の内訳は一体何だろうかというと、そのうちの約4分の3、73%は半導体加工なのです。半導体は放射線なしにはつくれないのです。今皆さんの御家庭で半導体が全くないうちなんてないと思います。パソコンにも入っていますしいろんなものに使われています。そして、次に15%と大きなシェアを占めているのが放射線加工ですが、この中の大半がスタッドレスタイヤです。あるいは自動車部品のエンジン系に入る電気系統の被覆線が高温でも溶けにくく、絶縁性が悪くならないような、そういう加工をしたものです。そういうもので占めています。
 こうやって考えてみますと、日常私たちは生活の中で放射線と全く無縁に暮らしているように思いながら、実はいろんなところで放射線が使われております。漁業の方の漁網なども、放射線によって非常に優秀なものにかえられているというように伺っております。後でお暇があったら見てほしいのですが、この中で例えば医療介護用品は、最近非常に目覚ましく発展してきまして、老人介護で介護者が苦痛を感じられるのはおしめ交換なのだそうです。においがあって、なかなか大変のようです。そういうときに適切に放射線処理をしたおしめを使いますと、臭いをしっかり吸着してくれるのでほとんどにおわない。そういうようなものがつくれるのです。ただし、放射線照射品と書くと、皆さんがそこに放射能があるかのごとく考えて買ってくださらないのだそうです。だから、タイヤの会社に行ってこのことを本に載せるときも、半導体の会社も交渉に行きましたが、「放射線利用をしていることを明示することは会社としては勘弁してください」とA社は言うのです。B社は「使っていますけれども、できれば知られたくない」、そういうような体質が日本の中にはまだまだ、日常使っているにもかかわらず残っているのかなというのはとても寂しいことだなと私は考えております。
 そんなことで、原子力というのはその利用の仕方で大きく2種類ございます。その中で悪い悪い、怖い怖いと言われている放射線も、使い方によりましては非常にすばらしい恩恵を私たちにもたらしてくれているのです。この夏に出てくると思うのですけれども、汗をかいても汗のにおいが出ない、そういうワイシャツの生地が今つくられています。あるいは肌着がつくられています。そういうようなことで、皆さんの日常生活の中で具体的にお役に立っているそういう放射線を正しく知っていただきたいと思います。少しの放射線でもがんになる、ふぐあいな子が生まれるという事例はございません。少しの放射線でもふぐあいな子が生まれるとか、あるいはがんになるという心配はございません。日本は、残念ながら私のいとこたちも被爆者ですが、原爆被災国なのです。そのおかげでと言ったらおかしいのですが、人体に関する放射線の影響のデータがこんなに豊富にある国はほかにないのです。終戦後アメリカが、ABCCという組織で被爆者の健康管理をずっとやってきたのです。最近では被爆者と言われる方から白血病などで亡くなる方はなくなっております。終息したという言葉をおっしゃる方もあります。
 しかし、いろいろ原因を考えてみると、放射線即白血病というのには、最近では非常に首を傾げたくなるようなデータがあります。どんなデータかといいますと、まず広島、長崎で被爆されたお方の多くは熱風で亡くなられたのですが、生存された方々を被爆者として手厚く医療サービス、あるいは観察をしてきました。そういう方たちが亡くなったとき、死亡診断書に白血病と書かれたお方は、四十数年観察してどのくらいいらっしゃると思いますか。89人です。これは学術的に、広島の原爆研究医療機関というのですか、病院研究所というのですか、そこで出された正確なデータです。その発生率は、一般に発生している発生率と何ら変わりがないのです。
 そういうところで、あるとき厚生労働省が1年間に白血病という病名で亡くなったお方の数を調べたら約5,000人でした。アップダウンが幾らかあるのですが、1年間で約5,000人くらいの方が亡くなっているということがわかりまして、この数字はちょっと多いのではないかと疫学調査をしたのです。血液のがん、すなわち白血病等を含む血液のがんとそれ以外のがんで死んだ人、この両者の家族から、この患者さん自身のライフスタイルを多項目にわたり調べていったのです。そうしましたら、何と放射線も関係ない。それからたばこやお酒も関係ない。優位さが出ないのです。いろいろ調べていったら、この血液のがんの患者さんたちに多かったものが1つだけ出てきました。でも、だからってそれをやると血液のがんになるということはないのです。違います。放射線には因果関係は認められませんでした。
 被爆と放射線との因果関係というのは、最近では非常に厳密にどういう段階で、どういう病気になるかということがわかってきました。
 自然界にあります放射線は、自分の体や、地殻や、それからコンクリートの建物や、いろんなところから放射線が出ています。それが1年間に3ないし4ミリシーベルト、高いところで5とか6とか10とかという数値です。200という放射線量を一度に浴びても、浴びなかった人と比べて、がんになって死ぬ人の確率は変わらないというデータが広島、長崎のデータからわかっています。かなり大量に浴びないと起きないというのもわかってきていまして、今ではいろんな研究がされているのですが、では一体どのくらい浴びると人間は100%死ぬかということを含めて、時間がありませんので、あとは個々の御質問をいただきながら、お答えを差し上げていきたいと思います。とりあえずは終わります。御質問をちょうだいさせてください。
○飯澤匡委員長 久保寺先生、ありがとうございました。それでは、これより質疑、意見交換を行います。ただいま御講演をいただきましたことに関し、質疑、御意見等がありましたらお願いいたします。
