プレジャーボート等に係る水域の適正な利用及び事故の防止に関する条例
平成16年12月17日条例第67号

(目的)
第1条 この条例は、プレジャーボート等に係る適正な水域の利用及びその航行に伴う危険の防止を図るとともに、水域を利用する者相互の連携及び協力を促進することにより、水域の適正な利用に関する秩序を確立し、もって水域を利用する者の生命、身体及び財産の保護並びに水域におけるレクリエーションの健全な発展に資することを目的とする。


(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) プレジャーボート等 モーターボート、ヨット、水上オートバイその他の総トン数20トン未満の船舶(人又は貨物を積載し、自航であるとえい航であるとを問わず、水面を移動するために用いられる物をいう。以下同じ。)をいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 漁船法(昭和25年法律第178号)第2条第1項に規定する漁船
イ 専ら海上運送法(昭和24年法律第187号)第2条第2項に規定する船舶運航事業の用に供する船舶
ウ 専ら港湾運送事業法(昭和26年法律第161号)第2条第2項に規定する港湾運送事業の用に供する船舶
エ 専ら内航海運業法(昭和27年法律第151号)第2条第3項に規定する内航運送業の用に供する船舶
オ 遊漁船業の適正化に関する法律(昭和63年法律第99号)第2条第2項に規定する遊漁船
カ しゅんせつ船その他の作業船
キ 主としてろかいのみをもって運転する船舶又は推進機関を有しない船舶であって、手こぎボートその他の小舟等限られた水域において専ら回遊等の用に供されるもの(事故の防止のための措置がされているものに限る。)
ク 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)の学生、生徒若しくは児童又はこれらの者を引率する教員が当該学校の教育活動の用に供する船舶
ケ 競技及びその練習の用に供する船舶
コ 国又は地方公共団体が所有する船舶
(2) 係留保管 船舶を、水面において常時係船し、又は陸上の土地において船台等に常時定置することをいう。
(3) 水域 海域、河川、湖沼その他のプレジャーボート等が航行することができる水域をいう。
(4) 所有者等 プレジャーボート等を所有する者その他のプレジャーボート等を常時使用する権利を有する者で、自己のためにそのプレジャーボート等を航行の用に供するものをいう。
(5) 操縦者 プレジャーボート等に乗船し、当該プレジャーボート等を操縦する者をいう。
(6) 放置等 プレジャーボート等を放置し、又は適正な管理を行わない状態で係留することをいう。


(所有者等の責務)
第3条 所有者等は、事故の防止を図るために必要な措置及び事故による被害者に対する損害賠償等に備えた措置を講ずるとともに、プレジャーボート等の適正な係留保管を行い、水域を安全かつ適正に利用しなければならない。
2 所有者等は、水域の安全かつ適正な利用に関して県が実施する施策に協力しなければならない。


(漁業者等の責務)
第4条 漁業者並びに漁港、港湾、河川及び海岸(以下「漁港等」という。)を利用する事業者(以下「漁業者等」という。)は、それぞれの事業活動において、率先して、事故の防止を図るために必要な措置及び事故による被害者に対する損害賠償等に備えた措置を講ずるとともに、船舶の適正な係留保管を行い、水域を安全かつ適正に利用しなければならない。
2 漁業者等は、プレジャーボート等の遭難を知ったときは、関係行政機関への通報、捜索に対する協力、人命の救助その他の必要な手段を講ずるよう努めなければならない。
3 漁業者等は、水域の安全かつ適正な利用に関して県が実施する施策に協力しなければならない。


(販売事業者の責務)
第5条 プレジャーボート等を販売する事業者は、プレジャーボート等に係る事故の防止及び適正な係留保管を図るため、プレジャーボート等を購入しようとする者に対して、事故の防止を図るために必要な措置を講ずることその他のプレジャーボート等の航行に関して遵守すべき事項を説明しなければならない。


