第127回 北海道・東北六県議会議長会議 議決議案一覧
(議決された議案内容をご覧いただけます。)


議案番号 議案名
第1号議案 真の地方分権の実現に向けた地方税財政改革の推進等について
第2号議案 北方領土の早期返還について
第3号議案 少子・子育て対策の推進について
第4号議案 地域医療を担う医師の確保について
第5号議案 地域雇用対策の拡充について
第6号議案 高齢者・障害者施策の推進について
第7号議案 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会及びラグビーワールドカップ2019日本大会における北海道・東北地域への開催効果の波及について
第8号議案 国際リニアコライダーの実現について
第9号議案 工業振興の推進について
第10号議案 中小企業の事業承継に係る税制の抜本的な見直しについて
第11号議案 新幹線鉄道の建設促進等について
第12号議案 並行在来線への支援措置について
第13号議案 高速自動車国道をはじめとする道路の整備促進と財源の確保について
第14号議案 交通網の整備促進について
第15号議案 食料・農業・農村政策の確立について
第16号議案 水産業の振興について
第17号議案 新しい森林・林業・木材産業政策の展開について
第18号議案 食の安全・安心を確保する制度の拡充・強化について
第19号議案 環境への負荷の少ない循環型社会の構築について
第20号議案 エネルギー政策について
第21号議案 海岸漂着物等対策の推進について
第22号議案 野生鳥獣被害対策の推進について
第23号議案 東日本大震災関連対策等の推進について
第24号議案 東京電力福島第一原子力発電所事故対策について
第25号議案 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う風評の払拭について




第1号議案 

 真の地方分権の実現に向けた地方税財政改革の推進等について

 真の地方分権を実現するためには、地方分権改革を我が国の必須の基本政策として位置付け、今後とも、確実に推進していく必要がある。
 また、地方分権改革により地方公共団体の担う役割と責任は一層増大することから、真の「地方政府」の実現を目指し、地方公共団体が地域の実情に即し自主的・自立的な行財政運営を行うためには、税制の抜本的改革などを通じた地方税財源の充実強化が不可欠である。
 さらに、東日本大震災により、製造業では多くの工場が被災し、農林水産業では農地や漁港が広範囲にわたり甚大な被害を受けたため、地方経済全体に深刻な影響が及んでおり、危機的な状況にある地方財政は歳入不足が更に進み、福祉・医療などを中心に住民生活への多大なる影響が懸念されている。
 一刻も早く住民生活の安定を図るためには、住民に身近な行政サービスを担う地方公共団体の安定した行財政基盤を確立させることが急務である。
 よって、更なる地方分権改革の推進と地方税財源の充実強化を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 「国と地方の協議の場」の活用を図りながら、国と地方の役割分担の徹底した見直しを行い、国から地方へ事務・権限を移譲するとともに、福祉施設の「従うべき基準」をはじめとする法令による義務付け・枠付けの更なる見直しなど、地方の実情や意向を十分に踏まえた改革を着実に推進すること。
 なお、国から地方への事務・権限の移譲に当たっては、事務執行に要する経費を賄うことが十分可能となるよう、一般財源ベースでの適切な財源移転を一体的に行うとともに、人員等の課題については、地方の自主性・主体性を最大限尊重の上、対応すること。
2 税制の抜本的改革においては、地方が担っている役割と責任に見合うよう、国と地方の税源配分について、まずは5:5を目指して地方税源の充実強化を図ること。その際には、地方消費税の充実など、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系を構築すること。
 なお、法人事業税における電気供給業、ガス供給業などに対する収入金額課税制度については、長年にわたり外形課税として定着しており、地方税収の安定化に大きく貢献していることから、現行制度を堅持すること。
3 地方公共団体が中期的な視点に立って安定的に財政運営を行うことができるよう、地方財政計画の決定過程の透明化や予見可能性の向上を図るとともに、当該計画の策定に当たっては、税収を的確に見込みつつ、歳出においても社会保障関係経費のみならず、投資単独事業等の地方の財政需要を適切に反映させ、歳出特別枠については、地域の疲弊が深刻化する中、雇用対策、地域経済の活性化等の観点から措置されたものであることや、別枠加算については、地方の巨額の財源不足に対応するために設けられたことを踏まえ、単に国の歳出削減の目的で一方的に地方交付税を減額することは行うべきではないこと。
 また、地方交付税の財源調整機能、財源保障機能を充実強化するため、原資となっている国税5税の法定率を引き上げ、総額を増額すること。
4 直轄事業負担金は、社会資本整備に係る国と地方の役割分担の見直しと併せ、制度の廃止を含め、引き続き改革に向けた取組を確実に進めること。
 なお、その際には、社会資本整備が遅れている地方に影響が生じないよう地域の実情を考慮し、地域間格差の拡大に繋がることがないように配慮すること。
5 国をはるかに上回る地方の行財政改革の努力を適切に評価することなく、本来、地方において自主的に決定すべき地方公務員の給与について、引下げ要請を行ったこと、また、地方公務員給与費に係る地方交付税を一方的に削減した措置は、地方自治の根幹に関わる問題であり、今後こうしたことは絶対に行わないこと。
 その上で、公務員の総人件費や給与適正化のあり方については、国・地方を通じた中長期的な行財政改革の中で考えるべきであり、ラスパイレス指数による比較だけではなく、手当を含む給与水準の総合的な比較方法のあり方も含め、今後「国と地方の協議の場」等において十分協議を行うこと。

 

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第2号議案 

 北方領土の早期返還について

 我が国固有の領土である歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島の北方領土の返還実現は、国民の長年の悲願であるが、戦後69年を経た今もなお、進展がないことは、誠に残念である。
 北方領土の一日も早い返還を実現するため、より一層強力な外交交渉を行うとともに、必要な支援を講ずるよう強く要望する。
1 北方領土教育など青少年対策の充実強化と国民世論の高揚に向けた啓発事業を推進すること。
2 北方領土隣接地域安定振興対策事業としての公共事業等の優先採択などによる北方領土隣接地域の振興対策を促進すること。
3 四島交流事業、北方墓参事業及び自由訪問事業の支援強化及び円滑な実施を図ること。


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第3号議案 

 少子・子育て対策の推進について

 近年の出生率の低下などに見られる少子化の進行は、社会の活力の低下や社会保障制度への影響など、経済や社会の広範な分野にわたり深刻な影響を与え、我が国の将来にとって極めて憂慮すべき問題である。
 よって、政府においては、安心して子どもを生み育てることができる環境づくりに向けて、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 子ども・子育て支援新制度の確実な実施
 子ども・子育て支援新制度の実施に向けて、地方と十分な協議を行うとともに、確実に財源を確保すること。
2 子育てと仕事の両立支援策の推進
(1)中小企業等が行う事業所内保育施設及び病院内保育施設に対する財政措置を充実すること。
(2)放課後子どもプラン関連事業の充実・強化を図るとともに、当該事業に対する財政支援を拡充すること。
3 子育てのための経済的負担の軽減
(1)医療保険制度における未就学児等の医療費の一部負担金について、更なる軽減を図ること。
(2)国の奨学金制度における貸与人員の増加を図るとともに、高校奨学金における都道府県への交付金を増額すること。
(3)奨学のための給付金について、事務費も含め全額国庫負担金とするとともに、第1子の給付額を引き上げ、第2子以降の給付額と同額とするよう、国庫補助制度の改正をすること。
4 地方単独事業への支援
 地方公共団体が行う保育料の減免や、教育費の負担軽減策などに対する助成を行うこと。
5 児童虐待防止対策の充実
 地方公共団体が行う児童虐待防止施策及び児童相談所等の体制充実などに対する財政措置を拡充すること。
6 若者の経済的自立の促進
 若者の経済的自立を促進するための労働環境の整備や就労支援促進施策を充実すること。


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第4号議案 

 地域医療を担う医師の確保について

 北海道・東北地域において、医療に関する最大の課題は、地域医療を担う医師の確保である。
 当地域では医師確保に向け鋭意取り組んでいるものの、このままでは地域医療の確保・継続が危ぶまれているところであり、医師の絶対数の確保はもとより、へき地や、特に不足している産科、小児科、麻酔科などの特定診療科の医師の確保について、効果的な対策の充実強化が望まれるところである。
 ついては、地域医療を確保するため、より実効性のある具体的な対策に早急に取り組むよう、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 医師の絶対数の不足と地域偏在を解消するため、大学医学部定員増の恒久化を図るとともに、地域別、診療科別の真に必要な医師数を把握するための基になる標準的な必要医師数試算のためのモデル等の提示や、医師臨床研修における研修医の地域への適正配置を促進するための具体的な施策の推進を図ること。
2 へき地及び特定診療科等における医師を確保するため、臨床研修終了後の一定期間、へき地等での診療を義務化するなど、実効性のある対策を推進すること。
3 これまでの診療報酬改定で、小児救急医療の充実等特定診療科の偏在解消に配慮した措置がなされたが、医師の偏在解消に向けて更なる対策を講ずること。
4 医師不足の深刻な地域の中小規模病院において、専門医との連携の下、患者の全身状態を踏まえ総合的な診断を行うことのできる総合診療医が地域で育成され、地域に定着する仕組みの構築について必要な措置を講ずること。


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第5号議案 

 地域雇用対策の拡充について

 北海道・東北地域を取り巻く雇用情勢は、着実に改善しているものの、全国に比べ厳しい状況にある地域も多く、国際経済情勢や電力供給の制約等からいまだ先行きは不透明な状況にある。
 北海道・東北地域は積雪寒冷という厳しい気象条件のもと、冬期間の産業活動に著しい制約を受け、季節労働者のほとんどは冬期間の離職を余儀なくされている状況にあり、その雇用と生活の安定を図ることは、極めて重要な課題となっている。
 さらに、東日本大震災により、長期にわたり経済・雇用面に甚大な影響を及ぼすことが懸念される。
 地域においては労働力人口の減少が急激に進んでおり、地域の活力を維持しつつ、産業の振興を図るための労働力の確保、労働者の資質向上が急務となっており、国においても、我が国の今後の持続的な成長・発展を目指すため、若者と女性の活躍を積極的に推進することで、日本を再び成長軌道に乗せるための原動力としていくことが重要としている。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 地域の産業ニーズに応じた人材育成や地域経済の成長力の底上げと好循環の実現を図るため実施する地域人づくり事業の平成27年度以降の継続実施と拡充を行い、それに伴う追加交付を行うこと。
2 起業・創業環境の整備、建設業をはじめとした中小企業の新分野進出等へ支援の充実を図ること。
3 若年者を取り巻く雇用情勢は依然厳しい状況にあることから、新規学卒者をはじめ若年者の雇用促進のための施策を充実・強化すること。
4 非正規労働者の働き方に見合った均衡処遇の確保や正社員化の促進等、雇用の維持・安定を図るため、支援制度の更なる拡充を行うこと。
5 積雪寒冷地特有の課題である季節労働者対策を進めるため、季節労働者の通年雇用化を促進する施策の充実・強化を図るとともに、公共工事の平準化等による冬期雇用の拡大を図ること。
6 国から地元市等が譲り受けた地域職業訓練センター及び情報処理技能者養成施設の機能が維持されるよう、激変緩和措置期間(平成23年度から平成25年度)が終了した平成26年度においても改修工事、情報処理技能者養成施設のコンピュータリース料等に対して支援を行うこととされたが、平成27年度以降においても引き続き支援を行うこと。


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第6号議案 

 高齢者・障害者施策の推進について

 介護サービスを担う人材については、給与が低い水準にとどまっていることなどから、離職率が高く、介護に携わる職員の確保が困難となっており、今後ますます需要の拡大が見込まれる介護サービスの供給を推進するに当たり、大きな課題となっている。
 また、障害者施策については、平成24年6月に障害者自立支援法の改正法(地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律)が成立し、平成26年4月1日には全て施行されたが、その他の施策についても適切な措置を講ずることが必要である。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 介護人材の確保
 介護サービスを担う人材を確保するため、引き続き総合的な介護報酬の引上げ等の恒久的な措置を講ずるとともに、保険料の引上げや地方の負担増とならない制度とすること。
2 障害者施策の推進
(1)地域生活支援事業については、障害者の自立した地域生活を支援するために必要不可欠な事業が確実に実施できるよう、十分な財政措置を講ずること。
(2)障害福祉サービス等提供事業者の報酬及び配置基準については、実態をよく把握した上で、必要に応じて所要の改善を図ること。