○工藤大輔委員 御講演本当にありがとうございました。放射線また放射能ということで、理解が深まったところでした。そこで、先生は量が問題だということをおっしゃられまして、必要性というのが第1にわかったところなのですが、量のところで、やはり施設等ではかなりの量を取り扱う施設なわけですよね。施設というのは原子力関係です。今、日本のそこでの進路の中では安全性、また情報の確実な提供だとか、そういったところに恐らく日本人は不安を持っているということがあると思います。必要だと、また実際使っているというのはわかりつつも、ある1つの特定した地域の中で、そして理解を求めさせるために、その地域には当然お金も与えながら理解させている分野もあると思います。そういった中で、今必要だということはわかったのですけれども、その情報から何からについては、提供の仕方、また不安を取り除く方法については、先生は今どのように実際に、今の日本原燃だとかそういった関係の話や過去のこれまでの略歴等の中でそういった分野にも大きくかかわってこられていますので、それについてまず御意見をいただきたい。
○久保寺昭子講師 まず、法律からお話をしなければいけないと思います。日本は何にでも法律、規制があります。そして、その法律にはもう1つ労働安全衛生法という法律も絡んでおりまして、その場で働く人の安全もきちんと守りなさいという、そういう中でさまざまな業種について、例えば有機物質を扱うところとか、化学物質を扱うところとか、みんな法律が違います。高いところに登る人たちにも法律があるし、水に潜って仕事をする人たちにも法律があります。
 放射線の世界では、環境省というのは後からできたために、「放射線に関する部分は自分のところでは見ません」ということを言っています。だから、環境省が管掌する法律の中には放射線は入っていないのです。では一体どこで、どのように放射線の規制をしているかというと、利用の内容によって、医療なら医療に関する法で、発電なら経済産業省の資源エネルギー庁でという具合に監督省庁が異なります。いずれの場合も、放射線を取り扱います施設で、ある一定量の放射線の量が超えるところを管理区域としなさいと放射線の法律では決めているわけです。この管理区域の中で働く人たちを放射線業務従事者と定めていますが、個人の被爆は、主な行政庁の他に民間事業所では厚生労働省の、国の事業所では人事院の二重の規制下にあります。私も40年以上放射線業務従事者をやってまいりました。ここできちんと被爆管理をしなさい、それから、この管理区域の外側に住む一般の方たち、この一般の方たちにはこの施設から出てくるエネルギーの量は、後から説明しますが、1年で1ミリシーベルト以下にするように、この管理区域の中で遮へいをしっかりし、取り扱い方法を決め、外に出す量が規制値以下になるようにきちんとした設備、装置をしないと許可にならないようになっています。排水とか、排気とか、固形のものなど、施設から排出されるすべての放射線量に対する規制値ですから、ここから出てくるお水とか、煙突の中からかなりたくさんのものが出てきているのではないかという御心配なわけですね。しかし、法律で管理区域境界の濃度が決められるのです。
 それで、ここで大きな問題になるのは、これが放射性原子だとします。1秒間に1つ放射線を出したら、これを1ベクレルと呼びます。昔はキュリーと呼んでいたのですが、そういう放射線の単位を決める委員会で、キュリーさんの国の人からベクレルさんの国の人にチェアマンが交代したときにベクレルにかわりました。そのベクレルが1ベクレルというのは壊変数なのです。これは物理量で、皆さん方にはほぼ関係のない数字なのです。関係のないというのは、研究をしたり、取り扱っている者にとって必要な単位であります。なぜかといいますと、ここにあります放射性の原子が違えば、出てくる放射線の種類が、健康影響評価に必要な単位はシーベルトなのです。アルファ線かベータ線かガンマ線か。あるいはエネルギーが大きいか小さいかによって、体への影響はみんな違うのです。そうすると、そういうもので1回1回何を使ったときには幾らとかってやっているとわからなくなりますので、シーベルトという単位で評価することにしました。これも人の名前です。ノーベル賞をとられた方です。1シーベルトの1,000分の1をミリシーベルトと書きます。
 ベクレルとシーベルトの違いはどんな違いがあるかというのを具体的にわかりやすく、例えがいいかどうかわかりませんが、お話しいたします。私は小さいころに、よくいとこたちから「鉄100貫と綿100貫とどっちが重い」という、そういうことを言われて「そりゃ、鉄が重い」と答え、「ばかだな、100貫目ずつだったら同じだよ」と言われたことがあります。それを引用できるのではないかと思うのです。鉄100グラム、綿100グラムというそのグラムというのは、手に与える影響力ですね、重さという手に与える効果です。それがシーベルトなのです。人体に与える影響、人体に与えるエネルギー量と考えています。これがシーベルトです。
 では、ベクレルは一体何かというと、この場合、体積量と思ってください。同じ1キロの鉄と1キロの綿にしても体積は全然違いますね、比重が違うから。この体積をベクレルで表現すると、原子の数ですから物すごい数字になると思います。そういう数値をもし報道の方が流したとしたら、これは大変だと思います。でも、そういうことではなくて、どんな種類の放射性物質があるにしても、そこから皆さん方へ、あるいは環境に与える影響が手に持つ重さと同じように、同じ評価になるはかり方がシーベルトなのです。だから、シーベルトで考えていただきませんと、人体への影響は正しく評価できません。
 ちなみに、1回の全身照射で人が亡くなります量はどのくらいかというと7,000ミリシ
