4.原状回復対策検討

(1)岩手県の原状回復の方策検討

 1999年の事件発覚以来、青森・岩手両県は不法投棄現場の汚染実態調査などを行い、2002年には両県合同の検討委員会及び技術部会を設置するとともに、住民説明会等を通じて地元の意見を聞きながら、原状回復の方法について検討を重ねた。
 これらの結果を踏まえて、岩手県では、基本的に廃棄物の全量を撤去する考えであることを表明した。以降は、両県それぞれ、具体的方針を検討する組織を設置し対策を進めることが適当と提言され、2003年6月28日の第4回をもって合同検討委員会における検討は終結した。
 また、2003年6月、国は本事案を契機に、原状回復に要する費用に対する財政支援の特例措置を講ずる「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」を制定した。 

参考
特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法について:環境省HP 

(2)青森・岩手県境不法投棄現場の原状回復対策協議会の設置

 本不法投棄事案に係る現場の原状回復を進めるにあたって、広く県民に不法投棄廃棄物や汚染土壌の撤去及び原位置浄化対策の内容等を情報公開するとともに、二戸市民等関係者の合意形成を図り、もって適正かつ円滑な事業の推進に資するため、「青森・岩手県境不法投棄現場の原状回復対策協議会」が設置された(第1回協議会:2003年7月19日開催)。以降、廃棄物の掘削除去が完了した2012年度までは2カ月に1回、その後は年3~4回程度の頻度で開催している。

参考
原状回復対策協議会:資料 岩手県HP

(3)原状回復事業に係る実施計画

 これまでの調査結果や住民及び原状回復対策協議会からの提言等を踏まえ、岩手県環境審議会等の意見を踏まえた実施計画について国に協議した。
その結果、2004年1月に環境大臣の同意を得て、特別措置法に基づく「青森・岩手県境不法投棄事案に係る特定支障除去等事業実施計画書」を策定した。
 
参考
岩手・青森県境不法投棄事案(岩手県エリア)における特定産業廃棄物に起因する支障の除去等の実施に関する計画:資料 岩手県HP

(4)原状回復に係る施工システム基本設計の策定

 キャッピング(表面遮水)工事については、直ちに着工して差し支えない旨の環境省廃棄物・リサイクル対策部長通知(2003.10.31)があり、キャッピング工事を行った。
 2004年には、岩手・青森県境不法投棄現場の原状回復に係る施工システム基本設計業務に係る企画提案(プロポーザル)を募集することとし、学識経験者等で構成する「企画提案(プロポーザル)審査委員会」を設置し、審査基準について検討のうえ、最適案の特定を行い、原状回復に係る施工システム基本設計を策定した。

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場内キャッピングシートの敷設状況

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システム設計の基本理念

参考
岩手・青森県境不法投棄現場の原状回復に係る施工システム基本設計:第6回原状回復対策協議会資料


(5)行政代執行による原状回復事業の開始

 岩手・青森県境不法投棄現場の原状回復に係る作業マニュアルを作成の上で、2004年8月に行政代執行による廃棄物(現場建屋内鶏糞約400t)の撤去に着手した。2004年10月以降には廃棄物選別施設の設置、廃棄物選別・水処理設備の設置、場内通路建設工事を行った。

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原状回復事業のための各種マニュアル

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撤去した廃棄物の選別・搬出フロー

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水処理設備のフロー

参考
原状回復事業のための各種マニュアル:岩手県HP