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第7号議案 

 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会及びラグビーワールドカップ2019日本大会における北海道・東北地域への開催効果の波及について

 平成25年9月7日に開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会において、2020年大会の開催都市に東京が選出され、56年ぶりに東京でオリンピック競技大会とパラリンピック競技大会が併せて開催されることとなった。また、2019年ラグビーワールドカップの日本開催も決定しており、現在、試合開催会場の選考作業等が進められている。
 これら世界規模のスポーツイベントが我が国で開催されることは、国民に感動や勇気、活力を与えるだけでなく、日本が東日本大震災から立ち直った姿と世界から寄せられた支援に対する感謝の気持ちを示すとともに、社会や経済を活性化する大きな契機となるものである。
 北海道・東北地域においては、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、今なお、多数の方々が避難生活を余儀なくされており、また、発生から3年が経過した今も原発事故による深刻な風評被害に苦しんでいる。
 このような中で、ひとめぼれスタジアム宮城(宮城スタジアム)や札幌ドーム等においてオリンピックのサッカー競技などが開催されることは、被災地や被災者に元気を与え、復旧・復興に大きな弾みがつくものである。
 また、これらの競技大会の開催は、スポーツの振興や青少年の健全育成のみならず、世界各国から訪れる観光客の誘客、食や観光などの豊富な資源の発信、競技練習会場の誘致などを通じ、国際交流や経済交流の進展等が期待されるとともに、原発事故による風評被害を払拭できる絶好の機会であり、北海道・東北地域の更なる活性化・振興に大きく寄与するものと考えられる。
 ついては、「東日本大震災からの復興の加速と世界への感謝」を掲げる2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会及びラグビーワールドカップ2019日本大会の開催による、スポーツの振興、地域活力の向上、国際交流の促進等の様々な効果を被災3県はもとより北海道・東北地域全体に波及させていくため、次の事項について、地域の主体的な取組を基本としつつ、政府の強力な支援のもと、積極的に推進されるよう強く要望する。
1 選手団の事前合宿について、北海道・東北地域への優先的な誘致が実現するよう積極的な支援を図ること。
2 ひとめぼれスタジアム宮城(宮城スタジアム)及び札幌ドーム等でのサッカー競技などにおいては、集客力や世界への発信力を期待し得る試合を開催すること。
3 オリンピック・パラリンピック競技大会等は、北海道・東北地域が有する食・観光などの豊富な資源を発信し、原発事故による風評被害を払拭できる好機であることから、大会組織運営においては、選手村への食材提供など様々な面で北海道・東北地域が参入しやすいオープンな仕組みをつくること。


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第8号議案 

 国際リニアコライダーの実現について

 国際リニアコライダー(ILC)は、素粒子や宇宙の研究に飛躍的発展をもたらすだけでなく、超伝導技術をはじめとする多くの先端技術の開発と実用化を促進し、更に多くの外国人研究者が参画する国際学術研究都市の形成にもつながる国際プロジェクトである。
 ILCの建設地は日本が最有力とされており、研究者で構成されているILC立地評価会議は、岩手県と宮城県にまたがる南部北上山地を最適の建設候補地とした。
 ILCが実現した場合、世界最先端の研究を行う多くの人材が集まる国際学術研究都市が形成され、精密実験を支える先端技術も集積するなど、高度な技術力に基づくものづくり産業を更に成長発展させ、震災からの本格的な復興、さらには日本再生に大きく寄与するものとなる。
 ILCの実現に向けて、東北地方の産学官民が一体となった体制を構築し、ILCの受入態勢の構築に万全を期すとともに、ILCの実現について国民的理解を頂くための取組等を強力に行っていかなければならない。
 よって、次の事項が実現するよう強く要望する。
1 国において、ILC日本誘致の方針を早期に決定すること。
2 資金の分担や研究参加に関する国際調整等を速やかに進めること。
3 我が国が主導する国際プロジェクトとして進めるための国内体制を整えること。


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第9号議案 

 工業振興の推進について

 北海道・東北地域における工業振興は、国土の均衡ある発展を図る上で、極めて重要な課題であり、また、今後、高い成長が見込まれる産業分野として低炭素型産業が世界的に注目されている。
 このような中、地域資源などを活用した産業の育成及び人材育成を図りながら、本地域への企業の誘導、新事業の創出など、新しい工業発展の拠点及び集積形成を積極的に推進するための施策を強化する必要がある。
 よって、政府においては、次の事項についてその実現を期すよう強く要望する。
1 これまで各地域で形成されてきた産業・研究集積を最大限に活用すること等により、地域における新事業の創出等を促進するため、総合的な支援体制の整備、新事業創出のためのソフト活動等に対する支援策の充実強化、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律に基づく支援制度の拡大充実を図ること。
2 苫小牧東部開発及びむつ小川原開発の両国家プロジェクトについては、計画的かつ実効性のある開発の推進を図ること。


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第10号議案

 中小企業の事業承継に係る税制の抜本的な見直しについて

 中小企業は、地域における経済活動や雇用の確保などにおいて大きな役割を担っており、その経営資源を有効に次世代に繋ぎ、円滑な事業承継を図ることは、地域活性化のために極めて重要である。
 しかしながら、現在の事業承継にかかる税制では、中小企業が存続していく上で必要な経営者の個人名義となっている事業用資産に対しても一般資産と同じように相続税・贈与税が課されており、加えて、取引相場のない株式についても経営状態の良好な企業ほど評価額が高額となり、税負担が大きくなっている。このことが、信用力や資金力に乏しい中小企業の事業承継にとって大きな障害となっている。
 中小企業の活力を生かし、国が成長戦略で進めている中小企業の躍進を図るためには、事業用資産を一般資産と区分し非課税とする、あるいは課税する場合でも、事業の継続に支障がないような評価・課税方法とするなど、中小企業の事業承継に係る税制の抜本的な見直しが必要であり、国においては、中小企業の存続を図るという大局的な見地から、早急に検討するよう強く要望する。


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第11号議案 

 新幹線鉄道の建設促進等について

 新幹線鉄道は、我が国の基幹的な高速輸送体系を形成するとともに、北日本全体の発展基盤及び強靱な国土・地域づくりの軸となるものであり、北海道・東北地域の発展に果たす役割は極めて大きいものがある。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 北海道新幹線「新青森・札幌間」については、「新青森・新函館北斗間」の早期開業、「新函館北斗・札幌間」の早期完成及び「青函共用走行問題に関する当面の方針」の着実な実行による青函共用走行区間の高速走行の実現を図ること。
 また、青函共用走行区間の高速走行実現のための新たな方策によって必要となる経費について、地方負担を求めないこと。
2 東北新幹線と東海道・山陽新幹線との相互直通運転の早期実現を図ること。
3 奥羽新幹線(福島〜山形〜秋田)、羽越新幹線(富山〜新潟〜酒田〜秋田〜青森)などの基本計画路線については、整備計画の早期決定と早期着工を図ること。
4 騒音等について万全な生活環境保全対策を図ること。
5 整備新幹線の工事費の縮減に努めるほか、地方財政の厳しい状況に鑑み、工事費の増嵩を含む整備新幹線の整備に伴う建設財源の確保及び地方負担の最大限の軽減について、財源措置の更なる拡充を図ること。


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第12号議案 

 並行在来線への支援措置について

 整備新幹線の開業に伴いJR各社から経営分離される並行在来線区間は、地域住民の日常生活に欠かすことのできない貴重な生活の足として、極めて重要な役割を担っている。
 しかしながら、現在既に開業している各並行在来線区間は、開業時にJRからの鉄道資産の購入や新たに必要となる施設整備等の初期投資に多額の地元負担が生じた上、収益性の低い区間であることなどから極めて厳しい経営状況にあり、地方公共団体の財政状況が厳しい中、今後の鉄道の維持・存続が強く危惧される。
 同様に、今後開業予定の並行在来線区間についても、多額の初期投資や旅客需要の低迷等により、厳しい経営環境におかれることが想定される。
 並行在来線は地域住民の交通手段であるとともに、国の物流政策や大規模災害時における物資輸送のリスク分散の観点から、極めて重要な貨物鉄道の広域ネットワークの一部を担っており、また、幅広い地域の住民に利用されている寝台特急列車が走行するなど、国民経済全体に多大な便益を与える重要な役割を果たしていることから、国の地方負担に対する財政支援措置は必要不可欠である。
 このため、政府においては、並行在来線がJR各社から経営分離された後についても、将来にわたり安定的に維持・存続が図られるよう、幅広い観点から財源確保の方策を検討し、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 並行在来線維持のための地元負担に係る助成措置を講ずること。(運営費助成・特別交付税等)
2 鉄道資産等の設備投資及び老朽化施設の更新に対する助成措置の拡充・創設を図ること。
3 JRから譲渡された鉄道資産や新たに整備・取得した鉄道資産に対する税制特例の拡充(JR三島特例並みの創設)を講ずること。
4 並行在来線とJR路線等を乗り継ぐことによる利用者の負担を緩和するため、乗継割引に対する財政支援制度を創設するとともに、JRに対しても乗継割引制度の導入を指導すること。
5 北海道と本州を結ぶ寝台特急列車は、観光客をはじめ広域利用者の重要な移動手段となっているほか、その存廃は並行在来線運営会社の経営に与える影響も大きいことから、広域運行を担うJRに運行本数の維持を働きかけること。