-ベルトです。全身に一度に7,000ミリシーベルト当たりますと、100%、30日以内に造血臓器が破壊されることによって、赤血球、白血球の補充がきかなくなって、感染症や、赤血球が足りなくなれば貧血や、全身への酸素の供給が減る等が起こりますね。そういうようなことで、私たちの体は死ぬということが教科書的に書かれておりましたが、ジェー・シー・オーというところで事件がありました。その事件がありました後に、死亡された方は、7,000ミリシーベルト以上の放射線をある一方方向からお二人とも浴びられたわけですね。だから、1カ月以内には亡くなるというのが教科書的な考え方だったのですが、そのときに骨髄移植と、もう1人の方は臍帯血輸血をされて、造血機能が復活したのです。赤血球も白血球も底をついたのですが、その手術をしてから血球数が復活したのです。でも、結局何カ月か後には亡くなられた。それは、今度は放射線って透過力がありますね。たくさん浴びれば、やけどと同じなのです。油でやけどをした場合は表皮だけです。ところが、中まで通っていけるエネルギーの波動が入っていったところでやけどが起これば、腎臓でやけどが起これば腎臓が働かなくなる。消化器の中で起これば消化器が働かなくなる。そういうようなことで、残念ながらお二方が亡くなってしまいましたが、それから書かれました教科書には、7,000ミリシーベルト、全身1回照射で何も医療的な処置をしなければ30日間に100%死ぬという、そういう表現に変わってまいりました。7,000ミリシーベルトです。それも1回です。皆さん方が施設から出てくるもので浴びるかもしれない量の最大は、1年間に1ミリシーベルトです。
 私は日本原燃の人間でもありませんし、日本原燃のことについては、私なりの理解をしていることは結構ございますけれども、それを私が申し上げたのでは私の理解になります。ですから、日本原燃にかかわることは、どうぞ日本原燃から直接にお聞きいただく方が正確ではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。ですから、そういう意味で法律的にこの施設をつくって許可がおりる前に、これこれのものを最大見積もって、一番近い周辺に住む人は、毎日いろいろな農作物や海産物を食べ、どうこうしても幾らだという数字を計算して出しています。そんなところまではいかないと私は思います。というのは、そういう条件にかなうような生活をするといったら大変なことでして、もっと皆さん自由に動いてやっていらっしゃる。最大に見積もった値で、専門家が何人も見て、そしてオーケーが出ているのだというふうに理解はしております。それでよろしいでしょうか。ちょっと何かピントが外れましたでしょうか。
○工藤大輔委員 いいえ、よろしいです。それで、年間に1ミリシーベルトということの中で、例えば今死ぬのは7,000ミリシーベルトという話があったのですが、人体に何らか影響を出てくるというのは専門家の先生から見てどのくらいかということ。
○久保寺昭子講師 200ミリシーベルト浴びても発がん率は高くならないと申し上げましたね。500ミリシーベルトくらいを一度に浴びますと、これは医療行為の中で時々あるかもしれない。そうしますと、一過性に白血球が変化することが知られていますが、すぐにもとに回復してしまいます。あと何も影響は出ません。その表を今からお見せいたしますが、これはジェー・シー・オーの事故の後、安全委員会でまとめられた数値なのですが、ICRPという任意団体なのですが、放射線の影響を確率論的に人間の体に回復という現象はないのだというということで、直線理論で考えているグループがあります。そこで出されたデータなのですが、これはミリシーベルトですから200ですね。200ミリシーベルト以下なら臨床症状はありませんということです。500ミリシーベルト、そうすると末梢血液のリンパ球が一過性に減りますと。しかし、これはもとに回復しますから何ともありませんと。この1と書いたのは1,000ミリシーベルトです。1,000ミリシーベルト当たると、全身に悪心、嘔吐、これは放射線宿酔、お酒に酔っぱらったのと同じ症状になります。放射線でしか起こせない病気は1つもないのです。何が、体の中のどの部分が働けなくなるようなことをしたかによって病気が起こります。ですから、お酒で酔っぱらうのを宿酔といいますが、1,000ミリシーベルトがいっぺんに当たると、酔った症状が出ますが、ただしほとんどの場合、死にません。50%の人が多分死ぬだろうという値が4,000ミリシーベルト。さっき申し上げた7,000ミリシーベルトから10,000ミリシーベルトの間で100%人は死ぬのですよと、こういうのが広島、長崎のたくさんの犠牲者の中からわかってきていることです。よろしいでしょうか。だから、放射線で病気になろうと思うと、物すごくたくさん浴びなければなりません。私たちは管理区域の中で働きます。そうしますと、年間に皆さん方よりも50倍、50ミリシーベルト以下で働くのですね。ただし、5年間に100ミリシーベルトですから、均等割したら20倍、20ミリシーベルトなのですが、だからってそれで病気になったという人はだれもいませんし、ふぐあいなお子さんが生まれたということもありません。大学等で今6万人ぐらい放射線をいじって研究している研究者がいますが、その中で1万5,000人以上が女性です。でも、私も含めて、皆さんにはきちんとお子さんが生まれております。
 私は四十数年放射性物質をいじって、健康に資するための肝臓がんの仕事などいろんなことをやってきたのですけれども、いつもいろんな方が見えるのです。少しでも悪いだとか、がんになるとか。それで、「どうしてですか」と言ったら、「あら、NHK見なかったの」とか、「週刊誌の何々見なかったの」と。「私たちは学術論文しか読みません」というようなことを言っていたのですが、そのときも、私はそういう方に申し上げたのです。だって今ふぐあいな子が生まれるということは、広島、長崎のデータではなしとなっています。放射線ではないとなったのです。そういう事実がわかっているのに、少しの放射線でもふぐあいな人が生まれる、あるいはがんになる、そういうふうに言われますと、私はいいけれども、子供たち、孫たち、子孫たちは、将来すてきな方と出会って、そして心が1つになって結婚しようかというときに、お相手様から「あの子はいいけれども、おばあちゃんが」と、私のことですよ。長いこと放射性物質をいじってきた。「変な子が生まれても困るし、がんになって早く死なれても困るから、この御縁ないにしよう」なんて言われたら、日本国民として法律をきちんと守って仕事をしている私たち、放射線業務従事者に対して、「言われなき、それは差別にならないのですか」と言ったことがあります。