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第2回岩手県東日本大震災津波復興委員会での知事総評

 貴重なご議論ありがとうございました。
 今日、初参加の皆様からのご意見大変参考になりました。

 また、津波防災技術専門委員会からの報告ということで、12市町村、被災地それぞれの被害の状況とそれに応じた科学的・技術的な安全確保、防災の方向性がだいぶ見えてきたと思います。

 それぞれの市町村の被害の実態と、また、経済・社会的必要性を踏まえた復興の方向が、かなりはっきり道筋ができてきていると思います。
 また、4人の委員の皆様からの提言もありがとうございました。

 平山委員からの提言。
 県内のあらゆる市町村、そして、団体の意見をきちっと復興委員会に集約していくようにというのはそのとおりだと思いますし、そのほかにも様々な個人の意見、県外、全国、あるいは外国の人の意見などもインターネットの活用やI援隊運動的な工夫なども活用して、ふくらみのある復興への取組をしていきたいと思っております。

 小川委員、遠藤委員はそれぞれ、いわばハードとソフト両面から大変参考になる提言をいただいたと思っております。
 やはり復興はハードとソフトの両面がなければだめでありますので、そういうふうに取り組んでいかなければと思っております。

 元持委員は、経済の面からご提言をいただきました。
 経済の視点は私も大変重要だと思っております。
 2次被害という言葉がありますが、地震や津波の直接の被害以外にも被災地は勿論ですけれども、岩手県全体が経済的に様々なダメージを被っています。
 この被害に対する対策ということも大変重要だと思います。

 復興という中長期的な取組の中で取り組んでいくべきこと、また、緊急の被害対策としてやっていかなければならないこと、様々やっていかなければならないと思います。

 自粛問題は全国的にも言われているのですけれども、特に被災地やそれに近い岩手においては、単なる自粛ムードを超えたかなり実質的な要因があると思っていまして、例えば、結婚式の披露宴のキャンセルが相次いでいるということ。

 これは雰囲気、ムードで止めているというよりは、招待者や主催者側で実際亡くなっている人がいるというように、実質的にできないということがかなりあり、ムードを変えることは大変大事ですけれども、実質的なところの対策を講じるとか、あるいは、それに代わる何か別のビジネスモデルみたいなものを入れていかないと構造的に解決しない問題だとも思っています。

 そこは県でも工夫しますし、国の方にも国全体の経済の活力をもって被災地を支援していくという形ができない限り、そういった経済の問題は解決せず、きちんとやらないと日本全体が、デフレ的に経済が落ち込む中で、特に被災地、被災県がひどいことになっていくという流れになってしまうと思っていまして、そうならないようにということは国の方にも強く言っていきたいと思っています。

 また、いくつかの酒蔵の若旦那衆がインターネットの動画投稿を使って、「岩手のお酒を飲んで花見をどんどんしてください」と全国に呼びかけたのが、日本中で評判になり、外国の新聞も取り上げたり、世界で話題になっています。

 これは、宮城県知事さんが上京して総理大臣に会い、総理と被災地県知事とで「消費をどんどん伸ばしましょう」と言ったこと以上に、地元の若い経営者の皆さんがアピールしたことの方が全国にも世界にもアピール力が強いと言うことがありますので、そういった様々な工夫をやっていかなければならないと思っております。

 今の災害対策の法律の仕組みは、まず、応急対応があり、復旧があり、復興はその後という整理になっておりますけれども、とてもそういう段階論では応じられない状況に私たちは直面しています。

 復興に向けてのスケジュール感が見えないと避難所にいる人たちも希望が持てないということで、復興スケジュールはいち早くつくっていかなければなりませんが、同時に今自衛隊の皆さん、大動員で行方不明者の捜索も行われているという実態であります。
 発災直後にやらなければならないことを今やっているという状況でもございます。

 したがって、今ある法律の枠組みとか様々な制度に則って過去の例を機械的に当てはめていけば問題が解決するという状況では全然ありませんので、今までやったことのないようなことをやったり、全く新しいことをどんどんやっていかなければなりません。

 ただ、そこで参考になるのが、後藤新平さんの例でありまして、関東大震災という、それこそ前例がない時に、5日後に復興院構想を出して、1ヶ月後には復興院が立ち上がり、復興計画も議会の議決を通って、そして復興の計画も1ヶ月後にはできていました。

 当時は、なまじ災害対策という概念もなければ段階を経た後始末の仕方の概念もなかった故に全部ひっくるめて復興という言葉の中で対応し、前例のない取組をどんどんやって成功させたという、それ自体を私たちは参考にできるのではないかと思っています。

 復興という言葉の中で、行方不明者捜索から、今の衣食住に事欠く避難者のケアもきちんと解決しながら、そのためにも大きなビジョン、計画をつくっていかなければならないということもあります。

 特に、全国的、さらに国外からの支援も大々的に引き込んでいくためには、日本全体が動く大義名分や人類共通の課題として取り組むようなビジョンがやはり必要であります。
 そこは日々の衣食住にも事欠くような困難からすれば、ビックリするような構想とか、ビックリするようなアイデアとかもあるのかもしれません。

 今回の災害で、日本人もそうですし、外国の人も含めて何かが開いたと思います。これは被災地においてもみんながやさしくなったという話があります。
 今までと違う生き方をしていかないとならないという自覚が被災地にもあり、日本中に起きていて、外国にも広がっている。

 そういう今までと違った生き方をしなければならない、それは人にやさしい生き方であり、より志高くある生き方という、そういうことが被災地にあり、また、全国、世界にも広がっています。

 そういう新しい生き方をしようという人たちを全部つないで、それを被災地、被災県にその力を投入していくという復興をしていかなければならないと思っております。
 それはほんとに岩手県政史上、いままでやったことのないような取組ですけれども、やらなければなりませんし、今ここまでの動きを振り返ると、私は「できる」と確信しております。

 この県の復興委員会の進み具合も、はっきり言って国の復興構想会議より遙かにきちんと、これは現場に近いから当然と言えば当然なんですけれども、現場の実態を踏まえた上で、国より先をいったビジョン、構想づくりが進んでいます。

 そういったことからも必ず「できる」と信じておりますので、更なるご協力をよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。

第2回東日本大震災津波復興委員会(H.23. 4.26)
達増拓也知事
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