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第13号議案 

 高速自動車国道をはじめとする道路の整備促進と財源の確保について

 本地域の発展可能性を顕在化させ、国土の均衡ある発展と産業経済の飛躍的な振興を図るには、道路網の整備を重点的かつ計画的に推進することが急務である。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 道路は、地方に暮らす住民の生活を支える基本的な生活基盤であり、地方の移動手段は鉄道等の交通網が整備されている首都圏等に比べ、道路への依存度が高いことから、地方の道路整備をより強力に推進すること。
2 地方が必要とする道路整備が引き続き着実に実施できるよう、必要な予算を確保するとともに、社会資本整備が遅れている地域に配慮した予算配分の仕組みとすること。
 新たな交通需要に基づく直轄事業の事業評価等については、ネットワークとしての観点及び地方における多様な効果に加え、東日本大震災においてその重要性が再認識された代替性確保の観点も含め、更なる検討を行うこと。
3 国土開発幹線自動車道は、国土の骨格をなし、地方の自立を図る上で大きな役割を担うものであるため、国は責任を持って全国的なネットワークの整備を確実かつ早期に促進すること。
(1)整備計画区間の早期完成を図ること。
 なお、「当面、着工しない」とされた区間(※)についても、高速交通ネットワークの形成に欠かせない区間であることから、早期着手を図ること。
 北海道縦貫自動車道(七飯〜大沼公園、士別剣淵〜名寄)
 北海道横断自動車道根室線(余市〜小樽、浦幌〜釧路)
 北海道横断自動車道網走線(※足寄〜陸別、陸別〜北見)
 東北横断自動車道釜石秋田線(遠野〜宮守)
 東北横断自動車道いわき新潟線(会津若松〜新潟中央4車線化)
 常磐自動車道(常磐富岡〜南相馬、相馬〜山元、4車線化)
 東北中央自動車道(福島〜米沢北、南陽高畠〜山形上山、東根〜尾花沢)
 日本海沿岸東北自動車道(酒田みなと〜遊佐)
(2)基本計画区間の早期整備着手を図ること。
 北海道横断自動車道根室線(黒松内〜共和)
 北海道縦貫自動車道(七飯藤城〜七飯)
 東北縦貫自動車道八戸線(八戸市〜青森市)
 東北横断自動車道酒田線(月山〜湯殿山)
 日本海沿岸東北自動車道(二ツ井白神〜小繋)
 このうち、北海道横断自動車道(黒松内〜共和)、日本海沿岸東北自動車道(二ツ井白神〜小繋)等については、計画段階評価が終了したことから、速やかに事業着手を図ること。
(3)未着手区間の早期事業化を図ること。
 北海道縦貫自動車道(美深敷島〜音威子府、中川〜幌延、豊富〜稚内)
 北海道横断自動車道根室線(釧路町〜根室)
 北海道横断自動車道網走線(北見市端野〜美幌、女満別空港〜網走)
 東北中央自動車道(昭和〜金山、及位〜上院内、下院内〜雄勝こまち)
4 高規格幹線道路のうち、一般国道の自動車専用道路を整備促進すること。
 日高自動車道(日高門別〜浦河)
 深川留萌自動車道(留萌大和田〜留萌)
 旭川紋別自動車道(丸瀬布〜紋別)
 帯広広尾自動車道(更別〜広尾)
 函館江差自動車道(北斗茂辺地〜江差)
 津軽自動車道(青森〜鰺ケ沢)
 三陸縦貫自動車道(登米〜宮古)
 八戸・久慈自動車道(八戸〜久慈)
5 国土開発幹線自動車道の予定路線・基本計画区間に並行して既に事業着手している一般国道等を規格の高い道路として整備すること。
 国道5号倶知安余市道路(共和〜余市)
 国道38号・44号釧路外環状道路
 国道40号音威子府バイパス
 国道44号根室道路
 国道45号上北天間林道路・天間林道路
 国道7号朝日温海道路・遊佐象潟道路・象潟仁賀保道路・二ツ井今泉道路・鷹巣大館道路
 国道13号尾花沢新庄道路・泉田道路・院内道路
 国道47号仙台北部道路
 国道115号相馬福島道路
 国道283号釜石花巻道路(釜石〜釜石西、遠野住田〜遠野)
6 広域的な地域の連携強化のため、全国レベルの高規格幹線道路とともに、これと連携する幹線道路ネットワークの軸となる地域高規格道路の整備を推進すること。
7 国道4号、6号、7号、12号、13号、45号、46号、49号、
101号、112号、230号、275号等、主要幹線道路の四車線化と都市部区間の拡幅及びバイパス建設など、国道改良事業を推進すること。
8 災害に強いまちづくりや緊急輸送道路、復興道路等の整備などの事業促進とそれに伴う災害に強く信頼性の高い交通ネットワークの構築、社会資本整備費の重点投資など、国土構造形成のための整備を緊急に進めること。
9 中心市街地の活性化など、地域の再生に資する市街地の道路整備を積極的に推進すること。
10 交通安全施設等の整備を積極的に推進すること。
11 道路情報基盤の整備を積極的に推進すること。
12 道路事業を円滑に推進するため、用地先行取得制度、代替地対策、税制を拡充すること。
13 冬期道路交通対策を積極的に推進すること。


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第14号議案 

 交通網の整備促進について

 北海道・東北地域の有する発展可能性を顕在化させ、国土の均衡ある発展と産業経済の飛躍的な振興を図るためには、本地域の交通体系の整備・充実が急務である。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
T 空港関係
 1 地方空港の整備については、今後とも長期的な視野に立ち、円滑かつ確実に実施されるよう、一般財源の拡充を含め、財源の確保に万全を期すこと。
 2 空港の機能拡充のため、次の空港の施設整備の促進を図ること。
 新千歳空港、函館空港、稚内空港、釧路空港、旭川空港、帯広空港、丘珠空港、女満別空港、中標津空港、紋別空港、利尻空港、奥尻空港、青森空港、三沢空港、花巻空港、仙台空港、秋田空港、大館能代空港、山形空港、庄内空港、福島空港
 また、積雪寒冷地の地方管理空港に不可欠な除雪車両及び空港の安全確保に不可欠な特殊車両の更新についての支援措置を新設すること。
 3 空港の国際化を図るため、次の空港のCIQ体制の整備等を推進すること。
 新千歳空港、函館空港、稚内空港、釧路空港、旭川空港、帯広空港、女満別空港、中標津空港、紋別空港、青森空港、三沢空港、花巻空港、仙台空港、秋田空港、大館能代空港、山形空港、庄内空港、福島空港
 4 航空交通の効率的な運航と一層の安全性を確保するため、航空管制業務の充実強化を図ること。
 5 各航空会社が路線の減便や廃止を行う場合には、国への届け出前に国を交えて空港の設置管理者や地元自治体と協議する制度を設けること。
  また、地方路線が公共交通機関として定着していることを踏まえ、航空会社に対しての運航費の補助や地域における利用拡大の取組に対する財政支援措置の拡充を行うなど、地方路線の維持・拡充のための措置を講ずること。
 6 見直しが進められている空港整備勘定について、地方自治体が独自の裁量で路線維持や利用促進等を図るために実施するソフト事業についても活用できるよう、使途の拡大を図ること。
 7 航空会社を取り巻く状況が厳しさを増す中、地方路線を維持していくため、羽田空港発着枠については、「1便ルール」及び「3便ルール」の運用を継続するとともに、地方路線維持のための「政策コンテスト」を継続的に実施するなど、少便数路線を優先する仕組みを拡充すること。
 8 羽田、伊丹などの混雑空港の発着枠について、離島を含む地方路線に優先的に配分すること。
  また、これに併せて、羽田空港における小型機乗り入れの運用を緩和すること。
 9 航空会社の経営を圧迫している航空機燃料税等の減免を継続するとともに、地方自治体が減収とならないよう、地方特例交付金などの財源措置を行うこと。
U 鉄道関係
 1 太平洋側と日本海側との幹線交通ネットワークの相互補完性を強化するため、主要幹線である奥羽本線、羽越本線等の高速化及び複線化等の機能強化や輸送改善を図るとともに、その他の在来線についても電化等の整備により輸送力の増強に努めること。
 2 大規模災害時において太平洋側と日本海側を横断的に結ぶ旅客・物資輸送のルート確保や接続性の改善を図ること。
 3 羽越新幹線、奥羽新幹線などの基本計画路線の整備計画策定に向けた調査を行うこと。
 4 風に対する運転規制値の強化や豪雨により、運休・遅延が頻発化していることから、安全・安定輸送確保対策のため、鉄道防災事業費補助について事業要件の緩和を図ること。
 5 特定地方交通線、地方鉄道新線及び並行在来線の経営の第三セクター方式等による引受け路線について、次の措置を講ずること。
 (1)災害の未然防止及び車両更新等の計画的な設備投資を確実に図るため、鉄道軌道安全輸送設備等整備事業の予算枠を拡充
 (2)第三セクター鉄道等が所在する地域の高齢化等に鑑み、補助対象要件の緩和及び補助率のアップなど、交通施設バリアフリー化設備整備費補助制度の拡充強化
 (3)大規模自然災害を受けた第三セクター鉄道会社等の復旧工事に対する補助率のアップなど、鉄道災害復旧事業費補助制度の充実強化
 (4)第三セクター鉄道等の経営の厳しい実情に鑑み、経営安定のための新たな支援制度や地方負担に係る所要の財源措置の創設
V 地方バス関係
 1 地域住民の日常生活に支障が出ることのないよう、地方バス生活路線に係る予算枠を確保するとともに、地方の生活交通確保策に対する地方交付税措置を維持、拡充すること。
 2 市町村の運行する路線バスやスクールバス等各種バスの一体的運行がなされるよう、関係省庁間での政策調整や財源措置の一本化を図ること。
W 港湾関係
  次の国際拠点港湾及び重要港湾について、以下の措置を講ずること。
  【国際拠点港湾】
  室蘭港、苫小牧港、仙台塩釜港
  【重要港湾】
  石狩湾新港、稚内港、函館港、小樽港、釧路港、留萌港、十勝港、紋別港、網走港、根室港、八戸港、青森港、むつ小川原港、久慈港、宮古港、釜石港、大船渡港、仙台塩釜港石巻港区、秋田港、船川港、能代港、酒田港、小名浜港、相馬港
 1 港湾整備を計画的に進めるとともに、今後とも長期的な視野に立ち、港湾の整備が円滑かつ確実に実施されるよう、財源の確保に万全を期すこと。
 2 大規模地震対策施設としての耐震強化岸壁の整備促進を図ること。
 3 港湾機能を大幅に向上させるため、港湾に直結するアクセス道路の整備促進を図ること。
 4 既存港湾施設の維持修繕に対する支援を拡充すること。
   また、国有港湾施設については、国と地方の役割分担を明確にするとともに、その維持修繕について一定の責任を果たすこと。
 5 2002年12月に「海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」が改正されたことにより、国際貨物船が使用する港湾施設の保安対策が義務化され、現在、国において関連する施策が進められているが、施設管理者にとっても多大な負担が生じるものであることから、国の責任と役割を明確にし、施設管理者への支援制度等を拡充すること。
X 空港、港湾、道路等整備の連携
  地域の国際化、経済の国際競争力の強化を担う港湾や空港、道路ネットワーク等の整備について総合的な事業促進を図ること。