そうしたら、弁護士さんだった方、はっと気がつかれたような顔をして、「失礼しました。自分が間違っていました」とおっしゃってくださったけれども、その場でそう言っても、違うところに行ったらやはり前と同じことをおっしゃっているのですね。そういう方たちもまた必要なのかもしれません。いろんな思いでそういうことをおっしゃっているのでしょうから、それはそれとして大切にしなければいけないのかもしれないけれども、うそはいけないと思うのです。基本的な人権の侵害で、私の友人のお嬢さんは、結局それで縁談が破談になりました。お嬢さんは3年間引きこもりで、精神的な障害を受けて、立ち直れないのではないかと思うくらいダメージが大きかったです。でも、どこにも持っていきようのない怒りなのですね、それは。言われなき、根拠なきの風評公害と言われるものかもしれません。そういうことで、正しく知って、正しく表現し、正しく怖がっていただかないと、私たちのような放射線をいじる者にとって、非常に平等性を欠いた、あるいは公平性を欠いたそういう情報が流布されるということは耐えがたいことだと思っています。
○工藤大輔委員 今回、海岸に住んでいて心配されている方も多いわけなのですけれども、例えば人間よりも一生の期間が短い海産物などは、例えば四、五年で出荷されてそこからまた新しい子供ができるということを繰り返しているわけなのですけれども、そういったものに対して将来にわたる影響というのも特にないわけですか。
○久保寺昭子講師 私は、海産物の食性についてはよくわかりませんが、しかし一般常識論から考えたときに、放射性物質がそこで出されても、それが拡散してきたときに生物がそればかり好んで、放射性物質ばかりを集めるという性質はないと思います。動かないでしょうから。そういう中で何かが濃縮されるというようなことは考えられないと思いますし、また、そういうことが起こってはいけないので周辺海域、かなり広範に海産物、魚、ウニからアワビからみんなとってはかって監視していくわけですね、放射能を。使い始める前10年間からずっとデータをとって、そして操業が開始してもずっと続けてそれをやっているわけです。それがやられている。これは、青森県だけと思っていらっしゃるかもしれませんが、フォールアウトと申しまして、核実験をいろんなところでやりますと、いろんな放射性物質が落ちてくるわけです。そういうものをチェックする意味もあって、文部科学省が日本の海域の至るところで、もちろん岩手県の海域でもはかっていらっしゃると思います。それから、岩手県も独自に何かおはかりになっていらっしゃるのではないでしょうか。
 (「はかっています。」と言う者あり。)
○久保寺昭子講師 はかっていらっしゃいますね。そういうところできちんとチェックをされていて、そういうそういうチェックがなされていれば、御心配要らないのではないかなと私は思いますけれども。これは文部科学省のデータなのですけれども、一部先生に差し上げますので文部科学省に聞いてください。それをはかったところに。
○工藤大輔委員 はい。
○高橋比奈子委員 ちょっと項目が多いので、恐れ入ります。安全だというのは、原子のいろいろな部分についてわかっている方は多いと思うのですが、事故とか改ざんとかがしょっちゅうあるではないですか。
○久保寺昭子講師 それは、私がお答えできる範疇のことではございません。
○高橋比奈子委員 なぜ事故が起こるのか、なぜ改ざんをするのかというところ。
○久保寺昭子講師 何が改ざんされたのですか。
○高橋比奈子委員 いろいろデータとか、この前もあったのですけれども、ちょっと漏れたとかそういうのは、大した問題ではないレベルだということで改ざんをして発表したりとか、おくれて発表したりということとか、そういうこともこの前こちらでもあったのです。
○飯澤匡委員長 改ざんというより、この間の六ケ所村のアクティブ試験でおくれて出たのです。三十何時間でしたか。
○高橋比奈子委員 そうです。そういうことがおくれて発表されたりとか、市民にちゃんとした情報を伝えてくれないというような。
○久保寺昭子講師 まず、私のように化学実験をやってきた者にとりましては、いろんなトラブルというのかな、試行錯誤をしながらやっていきますから、ふぐあいはしょっちゅうあるわけですね。そういうものの原因が何だったかというのはすぐにはわからないのです。一応調べてみて、これが原因だったのかなということで、それを次の実験にフィードバックして仕事をやっていきます。そのときには、すぐにという言葉が、ちょっと私は当事者ではないからわからないのですが、それは当事者にお聞きになってください。
○高橋比奈子委員 そうすると、原子力発電に関しては、今みたいにしょっちゅう事故があるということは完璧な・・・。
○久保寺昭子講師 事故なのか、あるいはふぐあいなのか。事故と故障の定義が非常にあいまいなのかもしれませんね。だから、事故の事件性を見て、何かわあっと報道されてしまったりすると大変な事故みたいに思われるけれども。
○高橋比奈子委員 隠さないで正直にちゃんと発表してくださればいいと思うのです。
○久保寺昭子講師 発表していないのですか。
○高橋比奈子委員 発表がいつもおくれたり。
○久保寺昭子講師 そのおくれたりというのは、私は向こうの弁護をしようとも、したいとも思いませんが、自分がやっているケースでいけば、すぐに何が原因でこういうトラブルになったというのはわからないことが多い。そうすると、一つ一つ解析していって、ここだというようなので、あとまた実験をやり直しをさせるとか何かやりますけれども。それはちょっと大きな工場だとわかりません。
○高橋比奈子委員 発展途上だというふうに受けとめさせていただきます。
 それから、再処理工場の今回の稼働に当たっては、海外のものを持ってきたりしている。日本のものではないものを結局いろいろ青森では受け入れ・・・。
○久保寺昭子講師 機械ですか。
○高橋比奈子委員 再処理のものですね。そういうその・・・。