(県の責務)
第6条 県は、プレジャーボート等に係る事故の防止、係留保管の適正化及び水域における健全なレクリエーションの振興に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。
2 県は、県が管理する漁港等の管理運営について、関係する内部組織における協議及び調整を適切に行い、かつ、所有者等及び漁業者等の視点に立って、総合的かつ一体的な施策を実施するものとする。


(相互の連携及び協力)
第7条 所有者等、操縦者及び漁業者等は、相互に連携し、及び協力して、事故の防止、生活環境の保全、水産資源の保護及び水域における健全なレクリエーションの発展に配慮し、適正に水域を利用しなければならない。


(組織に対する支援)
第8条 県は、所有者等、漁業者等、関係行政機関等により構成される組織であって、プレジャーボート等に係る水域の適正な利用の促進を図ることを目的として設立されるものに対し、必要に応じて、技術的な助言、指導等の支援を行うものとする。


(県の管理する漁港等に係る意見聴取等)
第9条 県は、県が管理する漁港等における施設の適正な利用を図るため、当該施設を利用する所有者等、漁業者等、関係行政機関等の意見を定期的に聴取し、当該施設の運営に資するよう努めるものとする。
2 県は、県が管理する漁港等に係る水域の安全かつ適正な利用に関し著しい支障が生じ、及び当該水域の利用者間で紛争が生じていると認められる場合は、前項に規定する者の協議に基づき、自主的かつ速やかに当該紛争の調整が行われるよう支援するものとする。


(啓発及び普及)
第10条 県は、事故の防止、水域の生活環境の保全及び水域におけるレクリエーションの健全な発展を図るため、第7条に規定する者に対して、水域の適正な利用、水域における生活環境の保全、船舶の安全な航行等に関する啓発及び知識の普及に努めるものとする。


(非正常状態での操縦の禁止)
第11条 操縦者は、飲酒、薬物の影響その他の理由により正常な操縦ができないおそれがある状態でプレジャーボート等を操縦し、又は当該状態の者に操縦させてはならない。


(危険操縦の禁止)
第12条 操縦者は、衝突その他の危険を生じさせる速力でプレジャーボート等を遊泳者、他の船舶又は漁業の用に供する施設に接近させることその他の人の生命、身体又は財産に対する危険を生じさせる方法で、プレジャーボート等を操縦し、又は他の者に操縦させてはならない。


(救命胴衣の着用)
第13条 操縦者は、救命胴衣を、自ら着用し、かつ、プレジャーボート等に乗船する者に対して着用させなければならない。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
(1) 負傷若しくは障害のため又は妊娠中であることにより船外への転落に備える必要な措置を講ずることが療養上又は健康保持上適当でない者
(2) 著しく体型が大きいことその他の身体の状態により適切に船外への転落に備える必要な措置を講ずることができない者
(3) 適切な命綱を装着させることその他の救命胴衣を着用する場合と同等と認められる船外への転落に備える措置を講じている者
(4) 船室内に乗船している者


(その他の事故の防止のための措置)
第14条 操縦者は、発航前の検査の実施、海象及び気象に関する状況の確認、連絡及び通報の手段の確保その他の事故を防止するために必要な措置を講ずるものとする。


(事故等の発生時の対応)
第15条 操縦者は、プレジャーボート等の操縦により事故等を発生させた場合は、水域における危険を防止する等の必要な措置を講ずるとともに、最寄りの市町村長、警察官又は海上保安官に通報しなければならない。
2 操縦者は、前項に規定する場合において、負傷者が生じたときは、直ちに当該負傷者を救護しなければならない。


(危険操縦等に対する勧告及び命令)
第16条 知事は、第11条から第13条までの規定に違反する事実があると認める場合において、事故を防止するため必要があると認めるときは、指定する職員に、即時に、操縦者に対して当該違反する事実の是正を勧告させることができる。
2 知事は、前項の規定に基づき当該操縦者に対して是正を勧告してもなお当該違反する事実が是正されない場合において、事故を防止するため緊急の必要があると認めるときは、指定する職員に、即時に、当該プレジャーボート等の航行の停止又は最寄りの港への寄港を命じさせることができる。
3 第1項の規定に基づく勧告又は前項の規定に基づく命令をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。