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第15号議案 

 食料・農業・農村政策の確立について

 北海道・東北地域の農業は、我が国の食料の安定供給に大きく寄与するとともに、基幹産業として地域経済の活性化に重要な役割を果たすほか、国土・環境の保全等の多面的機能を有している。
 農産物流通の国際化が進む中で、本地域の農業が将来にわたり持続的に発展していくためには、地域農業を担う多様な担い手が、厳しい経営環境の下でも、安定的な所得を確保し、誇りと希望を持って農業経営に勤しむことができるよう、「食料・農業・農村基本法」の理念に基づく関係施策の着実な推進が重要である。
 また、政府が6月に改訂した「農林水産業・地域の活力創造プラン」の推進に当たっては、本地域における農業協同組合や農業委員会等が果たす役割を踏まえ、地域の実情に即した検討が必要である。
 一方、TPP交渉については、我が国において農業のみならず、国民生活のあらゆる分野に大きな影響を与えることを十分に踏まえ、守るべき国益を明確にし、安易に妥協することなく、関係国との交渉を進めていくべきであり、我が国農業の将来に重大な影響を与えるWTO農業交渉や各国とのEPA等の交渉においても、我が国の提案を強力に主張していく必要がある。
 さらに、世界の食料需給が中長期的にひっ迫すると予想されている中、主要先進国の中で最低の水準となっている我が国の食料自給率を向上させ、食料安全保障を確保するための施策を展開することが一層重要となっている。
 特に、東北地方の農業は、東日本大震災に加え、いまだ収束の見通しが立たない原子力災害により、これまでにない甚大な被害を受けており、農業者が持続的に所得を確保し、これまで築き上げてきた農業を着実に次の世代へ引き継いでいくために、一刻も早い復旧・復興が求められている。
 よって、政府においては、極めて厳しい状況にある農業の現状を踏まえるとともに、被災地の農業者の心情にも十分配慮し、今後の農業の着実な復興・発展を進めるべく、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 政府が進める農業改革に当たっては、農業協同組合や農業委員会等が果たす役割を踏まえつつ、中山間等地域の実情や農業・農村が国土や自然環境の保全、文化の維持・継承、地域社会の持続可能性など多面的な機能を担ってきたことなどにも配慮し、生産現場に混乱を来すことなく、農業者、農業団体、地域住民など関係者の意見を広く聴き、慎重に議論を尽くした上で、今後とも地域の農業・農村振興や食料供給等を通した国民生活に十分な機能を果たすような見直しとすること。
 また、改革を推進するに当たっては、東日本大震災からの復興の途上にある被災地の活力を決して低下させることがないよう、十分に配慮すること。
2 「食料・農業・農村基本計画」の推進や見直しに当たっては、地域の農業の実情に配慮しながら、地域農業を担う多様な経営体が、将来に希望を持って農業経営に取り組むことができ、持続可能な農業の確立による食料自給力の向上、さらには、農村の振興による地域経済の活性化や、農業の多面的な機能の発揮が図られるよう、関係施策の着実な実施と予算の十分な確保に努めること。
 特に、経営所得安定対策については、農業者が将来にわたり安心して農業経営に取り組める制度とするとともに、意欲ある担い手に対する支援を強化すること。
 また、農地中間管理事業の制度については、道県及び市町村段階のマンパワーの確保など財政・運営面に対する支援を充実させるとともに、一部地方負担が課されていることから、地方負担が生じないよう早急に改めること。
 さらには、日豪EPA協定の署名も踏まえ、畜産における経営所得安定対策のあり方や導入時期については、これまでの畜産経営安定対策の成果を十分に検証し、現行対策の補償水準を下回らないようにするとともに、その仕組みについて、農業者等の意見・要望を十分踏まえたものとした上で早期に方向性を明示すること。
 特に、肉用牛生産については、子牛価格の高騰を抜本的に解決するため、繁殖基盤の強化に緊急的に取り組むこと。
3 米の需給調整対策について、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」に基づき、需給及び価格の安定に対し、国がその役割を適切に果たしていくこと。
 また、水田活用の直接支払交付金の戦略作物助成や産地交付金について十分な予算を確保するとともに、各産地の取組に対する支援を充実すること。
 特に、飼料用米については、多収性専用品種の開発・育成や安定多収生産技術の普及、生産・流通段階におけるコスト低減など、現場において様々な課題を抱えていることから、種子の確保対策や交付金による支援を継続することに加え、保管施設の確保に向けた、国庫補助対象となる施設等の拡充や、効率的で簡便な生産数量の確認方法の導入など、飼料用米に取り組みやすい環境整備のための支援を強化すること。
4 4年後を目途とした生産数量目標の配分廃止如何については、国による関与を確実に継続することを前提に、生産者や集荷業者・団体が主体的に作付け判断できるよう、米の需給に関する情報提供のあり方や、実効ある需給調整が自ずと確保される方策について、更なる検討を行うともに、その結果を早期に示すこと。
 さらに、ミニマムアクセス米の販売に当たっては、主食用米や加工用米の需給に影響を与えない対策を講ずること。
 なお、米の先物取引の試験上場については、常時監視・監督し、適切に検証するなど、米の需給調整対策との整合性に配慮すること。
5 国産飼料に立脚した畜産・酪農の確立を図るため、飼料用米の利活用の拡大や自給飼料の増産に向けた取組を加速すること。
6 食料の安定供給に向け食料自給率の向上を図るためには、持続的な農業経営を支える「経営所得安定対策」とともに、「農業生産基盤の保全管理・整備」による生産性の高い優良農地や安定した農業用水の確保が必要である。
 ついては、次に掲げる諸施策の積極的な推進に必要な農業農村整備事業予算について、当初予算として確保すること。
(1)意欲ある農業者への農地利用集積の加速化や、飼料用米をはじめとする非主食用米や麦・大豆・雑穀などの土地利用型作物、地域特産の園芸作物等の生産拡大による農業所得の向上に向け、地域特性に応じた生産基盤や基幹水利施設の整備を総合的に推進すること。
(2)農業生産に不可欠な農業用水を安定的に確保するため、次々と耐用年数を迎える農業水利施設の計画的な補修・更新に向けたストックマネジメントの徹底など、長寿命化対策を強化すること。
7 農業・農村が有する多面的機能は、その発揮により国民に多くの恵沢をもたらすものであり、食料その他の農産物の供給の機能と一体のものとして生ずる極めて重要な機能であることを踏まえ、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」の施行に伴う施策の推進に当たっては、事務経費も含め、基本的に国庫負担により予算を確保し、我が国の農地の保全を図ること。
8 TPP交渉については、昨年4月の衆参両院農林水産委員会における決議も踏まえ、断固たる姿勢で交渉に臨むとともに、国民に対し十分な情報開示と説明を行うこと。
 さらに、地方の基幹産業であり、国土や自然環境の保全、農村が担ってきた文化の維持・継承、地域社会の持続可能性など多面的な機能を有する農業については、TPP交渉の結果如何にかかわらず、食料安全保障の観点から、将来にわたり持続的に発展していけるよう、その再生・強化に向けた施策を講ずること。
 なお、TPP交渉に当たっては、東日本大震災からの復興の途上にある被災地の活力を決して低下させることがないよう、十分に配慮すること。
9 WTO農業交渉に当たっては、農業の多面的機能や食料安全保障の確保などを適切に反映した貿易ルールを確立するため、関係国との連携を図りながら、引き続き、日本提案の実現に向け、全力を挙げて粘り強く交渉に取り組むこと。
10 各国とのEPA等の交渉に当たっては、米や小麦、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖、軽種馬などの重要品目の関税が撤廃された場合、国内農業が甚大な打撃を受けるばかりか、農業の衰退に伴い地域の経済・社会の崩壊を招くとともに、国民への食料の安定供給が困難となるおそれがあるため、これら重要品目を関税撤廃の対象から除外するなど強い姿勢で交渉に臨むこと。
 また、今般協定に署名した日豪EPAに関して、豪州産牛肉の関税引下げ等による国内の畜産及び酪農への影響について、徹底的な検証を行い、生産者をはじめとする国民に対して十分な情報提供を行うとともに、検証の結果、国内生産への影響が懸念される場合には、生産者が将来にわたり意欲的に経営を持続できるよう、生産性の向上や競争力の強化に向け、財源確保を含め、国の責任において十分な対策を講ずること。
11 農産物等の輸出が円滑に進むよう、輸出対象国に対して、残留農薬基準の設定や検疫制度、通関制度の見直し、輸出可能品目の拡大等について働きかけるなど、輸出促進のための取組を強化すること。
12 豚流行性下痢(PED)については、侵入経路の解明やワクチンの需要に見合った安定的な供給体制の維持、生産現場における侵入・まん延防止対策への支援措置を講ずるとともに、発生農家への経営支援対策の充実を図ること。
 また、豚肉出荷量の減少に伴う価格高騰への対応など、国産豚肉の安定供給に必要な措置を講ずること。


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第16号議案 

 水産業の振興について

 水産業については、近年の水産資源の減少や魚価の低迷などによる漁業経営の悪化、漁業就業者数の減少や高齢化の進行による地域活力の低下など非常に厳しい状況に置かれている。さらに、東日本大震災の発生及び急激な円安等による燃油価格の高騰は、厳しい経営環境にある水産業にこれまで以上に大きな打撃を与えることとなった。
 加えて、トド、オットセイ、アザラシ類の海獣や大型クラゲなど有害生物による漁具の被害などが発生しており、漁業経営に深刻な影響を与えているばかりでなく、海獣が捕食する水産資源への影響については解明されておらず、これらの影響を加味すると漁業への影響は計り知れないところである。
 こうした状況を踏まえ、「水産基本法」の目指す水産施策の基本理念である「水産物の安定供給の確保」と「水産業の健全な発展」の実現のための総合的かつ計画的な施策の展開が求められている。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 省エネルギー化(燃油節減対策等)に向けた技術開発と実用化を積極的に推進すること。
 また、漁業生産者の経営安定のため融資保証制度の拡充のほか、漁業共済制度の国庫補助率の引き上げや補助限度率の撤廃、漁業経営セーフティーネット構築事業の特別対策発動要件の緩和などの一層の支援措置を講ずること。
2 広域的な資源管理体制の構築及びさけ・ます資源の高品質化や栽培漁業の充実など水産資源の適切な保存管理と生産の増大が図られる施策を展開すること。
 特に、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)をはじめ各種の地域漁業管理機関が科学的資源評価を踏まえた的確な資源管理措置を決定し、各国がこれを確実に遵守する体制を確立できるよう、積極的なリーダーシップを発揮し、漁業資源の適切な管理体制の構築を図ること。
 また、近年、回帰尾数が減少している本邦系サケ資源の回復については、広域的な連携体制を構築し、資源変動要因の解明と対策の立案を図ること。
 加えて、TPPなど貿易自由化に係る交渉において、水産資源の持続的利用と我が国水産業の維持・発展が図られるよう、分野別関税撤廃対象からの水産物の除外、輸入割当制度の堅持及び漁業補助金の一律排除阻止について、関係国と連携を図りながら強く主張すること。
3 水産物安定供給及び東日本大震災で被災した沿岸地域の復旧・復興のため、資源づくりから漁業生産、流通加工まで一貫した基盤整備の促進を図ること。
4 地域産業との連携や消費者ニーズに対応した水産流通・加工業の健全な発展とともに輸出促進を図ること。
5 担い手の確保・育成のため、新規漁業就業者の受入体制づくりなどを支援するとともに、漁村の生活環境を整備し、都市との交流を促進することにより、漁業全体の活性化を図ること。
6 コイヘルペスウイルス(KHV)感染経路の解明及び防疫対策の早急な確立を図ること。
 また、KHV病の補償について、現行の補償に係る負担割合を損失実態に即したものに引き上げるなど、補償内容を拡充すること。
 さらに、引き続き消費者に対し、コイの安全性についての知識の啓発に努めるとともに、消費拡大対策の充実を図ること。
7 二枚貝に取り込まれたノロウイルスの除去方法の確立と漁場におけるノロウイルス監視体制の強化を促進するとともに、全国一律の衛生基準及び検査体制を早期に構築すること。
8 水産系バイオマス資源のリサイクル促進を図ること。
9 排他的経済水域(EEZ)における外国漁船による違法操業などが根絶されるよう、監視・取締りを充実・強化すること。
10 海獣が捕食する水産資源への影響について解明し、トドの駆除・追い払いなどの有害生物漁業被害防止総合対策事業による漁業被害防止対策を強化すること。あわせて、オットセイやアザラシ類においても漁業被害防止対策を実施できるようにするなど、海獣の総合的な漁業被害防止対策を実現すること。
 さらに、漁具や漁獲物の被害、休漁による所得の減少など、海獣による漁業被害に対する新たな補償制度を創設すること。
11 大型クラゲの発生原因を究明し、発生初期における対策を講ずること。あわせて、有害生物漁業被害防止総合対策事業をより利便性が高い効果的な事業とするために、現在、民間団体に限定されている同事業の実施主体について、個人経営体や会社組織なども事業主体として認めるなど要件の緩和を図るとともに、有害生物漁業被害防止総合対策事業を平成27年度以降も継続して実施すること。
 また、漁具の破損など大型クラゲによる操業経費の増加や除去作業に対する支援の創設・拡充をすること。
12 水産資源の基礎生産の場であるとともに、水質浄化や二酸化炭素の吸収など多面的機能を有する藻場の維持・保全等の環境生態系保全対策については、恒久的対策と位置付けて推進すること。