○久保寺昭子講師 海外のものを持ってきているってどういうことですか。
○高橋比奈子委員 再処理するものを、日本のものだけではなくて、海外からも再処理するものを持ってきて・・・。
○久保寺昭子講師 海外に、ある程度、日本で技術がなくてやってもらっているものがあり、それが返ってきますね。そういうものですか。
○高橋比奈子委員 私も、中身ははっきりわかっていないのですが・・・。
○久保寺昭子講師 海外ってよその、例えばアメリカの発電所で燃したやつとか。
○高橋比奈子委員 はい。
○久保寺昭子講師 それはないと私は思いますが。
○高橋比奈子委員 そうですか。フランスとかイギリスとかの向こうのものが・・・。
○久保寺昭子講師 持っていくのは日本で出てきた使用済み核燃料で、今まで国内で処理ができなかったから、一応フランスやイギリスに頼んで、処理してもらったものがまた返ったというのは聞いたことはありますが、まさかよその国の分までやるというのはないのではないですか。
○高橋比奈子委員 それは必要ないですよね。
○久保寺昭子講師 必要ないし、絶対あり得ないと思います。それに、それは国際協定の中で許されていない。
○高橋比奈子委員 もし入ってくるものは、日本が持ち出してそれを・・・。
○久保寺昭子講師 日本のだと思いますが、それも事業者によくお確かめくださいませ。
○高橋比奈子委員 それは協定の中できちんと決められていると。
○久保寺昭子講師 そうだと思います。私の認識では、よその国で使った使用済み核燃料が日本に入ってくるということはあり得ないことだと思います。24時間監視しているわけですから、そんなことできないのではないですか。
○高橋比奈子委員 わかりました。
 それとあと、クリアランス制度と言われていたと思うのですが、原発を解体したときの大量の放射性廃棄物を産業廃棄物として処理していくと。
○久保寺昭子講師 ほとんど放射能がないもの、クリアランスレベルですね。自然界にある、それは法律でまだ決まったか決まらないか、そんな程度ではないですか。そのかわりそれは日本の国は緩い方には絶対に法律は変わらない。これだけ規制緩和と言いながら、放射線に関するものだけはどんどん厳しくなっていく。だから、よその国、ほかの国では、いっぱいクリアランスレベルで処理されているものがあっても、日本ではなかなかできない。
○高橋比奈子委員 この制度として、日本がきちんと原子力委員会で出してきたもの、危険なものに関してはちゃんとした処理をしようということになって、それ以外は確実にクリアランスだというものしか出てこない。
○久保寺昭子講師 そういうことだと思います。むしろ医療用の放射性物質の方がアクティビティーが高くても、危ないとは言わない人が多い。危なくはないけれども、でも、きちんと処理されていますから、皆さんへの影響は御心配要らない。その場で働いている者もいるのです。
○高橋比奈子委員 あと、個人的に、うちの息子が何回も骨を折ってレントゲンばかり撮られていたのですけれども、1回レントゲンを浴びると1年命が縮むというような情報がいっぱいあって。
○久保寺昭子講師 そんなことはございません。
○高橋比奈子委員 レントゲンは何回浴びても大丈夫ですか。さっきの7,000ミリシーベルトの・・・。
○久保寺昭子講師 それは累積ではないのです。こういう例だとわかるかな。竹が人、雪が放射線からもらうエネルギー量だとして、竹に雪が積もって竹がしなっても、雪が消えるとまたもとの姿に戻ります。次にどさっときても、この回復力があるうちには構わないです。ただし、塊でどんときたら竹は折れてしまいます。そういうことで、一度にくる量が問題です。ですから、それは診療過誤と申しまして、医療法の中に入ってきますが、お医者様は、必要がないとそんなにしょっちゅうはできないのです。だから、そんなに頻繁にやられていないはずです。きのう撮って、きょう撮ってなんて、そんなことは普通はやられていないはずです。
○高橋比奈子委員 病院を3カ所も回されると、3カ所で撮られるので。
○久保寺昭子講師 前のところで撮ったフィルムは持っていかないのですか。
○高橋比奈子委員 くれないのです。
○久保寺昭子講師 くれないのはおかしい。フィルムは患者さんのものです。判こを持っていって、「ください」と言って、もらえばいいのです。そして、それを持っていけばいい。3カ所回すというのは御自分の意思ですか。
○高橋比奈子委員 最初に近くの病院に行って救急に回されて、救急から「救急は救急なので、あとは普通のところに行ってください」と。10月と3月に毎日浴びたのです。
○久保寺昭子講師 でも、3日くらいでしょ。
○高橋比奈子委員 3日ずつ、毎日。
○久保寺昭子講師 心配ありませんよ、それは。
○高橋比奈子委員 ありがとうございます。
○佐々木一榮委員 1点だけお聞きしたいのですけれども、最後にプライベートな部分もお話しいただきましたけれども、青森県原子力政策懇話会の委員、青森県放射線に関する正しい知識普及・啓発に係る顧問と、青森県に大分関係されてきたと思うのです。私も勉強不足で、きょうお話を伺って大分理解は深まったつもりでおりますけれども、これだけ国の原子力行政を進める中で、国民ですとか、県民理解、これは施設の近くだとか、県だとかというレベルではなくて、どうも国全体としての方針なり、安全性も含めて、はっきりと示されないというか、もっと広報をしっかりやればいいなと思うのです。今、工藤委員がもらったこの資料もですね、国でつくったものですが、私も初めて見たのですけれども、これをぜひ今度、我々も国から取り寄せようと思っていますが、そういう意味で一般の方々はなかなか認識がない。先ほどのお話の中で、「NHK見ました」というお話でしたけれども、NHKというのは公共放送でありますから、よく政治的な部分で番組審議会なんて問題になることありますが、こういうことこそやっぱり特にNHKみたいなところはきっちりやるべきではないかと。ちゃんと予算も国会で審議しているわけですから。
○久保寺昭子講師 税金を払っているのですから、私たちは。