(損害賠償等に備えた措置)
第17条 所有者等は、プレジャーボート等の事故により生じる人の生命、身体若しくは財産に対する損害の賠償又は市町村長に対する救護費用の納付を行うべき場合に備えて、損害保険契約の締結その他の措置を講じなければならない。


(損害賠償等に備えた措置の確認)
第18条 知事は、前条の措置の実施状況を確認するため、プレジャーボート等(主としてろかいのみをもって運転する船舶及び推進機関を有しない船舶を除く。)に係る所有者等に対して、当該措置の状況に関する書類の提出を求めることができる。
2 知事は、前項の規定に基づき書類の提出を求めた場合において、正当な理由なく、同項の書類を提出せず、又は前条の措置を講じていないと認められる者に対し、当該書類を提出すること又は当該措置を講ずることを勧告することができる。
3 知事は、前項の規定に基づく勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わず、かつ、相当長期間にわたり前条に規定する措置を講じていないと認められる場合は、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。
4 知事は、前項の公表をしようとするときは、当該勧告を受けた者に対し、あらかじめその旨を通知し、意見を述べる機会を与えるものとする。


(プレジャーボート等の適正な管理)
第19条 所有者等は、自らの責任においてプレジャーボート等の係留保管のための場所を確保し、その適正な管理に努めなければならない。


(適正化区域の指定)
第20条 知事は、次に掲げる区域のうち、係留保管のための施設の整備状況を勘案し、プレジャーボート等の係留保管の適正化を特に図る必要がある区域を、プレジャーボート等の係留保管の適正化を要する区域(以下「適正化区域」という。)として指定することができる。
(1) 災害時(火災、津波等による災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときをいう。以下同じ。)における船舶による円滑な避難又は輸送を確保するために必要な区域
(2) 災害時において、放置等をしていることに起因する被害が発生するおそれのある区域
(3) ダム又は水門の付近等水位又は水流が急激に変化するおそれのある区域
(4) 放置等により防火又は防犯上の支障が生じるおそれがある等周辺に居住する住民の良好な生活環境が阻害されるおそれのある区域
2 知事は、前項の規定に基づき適正化区域を指定したときは、その旨及びその区域を告示するものとする。
3 知事は、適正化区域の指定の要件となった事実の変更により必要が生じたときは、その指定に係る適正化区域を変更し、又はその指定を解除することができる。
4 第2項の規定は、前項の規定に基づく適正化区域の変更又は指定の解除について準用する。


(勧告)
第21条 知事は、適正化区域内において、放置等をしている所有者等に対し、当該プレジャーボート等の移動その他の必要な措置を講ずるよう勧告することができる。


(放置等に対する措置)
第22条 知事は、前条の規定による勧告に従わない所有者等に対し、法令又は他の条例(以下「法令等」という。)に基づく所要の措置を速やかに講ずるものとする。


(廃棄船の適正処理)
第23条 所有者等は、プレジャーボート等を廃棄する場合は、法令等に基づき適正に処理しなければならない。


(報告及び立入調査)
第24条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、所有者等、操縦者及びプレジャーボート等の販売事業者に対し、プレジャーボート等に関し必要な報告若しくは資料の提出を命じ、又はその職員に、当該プレジャーボート等若しくは事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させることができる。
2 前項の規定に基づき立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定に基づく立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。


(市町村に対する支援)
第25条 県は、市町村が、プレジャーボート等に係る水域の適正な利用に関する施策を策定し、及び実施しようとする場合には、必要に応じ、情報の提供、技術的な助言その他の支援を行うものとする。


(補則)
第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の実施に関し必要な事項は、知事が定める。


(過料)
第27条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(1) 第16条第2項の規定に基づく命令に違反した者
(2) 第24条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定に基づく立入り若しくは調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者


附 則
この条例は、平成17年7月1日から施行する。ただし、第18条第3項及び第4項の規定は、同日から起算して2年を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(平成19年3月規則第31号で、同19年6月1日から施行)

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