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第17号議案 

 新しい森林・林業・木材産業政策の展開について

 近年、地球温暖化防止、生物多様性の確保、生態系の維持など、地球規模での森林の重要性が改めて認識され、持続的な森林経営への取組が世界的課題となっており、豊かな森林資源を有する北海道・東北地域においても、「持続可能な森林経営」を推進することが一層重要となっている。
 森林に対する国民のニーズは、木材の生産、国土の保全、保健・文化・教育的利用等のほか最近では、地球温暖化防止など、多様化・高度化してきている一方、林業生産活動の停滞等により、管理不十分な森林が増加するなど、森林の有する多面的機能や山村地域の活力の低下が懸念されている。
 このような中で、我が国は京都議定書第2約束期間には参加せず、独自対策により最大限の努力を進めることになっているが、世界各国が新たなスキームで地球温暖化対策に取り組むこととされた2020年以降の枠組みの中でイニシアチブを取っていくためには、排出抑制対策と森林吸収源対策に一体的に取り組み、実績として示すことが求められている。
 このため、我が国における平成32年度までの森林吸収源対策については、森林吸収量3.5%の確保に向けた年平均52万haの間伐などを推進していくこととしている。
 また、平成23年7月に「森林・林業基本計画」を閣議決定し、計画的な森林施業の集約化や路網整備等による低コスト化を図り、持続的な森林経営の確立と国産材の安定供給の構築を進め、10年後の木材自給率50%以上を目指すこととしている。
 よって、政府においては、これら森林・林業再生に向けた取組を進めるとともに、森林・林業基本法の基本理念に沿った新たな森林・林業・木材産業政策について、次の事項を踏まえ、着実な推進を図るよう強く要望する。
1 地球温暖化防止等に寄与する森林資源の循環利用を促進するため、森林整備加速化・林業再生基金の事業期間の延長及び積み増し、又はこれに代わる恒久的な支援制度の創設などにより、間伐や路網の整備、高性能林業機械の導入、木材加工流通施設の整備、木造公共施設の整備や住宅など民間施設への国産材の利用、さらには木質バイオマスのエネルギー利用など、川上から川下に至る地域の様々な取組を支援し、林業・木材産業の持続的発展を図ること。
 また、間伐等の実施や路網の整備など森林整備・保全を着実に推進するため、「地球温暖化対策のための税」の使途に森林吸収源対策を位置付けることや、新税の創設などにより新たな財源を国の責任で確保し、森林吸収源対策の地方負担に対する財政措置の充実と地方公共団体及び森林所有者における森林整備の財源負担の軽減化を図ること。
 さらに、森林整備と林業振興に不可欠な林道や林業専用道の整備を促進するため、地方公共団体の財政負担が伴わない助成制度を創設すること。
2 松くい虫やナラ枯れをはじめとする森林被害について、防除対策をより一層強力に推進すること。
3 適正な森林整備を推進するため、地方公共団体が行う林業公社に対する支援について、財政支援を拡充するなど、実効性のある措置を早急かつ長期的に講ずること。
4 適正な森林整備のため、県が行う分収林事業についても財政支援を行うこと。
5 海岸部の防災施設や海岸防災林は、地域住民の命や財産、生活を守る重要な施設であることから、大津波対策を含めた総合的防災機能の再整備、強化を図ること。
6 確実な再造林による森林資源の循環利用を促進するため、新たな支援制度の創設や法制度等の見直しなどの対策を早急に進めること。
 

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第18号議案 

 食の安全・安心を確保する制度の拡充・強化について

 食品の偽装表示、輸入食品における有害物の汚染事案や冷凍食品の農薬混入事件などにより、消費者の食の安全・安心に対する信頼が大きく揺らいでいる。
 そのため、国民の健康・生命に深く関わる「食」に対する消費者の関心は、従前以上に高まっており、食の安全・安心を確保するための信頼される制度の構築が求められている。
 北海道・東北地域が、今後とも国民に対する食料の安定供給に大きな役割を果たすためには、安全・安心な食品の供給に努めるとともに、消費者の信頼を確保する努力をしていかなければならない。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 消費者が確かな情報に基づき食品を選択できるよう、加工食品の原料産地表示について、対象品目を拡大するなどの検討を早急に進めること。
2 トレーサビリティシステムの普及・定着を図るため、全国的なガイドラインとなっている「食品トレーサビリティシステム導入の手引き」の普及を推進すること。
3 BSE対策のあり方については、国の責任において、今後の長期的な展望に立ったリスク管理や対策の有効性について、科学的根拠を明確にするとともに、広く国民の理解浸透を図ること。
 また、各般のBSE関連対策を推進するとともに、万が一BSEが発生した場合の地域対策について、万全を期すこと。
 さらに、外国産牛肉の輸入に当たっては、国の責任において「日本向け牛肉輸出証明プログラム」の遵守など、安全性の確保に万全を期すとともに、外食産業において提供する牛肉や、牛肉加工食品の原産地表示の明確化を充実・強化すること。
4 国民が、TPP参加交渉で食品の安全基準の緩和や遺伝子組換え食品の表示義務の廃止などを要求されることに不安を抱いている中にあっては、現在の基準や表示の義務化を緩和することなく、厳格化を維持すること。
 また、遺伝子組換え種子を含まない種子の提供体制の確立や輸入の際のこぼれ落ち等による遺伝子組換え作物の自生の防止対策を図るとともに、一般作物との交雑・混入を防止するため、遺伝子組換え作物の生産・流通段階での隔離を徹底する施策を講ずること。
5 地域特産農産物に使用できる農薬の登録の促進を図ること。
 また、農薬の使用について、幅広く国民に正しい知識を啓発するための施策を強化すること。
6 重金属及び放射性物質等による農用地の土壌汚染に対応するため、農産物の重金属及び放射性物質等の吸収を抑制する技術及び汚染土壌を修復する技術の開発を急ぐとともに、土壌汚染の修復に対する財政支援を強化すること。
7 輸入食品の安全検査体制の充実・強化を図ること。


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第19号議案 

 地環境への負荷の少ない循環型社会の構築について

 大量かつ多様な廃棄物の多くは、依然として焼却や埋め立てにより処理されている現状にあり、処理施設からのダイオキシン類の発生など廃棄物がもたらす環境への負荷が懸念されている。
 自らのライフスタイルや各産業の生産システム等を見直しながら、廃棄物の発生抑制や資源としての有効利用を一層推進するとともに、新たな化学物質による環境への影響を防止するなど、行政・事業者・住民が一体となった環境への負荷の少ない循環を基調とした、持続可能な社会の構築が求められている。
 このため、ごみ処理施設やリサイクル施設の整備促進をはじめとする廃棄物のリサイクル及び適正処理の推進のほか、ダイオキシン類の負荷を後世に残さない施策の充実が必要である。
 よって、政府においては、廃棄物処理施設の円滑な整備の促進について、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 一般廃棄物の循環利用の促進及び適正処理に資する市町村等一般廃棄物処理施設の整備への支援を充実すること。
2 廃止焼却施設の解体撤去に係る支援制度の創設など支援施策の充実を図ること。


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第20号議案 

 エネルギー政策について

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、これまで盤石と見られていた我が国の電力系統の脆弱性が露呈した。我が国は世界有数の電力消費国でありながら、島国のため他国からの電力融通が不可能な上、国内の東西で電気の周波数が異なり、電力系統が二つに分断されているといった特異な環境下にある。このため、我が国の今後の震災復興やエネルギー政策の立案に際しては、中長期的な視点に立った電力供給安定化のための電力系統の強化策が不可欠である。
 また、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、原子力発電依存度は可能な限り低減するという政府案が示されており、我が国が国際公約として掲げていた2020年に温室効果ガスの1990年比マイナス25%という地球温暖化対策の中期目標に代わり、新たに2020年度における温室ガス排出量を2005年度比で3.8%削減する目標が設定されている。
 しかし、我が国が今後も地球環境問題の解決のために世界をリードし、国際社会において相応の責任を果たしていくためには、震災を口実として自らが掲げた志の高い目標を放棄することはあってはならない。我が国のエネルギー政策の基本を定めたエネルギー政策基本法においては、「安定供給の確保」、「環境への適合」、「市場原理の活用」という3つの基本方針が示されており、国においては、電力システム改革やエネルギー基本計画など、電力をはじめとしたエネルギーの安定供給に向けて重要な政策の検討が進められている。
 もとより、エネルギーは、国民生活や産業活動の基盤であり、将来にわたり、その安定供給が確保されることが重要であることから、未曾有の大震災による被災から立ち上がろうとする今こそ、エネルギー政策基本法の基本方針に立ち返り、国家百年の計に立った政策が必要である。
 そこで、被災地の雇用を促進し、地域に根付いた企業が他地域に離散しないよう、北海道・東北地域に投資しやすい環境を整えるべく、国に対して次の事項を強く要望する。
1 エネルギー政策について
(1)今後のエネルギー政策については、国民生活・産業経済を維持するためのエネルギー安定供給、地球温暖化防止のための低炭素社会の実現などの観点から、持続可能なエネルギーのベストミックスを示すとともに、その実現に向けた送配電網の強化などの具体的方策を講ずること。
 原子力政策については、これまでの経緯や地域の実情等を踏まえつつ、原子力発電・核燃料サイクルの位置付けを含めた明確な国家戦略を示すこと。
(2)現在、国が進めている電力システム改革については、地域の実情を踏まえ、どの地域にあっても、改革のメリットが同じく享受できるよう進めること。
(3)北海道電力と東北電力の電気料金値上げによる影響を緩和するため、省エネ設備や自家発電設備の導入に対する支援、中小企業支援施策の充実を図ること。
2 再生可能エネルギーの普及拡大
(1)風力発電のポテンシャルが集中している北海道・東北地域における再生可能エネルギーの導入に向けて、電線や変電所など送配電網を増強するための施策を展開するなど、連系可能量を拡大するための施策を講ずること。
(2)「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(平成23年法律第108号)の下では、再生可能エネルギーが普及すればするほど電気料金が上がる仕組みとなる。東日本大震災の影響を受け、地元経済は大変厳しい状況にあることから、被災地域をはじめとした北海道・東北地域の電力使用者に対する賦課金(サーチャージ)について配慮すること。
(3)木質バイオマス等の利用拡大を進めるため、原料収集の低コスト・効率化やエネルギー利用効率向上のための技術革新を強力に促進するとともに、木質バイオマスエネルギー等の供給と利用に対する支援措置を拡充すること。
(4)地域主権改革の理念を踏まえ、地方公共団体は再生可能エネルギーを導入する際、その効果、影響及び費用等について、地元への啓蒙活動を十分に実施することとするが、国は政策を進める上で地方の意向を十分に取り入れること。
(5)太陽光パネルに関し、安価な輸入品が普及しつつあることから、国は、性能や寿命に関して評価し、国民に十分説明する体制を確立すること。
3 天然ガスの普及拡大
(1)日本経済の復興と温暖化対策を両立させるため、温室効果ガスの排出量が少ない天然ガスの普及拡大は急務であり、その安定的な調達のため、国が積極的なエネルギー外交を展開し、例えばロシア(サハリン)など日本から距離的に近い国からの導入促進を図ること。
(2)国は、石油及び石炭から天然ガスへの燃料転換を促進するための設備改修費用を助成すること。
(3)今回の震災による新たな地域再生に当たっては、世界的に高い我が国の電力価格を低減させるべく、国は、地域の実情を加味した小規模・分散型の電熱併給(コジェネ)等の普及促進を図り、当該地域の特性を踏まえ、エネルギー効率の優れたまちづくりを目指すこと。併せて、国は、電気事業者の高い託送料のため参入が進んでいない特定規模電気事業者(PPS)の競争力を高めるとともに、このコジェネの余剰電力の買取り制度を普及させるなどして、高価格体質の電力業界に競争環境を導入し、産業インフラ基盤を強固にする政策立案に取り組むこと。
4 省エネ対策の強化
(1)省エネ家電のより一層の普及支援を図ること。
(2)非常用電源の確保の観点から、家庭用蓄電池やガスコージェネレーションシステム導入者に対する国の助成策を大幅に拡充すること。


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第21号議案 

 海岸漂着物等対策の推進について

 近年、外国由来のものを含む漂流・漂着ごみは海岸機能の低下や生態系を含めた環境・景観の悪化、船舶の安全航行の確保や漁業への被害などが深刻化しており、大量の漂着物の処理が大きな課題となっている。
 このようなことから、国では、平成21年7月に、海岸における良好な景観及び環境を保全し、漂着物の円滑な処理及び発生抑制を図る目的で海岸漂着物処理推進法を制定した。
 この法律では、政府が漂着物対策を推進するために必要な財政上の措置を講ずることとされ、地方公共団体が行う漂着物の処理に要する経費に対する特別な配慮及び民間の団体等の活動促進を図るための財政上の配慮をすることが規定されているが、現行の漂着物の回収・処理等への支援は、平成26年度までとされている。
 海岸漂着物対策については、恒久的な対応が必要であり、地域の実情に応じた対策を円滑かつ継続的に推進するため、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 地域環境保全対策費補助金(海岸漂着物地域対策推進事業)制度の継続・拡充を図ること。
2 海岸漂着物処理推進法第29条を踏まえた、恒久的な漂着物対策を推進するために必要な支援制度を創設すること。
 