○佐々木一榮委員 何かそういった意味では国策と、公共放送ですからね。
○久保寺昭子講師 ところが、縦割り行政っていうのは、もう嫌なくらい御存じだと思います。私も原子力委員会の委員会にしばらくいましたし、それから中央薬事審議会の方が長かったのですが、薬品を世の中に出すための中央薬事審議会に11年ぐらいいました。やっぱり筋論でいかないのですね、縄張りが強くて。だから、それは皆様方の方がよく身をもって体験していらっしゃるのですから。私、今おっしゃったことをもう40年ぐらい実行してきたのです。今はボランティアでやっているのです。年金生活者ですから、自分の年金で許される範囲で、勉強したいという御婦人の団体に会費を自分で払って入れてもらって、一緒に1カ月に1遍勉強する会をやったりして、そして貯金して積み立てて見学会に行ったりというのをやっているのです。そういう輪が広がればいいのですけれど、お役所がやる仕事は、何百万円という予算をつけて、放射線の話なんか聞きにくる人がいないから、前座に落語家を呼ぼうとか、芸人を呼ぼうとかってやって、何千人かを集めて大ホールでやるのですが、そんなことではうまく行くわけがないと資源エネルギー庁にも言っているのです。今はちょっと襟を正し始めてはいますが、おっしゃったことを、本当に何回それを行政の方に言っているかわかりません。
 ただ、もう1つ問題があります。理解してくださる方たちの方にも問題があります。遠くなればなるほど自分の身に関係がないわけです。そうすると、どんなにおいしいごちそうがあるところに連れて行って、さあ、どうぞと言っても、本人に食べる気がないと何にもならない、そういうのがあります。両方との兼ね合いでエネルギー問題というのは、これも私個人の考えなのですけれども、資源がございませんから、日本の国全体でみんなが考えなければいけないことだと思います。そうすると、そのサイクルということが、いわば国産のエネルギー資源を生み出そうという1つの方策ではないかと思います。それは、青森県1県の問題ではないのだと思います。六ケ所村だけの問題ではないと思います。日本の人がみんなで考える。そして、協力し、監視し、厳しく意見を言って、そしてやっていかなければいけないことだと思っています。
 だから、そういう意味では、先生方はお若いから御存じないけれども、昔私たちは尋常小学校というところに入ったのですが、そのころの国語の教科書だったと思うのですけれども、こんな話があったのです。あるとき、目と手と口が3人で相談していました、1人の人間のですよ。「おれたちはおいしそうな食べ物を探しては、取り入れているけれども、みんな胃袋がそれをとってしまう。何も働かないのにいつも胃袋が取り上げるのだったら、僕たち働くのをやめようよ」とストライキをしたらしいのです。そうしたらどうなったか。そのうちに食べ物が全然入ってこなくなって、目もかすんで見えなくなって、手も動かなくなって、口もきけなくなって、やっぱり自分たちがやっていることは体全体の役に立って、自分たちのことにもなっているのだということに気づいたという話が尋常小学校のときにあったのです。そういう話を今何となく、昔こんな話を聞いたなというのを思い出しました。エネルギー問題はそういう問題なのかなとも思うことがございます。
○佐々木一榮委員 1点、最後ですが、そういった意味で、先生は青森県に関係されて、確かに青森県だけの問題ではないと思うのです。ただ、実際に青森県に関係されて、県民なり、その地域の方々、原子力行政に対する考え方というのは、先生が初めて青森県に入ってから今まで通して大分意識というか知識も含めて、変わったと思われますか。
○久保寺昭子講師 変わりましたね。特に六ケ所村の人たちがアグレッシブです。自分たちが今後共生していかなければならない企業を理解し、その上で言うべきことはきちんと言う。それから、容認できることは容認していくと、そういう中で、大変勉強をしていらっしゃるので、私なんかたじたじになったこともあるのです。ただ、個人的に青森県内のいろんなところを回らせていただいて、婦人会の方たちとお友達なものですからお話をしに伺っておりますが、やっぱり温度差があるのは事実です。「原子力なんて私たち関係ないから」とはっきりおっしゃる方もいらっしゃいます。日常生活に関係はありませんと。でも、電気を使っていらっしゃるのだったら、少しぐらい興味を持っていただいてもいいのではないかなと思うこともありますけれども、でもそれは日常生活の中でどこに具体的に絡んでくるかということはわかりませんから、自然に自然にいろんなところから身についていくことになるのでしょうか。
 それと、もう1つ文部科学省に厳しく申し入れたことがあります。10年以上前に、文部科学省で使っている小学校と中学校の教科書を、全部、グループで調査しました。全く正確さを欠いた表現を、原子力は危険であると書いてあるものすらありました。社会科の教科書に特に多かったですね。そういうような表現を、何という出版社の何ページの何行目というように全部を書き出して文部科学省に提出したのです。そうしたら文部科学省でも、これはまずいですねということにはなったのですが、初等中等教育局で。教科書問題、全然違うのですね。まるっきりお役人が入ることもできない伏魔殿だとそのときおっしゃいました。その教科書審議会の方に言ったのですが、何かあやふやになって。でも、最近はすごくそういう努力を何回も学会等からもやって、重ねていって、少しよくなってきたかな。ただし、小学校で原子力の講義をしろとは言いません。でも、エネルギーというものについての理解は、小さいときからきちんと教えることではないかな。ヨーロッパにしてもアメリカにしても、小学生からかなり進んでいるのですね、そういう教育は。だから、事あるごとに危ない危ない、危険だ危険だと言うのではなくて、正しいことを教えていける、そういうチャンスをとらえてやってもらいたいなというふうに思います。
○高橋博之委員 長時間にわたってお疲れのところ恐縮なのですけれども、にわか勉強なのでわからないことがあったものですから、ぜひ教えていただきたいと思います。
