岩手の達人が教える いわて・食・紀行

岩岩手県九戸郡山形村 成谷自然食の会

「まめぶ汁」

「まめぶ汁」の盛り付け

岩手には、お正月やお盆をはじめ慶弔の席に欠かせない行事食と呼ばれる伝統料理が数多く伝承されています。今回紹介する「まめぶ汁」もそんな料理のひとつです。

山形村では、これがないと年が越せない

本州一の白樺林広がる平庭高原。その麓にある山形村の各集落には「まめぶ汁」と呼ばれる伝統食が伝承されています。山グルミと黒砂糖入り団子を、醤油で味付けした具沢山の汁物としていただくもので、岩手県内でも山形村周辺にのみ伝わる料理です。

「『不思議な料理ですね』とよく言われますが、私たちにしてみればこれがないとお正月を越すことができないほど馴染みの味。集落によっては、団子の中身がクルミだけ、汁にとろみをつけたりと、微妙に違うんですよ」とは、山形村霜畑で地域の食を伝承する「成谷自然食の会」代表の岩脇ヨシエさん。

もっとも、団子に黒砂糖を入れるようになったのは、終戦後のこととか。さらに、かつては、干しシメジでダシをとり、味付けは「すまし」と呼ばれる自家製の豆味噌の上澄みで行っていたとのことです。

まめぶ作り、そば打ちの体験もできます

まめぶ汁に団子を入れる 「成谷自然食の会」岩脇ヨシエさん(左)と七ツ役トミさん(右)

「まめぶ」という名称は、その形状が「まり麩(ふ)」に似ていることから「まりふ」がなまって「まめぶ」になったという説のほか、忠実忠実(まめまめ)しく健康で達者に暮らすという願いを込めてつけられたという説があります。

「成谷自然食の会」の活動拠点でもある「そばの巧館」では、予約(※)により「まめぶ」を食べられるほか、地元の山菜、穀物、川魚、さらにはまめぶ、手打ちそばなどがセットになった「ふるさと御膳・1200円」も提供。「まめぶ」「手打ちそば」などの手作り体験(要予約)にも挑戦することができます。

※「そばの巧館」は予約のみにて営業します。10名様以上、1週間前までにお申込ください。

■材料(4人分)
・ナンブコムギ(または中力粉)/200g・剥きグルミ/30g・黒砂糖/適宜・ニンジン/70g・ゴボウ/80g・凍り豆腐/80g・油揚げ/40g・カンピョウ/10g・干しシイタケ/15g・醤油/45cc・ダシ昆布/15cm・煮干/5〜6本・片栗粉/少々・塩/少々
■作り方
@水リットルに昆布に煮干を入れダシ汁を作る。
Aニンジン、ゴボウは、銀杏切り。油揚げ、凍り豆腐は細かく切り、カンピョウは1cm位に切る。干しシイタケは水で戻し1cm角に切る。
B小麦粉に少々の塩少を入れ、湯でこねる。親指大位の大きさに切り分け、クルミと黒砂糖を入れ中身が出ないように丸くする。
C鍋に@Aを入れ火にかける。野菜に火が通ったら醤油で味付けを付けBのまめぶを入れる。まめぶが浮き上がってきたら味を整える。
■料理のポイント
丸くしたまめぶは、くっつくなないように片栗粉をまぶしておく。まめぶが浮いたら火を止めること。煮込みすぎは厳禁。

取材協力・お問い合せ:成谷自然食の会 九戸郡山形村霜畑 TEL.0194-75-2034(岩脇さん)

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