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第22号議案 

 野生鳥獣被害対策の推進について

 ニホンジカなどの生息数の増加により、深刻な農林業被害等が発生し、さらには高山植物の食害や天然林の植生変化などが顕著となり、生態系への影響も懸念されている状況にある。
 このような、鳥獣による被害の防止や個体数の調整を着実に推進していくためには、捕獲の担い手である狩猟者の果たす役割は非常に重要であるが、狩猟者は全国的に減少し高齢化も進んでおり、大きな課題となっている。
 こうした中、本年5月「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、新たに「指定管理鳥獣捕獲等事業」や「認定鳥獣捕獲等事業者制度」などが規定されたが、これらを円滑に推進するためには、全国で活用できるガイドラインや財政措置等が必要である。
 よって、政府においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 ガイドライン等の策定
 新たな施策を円滑に推進するためのガイドライン・マニュアルを策定すること。
(1)安全性を確保した上で効果的に夜間銃猟を実施するためのマニュアル
(2)鳥獣保護区等における鳥獣の適正密度等を把握し、指定管理鳥獣捕獲等事業による捕獲を効率的・効果的に行うためのガイドライン
(3)認定鳥獣捕獲等事業者の活用や育成を図るための手引き
2 指定管理鳥獣捕獲事業への財政措置
 「指定管理鳥獣捕獲等事業」について、都道府県が実施する場合においては、必要な財政措置を講ずること。
 また、認定事業者の育成については、支援策等の枠組みを早期に確立するとともに、必要な財政措置を講ずること。
3 狩猟者に対する支援及び規制緩和
 狩猟者の確保・育成対策の充実と負担の軽減を図るため、狩猟免許取得や銃所持への支援及び猟銃の所持許可有効期間の延長を図ること。
 また、銃による捕獲効率を向上させるため、消音器付銃を使用した捕獲を可能とすること。


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第23号議案 

 東日本大震災関連対策等の推進について

 東日本大震災による死者行方不明者数は1万8千人を超え、その発生から3年が経過した今なお、約24万6千人の被災者が避難生活を余儀なくされており、その被害額は内閣府によれば約16兆9千億円とも推計されるなど、これまで経験したことのない甚大な規模となっている。
 また、東京電力福島第一原子力発電所においては、汚染水問題をはじめとするトラブルが依然として続いており、福島県では、一刻も早く事故が収束し、一日も早く平穏な生活を取り戻したいとの思いを胸に、多くの住民が過酷な避難生活に耐えている状況にある。
 さらには、事故に伴う大量の放射性物質の広範囲に及ぶ拡散及び放射能汚染水の流出等により、隣接県をはじめ多くの都県の産業や住民生活に深刻な影響を及ぼし、復興を目指す地域にとっては、大きな障害となっている。
 復興には、被災地方公共団体の財政規模をはるかに超える莫大な復旧・復興事業費の確保など、多くの課題が山積している状況にあり、本格的な復旧・復興を着実に進めていくためには、国における復旧・復興関連予算の確実な実行及び今後必要となる財源の全額確保並びに財政政策や金融政策等を総動員しての総合的な対策の実施、「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づいた対策の継続的な実施などが必要である。
 このことから、国は、平成25年度予算において、平成27年度までとしている集中復興期間における財源を25兆円程度に増額する措置を講じているが、一刻も早い被災地域住民の生活の安定を図り、本格的な復旧・復興をさらに加速させていくため、被災地域の実態に応じた柔軟な事業展開が可能となる相当規模の予算措置等が必要であることから、国においては、次の事項に確実に取り組むよう強く要望する。

【各府省庁共通】
1 集中復興期間の延長と特例的な財政支援の継続等
 東日本大震災からの復旧・復興の達成には、長期にわたる国の特例的な支援が今後とも必要であることから、現在の財政支援について可能な限り拡充するほか、平成27年度までとされている国の集中復興期間後の財源フレームを早期に示すとともに、入札不調などの影響により当該期間内で事業が完了しないものも多いことから、集中復興期間そのものを延長し、そのための十分な予算措置を確実に講ずること。
2 東日本大震災からの復旧及び復興に係る国庫支出金及び各種制度等の維持及び拡充
 各府省庁で行っている東日本大震災からの復旧及び復興に係る国庫支出金、各種制度及び基金等についても、平成27年度までとされている国の集中復興期間以降も維持するとともに、これらの制度等の拡充と必要な要件の緩和等を図ること。
3 復旧・復興に要する人的支援等の拡大
 被災地方公共団体においては、これまでの予算規模をはるかに超える事業量が求められており、独自の職員採用や広域的な人的支援だけでは到底人員不足を補うことができず、復興関連事業の本格化に伴い、幅広い分野において更なる確保等が不可欠であることから、国家公務員及び全国の地方公共団体からの職員派遣など、復旧・復興に要する人員確保について、引き続き推進・強化を図るとともに、職員の事務負担を軽減するため、復興関連事業の業務委託について推進を図ること。

【復興庁】
1 東日本大震災復興交付金の予算確保及び柔軟な運用
 被災地域の復興のために必要な取組が確実に実施されるよう、復興が完了するまでの間、次の事項について、確実に措置すること。
(1)東日本大震災から3年が経過し、復興のステージも高まっており、当初想定していた基幹事業メニューでは対応できない様々な復興需要が生じていることから、地方の意見を聴取し早急に基幹事業メニューの拡大を検討すること。
(2)復興のための事業は単年度で終わるものではないことから、事業ごとの総交付額を原則として一括して交付するとともに、資材高騰等による事業費の増額に十分に対応できる額を確保すること。
 また、沿岸地域から円滑に避難するための道路整備、拡幅及び橋梁の整備について、復興交付金の対象とするなど柔軟な対応をすること。
(3)効果促進事業については、被災地方公共団体の判断により地域の復興のために必要な事業に充当できるよう改善すること。特に一括配分については、使途の自由度の高い資金として創設された効果促進事業の趣旨を踏まえ、事業採択に係る基準をより緩和することなど被災地方公共団体の創意工夫による復興事業が迅速かつ確実に実施できるよう、柔軟な運用を図ること。
(4)復興交付金の交付対象外の復興事業についても、復興が完了するまで着実な事業実施が図られるよう、確実な予算措置を図るとともに、これらの地方負担に対する財政措置等について、「復興交付金」と同等の財政支援を講ずること。
(5)交付金事業計画の申請手続については、一層の事務負担の軽減措置を講ずること。
(6)直轄事業の着実な推進を図るため、復興が完了するまでの間、「復興枠」として安定した予算を確保すること。
2 東日本大震災復興特別区域法の柔軟な運用の実現
(1)被災地域における迅速かつ着実な復興の実現に向けて、規制・手続等の特例、税・財政・金融上の支援等を含む復興特区制度の有効な活用を図るため、次のような柔軟な運用を図ること。
 ア 税制上の特例措置が適用される特区について、申請者が立案したコンセプトや設定した区域を十分に尊重し、柔軟な考え方や工夫を図ること。
 イ 復興特区における税制上の特例措置の期間の延長について、被災地の声を十分に反映し、改善すること。
 ウ 今後提案を予定している新たな特例措置の追加・充実などについても、被災地の復旧・復興が円滑に進むよう、可能な限り幅広く認めるよう特段の配慮を行うこと。
(2)現在、各種復興の取組にマンパワーを重点化させている関係地方公共団体の事務負担を軽減するため、計画作成に係る事務手続の簡素化等を図ること。

【内閣府】
1 震災に関するメモリアルパークの整備等
 震災を経験した我が国が、世界の震災・津波対策の向上に貢献するとともに、震災・津波災害についての経験と教訓を後世に伝えることを目的とする複合拠点施設を国において整備すること。
2 災害救助法に基づく救助の適用範囲の拡大と手厚い支援
 応急仮設住宅等に係る維持管理経費や応急仮設住宅団地内の生活環境整備に要する経費など救助に要する経費の全てを災害救助法に基づく救助の適用範囲とし、全額国庫負担による支援を行うこと。
 また、合理的な理由による応急仮設住宅間の転居を認める措置を講ずること。
 さらに、みなし仮設住宅を含めた応急仮設住宅の供与期間の延長に伴い、団地の集約や、民間賃貸住宅の貸主の事情等により、被災者が他の応急仮設住宅等へ転居せざるを得ない場合の移転費用を災害救助費の対象とするなど、財政的に支援すること。
3 住宅確保に向けた対策
 広範囲にわたる甚大な被災状況に鑑み、住宅再建が十分に図られるよう、被災者生活再建支援制度の支援額の増額と、震災復興特別交付税などの地方財政措置による支援を拡大すること。

【金融庁】
1 個人の二重債務解消に向けた支援
 個人の住宅ローン等に係る二重債務問題については、その返済や新たな借入れが困難な状況であり、被災者の生活再建に大きな障害となっているが、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」による債務整理の成立件数が低調に推移していることから、現行制度の効果的な運用や、法整備を含む新たな仕組みの構築など、その早期解決に向け、国による積極的な支援を行うこと。

【総務省】
1 復興基金積み増しに対する財政支援
 取崩し型復興基金について、今後更に具体化が進む被災地域のまちづくりの進捗に応じた地域経済の振興に向けた事業に活用できるよう、追加的な財源措置を講ずること。
2 被災地方公共団体の後年度の負担軽減等
 復旧・復興事業の実施に伴う地方負担分に対する震災復興特別交付税措置の継続を図ること。

【財務省】
1 被災地の繰越手続の簡素化
 平成26年度予算の被災地の事故繰越手続について、平成25年度予算と同様の簡素化を継続すること。
2 復興事業の進捗状況を踏まえた財政措置
 復興事業のうち、平成26年度に事故繰越をした予算について、年度内に完了できず、やむを得ず執行不可能となった場合は、国が後年度に再度予算を計上するなどの措置を講ずること。

【文部科学省】
1 生徒の通学手段確保に対する支援
 仮設校舎等から離れた実習施設への移動に係る経費に対する国庫支出金制度を創設すること。
2 教職員の確保のための支援
 被災した児童生徒に対するきめの細かい教育的支援が必要であることから、公立小中学校及び公立高等学校、特別支援学校の教職員定数の中・長期的な加配措置の継続等と公立小中学校の少人数指導等の政令加配の維持等を図ること。
 また、学校教育における防災教育の位置付けを高めるための防災教育主任の制度化とこれに伴う手当相当額の国庫支出金交付を求めるとともに、復興期間中における義務教育費国庫負担金の全額国庫負担化、応援派遣に係るルールづくりなど、学校教育の正常化に向けた支援を講ずること。
3 児童生徒の学校外における学びの場の確保に対する支援
 児童生徒の家庭学習の習慣形成が依然として課題となっており、特に沿岸部においては、なお多くの児童生徒が仮設住宅での生活を余儀なくされることから、今後も学び支援コーディネーター等配置事業を継続すること。
4 緊急スクールカウンセラー等派遣事業の継続
 被災した児童生徒の心のケア等について、阪神淡路大震災の先例を踏まえ、長期的な支援が必要であることから、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの派遣、生徒指導に係る教員や支援員の配置等を行う緊急スクールカウンセラー等派遣事業を継続すること。
5 被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金の予算確保
 被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金については、平成23年度において平成26年度までの事業費相当額が交付され、同交付金を基金化して事業が実施されているところであるが、避難生活の長期化が見込まれることから、平成27年度以降も延長するとともに、基金に不足が見込まれることから、当該基金不足額に対する確実な財源措置を講ずること。

【厚生労働省】
1 介護給付費の増加に対する国庫補助の創設や特別調整交付金の交付要件の緩和等
 東日本大震災後の要介護者の急増により、被災市町村の介護保険財政が厳しくなっていることから、安定した介護保険事業を維持できるよう、介護給付費の急激な増加に対する新たな補助の創設や、特別調整交付金の交付要件の緩和等を行うこと。
2 被災者に対する支援等
 遠隔避難者に対する生活支援の充実や、サポートセンター運営、被災者健康支援事業の推進、被災者の心のケア対策の充実、震災等緊急雇用対応事業及び事業復興型雇用創出事業による被災求職者の雇用確保など、被災者に対する支援について一層の充実を図るとともに、財政支援措置を講ずること。