 再処理工場から大気中へ放出するクリプトン85についてお伺いいたします。この物質は、希釈されることがなく、例えば高さ150メートル、時速70キロで大気中に放出されたとしても、結局大気中に蓄積されることになるのではないかなと、素人的に。
○久保寺昭子講師 拡散はされますよ、大気中に。だから、濃度はずっと薄まってしまいますね。果てしなく拡散しますから。
○高橋博之委員 蓄積ということにはならないのですか。
○久保寺昭子講師 蓄積ではないです。実は私、クリプトン85を動物実験に使ったことがあります。放射性医薬品核種なのです。どういうことに使ったかといいますと、全く何とも化学反応をしないのですね、このクリプトンというのは。だから、吸わせるのです、患者さんに。1遍に吸わせて、そして放射能を、はく息を回収してはかるのです。肺機能の一部とか、肺活量等がわかります。また、血液に移行したもの、血中に注射した場合には、循環量とか、心臓が1回の収縮で何ccの血液が動脈へ送り出されるかなどを調べることができる放射性医薬品核種で、特殊な病気の診断にも使われるのです。ただし、クリプトン85よりも今はキセノン133という方が安いものですから、病院ではそちらの方を使っていますが、全く同様に使える放射線医薬品核種です。煙突から出たらそこに塊でぼんとあると思っていらっしゃるのですか、どこにも行かないで。それは違います。
○高橋博之委員 クリプトン85自体は、先生のおっしゃるとおりなのかもしれないのですが、このクリプトン85から出るベータ線、これが皮膚被爆を起こす可能性があると。チェルノブイリの原発の被爆問題のときにも、血液中で染色体異常を来す恐れがあると指摘をされたとある新聞記事に書いておったのですけれども、実際のところはどうなのかなと思いまして。
○久保寺昭子講師 私、それがどういう経緯でそういうふうな言葉として出てきたかが、背景をよく考えないとわかりません。でも、ちょっと考えにくいことなのですが、クリプトンをその方はどうなさったのでしょうね。大気中に拡散したものを吸われたにしても、肺循環で出ていってしまうのですよ、呼気から。そうしたら、もし体に吸気から入ったとしても1肺循環で全部呼気になります。どこにも残りません。それをお書きになった方はどなたですか。
○高橋博之委員 そうなると、先生、例えば東海村の再処理工場で大気中に放出されたクリプトン85の捕獲技術が開発されて、その回収作業が一部なされたということをお聞きしましたけれども。
○久保寺昭子講師 お金がかかるのですけれども、法律で決められている基準がありますね。それ以下であるならば、捕捉するお金をそこで使う必要がないのです。人体に与える影響はないわけですから。
○高橋博之委員 人体に与える影響がないのであれば、普通の東海村でこのような。
○久保寺昭子講師 東海村は、研究施設ですから、いろんなことをやりました。だから、捕捉する技術の開発もされました。一応はチャコールのようなものに吸着するのですけれども、膨大なお金がかかりますし、そういうものをまたどうするかということもあります。大気拡散のような、安全性について問題がないというふうに審議会の中で、原子力安全委員会がお決めになって、原子力安全・保安院がそれでオーケーだとおっしゃったことだと思います。
○高橋博之委員 では、いずれにしても入って出ていくものだから問題はないのですね。
○久保寺昭子講師 ないですし、書いた方とお話をしてみたい。何を根拠にそういうふうにされたか。ウインズケールの事故の後、あそこの風下の牧草を乳牛が食べて、そしてその乳牛のお乳から放射性物質が出てきて、それを飲んだ子供に白血病が出たという風評、事実はない、因果関係はないというのが明確にされました。そういうことから科学技術庁で、体の中に一遍入ったストロンチウム90、セシウム137、ヨード131、こういうものをもし万一取り込んだときにどうすれば体の外に早く出せるかという研究をやらせていただいた。そして、学位論文にまとめたのです。だからウインズケールにも行きましたし、私なりに事後調査もしましたし、白血病の人がいるという風評は聞いたことはあるけれども、実際に「あの子だと思うけれども、あの子元気よね」なんて言うので行き会えなかったのですが、イギリスもフランスも学術的に最近、去年ですかね、どちらの結果も因果関係はないことが明確にされました。ちょっとその方、何を根拠でそういうのを書かれたか、クリプトンの性質を御存じなのか伺ってみたい、逆に、研究者として。
○高橋博之委員 新聞社のこういう記事を書く方は専門家ではないのですね。勉強になりました。ありがとうございました。
○久保寺昭子講師 新聞社の方っていうのは、さっき言ったように報道は迅速、正確、公平でなければならない。この公平さにおいて、それから正確であるということについて原子力報道は、私は必ずしも公器と言えるような報道をしているかどうかということに疑問を持っています。これは明確に私の意見として申し上げます。
○飯澤匡委員長 ほかにございませんか。
 (「なし。」と呼ぶ者あり。)
○飯澤匡委員長 それではないようですので、これにて放射線に関する知識についての調査はこれをもって終了いたします。久保寺先生、本日はお忙しいところありがとうございました。
○久保寺昭子講師 十分な御説明もできなくて。急性アルコール中毒死というのがありますね、一気飲みで。中枢神経死なのですが、それと同じ症状で人を殺そうと思ったら、放射線だと一変に100万ミリシーベルト当てないと起きません。100万倍。でも、お酒を一気飲みして死ぬ人は年に何人もいます。でも、放射線100万ミリシーベルトで中枢神経死をした人というのは、学術的に、論文上でも私はまだ見たことがないのです。
○高橋比奈子委員 さっきの論文で、クリプトンとか、セシウムとか、体に入った場合に出す方法を発表されたと聞きましたけれども、どうやって出すのですか。
○久保寺昭子講師 では、私の学位論文のまとめたものをお送りしますか。
○高橋比奈子委員 どういうふうにしたら自分も健康になるのかなと。