【農林水産省】
1 協同組合事務所の復旧・復興のための新たな国庫支出金交付制度の創設や制度の弾力的な運用
 漁業協同組合や農業協同組合、森林組合等の事務所等の復旧・復興に当たっては、一部が国庫支出金交付制度の対象となっているものの、本格的な移転新築を余儀なくされる組合等に対する支援制度がなく、組合等の自己負担が多額に上り、事業運営に支障を来す状況となっている。
 このことは、農林水産業再生の中核となる組合等が機能せず、生産者等地域全体の復興に影響を及ぼすこととなるため、組合等の復旧・復興のための新たな国庫支出金交付制度の創設や制度の弾力的な運用を図ること。
2 園芸農業施設の災害復旧に対する支援
 東日本大震災農業生産対策交付金は、今後農地復旧による作付けが順次開始されることに伴い、引き続き被災農業者等から事業の要望が見込まれることから、制度の継続実施と十分な予算措置を確実に講ずること。
 また、地域の営農条件や被災状況に応じた事業の導入が必要であることから、園芸農業施設の災害復旧に対する支援を含め、生産振興に係る事業対象の拡充を行うとともに、より柔軟な採択要件に見直すこと。
3 農業者の生活再建のための総合的な支援
 被災農業従事者の収入確保のための被災農家経営再開支援事業の増額及び経営が安定するまでの期間の継続を図ること。
 また、東日本大震災被災地域土地改良負担金償還助成事業等の継続を図ること。
4 漁場環境の回復に向けた支援
 漁場へ広範囲に流出したガレキの回収については、長期にわたって操業中に回収されることが見込まれることから、平成27年度以降も地方負担が生じない制度とすること。
5 農林水産業の6次産業化の充実・強化
 東日本大震災の被災地において、早期復興の観点から、地域資源を活かした産業創出を図るため、農業生産等に加工・販売を組み合わせた農林水産業の6次産業化の推進により、新たな雇用・所得を創出することが喫緊の課題となっていることから、6次産業事業体の取組に対し出資、経営支援を行う措置を充実・強化すること。
 特に、被災地に対しては、全国一律の制度とせず、補助率のかさ上げや出資比率の優遇など特別な対策を講ずること。
6 農山漁村における再生可能エネルギー活用の促進
 被災地において、地域の基幹産業である農林水産業の再生と並行しながら、太陽光、小水力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギーの導入による災害に強いまちづくりを進めるための支援措置を講ずること。

【経済産業省】
1 商業活動の再開支援
 各地域では、多くのグループが既に認定を受け、新たに認定に至るグループを組成することが困難になってきている状況を踏まえ、今後とも被災事業者が復旧のために必要な支援が受けられるよう、グループ補助金について、制度の改善を図ること。
2 商工会、商工会議所会館の復旧支援
 原発事故により避難指示区域に事務所が所在し、移転を余儀なくされている商工会や、津波により土地利用計画がまだ定まっていない商工会、地震により建物が全壊・半壊し仮設施設等へ入居している商工会等があることから、平成27年度以降も商工会等施設復旧事業を継続すること。
3 県制度融資への支援
 東日本大震災により被災した中小企業者の資金繰りを支援するため融資を行った制度資金の利子補給及び保証料補助について、財政支援を行うこと。
4 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の運用等
 土地の嵩上げ工事の遅れなどで、即座に企業向けに事業用地を分譲できない状況であるが、復興のためには企業立地と雇用創出が不可欠であることから、被災した地域が本補助金を十分に活用できるよう、補助の期間を10年間とすること。

【国土交通省】
1 社会資本整備の促進
 道路・橋梁・港湾・空港・堤防・下水道等公共土木施設の災害復旧及び復興に係る地方負担について、復興が完了するまで震災復興特別交付税の対象とすることに加えて、資材確保の支援等の措置を講ずること。
 また、災害復旧事業に対する国直轄事業負担金の免除や地方負担分を軽減する等の措置を講ずること。
2 復興祈念施設の整備
 復興祈念施設については、基本構想に基づき、施設の整備を推進すること。
3 公共交通機関の復旧整備支援等
 地域住民の生活の足である離島航路、バス等においても甚大な被害を受けており、被災地方公共団体や事業者の負担が多額に上ったことから、地域公共交通確保維持改善事業及び福島避難解除等区域生活環境整備事業の予算の確保など、支援の充実を図ること。
 さらに、同様に甚大な被害を受けたJR線の早期復旧に向け、津波対策と復興まちづくりを考慮したルート移設等により原状の復旧から増加する事業費について、東日本旅客鉄道株式会社への支援を行うこと。
4 建築物の耐震改修事業に対する支援
 建築物の耐震改修事業について、大規模建築物等や防災拠点建築物、避難路沿道建築物などにおいて実施する場合に、被災地では民間事業者や地方公共団体が大きな経済的負担に耐えられないことから、特段の支援の充実を図ること。


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第24号議案 

 東京電力福島第一原子力発電所事故対策について

 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による大津波は、東京電力福島第一原子力発電所を襲い、全交流電源を失った上に、冷却機能も喪失し、大量の放射性物質が放出され、国際評価尺度で最も深刻なレベル7に位置付けられる重大事故に発展し、放出された放射性物質による影響は、いまだ継続しており、また、現在も汚染水問題をはじめ、頻繁にトラブルが発生するなど、依然、国民の不安を招く事態が続いている。
 この事故により、福島県では、立地町や周辺市町村において多くの人々が避難を余儀なくされており、避難生活の長期化により雇用と生活の場を失うという状況に直面し続けている。
 また、放射性物質の放出による健康被害への不安をはじめ、農林水産物の出荷・摂取制限や風評による損害、さらには企業活動の停止や観光客の大幅な減少など、原子力事故の影響は個人から産業全般あるいは他県にも深刻な影響を及ぼし、その被害は広範囲に及んでいる。
 こうした中、避難を余儀なくされた人々は、一日も早く故郷に戻り、これまでの平穏な生活を取り戻したいとの思いを抱いて、過酷な避難生活に耐えている。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故処理対応については世界が注視しており、原子力政策を国策として推進してきた国は、人的、技術的支援を含めた世界の英知を集め、一刻も早い事態の収束を図るべきである。
 また、放射性物質による汚染対策等は県境等の行政境で分けるのではなく、放射性物質汚染対処特別措置法の基本方針により、「線量に応じて」実施し、福島県民をはじめ隣接する県の県民、北海道・東北地域の住民、そして国民が安全と安心のもとで暮らすことができるよう、国に対し、次の事項の実現を強く要望する。
1 原子力事故への対応
 政府においては、平成25年12月に「早期帰還と新生活の両面での支援」「原発事故収束に向けた取組強化」「国が前面に立った原子力災害からの福島復興」の3つを柱とする「原子力災害からの福島復興の加速化に向けて」とする指針(以下「加速化指針」)を閣議決定した。この指針に基づき、福島が真の復興を成し遂げられるよう、次の取組を迅速かつ確実に進めていくこと。
(1)加速化指針において、中長期ロードマップに基づく安全かつ確実な廃炉への取組を東京電力任せとはせず、国が前面に出て汚染水対策を実行するとしたとおり、東京電力福島第一原子力発電所の事故の収束を着実かつ速やかに進めること。
(2)放射性物質の大気中への放出や汚染水の海洋放出は、より深刻な事態を避けるためであったとはいえ、本来あってはならない行為である。特に、新たな汚染水の海洋放出により水産業や水産資源に更なる被害を与えることから、今後の収束に向けた取組においては、いかなる理由があろうともこうした行為を二度と繰り返すことのないよう、原子炉等の適切な管理を行うこと。
 また、放射性物質を含む水が淡水化装置や配管から漏えいし、海洋へ流出する問題が繰り返し発生し、さらに、地下貯水槽遮水シート、移送ポンプ配管、トレンチ(坑道)等からの汚染水漏えいの問題が発生しているが、特に、地上タンクからの汚染水漏れは、極めて深刻な事態であることから、このような事象が二度と発生しないよう、更に厳重な管理を徹底すること。
(3)今回の原子力事故により、広域的かつ長期的な住民避難等、原子力災害対策特別措置法の想定を超えた深刻な事態が発生した。これに対し「福島復興再生特別措置法」が平成24年3月31日に施行(昨年5月10日一部改正)され、地域再生の進行に向けた取組が図られたところであるが、同法や法の基本方針等に定められた施策を国、福島県及び関係市町村の適切な役割分担のもと確実に実施するとともに、法に基づき、福島県の復興・再生の具体的な道筋を明らかにしながら、5年間とする集中復興期間はもとより、その後の長期的な財源を確実に確保すること。
 また、復興の状況の推移に応じて新たな措置が必要とされる場合や避難者等への賠償問題や生活支援等、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」で手当しきれない部分があれば、更なる法制度の拡充を行うこと。
 さらに、被災地の復興等を一元的に所管する組織として平成24年2月10日に復興庁が設置されたが、被災地の復興におけるワンストップ窓口の役割や、省庁間縦割りの弊害を解消する等の本来の役割がいまだ十分には果たせていない。特に、福島県においては、原子力災害からの福島の復興に関連する施策に関して、現地での実施機能の強化及び被災地の現場における施策の判断の迅速化を目的とし、昨年2月1日に福島復興再生総局が設置されたところであり、復興のための施策の企画及び立案並びに総合調整機能等を強化すること等により、被災地の復興を早期に確実に進めていくこと。
(4)避難者の一日も早く故郷に戻りたいとの思いに応え、今後の生活に夢と希望を持ち続けることができるよう、避難指示を解除する際の判断基準及び解除予定時期を早急に示すこと。
2 正確で分かりやすい情報の提供と測定体制の整備
(1)今回の原子力事故により飛散した放射性物質は、立地県はもとより隣県をはじめ広範囲に拡散し、その影響は、飲料水、農林水産物等、住民の暮らし全体にまで及んでいることから、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の予測範囲を影響が及んでいる都県まで拡大し、定期的に情報の提供を行うとともに、国の責任において大気中、飲料水、農林水産物、土壌等の放射線モニタリング体制を充実し継続的な測定を行い、より詳細で分かりやすい大気中及び土壌の放射線量等分布マップを早急に示すなど、その測定結果及び科学的な知見に基づく評価結果を国民に速やかに提供すること。
 また、国においては、海洋モニタリングを強化し、その測定結果を踏まえ、国の責任において海洋生物や人体への影響の有無を評価し定期的に公表すること。
 さらに、新たな地下水バイパス事業に対して、漁業者や国民が不安を抱いていることから、国が今後とも十分な説明を行い理解を得るとともに、地下水バイパス水を排出する際には、第三者機関によるクロスチェックを行い、排出基準の運用目標を遵守するよう事業者を指導・監視すること。
 また、測定結果や運用状況について丁寧に情報提供し、風評が生じないようにすることはもちろんであるが、万が一、地下水バイパス水の排出により、風評被害等の損害が生じた場合は、その賠償について確実に措置すること。
(2)健康に対する影響など放射性物質による汚染への不安が増大しており、放射性物質に係る健康や生活に対する影響を踏まえ、年間積算線量の上限値など、放射性物質汚染に関する様々な基準を明確化し、科学的根拠に基づいた正確な情報を国民に分かりやすく広報するとともに、原子力災害や放射能汚染、健康被害に関する全ての情報を速やかに公開すること。
(3)放射性物質による汚染の影響が広範囲に及び、不安解消に向けた各種の放射線や放射性物質に係る測定・公表が必要不可欠な状況であることから、立地県はもとより、周辺の都県等が実施する空間放射線量率の測定や農林水産物、飲料水、上下水道処理等副次産物、土壌、海水等に含まれる放射性物質のサンプリング調査、測定機材の購入、測定等に係る業務委託などの経費については、既に対応した経費も含め、国の責任において全額国庫負担とすること。
3 住民の健康対策
(1)福島県のみならず、隣接する宮城県などにおいても、放射性物質の影響が収束を見せない状況であり、被ばくによる晩発性障害に対する住民の不安は大きいものがあることから、影響が懸念される隣接県民を対象としたホールボディカウンター等による検査や18歳以下に対する甲状腺検査などの健康調査を実施するとともに、国として長期間にわたり立地地域住民、福島県民及び放射性物質の汚染が認められる隣接県民をはじめとした国民の健康を管理する体制を構築し、国の責任において対応すること。
(2)放射性物質は広範囲に拡散し、各地域に深刻な影響を及ぼしており、住民の不安解消や安全確保に向けた対策が必要であることから、福島県のみならず影響が及んでいる隣接県等の子どもをはじめとする県民を対象に、健康確保に必要な事業等の機動的・柔軟な実施を可能とする健康基金(仮称)を創設するなど、住民の健康管理に関する中・長期的な視点に立った抜本的な対策を講ずること。
4 放射性物質の除去対策
(1)国は、「放射性物質汚染対処特措法」に基づき、迅速かつ着実な除染の推進に責任を持って取り組むこと。
 また、除染に要する費用は全額国庫負担とするとともに、除染技術の研究を行い、効果のあるものは速やかに補助金又は交付金の対象に取り込み、実態に応じた柔軟な執行を認めること。
(2)放射性物質の拡散や被害拡大を踏まえ、汚染土壌の除去や浄化の先進的研究を行っている産学と一体となったリーディングプロジェクトを設置し、汚染土壌の効果的な除染方策を直ちに提示するとともに、住民の年間追加被ばく線量の低減に向けた対策指針や放射線に対する影響の大きい乳幼児、児童生徒のための具体的対策を早急に策定し示すこと。
(3)今回の原子力事故により住民は、目に見えない放射線に対して不安に怯えながらの生活を余儀なくされている。住民の不安を解消し安心して生活することができる環境を取り戻すために、市街地、公園、通学路などを含め生活環境全体の除染について国の責任において確実に実施すること。
 また、放射性物質に汚染された廃棄物の処理・処分については、最終処分方法を一刻も早く確立するとともに、国の責任において処分先及び処分費用の確保を図ること。
(4)立地地域及び周辺地域の主たる産業のひとつが第一次産業であり、当該地域の再建には農林水産業を安心して継続できる環境が重要であることから、農地、森林等の除染に係る技術を確立するとともに、消費者や実需者から選択される安全な農林水産物の生産に不安なく取り組めるよう抜本的・総合的な対策を策定し、国の責任において確実に実施すること。
 また、水産業の再開に向けて、放射性物質による海洋や湖沼汚染の状況やメカニズムを解明するとともに、低減対策を講ずること。
(5)放射性物質に汚染された牧草、稲わら、堆肥や汚泥等の廃棄物のうち、放射性物質汚染対処特措法の指定廃棄物(8,000ベクレル/kg超え)となったものは、国が責任を持って管理・処分を行うとともに、国の責任において処分施設を確保すること。
 また、その汚染濃度にかかわらず、放射性物質に汚染された廃棄物は、国が管理・処分に要する費用を負担し、国が責任を持って迅速、かつ適切な処理を進めること。
 さらに、放射性物質濃度を低減させ再利用を可能にするための実効性のある技術開発や指定廃棄物を出さない処理方法を早急に開発普及させ、既存処理施設での処理促進のための財政支援を講ずること。
(6)森林の除染については、対象範囲の拡大や森林内の放射性物質の動態変化に即した新たな除染方法の追加など、地域の実情に応じた森林除染の方針を速やかに決定するとともに、実施に関するロードマップを早急に示すこと。
(7)福島再生加速化交付金による除染特別地域内の農業用ダム・ため池の放射性物質対策については、事業代行制度など国による実施体制を構築すること。また、除去土壌等は、除染事業の発生土壌と同様の取り扱いとすること。
5 原子力災害に伴う損害賠償等
(1)原子力災害に伴う損害は、長期にわたる避難のほか、米の作付制限、農林水産物等の出荷や採捕の制限、企業活動の停止、個人の判断でやむを得ず実施した除染、除染に伴い毀損した財物、さらには、農林水産物、加工食品、工業製品、観光産業等における風評被害等、全国の産業全体に拡大している。
 よって、今回の原子力災害に関する損害賠償について、東京電力に対して完全な賠償が果たされるよう強く指導するとともに、被害者に対して責任を持って迅速かつ十分な支援を行うこと。
 また、都道府県や市町村が対応した経費についても、全額を国において財政措置すること。
(2)原子力損害の賠償に関しては、昨年12月、原子力損害賠償紛争審査会が策定した「中間指針第四次追補」において、避難の長期化に伴う精神的苦痛等の一括賠償や住居確保に係る賠償、避難指示解除後の賠償が継続される期間等についての考え方が示されたところであるが、引き続き、被害者や被災地方公共団体等の意見を十分に聞き、現段階における損害のみで断定することなく、長期的な視点に立って風評被害や営業損害などについても幅広く捉え、全ての損害について十分な賠償期間を確保するとともに、国の全責任の下で、国が前面に立って、避難、帰還、移住における生活や事業の再建に向けた切れ目のない対策を講ずること。
(3)東京電力に対し、指針は賠償範囲の最小限の基準であることを改めて深く認識させ、原子力災害の原因者として誠実かつ柔軟に対応するよう指導するとともに、適切かつ確実な賠償が速やかに行われるよう、国が責任を持って財源の確保に努め、被害者に寄り添ったきめ細かな生活再建の施策を最後までしっかりと講ずること。
(4)山林の損害賠償については、これまでの管理費用や将来発生する付加価値を含む財物価値の喪失又は減少等に関する考え方や損害賠償基準を早急に取りまとめ、賠償金の支払いが速やかに開始されるよう東京電力に対して強く指導すること。
 また、田畑にあっては、東京電力において賠償請求の受付が開始されたことから、国においても、事業再開に支障が生じることがない適切な賠償が行われるよう東京電力に対して強く指導すること。
(5)東京電力が、出荷制限指示や風評被害による対象産品等の営業損失に係る賠償金額から事業者の営業努力等による売上高の増加額を控除していることについて、営業損害を被った事業者の特別な努力を損害額から控除しない等の合理的かつ柔軟な対応が行われるよう東京電力を指導すること。
6 原子力発電所立地地域の復興
(1)自主的な避難も含め、今回の事故により避難を余儀なくされている住民の多様な要請に応え、生活の質の向上を図るとともに、一日も早く故郷に戻り、元の生活を取り戻せるよう、住宅対策や生活資金の手当てのほか、二重ローン対策、雇用の確保、就労支援、事業活動支援、地方税の非課税・減免措置などの避難住民に対する支援措置について、国の責任において確実に実施すること。
(2)原子力事故の特殊性から避難生活が長期化することが想定され、避難地域又は周辺地域で事業活動を行っていた商工業者は、事業活動の停止又は廃業を余儀なくされている。
 また、観光地では一部に回復の兆しが見られるものの、風評の影響もあり、引き続き厳しい状況が続いている。事業者が事業を継続し、雇用を確保できるよう、施設の復旧補助、事業継続に必要な資金支援など、ハード・ソフト両面にわたる強力な支援措置を講ずること。
 さらに、JR常磐線の避難指示区域内での復旧が大きな課題であり、この原子力災害からの復旧は、国策として原子力政策を推進してきた国に全面的な責任があることから、国が断固たる決意を持って地元地方自治体や東日本旅客鉄道株式会社と連携を図り、適切な指導、技術的支援及び財政的支援を通じ、早期全線復旧を確実に促進すること。
(3)原子力事故を一刻も早く収束し、立地地域及び周辺地域の復興に取り組まなければならないが、発電所の立地町や周辺町村の役場機能が県内各地に移転し、住民も分散避難を強いられ、地域コミュニティの再生が大きな課題となっていることから、今後の当該地域復興の主体となる避難自治体に対して、行政機能の維持確保に加え、地域再生に向けた財政的支援を含めた長期的な支援を行うこと。
 また、原子力災害対策に要する行政経費を全額国庫負担とし、被災者支援等復旧・復興のために柔軟に活用できる交付金を創設すること。
7 原子力施設の安全対策
(1)今回の原子力事故について、事業者及びオフサイトセンターを含む国の初期対応をはじめ、事故拡大に至った原因や、地域住民や国民に対する情報提供のあり方等を徹底的に検証し、事故についての責任の所在を明らかにすること。
(2)新たな規制基準については、原子力規制委員会において国民に対する説明責任を果たし、この基準に基づき原子力発電所ごとに厳正な審査を実施すること。
 また、新たな規制基準の今後の見直しに当たっては、現在も続く福島第一原子力発電所事故に係る検証はもとより、様々な関係機関や専門家、事業者の意見を聞きながら、幅広い議論を行い、常に最新知見を反映し、科学的根拠に基づく真に実効性のある規制を確立するとともに、国民に対し十分な説明を行うこと。
 

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第25号議案 

 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う風評の払拭について

 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質に関する根拠のない情報や噂が氾濫したことで、国内外において健康被害や農林水産物に対する汚染など様々な不安が広がっている。そうした不安を背景に、放射性物質の影響を懸念した風評によって、農林水産業をはじめ、観光業などあらゆる産業が大きな被害を受けている。
 その対策として、放射性物質についての正確な情報の発信、農林水産物を対象とした放射性物質検査の結果の公表やリスクコミュニケーションなど、風評の払拭に向けた理解促進策などに懸命に取り組んでいる。しかしながら、このような対策を講じても、いまだ消費者等の信頼回復には結びつかない現状があり、また、一部雑誌で風評を助長する恐れのあるケースが見られたところである。
 よって、福島第一原子力発電所事故に伴う様々な風評を払拭するため、国に対し、次の事項の実現を強く要望する。
1 正確な情報発信等について
(1)風評の払拭のためには放射線に対する正しい知識の習得が不可欠であることから、国民が放射線と健康・食に関する正しい知識を身につけることができるよう、積極的な広報・教育活動を行うとともに、消費者に対しては、農林水産物の安全性について、正確な情報提供やPR活動を継続して行うこと。
 また、各自治体や関係団体が実施する情報発信等の取組に対する財政支援を継続・拡充すること。
(2)日本の主食である米をはじめ果物・野菜・林産物・水産物などの農林水産物に対する放射性物質の影響が懸念されていることから、国民の食材への安全・安心の信頼を裏切ることのないよう、想定されるあらゆる事態を考慮し、国の総力をあげて対応すること。
(3)外国人観光客の減少を食い止め、早期の観光関連産業の正常化を図るため、正確な情報発信の強化等により風評の早期払拭に努めること。
(4)農林水産物をはじめとする貿易等に関して生じている韓国など諸外国の過剰な規制等やいわれのない風評の払拭のための対策を国の責任において確実に実施するとともに、諸外国に対する正確かつ積極的な情報の提供、安全・安心であることを証明する仕組みを国の責任において早急に構築すること。
2 検査体制の確保等について
(1)地方公共団体や関係団体等が実施する農林水産物、工業製品、加工食品、水道水等の放射性物質検査に係る検査機器等の整備に要する経費及び検査費用については、いまだにその多くが地方負担となっているため、既に対応した経費も含め、自己負担のないよう支援を行うことなどにより、国の責任においてしっかりとした検査支援体制を確保するとともに、安全性が確認された農林水産物等の販路の確保についてもしっかりと支援すること。
(2)国から出荷制限要請の指示が出されている野生の山菜、きのこの出荷制限解除要件については、関係自治体による検査データを活用するとともに、検体数の確保が困難な地域においては、生態に即して柔軟に対応すること。
 また、野生鳥獣の肉の出荷制限解除要件についても、地域の状況に即して柔軟に対応すること。
(3)工業製品個々における安全基準を直ちに定め、取扱いについてのルール作りを行い、産業活動の正常化のため業界団体への指導を強化するとともに、悪質な場合はその事業者名等を公表できるようにするなど、風評を払拭する取組を強化すること。
(4)輸出の重要な鍵となる港湾の検査体制の強化を図る必要があることから、県又は民間企業が行う放射線線量等の測定に関する経費や貨物又はコンテナの除染を行う場合の経費、除染の際に生じた廃棄物等の保管、処分等の経費など、所要の経費の全てを国の責任において措置すること。


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