○久保寺昭子講師 そんなことをする必要はないです。入るわけないのだから。緊急時の対策なのです。そんな拡大解釈するようなことはむしろおかしい。骨って私たちの柱でしょう。だけれども、カルシウムの貯蔵庫なのです。カルシウムとストロンチウムというのは、生態は区別できないのです、入っていっても。そうすると、骨にカルシウムと間違ってストロンチウム90も入ってきます。だから、3段階に分けて、飲んですぐだったらイオン交換でカルシウム、ストロンチウムとアビリティーの強いそういうものを食べさせる、無理に。そうするとふん便に出てしまう。腸管から吸収されて血液に移行して、まだ骨に行っていない時間帯だったら、キレート剤と言われる、そういうものを大量に点滴で打つ。そして、一過性にカルシウムも減ってしまうのです。でも、カルシウムとストロンチウムと一緒に腎臓から出す。骨に沈着してしまっていたら、一遍骨を溶かさなければいけない。だから、カルシウムを減らして、そして燐の高い食事、高燐低カルシウム。そして、骨を溶かし出してきたところで、キレート剤を使って出す。それだけ生化学的な攪乱をするようなことをしなければいけない患者さんは今までだれもいませんから、先生、おやりになりたいとおっしゃってもできない。
 ヨードというのは、皆さん怖がっている人が多いのですけれども、放射性ヨードで甲状腺がんで、あと半年と言われたお嬢さんががんが治り、その後結婚して元気にお子さんも産んで暮らしているという事実もあるのです。きょう論文は持ってきていませんけれども、医学系の論文雑誌にちゃんと出ています。ある6大都市なのですが、短大に入るのが18歳ですか、そのお嬢さんががんと診断され、いろいろ病院に行ったけれども、どこが原発、最初の発生部位なのかわからない。リンパに転移をしていた。「若いし、転移が早いから半年ですね」と言われたのです。それで、御両親がしにせのお店を休業してたたんで、お嬢さんを連れて東京に出てきて、築地のがんセンターにいらした。そこで部長をやっていらした先生が診たときに「もしかしたらこれは甲状腺がんの転移かもしれない。だったら治せますよ」と言った途端に、幽霊みたいにやせて、ご飯ものどを通らなくなった。それから、入院して放射性のヨードを飲ませる治療が始まりました。甲状腺にしかヨードはいかないのです。それで、蓄積すると言われていますが、1ミリグラム当たり5ガンマぐらいが飽和値なのですね。それ以上のヨードはみんな尿中に出てしまうのです、それで、放射性ヨードを甲状腺がんに集め、甲状腺がんの転移だとわかったのです。それから大量内服でがんは消えたのです。1年ちょっとで退院されてから、先生は「放射線でふぐあいな子が生まれるということを自分は信じないけれども、もし将来君が結婚して股関節脱臼とかそういうお子さんが生まれたとき、それみろ、放射線治療をやったからだと言われたときに、それは違いますと言える科学的根拠がないから、だから結婚だけはあきらめなさいね」と帰したのです。そして、大学に復学して卒業して、しばらくしたら折り鶴のついた結婚式の招待状が来て、「彼はすべて知っています。だから、2人でちゃんと理解してやっていきます」ということで、結婚式に行かれて、お嫁さんの写真も見せてもらったけれども、きれいな方で。そうしたら、それから1年ちょっとしてから、「困っちゃったよ、先生」と言われて、「どうしたんですか」と言ったら、「見てこれ」って「いいんですか」と言ったら、10枚ぐらいの手紙に「子供ができました。もう8カ月です。どんな子が生まれても自分で責任をもってともに生きていきます」と書いてありました。それから3人お子さんを産みました。何も問題がない。
 神経質になる方がストレスでがんになりますから。それが一番怖いのです。がんになりますから、ストレスをためない方がよろしいですよ。
 ありがとうございました。何か余計な話ばかり、ついつい皆さんが乗ってきてくださるから、私も図に乗ってしまってごめんなさい。
○高橋比奈子委員 ぜひこの資料を参考にして、また次回何かあったら教えてください。
○久保寺昭子講師 余りこんなのを読んでいる暇はないので。学術的なものは、たくさん目を通します。
 では、皆様、人間は100歳までは自分の頭で考えて動ける軀体をお持ちなのです。ちゃんとメンテナンスをうまくして、100歳まで頑張ってください。
○飯澤匡委員長 ありがとうございました。
 次に、保健福祉部関係の請願陳情について審査を行います。受理番号第72号学童保育(放課後児童クラブ)の施策拡充に関する請願を議題といたします。その後、当局から何か説明はありませんか。
○川上児童家庭課総括課長 前回御説明申し上げた時点と状況などに変化がありませんので、追加で御説明を申し上げる事項はございません。
○飯澤匡委員長 本請願に対し、質疑、意見はありませんか。
 (「なし。」と呼ぶ者あり。)
○飯澤匡委員長 ほかになければ、本請願の取り扱いを決めたいと思います。取り扱いはいかがいたしますか。
○木戸口英司委員 前回の委員会からこういう請願がきて、いろいろ国の情勢も見ながらということ、また県内の状況ももう少し把握しながらということで、継続をしてきたわけでありますが、もう少し検討が必要ではないかということを考えておりますので、また継続ということでお願いをしたいと思います。
○飯澤匡委員長 ただいま継続審査という御意見がありましたが、ほかにございませんか。
 (「なし。」と呼ぶ者あり。)
○飯澤匡委員長 それでは、本請願は継続審査ということに決定をいたしてよろしいでしょうか。
 (「異議なし。」と呼ぶ者あり。)
○飯澤匡委員長 それでは、本請願は継続審査ということに決定をさせていただきます。
 その他、この際、何かありませんか。
 (「なし。」と呼ぶ者あり。)
○飯澤匡委員長 なければ、以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。

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